(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィルムが15μmの厚さを有し、かつ100mmのダイ径、1.2mmのダイ間隔、4のブローアップ比BUR、7×ダイ径のネック高さ及び30m/分の巻取り速度で押し出されるとき、270より大きい落槍値を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載のフィルム。
前記フィルムが15μmの厚さを有し、かつ100mmのダイ径、1.2mmのダイ間隔、4のブローアップ比BUR、7×ダイ径のネック高さ及び30m/分の巻取り速度で押し出されるとき、少なくとも150g/25μmの横方向(TD)のエルメンドルフ引裂強度を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載のフィルム。
前記フィルムが15μmの厚さを有し、かつ100mmのダイ径、1.2mmのダイ間隔、4のブローアップ比BUR、7×ダイ径のネック高さ及び30m/分の巻取り速度で押し出されるとき、少なくとも18g/25μmの縦方向(MD)のエルメンドルフ引裂強度を有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載のフィルム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
発明者らは、G'(G''=3000)の所定範囲内では、比Mz/[G'(G''=3000)]がフィルム用途のポリエチレン組成物の適合性、特に良い機械的特性を有するシンフィルムを生成するためのその適合性の良い評価基準であることを見い出した。特に、大きいMz/G'(G''=3000)比につながる高いMz値は、押出し性及び溶融強度のみならず降伏強度に関してインフレーションプロセスで使用するのに良い特性を有する組成物を提供するのと同時に、引裂強度と衝撃抵抗の良いバランスを達成するのに望ましい。理論によって束縛されることを望むものではないが、所定のG'値では、高いMz値と、結果として生じる大きいMz/G'(G''=3000)比は結晶化プロセス中の多数のタイ分子の形成を示唆しており、このことが引裂強度と衝撃抵抗の良いバランスに関与すると考えられる。Mz、G'及びG''の測定については、実施例に関連して後述する。
【0008】
さらなる態様では、本発明は、948〜956kg/m
3の密度、7〜15のHLMI及び1400〜1800PaのG'(G''=3000)、すなわち損失モジュラスG''=3000Paの場合の動的周波数での溶融貯蔵モジュラスG'を有するポリエチレン組成物から形成されるフィルムであって、前記フィルムが、15μmのフィルムの横方向引裂強度(T
TD、g/25μmで表した)と15μmのフィルムの落槍衝撃抵抗(I、gで表した)との間にT
TD>62000/Iによって表される関係を有するフィルムを提供する。好ましくはフィルムは少なくとも900Da/PaのMz/G'(G''=3000)の値(Mzはz平均分子量である)を有する。
衝撃強さは、特定荷重(衝撃)下での物質の挙動を特徴づける。落槍試験は特にフィルムに適用され;特定重量及び形状の自由落下槍が特定高さからフィルム上に落下する。全ての落槍値はASTM D1709 Method Aに準拠して測定され、本明細書で引用する全ての値は15μmのフィルムについてである。
誤解を避けるために、ここで開示及び請求する全てのフィルム特性は、15〜25℃の温度を有する空気流で外部から冷却しながらインフレーション成形したフィルムについて測定される。
引裂強度は、特定方向、すなわち縦方向(machine direction)(MD−伸長方向)又は横方向TDのフィルムの引裂きに対する抵抗を特徴づける。エルメンドルフ引裂抵抗は、15μmフィルムについてASTM Standard D 1922に従って測定され、g/25μmで表される、引裂きに対する抵抗である。本発明の組成物は、落槍試験で測定したところ、所定の衝撃強さについて特に良いTD引裂強度を有することが分かった。
後述する全ての好ましい特徴は、本発明の両態様に関するものである。
【0009】
フィルムがそれから作製されるポリエチレン組成物は、好ましくは1450〜1750、最も好ましくは1500〜1700の溶融貯蔵モジュラスG'(G''=3000)を有する。
フィルムがそれから作製されるポリエチレン組成物のHLMIは、好ましくは8〜14、最も好ましくは8〜13である。
フィルムがそれから作製されるポリエチレン組成物のメルトフローインデックスMI
5は、好ましくは0.2g/10分〜0.5g/10分、さらに好ましくは0.25〜0.45g/10分、最も好ましくは0.25〜0.4g/10分である。
フィルムがそれから作製されるポリエチレン組成物のHLMI対メルトフローインデックスの比Mi
5(HLMI/MI
5)は、好ましくは27〜37、さらに好ましくは28〜34である。
本発明の目的では、メルトフローインデックスHLMI及びMI
5は、それぞれ21.6kg及び5kgの荷重下、190℃の温度でISO1133に従って測定される。
フィルムがそれから作製されるポリエチレン組成物の分子量分布Mw/Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したところ、好ましくは28〜38、さらに好ましくは30〜36である。
フィルムがそれから作製されるポリエチレン組成物は、好ましくは少なくとも920Da/Pa、最も好ましくは少なくとも930Da/PaのMz/G'(G''=3000Pa)を有する。
フィルムを作製するために用いるポリエチレン組成物の別の要件は良い押出し性であり、これは動的複素粘性率で表すことができる。ポリマーの分子量に関係がある100rad/sの適用発振周波数ωでの動的複素粘性率η
*100の大きさは、押出しプロセス中に典型的に経験する程度のせん断速度での粘度である。それは押出機のモーター電力消費、ダイでの溶融圧力生成等に影響を与え;低いη
*100が望ましい。本発明で使用する組成物は、好ましくは2400Pa.s未満、さらに好ましくは2300Pa.s未満の動的複素粘性率η
*100を有する。
ポリエチレン組成物は、好ましくは949〜955kg/m
3、最も特に950〜953kg/m
3の密度を有する。
1つの好ましい実施形態では、ポリエチレン組成物は950〜953kg/m
3の密度と8〜13g/10分のHLMIを有する。
【0010】
1つの好ましい実施形態では、フィルムがそれから作製されるポリエチレン組成物は、少なくとも965kg/m
3の密度を有する40〜60wt%のエチレンポリマー(A)と、910〜945kg/m
3の密度を有する60〜40wt%のエチレンポリマー(B)とを含んでなる多モード(multimodal)ポリエチレン組成物である。
ポリエチレン組成物は必要に応じて総ポリエチレンに基づいて10wt%以下の量で小さい前重合画分をさらに含んでよい。或いは又は加えて、ポリエチレン組成物は、総ポリエチレンに基づいて10wt%以下の量で、上記高分子量ポリマーより高い分子量を有する超高分子量ポリマーの画分をさらに含んでよい。
いずれもの追加ポリエチレン画分の存在のあるなしにかかわらず、ポリエチレン組成物中のポリマー(A)対ポリマー(B)の重量比が47:53〜55:45、さらに好ましくは48:52〜53:47であるのが一般的に好ましい。
本発明のポリエチレン組成物は、少なくとも2つのポリエチレン成分を含むという点で多モードである。好ましくは本発明のポリエチレン組成物は二峰性であり、これは有意量の2つのポリエチレン成分のみを含むことを意味する。分子量分布曲線の形、すなわち多モードポリエチレンの、ポリマーの分子量の関数としてのポリマー重量分率のグラフの外観は、2つ以上の最大を示すか或いは少なくとも個々の画分についての曲線に比べて明瞭に広がっているであろう。例えば、直列に連結した反応器を用いて各反応器で異なる条件を利用する逐次多段階プロセスでポリマーを生成する場合、異なる反応器で生成される各ポリマー画分は、それ自体の分子量分布と重量平均分子量を示すであろう。該ポリマーの分子量分布曲線は、画分の個々の曲線の合計を含み、典型的には実質的に単一のピーク又は2つ以上の明確な最大を有する多モードポリマーの曲線をもたらす。「実質的に単一のピーク」はガウス分布に従わないかもしれず、或いはガウス分布が示すであろうより広いかもしれず、或いはガウス分布より平坦なピークを有し得る。実質的に単一のピークはピークの片側に尾部を有することがある。一部の実施形態では、分子量分布曲線の「実質的に単一のピーク」を種々の方法で2つ以上の成分に分解することができる。
【0011】
エチレンポリマー(A)がホモポリマーであり、かつエチレンポリマー(B)がエチレンとC
4-C
8αオレフィンのコポリマーであるのが特に好ましい。
組成物中に存在するポリマー(A)の量は、総ポリエチレンに基づいて好ましくは47wt%〜55wt%、さらに好ましくは48wt%〜53wt%である。組成物中に存在するポリマー(B)の量は、好ましくは45wt%〜53wt%、さらに好ましくは47wt%〜52wt%である。これらの量は、これらが組成物中に存在する2つだけのポリエチレン画分である場合の(A)対(B)の重量比に対応する。しかしながら以前に述べたように、組成物中に任意に他のポリエチレン画分が存在してもよく;ポリマー(A)及びポリマー(B)の量がそれぞれ47〜55wt%及び45〜53wt%であるとき、前述したいずれのプレポリマーの最大量も5wt%であり、かつ前述したいずれの超高分子量画分の最大量も5wt%である。
本発明の目的では、用語「ホモポリマー」は、本質的にエチレン誘導モノマー単位で構成され、かつ実質的に他オレフィン誘導モノマー単位がないエチレンポリマーを表すものと理解する。ホモポリマーは、重合プロセスの供給原料若しくは再循環流中に不純物として存在するか又は多段階プロセスの段階間にわたって運ばれる微量の他オレフィン誘導単位を含んでよいが、0.3mol%未満、好ましくは0.2mol%未満の他オレフィン誘導単位を含有すべきである。用語「エチレンとC
4-C
8αオレフィンのコポリマー」は、エチレン誘導モノマー単位と、C
4-C
8αオレフィン誘導モノマー単位とを含んでなり、任意に、少なくとも1種の他のαオレフィン誘導モノマー単位を含んでよいコポリマーを表すものと理解する。C
4-C
8αオレフィンは、4〜8個の炭素原子を含んでなるオレフィン性不飽和モノマー、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-及び4-メチル-1-ペンテン及び1-オクテン等から選択され得る。好ましいαオレフィンは、1-ブテン、1-ヘキセン及び1-オクテン、さらに特に1-ヘキセンである。C
4-C
8αオレフィンに加えて存在してもよい他のαオレフィンは、好ましくは3〜8個の炭素原子を含んでなるオレフィン性不飽和モノマー、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、3-及び4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン及び1-オクテン等から選択される。
【0012】
コポリマー(B)中のC
4-C
8αオレフィン誘導モノマー単位の含量(以後、コモノマー含量と呼ぶ)は、一般的に少なくとも1wt%、特に少なくとも1.5wt%である。コポリマー(B)のコモノマー含量は、通常は最大で6wt%、好ましくは最大で5wt%である。組成物全体中のコモノマー含量は好ましくは0.5〜3wt%の範囲内である。
本発明の目的では、C
4-C
8αオレフィン含量は、J. C. Randall, JMS-Rev. Macromol. Chem. Phys., C29(2&3), p. 201-317 (1989)に記載されている方法に従って
13C NMRで測定される。換言すると、C
4-C
8αオレフィン誘導単位の含量は、エチレン誘導単位の特徴を示す(30ppm)の線積分と比較した当該特定C
4-C
8αオレフィンの特徴を示す線積分の測定値から計算される。本質的にエチレン誘導モノマー単位と単一のC
4-C
8αオレフィン誘導モノマー単位で構成された組成物が特に好ましい。
本発明の好ましい態様では、ポリマー(A)は100〜800、好ましくは200〜700のMI
2を有する。ポリマー(A)に最も好ましいMI
2の範囲は250〜450g/10分である。本発明の目的では、メルトフローインデックスMI
2は、2.16kgの荷重下で190℃の温度にてISO1133に従って測定したものとして定義されるが、以下の実施例では、より小さい8mmの長さ/1.0mmの内径のダイを用いて測定した値からMI
2を計算した。
ポリマー(A)の密度は、好ましくは968〜975kg/m
3、さらに好ましくは970〜974kg/m
3である。
コポリマー(B)の密度は、好ましくは920〜940kg/m
3、さらに好ましくは925〜935kg/m
3である。
ポリマー(A)のHLMI対メルトインデックスMI
2の比は、好ましくは20〜40、さらに好ましくは25〜35である。
ポリマー(A)のHLMI対メルトインデックスMI
5の比は、好ましくは5〜15、さらに好ましくは8〜13である。
ポリマー(B)のHLMI対メルトインデックスMI
2の比は、好ましくは20〜40、さらに好ましくは25〜35である。
ポリマー(B)のHLMI対メルトインデックスMI
5の比は、好ましくは5〜15、さらに好ましくは8〜13である。
【0013】
ポリマー(A)とポリマー(B)を別々に作製してからブレンドする場合、両ポリマーのメルトインデックス、密度及びコモノマー含量を直接測定することができる。しかしながら、一方のポリマーを他方のポリマーの前に作製してから第1ポリマーの存在下で第2ポリマーを作製する多段階プロセスで多モードポリマーを作製する場合、第2ポリマーのメルトインデックス、密度及びコモノマー含量を測定できないので、代わりに本発明の目的では以下に示すように定義する。下記定義は、最初の2種のポリマーの存在下で作製する第3又は後続ポリマー(1種のポリマーが存在する場合)にも当てはまるであろう。
第2(又は第3若しくは後続)ポリマーのHLMI及びMI
2等の全てのメルトインデックスは、多モード組成物の作製に用いるのと同じ重合条件下で別々に作製したときに第2(又は第3若しくは後続)ポリマーについて直接測定される値であると定義される。言い換えれば、多モード重合の第2(又は第3若しくは後続)反応器で使用するのと同じ触媒を用いて同じ重合条件下で別々に第2(又は第3若しくは後続)ポリマーを作製してからそのメルトインデックスを測定する。
第2(又は第3若しくは後続)ポリマーの密度は、下記関係から計算されるものであると定義される。
【0015】
式中、xは成分nの重量分率であり、dは成分nの密度であり、nは組成物中のポリマーの数である。
第2(又は第3若しくは後続)ポリマーのコモノマー含量は、下記関係から計算されるものであると定義される。
【0017】
式中、xは成分nの重量分率であり、cは成分nのコモノマー含量であり、nは組成物中のポリマーの数である。
ポリマーを二元金属触媒等の「多重触媒系」を用いて作製する場合、両ポリマー(A)及び(B)を同一容器内で作製することができる。このような場合、ポリマー(A)又はポリマー(B)のどちらの特性をも直接測定することができない。従ってこの場合、両ポリマー(A)及び(B)の特性は、該「多重触媒系」の個々の触媒を用いて、多モードポリマー組成物の作製のために使用するのと同じ重合条件下でそれぞれのポリマーを別々に作製したときに得られるものであると定義される。
本発明のフィルムの形成に特に好ましい組成物は、949〜955kg/m
3の密度及び8〜14g/10分のHLMIを有し、かつ968〜975kg/m
3の密度を有する47〜55wt%のエチレンポリマー(A)と、920〜940kg/m
3の密度を有する45〜53wt%のエチレンポリマー(B)とを含み、また(A):(B)の比が47:53〜55:45である。ポリマー(A)は、好ましくは200〜700g/10分のMI
2を有する。
本発明のフィルムの形成に最も好ましい多モード組成物は、950〜953kg/m
3の密度及び8〜13g/10分のHLMIを有し、かつ970〜974kg/m
3の密度を有する48〜53wt%のエチレンポリマー(A)と、925〜935kg/m
3の密度を有する47〜52wt%のエチレンポリマー(B)とを含み、また(A):(B)の比が48:52〜53:47である。ポリマー(A)は、好ましくは250〜450g/10分のMI
2を有する。
【0018】
本発明のフィルムは完全に上記ポリエチレン組成物から成り得るが、本発明は、該ポリエチレン組成物に加えて他の成分を含んでなるフィルムをその範囲内に含める。特に、フィルムは、フィルムの総重量に基づいて8wt%まで、好ましくは5wt%まで、さらに好ましくは3wt%までの量で通常の添加剤を含有し得る。該添加剤としては、安定剤(抗酸化剤及び/又は抗UV剤)、帯電防止剤及び加工助剤、並びに顔料が挙げられる。フィルムは、10wt%までの別のポリオレフィンを含有してもよい。しかしながら本発明の全ての組成物は、最低でも47wt%のポリマー(A)と45wt%のポリマー(B)を含むので、いずれのプレポリマー、超高分子量ポリマー、添加剤又は他のポリオレフィン(存在する場合)をも含め、全ての他の成分の最大合計量は8wt%である。同様に、ポリマー(A)の最小量が48wt%であり、かつポリマー(B)の最小量が47wt%であるとき、全ての多成分の最大含量は5wt%である。
好ましい実施形態では、本発明のフィルムは、フィルムが15μmの厚さを有し、かつ100mmのダイ径、1.2mmのダイ間隔、4のブローアップ比BUR、7×ダイ径のネック高さ及び30m/分の巻取り速度で押し出されるとき、270gより大きい、さらに好ましくは310gより大きい、なおさらに好ましくは350gより大きい落槍値を有する。
本発明のフィルムは、フィルムが15μmの厚さを有し、かつ100mmのダイ径、1.2mmのダイ間隔、4のブローアップ比BUR、7×ダイ径のネック高さ及び30m/分の巻取り速度で押し出されるとき、少なくとも150g/25μm、さらに好ましくは少なくとも170g/25μm、最も好ましくは少なくとも190g/25μmの横方向(TD)のエルメンドルフ引裂強度を有するのが好ましい。
本発明のフィルムは、フィルムが15μmの厚さを有し、かつ100mmのダイ径、1.2mmのダイ間隔、4のブローアップ比BUR、7×ダイ径のネック高さ及び30m/分の巻取り速度で押し出されるとき、少なくとも18g/25μm、さらに好ましくは少なくとも20g/25μm、最も好ましくは少なくとも21g/25μmの縦方向(MD)のエルメンドルフ引裂強度を有するのが好ましい。
【0019】
本発明のフィルムに使用する組成物は、好ましくは網状でない。
本発明のフィルムに使用する好ましいポリエチレン組成物は、ポリマー(A)及び(B)と、必要に応じて他のポリエチレンとの機械的ブレンディング、「多重触媒系」の存在下でのポリマー(A)及び(B)のその場形成、並びに多段階プロセスでのポリマー(A)及び(B)の形成等のいずれの技術上周知の方法によっても生成し得る。ブレンディングは、従来のいずれのブレンディング装置で行なってもよい。
「多重触媒系」とは、少なくとも2種の異なる触媒化合物を含み、各化合物は同一若しくは異なる金属基を有する組成物、混合物又は系を意味し、「二重触媒」、例えば二元金属触媒が含まれる。多重触媒系の使用は、単一容器内で多モード生成物を作製できるようにする。多重触媒系の異なる各触媒化合物は単一の担体粒子上に存在し得る。この場合、二重(二元金属)触媒は担持触媒であるとみなされる。しかしながら、二元金属触媒という用語は、一方の触媒は担体粒子の1つの集団上に存在し、別の触媒は担体粒子の別の集団上に存在する系又は混合物をも広く包含する。好ましくは、後者の場合、2つの担持触媒を単一の反応器に同時又は逐次的に導入し、二元金属触媒系、すなわち、担持触媒の2つの集団の存在下で重合を行なう。或いは、多重触媒系には、スラリー形態の非担持触媒の混合物が含まれる。1つの触媒を用いてHMW成分を生成し、他の触媒を用いてLMW成分を生成することができる。LMW成分を生成する触媒は通常、水素等の連鎖停止試薬に対してHMW触媒より反応性が高い。
しかしながら本発明のポリエチレン組成物は、典型的に一連の反応器を用いて多段階エチレン重合によって得るのが好ましい。多段階プロセスは、少なくとも2つのポリマー画分を別々の反応段階で、通常は各段階で異なる反応条件を用いて、前段階の反応生成物の存在下で生成することによって、2つ以上の画分を含んでなるポリマーを生成する重合プロセスである。各段階で用いる重合反応は、従来の反応器、例えばループ反応器、気相反応器、バッチ反応器等を用いる従来のエチレンホモ重合又は共重合反応、例えば気相、スラリー相、液相重合を含み得る。
【0020】
ポリマー(A)を第1反応器で生成し、かつポリマー(B)を後続反応器で生成するのが好ましい。しかしながらこの順序を逆にしてもよい。多モード組成物がプレポリマーを含む場合、これを第1反応器に先行する反応器内で作製する。全ての反応器がスラリー反応器、特にスラリーループ反応器であるのが好ましい。
特に好ましい多段階重合プロセスでは、
第1反応器内で、組成物の総重量に対して47〜55重量%のエチレンホモポリマー(A)を形成するように、希釈剤、水素、遷移金属に基づいた触媒及び共触媒を含んでなる第1混合物中でエチレンをスラリー重合し;
前記第1混合物を前記反応器から取り出し、水素の少なくとも一部を脱気して少なくとも部分的に脱気された混合物を形成するように減圧にさらし、前記少なくとも部分的に脱気された混合物をエチレン及びC
4-C
8αオレフィンと、必要に応じて、少なくとも1種の他のαオレフィンと共に後続反応器に導入し、その中でスラリー重合を行なって、組成物の総重量に対して45〜53重量%の、エチレンとC
4-C
8αオレフィンとのコポリマーを形成する。
本発明は、ポリエチレンフィルムを得るためのプロセスであって、エチレンと必要に応じてコモノマーを重合させ、このポリエチレン組成物をコンパウンしてそれをペレットの形にしてからこのペレットをフィルムの形にする工程を含むプロセスをも提供する。エチレンを重合させる工程は、好ましくは多モードポリエチレンを形成する。
【0021】
本発明のポリエチレン組成物を生成するための重合プロセスで使用する触媒は、該ポリエチレンの調製に適したいずれの触媒であってもよい。ポリエチレンが多モードである場合、同一触媒が高分子量と低分子量の両画分を生成するのが好ましい。例えば、触媒は、クロム触媒、チーグラー・ナッタ触媒、又はメタロセン触媒であってよい。好ましくは触媒はチーグラー・ナッタ触媒である。
チーグラー・ナッタ触媒の場合、使用する触媒は少なくとも1種の遷移金属を含む。遷移金属とは、元素周期表(CRC Handbook of Chemistry and Physics, 75th edition, 1994-95)の4、5又は6族の金属を意味する。遷移金属は、好ましくはチタン及び/又はジルコニウムである。好ましくは遷移金属のみならず、マグネシウムをも含んでなる触媒を利用する。下記成分:
−5〜30重量%、好ましくは6〜23重量%、最も好ましくは8〜16重量%の遷移金属、
−0.5〜20重量%、好ましくは2〜18重量%、最も好ましくは5〜15重量のマグネシウム、
−20〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、最も好ましくは40〜60重量%のハロゲン、例えば塩素等、
−0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜8重量%、最も好ましくは0.5〜5重量%のアルミニウム
を含んでなる触媒(残予は一般的に該触媒の製造に用いた生成物から生じる元素、例えば炭素、水素及び酸素等から成る)で良い結果が得られた。ハロゲン化有機アルミニウム組成物を用いて少なくとも1種の遷移金属組成物とマグネシウム組成物の同時沈殿によってこれらの触媒を得るのが好ましい。該触媒は既知であり、それらは特に特許US 3901863、US 42942200及びUS 4617360に記載されている。好ましくは第1重合反応器のみに触媒を導入する。すなわちさらなる重合反応器には新たな触媒を導入しない。一般的に希釈剤1リットル当たり少なくとも0.5mgの遷移金属という量を得るように第1反応器に導入する触媒の量を調整する。触媒の量は通常、希釈剤1リットル当たり100mgを超えない遷移金属の量である。
特に好ましい触媒は、5〜30重量%の遷移金属、0.5〜20重量%のマグネシウム、20〜70重量%の塩素及び0.1〜10重量%のアルミニウムを含み、かつ沈殿触媒中の残余有機基を35wt%未満含有する。これらの触媒は、ハロゲン化有機アルミニウム化合物を用いる少なくとも1種の遷移金属化合物とマグネシウム化合物の共沈殿によっても得られるが、遷移金属対マグネシウムの比は約1:1以下である。それらは任意にさらに電子供与体を含んでよい。それらは、我々自身のEP 703247Bに記載されている。最も好ましい触媒は下記組成を有する:
8〜16重量%の遷移金属、
5〜15重量%のマグネシウム分、
40〜60重量%の塩素分、
5重量%未満のアルミニウム分、
35重量%未満の残余有機分、
20重量%未満の総安息香酸アルキル分。
【0022】
本プロセスで利用する共触媒は、好ましくは有機アルミニウム化合物である。式AlR
3(式中、Rは、1〜8個の炭素原子を有するアルキル集団を表す)の非ハロゲン化有機アルミニウムが好ましい。トリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
本発明の組成物を生成するために上述した特に好ましい多段階重合プロセスでは、チーグラー・ナッタ触媒を利用するのが好ましい。このような場合、重合温度は通常20〜130℃、好ましくは60℃〜115℃、さらに好ましくは75℃〜110℃である。プロセスにもたらされる全圧は一般的に0.1MPa〜10MPaである。第1第1重合反応器では、全圧は好ましくは少なくとも2.5MPaである。好ましくは、それは5MPaを超えない。さらなる重合反応器では、全圧は好ましくは少なくとも1.3MPaである。好ましくは、それは4.3MPaを超えない。
第1反応器及びさらなる反応器における重合時間は一般的に少なくとも20分、好ましくは少なくとも30分である。それは通常は5時間を超えず、好ましくは3時間を超えない。
【0023】
この特に好ましいプロセスでは、本発明の樹脂を含むスラリーをさらなる重合反応器の出口で収集する。いずれの既知手段によって懸濁液から組成物を分離してもよい。通常、組成物から希釈剤、エチレン、αオレフィン及びいずれの水素をも除去するように懸濁液を圧力膨張(最終膨張)にさらす。
典型的には本発明の組成物をコンパウンドしてペレットにし、これを必要に応じてフィルムの製造に使用することができる。コンパウンディング条件及び機器は当業者に周知である。コンパウンディング中に網状になった組成物から任意にフィルムを作製し得るが、本発明の組成物及びそれから作製されるフィルム、並びに本発明のフィルムは網状でないことが好ましい。
本発明により作製された組成物をポリオレフィン用の通常の加工添加剤、例えば安定剤(抗酸化剤及び/又は抗UV剤)、帯電防止剤及び加工助剤、並びに顔料と混合することができる。
以下の実施例は、図面の
図1及び2と共に本発明を説明することを目的とする。
図2は、本発明の一態様で特定したI及びT
TDに関する式との実施例の関係を示す。
【実施例】
【0024】
これらの実施例で用いる記号の意味及び言及する特性を表す単位及びこれらの特性を測定するための方法について以下に説明する。
メルトインデックス
メルトインデックスはISO1133に従って測定し、g/10分で示す。ポリエチレンでは、190℃の温度を適用する。MI
2は2.16kgの荷重下で測定し、MI
5は5kgの荷重下で測定し、HLMIは21.6kgの荷重下で測定する。
密度
ポリエチレンの密度はISO 1183-1(方法A)に従って測定し、サンプルプラークは、加圧下で15℃/分の冷却速度にて190℃から40℃に冷却するASTM D4703(条件C)に従って調製1した。
動的レオロジー分析
動的レオロジー測定は、ASTM D 4440に従い、不活性雰囲気下、動的レオメーター(例えば、ARES)で25mm径の平行板を用いて動的モードで行なう。全ての実験のため、レオメーターを少なくとも30分間190℃で熱的に安定させた後、適切に(抗酸化添加剤で)安定化した圧縮成形サンプルを平行板上に挿入する。次にレオメーター上に記載された正の垂直力で板を閉じて良い接触を確保する。190℃で約5分後、板を軽く圧縮し、板周囲の余剰ポリマーを切り取る。さらに10分熱的安定性を保って垂直力がゼロに戻るようにする。すなわち、全ての測定は、サンプルを190℃で約15分間平衡化した後に行ない、かつ完全窒素ブランケッティング下で行なう。
最初に190℃で2回の歪み掃引(strain sweep)(SS)実験を行なって、全周波数(例えば0.01〜100rad/s)範囲にわたって、トランスデューサーのより低いスケールの10%より大きいトルク信号を発生させるであろう線形粘弾性歪みを決定する。第1SS実験は0.1rad/sの低周波数を適用して行なう。この試験を用いて低周波数でのトルク感度を決定する。第2SS実験は100rad/sの高周波数を適用して行なう。これは、試験中に振動性レオロジー測定がポリマーに構造変化を生じさせないように、選択した適用歪みが確実にポリマーの線形粘弾性領域の十分範囲内になるようにする。さらに、選択歪み(SS実験で決定したとおり)で0.1rad/sの低周波数を適用して時間掃引(time sweep)(TS)実験を行なって、試験中のサンプルの安定性を点検する。
【0025】
溶融弾性モジュラスG'(G"=3000)の測定
次に、10
-2〜100rad/sの動的周波数範囲間の上記適切に選択した歪みレベルを用いて、窒素下190℃で周波数掃引(frequency sweep)(FS)実験を行なった。このように測定した動的レオロジーデータを次にレオメーターソフトウェア(viz., Rheometrics RHIOS V4.4又はOrchestrator Software)を用いて解析してG"=3000Paの基準溶融粘性モジュラス(G")値での溶融弾性モジュラスG'(G"=3000)を決定した。必要であれば、レオロジー専用ソフトウェアを用いて入手可能データ点間の内挿によって値を得た。
「弾性モジュラス」としても知られる用語「貯蔵モジュラス」G'(ω)は適用発振周波数ωの関数であり、歪みで除した、正弦変形における歪みを有する相内の応力と定義され;一方で「損失モジュラス」としても知られる用語「粘性モジュラス」G''(ω)は、これも適用発振周波数ωの関数であり、歪みで除した、歪みを有する相からの90度応力と定義される。これらの両モジュラス、及び他の線形粘弾性動的レオロジーパラメーターは当技術のスキルの範囲内で周知であり、例えば、G. Marinによって“Oscillatory Rheometry”, Chapter 10 of the book on Rheological Measurement, edited by A.A. Collyer and D.W. Clegg, Elsevier, 1988で論じられている。
【0026】
エルメンドルフ引裂抵抗
エルメンドルフ引裂抵抗は、ASTM Standard D 1922に従って測定される引裂きに対する抵抗であり;MDはフィルムの縦(機械)方向の測定を意味し、TDはフィルムの横方向の測定を意味する。値をg/25μmで表した。
衝撃抵抗
DDT=落槍試験、15μm厚のフィルムについてASTM D1709 Method Aに従って測定した衝撃強さ。値をgで表した。
分子量分布決定のためのゲル浸透クロマトグラフィー分析
長鎖分岐について補正しない見掛けの分子量分布及び関連平均は、長さ30cmの4つのカラムWATERS STYRAGEL HMW 6Eと、1つのガードカラムWaters Styragel 4.6×30mm及び示差屈折率検出器を備えたPolymer LaboratoriesのPL 220を用いて、ISO16014-1、ISO 16014-2及び16014-4に従ってゲル浸透(又はサイズ排除)クロマトグラフィーで決定した。
用いた溶媒は、150℃で0.2g/リットル濃度のBHTで安定化した1,2,4-トリクロロベンゼンだった。0.8g/リットル濃度のポリマー溶液を1時間160℃で、最後の30分だけ撹拌して調製した。名目上の注入体積を400μlに設定し、名目上の流速は1ml/分だった。
13の狭い分子量の直鎖ポリスチレン標準物質を用いて相対的較正を構築した。
【0027】
【表1】
【0028】
各PS標準物質の溶出体積Vを記録した。次に下記マルク-ホウインク(Mark Houwink)パラメーターを用いてPS分子量をPE当量に換算した:
kPS=1.21 10
-4 dl g
-1、αPS=0.707、kPE=3.92.10
-4 dl g
-1、αPE=0.725。
次に較正曲線Mw Pp=f(V)を一次線形方程式に当てはめた。全ての較正は、WatersからのEmpower 2ソフトウェアを用いて行なう。
【0029】
A)触媒
マグネシウムジエトキシドをチタンテトラブトキシドとチタン対マグネシウムのモル比が1に等しくなるような量で7時間140±5℃で反応させた。このようにして得た反応生成物(混合アルコラート)を引き続き安息香酸エチル(EB)と周囲温度で少なくとも6時間接触させ、ヘキサンで希釈して1リットル当たり0.4モルのマグネシウムの濃度にした。安息香酸エチルの添加は安息香酸エチル対マグネシウムジエトキシドのモル比が2に等しくなるような量で行なった。次に混合アルコラートと安息香酸エチルの混合物をアルミニウムイソブチルジクロリド(IBADIC)と二工程で反応させた。両工程とも45℃で行なった。第1工程の最後に導入したIBADICの量は、4.5モル/モルのIBADIC/Mg比に相当した。固体のデカンテーション及び上清液体の除去によって塩素化副生物の部分的除去を達成した。第2塩素化工程の最後に導入したIBADICの量は、2.5モル/モルのIBADIC/Mg比に相当した。第2塩素化工程後、スラリーを60℃で45分間熟成させ、その後に周囲温度で冷ました(35℃未満)。次に固体を重合等級ヘキサンで洗浄することによってスラリーから反応副生物を除去した。このようにして得、懸濁液から収集した触媒は下記組成を含んだ(重量%):Ti:13;Cl:51;Al:2;Mg:7。触媒中の全ベンゾアートの濃度は約10wt%だった。
【0030】
B)組成物
エチレンポリマーを含む組成物の製造は、直列に連結し、かつ連続的に減圧を達成できるようにする装置で隔てたそれぞれ200L及び300L容積の2つのループ反応器内でイソブタン中の懸濁液で行なった。
イソブタン、エチレン、水素、トリエチルアルミニウム、触媒を第1ループ反応器に連続的に導入し、この混合物中でエチレンの重合を行なってホモポリマー(A)を形成した。さらにホモポリマー(A)を含むこの混合物を連続的に前記反応器から取り出し、少なくとも一部の水素を除去するため減圧(約50℃、0.6MPa)にさらした。水素の少なくとも一部が脱気された結果として生じた混合物を次に連続的に第2重合反応器に、エチレン、ヘキセン、イソブタン及び水素と同時に導入し、その中でエチレンとヘキセンの重合を行なってエチレン/1-ヘキセンコポリマー(B)を形成した。エチレンポリマーを含んでなる組成物を含む懸濁液を連続的に第2反応器から取り出し、この懸濁液を最後の減圧にさらして、イソブタン及び存在する反応物質(エチレン、ヘキセン及び水素)を蒸発させて粉末の形で組成物を回収し、イソブタンの脱気を完了させるために組成物を乾燥させた。
次にポリマー粉末をWerner and Pfleiderer ZSK40二軸押出機に移して下記添加剤パッケージとコンパウンドした:1000ppmのステアリン酸カルシウム、1000ppmのステアリン酸亜鉛、800ppmのIrgafos 168、800ppmのIrganox 1076。
他の重合条件を下表1に特定する。組成物の特性を下表2に示す。比較例C3及びC4は、WO 2006/018245から得(それぞれ比較例A及び実施例7)、C7はEP 1712574A(実施例5)から得ている。比較例C5及びC6は市販の樹脂(それぞれLyondellBasell IndustriesからのHostalen GM9450F及びBangkok Polyethylene PLCからのThaizex 7000F)である。
【0031】
表1−重合条件
【0032】
表2−ポリマーの特性
* MI
2’(A)はISO1133に従うが、標準的8mm/2.095mmダイの代わりに、測定しやすい低い値を与えるので長さ8mm/内径1.0mmのダイを用いて測定した。MI
2(A)はMI
2(A)=16 MI
2’(A)の関係を用いて計算した。
【0033】
Mz/G'(G''=3000Pa)とHLMIとの間の関係を
図1に示す。これは、発明例の高いMz/G'(改善された機械的特性)と相対的に高いHLMI(改善された押出し性)との優れた組み合わせを例証する。本発明の実施例は、動的レオメーターで測定したところ、いずれの比較例よりも100rad/sの高いせん断速度での複素粘性率(η
*100)が低いことにも留意すべきである。
【0034】
C)フィルム
上記実施例の組成物を下記明細のKiefel Rotex 40SAラインでインフレーション成形してフィルムにした:
押出機:
・製造業者:KIEFEL Extrusion GmbH, Germany
・型:Rotex 40SA
・動力:25kW
スクリュー:
・製造業者:KIEFEL Extrusion GmbH, Germany
・型:24D規格
・直径(D):40mm
・長さ(L)対直径(D):24/1
・速度:
・最大=275分
-1
・標準=100分
-1
・標準速度での出力=32kg時間
-1。
ダイ:
・製造業者:KIEFEL Extrusion GmbH, Germany
・直径:100mm
・間隔:1.2mm
【0035】
押出条件は以下のとおりだった:
押出機温度プロファイル(℃):
・スクリュー ゾーン1:190℃
・ ゾーン2:200℃
・ダイ ゾーン3:200℃
・ ゾーン4:200℃
・ ゾーン5:210℃
・スクリーン パック:HD型。
出力
・スクリュー速度:100〜110rpm
・出力:32kg時間
-1
外部空冷:
・温度:15〜25℃
【0036】
上記実施例から作製したフィルムのサンプルを20〜25℃の条件で48時間調整した後にそれらの落槍衝撃抵抗及びエルメンドルフ引裂抵抗を測定した。
フィルム特性の概要を表3及び
図2に示す。
図2は、本発明の衝撃抵抗とTD引裂抵抗のバランスの改善を実証する。直線は、式T
TD>62000/Iを表す。比較例C7は、特性バランスの同様の改善を示すが、これは本発明が必要とするより低い密度で達成され、結果として結晶化度が低い樹脂をもたらし、そのためバリア特性及び引張特性が劣ることが予想されるであろう。
【0037】
表3−フィルム特性
E’dorf=エルメンドルフ
* C3では良い品質のフィルムを得ることができない