【文献】
J. Agric. Food Chem.,1986年,vol.34, no.1 ,p.138-140
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
背景
皮膚病は、世界中で何百万もの人々が患い、治療費が何十億ドルに達する。皮膚病の原因は多く発生源から生じうるが、紫外線(UV)および太陽放射への曝露は多くの皮膚病の一般的な原因である。
【0003】
UVおよび太陽放射への連続的な曝露は、DNAを直接的に損傷し、脂質を過酸化物化する反応性酸化体を発生させ、他の細胞性成分を損傷することができる。UVおよび太陽放射はまた、炎症を惹起し、免疫応答を抑制することもできる。このような損傷の効果は、皮膚の弾性および内容を変化させること、皮膚の加齢を加速すること(皮膚日射病)、および隆起し赤みをおびたざらざらした増殖(角化症)を生じさせることを含む。米国特許第6,079,415号(特許文献1)。いくつかの場合において、過剰な日光曝露は、皮膚細胞を、その後皮膚癌になる可能性がある腫瘍性増殖へと成長させる。さらなる皮膚病は、紅斑、単純性表皮水疱症、ならびに皺、皮膚のたるみ、乾燥皮膚、年齢によるしみ、および小皺などの加齢の影響を含む。
【0004】
現在、UV放射が非黒色腫皮膚癌の大部分の原因となる主要な要因であるということが、広く受け入れられている。UV放射はおそらく、最も遍在性な環境発癌性物質であり、かつ非黒色腫皮膚癌をもたらす主要因である。UV放射への曝露の少なくとも3つの異なる作用が、皮膚における発癌のプロセスに寄与する:(i)DNA光産物、例えばシクロブタン-ピリミジン二量体およびピリミジン-ピリミジン産物の形成につながる直接的なDNA損傷、(ii)活性酸素中間体の形成をもたらす酸化ストレス関連DNA損傷、および(iii)遺伝的不安定性に対する耐性を高める免疫抑制。Setlow et al. J. Mol. Biol. (1966) vol. 17, pp. 237-54; Sander et al. Int. J. Dermatol. (2004) vol. 43, pp. 326-35;およびNishigori et al. J. Investig. Dermatol. Symp. Proc. (1996) vol. 1, pp. 143-46(非特許文献1〜3)を参照。
【0005】
皮膚癌発生率は、着実に上昇し、まん延の域に達している。新たな皮膚癌診断数の平均上昇率は1960年代以来1年に3〜8%であり、非黒色腫皮膚癌は現在、米国において癌の最も一般的な種類であり、1年に100万人を超える新たな症例を有する。Alam et al. N. Engl. J. Med. (2001) vol. 344, pp. 975-83(非特許文献4)。WO 2006/118941(特許文献2)も参照。
【0006】
癌に対する化学保護剤の多くの種類は、生体異物代謝の第二相酵素の大規模な誘導を誘起し、動物組織中のグルタチオンレベルを増加させる。Talalay et al. Toxicol. Lett. (1995) vol. 82/83, pp. 173-79(非特許文献5)を参照。これらの細胞応答は、求電子物質および活性型の酸素の解毒を加速し、それによって変異誘発および異常増殖に対して細胞を保護する。実質的証拠は、これらの解毒酵素の誘導が悪性病変からの保護を達成するための主要な戦略をもたらすことを示唆する。上記Talalay et al.を参照。第二相酵素は、キノン還元酵素(NAD(P)H:酸化還元酵素)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ、およびグルクロノシルトランスフェラーゼを含む。さらなる第二相酵素は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公報第2005/0063965号(特許文献3)に記載されている。例えば、第4頁段落[0046]を参照。
【0007】
癌と闘う1つの戦略は、第二相酵素の活性をそれらの誘導物質により呼び起こすことである。誘導物質は、ジフェノール、チオカルバメート、1,2-ジチオール-3-チオンおよびイソチオシアネートなどの単官能基誘導物質を含む。スルフォラファン(4-メチルスルフィニルブチル イソチオシアネート)およびその類似体は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公報第2005/0063965号(特許文献3)に記載されており、第二相酵素誘導物質の実例である。
【0008】
イソチオシアネートは、ブロッコリー、カリフラワー、ケール、芽キャベツ、キバナスズシロ、キャベツ、白菜、コラード、ハマナ、ダイコン、コールラビ、カラシナ、赤ハツカダイコン、カブおよびオダンダガラシを含むアブラナ科由来のものを含む、さまざまな植物で見いだされる。イソチオシアネートは一般的に、それらの前駆体、グルコシノレート(β-チオグルコシド N-ヒドロスルファート)が酵素ミロシナーゼ(β-チオグルコシド グルコヒドロラーゼ)により加水分解されると生成される。記載された植物では、グルコシノレートとミロシナーゼは別々に保持される。これはおそらく、グルコシノレートのイソチオシアネートへの早過ぎる加水分解を予防するためである。
【0009】
分離した形でグルコシノレートおよびミロシナーゼを含む製剤は、皮膚病ならびに他の癌性の状態を治療および予防するために望まれている。
【発明の概要】
【0012】
概要
第二相酵素誘導物質前駆体および活性化作用物質を含む局所製剤が提供される。前記前駆体と活性化作用物質との接触は、2つの化合物間の接触がほとんどないように、実質的に低減される。局所製剤を作製しかつ使用するための方法論も提供される。
【0013】
前記前駆体と作用物質とを実質的に分離する利点の1つの利点は、早過ぎる活性化の可能性を減ずることである。したがって、本明細書で提供される局所製剤は、比較的長い期間保存でき、かつ該前駆体の力価を維持でき、製剤は使用時に治療効果を有しうる。
【0014】
1つの態様において、(a)少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体、および(b)少なくとも1つ活性化作用物質を含み、該前駆体と作用物質との接触が保存中に実質的に低減される、局所製剤を提供する。
【0015】
別の態様において、前記前駆体はグルコシノレートである。特定の態様において、グルコシノレートはグルコラファニンである。
【0016】
別の態様において、前記作用物質はミロシナーゼである。
【0017】
別の態様において、前記誘導物質はイソチオシアネートである。特定の態様において、イソチオシアネートはスルフォラファンである。
【0018】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質はそれぞれカプセル封入される。
【0019】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質は、ミセル、リポソーム、およびマイクロスフェアを含む群より選択される担体中にカプセル封入される。
【0020】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質は別々にカプセル封入される。
【0021】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質は、薄層により分離される。
【0022】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質はカプセル封入されない。
【0023】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質は容器中の別々のチャンバー内に配置される。
【0024】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質は揺変性(thixotropic)媒体中に配置される。
【0025】
別の態様において、製剤は、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、ペースト、およびエアロゾルスプレーを含む群より選択される。
【0026】
別の態様において、製剤は、少なくとも製剤の最初の使用の前には滅菌状態である。
【0027】
別の態様において、製剤は抗微生物性組成物をさらに含む。
【0028】
別の態様において、抗微生物性組成物はベンジルアルコールである。
【0029】
別の態様において、(a)少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体を提供する工程;(b)少なくとも1つの活性化作用物質を提供する工程;(c)媒体を提供する工程;および(d)その中に要素(a)、(b)および(c)を含むことによって局所製剤を形成する工程を含む、局所製剤を製造する方法が提供される。
【0030】
別の態様において、前記前駆体はグルコシノレートである。特定の態様において、グルコシノレートはグルコラファニンである。
【0031】
別の態様において、前記活性化作用物質はミロシナーゼである。
【0032】
別の態様において、媒体は、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、ペーストおよびエアロゾルを含む群より選択される。
【0033】
別の態様において、前記前駆体および前記活性化作用物質がカプセル封入される。
【0034】
別の態様において、前記前駆体または前記活性化作用物質のいずれかがカプセル封入される。
【0035】
別の態様において、カプセル封入は、ミセル、リポソーム、およびマイクロスフェアを含む群より選択される担体中である。
【0036】
別の態様において、方法は抗微生物性組成物をさらに提供する。
【0037】
別の態様において、工程(d)は、前記前駆体および前記活性化作用物質を別々の容器内に配置する工程を含む。
【0038】
別の態様において、媒体は揺変性物質である。
【0039】
別の態様において、(a)局所製剤を提供する工程;(b)製剤を皮膚の表面に塗布する工程;および(c)皮膚上の製剤に圧力または剪断応力を印加する工程を含む、皮膚病を治療する方法が提供される。
【0040】
別の態様において、局所製剤は、第二相酵素誘導物質前駆体と活性化作用物質との接触が実質的に低減されるように、少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体および少なくとも1つの活性化作用物質を含む。
【0041】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質は、ミセル、リポソームおよびマイクロスフェアを含む群より選択される担体中にそれぞれカプセル封入される。
【0042】
別の態様において、局所製剤は、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、ペーストおよびエアロゾルスプレーを含む群より選択される媒体で提供される。
【0043】
別の態様において、工程(b)は、担体が壊されないか、または前記前駆体または活性化作用物質を放出しないように、前記媒体に圧力または応力を与える工程を含む。
【0044】
別の態様において、(a)容器中に局所製剤を提供する工程であって、局所製剤が少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体および少なくとも1つの活性化作用物質を含み、該前駆体と作用物質との接触が実質的に低減されている工程;(b)該前駆体および作用物質を一緒に混合し、混合物を作製する工程;および(c)混合物を皮膚の表面に塗布する工程を含む、皮膚病を治療する方法が提供される。
【0045】
別の態様において、容器は、シリンジ、チューブおよび投薬器具を含む群より選択される。
【0046】
別の態様において、局所製剤は、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、およびペーストを含む群より選択される媒体をさらに含む。
【0047】
別の態様において、前記前駆体および前記作用物質は、ミセル、リポソーム、およびマイクロスフェアを含む群より選択される担体中にカプセル封入される。
【0048】
別の態様において、工程(b)は、前記担体が壊されない、または前記前駆体または活性化作用物質を放出しないように、前記媒体上に圧力または応力を与える工程を含む。
【0049】
別の態様において、(a)少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体および少なくとも1つの活性化作用物質を含む局所製剤を提供する工程であって、該前駆体および作用物質が、該前駆体と該作用物質との接触が実質的に低減するように、担体中にそれぞれカプセル封入される、工程;(b)該前駆体および該作用物質を含む担体を一緒に混合し、混合物を作製する工程;および(c)混合物を皮膚の表面に塗布する工程を含む、皮膚癌を治療する方法が提供される。
【0050】
別の態様において、前記前駆体はグルコシノレートである。特定の態様において、グルコシノレートはグルコラファニンである。
【0051】
別の態様において、前記作用物質はミロシナーゼである。
【0052】
別の態様において、第二相酵素はイソチオシアネートである。特定の態様において、イソチオシアネートはスルフォラファンである。
【0053】
別の態様において、局所製剤は皮膚透過増強化合物をさらに含む。
【0054】
別の態様において、治療する方法は、皮膚障害後に皮膚の表面に混合物を塗布する工程を含む。
【0055】
別の態様において、予防する方法は、皮膚障害前に皮膚の表面に混合物を塗布する工程を含む。
[本発明1001]
(a)少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体、および
(b)少なくとも1つの活性化作用物質
を含む製剤であって、
該前駆体と作用物質との接触が、保存中に実質的に低減されており、かつ製剤が、局所製剤、ピル、飲料、および食料からなる群より選択される、前記製剤。
[本発明1002]
前記前駆体がグルコシノレートである、本発明1001の局所製剤。
[本発明1003]
前記作用物質がミロシナーゼである、本発明1001の局所製剤。
[本発明1004]
前記誘導物質がイソチオシアネートである、本発明1001の局所製剤。
[本発明1005]
前記前駆体および作用物質がそれぞれカプセル封入される、本発明1001の局所製剤。
[本発明1006]
前記前駆体および作用物質が、ミセル、リポソーム、およびマイクロスフェアを含む群より選択される担体中にカプセル封入される、本発明1005の局所製剤。
[本発明1007]
前記前駆体および作用物質が別々にカプセル封入される、本発明1005の局所製剤。
[本発明1008]
前記前駆体および作用物質が薄層により分離される、本発明1005の局所製剤。
[本発明1009]
前記前駆体および作用物質がカプセル封入されない、本発明1001の局所製剤。
[本発明1010]
前記前駆体および作用物質が、容器中の別々のチャンバー内に配置される、本発明1009の局所製剤。
[本発明1011]
前記前駆体および作用物質が、揺変性媒体中に配置される、本発明1009の局所製剤。
[本発明1012]
製剤が、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、ペースト、およびエアロゾルスプレーからなる群より選択される、本発明1001の局所製剤。
[本発明1013]
製剤が、少なくとも製剤の最初の使用の前には滅菌状態である、本発明1001の局所製剤。
[本発明1014]
抗微生物性組成物をさらに含む、本発明1001の局所製剤。
[本発明1015]
前記抗微生物性組成物がベンジルアルコールである、本発明1014の局所製剤。
[本発明1016]
(a)少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体を提供する工程;
(b)少なくとも1つの活性化作用物質を提供する工程;
(c)媒体を提供する工程;および
(d)その中に要素(a)、(b)、および(c)を含むことにより製剤を形成する工程
を含む製剤を製造する方法であって、製剤が、局所製剤、ピル、飲料、および食料からなる群より選択される、前記方法。
[本発明1017]
前記前駆体がグルコシノレートである、本発明1016の方法。
[本発明1018]
前記活性化作用物質がミロシナーゼである、本発明1016の方法。
[本発明1019]
前記媒体が、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、ペースト、およびエアロゾルを含む群より選択される、本発明1016の方法。
[本発明1020]
前記前駆体および前記活性化作用物質がカプセル封入される、本発明1016の方法。
[本発明1021]
前記前駆体および前記活性化作用物質のうち1つがカプセル封入される、本発明1016の方法。
[本発明1022]
カプセル封入が、レクチン、ミセル、リポソーム、およびマイクロスフェアを含む群より選択される担体中である、本発明1020または1021の方法。
[本発明1023]
抗微生物性組成物をさらに提供する、本発明1016の方法。
[本発明1024]
工程(d)が、前記前駆体および前記活性化作用物質を別々の容器内に配置することを含む、本発明1016の方法。
[本発明1025]
前記媒体が揺変性(thixotropic)物質である、本発明1016の方法。
[本発明1026]
(a)局所製剤を提供する工程;
(b)皮膚の表面に製剤を塗布する工程;および
(c)皮膚上の製剤に圧力または剪断応力を印加する工程
を含む、皮膚病を治療または予防する方法。
[本発明1027]
局所製剤が、第二相酵素誘導物質前駆体と活性化作用物質との接触を実質的に低減するように、少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体および少なくとも1つの活性化作用物質を含む、本発明1016の方法。
[本発明1028]
前記前駆体および前記作用物質が、ミセル、リポソーム、およびマイクロスフェアを含む群より選択される担体中にそれぞれカプセル封入される、本発明1027の方法。
[本発明1029]
局所製剤が、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、ペースト、およびエアロゾルスプレーを含む群より選択される媒体中に提供される、本発明1028の方法。
[本発明1030]
工程(b)が、前記担体が壊されないか、または前記前駆体および活性化作用物質を放出しないように、前記媒体に圧力または応力を与えることを含む、本発明1029の方法。
[本発明1031]
(a)容器中に局所製剤を提供する工程であって、該局所製剤が少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体および少なくとも1つの活性化作用物質を含み、該前駆体と作用物質との接触が実質的に低減されている、工程;
(b)前記前駆体および作用物質を一緒に混合し、混合物を作製する工程;および
(c)皮膚の表面に前記混合物を塗布する工程
を含む、皮膚病を治療または予防する方法。
[本発明1032]
前記容器が、シリンジ、チューブ、および投薬器具を含む群より選択される、本発明1031の方法。
[本発明1033]
クリーム、ローション、ゲル、軟膏、およびペーストを含む群より選択される媒体をさらに含む、本発明1031の方法。
[本発明1034]
前記前駆体および前記作用物質が、ミセル、リポソーム、およびマイクロスフェアを含む群より選択される担体中にカプセル封入される、本発明1031の方法。
[本発明1035]
工程(b)が、前記担体が壊されないか、または前記前駆体または活性化作用物質を放出しないように、前記媒体に圧力または応力を与えることを含む、本発明1034の方法。
[本発明1036]
(a)少なくとも1つの第二相酵素誘導物質前駆体および少なくとも1つの活性化作用物質を含む局所製剤を提供する工程であって、前駆体および作用物質が、該前駆体と該作用物質との接触を実質的に低減するように担体中にそれぞれカプセル封入される、工程;
(b)該前駆体および該作用物質を含む担体を一緒に混合して、混合物を作製する工程;および
(c)皮膚の表面に前記混合物を塗布する工程
を含む、皮膚癌を治療または予防する方法。
[本発明1037]
前記前駆体がグルコシノレートである、本発明1037の方法。
[本発明1038]
前記作用物質がミロシナーゼである、本発明1037の方法。
[本発明1039]
前記第二相酵素がイソチオシアネートである、本発明1037の方法。
[本発明1040]
前記局所製剤が、皮膚透過増強化合物をさらに含む、本発明1036の方法。
[本発明1041]
治療する方法が、皮膚障害後に皮膚の表面に前記混合物を塗布することを含む、本発明1036の方法。
[本発明1042]
予防する方法が、皮膚障害前に皮膚の表面に前記混合物を塗布することを含む、本発明1036の方法。
[本発明1043]
前記グルコシノレートがグルコラファニンである、本発明1002の局所製剤。
[本発明1044]
前記イソチオシアネートがスルフォラファンである、本発明1004の局所製剤。
【発明を実施するための形態】
【0056】
詳細な説明
本明細書において、局所製剤および局所製剤を製造および使用するための方法論が提供される。局所製剤は、製剤内の活性成分が皮膚を透過できるように皮膚表面に塗布される。本明細書で提供される活性成分は、第二相酵素誘導物質前駆体およびそれらの活性化作用物質を含む。
【0057】
局所製剤は、その中に前記前駆体および活性化作用物質が提供されるさまざまな種類の媒体を含むことができる。これらの媒体は、本明細書において開示され、限定されないが、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、ペースト、およびエアロゾルを含む。
【0058】
前記前駆体とそれらの活性化作用物質との間に分離をもたらすさまざまな方法が、本明細書において記載され、限定されないが、カプセル封入(ミセル、リポソーム、またはマイクロスフェアなど)、デバイス、および局所製剤媒体によるものを含む。
【0059】
前記前駆体およびそれらの活性化作用物質を分離した後に一体とするさまざまな方法も本明細書において記載されており、限定されないが、力(圧力または剪断応力など)および環境変化(pH、湿気および温度の変化など)によるものを含む。
【0060】
局所製剤は、限定されないが、擦りつけ、吹きつけ、およびそれらの組み合わせを含む方法により容器から直接皮膚に塗布できる。製剤はまた、滴びん、スワブまたは他のデバイスによっても塗布できる。
【0061】
第二相酵素誘導物質前駆体およびそれらの活性化作用物質の活性は、皮膚病が生じた後に皮膚病を修復できる。加えて、第二相酵素誘導物質前駆体およびそれらの活性化作用物質は、既に惹起された障害を予防できる。「修復」は、既に生じた障害を治療するまたは治癒させることを包含する。「予防」は、人が皮膚病を有しておらず、かつ局所製剤が最初の段階で障害の発症を止める予防手段として塗布されうる状況を包含する。
【0062】
本明細書による「第二相酵素」は、抗酸化活性を含む、健康促進活性を有する酵素を含む。そのような酵素は、例えば、キノン還元酵素(NAD(P)H:酸化還元酵素)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ、グルクロノシルトランスフェラーゼ、および上記参照により組み入れられる米国特許出願公報第2005/0063965号に記載されている他の酵素を含む。
【0063】
本明細書による「第二相酵素誘導物質」は、限定されないが、ジフェノール、チオカルバメート、1,2-ジチオール-3-チオン、ならびに上記参照により組み入れられる米国特許出願公報第2005/0063965号に記載されたスルフォラファン(4-メチルスルフィニルブチル イソチオシアネート)およびその類似体を含むイソチオシアネートなどの、第二相酵素を活性化する化合物を含む。イソチオシアネートは、水溶性ではないが、高脂溶性(親油性)である。
【0064】
本明細書による「第二相酵素誘導物質前駆体」は、限定されないが、あらゆる目的でその全体が参照により組み入れられる米国特許出願公報第2006/0127996号に記載されているようなグルコシノレートを含む。
【0065】
本明細書による「活性化作用物質」は、限定されないが、ミロシナーゼ(β-チオグルコシド グルコヒドロラーゼ)を含む。
【0066】
本明細書による「実質的に低減される」は、接触が最小化されるような局所製剤中の構成要素の分離を含む。
【0067】
本明細書による「保存中」は、任意の期間、容器内で局所製剤を維持することを含む。
【0068】
皮膚病
皮膚病は、限定されないが、皮膚日射病(皮膚の加齢の加速)、角化症(隆起し赤みをおびたざらざらした増殖)、皮膚の弾性および内容の変化、皮膚癌、紅斑、単純性表皮水疱症、ならびに加齢の影響を含む。
【0069】
皮膚癌は、基底細胞がんおよび扁平上皮細胞がんなどの非黒色腫皮膚癌、ならびに黒色腫皮膚癌を含む。
【0070】
加齢の影響は、皺、皮膚のたるみ、乾燥皮膚、年齢によるしみ、および小皺を含む。
【0071】
グルコシノレート
グルコシノレート、側鎖および硫黄結合β-D-グルコピラノース部分を有するβ-チオグルコシド N-ヒドロキシスルファートは、アブラナ科および非アブラナ科の両方のさまざまな植物で見いだされる。概して、グルコシノレート化学物質を含む被子植物の科は、バティス科(Bataceae)、アブラナ科(Brassicaceae)、ブレッシュネイデラ科(Bretschneideraceae)、フウチョウソウ科(Capparaceae)、パパイヤ科(Caricaceae)、トウダイグザ科(Euphorbiaceae)、ギロステモン科(Gyrostemonaceae)、リムナンテス科(Limnanthaceae)、ワサビノキ科(Moringaceae)、ペンタディプランドラ科(Pentadiplandraceae)、ヤマゴボウ科(Phytolaccaceae)、トベラ科(Pittosporaceae)、モクセイソウ科(Resedaceae)、サルウァドラ科(Salvadoraceae)、トウァリア科(Tovariaceae)、およびノウゼンハレン科を含む。グルコシノレートを含有する植物の大部分は、アブラナ科、フウチョウソウ科およびパパイヤ科に属する。Fahey et al. Phytochemistry (2001) 56:5-51。
【0072】
グルコシノレートは、アブラナ科のブロッコリーの種子および芽を含む、上述の科の多くの種の種子および芽で豊富に見いだされる。
【0073】
グルコシノレートはまた、任意の上述および下述の種の植物の抽出物からも入手できる。
【0074】
グルコシノレートは、以下のクラスに分類できる:脂肪族化合物、ω-メチルチオアルキル、芳香族化合物および複素環化合物(すなわち、インドール)。
【0075】
具体的なグルコシノレート化学物質は以下を含む:3-メチオキシカルボニルプロピル、1-アセチル-インドール-3-イルメチル、4-(4'-O-アセチル-α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジル、2-(α-L-アラビノピラノシルオキシ)-2-フェニルエチル、4-(ベンゾイルオキシ)ブチル、2-(ベンゾイルオキシ)エチル、2-ベンゾイルオキシ-1-エチルエチル、ベンゾイルオキシメチル、2-ベンゾイルオキシ-1-メチルエチル、3-(ベンゾイルオキシ)プロピル、ベンジル、3-ブテニル、n-ブチル、3,4-ジヒドロキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、エチル、1-エチル-2-ヒドロキシエチル、6-ヘプテニル、5-ヘキセニル、n-ヘキシル、2-ヒドロキシベンジル、3-ヒドロキシベンジル4-ヒドロキシベンジル、2(R)-2-ヒドロキシ-3-ブテニル、2(S)-2-ヒドロキシ-3-ブテニル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、2-ヒドロキシエチル、4-ヒドロキシインドール-3-イルメチル、2-ヒドロキシル-2-メチルブチル、1-(ヒドロキシメチル)プロピル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル、3-ヒドロキシ-6-(メチルスフィニル)ヘキシル、3-ヒドロキシ-5-(メチルスフィニル)ペンチル、3-ヒドロキシ-6-(メチルスルホニル)ヘキシル、3-ヒドロキシ-5-(メチルスルホニル)ペンチル、3-ヒドロキシ-6-(メチルチオ)ヘキシル、3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)ペンチル、2-ヒドロキシル-4-ペンテニル、2-ヒドロキシペンチル、2(R)-ヒドロキシ-2-フェニルエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、インドール-3-イルメチル、2-メトキシベンジル、3-メトキシベンジル、4-メトキシベンジル、1-メトキシインドール-3-イルメチル、4-メトキシインドール-3-イルメチル、2-(4-メトキシフェニル)-2,2-ジメチルエチル、2-(4-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシエチル、メチル、3-メチル-3-ブテニル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-メチルエチル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチル-2-プロペニル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、4-メチルスルフィニル-3-ブテニル、4-(メチルスルフィニル)ブチル、10-(メチルスルフィニル)デシル、7-(メチルスルフィニル)ヘプチル、6-(メチルスルフィニル)ヘキシル、9-(メチルスルフィニル)ノニル、8-(メチルスルフィニル)オクチル、7-メチルスフィニル-3-オキソヘプチル、8-メチルスルフィニル-3-オキソオクチル、5-(メチルスルフィニル)ペンチル、3-(メチルスルフィニル)プロピル、11-(メチルスルフィニル)ウンデシル、4-メチルスルホニル-3-ブテニル、4-(メチルスルホニル)ブチル、10-(メチルスルホニル)デシル、6-(メチルスルホニル)ヘキシル、9-(メチルスルホニル)ノニル、8-(メチルスルホニル)オクチル、5-(メチルスルホニル)ペンチル、3-(メチルスルホニル)プロピル、4-メチルチオ-3-ブテニル、4-(メチルチオ)ブチル、10-(メチルチオ)デシル、2-(メチルチオ)エチル、7-(メチルチオ)ヘプチル、6-(メチルチオ)ヘキシル、9-(メチルチオ)ノニル、7-メチルチオ-3-オキソヘプチル、6-メチルチオ-3-オキソヘキシル、8-(メチルチオ)オクチル、8-メチルチオ-3-オキソオクチル、5-(メチルチオ)ペンチル、3-(メチルチオ)プロピル、4-オキソヘプチル、5-オキソヘプチル、5-オキソオクチル、4-オキソペンチル、1-ペンテニル、4-ペンテニル、n-ペンチル、フェニル、4-フェニルブチル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、2-プロペニル、n-プロピル、2-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジル、4-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジル、4-メチルスルフィニルブタ-3-エニルの6-シナポイル-β-D-1-チオグルコシド、1-スルホ-インドール-3-イルメチル、4,5,6,7-テトラヒドロキシデシル、3,4,5-トリメトキシベンジル、「イソ」ヘプチル、「イソ」ヘキシル、5-(ベンゾイルオキシ)ペンチル、6-(ベンゾイルオキシ)ヘキシル、2-O-アピオシルグルコマトロナリン(Apiosylglucomatronalin)、および3-O-アピオシルグルコマトロナリン3,4-ジメトキシベンゾイルエステル。
【0076】
局所製剤媒体
局所製剤は、限定されないが、あらゆる目的でそれらの全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,844,902号;第6,818,226号;第6,469,015号;第7,147,854号;第7,192,607号;第7,205,003号;および第7,252,831号に記載されているようなクリーム、乳剤、ローション、ゲル、およびエアロゾルを含む、さまざまな媒体で提供できる。媒体は水性または油性でありうる。
【0077】
クリーム
本明細書で提供されるクリームは、粘性の均一性を有する液体または半固体乳剤を含む。クリームは、水中油型製剤または油中水型製剤のいずれかでありうる。クリーム基剤は、水溶性でありうる。クリームは、以下の構成要素を含むことができる:(1)油相、(2)水相、および(3)乳化剤。油相は、ワセリン、およびセチルアルコールまたはステアリルアルコールなどの脂肪アルコールを含むことができる。水相は保水剤を含むことができる。乳化剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、または両性界面活性剤でありうる。
【0078】
1つの態様において、油相は、限定されないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、流動パラフィン、およびジメチコンを含む。
【0079】
別の態様において、水相成分は、限定されないが、グリセロールおよびエチルパラベンを含む。
【0080】
別の態様において、乳化剤は、限定されないが、脂肪アルコール ポリオキシエチレンエーテル(Peregal A-20)、ステアリン酸ポリオキシル(SG-6)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0081】
ローション
本明細書で提供されるローションは、水またはアルコール基剤中に懸濁させた固体粒子を含む、液体または半液体製剤を含む。ローションは、表面活性化剤により安定化された水中油型製剤でありうる。
【0082】
1つの態様において、固体粒子は微粉化される。
【0083】
別の態様において、ローションは、よりよい分散を生じさせるための懸濁化剤、およびメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび類似の化合物を含む、活性作用物質を皮膚と接触させ配置または保持するのに有用な化合物を含む。
【0084】
別の態様において、ローションは分離しているかまたは層をなしている可能性があるため、各使用前にそれらを十分に振とうすべきである。
【0085】
ゲル
本明細書で提供されるゲルは、半固体懸濁液系を含む。ゲルは、単相系または二相系でありうる。ゲルは、油性または液性でありうる。単相ゲルは、高分子と液体の間に境界がないように、液体全体にわたって実質的に均一に分布した少量の有機高分子を含むことができる。液体は水性であるが、アルコール、および任意で油も含むことができる。単相ゲルは、合成高分子、または天然ゴムから作ることができる。二相ゲルは、小さな分散粒子のネットワークを含むことができる。1つの態様において、二相ゲルは揺変性である。
【0086】
1つの態様において、有機高分子はまた、ポリマーの「カルボマー」ファミリー(すなわち、カルボキシポリアルキレン)などの架橋アクリル酸ポリマーを含む。有機高分子は、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン コポリマーおよびポリビニルアルコールなどの親水性ポリマー;ヒドロキシプロピル セルロース、ヒドロキシエチル セルロース、ヒドロキシプロピル メチルセルロース、フタル酸メチルセルロースヒドロキシプロピル、およびメチルセルロースなどのセルロースポリマー;トラガカントゴムおよびキサンタンガムなどのゴム;アルギン酸ナトリウム;ならびにゼラチンでもありうる。
【0087】
別の態様において、安定化作用を有する有機高分子は、100万を上回る分子量を有する長鎖直鎖高分子量多糖類を含む。この態様において、そのような安定剤は0.1から1.5%含まれる。
【0088】
別の態様において、均一なゲルが、アルコールまたはグリセリンなどの分散剤を添加することにより調製できる。
【0089】
別の態様において、有機高分子は、倍散、機械的な混合もしくは攪拌、またはそれらの組み合わせにより分散できる。
【0090】
別の態様において、液体は、水または全ての水混和性溶媒のいずれかでありうる。適用可能な溶媒の例は、エタノールおよびイソプロピルアルコールなどのアルカノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、および同様の溶媒を含む。
【0091】
軟膏
本明細書で提供される軟膏は、基剤としてワセリンまたはそれらの誘導体を有する半固体調製物を含む。ワセリンは、炭化水素の半固体混合物である。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. (Easton, Pa.: Mack Publishing Co., 1995) の1399 1404頁に記載されているように、軟膏基剤は、4種類:油脂性基剤;乳化基剤(emulsifiable bases);乳剤性基剤;および水溶性基剤に分類できる。油脂性軟膏基剤は、植物油、動物から得られた脂肪、および石油から得られた半固体炭化水素を含む。吸収性軟膏基剤としても公知の乳化軟膏基剤は、水をほとんど含まず、例えば、ヒドロキシステアリン スルファート、無水ラノリン、および親水性ワセリンを含む。乳剤性軟膏基剤は、油中水型乳剤または水中油型乳剤のいずれかであり、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリンおよびステアリン酸を含む。
【0092】
ペースト
本明細書に含まれるペーストは、軟膏基剤またはクリーム基剤に加えて、酸化亜鉛、タルク、デンプンまたは二酸化チタンなどの粉末状成分を多量に含む。
【0093】
1つの態様において、ペーストは、脂肪性ペーストまたは単相水性ゲルを含む群から選択される。脂肪性ペーストは、ワセリン、親水性ワセリン、または他の同様の化合物を含む。単相水性ゲルは、カルボキシメチルセルロースまたは同様の化合物を組み込むことができる。
【0094】
エアロゾル
本明細書で提供されるエアロゾルは、加圧下でパッケージされた製品を含み、適当な弁機構の活性化によって放出される成分を含む。エアゾルは、噴霧剤、泡または半固体液体を含む加圧容器から発せられる、スプレーの細かいミストまたは泡など全ての自己内蔵型の加圧製品を含む。
【0095】
1つの態様において、エアロゾルは、容器、噴霧剤、活性成分を含む濃縮物、弁(定量弁であってもよい)、およびアクチュエータを含む。これらの構成要素の性質は、送達速度、泡密度、および流体粘性などの特徴を決定する。
【0096】
別の態様において、エアロゾルは、気体および液体を含む2相製剤である。
【0097】
別の態様において、エアロゾルは、気体、液体、および活性成分の懸濁物または乳濁液を含む3相製剤である。この製剤には、湿潤剤および/またはタルクもしくはコロイドシリカなどの固体担体など、適当な賦形剤が含まれる。
【0098】
別の態様において、噴霧剤は、液化されるかまたは気化される。
【0099】
別の態様において、溶媒は、噴霧剤、または噴霧剤とアルコールおよびポリエチレングリコールなどの共溶媒との混合物でありうる。
【0100】
別の態様において、噴霧剤は、スプレー、泡、または速崩性の泡を含む群より選択される。
【0101】
別の態様において、スプレー製剤は、アトマイザーまたはネブライザーなどのスプレー手段を備えた容器中の水性溶液である。
【0102】
局所製剤の他の要素
本明細書で提供される局所製剤は、製剤の物理的性質または機能的性質に影響を及ぼすさらなる要素を含むことができる。
【0103】
安定剤、保存剤、保水剤、リグリース剤(regreasing agent)、溶媒または補助剤を、有効性および皮膚透過を改善するために含むことができる。
【0104】
提供される皮膚透過増強化合物は、皮膚への毒性が低く、経皮吸収および経口粘膜吸収を促進できる。1つの態様において、皮膚透過増強化合物は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、アゾン、N-メチルピロリドン、ジエチルトルアミド、エタノール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸およびそのエステル、中鎖トリグリセリド、ジメチルイソソルビトール、2-オクチルドデカノール、分岐脂肪酸、ベンジルアルコール、尿素、サリチル酸、ならびに界面活性剤を含む。
【0105】
粘性増強剤または増粘剤を含むことができる。そのような増強剤を含む1つの利点は、製剤が塗布部位を超えて広がることを妨げることである。1つの態様において、バルサムファー(Balsam Fir)が薬学的に許容される粘性増強剤である。製剤の粘性を増大させる別の利点は、揺変性作用物質を説明する下記の段落で提供される。増粘剤は、カルボマー、ヒドロキシプロピル メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール、PVM/MAデカジエンクロスポリマーおよびアクリル酸などの適当なポリマーを含む。2つ以上の増粘剤が添加できる。
【0106】
塗布用油(spreading oil)もまた、含むことができる。そのような油を含む1つの利点は、表面、特に皮膚上へのより良い分布のためである。塗布用油は、皮膚上に特に容易に分布する油性液体のものとして理解される。それらは、化粧品でそのようなものとして知られている。以下の化合物は適当な塗布用剤である:シリコンオイル、ステアリン酸エチル、アジピン酸ジ-n-ブチル、ラウリン酸ヘキシルおよびジプロピレングリコール ペラルゴナートなどの脂肪酸エステル、飽和C
16〜C
18脂肪アルコールを伴う中鎖長の分岐脂肪酸のエステル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C
12〜C
18鎖長の飽和脂肪アルコールのカプリル酸/カプリン酸エステル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、オレイン酸エチル、乳酸エチル、合成したアヒル尾脂腺脂肪などの蝋状の脂肪酸エステル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、ならびに後者に関連するエステル混合物など。含むことができる他の要素は、アジピン酸ジイソプロピル/イソヘキサデカン ジメチコンなどの軟化剤、例えばシクロメチコン、シロキシケイ酸トリメチル、グリセレス-26(glycereth-26)またはポリクオタニウム-7(polyquaternium-7)などの密封剤、セチルアルコール、ステアリル、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、プロピレングリコールイソステアロイル-ナトリウム イソステアロイル、ラクチル酸、ポリオキシエチレン (100) ステアラートなどの乳化剤、プロピレングリコールまたはグリセリンなどの皮膚調整剤、保湿剤、保水剤、フェノキシエタノールおよびパラベンなどの保存剤、pH調整剤、界面活性剤、EDTA二ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムなどのキレート剤、粘着付与剤、芳香剤、ならびに他の化合物である。
【0107】
局所製剤中に含むことができる他の化合物は、限定されないが、ベンジルアルコールを含む抗微生物性組成物または抗菌性組成物を含む。本発明の組成物は、他の活性成分と併用して、および他の治療計画と併用して用いられてもよい。
【0108】
カプセル封入
第二相酵素誘導物質前駆体および活性化作用物質は、担体中にカプセル封入できる。適当な担体は、あらゆる目的でその全体が本明細書に組み入れられる米国特許第7,205,003号に記載される。下記は、カプセル封入を得ることができる非限定的な手段である。
【0109】
ミセル
本明細書で提供されるミセルは、それらの極性頭部が外球殻を形成し、それらの疎水性の炭化水素鎖がコアを形成する球の中心に向かって方向付けられるように配置された、界面活性剤分子を含むことができる。前記前駆体および作用物質は、ミセルのコア内にカプセル封入される。ミセルを形成するのに適した界面活性剤は、限定されないが、ラウリン酸カリウム、オクタンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルアンモニウム、ポリオキシル-8 ドデシルエーテル、ポリオキシル-12 ドデシルエーテル、ノノキシノール10、およびノノキシノール30を含む。
【0110】
リポソーム
本明細書で提供されるリポソームは、脂質二重層を含む脂質壁を有する顕微鏡的小胞である。本明細書におけるリポソーム調製物は、陽イオン性(正に帯電している)、陰イオン性(負に帯電している)、および中性の調製物である。陽イオン性リポソームは、N[1-2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリエチルアンモニウム(DOTMA)を含む。陰イオン性リポソームおよび中性リポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などの物質を用いて容易に調製できる。これらの物質はまた、適切な比率でDOTMAと混合できる。
【0111】
マイクロスフェア
本明細書で提供されるマイクロスフェアは、合成および天然の両方のポリマーから作られているマイクロスケールまたはナノスケールの担体を含むことができる。マイクロスフェアを説明するさらなる名称は、限定されないが、スフェア、ビーズ、粒子、担体、マイクロビーズ、マイクロ粒子、マイクロ担体、ナノスフェア、ナノビーズ、ナノ粒子、およびナノ担体を含む。
【0112】
本明細書で提供されるマイクロスフェアに適したポリマー物質は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,423,345号に記載されているものを含み、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、およびポリ(乳酸-co-グリコール酸)などのポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリアルキレン、ポリ(エチレングリコール)などのポリアルキレングリコール、ポリ(エチレンオキシド)などのポリアルキレンオキシド、ポリ(テレフタル酸エチレン)などのテレフタル酸ポリアルキレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリ(塩化ビニル)などのハロゲン化ポリビニル、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリスチレン、ポリウレタンおよびそのコポリマー、アルキルセルロール、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロールエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシルエチルセルロース、三酢酸セルロースおよび硫酸セルロースナトリウム塩などの誘導体化セルロース(本明細書では合わせて「合成セルロース」と呼ぶ)、アクリル酸、メタクリル酸またはエステルを含むそれらのコポリマーもしくは誘導体のポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、およびポリ(アクリル酸オクタデシル)(本明細書では合わせて「ポリアクリル酸」と呼ぶ)、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、およびポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、それらのコポリマーならびに混合物を含む。本明細書で用いられる「誘導体」は、置換、化学基、例えば、アルキル、アルキレンの付加、水酸化、酸化、および当業者により日常的に行われる他の修飾を有するポリマーを含む。アガロースおよびアルギン酸を含む天然のポリマーもまた、マイクロスフェアに適している。
【0113】
任意の上記担体は、タンパク質、レクチンおよび他の生物的物質を含むことができる。一例として、マイクロスフェアは、コンカナバリンA-セファロースゲル(Con-Aゲル)でありうる。実施例1によって裏付けられているように、Con-Aゲル上に固定化されると、ミロシナーゼは、その酵素活性を保持し、冷蔵することなく無期限に安定した状態を保てることが判明した。
【0114】
前記前駆体および活性化作用物質は、溶媒蒸発、ホットメルトマイクロカプセル封入、溶媒除去、およびマイクロスフェアの噴霧乾燥を含む、上記参照により既に組み入れられている米国特許第6,423,345号に記載のマイクロスフェアを含む、当技術分野において公知の技術を用いて担体中にカプセル封入できる。
【0115】
1つの態様において、マイクロスフェアはブロックコポリマを含む。
【0116】
別の態様において、マイクロスフェアはヒドロゲルである。
【0117】
錠剤
他の態様において、製剤は、第二相酵素誘導物質および活性化作用物質を分離するように製剤化されている錠剤またはピルを含む。1つの錠剤内に第二相酵素を取り込み、かつ第2の錠剤内へ活性化作用物質を取り込むことも想定される。これらの錠剤の構成要素は、同時にピルを咀嚼することによって口腔内で、または消化中に消化器官内で相互作用できる。同様に、出願人は、第二相酵素誘導物質および活性化作用物質の両方を取り込む単一のピルの使用も想定する。これらの構成要素は、コアおよび外側が錠剤を分割する、または二等分するように、錠剤の別々の部分に含まれうる。これらの例いずれにおいても、第二相酵素誘導物質および活性化作用物質は、咀嚼される、または錠剤を摂取した個人の消化器官中で混合されるまで、分離された状態のままである。
【0118】
飲料
他の態様において、製剤は液体および飲料を含む。これらの飲料は、第二酵素または活性化作用物質のいずれかがリポソーム中に含まれ、かつもう1つの構成要素が飲料の残りの部分に存在するように、飲料の中にリポソームの存在を含むよう製剤化される。液体が摂取されると、リポソームと飲料の残りとの混合、および第二相酵素と活性化作用物質の相互作用が可能になるように製剤化される。
【0119】
栄養バー
他の態様において、製剤は、第二相酵素および活性化作用物質に対して別々の部分を有する栄養バーを含む。活性化作用物質は、例えばバーの外側に配置された種子中に存在でき、第二相酵素は栄養バーの残りの部分に取り込まれる。摂取時に、バーの両部分は混合され、2つの構成要素間での接触をもたらす。
【0120】
第二相酵素誘導物質前駆体およびそれらの活性化作用物質の分離
本明細書で提供される前記前駆体および活性化作用物質は、それらの互いの接触が実質的に低減されるように分離されうる。接触を低減させることにより、活性化作用物質は、前記前駆体を時期尚早に活性化せず、それにより、局所製剤が保存中に存続可能な状態であることを可能とする。下記は、分離を行うことができる非限定的な手段である。
【0121】
カプセル封入による
カプセル封入は、上記に記載されている。前記前駆体および活性化作用物質をカプセル封入することにより、それらは、互いの接触が実質的に低減されるように包含される。前記前駆体および活性化作用物質は、別々に、または同じ担体内にカプセル封入されうる。
【0122】
別々のカプセル封入では、前記前駆体および活性化作用物質は、同じ種類または異なる種類の担体中にカプセル封入されうる。カプセル封入後、担体は、上記のさまざまな局所製剤媒体から選択される媒体中で混合されうる。
【0123】
同じ担体内のカプセル封入では、前記前駆体および活性化作用物質は、物質の層により分離される。物質は、担体を構成する材料と同じまたは異なることができる。1つの態様において、担体は、1層中に前記前駆体をもう1層中に前記活性化作用物質を有する二重層である。
【0124】
1つの態様において、担体は非多孔性である。
【0125】
別の態様において、担体は、媒体がコンパートメントの外へ押し出されるときにそれに対して加えられる圧力または剪断力に耐えることができるが、皮膚表面に塗布(すなわち、擦りつけ)中にそれに対して作用する圧力または剪断力により壊されバラバラになる。
【0126】
別の態様において、前記前駆体および活性化作用物質の1つのみがカプセル封入される。
【0127】
別の態様において、前記前駆体および活性化作用物質の双方がカプセル封入される。
【0128】
デバイスによる
局所製剤を含むことが出来るデバイスが、第二相酵素誘導物質前駆体とそれらの活性化作用物質との接触を低減させるために提供される。デバイスは、それぞれが第二相酵素誘導物質前駆体または活性化作用物質のいずれかを含む別々のチャンバーを含みうる。
【0129】
このカテゴリーに属するデバイスは、限定されないが、シリンジ、チューブ、および投薬器具を含む。二成分系または多成分系を提供する様々な設計上の特徴を有するデバイスは、提供されるデバイスの範囲内に属する。提供される局所製剤に適用可能な投薬器具は、米国特許第7,213,994号および第7,192,179号に記載されていて、これらの両者ともあらゆる目的でそれらの全体が参照により組み入れられる。
【0130】
1つの態様において、デバイスは、第二相酵素誘導物質前駆体および活性化作用物質のそれぞれに対して異なる局所製剤媒体を含む。
【0131】
別の態様において、デバイスは、媒体の粘性が低くなりかつ媒体がより自由に流れるように、局所製剤を加熱するための発熱体を含む。
【0132】
局所製剤媒体による
揺変性物質は、静止状態下では高い粘性を有するが、剪断応力下では液体として作用する。一般に用いられる揺変性物質の例は、練り歯磨きおよびケチャップである。同様の特性を有する物質は、第二相酵素誘導物質誘導体および活性化作用物質を分離するのに適用可能である。
【0133】
揺変性物質の高い粘性性質のため、物質内に提供される化合物は、静止状態下で互いに接触しない。よって、揺変性媒体を有する局所製剤は、第二相酵素誘導物質前駆体およびその活性化作用物質を効果的に分離する製剤を提供する。揺変性物質の薬学的製剤および美容製剤は、あらゆる目的でそれらの全体が参照により組み入れられる、米国特許第6,967,023号および第6,994,863号に記載されている。
【0134】
1つの態様において、分離された前駆体および活性化作用物質はカプセル封入されない。
【0135】
別の態様において、分離された前駆体および活性化作用物質は、別々の担体中に、または1つの担体中に一緒にのいずれかでカプセル封入される。
【0136】
別の態様において、揺変性物質はデバイス中に提供される。
【0137】
第二相酵素誘導物質前駆体および活性化作用物質を接触させる
第二相酵素誘導物質前駆体およびそれらの活性化作用物質は、様々な手段により一緒にすることができる。そのような手段は、前記前駆体および活性化作用物質が局所製剤中に配置される様式によって決めることができる。2つの化合物を一緒にする非限定的な手段を下記に記載する。
【0138】
力による
前記前駆体および活性化作用物質は、局所製剤に作用する物理的力により接触させることができる。
【0139】
上記のカプセル封入法では、皮膚表面上での局所製剤の擦り付けが、担体、すなわちマイクロスフェア、ミセルまたはリポソームを壊してバラバラにし、それによって、第二相酵素誘導物質および/または活性化作用物質を放出する。上記のとおり、担体は、媒体がコンパートメントの外へ押し出される時にそれに対して加えられる圧力または剪断力に耐えることができるが、皮膚表面上での塗布(すなわち擦り付け)中にそれに作用する圧力または剪断力により壊れてばらばらになることができる、物理的性質を有するべきである。
【0140】
容器により分離される前駆体および活性化作用物質による局所製剤、および前記前駆体および活性化作用物質がカプセル封入されない揺変性媒体による局所製剤では、力は単にその容器から媒体を分配するために必要なものである。
【0141】
1つの態様において、力は圧力である。
【0142】
別の態様において、力は剪断応力である。
【0143】
環境条件による
前記前駆体および活性化作用物質は、限定されないが、pH、湿気および温度の変化を含む、それらの環境の変化によって接触させることができる。
【0144】
1つの態様において、室温は、活性化作用物質による前記前駆体作用物質の第二相酵素誘導物質への変換を活性化する。
【0145】
別の態様において、体温は、活性化作用物質による前記前駆体作用物質の第二相酵素誘導物質への変換を活性化する。
【0146】
治療および予防
第二相酵素誘導物質前駆体および活性化作用物質が組み合わされ、第二相酵素誘導物質を生成すると、前記誘導物質は、皮膚病により引き起こされる障害の修復またはまだ惹起されていない障害の予防の両方が可能になる。よって、局所製剤は、治療目的で日光曝露後に、または予防手段として日光曝露前にのいずれかで塗布されうる。
【実施例】
【0147】
実施例1:コンカナバリンA-セファロースゲル上でのミロシナーゼの長期安定性
Con-Aゲル(1 ml)を3 mlシリンジ中に充填し、5 mlの10 mMミダゾール(midazole)、1 mD EDTA、1 mM DTT、30%グリセロール、pH 6.0で5回洗浄した。続いて、(Shikita et al. Biochem J. (1999) 341:725-732に記載されているとおりに7日目のカイワレダイコンから)精製した10 mlのミロシナーゼ(2.9 ユニット/ml)をカラムにアプライし、溶出物を収集し、溶出物中に活性が検出されなくなるまでさらに3回カラムに再アプライした。5 mlの33 mM リン酸カリウム緩衝剤(pH 6.0)、1 mM EDTA、および0.5 mMアスコルビン酸で5回洗浄した後、ゲルを10 mlシリンジに移し、10 mlの33 mMリン酸カリウム緩衝剤に溶かした10 mMシニグリンと混合した。一定分量(20 μlの溶液)を30秒ごとに混合物から回収し、0.98 mlの33 mMリン酸緩衝剤で希釈し、吸光度を同じ緩衝剤に対して227 nmで測定した。10回の収集(5分)の後、ゲルを5 mlの33 mMリン酸カリウム緩衝剤で3回、および5 mlの10 mMミダゾール、1 mM EDTA、1 mD DTT、30%グリセロール、pH 6.0で3回洗浄し、次の試験に向け4℃で保存した。
【0148】
固定化された酵素は、25 μモルのシニグリン加水分解を上回る高い活性を示した。それを20%グリセロール中で4℃で維持すると、少なくともその後7日間にわたって活性の有意な変化はなかった。他の実験は、加水分解に必要とされる条件下でカラムから酵素の有意な溶出はなく、固定化された酵素が室温でも数週間の間安定であることを示した。