(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6177453
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】ゲートキーパー信号を有する患者モニターシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0215 20060101AFI20170731BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20170731BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
A61B5/02 610E
A61B5/02 F
A61B5/00 101L
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-553802(P2016-553802)
(86)(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公表番号】特表2017-510331(P2017-510331A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】US2015017377
(87)【国際公開番号】WO2015130705
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2016年10月21日
(31)【優先権主張番号】61/944,408
(32)【優先日】2014年2月25日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508004797
【氏名又は名称】アイシーユー・メディカル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ジョン・ヒューズ
(72)【発明者】
【氏名】リナ・ダーデリアン
【審査官】
亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−537491(JP,A)
【文献】
特表2008−513112(JP,A)
【文献】
特表2001−505470(JP,A)
【文献】
特開昭62−129032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 − 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血管と流体連通した状態でチューブに取り付けられるように構成され、コンピュータープロセッサーと電気的に通信する状態で取り付けられるように構成された使い捨て患者モニターデバイスであって、
圧力センサーにおける流体受容領域を介して患者の血管と流体連通するように構成され、コンピュータープロセッサーと電気的に通信するように構成された少なくとも1つの圧力センサーであって、患者の血管系の中の圧力波を検知するように構成され、患者の生理学的パラメーターを示す少なくとも1つの患者情報電気信号を、前記コンピュータープロセッサーへ送信するように構成された、少なくとも1つの圧力センサーと、
流体領域の外部の前記使い捨て患者モニターデバイスにおける周囲温度を示すかまたはシミュレートし、前記患者に関する診断情報または生理学的情報を含まないゲートキーパー電気信号を、前記圧力センサーが前記コンピュータープロセッサーと電気的に通信する状態で取り付けられていることを前記コンピュータープロセッサーが確認できるように、前記コンピュータープロセッサーへ送るように構成された信号発生器とを備え、
前記ゲートキーパー電気信号は、前記患者情報電気信号によって伝達される患者情報を処理するために利用されない、
使い捨て患者モニターデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の使い捨て患者モニターデバイスを、前記コンピュータープロセッサーと共に備える、患者モニターシステム。
【請求項3】
ハウジングをさらに備える、請求項1に記載の使い捨て患者モニターデバイス。
【請求項4】
前記デバイスが、実際の周囲温度を測定するように構成され、前記周囲温度は、温度センサーによって測定される、請求項3に記載の使い捨て患者モニターデバイス。
【請求項5】
前記周囲温度が、前記ハウジングの内部で測定される、請求項4に記載の使い捨て患者モニターデバイス。
【請求項6】
前記周囲温度が、前記ハウジングの外部で測定される、請求項4に記載の使い捨て患者モニターデバイス。
【請求項7】
前記ゲートキーパー電気信号が、実際の温度測定値ではなく、シミュレータによって生成される、請求項1に記載の使い捨て患者モニターデバイス。
【請求項8】
いかなる温度センサーも含まない、請求項7に記載の使い捨て患者モニターデバイス。
【請求項9】
医療用コンピュータープロセッサー、および使用中に液体を受容するように構成された液体受容領域を有する使い捨て患者圧力センサーと電気的に通信するように取り付け可能に構成されたゲートキーパー信号発生デバイスであって、
前記液体受容領域の外部の周囲温度を示し、またはシミュレートするゲートキーパー電気信号を、前記医療用コンピュータープロセッサーへ送るように構成された信号発生器であって、前記ゲートキーパー電気信号が、いかなる患者情報信号からも分離されており、いかなる患者情報信号の修正または較正にも使用されるように構成されていない信号発生器と、
前記ゲートキーパー信号発生デバイスを、前記医療用コンピュータープロセッサーに取り付けるように構成された第1の電気コネクターと、
前記ゲートキーパー信号発生デバイスを、前記使い捨て患者圧力センサーに取り付けるように構成された第2の電気コネクターと
を備える、ゲートキーパー信号発生デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のゲートキーパー信号発生デバイスと、前記医療用コンピュータープロセッサーとの組み合わせ。
【請求項11】
請求項9に記載のゲートキーパー信号発生デバイスと、前記使い捨て患者圧力センサーとの組み合わせ。
【請求項12】
電気ケーブルと電気的に通信する、請求項9に記載のゲートキーパー信号発生デバイス。
【請求項13】
電気ケーブルに組み込まれた、請求項12に記載のゲートキーパー信号発生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれ、開示するすべてについて本明細書の一部となる、2014年2月25日に出願した、発明の名称を「Patient Monitoring System with Gatekeeper Signal」とする米国仮特許出願第61/944,408号の優先権の利益を主張する。
【0002】
技術分野
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、一般に、患者の生理学的パラメーターの監視に関し、詳細には、適切なセンサーが生理学的モニターシステムと通信していることの確認に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの医療環境において、特に重症の心臓病患者の看護においては、医療関係者が患者の心機能または患者の血液特性などの患者の生理機能に関する概して継続的な情報を得られることが、望ましいか、必要である。電子的な生理学的モニターシステムは、患者の血管内に挿入されるチューブ状のカテーテル、カテーテルと流体連通したセンサー、およびセンサーと電気的に通信するコンピューターモニターを含み得る。コンピューターモニターは、通常、患者のベッド脇またはその近くに配置され、通常は、コンピュータープロセッサーと、患者の心機能に関するデータのディスプレイとを備える。
【0004】
センサーは、特定の患者を処置する際に使用され、その後に破棄され、新しいセンサーに置き換えられる使い捨てコンポーネントであり得る。様々な異なる種類のセンサーが、様々な供給元によって作られ、様々な生理学的モニターシステム用に医療機関によって購入される。こうした異なる種類のセンサーのうちのいくつかは、特定の医療環境において利用可能であり得る。さらに、いくつかのセンサーは、使い捨てであっても、使い捨てでなくてもよい、1つまたは複数のケーブルなどの1つまたは複数の中間デバイスによって、モニターシステムに接続され得る。いくつかのセンサーおよび/または中間ケーブルは、特定の生理学的モニターシステムについて有効ではなく、または互換性がなく、またはそれとの併用が安全でないことがある。そうしたセンサーおよび/またはケーブルは、特定の生理学的モニターシステムと何とかして接続され、または電気的に通信するように配置されたとしても、モニターシステムに損傷を与え、または患者の現在の生理学的状態に関して誤った測定値を生じさせることがある。さらに、適切なセンサーおよび/またはケーブルの使用が意図された場合でも、電気コネクターが完全に挿入されていないか、屈曲したもしくは損傷を受けた電気接点を含む場合など、センサーおよび/またはケーブルとコンピューターモニターとの間の電気的な接続が適切に接続されていない場合、不完全なデータ信号または欠陥のあるデータ信号が、センサーからコンピューターモニターへ送信されることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電子信号は、患者モニターから離れて生成され得る。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電子信号は、患者の生理学的情報電子信号から分離した、患者センサーによって、および/または、電気ケーブルなどの中間デバイスにおいて、生成することができる。ゲートキーパー信号は、コンピューターモニターに対して、センサーおよび/またはケーブルがそのようなコンピューターモニターと互換性があり、および/またはそのようなコンピューターモニターと共に使用可能なタイプであること、ならびに/またはセンサーおよび/もしくはケーブルがコンピューターモニターに適切に取り付けられていることを示すように生成され得る。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー信号は、患者モニター上の、もしくは患者モニターと電気的に通信する周囲温度センサーによって生成されてもよく、および/または、ゲートキーパー信号は、周囲温度値をシミュレートするように、ゲートキーパー電子信号発生器によって生成され得る。ゲートキーパー信号は、患者の生理学的情報を含む電子信号または複数の信号から分離可能であり、ゲートキーパー信号は、いかなる患者の生理学的情報も含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー信号は、患者の生理学的情報を取得し、または分析するために、任意の電子信号の処理または評価に使用されるようには構成されていない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】集中治療患者モニターシステムの一例を示す図である。
【
図2】ゲートキーパー電気信号を発生させるように構成された患者センサーの概略図の一例を示す図である。
【
図3】周囲温度センサーを備えた患者センサーの一例を示す図である。
【
図4】ゲートキーパー電気信号の監視、評価、および/またはゲートキーパー電気信号への応答のための、コンピューターモニター内のアルゴリズムまたはサブルーチンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1の例に示すように、いくつかの実施形態では、集中治療患者モニターシステム100は、心臓モニターセンサーおよび/または血液パラメーターセンサーなどの患者センサー120と電気的に通信する状態で配置されたコンピューターモニター110を備えることができ、患者センサー120は、カテーテル150を使用するなどして、患者130の血管と流体連通して配置される。統合ユニットとして示されているにもかかわらず、コンピューターモニター110は、1つまたは複数の分離可能なコンポーネントを含む場合があり、例えば、視覚的なディスプレイは、組込み処理機能の有無にかかわらず、ベースコンピューターモニターに解放可能に取り付けられる場合がある。患者の心臓が鼓動するとき、圧力波が、患者の相互接続された血管(静脈および動脈)系を介して送信される。圧力波は、患者の心機能に関する情報を提供し、情報は、患者センサー120からコンピューターモニター110に、有線接続160または無線接続を使用するなどして、電気的に送信することができる。患者の心機能に関する情報は、コンピューターモニター110によって実行される、圧力波の形および/または圧力波が時間と共に変化する仕方などの数学的解析を介して導出または計算され得る。図示するように、患者センサー120は、ポールスタンドや他のホルダーなどの好適な保持構造体140上に配置することができ、また患者センサーは、液体源170と流体連通することができる。
【0008】
図2および
図3に示すように、いくつかの実施形態では、心臓モニターセンサーなどの患者センサー120は、流体圧力の変化に応答して時間が経つにつれて変化する電気信号を生成する圧力センサーなどの、機械的な動きを電気的なエネルギーに変換するように構成されたトランスデューサー180を備えることができる。患者センサー120は、流体経路などの、トランスデューサーと連通する流体受容領域190を備えることができる。流体経路は、患者の血管と流体連通した医療用カテーテル150または他のチューブもしくはデバイスの一部を形成する、あるいはそれらに取り付ける、あるいはそうでない場合はそれらと流体連通して配置することができる。いくつかの実施形態では、流体受容領域190は、血液、水、生理食塩水、または別の医療用流体などの1つまたは複数の液体を受容するように構成された液体受容領域である。医療用カテーテルの末端側は、従来の方式で、患者の血液と接触して、患者の血管に挿入することができる。
【0009】
医療用カテーテル150は、患者の血管(例えば、静脈や動脈)の内部を流れる血液と接続する、生理食塩水および/または血液などの生体適合性のある流体の柱を含むことができる。流体の柱は、1つまたは複数の流体コネクター195を使用して患者センサー120と流体連通して配置できる、加圧されるか、患者センサー120に重力供給される、静脈注射用バッグなどの液体源170によって提供することができる。ストップコック200などの適当な弁は、液体源170と患者センサー120との間に、制御可能な接続を提供することができる。ストップコック200は、流体が、液体源170から、流体検知領域190へ流れる、および/またはサイドポート205との間を行き来することを可能にすることができる。患者の鼓動する心臓からの圧力波が患者の血管を通って送信されるとき、この波は、血液との流体相互作用を介して、医療用カテーテル150内の流体の柱に、次いでトランスデューサーにおける、またはトランスデューサーに近接する流体経路190に通じ、そこでは、流体圧力波は、心臓モニター電気信号に変換でき、また電気配線160または無線によってコンピューターモニター110に送信することができる。コンピューターモニター110は、心機能情報(例えば、脈拍数、収縮期血圧および/もしくは拡張期血圧などの血圧、ならびに/または心拍出量など)といった、患者に関する生理学的情報を提供するために、心臓モニター電気信号を分析できるようプログラムすることができる。
【0010】
心機能情報の提供に加え、またはその提供の代わりに、血液パラメーターセンサーに、血液ガス値(例えば、酸素および/もしくは二酸化炭素など)、pH値、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、血糖値、および/もしくは血液温度などのうちの1つまたは複数といった、1つまたは複数の血液パラメーターに関する情報を伝えるように構成された医療用カテーテルを提供することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の血液パラメーターは、光ファイバーの1つもしくは複数の光送信ケーブルおよび/または光受信ケーブルの系を介するなどして、血液もしくは血液と通じている別の物質に送信され、および/またはそれらから反射される光波の特性を測定することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の血液パラメーターは、血液中につるされた、または血液に近接して配置された温度検知式サーミスターなどの、血液に近接して通じている1つまたは複数のセンサーを配置することによって決定することができる。
【0011】
患者センサー120は、心臓モニターセンサーおよび/または血液パラメーターセンサーであろうと、他の何らかの形態の患者センサーであろうと、様々な異なる方法で、構成、配置、および/または方向付けすることができる。患者センサー120は、患者情報電気信号発生器210を備えることができる。いくつかの実施形態では、心臓モニターセンサーおよび/または血液パラメーターセンサーなどの生理学的検知デバイスは、患者情報電気信号発生器の部分を形成し得るか、患者情報電気信号発生器と電気的に通じることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、患者センサー120は、医療用カテーテル150および1つもしくは複数の電気配線160、ならびに/または1つもしくは複数の電気コネクター240と組み合わせて、ハウジング230の表面もしくは中もしくは近くに配置された1つまたは複数のトランスデューサー180あるいは受信器を有するハウジング230を備える。患者センサー120は、生理学的検知デバイスもしくはトランスデューサー180、患者情報電気信号発生器210、ゲートキーパー電気信号発生器250、医療用カテーテル150、電気配線160、および/または電気コネクター240を含めて、使い捨てのユニットであり得る。患者情報電気信号は、患者の生理学的特性、状態、または状況に関して、1つまたは複数のセンサーによって得られる患者情報またはデータから、患者センサーの患者情報電気信号発生器によって生成することができる。患者の生理学的情報は、1つもしくは複数の電気配線160、260、および/または1つもしくは複数の電気コネクター240を介した患者情報電気信号を使用して、集中治療患者モニターシステム100のコンピューターモニター110に、またはそれに向けて伝達することができる。いくつかの実施形態では、患者の生理学的情報は、無線によって送信される患者情報電気信号を使用して、集中治療患者モニターシステム100のコンピューターモニター110に、またはそれに向けて伝達することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、使い捨てでない電気ケーブル260は、患者情報電気信号およびゲートキーパー電気信号を、患者センサー120の電気配線160から、コンピューターモニター110へ伝達するのに使用することができる。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー信号発生デバイス250は、使い捨て患者センサー120と電気的に通信し、または使い捨て患者センサー120に統合されもしくは組み込まれる代わりに、あるいはこれらに加えて、そうしたケーブルもしくは別の中間デバイスと電気的に通信し、またはそうしたケーブルもしくは別の中間デバイスに統合されもしくは組み込まれ得る。いくつかの医療環境において、患者センサー120のトランスデューサー部分180とコンピューターモニター110との間の距離は、トランスデューサー180が、ポールスタンド140上に、または(患者の腕130や他の何らかの場所へといった)患者の体への医療用カテーテル挿入点に比較的近接した他の何らかの場所に配置され、かつコンピューターモニター110が、挿入点から数フィート離れた、病室内のスタンド上に設置されているときなどは、かなり大きい場合がある。患者に取り付けられた流体カテーテル145は、対応するオス流体コネクター155やメス流体コネクター175などの1対の流体コネクターを使用して、センサー120からつながる流体ライン150に接続することができる。
【0014】
電気配線は(フロアと平行の配線の障害物を患者の周辺を歩き回る人に対して作り出すのを回避するために)トランスデューサー180から垂らされ、フロアをわたって、そしてコンピューターモニター110に戻る場合があるので、トランスデューサー180とコンピューターモニター110との間の電気配線160、260の長さは、約6フィート(2メートル)ほどの範囲内であることがある。この配線160、260のすべてが使い捨て患者センサー120の一部であった場合、使い捨て患者センサー120の製造コストおよび単価は大幅に拡大することになるが、配線の大半は定期的に患者と汚染状態で接触するわけでなく、また無菌である必要はなく、それよりむしろフロア上に、またはコンピューターモニターに近接して配置され、したがって複数の患者で使用できるので、そうした状態は、不要なはずである。いくつかの実施形態では、患者センサー120との電気的な接続は、患者センサー120の電気的な接続部分240を、使い捨てでないケーブルの、基部に近い電気的な接続部分に取り付けることにより、次いで使い捨てでないケーブルの末端の接続部分270をコンピューターモニターの電気的な接続部分に取り付けることにより、実現される。
【0015】
電気的な情報は、いくつかの実施形態では、Wi-Fiネットワーク経由などの近距離電磁信号を使用して、またはBluetooth(登録商標)もしくはZigBee信号を使用して、または医療環境において許容されるか、利用されている他の何らかの無線プロトコルによってなど、無線によって伝達することができる。電気配線160、260、もしくは電気的な接続240に関する、本明細書における任意の説明または例示は、無線方式で実現することができ、また配線もしくは電気的な接続のそうした説明または例示は、無線接続にも言及し、また無線接続を包含すると理解されたい。例えば、有線接続経由で伝達された患者情報電気信号および/もしくはゲートキーパー電気信号に関する任意の説明または例示は、適当な無線接続にも言及し、また適当な無線接続を包含すると理解されたい。
【0016】
適切な患者センサー120がコンピューターモニター110に取り付けられていること、および/もしくは適切な2次ケーブル260がコンピューターモニター110に取り付けられていることを確認するのを支援するために、ならびに/またはセンサー120とコンピューターモニター110との間の電気的な接続が適切に確立されているのを確実にするために、ゲートキーパー電気信号は、モニター110に送信することができる。いくつかの実施形態では、信号は、センサーデバイスに恒久的に結合されたコンポーネントによって生成される。いくつかの実施形態では、信号は、少なくとも一部分において、センサーをコンピューターモニターと電気的に通信する状態で配置するように構成された使い捨てでないケーブルによって生成される。いくつかの実施形態では、信号は、センサーデバイスに恒久的に結合されたコンポーネントと、コンピューターモニターと電気的に通信するデバイスを配置するように構成された使い捨てでないケーブルの両方の組み合わせによって生成される。いくつかの実施形態では、コンピューターモニターによるゲートキーパー電気信号の受信は、コンピューターモニター110が機能する、および/またはコンピューターモニター110が患者情報をディスプレイ画面280上に表示するための必要条件である。いくつかの実施形態では、モニター110は、モニター110がゲートキーパー電気信号を受信した後、および/またはゲートキーパー電気信号がモニターに送信され続けている期間中のみ、患者に関する生理学的情報を(連続的に、または許容できる時間間隔内で)唯一計算し、表示することになる。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号がコンピューターモニターによって期待どおりに受信されない場合、エラーメッセージが、ディスプレイ画面上に、または他の何らかの方法で伝達されることになる。エラーメッセージは、センサーがまったく接続されていないこと、不適切なセンサーがコンピューターモニターに接続されていること、および/またはユーザーがコンピューターモニターとの電気的な取り付けを検査すべきであることなどを示すことができる。
【0017】
ゲートキーパー電気信号は、信号発生器によって、様々な異なる方法で、また様々な異なる場所で、生成することができる。
図2の例に示すように、いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号を生成するための信号発生器は、患者センサーのハウジング230の表面または中または近くに設置される。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号は、周囲温度センサーなどの温度センサー290を備える信号発生器によって生成される。いくつかの実施形態では、信号発生器は、単に周囲温度センサーであり、いくつかの実施形態では、温度センサー290は、ゲートキーパー電気信号を生成するためのゲートキーパー電気信号発生器と電気的に通信する。温度センサー290は、様々な異なる方法で、構成、配置、および/または方向付けすることができる。例えば、温度センサー290は、ダイオードまたはトランジスターまたはサーミスターまたは別の電気コンポーネントなどの温度感知式電気コンポーネントを備えることができ、この温度感知式電気コンポーネントにおいて、電気信号の出力電圧もしくは別の属性またはこのコンポーネントの抵抗率が、温度感知式電気コンポーネントと熱伝達する状態で、この電気コンポーネントの周囲の空気または他の物質の温度に応じて変化する。
【0018】
集中治療患者モニターシステム100は、周囲温度が一般に、約70°Fすなわち約21℃などのおよそ標準室温のレベルである、かつ/または最低約65°Fかつ/または約75°F以下(すなわち最低約18℃かつ/または約24℃以下)などの標準室温範囲内である環境において使用されるであろうことが予想される。他の標準室温範囲、これらの温度範囲の内または外を含む、他の温度範囲を利用することができる。温度センサー290は、一般に、患者の部屋における周囲温度、あるいは患者センサー120もしくは患者センサー120のハウジング230の表面、近く、または内部の周囲温度を検知するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー温度センサー290は、患者センサー120の流体収容部分190の外部、および/または患者センサー120における流体との流体連通もしくは直接の熱伝達の外部に配置される。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー温度センサー290は、患者の体温もしくは患者の他の生理学的パラメーターの変化から隔離もしくは分離され、そうした変化の影響をほとんど受けず、および/またはそうした変化に関する臨床的に有用な情報を提供することができない。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号は、集中治療患者モニターシステムが、周囲温度範囲が電気装置の機能および/または患者から得られた生理学的読取り値に影響を与えないであろう環境において使用されることを確実にするのを支援することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号発生器250は、ゲートキーパー温度センサー290と電気的に通信する。ゲートキーパー電気信号発生器は、ゲートキーパー温度センサー290と呼応してゲートキーパー電気信号を生成するように構成された電気回路を備えることができる。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号発生器250によって生成された電気信号は、温度センサー290によって検知される周囲温度に応じて変化する。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号発生器250によって生成された電気信号は、温度センサー290によって検知される温度が、標準室温の所定の範囲内などの所定の範囲内である限り、一般に一定の値である。
【0020】
ゲートキーパー電気信号は、(いくつかの実施形態では、患者センサー120の表面または中に設置された)ゲートキーパー電気信号発生器250から、集中治療患者モニターシステム100のコンピューターモニター110に、患者情報電気信号を伝達するように構成された電気配線167から分離された電気配線165を使用して、伝達することができる。電気配線165、167は、共通配線束160において、個別に絶縁し、また結び付けることができる。いくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号は、患者情報信号から独立しており、患者の生理学的な状況または状態に関するいかなる情報も含まない。
【0021】
患者センサーのいくつかの実施形態では、ゲートキーパー電気信号は、実際の温度センサーまたは温度値から、またはそれらを使用して生成されず、それよりむしろ、電気信号発生器を使用してシミュレートされた温度信号を作り出す。
図2において、温度センサー290とゲートキーパー電気信号発生器との間の接続は、温度センサー290が全くない場合があるので、いくつかの実施形態では存在する必要がないことを示すため、破線によって表されている。シミュレートされた温度から導出されたゲートキーパー電気信号は、温度読取りに基づかず、また温度の変化に従って、全く変化しない可能性があるか、はっきりとは変化しない可能性がある。患者センサー120は、温度センサーを全く備えていない、少なくとも周囲温度センサーを備えていない場合がある。シミュレートされた温度信号が利用され得るのは、部屋または周囲温度が、電子コンポーネントの適切な機能または患者の生理学的状態に影響を与えることになる任意の範囲の外部にあるものとは期待されない状況か、センサーの取り付け誤りもしくはセンサーの使用されるべき種類の混乱というリスクがほとんどない、または全くない状況か、電子的な複雑さを減らしたより単純なセンサーを生成することが望ましい状況においてである。シミュレートされた温度信号を用いて生成されたゲートキーパー電気信号は、温度検知式ゲートキーパーまたは確認信号発生器によって通常生成されて送信されることになる信号と一般に同じ範囲にあるように構成することができる。
【0022】
供給元は、使い捨て患者センサー120、またはゲートキーパー信号をコンピューターモニター110に提供するように構成された、コンピューターモニター110と共に使用するための、電気通信線や電気通信ケーブルなどの中間デバイスを提供することができる。供給元は、センサーおよび/または中間デバイスを、電気ゲートキーパー信号用の電気ゲートキーパー入力ポートを監視するように構成されたコンピューターモニター110に電気的に接続するための指示を、医療提供者または他のユーザーに提供することができる。センサーは、本当の温度を示すゲートキーパー信号を実際に提供しても、しなくてもよく、それどころか、ゲートキーパー信号は、本物の信号であっても、またシミュレートされた信号であってもよい。供給元は、生物学的危険物質用の容器などにおいて、患者による使用後にセンサーを除外および/または破棄するための指示をユーザーに提供することができる。
【0023】
集中治療患者モニターシステム100のコンピューターモニター110は、コンピュータープロセッサー、患者に関する生理学的情報(患者センサーが取得するように構成された生理学的情報のいずれかのうちの1つまたは任意の組み合わせを含む)を表示するように構成されたコンピューターディスプレイ280、(バッテリーや電源コードなどの)電力源、および患者センサーの一部を形成する1つまたは複数の電気コネクター240に対するアタッチメントを使用するなどして患者センサーとの電気的な接続を確立するように構成された1つまたは複数の電気コネクター270、240を備えることができる。コンピューターモニター110は、患者の生理学的状態に関する情報を伝達する1つまたは複数の患者情報電気信号を受信するように構成することができる。コンピューターモニター110の1つまたは複数のコンポーネントは、モニターの他のコンポーネントに解放可能に結合することができる。例えば、ディスプレイ280は、ベースから取外し可能である場合がある。ディスプレイ280は、コンピュータープロセッサー、および信号を処理する際に使用される他の電気回路を含むことができるか、プロセッサーは、モニター110の他のコンポーネント内に含むことができる。
【0024】
コンピューターモニター110はまた、ゲートキーパー電気信号を受信するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、コンピューターモニター110は、実際の周囲温度値か、シミュレートされた周囲温度値であり得る、ゲートキーパー電気信号からの周囲温度値の受信、処理、計算、および/または識別を行うよう構成されている。
【0025】
図4の一例に概略的に示すように、ブロック300は、コンピューターモニター110が、ゲートキーパー信号または確認信号を、例えば概して継続的に、ブロック310に示すように、ゲートキーパー信号または確認信号が受信されているかを周期的に検査しながら、監視できることを示す。何らかのタイプの電気信号が、ゲートキーパー信号の電気的な接続において、モニター110によって受信された場合、モニター110のコンピュータープロセッサーは、ブロック320に示すように信号を分析して、信号が値の特定の範囲内にあるか、または経時的に特定の形もしくは値を示すか、および/またはモニター110のコンピュータープロセッサーが、ブロック330に示すように、(実際の温度信号またはシミュレートされた温度信号などの)ゲートキーパー信号を表示するものとして認識するようにプログラムされている他の任意の特定の特性を示すかを判定するように構成することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、ブロック340に示すように、コンピューターモニター110は、ゲートキーパー電気信号がコンピューターモニターに送信された後のみ、および/または送信されている期間中のみ、患者情報信号の受信、患者情報の処理、患者情報信号のメモリへの保存、患者情報信号の送信、および/または患者情報の表示を可能にするようにプログラムすることができる。いくつかの実施形態では、コンピューターモニター110は、患者センサー120からゲートキーパー信号を受信し、それを値の所定の範囲と比較し、したがって患者モニターによって検知された周囲温度が、標準室温値の所定の範囲などの周囲温度の所定の範囲内にあるかを判定する。ブロック350に示すように、モニター110上のゲートキーパー信号の電気的な接続において受信された信号が実際の温度信号またはシミュレートされた温度信号でないと判定された場合、モニター110は、いくつかの実施形態では、ブロック360に示すような、エラーメッセージなどのユーザーへの情報の1つもしくは複数の表示、またはブロック370に示すような、集中治療患者モニターシステム100と共に使用されるべき適切な種類のセンサー120および/もしくはケーブルに関する情報の1つもしくは複数の表示、ならびに/またはセンサー120を取り付ける適切な方法の1つもしくは複数の表示を生成できるエラープロトコルを開始することができ、また/あるいはエラープロトコルは、こうした情報が正しくないか、ゲートキーパー信号または確認信号が正しくないと決定されるかが信頼できないことがあるので、ブロック380に示すように、患者からの生理学的情報のコンピューターディスプレイ280上での表示を消去および/または使用不可にすることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、コンピューターモニターのコンピュータープロセッサーは、患者情報電気信号からの、または他の任意の源からの任意の患者情報の処理、分析、計算、あるいは取得を行うために、ゲートキーパー電気信号を利用せず、それどころか、患者情報電気信号に含まれる患者情報は、ゲートキーパー電気信号から独立しており、ゲートキーパー電気信号による較正、調整、または修正が行われる必要がない。
【0028】
ゲートキーパー電気信号が実際の温度値でなくシミュレートされた温度値を表すとき、コンピューターモニターは、いくつかの実施形態では、まるでゲートキーパー電気信号が実際の温度値を使用して生成されているかのように、そうしたゲートキーパー電気信号を実際の温度値として受信し、続けて標準的に機能し、通常の方法で患者データを表示することができる。ゲートキーパー電気信号は、通常、患者情報電気信号内の患者情報の較正、修正、標準化、または調整に利用されないので、ゲートキーパー電気信号のシミュレートされた温度値は、患者データの正確性に影響を与えることはない。したがって、実際の温度測定値を使用してゲートキーパー電気信号を生成するように構成された患者センサー、またはシミュレートされた温度を使用して単に信号を生成する患者センサーを用いて、同じコンピューターモニターが、いくつかの実施形態では、適切に機能するように構成可能である。
【符号の説明】
【0029】
100 集中治療患者モニターシステム
110 コンピューターモニター、モニター
120 患者センサー、センサー
130 患者、患者の腕
140 保持構造体、ポールスタンド
145 流体カテーテル
150 カテーテル、医療用カテーテル、流体ライン
155 オス流体コネクター
160 有線接続、電気配線、配線、共通配線束
165 電気配線
167 電気配線
170 液体源
175 メス流体コネクター
180 トランスデューサー、トランスデューサー部分
190 流体受容領域、流体検知領域、流体経路、流体収容部分
195 流体コネクター
200 ストップコック
205 サイドポート
210 患者情報電気信号発生器
230 ハウジング
240 電気コネクター、電気的な接続部分、電気的な接続
250 ゲートキーパー電気信号発生器、ゲートキーパー信号発生デバイス
260 電気配線、電気ケーブル、配線、第2のケーブル
270 末端の接続部分、電気コネクター
280 コンピューターディスプレイ、ディスプレイ画面、ディスプレイ
290 温度センサー、ゲートキーパー温度センサー