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特許6177516コンピュータ支援設計モデル解析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6177516
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】コンピュータ支援設計モデル解析システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20170731BHJP
【FI】
   G06F17/50 604A
   G06F17/50 604G
   G06F17/50 604H
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2012-244355(P2012-244355)
(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公開番号】特開2013-137746(P2013-137746A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2015年11月6日
(31)【優先権主張番号】13/290,715
(32)【優先日】2011年11月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】バースカラ, スリーラム
【審査官】 合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−083798(JP,A)
【文献】 特開2009−059377(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0177351(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0066661(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モデルマネージャ(106)を有するモデル管理システムにおけるプロセッサにより、オブジェクトのコンピュータ支援設計(CAD)モデル(108)を管理するための方法であって、
前記プロセッサにより、オブジェクト(120、218)のモデル(108、200)の要素(110、202、320)を特定するステップと、
前記プロセッサにより、特定された前記要素(110、202)間のCADモデル内の依存性(222、322、406、506)を特定するステップと、
前記プロセッサにより、前記依存性のマトリクス(116、302)を生成するステップであって、該マトリクスの行と列とが前記要素(110)であり、該マトリクスの値が前記要素間の依存性を示すステップと、
前記プロセッサにより、部分的に前記マトリクスの前記値に基づいて前記オブジェクト(120、218)の知識モデル(152、500)を生成するステップであって、前記知識モデルはいくつかのフォーマットに対してCADモデルを生成するソースとして機能する汎用フォーマットであるステップと、
前記プロセッサにより、前記マトリクスを利用して前記オブジェクトの新しいCADモデルを生成するステップとからなり、
前記要素は1または複数の立体、曲面、平面、曲線、頂点及び面を含む、幾何学的要素であり、前記新たなCADモデルの前記要素は、最も最近に前記CADモデルに追加された要素が前記マトリクスにおいて最も上部の行にあるように、前記マトリクスの前記行と列に、順序づけされる、方法。
【請求項2】
前記プロセッサにより、前記マトリクス(116、302)を使用して解析を実施するステップをさらに含み、前記解析は前記要素(110、202)間の前記依存性(222、322、406、506)、前記CADモデル(108、200)に対する設計プロセス、任意の数の異質な要素(408)、及び冗長な要素(410)のうちの少なくとも1つを特定する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセッサにより、前記マトリクス内の前記値を用いて、前記マトリクス(116、302)を使用して前記CADモデル(108、200)の前記要素から任意の数の異質な要素(408)を特定するステップと、
前記プロセッサにより、修正したCADモデル(136)を形成するため前記CADモデル(108、200)の前記要素(110、202、320)から前記任意の数の異質な要素(408)を取り除くステップとをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プロセッサにより、前記マトリクス中の前記値を用いて、前記CADモデル(108、200)の任意の数の冗長な要素(410)を特定するステップと、
前記プロセッサにより、前記任意の数の特定された前記冗長な要素(410)を整理統合して、修正されたCADモデルを形成するステップとをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記CADモデル(108、200)は、第1種のCADシステムと併用するように構成されたフォーマットであり、さらに、
前記プロセッサにより、第2種のCADシステムを特定するステップと、
前記プロセッサにより、前記マトリクス(116、302)を使用して前記オブジェクトの新しいCADモデル(144)を作成するステップであって、前記新しいCADモデル(144)は第2種のCADシステムと併用するように構成されている、ステップとを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセッサにより、所望のシステムを特定するステップと、
前記プロセッサにより、前記知識モデル(152、500)から前記オブジェクトの新しいCADモデル(144)を作成するステップをさらに含み、
前記新しいCADモデル(144)が前記所望のシステムと併用するように構成されており、且つ前記所望のシステムがCADシステム、解析システム、有限要素解析システムのうちの一から選択されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセッサにより、前記要素(110、202、320)を使用して前記要素(110、202、320)の前記マトリクス(116、302)及び前記オブジェクト(120、218)の前記知識モデルのうちの少なくとも1つを生成する前記ステップは、
前記プロセッサにより、前記マトリクス内の前記値を用いて、前記要素のクラスタを特定するステップと、
前記プロセッサにより、前記要素(110、202、320)の前記クラスタに部分的に基づいて前記オブジェクトの前記知識モデル(152、500)及び前記要素(110、202、320)の前記クラスタに部分的に基づいて前記オブジェクトのための設計プロセスフローを作成するステップを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
モデルマネージャ(106)であって、
オブジェクト(120、218)のコンピュータ支援設計(CAD)モデル(108、200)の要素を特定することと、
前記モデルマネージャ(106)によってモデルデータベース(102)の中に特定された前記要素(110、202、320)に対する前記CADモデルにおける依存性(222、322、406、506)を特定することと、
前記依存性のマトリクス(116、302)であって、該マトリクスの行と列とが前記要素(110)であって、該マトリクス中の値が前記要素間の依存性を示す、マトリクスを生成することと、
部分的に前記マトリクスの値に基づいて前記オブジェクト(120、218)の知識モデル(152、500)を生成することであって、前記知識モデルは任意の数のフォーマットに対してCADモデルを作成するソースとして機能する汎用フォーマットである、生成することと、
前記マトリクスを用いて、前記オブジェクトの新たなCADモデルを作成することであって、前記要素は1または複数の立体、曲面、平面、曲線、頂点及び面を含む幾何学的要素であり、前記新たなCADモデルの前記要素は、最も最近に前記CADモデルに追加された要素が前記マトリクスにおいて最も上部の行にあるように、前記マトリクスの前記行と列に、順序付けされる、作成することと、を行うように構成されたモデルマネージャ(106)を有する、モデル管理システム。
【請求項9】
前記モデルマネージャ(106)がさらに前記マトリクス(116、302)を使用して解析を実施するように構成されており、前記解析が前記要素(110、202、320)間の前記依存性(222、322、406、506)、前記CADモデル用の設計プロセス、任意の数の異質な要素(408)、及び冗長な要素(410)のうちの少なくとも1つを特定し、且つ前記CADモデル(108、200)が第1種のCADシステムと併用するように構成された形式であり、前記モデルマネージャがさらに第2種のCAD設計システムを特定し、前記マトリクス(116、302)を使用して新しいCADモデル(144)を作成するように構成されており、前記新しいCADモデル(144)が第2種のCADシステムと併用するように構成されている、請求項8に記載のモデル管理システム。
【請求項10】
前記モデルマネージャ(106)がさらに、前記マトリクス(116、302)を使用して前記CADモデルの前記要素(110、202、320)から任意の数の異質な要素を特定し、修正したCADモデル(136)を形成するため前記CADモデル(108、200)の前記要素(110、202、320)から前記任意の数の異質な要素(408)を取り除くため、前記マトリクス中の前記値を使用するように構成されており、且つ前記モデルマネージャ(106)がさらに、前記マトリクス(116、302)を使用して前記CADモデル(108、200)の冗長な要素(410)を特定し、特定された前記任意の数の冗長な要素(410)を整理統合して、前記修正したCADモデルを形成するため、前記マトリクス中の前記値を使用するように構成されている、請求項8に記載のモデル管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してモデルに関し、具体的にはコンピュータ支援設計モデルに関する。さらに具体的には、本発明はコンピュータ支援設計モデルを処理するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援設計(CAD)システムは、コンピュータ及びオブジェクトを設計するソフトウェアを使用する。コンピュータ支援設計システムによって作成されるモデルはオブジェクトの図面を含む。これらの図面は、2次元図面、3次元図面、又は両者の組合せであってもよい。加えて、これらのモデルはまた、オブジェクトに関する情報を含んでいてもよい。例えば、材料、工程、寸法、許容誤差、及びオブジェクト並びにオブジェクトを構成する種々の部品に関する他の情報が表示されることがある。さらに、コンピュータ支援設計システムのモデルはまた、設計履歴、特徴、設計パラメータ、制約条件、及びモデル内のオブジェクトの部品依存性を含むことができる。
【0003】
コンピュータ支援設計システムはしばしば航空機などの複雑なオブジェクトのモデルの作成に使用される。航空機などのオブジェクトでは、この種のオブジェクト用のモデルの規模が数量及び複雑度において増大することがある。例えば、航空機などの非常に複雑な輸送手段の単一の胴体部分のモデルは数千個の要素を有することがあり、100MBを超える及び/又はテラバイトの規模に達するモデルになることがある。このような航空機は多数の胴体部分を有することがあり、これによって複雑度が増し、結果として得られるモデルの規模が大幅に増大することがある。このモデルの種々の要素は、多数の複雑な相互依存性を有することがあり、異質な要素及び冗長な要素などの非効率を含むことがある。したがって、要素の数及び要素ごとの複雑な相互依存性が増大するにつれて、モデルの複雑度も増大する。航空機の他の部品のモデルも、同等またはより大きな数の要素を有することがある。その結果、モデルの作成、維持、及び修正のための費用も所望以上に増大することがある。
【0004】
多くの場合、モデルの様々な部品を解析、閲覧及び確認することが望ましい。コンピュータ支援設計システムで作成されたモデルの検討は、検証、文書化、及び設計過程の理解の点で設計者を支援することができる。しかしながら、コンピュータ支援設計システムでのモデルの閲覧は、設計者又は他の人々に対してこの種の情報を容易に提供することができない。
【0005】
加えて、モデルは所望どおりに構成されていない又は効率的ではないことがある。例えば、モデルの中で重複する要素すなわち冗長な要素によって、モデルが必要以上に大きくなることがある。その結果、コンピュータ支援設計システムは所望どおりに効率的に又は迅速に処理できないことがある。さらに、モデルが必要以上に大きくなると、モデルのために使用する保管領域も必要以上に増大する。加えて、CADシステムは、CADシステムのユーザーが複雑な現実世界のオブジェクトの大規模なモデルを効果的に設計、使用、操作、及び修正するために欠かせない、大量のプロセッサ、ランダムアクセスメモリ、記憶装置を備えた必要以上に強力かつ高価なコンポーネントを要求することがある。
【0006】
したがって、上述した問題の少なくとも一部と、起こりうる他の問題とを考慮した方法と装置を有することは有利であろう。
【発明の概要】
【0007】
1つの有利な実施形態では、モデルを管理する方法が提示される。オブジェクトのモデルの要素は特定されている。要素の依存性は特定されている。この方法は、要素のマトリクス及び要素を使用するオブジェクトの知識モデルのうちの少なくとも1つを作成する。
【0008】
別の有利な実施形態では、モデル管理システムはモデルマネージャ及びモデルデータベースを含む。モデルデータベースはモデルマネージャに結合される。モデルマネージャはさらに、モデルデータベースの中でモデルマネージャによって特定された要素に対する依存性を特定するように構成されている。モデルマネージャは、要素のマトリクス及び要素を使用するオブジェクトの知識モデルのうちの少なくとも1つを作成するように構成されている。
【0009】
特徴、機能及び利点は、本発明の様々な実施形態で独立に実現することが可能であるか、以下の説明及び図面を参照してさらなる詳細が理解されうる、さらに別の実施形態で組み合わせることが可能である。
【0010】
新規の機能と考えられる有利な実施形態の特徴は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかしながら、有利な実施形態と、好ましい使用モードと、さらにはその目的及び利点とは、添付図面を参照して本発明の有利な一実施形態の後述の詳細な説明を読むことにより最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】有利な実施形態によるモデル管理システムのブロック図である。
図2】有利な実施形態によるモデルのブロック図である。
図3】有利な実施形態によるデータ構造のブロック図である。
図4】有利な実施形態による解析のブロック図である。
図5】有利な実施形態による知識モデルのブロック図である。
図6】有利な実施形態によるオブジェクトのモデルに対するツリー構造図である。
図7】有利な実施形態によるオブジェクトのモデルに対する別のツリー構造図である。
図8】有利な実施形態によるマトリクスの形式によるデータ構造図である。
図9】有利な実施形態によるモデル管理のプロセスのフロー図である。
図10】有利な実施形態によるモデル修正のプロセスのフロー図である。
図11】有利な実施形態による知識モデル作成のプロセスのフロー図である。
図12】有利な実施形態による新しいモデル作成のプロセスのフロー図である。
図13】有利な実施形態によるデータ処理システムを示したものである。
図14】有利な実施形態による航空機の製造及び保守の方法を示したものである。
図15】有利な実施形態で実装されうる航空機を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
種々の有利な実施形態は、任意の数の様々な検討事項を認識して考慮している。例えば、種々の有利な実施形態は、コンピュータ支援設計システムを介してコンピュータ支援設計システムによって生成されたシステムから情報を取得することが所望以上に困難であることを認識して考慮している。種々の有利な実施形態は、コンピュータ支援設計システムがオブジェクトの設計を促進するように設計されていることを認識して考慮している。
【0013】
種々の有利な実施形態は、これらのシステムが様々な角度、断面、及び他の形式の表示からオブジェクトを見る機能を提供できることを認識して考慮している。種々の有利な実施形態は、しかしながら、モデルの一部となりうる他の情報の表示及び解析には、これらのシステムが十分に適していないことを認識して考慮している。例えば、コンピュータ支援設計システムを使用してモデルを見る場合には、異なる要素間の依存性を特定することは困難になることがある。さらに、種々の有利な実施形態は、モデル内の情報を見るためにコンピュータ支援設計システムを使用すると、異質な要素、冗長な要素、プロセスフロー、及び他の情報を特定することが所望よりも難しくなることがあることを認識して考慮している。
【0014】
したがって、種々の有利な実施形態は、モデル管理のための方法及び装置を提供する。1つの有利な実施形態では、オブジェクトのモデルの要素は特定されている。この要素に対して依存性が特定される。依存性を有する要素のデータ構造が作成される。これらの例示的な実施例では、オブジェクトのモデルの要素のマトリクスが作成される。
【0015】
次に図面、特に図1を参照すると、有利な実施形態に従ってモデル管理システム100が図解されている。図1のモデル管理システム100は、モデル104のモデルデータベース102を含む。例示的な実施例では、モデル104のモデルデータベース102は業者中立的で、特定の業者に依存しない汎用フォーマットを有することができる。
【0016】
これらの例示的な実施例では、モデルマネージャ106はモデルデータベース102でモデル104を管理することができる。図示されたように、モデルデータベース102はモデルマネージャ106に結合されている。すなわち、モデルマネージャ106は、記憶デバイス、コンピュータシステム、又はモデルデータベース102を含むように結合される。場合によっては、モデルマネージャ106及びモデルデータベース102はコンピュータシステム122の上にあってもよい。
【0017】
モデルマネージャ106は、ソフトウェア、ハードウェア、またはその二つの組み合わせで実装される。これらの例示的な実施例では、モデルマネージャ106はコンピュータシステム122の中に実装することができる。コンピュータシステム122は一又は複数のコンピュータである。コンピュータシステム122内に複数のコンピュータが存在する場合には、これらのコンピュータはネットワークなどの通信媒体を使用して相互に通信することができる。
【0018】
モデルマネージャ106によるモデル104の管理は、モデルの解析、モデルの修正、新しいモデルの作成、及び/又は他の操作のうちの少なくとも1つを含むことができる。本明細書で使用しているように、列挙されたアイテムと共に使用される「〜のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムの一又は複数の様々な組み合わせが使用可能であり、且つ列挙されたアイテムのいずれかが1つだけあればよいということを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。
【0019】
モデル104の管理では、モデルマネージャ106は処理に対してモデル108を特定することができる。モデル108はオブジェクト120のモデルの1つである。このような例示的な実施例では、オブジェクト120は輸送手段の形態をとりうる。例えば、モデル108に示されているオブジェクト120は、移動式プラットフォーム、固定式プラットフォーム、陸上構造物、水上構造物、宇宙構造物、航空機、潜水艦、バス、人員運搬車、タンク、列車、自動車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、水上艦、発電所、ダム、製造施設、建物、エンジン、翼、プロペラ、ストラット、着陸装置組立品、金型、ツール、及び/又は他の好適なオブジェクトであってもよい。
【0020】
図示されているように、モデル108はモデル情報130を含む。モデル情報130はこれらの例示的な実施例の要素110を含む。モデル108の要素110の間には依存性112が存在する。これらの例示的な実施例では、モデル108の要素110はモデルマネージャ106によって特定される。加えて、モデルマネージャ106は、モデル108のモデル情報130から、要素110の間の依存性112を特定する。
【0021】
これらの例示的な実施例では、モデルマネージャ106はデータ構造114を作成する。図示されているように、データ構造114はマトリクス116の形態をとる。モデル108によって特定される要素110は、モデルマネージャ106によってマトリクス116の中に配置される。加えて、マトリクス116は、モデルマネージャ106によって特定されるように、要素110の間の依存性112を含む。
【0022】
これらの例示的な実施例では、マトリクス116は設計構造マトリクス118の形態をとる。設計構造マトリクス118はまた、依存構造法、依存構造マトリクス、問題解決マトリクス、インシデンスマトリクス、及び/又は設計優先順位マトリクスと呼ばれることがある。
【0023】
設計構造マトリクス118の作成では、モデルマネージャ106は設計構造マトリクスの作成に現在使用されている任意のプロセスを実装することができる。設計構造マトリクス118は、モデル108をマトリクス表示したものである。具体的には、マトリクス表示によって、モデル108の情報に関する他の操作を解析、表示、又は実施することができる。
【0024】
現在利用可能な解析手法により設計構造マトリクスの情報を解析する。このような現在利用可能な手法には、例えば、パーティショニング、テアリング、バンディング、クラスタリング、感度解析法、及び設計構造マトリクス解析のための他の既知の手法が含まれる。
【0025】
特定の手法の選択又は手法の組合せは、モデル108の規模、モデル108の複雑度、モデル108の依存性の数、モデル108の分野、及びモデル108に関する他の要因のうちの少なくとも1つに依存する。モデル108の分野とは、モデル108が網羅するもの又はモデル108の範囲である。例えば、モデル108の分野は、例えば、航空宇宙、自動車、海洋、半導体、及び他の好適な領域などの任意の設計問題空間であってもよい。他の例示的な実施例では、この分野は概念フェーズ、詳細設計フェーズなどの設計フェーズ、及び他の設計フェーズであってもよい。さらに別の実施例では、この分野は工作機械、システム、構造、電気などの機能領域、及び他の好適な機能領域であってもよい。
【0026】
例示的な実施例では、モデル108の構造及び要素110に対する依存性112は、設計分野のフェーズに依存する設計問題の性質にも依存することがある。例えば、設計フェーズに関しては、概念フェーズは詳細設計フェーズなどの概念フェーズよりも下流のフェーズよりも本質的に反復的である。詳細設計フェーズは概念フェーズよりも詳細志向的である。別の例示的な実施例では、構造分野の依存性112は電気分野よりも本質的に階層的である。モデル108の分野が異なる場合には、変更形式及び/又は変更量の違いが生じることがあるため、このような分野の違いが設計構造マトリクス118の解析手法の選択の違いを引き起こすことがある。
【0027】
モデル108に対する変更の影響の解析に使用されうる解析手法の例は感度解析法である。この解析手法はモデル108の設計構造マトリクス118に適用することができる。感度解析法は、変更を感知できるモデル108の要素110を特定できる可能性を秘めている。これらの要素110は、クラスタリング解析を適用することによって、クラスタ及び/又はサブクラスタにグループ化することができる。
【0028】
グラフィカルユーザーインターフェース124は、モデル108、マトリクス116、又はこれらの組合せと相互作用するように使用することができる。これらの例示的な実施例では、グラフィカルユーザーインターフェース124は、モデルマネージャ106に結合されているディスプレイシステム126上に表示される。ディスプレイシステム126はハードウェアであって、ソフトウェアを含んでいてもよい。これらの例示的な実施例では、ディスプレイシステム126は一又は複数のディスプレイ装置である。
【0029】
グラフィカルユーザーインターフェース124へのユーザー入力は、モデルマネージャ106に結合されているユーザー入力システム146を使用して行われることがある。ユーザー入力システム146は、マウス、タッチスクリーン、キーボード、トラックボール、ジョイスティック、及び/又は他の好適なユーザー入力装置のうちの少なくとも1つを含むことができる。ユーザー入力は、モデル108、マトリクス116、及び/又はモデル管理システム100のモデルマネージャ106によってアクセス可能な他の情報を操作するために行うことができる。これらの例では、操作はビューの変更、情報の修正、情報の追加、情報の削除、及び/又は他の好適な作業のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0030】
加えて、解析132はマトリクス116を使用して実施することができる。解析132はモデル108に対する変更134を特定するために使用することができる。他の例示的な実施例では、解析132は、オブジェクト120に類似したオブジェクトの設計を含む他の作業で使用される情報を提供することができる。これらの例示的な実施例では、変更134はモデル108から修正されたモデル136を形成することができる。
【0031】
さらに別の例示的な実施例では、モデル108は一又は複数のシステム158と併用するように構成されることがある。システム158は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその2つの組み合わせであってもよい。これらの例示的な実施例では、システム158はコンピュータ支援設計システム159を含むことができる。これらのコンピュータ支援設計システム159は、例えば、モデルデータベース102のモデル104を使用することができる、第1種のコンピュータ支援設計システム140、第2種のコンピュータ支援設計システム142、解析システム160、及び/又は他の好適な種類のシステムを含むことができる。
【0032】
これらの例示的な実施例では、システム158の異なる1つのシステムは、モデル104のフォーマットの中の異なるフォーマットでモデル104を使用することができる。例えば、モデル108は第1種のコンピュータ支援システム140によって使用される第1のフォーマット148を有することができる。
【0033】
場合によっては、第2種のコンピュータ支援システム142でモデル108を使用することが望ましいことがある。この例示的な実施例では、第2種のコンピュータ支援設計システム142は第2のフォーマット150を使用する。図示されているように、第1のフォーマット148を有するモデル108は第2種のコンピュータ支援設計システム142では使用できないが、これはモデル108が第1のフォーマット148で構成されているためである。
【0034】
例えば、第1種のコンピュータ支援設計システム140はCatia及び/又はSolidWorksであってもよく、第2種のコンピュータ支援設計システム142はAutoCad及び/又はNX Unigraphicsであってもよい。別の例示的な実施例では、第1種のコンピュータ支援設計システム140はCatiaの第1版であってもよく、一方、第2種のコンピュータ支援設計システム142はCatiaの第2版であってもよい。
【0035】
これらの例示的な実施例では、モデルマネージャ106は、マトリクス116を使用して第2種のコンピュータ支援設計システム142と併用するように構成されているモデル108から新しいモデル144を生成することができる。これらの例示的な実施例では、新しいモデル144は第2のフォーマット150を有しており、第2種のコンピュータ支援設計システム142で使用可能である。新しいモデル144はオブジェクト120のモデルでもあるが、第2種のコンピュータ支援設計システム142で使用される第2のフォーマット150で使用可能である。
【0036】
マトリクス116から新しいモデル144を生成するプロセスは、モデルマネージャ106に結合されている知識データベース156の知識モデル154の中の知識モデル152を生成するステップを含むことができる。これらの例示的な実施例では、知識モデル152は、第2種のコンピュータ支援設計システム142と併用される新しいモデル144を作成するために必要な知識モデル情報157を含む。例示的な実施例では、知識モデル152の中の知識モデル情報157は任意の数の種々のフォーマットで存在してもよい。例えば、限定しないが、知識データベース156は、拡張マークアップ言語(XML)、リレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベースなどのマークアップ言語フォーマット、又は他の好適なフォーマットで、知識モデル152用の知識モデル情報157を保存することができる。
【0037】
これらの例示的な実施例では、モデルマネージャ106は第1のフォーマット148のモデル108から第2のフォーマット150を有する新しいモデル144への変換を実施しない。その代わりに、モデルマネージャ106はモデル108からモデル情報130を抽出し、モデル情報130を使用してマトリクス116を作成する。モデル情報130は知識モデル152の生成にも使用される。知識モデル152の知識モデル情報157は、オブジェクト120の新しいモデル144の作成に使用される。新しいモデル144は、これらの例示的な実施例の中で、新しいモデル144が使用予定になっている種類のシステムに対して選択された第2のフォーマット150を有している。
【0038】
さらに、モデルマネージャ106は、知識モデル152を使用してシステム158の中の解析システム160と併用するように構成された、第2のフォーマット150を有する新しいモデル144を作成することもできる。解析システム160は、例えば、有限要素解析システム、シミュレーション・システム、ニューラルネットワーク、及び/又は他の好適な種類の解析システムであってもよい。この種類の新しいモデル144は、第1種のコンピュータ支援設計システム140及び第2種のコンピュータ支援設計システム142などのコンピュータ支援設計システム159用のフォーマット162の中のフォーマットを解析システム160が使用しないときに、作成されることがある。このように、知識データベース156の中の知識モデル154は、システム158と併用されるフォーマット162を有するモデル104を作成するための普遍的な情報源として機能することができる。
【0039】
さらに、オブジェクト120は、オブジェクト120のモデル108の要素110によって提示された組立品164を含むことがある。これらの例示的な実施例では、クラスタ166はモデル108の要素110で特定することができる。これらのクラスタ166は、例示的な実施例のマトリクス116を使用して特定することができる。クラスタ166はオブジェクト120の組立品164に対応する。
【0040】
クラスタ166を特定するこの機能により、組立品164の特定の組立品170に対して新しいモデル144を作成することができる。例えば、クラスタ166の中の選択されたクラスタ168は、組立品164の中の特定の組立品170に対応する。選択されたクラスタ168を特定することにより、モデルマネージャ106は知識モデル152を使用して、選択されたクラスタ168だけに対して新しいモデル144を生成することができる。すなわち、新しいモデル144は、オブジェクト120の組立品164のすべてではなく、特定の組立品170に対するモデルである。その結果、特定の組立品170に対する新しいモデル144は、オブジェクト120のモデル108と比較して、規模は縮小され及び/又は複雑度は低減される。
【0041】
この特徴は、オペレータ128がオブジェクト120の組立品164のすべてではなく、特定の組立品170の閲覧又は解析を望む場合には、特に有用となりうる。例えば、特定の組立品170の新しいモデル144は、第1種のコンピュータ支援設計システム140又は第2種のコンピュータ支援設計システム142上で使用するように作成することができる。別の実施例として、特定の組立品170の新しいモデル144は、解析システム160による解析のために作成することができる。モデル104に対して小さめの規模で作成できるこの機能により、モデル104のこれらのバージョンの処理及び解析は、モデル104の元のバージョンを使用する場合よりも迅速に実施することができる。
【0042】
このように、モデルマネージャ106は、コンピュータ支援設計システムを使用する場合と比較して、より容易にモデル104を解析することができる。加えて、モデルマネージャ106を使用して、第2種のコンピュータ支援設計システム142で使用されるモデル104の中のモデル108を変換することができる。
【0043】
その結果、モデルデータベース102のモデル104が業者固有のフォーマットを含む場合、知識モデル154を有する知識データベース156は、新しいモデル144が作成可能となる業者に依存しないモデルを提供する。すなわち、知識データベース156の知識モデル154は専用のものではなく、特定の業者のフォーマットに依存しない。知識モデル154は、現存する特定のコンピュータ支援設計システム169又は将来のコンピュータ支援設計システム用のフォーマット162を有するモデル104に変換可能である。
【0044】
図1のモデル管理システム100の図解は、有利な実施形態が実装されうる方法に対する物理的又は構造的な制限を示唆することを意図していない。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。幾つかのコンポーネントは不必要になることもある。また、幾つかの機能コンポーネントを示すためにブロックが表示されている。有利な実施形態で実装される場合、一又は複数のこれらのブロックは結合されること、分割されること、又は異なるブロックに結合及び分割されることがありうる。
【0045】
例えば、知識モデル情報157は、マトリクス116を生成することなく、モデルマネージャ106によって生成可能である。それどころか、知識モデル152の知識モデル情報157は、モデルマネージャ106によってモデル108から特定することができる。モデルマネージャ106は知識モデル152の知識モデル情報157を直接特定すること、又は第1種のコンピュータ支援設計システム140に対して呼び出し、命令、及び/又は要求事項を送ることができる。
【0046】
次に図2を参照すると、有利な実施形態によるモデル200のブロック図が示されている。この例示的な実施例では、モデル200は図1のシステム158の中の特定の種類のシステムに対するフォーマット226を有している。図示されているように、図2に描かれているモデル200は、図1のモデル管理システム100に描かれたモデル108の一例である。
【0047】
この例示的な実施例では、モデル200は構造204の要素202を含む。これらの例示的な実施例では、要素202は、ジオメトリ206、ルール208、パラメータ210、制約条件212、プロセス214、オブジェクト情報216、及び/又は他の種類の要素のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0048】
要素202のジオメトリ206は、立体、曲面、平面、点、曲線、頂点、稜線、面、及び/又は他の好適な種類のジオメトリ206のうちの少なくとも1つを含むことができる。ルール208は、例えば、限定しないが、任意のオブジェクトに適用可能な任意のエキスパートルール及び式を含むことができる。これらのルール208は製品のライフサイクル全体にわたって使用可能である。ルール208は、設計、製造、細工、解析、環境、構成、原価計算、及び他の好適なルールを含むことができる。
【0049】
パラメータ210は、ジオメトリ206、ルール208、プロセス214、及び/又は他の要素202に関連するパラメータを値を含むことができる。これらの例示的な実施例では、制約条件212はパラメータ210を限定又は設定する値であってもよい。プロセス214はオブジェクト218の製造のためのプロセスを含むことができる。加えて、プロセス214は、具体的な実装に応じてオブジェクト218を組み立てるステップを含むことができる。
【0050】
オブジェクト情報216は、オブジェクト218に関する情報であってもよい。例えば、オブジェクト情報216は、設計者による注意書き、オブジェクト218の製造のための材料に関するコメント、製造計画、材料原価、環境情報、及び/又は他の好適な情報であってもよい。
【0051】
これらの例示的な実施例では、構造204は要素202の構成に使用される。図示されているように、構造204は階層構造220である。これらの例示的な実施例では、階層構造220は互いに要素202を構成するように使用される。要素202に対する階層構造220により、階層構造220を使用して要素202の間に依存性222が形成されることがある。これらの例示的な実施例では、階層構造220はツリー224の形態をとってもよい。
【0052】
次に図3を参照すると、有利な実施形態によるデータ構造300のブロック図が示されている。図3に描かれているデータ構造300は、図1のデータ構造の実装の一例である。この特定の実施例では、データ構造300は図2のモデル200から生成されたマトリクス302である。より具体的には、マトリクス302は設計構造マトリクス304の形態をとる。
【0053】
図解されているように、マトリクス302は行306及び列308を有する。行306及び列308は要素320用のものである。マトリクス302の要素320は図2の要素202に対応する。さらに、マトリクス302はまたセル310を有する。セル310の値312はマトリクス302の要素320に関する情報を提供する。具体的には、値312はマトリクス302の要素320の間の依存性322に関する情報を提供する。要素320に対するこれらの依存性322は、図2のモデル200の要素202の依存性222に対応する。
【0054】
これらの例示的な実施例では、マトリクス302は、モデル200から直接依存性222を特定する場合と比較して、モデル200の要素202に対する依存性をより容易に特定する方法を提供する。
【0055】
さらに、マトリクス302の要素320の順序314は、図2のモデル200の要素202に対する設計プロセスフロー316を示すことがある。
【0056】
次に図4を参照すると、有利な実施形態による解析400のブロック図が示されている。図4の解析400は図1の解析132の一例である。解析400は、図3のデータ構造300などのデータ構造を使用して実施される。
【0057】
図示されているように、図4の解析400は、設計履歴402、設計プロセスフロー404、依存性406、異質な要素408、冗長な要素410、及びクラスタ412のうちの少なくとも1つを特定するステップを含むことができる。
【0058】
設計履歴402は変更又は改定が行われたときを示すことができる。これらの例示的な実施例では、設計履歴402は、設計プロセスの種々の段階で作成される設計の繰り返し及び中間オブジェクトを示す。中間オブジェクトはクラスタ解析を使用して特定され、設計プロセスの反復はマトリクスの中でフィードバックループ又は図2の要素202の間の相互依存性を示す交差依存として特定することができる。
【0059】
例えば、サブクラスタの中では、他の要素に依存するがサブクラスタ内には従属要素を有さない要素は、設計プロセスの中間オブジェクトになりうる。このような中間オブジェクトの一覧は設計履歴の一部になることがある。また、設計の繰り返しは経時的にモデル200を変化させる。この変化は設計履歴402の一部となることがある。設計履歴402におけるモデル200のこのような変化は、マトリクス302を使用してモデル200の種々のバージョンに対して提示されている種々の依存性を解析することによって得ることができる。具体的には、モデル200が変化するにつれて、マトリクス302も変化する。このような変化は設計履歴402に含まれることがある。このような変化及び他の変化は、設計履歴全体の一部として設計履歴402の中に含まれることがある。
【0060】
設計プロセスフロー404は、要素202が図2のモデル200に追加された順序を特定することができる。これらの例示的な実施例では、クラスタ及び/又はサブクラスタの要素は解析可能で、クラスタ及び/又はサブクラスタの中の要素202に対して設計プロセスフロー404を特定することができる。解析400は要素202の間の依存性406を特定することが可能で、設計プロセスフロー404を作成するためパーティショニングアルゴリズム及びトポロジカルソートアルゴリズムを適用することができる。また、クラスタ間及び/又はサブクラスタ間で同様な解析を行うことができる。例えば、クラスタ間及び/又はサブクラスタ間の依存性406を位相的にソートして、これらのコンポーネントに対する設計プロセスフロー404を特定することができる。すなわち、設計プロセスフロー404は粒度の異なるレベルで特定可能である。
【0061】
設計プロセスフロー404を使用して、図2のモデル200が設計者によってどのように作成されたかを解析することできる。この設計プロセスフロー404を使用して、図1のモデル104内に他のモデルを作成することができる。
【0062】
解析400の依存性406は、図2のモデル200の要素202に対する依存性222と同一である。異質な要素408は、図2のモデル200から取り除くことができる要素202の一部となることがある。
【0063】
冗長な要素410は整理統合可能な図2の要素202の一部である。例えば、図2のモデル200の要素202には、2つの同一な機能が提示されることがある。モデル200の要素202の中の2組の要素は、どちらも機能のうちの1つを使用することができる。モデル200は、要素202の中の2組の要素が同一であるため両方の機能ではなく同一の機能を使用するように修正することができる。
【0064】
クラスタ412は、図2のモデル200の中の要素202のグループ分けを特定するように検査することができる。例えば、クラスタ412の中の要素クラスタは、図3のデータ構造300を使用して実施される解析400で特定可能な、図2のモデル200の中の組立品であってもよい。クラスタ412は図1のオブジェクト120の中の組立品164であってもよい。例えば、クラスタ412の中の1つのクラスタは着陸装置組立品であってもよく、別のクラスタはエンジンの筐体であってもよく、さらに別のクラスタは航空機ネットワークデータ処理システムであってもよい。クラスタ412を特定することにより、これらの組立品の再検討及び視覚化はより容易に行うことができる。
【0065】
さらに、解析400により、種々の作業が実施可能である。例えば、解析400を使用してモデル200を修正することができる。これらの例示的な実施例では、図2のモデル200の要素202の中で特定された異質な要素408は取り除くことができる。このように、モデル200の規模は縮小可能である。さらに、図2のモデル200の要素202の中の冗長な要素410が整理統合できる場合には、図2のモデル200は再度規模を縮小することが可能である。さらに、図2のモデル200は複雑度を低減することができる。このように、図2のモデル200は、コンピュータ支援設計システム又は解析プログラムなどの他のソフトウェアによって、より効率的に処理可能である。
【0066】
このような機能を念頭に置くと、複雑度が低減されることで、一又は複数のコンピュータ支援設計システム159によってモデル200の要素202が処理及び操作される際の効率が大幅に改善されることは、高く評価することができる。加えて、図1のオブジェクト120及び/又は図2のオブジェクト218の多数の複雑な形態は、図1のオブジェクト120及び/又は図2のオブジェクト218のライフサイクル全体を通じて情報が維持及び/又は保存されなければならないことを義務付けた、業界標準の技法及び要求事項を有することができる。
【0067】
維持及び/又は保存されなければならないこのような情報は、典型的には、モデルデータベース102、データ構造114、及び/又は知識データベース156の中に含まれるうる設計及び製造情報を含むことができる。維持されなければならない情報の大きさを縮小する機能は、図1のオブジェクト120及び/又は図2のオブジェクト218のライフサイクルにわたるこのような情報の長期保有に関連するコストを低減することができる。
【0068】
また、現在の技術革新は、特定の又は個別のCAD業者に依存しない形態で、モデルデータベース102、データ構造114、及び/又は知識データベース156内にこのような情報を維持及び/又は保存することができる。したがって、このような情報は、CAD業界で業者の撤退及び/又は参入があっても、あるいは新しくより高機能なCADシステムがCAD業界に参入してくることによってこのようなCADツールが陳腐化したとしても、オブジェクト120及び/又はオブジェクト218のライフサイクル全体にわたって、より有効に利用可能である。
【0069】
別の例示的な実施例として、要素202に対するクラスタ412の特定により、これらのクラスタの解析を実行することができる。これらの例示的な実施例では、クラスタ412は要素202の組立品に対応している。クラスタ412の特定により、一又は複数のクラスタ412に対して図1の新しいモデル144を作成することができる。この新しいモデル144は、図2のモデル200よりも小さく及び/又はさらに単純な構造になっている。その結果、さらなる解析を実施する場合、新しいモデル144は図2のモデル200と比較してより迅速に処理することが可能である。
【0070】
次に図5を参照すると、有利な実施形態による知識モデル500のブロック図が示されている。この例示的な実施例では、図5に示された知識モデル500は図1の知識モデル152の一例となっている。
【0071】
この例示的な実施例では、知識モデル500は図3のデータ構造300を使用して作成されている。図示されているように、知識モデル500は知識モデル情報502を含む。知識モデル情報502は、要素504、依存性506、設計プロセスフロー508、冗長な要素510、及び/又は他の好適な形態のオブジェクト情報のうちの少なくとも1つを含んでいる。
【0072】
これらの例示的な実施例では、設計プロセスフロー508は、図1のモデルデータベース102の中のモデルに対して要素504が作成された順序を特定する。設計プロセスフロー508を使用して、知識モデル500が作り出される際にモデルを作成するために要素504が使用された順序を特定することができる。
【0073】
設計プロセスフロー508を使用して図1の新しいモデル144を作成することができる。図1の新しいモデル144は、設計プロセスフロー508によって特定された順序512で要素504を追加することによって作成することができる。
【0074】
例えば、要素504は第1の点、第2の点、第3の点、及びスプラインを含むことができる。設計プロセスフロー508は、第1の点が最初に作成され、第1の点の作成後に第2の点が作成されたことを示すことができる。設計プロセスフロー508はまた、第3の点が第2の点の後に作成されたことを示している。さらに、設計プロセスフロー508で特定されているように、スプラインの作成は第3の点の作成後に起こることがある。
【0075】
この一連の作成は、要素504の順序512の一部を形成する。この一連の順序512を使用して、図1のシステム158の中の所望の形式のシステムで使用されるように構成されている図1のモデル108から新しいモデル144を作成することができる。
【0076】
図1のモデル管理システム100のコンポーネントに対する実装例の図2〜5の図解は、有利な実施形態が実装されうる方法に対する物理的又は構造的な制限を示唆することを意図していない。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。幾つかのコンポーネントは不必要になることもある。また、幾つかの機能コンポーネントを示すためにブロックが表示されている。有利な実施形態で実装される場合、一又は複数のこれらのブロックは結合されること、分割されること、又は異なるブロックに結合及び分割されることがありうる。
【0077】
例えば、図5の知識モデル500は設計プロセスフロー508を有するように表示されている。幾つかの例示的な実施例では、設計プロセスフロー508が知識モデル500の知識モデル情報502から除外されることがある。設計プロセスフロー508は新しいモデル144が作成される際に特定されることがある。
【0078】
次に図6を参照すると、有利な実施形態によるオブジェクト602のモデル600のツリー構造図が示されている。モデル600は、図2のモデル200の実装の一例である。
【0079】
この例示的な実施例では、モデル600はオブジェクト602用のものである。オブジェクト602はツリー606に配置された要素604によって定義されている。この例示的な実施例では、図6のツリー500は図2のツリー224の一例である。
【0080】
図示されているように、ツリー606は、ノード608、610、612、614、及び616を有する。これらのノードは、図6のモデル600の種々の要素を表わす。この例示的な実施例では、ノード608はオブジェクト602のルートノードであり、ノード610は製品インスタンスであり、ノード612は部品インスタンスであり、ノード614は製品インスタンスであり、さらにノード616は部品インスタンスである。この実施例では、ノード608、610、612、614、及び616は他のオブジェクトを参照することがある。これらのオブジェクトはまた、ツリー606などの構造を有することがある。
【0081】
次に図7を参照すると、有利な実施形態によるモデル700の別のツリー構造図が示されている。モデル700は、図2のモデル200の実装の一例である。
【0082】
この例示的な実施例では、モデル700は部品704の形態のオブジェクト702用のものである。この例示的な実施例では、部品704はツリー724のノード708、710、712、714、716、718、720及び722に配置された要素706を含む。オブジェクト702は図6のモデル600の要素として含まれるオブジェクトの実施例となることがある。
【0083】
この例示的な実施例では、ノード708は部品704用のルートノード728である。ルートノード728は図7のオブジェクト702を特定する。この例示的な実施例では、ノード710はXY平面を表わし、ノード712はYZ平面を表わし、さらにノード714はZX平面を表わす。ノード716は部品本体を表わす。部品本体は部品704を定義する立体である。ノード718は本体である。この本体は部品704で使用されることがある随意の立体である。ノード720はジオメトリカルセットである。ノード720のこのジオメトリカルセットは、線、点、及び/又は他の好適なジオメトリを定義することができる。この例示的な実施例では、ノード722はメカニカルセットである。要素のメカニカルセットは非幾何学的な要素の集まりである。図6のツリー606のモデル600及び図7のツリー724のモデル700の図解は、図6の要素604と図7の要素706との間の関係を体系化し構築するために使用されるツリーの一例であることを意味しているにすぎない。言うまでもなく、実際の実装では、これらのツリー構造はより一層複雑になり、より多くの要素を含むことがある。
【0084】
図6のモデル600は、要素604及びその依存性を特定するように処理されることがある。依存性は、ツリー構造の要素の配置から特定することができる。同様に、図7のモデル700は、要素706及びその依存性を特定するように処理されることがある。このプロセスは、図1のモデルデータベース102のモデル104の中の任意のモデルに適用されることがある。
【0085】
次に図8を参照すると、有利な実施形態によるマトリクス802の形態でのデータ構造800が示されている。この例示的な実施例では、図8のマトリクス802は設計構造マトリクス804である。この設計構造マトリクス804は、図3の設計構造マトリクス304の一例である。これらの例示的な実施例では、設計構造マトリクス804は図1のディスプレイシステム126のグラフィカルユーザーインターフェース124に表示されることがある。
【0086】
図解されているように、データ構造マトリクス804は行806及び列808を含む。行806は要素810を表わす。これらの要素810はまた、列808の中に配置されている。これらの例示的な実施例では、設計構造マトリクス804内のセル812は、図1のモデル108などのモデルに関する情報を提供することができる。
【0087】
例えば、814の矩形3、816の矩形2、及び818の矩形1を含む要素810は、ロフトソリッド820に対する依存性を有する。このロフトソリッド820に対する依存性は、それぞれセル822、824、及び826によって示されている。
【0088】
別の実施例として、828の矩形曲面3はセル830に示したように814の矩形3に依存している。832の矩形曲面2はセル834によって示されているように、816の矩形2に依存している。836の矩形曲面1はセル838によって示されているように、818の矩形1に依存している。さらに別の例示的な実施例では、スプライン840は、セル842、844、及び846によってそれぞれ示されているように、828の矩形曲面3、832の矩形曲面2、及び836の矩形曲面1に依存している。
【0089】
図に示すように、セル812は、セル812内に値が存在するとき、要素間の依存性を示している。さらに、この値はまた、依存性の強さを示すことができる。例えば、セル842、844、及び846は、セル830、834、及び838と比較して、より強い依存性を示している。別の例示的な実施例では、850の点3はセル852によって示されているようにスプライン840に依存している。854の点2はセル856によって示されているように、依存性を有する。858の点1はセル859によって示されているように、スプライン840に依存している。
【0090】
これらの例示的な実施例では、860の線1、862の線2、及び864の点7は、ロフトソリッド820に戻る依存性を有していない。例えば、860の線1及び862の線2は、その他の要素810に依存していない。864の点7はセル866によって示されているように、862の線2に依存している。しかしながら、862の線2はロフトソリッド820に戻る依存性を有していない。その結果、860の線1、862の線2、及び864の点7は異質な特性になっている。
【0091】
別の実施例として、ロフトソリッドジオセット868及びロフトソリッドジオセット870は依存性を有していない一組の要素810になっている。異質な要素872を特定することによって、図1のモデル108は異質な要素872を取り除くように修正可能である。その結果、モデル108に対する変更は、図1の修正されたモデル136を形成することができる。
【0092】
さらに、設計構造マトリクス804は、図示されている異質な要素872及び依存性に加えて、他の情報を特定するように使用することができる。例えば、要素810を含むモデルのモデル化プロセスフローは設計構造マトリクス804から特定することができる。この例示的な実施例では、矢印874がモデル化プロセスフローの方向を示している。例えば、軸システム876はモデルの中に配置される要素810の第1の要素である。XY平面878、YZ平面880、及びZX平面882はそれぞれモデルの中に配置される次の要素である。矢印874は、モデルに対する他の要素810の追加を示している。
【0093】
加えて、クラスタ884、886、888、及び889はまた設計構造マトリクス804から特定することができる。クラスタ884、886、及び888は同様の要素をグループ化したものである。最初に、クラスタ884は、814の矩形3、816の矩形2、及び818の矩形1からなる矩形のグループである。次に、クラスタ886は、836の矩形曲面1、832の矩形曲面2、及び828の矩形曲面3からなる矩形局面のグループである。クラスタ888は、858の点1、854の点2、及び850の点1からなる矩形のグループである。
【0094】
クラスタ889は、互いに依存性を有する要素810のグループである。この例示的な実施例では、クラスタ889は、836の矩形曲面1、832の矩形曲面2、828の矩形曲面3、858の点1、854の点2、850の点3、及びスプライン840を含む。
【0095】
特定されると、クラスタ884、886、888, 及び889は、互いに依存性を有する要素810の中の特定の要素を表示するために使用されることがある。クラスタ884、886、888, 及び889は、現在利用可能な手法を用いて、任意の数の様々な方法で特定することができる。使用可能な手法の例には、パーティショニングアルゴリズム、階層的クラスタリングアルゴリズム、及び他の好適な手法が含まれる。これらの手法は潜在的なクラスタを特定するため、単独で又は組み合わせて使用することができる。パーティショニングは、依存性に基づくグループ化及びソーティングによってサブシステムを作成するように使用することができる。これらのサブシステムは、組立品又は設計構造マトリクス804の要素810の中での他のグループ化を表わすことがある。
【0096】
次に図9を参照すると、有利な実施形態によって描かれたモデル104の管理プロセスのフロー図が示されている。この例示的な実施例では、プロセスは図1のモデルマネージャ106内に実装されることがある。例えば、モデルマネージャ106は、処理のため図2のモデル200を選択することができる(操作900)。
【0097】
その後、モデル200の要素202が特定される(操作902)。モデル108を処理するモデルマネージャ106によって、第1種のコンピュータ支援設計システム400と相互作用するモデルマネージャ106によって、又はこの2つの組合せによって、この特定は実施可能である。例えば、モデルマネージャ106は、第1種のコンピュータ支援設計システム140のインターフェースに対するアプリケーションプログラミングインターフェースコールの形態で、第1種のコンピュータ支援設計システム140にコールを送ることができる。
【0098】
プロセスは次に、モデル200に対して存在することがある要素202の間の関係性を特定する(操作904)。具体的には、モデル200はフォーマット226を有することがある。フォーマット226はモデル200の要素202の間の潜在的な関係性を特定することができる。このような潜在的な関係は、モデル200の要素202の間に存在することがある。特定可能な要素間の潜在的な関係の例には、親子関係、物理的結合、入出力関係、及びその他の関係がある。このような潜在的な関係は、コンピュータ支援設計システムにおいても使用可能な関係である。一部の潜在的な関係はコンピュータ支援設計システム159のすべてに存在し、また一部の関係は図1の選ばれたコンピュータ支援設計システム159にのみ存在する。
【0099】
その後、プロセスは要素202に対する依存性222を特定する(操作906)。操作906で特定された要素202に対する依存性222の中には、例えば、親子関係、物理的結合、入出力関係、及びその他の関係がある。プロセスは次に要素202及び依存性222を用いてマトリクスを作成する(操作908)。
【0100】
このマトリクスにより、解析400が実施され(操作910)、その後プロセスは終了する。さらに、解析400に基づいて種々の作業が行われることがある。
【0101】
次に図10を参照すると、有利な実施形態によって描かれたモデル200の修正プロセスのフロー図が示されている。これらの例示的な実施例では、モデルマネージャ106は図4の解析400などの解析132を実施することができる(操作1000)。解析400は図3のマトリクス302を用いて実施することができる。このプロセスは図4の解析400から異質な要素408を特定する(操作1002)。
【0102】
異質な要素408は図2のモデル200の要素202の中に存在する。要素202の中の異質な要素408が特定されると、プロセスは要素202から異質な要素408をを取り除く(操作1004)。モデル200を直接処理するモデルマネージャ106によって、第1種のコンピュータ支援設計システム140と相互作用するモデルマネージャ106によって、又はこの2つの組合せによって、操作1004が実施可能となる。
【0103】
次に、プロセスはモデル200の要素202に中に冗長な要素410を特定する(操作1006)。任意の冗長な要素410が整理統合可能かどうかについての判断が下される(操作1008)。
【0104】
冗長な要素410の一部または全てが整理統合可能な場合、プロセスは冗長な要素410の中で特定されたものを整理統合する(操作1010)。冗長な要素410のこの整理統合は、第1種のコンピュータ支援設計システムモデル140又は2つの組み合わせを使用して、200に対して直接行うことができる。次にプロセスはモデル200の中の残存要素から修正されたモデル136を形成し(操作1012)、その後プロセスは終了する。
【0105】
操作1008を再度参照して、冗長な要素410を1つも整理統合する必要がない場合には、プロセスは上述のように操作1012へ進む。
【0106】
次に図11を参照すると、有利な実施形態によって描かれた図5の知識モデル500などの知識モデルを作成するためのプロセスのフロー図が示されている。このプロセスは図1のモデルマネージャ106内に実装可能である。
【0107】
プロセスは、図3のマトリクス302から知識モデル500に対して要素504を特定することによって、開始される(操作1100)。次にプロセスは、図5の知識モデル500に対する知識モデル情報502(操作1102)の一部として、特定された要素を知識モデル500の中に配置する。例示的な実施例では、知識モデル500の中に要素504が配置される前に異質な要素を取り除き、冗長な要素を整理統合するように要素504は処理することができる。
【0108】
プロセスはまた、図3のマトリクス302を使用して、要素504の間に依存性506を特定する(操作1104)。
【0109】
その後、これらの特定された依存性506は、要素504に対する知識モデル500の知識モデル情報に追加される(操作1106)。プロセスはまた、マトリクス302から設計プロセスフロー508を特定する(操作1108)。加えて、知識モデル500の知識モデル情報502に対して、他のオブジェクト情報が特定されることがある。
【0110】
幾つかの例示的な実施例では、設計プロセスフロー508がマトリクス302を使用する方法以外の方法で特定することができる。例えば、図2のモデル200の要素202のグラフを作成することができる。グラフのノードは要素202を表わす。ノード間の線は依存性222を表わす。この情報は、モデル200のツリー224を含むモデル200の解析から、得ることができる。
【0111】
ツリー224は、モデル200の要素202に対する依存性222を特定するため走査(トラバース)されることがある。グラフにより、知識モデル500に対して設計プロセスフロー508が特定されることがある。すなわち、マトリクス302から設計プロセスフロー508を特定する際に使用される手法はまた、グラフから設計プロセスフロー508の特定に使用することもできる。
【0112】
これらの例示的な実施例では、順序512が知識モデル500の知識モデル情報502で特定されることがある(操作1110)。その後、プロセスは終了する。このプロセスは、特定のモデルに対して作成される各知識モデルに対して実施されることがある。
【0113】
次に図12を参照すると、有利な実施形態に従って描かれた新しいモデルを作成するためのプロセスのフロー図が示されている。図12に示されたプロセスは、図1のモデルマネージャ106を用いて実装可能である。これらの例示的な実施例では、図5の知識モデル500を使用して、図1の新しいモデル144を作成することができる。モデルマネージャ106による新しいモデル144の作成は、モデルマネージャ106によって、又は図1のシステム158のコンピュータ支援設計システムを使用して、直接実施することができる。
【0114】
プロセスは新しいモデル144に対してシステム158の所望のシステムを特定することによって開始される(操作1200)。この所望のシステムは、例えば、特定の種類のコンピュータ支援設計システム又は図1の解析システムであってもよい。例えば、解析システム160は、有限要素解析システム又は、解析132用にコンピュータ支援設計システムを使用しない他の好適な種類のシステムであってもよい。このように、新しいモデル144は、図1のシステム158で使用される特定の種類のシステム用に特別にあつらえることができる。
【0115】
プロセスは次に、新しいモデル144に対して要素504のうちのどれが必要かを特定する。場合によっては、新しいモデル144に対して一部の要素504しか必要でないことがある。別の実施例として、新しいモデル144用の第2のフォーマット150は、要素504のすべてを使用しないことがある。別の実施例では、新しいモデル144に対して、オブジェクト120用の組立品164の中の特定の組立品170が選択されることがある。その結果、特定の組立品170の中の要素504のこれらの部分のみが、新しいモデル144に必要となることがある。
【0116】
さらに操作1202では、要素504の中の任意の数の異質な要素は、知識モデル500から新しいモデル144を形成する前に、知識モデル500から取り除くことができる。また、要素504の中の冗長な要素は、知識モデル500から新しいモデル144を形成する前に、知識モデル500の中で整理統合することができる。
【0117】
プロセスはまた、新しいモデル144を作成するため、設計プロセスフロー508を特定する(操作1204)。これらの例示的な実施例では、新しいモデル144は、要素504に対する設計プロセスフロー508によって特定される順序512に基づいて作成される。このプロセスは、設計プロセスフロー508によって特定される順序512で、要素504から特定された要素を新しいモデル144に追加し(操作1206)し、その後プロセスは終了する。操作1206では、これらの要素504は所望のシステムが新しいモデル144を形成するフォーマットで、新しいモデル144の中に配置される。
【0118】
これらの例示的な実施例では、新しいモデルを生成するために知識モデル情報502の別の部分を必要とする別の新しいモデルが生成される場合に、すべての知識モデル情報502は知識モデル500の中に保持される。
【0119】
種々の実施形態のフロー図及びブロック図は、有利な一実施形態の装置及び方法に可能な幾つかの実装態様のアーキテクチャ、機能性、及び操作を示している。その際、フロー図又はブロック図の各ブロックは、操作又はステップのモジュール、セグメント、機能及び/又は部分を表わすことができる。例えば、一又は複数のブロックは、ハードウェア内のプログラムコードとして、又はプログラムコードとハードウェアの組合せとして実装可能である。ハードウェア内に実装した場合、ハードウェアは、例えば、フロー図又はブロック図の一又は複数の操作を実施するように製造又は構成された集積回路の形態をとりうる。
【0120】
幾つかの有利な実施形態の代替的な実装では、ブロックに記載された機能又は機能群は、図の中の記載の順序を逸脱して現れることがある。例えば、場合によっては、連続して示されている二つのブロックがほぼ同時に実行されること、又は時には含まれる機能によってはブロックが逆順に実施されることもありうる。また、フロー図又はブロック図に描かれているブロックに加えて他のブロックが追加されることもありうる。
【0121】
例えば、図11の操作で生成された知識モデル500は、図3のマトリクス302を使用せずに生成されることがある。そうではなく、モデルマネージャ106は直接、又は第1のフォーマット148を有するモデル108を使用する図1の第1種のコンピュータ支援設計システム140との相互作用によって、モデル108を使用することもある。例えば、要素504及び要素間の依存性506の特定が、このように知識モデル500に対する情報を生成するように実施されることがある。
【0122】
次に図13に注目すると、有利な実施形態に従って図解されたデータ処理システムが示されている。データ処理システム1300を使用して図1のコンピュータシステム122を実装することができる。この例示的な実施例では、データ処理システム1300は通信フレームワーク1302を含み、これによりプロセッサ装置1304、メモリ1306、固定記憶域1308、通信装置1310、入出力(I/O)装置1312、及びディスプレイ1314の間の通信を可能にする。この実施例では、通信フレームワークはバスシステムの形態をとることがある。
【0123】
プロセッサ装置1304は、メモリ1306に読み込まれうるソフトウェアに対する命令を実行するように働く。プロセッサ装置1304は、特定の実装に応じて、任意の数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は他の形式のプロセッサであってもよい。
【0124】
メモリ1306及び固定記憶域1308は記憶デバイス1316の例である。記憶デバイスは、例えば、限定しないが、データ、機能的な形態のプログラムコード、及び/又は他の好適な情報などの情報を、一時的に及び/又は永続的に保存することができる任意のハードウェア部分である。記憶デバイス1316は、これらの実施例ではコンピュータで読取可能な記憶デバイスと呼ばれることもある。これらの例では、メモリ1306は、例えば、ランダムアクセスメモリ又は他の好適な揮発性又は不揮発性の記憶デバイスであってもよい。固定記憶域1308は特定の実装に応じて様々な形態をとりうる。
【0125】
例えば、固定記憶域1308は、一又は複数のコンポーネント又はデバイスを含みうる。例えば、固定記憶域1308は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換型光ディスク、書換型磁気テープ、又はこれらの組み合わせであってもよい。固定記憶域1308によって使用される媒体は着脱式であってもよい。例えば、着脱式ハードドライブは固定記憶域1308に使用しうる。
【0126】
通信装置1310はこれらの例示的な実施例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例示的な実施例では、通信装置1310はネットワークインターフェースカードである。
【0127】
入出力装置1312により、データ処理システム1300に接続可能な他のデバイスによるデータの入力及び出力が可能になる。例えば、入出力装置1312は、キーボード、マウス、及び/又は他の幾つかの好適な入力デバイスを介してユーザ入力への接続を提供することができる。さらに、入出力装置1312は出力をプリンタに送ってもよい。ディスプレイ1314はユーザーに情報を表示する機構を提供する。
【0128】
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムに対する命令は、通信フレームワーク1302を介してプロセッサ装置1304と通信する記憶デバイス1316内に配置されうる。異なる実施形態のプロセスは、メモリ1306などのメモリに配置されうる命令を実装したコンピュータを使用して、プロセッサ装置1304によって実行されうる。
【0129】
これらの命令は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読取可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサ装置1304内のプロセッサによって読込及び実行されうる。種々の実施形態のプログラムコードは、メモリ1306又は固定記憶域1308など、種々の物理的な記憶媒体又はコンピュータで読取可能な記憶媒体上に具現化しうる。
【0130】
プログラムコード1318は、選択的に着脱可能でコンピュータで読取可能な媒体1320上に機能的な形態で配置され、プロセッサ装置1304での実行用のデータ処理システム1300に読込み又は転送することができる。プログラムコード1318及びコンピュータで読取可能な媒体1320は、これらの実施例ではコンピュータプログラム製品1322を形成する。一実施例では、コンピュータで読取可能な媒体1320は、コンピュータで読取可能な記憶媒体1324又はコンピュータで読取可能な信号媒体1326とすることができる。
【0131】
これらの実施例では、コンピュータで読取可能な記憶媒体1324は、プログラムコード1318を伝搬又は転送する媒体よりはむしろプログラムコード1318を保存するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。
【0132】
代替的に、プログラムコード1318はコンピュータで読取可能な信号媒体1326を用いてデータ処理シスム1300に転送可能である。コンピュータで読取可能な信号媒体1326は、例えば、プログラムコード1318を含む伝播されたデータ信号であってもよい。例えば、コンピュータで読取可能な信号媒体1326は、電磁信号、光信号、及び/又は他の好適な形式の信号であってもよい。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、有線などの通信リンク、及び/又は他の適切な形式の通信リンクによって転送することができる。
【0133】
データ処理システム1300に対して例示されている種々のコンポーネントは、異なる実施形態が実装しうる方法に対して構造上の制限を設けることを意図していない。種々の有利な実施形態は、データ処理システム1300に対して図解されているコンポーネントに対して追加的又は代替的なコンポーネントを含むデータ処理システム内に実装しうる。図13に示した他のコンポーネントは、例示的な実施例と異なることがある。種々の実施形態は、プログラムコード1318を実行しうる任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実装することができる。
【0134】
本発明の実施形態は、図14に示す航空機の製造及び保守方法1400、及び図15に示す航空機1500に照らし説明することができる。次に図14に注目すると、有利な実施形態に従って図解された航空機の製造及び保守の方法が示されている。製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法1400は、図15の航空機1500の仕様及び設計1402及び材料の調達1404を含むことがある。
【0135】
製造段階では、コンポーネント及び部分組立品の製造1406と、図15の航空機1500のシステムインテグレーション1408とが行われる。その後、図15の航空機1500は運航1412に供するために、認可及び納品1410が行われることがある。顧客によって運航1412される間に、図15の航空機1500は定期的な整備及び保守1414(改造、再構成、改修、及び他の整備又は保守なども含みうる)が予定されている。
【0136】
航空機の製造及び保守方法1400の各プロセスは、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレータによって実施又は実行されうる。これらの実施例では、オペレータは顧客であってもよい。本明細書の目的のために、システムインテグレーターは、限定しないが、任意の数の航空機製造者、及び主要システムの下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってもよい。
【0137】
次に図15を参照すると、有利な実施形態で実装されうる航空機が示されている。この実施例では、図14の航空機の製造及び保守方法1400によって製造された航空機1500は、複数のシステム1504及び内装1506を有する機体1502を含むことができる。システム1504の例には、推進システム1508、電気システム1510、油圧システム1512、及び環境システム1514のうちの一又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙産業の例を示したが、自動車産業などの他の産業にも種々の有利な実施形態を適用しうる。
【0138】
本明細書で具現化した装置及び方法は、図14の航空機の製造及び保守方法1400の少なくとも1つの段階で使用可能である。例えば、航空機1500のモデルは、図14の航空機の製造及び保守方法1400の種々の段階で、図1のモデル管理システム100を使用して、作成、修正、解析、あるいは管理することができる。
【0139】
1つの例示的な実施例では、図14のコンポーネント及び部分組立品の製造1406で製造されるコンポーネント又は部分組立品は、図14で航空機1500の運航中1412に製造されるコンポーネント又は部分組立品と同様の方法で作製又は製造することができる。さらに別の実施例では、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、図14のコンポーネント及び部分組立品の製造1406並びにシステムインテグレーション1408などの製造段階で利用することができる。一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、航空機1500が図14における運航1412、及び/又は整備及び保守1414の間に、利用することができる。任意の数の種々の有利な実施形態の利用は、航空機1500の組立て及び/又はコスト削減を大幅に促進しうる。
【0140】
したがって、種々の有利な実施形態は、モデル管理のための方法及び装置を提供する。一又は複数の有利な実施形態により、マトリクス116の形態でのデータ構造114は、モデル108などのモデル104の解析132を支援するように生成することができる。さらに、種々の有利な実施形態により、モデル104を管理して、モデル104の中に既存のモデルが存在しない場合には、システム158の中の特定のシステムと共に使用される新しいモデル144を生成することができる。
【0141】
一又は複数の有利な実施形態により、図1のモデル104の中の既存のモデルは解析及び修正が可能で、これらのモデルの中の異質な要素及び冗長性を取り除くことができる。さらに、これらの修正及び他の修正を行うことが可能で、図1のシステム158を使用して、モデル104が処理される際の速度と効率を上げることができる。
【0142】
本発明の図面と説明では、モデル108を管理するための方法が開示されており、この方法はオブジェクト120、218のモデル108、200の中の要素110、202、320を特定するステップ、特定された要素110、202に対する依存性222、322、406、506を特定するステップ、さらに要素110、202、320を使用して要素110のマトリクス116、302及びオブジェクト120、218の知識モデル152、500のうちの少なくとも1つを生成するステップを含む。1つの変形例では、この方法はマトリクス116、302を使用して解析を実施するステップを含み、前記解析は要素110、202間の依存性222、322、406、506、モデル108、200に対する設計プロセス、任意の数の異質な要素408、及び冗長な要素410のうちの少なくとも1つを特定する。別の変形例では、この方法は、マトリクス116、302を使用してモデル108、200の要素から任意の数の異質な要素408を特定するステップ、及び修正したモデル136を形成するためモデル108、200の要素110、202、320から任意の数の異質な要素408を取り除くステップを含む。
【0143】
さらに別の変形例では、この方法は、マトリクス116、302を使用してモデル108、200の中の冗長な要素410を特定するステップ、及び特定された冗長な要素410を整理統合するステップを含む。1つの例では、この方法は、第1種のコンピュータ支援設計システムと併用するように構成された前記モデル108、200を含み、さらに、第2種のコンピュータ支援設計システムを特定するステップ、及びマトリクス116、302を使用して新しいモデル144を作成するステップを含み、前記新しいモデル144は第2種のコンピュータ支援設計システムと併用するように構成されている。別の例では、この方法は設計構造マトリクス304である前記マトリクス116、302を含む。1つの変形例では、この方法はさらに、所望のシステムを特定するステップ、及び知識モデル152、500から新しいモデル144を作成するステップを含み、前記新しいモデル144は所望のシステムと併用するように構成されている。
【0144】
さらに別の変形例では、要素110、202、320を使用して、要素110、202、320のマトリクス116、302及びオブジェクト120、218の知識モデルのうちの少なくとも1つを生成する前記ステップは、要素110、202、320を使用する知識モデル152、500及び要素110、202、320のマトリクス116、302を使用する要素110、202、320のための設計プロセスフローを作成するステップを含む。1つの実施例では、この方法は、コンピュータ支援設計システム、解析システム、及び有限要素解析システムのうちの一から選択される所望のシステムを含む。
【0145】
別の実施例では、前記モデル108、200は、移動式プラットフォーム、固定式プラットフォーム、陸上構造物、水上構造物、宇宙構造物、航空機、潜水艦、バス、人員運搬車、タンク、列車、自動車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、水上艦、発電所、ダム、製造施設、建物、エンジン、翼、プロペラ、ストラット、着陸装置組立品、金型、及びツールのうちの一から選択されるオブジェクト120、218用のものである。
【0146】
本発明の1つの態様では、オブジェクト120、218のモデル108、200の中の要素を特定するように構成されたモデルマネージャ106、前記モデルマネージャ106に結合されたモデルデータベース102、モデルマネージャ106によって前記モデルデータベース102の中に特定された要素110、202、320に対する依存性222、322、406、506を特定するようにさらに構成されたモデルマネージャ106を含み、前記モデルマネージャ106が要素のマトリクス116、302及び要素110、202、320を使用するオブジェクト120、218の知識モデル152、500のうちの少なくとも1つを生成するように構成されている、モデル管理システムが開示されている。
【0147】
1つの変形例では、前記モデルマネージャ106はさらにマトリクス116、302を使用して解析を実施するように構成されており、前記解析は要素110、202、320間の依存性222、322、406、506、モデルに対する設計プロセス、任意の数の異質な要素408、及び冗長な要素410のうちの少なくとも1つを特定する。別の変形例では、前記モデルマネージャ106のモデル管理システムはさらに、マトリクス116、302を使用してモデル110、202、302の要素から任意の数の異質な要素106を特定し、且つ修正したモデル136を形成するためモデル108、200の要素110、202、320から任意の数の異質な要素408を取り除くように構成されている。
【0148】
さらに別の実施例では、前記モデルマネージャ106は、マトリクス116、302を使用してモデル108、200の中の冗長な要素410を特定し、且つ特定された冗長な要素410を整理統合するように構成されている。1つの例では、前記モデル108、200は、第1種のコンピュータ支援設計システムと併用するように構成されており、前記モデルマネージャはさらに、第2種のコンピュータ支援設計システムを特定し、且つマトリクス116、302を使用して新しいモデル144を作成するように構成されており、前記新しいモデル144は第2種のコンピュータ支援設計システムと併用するように構成されている。1つの例では、前記マトリクス116、302は設計構造マトリクス118である。
【0149】
別の例では、前記モデルマネージャ106はさらに、所望のシステムを特定し、且つ知識モデル152、500から新しいモデル144を作成するように構成されており、前記新しいモデル144は所望のシステムと併用するように構成されている。さらに別の例では、要素110、202、320を使用して、要素110、202、320のマトリクス116、302及びオブジェクト120、218の知識モデル152、500のうちの少なくとも1つを生成するように構成されており、モデルマネージャは要素110、202、310を使用する知識モデル152、500及び要素110、202、320のマトリクス116、302を使用する要素のための設計プロセスフローを作成するように構成されている。
【0150】
さらに別の例では、前記所望のシステムは、コンピュータ支援設計システム、解析システム、及び有限要素解析システムのうちの一から選択される。1つの例では、前記モデルは、移動式プラットフォーム、固定式プラットフォーム、陸上構造物、水上構造物、宇宙構造物、航空機、潜水艦、バス、人員運搬車、タンク、列車、自動車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、水上艦、発電所、ダム、製造施設、建物、エンジン、翼、プロペラ、ストラット、着陸装置組立品、金型、及びツールのうちの一から選択されるオブジェクト110、202、320用のものである。
【0151】
種々の有利な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提供されているものであり、網羅的な説明であること、又は開示された形態に実施形態を限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態に照らして別の利点を提供することができる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示内容と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
モデル(108)を管理するための方法であって、
オブジェクト(120、218)のモデル(108、200)の要素(110、202、320)を特定するステップと、
特定された前記要素(110、202)に対する依存性(222、322、406、506)を特定するステップと、
前記要素(110、202、320)を使用して前記要素(110)のマトリクス(116、302)及び前記オブジェクト(120、218)の知識モデル(152、500)のうちの少なくとも1つを生成するステップと
を含む方法。
(態様2)
前記マトリクス(116、302)を使用して解析を実施するステップをさらに含み、前記解析は前記要素(110、202)間の前記依存性(222、322、406、506)、前記モデル(108、200)に対する設計プロセス、任意の数の異質な要素(408)、及び冗長な要素(410)のうちの少なくとも1つを特定する
態様1に記載の方法。
(態様3)
前記マトリクス(116、302)を使用して前記モデル(108、200)の前記要素から任意の数の異質な要素(408)を特定するステップと、
修正したモデル(136)を形成するため前記モデル(108、200)の前記要素(110、202、320)から任意の数の異質な要素(408)を取り除くステップと
を含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
前記マトリクス(116、302)を使用して前記モデル(108、200)の冗長な要素(410)を特定するステップと、
特定された前記冗長な要素(410)を整理統合するステップと
をさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様5)
前記モデル(108、200)は、第1種のコンピュータ支援設計システムと併用するように構成され、さらに、
第2種のコンピュータ支援設計システムを特定するステップと、
マトリクス(116、302)を使用して新しいモデル(144)を作成するステップとを含み、前記新しいモデル(144)は第2種のコンピュータ支援設計システムと併用するように構成されている
態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
(態様6)
所望のシステムを特定するステップと、
前記知識モデル(152、500)から新しいモデル(144)を作成するステップをさらに含み、前記新しいモデル(144)が前記所望のシステムと併用するように構成されており、且つ前記所望のシステムがコンピュータ支援設計システム、解析システム、有限要素解析システムのうちの一から選択されている
態様1〜5のいずれか一項に記載の方法。
(態様7)
前記要素(110、202、320)を使用して前記要素(110、202、320)の前記マトリクス(116、302)及び前記オブジェクト(120、218)の前記知識モデルのうちの少なくとも1つを生成する前記ステップは、
前記要素(110、202、320)を使用する知識モデル(152、500)及び前記要素(110、202、320)の前記マトリクス(116、302)を使用する前記要素(110、202、320)のための設計プロセスフローを作成するステップを含む
態様1〜6のいずれか一項に記載の方法。
(態様8)
オブジェクト(120、218)のモデル(108、200)の要素を特定するように構成されたモデルマネージャ(106)と、
前記モデルマネージャ(106)に結合されたモデルデータベース(102)、前記モデルマネージャ(106)によって前記モデルデータベース(102)の中に特定された前記要素(110、202、320)に対する依存性(222、322、406、506)を特定するようにさらに構成された前記モデルマネージャ(106)を含み、前記モデルマネージャ(106)が前記要素(110、202、320)を使用して前記要素のマトリクス(116、302)及び前記オブジェクト(120、218)の知識モデル(152、500)のうちの少なくとも1つを生成するように構成されている
モデル管理システム。
(態様9)
前記モデルマネージャ(106)がさらに前記マトリクス(116、302)を使用して解析を実施するように構成されており、前記解析が前記要素(110、202、320)間の前記依存性(222、322、406、506)、前記モデル用の設計プロセス、任意の数の異質な要素(408)、及び冗長な要素(410)のうちの少なくとも1つを特定し、且つ前記モデル(108、200)が第1種のコンピュータ支援設計システムと併用するように構成されており、前記モデルマネージャがさらに第2種のコンピュータ支援設計システムを特定し、前記マトリクス(116、302)を使用して新しいモデル(144)を作成するように構成されており、前記新しいモデル(144)が第2種のコンピュータ支援設計システムと併用するように構成されている、態様8に記載のモデル管理システム。
(態様10)
前記モデルマネージャ(106)がさらに、前記マトリクス(116、302)を使用して前記モデルの前記要素(110、202、320)から任意の数の異質な要素を特定し、修正したモデル(136)を形成するため前記モデル(108、200)の前記要素(110、202、320)から前記任意の数の異質な要素(408)を取り除くように構成されており、且つ前記モデルマネージャ(106)がさらに、前記マトリクス(116、302)を使用して前記モデル(108、200)の冗長な要素(410)を特定し、特定された前記冗長な要素(410)を整理統合するように構成されている、態様8に記載のモデル管理システム。
【符号の説明】
【0152】
600 モデル
602 オブジェクト
604 要素
606 ツリー
608、610、612、614、616 ノード
700 モデル
702 オブジェクト
704 部品
706 要素
708、710、712、714、716、718、720、722 ノード
724 ツリー
800 データ構造
802 マトリクス
804 データ構造マトリクス
806 行
808 列
810 要素
812、822、824、826、830、834、838、842、844、846、852、856、859、866 セル
814 矩形3
816 矩形2
818 矩形1
820 ロフトソリッド
828 矩形曲面3
832 矩形曲面2
836 矩形曲面1
840 スプライン
850 点3
854 点2
858 点1
860 線1
862 線2
864 点7
868 ロフトソリッドジオセット
870 ロフトサーフェスジオセット
872 異質な要素
874 矢印
876 軸システム
878 XY平面
880 YZ平面
882 ZX平面
884、886、888、889 クラスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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