(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記場所識別情報は、前記文書の配布場所に掲載されている2次元バーコードを示す2次元バーコード情報、及び、IDを示すID情報の少なくとも一方を含む、請求項2に記載の文書情報送信装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る文書情報送信システムを説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0013】
<文書情報送信システム100の全体構成>
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態に係る文書情報送信システム100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る文書情報送信システム100の全体構成を示す図である。
図1に示すように、文書情報送信システム100は、サーバー装置1、配布元端末装置2、スマートフォン3、プリンター4、パーソナルコンピューター5、及び、ファクシミリ装置6を備え、これらの装置が、インターネットを介して通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、文書情報送信システム100が、イベント会場(例えば、会議室)で開催されるイベント(例えば、セミナー、講演会)で参照される資料を、上記イベントの参加者に提供する場合について説明する。
【0014】
本実施形態では、インターネットを介して、サーバー装置1、配布元端末装置2、スマートフォン3、プリンター4、パーソナルコンピューター5、及び、ファクシミリ装置6が通信可能に接続されている場合について説明するが、その他の方法で通信可能に接続されている形態でもよい。例えば、LAN(Local Area Network)、又は、WAN(Wide Area Network)を介して通信可能に接続されている形態でもよい。
【0015】
サーバー装置1は、スマートフォン3からの指示に応じて、プリンター4、パーソナルコンピューター5、又は、ファクシミリ装置6に対して文書情報を送信する。ここで、サーバー装置1は、「文書情報送信装置」の一例に相当する。サーバー装置1の機能的な構成については、
図2を参照して後述する。また、サーバー装置1の動作については、
図7〜
図9を参照して後述する。
【0016】
本実施形態では、「文書情報送信装置」がサーバー装置1である場合について説明するが、「文書情報送信装置」は、不揮発性メモリー、情報処理部、及び、通信制御部を備える形態であればよい。ここで、上記不揮発性メモリーは、文書情報、各種識別情報を含む情報を記憶するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)を含む。また、上記情報処理部は、CPU(Central Processing Unit)を含む。更に、上記通信制御部は、インターネットを介して、スマートフォン3、プリンター4、パーソナルコンピューター5、及び、ファクシミリ装置6と通信する。例えば、「文書情報送信装置」が、パーソナルコンピューターである形態でもよい。
【0017】
配布元端末装置2は、上記資料の文書情報を提供する配布元の企業(例えば、イベント開催会社)に設置された、例えば、パーソナルコンピューターを含む端末装置である。配布元端末装置2は、上記イベントに参加する者を識別するユーザー識別情報、上記イベント会場の位置を示す配布位置情報、プリンター4を識別するプリンター識別情報、及び、文書情報をサーバー装置1の記憶部19(
図2参照)に書き込む。なお、上記イベント開催会社は、上記イベントの資料のイベント参加者への提供のためにサーバー装置1を使うことに関して、サーバー装置1を所有する会社の了解を得ておく必要がある。
【0018】
スマートフォン3は、サーバー装置1に対して、上記資料をプリンター4、パーソナルコンピューター5、又は、ファクシミリ装置6に送信する指示をする。ここで、スマートフォン3は、「携帯通信装置」の一例に相当する。スマートフォン3の機能的な構成については、
図3を参照して後述する。また、スマートフォン3の動作については、
図10を参照して後述する。
【0019】
本実施形態では、「携帯通信装置」がスマートフォン3である場合について説明するが、「携帯通信装置」は、ユーザーによって携帯され、ユーザーからの操作入力を受け付け、インターネットを含むネットワークに接続可能であって、且つ、この装置の位置情報を取得可能な通信装置であればよい。例えば、「携帯通信装置」が携帯電話機、又は、タブレット端末装置である形態でもよい。なお、スマートフォン3では、GPS(Global Positioning System)を介して位置情報を取得することができる。
【0020】
プリンター4は、サーバー装置1から文書情報を受信して、記録紙に印刷する。ここで、プリンター4は、「端末装置」の一例に相当する。なお、プリンター4は、例えば、イベント会場に設置される。プリンター4の機能的な構成については、
図4を参照して後述する。また、プリンター4の動作については、
図11を参照して後述する。
【0021】
本実施形態では、文書を印刷する「端末装置」がプリンター4である場合について説明するが、文書を印刷する「端末装置」が通信機能及び印刷機能を備える形態であればよい。例えば、「端末装置」が、複合機である形態でもよい。
【0022】
パーソナルコンピューター5は、サーバー装置1から文書情報が添付された電子メールを受信する。パーソナルコンピューター5は、「端末装置」の一例に相当する。
【0023】
本実施形態では、電子メールを受信する「端末装置」がパーソナルコンピューター5である場合について説明するが、電子メールを受信する「端末装置」が通信機能及び電子メール受信機能を備える形態であればよい。例えば、「端末装置」が、タブレット端末装置である形態でもよい。
【0024】
ファクシミリ装置6は、サーバー装置1から文書情報をファクシミリとして受信する。ファクシミリ装置6は、「端末装置」の一例に相当する。
【0025】
本実施形態では、ファクシミリを受信する「端末装置」がファクシミリ装置6である場合について説明するが、ファクシミリを受信する「端末装置」が通信機能及びファクシミリ受信機能を備える形態であればよい。例えば、「端末装置」が、複合機である形態でもよい。
【0026】
<サーバー装置1の機能的な構成>
次に、
図2を参照して、サーバー装置1の機能的な構成について説明する。
図2は、
図1に示すサーバー装置1の機能的な構成を示すブロック図である。サーバー装置1は、CPU、ROM、RAM(Random Access Memory)、及び、HDDを備える。サーバー装置1は、CPUが、ROM又はHDDに格納された制御プログラムを実行することによって、
図2に示す各種機能部として機能する。また、RAMは、CPUが制御プログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0027】
サーバー装置1は、機能的に、識別情報取得部11、第1認証部12、第2認証部13、送信許可部14、送信実行部15、第3認証部16、送信禁止部17、印刷条件取得部18、及び、記憶部19を備える。なお、例えば、上記HDDが、記憶部19として機能する。
【0028】
記憶部19は、ユーザー識別情報記憶部191、メールアドレス情報記憶部192、ファクシミリ番号情報記憶部193、配布位置情報記憶部194、場所識別情報記憶部195、プリンター識別情報記憶部196、及び、文書情報記憶部197を備えている。ここで、ユーザー識別情報記憶部191、メールアドレス情報記憶部192、ファクシミリ番号情報記憶部193、配布位置情報記憶部194、場所識別情報記憶部195、プリンター識別情報記憶部196、及び、文書情報記憶部197には、配布元端末装置2からの指示によって、上記イベントが開催される前(例えば、イベントの参加者の募集を締め切った日の翌日)に、それぞれ、対応する情報が格納されている。
【0029】
ユーザー識別情報記憶部191は、イベントに参加する予定のユーザーを識別する情報であるユーザー識別情報を記憶する。例えば、イベントに参加する予定のユーザーが、100人である場合には、ユーザー識別情報記憶部191は、100個のユーザー識別情報を格納している。
【0030】
メールアドレス情報記憶部192は、ユーザー識別情報に対応付けて、ユーザー識別情報に対応するユーザーが指定したメールアドレス情報を記憶する。このメールアドレスは、ユーザーが、電子メールに添付して文書情報を送ることを所望した場合に使用される。
【0031】
ファクシミリ番号情報記憶部193は、ユーザー識別情報に対応付けて、ユーザー識別情報に対応するユーザーが指定したファクシミリ番号情報を記憶する。このファクシミリ番号は、ユーザーが、ファクシミリで文書情報を送ることを所望した場合に使用される。
【0032】
配布位置情報記憶部194は、文書を配布する位置を示す情報である配布位置情報を記憶する。この配布位置情報は、例えば、プリンター4が配置される位置の周辺(例えば、イベント会場内のプリンター4が配置される位置から5m以内の範囲)を含む位置情報である。
【0033】
場所識別情報記憶部195は、文書配布場所(例えば、イベント会場)を識別する場所識別情報を記憶する。この場所識別情報は、例えば、文書配布場所(例えば、イベント会場)に掲載された掲示物(例えば、イベントの内容を掲載する掲示物)に印刷されているQRコード(登録商標)(登録商標)情報を含む2次元バーコード情報である。
【0034】
本実施形態では、場所識別情報がQRコード(登録商標)情報である場合について説明するが、イベント会場に居るものだけが知ることのできる情報であればよい。場所識別情報は、例えば、イベント会場に掲載された掲示物に印刷されているID(IDentification)でもよいし、キーワードでもよい。また、例えば、有料のイベントである場合には、イベント会場の受付で料金を受領したことを示す領収証に印刷されているQRコード(登録商標)、ID、又は、キーワードでもよい。この場合には、ユーザーは料金を支払った場合にのみ、文書情報を知ることができるので、イベントに確実に参加するユーザーに限って、文書情報を提供することができる。この場合には、例えば、急用が発生してイベントに参加しない場合には、ユーザーに文書情報が送信されない。
【0035】
プリンター識別情報記憶部196は、プリンター4の識別情報(例えば、IPアドレス情報)を記憶する。プリンター4の識別情報は、ユーザーが、プリンター4で文書情報を印刷することを所望した場合に使用される。
【0036】
文書情報記憶部197は、イベントにおいて配布される資料の文書情報を記憶する。本実施形態では、文書情報が、イベントにおいて配布される資料の情報である場合について説明するが、その他の種類の文書情報であってもよい。例えば、講演会で配布されるレジュメの文書情報であってもよい。また、例えば、展示会で配布されるパンフレット、又は、機器の取扱説明書の文書情報であってもよい。
【0037】
識別情報取得部11は、スマートフォン3から、このスマートフォン3を携帯するユーザーに対応するユーザー識別情報と、このスマートフォン3の位置を示す装置位置情報とを受け付ける。また、識別情報取得部11は、スマートフォン3から場所識別情報(ここでは、QRコード(登録商標)情報)を受け付ける。
【0038】
第1認証部12は、識別情報取得部11によって受け付けられたユーザー識別情報が、記憶部19のユーザー識別情報記憶部191に格納された複数のユーザー識別情報のいずれかと一致するか否かを判定する。この認証では、識別情報取得部11によって受け付けられたユーザー識別情報をスマートフォン3から送信したユーザーが、配布元端末装置2によって、イベントの参加者として登録されたユーザーであるか否かを判定する。
【0039】
第2認証部13は、識別情報取得部11によって受け付けられた装置位置情報が、記憶部19の配布位置情報記憶部194に格納された配布位置情報と一致するか否かを判定する。この認証では、識別情報取得部11によって受け付けられたユーザー識別情報をスマートフォン3から送信したユーザーが、プリンター4が配置される位置の周辺(ここでは、例えば、プリンター4から5m以内の領域)に居るか否かを判定する。
【0040】
送信許可部14は、第1認証部12によって一致すると判定され、且つ、第2認証部13によって一致すると判定された場合に、記憶部19の文書情報記憶部197に格納された文書情報のプリンター4、パーソナルコンピューター5、又は、ファクシミリ装置6に対する送信を許可する。
【0041】
送信実行部15は、送信許可部14によって文書情報の送信が許可されている場合に、スマートフォン3から、文書情報の送信を指示する送信指示情報を受け付けたときに、記憶部19の文書情報記憶部197に格納された文書情報をプリンター4、パーソナルコンピューター5、又は、ファクシミリ装置6に対して送信する。ただし、送信許可部14によって文書情報の送信が許可されている場合であっても、送信禁止部17によって送信が禁止されている場合には、送信実行部15は、文書情報を送信しない。
【0042】
具体的には、送信実行部15は、スマートフォン3から、上記送信指示情報として、予め設定された第1送信指示情報を受け付けたときに、記憶部19の文書情報記憶部197に格納された文書情報の印刷をプリンター4に対して指示する。なお、送信実行部15は、印刷条件取得部18によって受け付けられた印刷条件に従って印刷するようプリンター4に対して指示する。
【0043】
また、送信実行部15は、スマートフォン3から、上記送信指示情報として、上記第1送信指示情報とは相違する第2送信指示情報を受け付けたときに、記憶部19の文書情報記憶部197に格納された文書情報を添付した電子メールを、パーソナルコンピューター5に対して送信する。更に、送信実行部15は、スマートフォン3から、上記送信指示情報として、上記第1送信指示情報及び上記第2送信指示情報のいずれとも相違する第3送信指示情報を受け付けたときに、ファクシミリ装置6に対して、記憶部19の文書情報記憶部197に格納された文書情報をファクシミリとして送信する。
【0044】
第3認証部16は、識別情報取得部11によって受け付けられた場所識別情報が、記憶部19の文書情報記憶部197に格納された場所識別情報と一致するか否かを判定する。この認証では、ユーザーが、イベント会場に居て、イベント会場の掲示物に印刷されたQRコード(登録商標)をスマートフォン3で読み取ったか否かを判定する。
【0045】
送信禁止部17は、送信許可部14によって送信が許可された場合であっても、第3認証部16によって一致しないと判定された場合には、記憶部19の文書情報記憶部197に格納された文書情報のプリンター4、パーソナルコンピューター5、又は、ファクシミリ装置6に対する送信を禁止する。
【0046】
このように、ユーザーが、イベント会場に居て、掲示物に印刷されたQRコード(登録商標)をスマートフォン3で読み取った場合に限って、文書情報のプリンター4、パーソナルコンピューター5、又は、ファクシミリ装置6に対する送信が実行されるため、上記文書情報の送付先をイベントに参加しているユーザーに確実に限定することができる。
【0047】
印刷条件取得部18は、スマートフォン3から、記憶部19の文書情報記憶部197に格納された文書情報をプリンター4によって印刷する条件を示す印刷条件情報を受け付ける。ここで、上記印刷条件は、モノクロ及びカラーの別、Nin1の設定、並びに、印刷部数の少なくとも1つを含む。
【0048】
<スマートフォン3の機能的な構成>
次に、
図3を参照してスマートフォン3の機能的な構成について説明する。
図3は、
図1に示すスマートフォン3の機能的な構成を示すブロック図である。スマートフォン3は、タッチパネル、CPU、ROM、RAM、及び、マイクロSDメモリーカードを備える。また、スマートフォン3は、GPSによる位置検出機能、QRコード(登録商標)読取機能を有する。スマートフォン3は、CPUが、ROM又はマイクロSDメモリーカードに格納された制御プログラムを実行することによって、
図3に示す各機能部として機能する。また、RAMは、CPUが制御プログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0049】
スマートフォン3は、機能的に、ユーザー識別情報受付部31、装置位置情報取得部32、場所識別情報取得部33、識別情報送信部34、文書送信指示部35、及び、印刷条件設定部36を備える。
【0050】
ユーザー識別情報受付部31は、ユーザーからの操作を、上記タッチパネルを介して受け付けて、上記ユーザー識別情報を受け付ける。
【0051】
装置位置情報取得部32は、GPSによる位置検出機能によって検出された装置位置情報を取得する。本実施形態では、装置位置情報取得部32が、装置位置情報をGPSによる位置検出機能によって検出する場合について説明するが、その他の方法で装置位置情報を検出する形態でもよい。例えば、装置位置情報取得部32が、無線通信の基地局の位置情報を装置位置情報として取得する形態でもよい。また、公衆無線LANのアクセスポイント(いわゆる、WiFi(Wireless Fidelity)スポット)の位置情報を装置位置情報として取得する形態でもよい。
【0052】
場所識別情報取得部33は、QRコード(登録商標)読取機能を用いて、イベント会場に掲載されたQRコード(登録商標)を読み取り、場所識別情報を取得する。
【0053】
識別情報送信部34は、ユーザー識別情報受付部31によって受け付けられたユーザー識別情報、装置位置情報取得部32によって取得された装置位置情報、及び、場所識別情報取得部33によって取得されたQRコード(登録商標)情報を、サーバー装置1へ送信する。
【0054】
文書送信指示部35は、文書情報の送信を指示する送信指示を受け付け、受け付けた送信指示をサーバー装置1へ送信する。なお、上記送信指示は、プリンター4による文書の印刷を指示する第1送信指示、パーソナルコンピューター5への文書が添付された電子メールの送信を指示する第2送信指示、及び、ファクシミリ装置6への文書のファクシミリ送信を指示する第3送信指示を含む。
【0055】
このように、ユーザーが、文書の送付先を選定することができるため、文書の印刷部数を適正に削減することができると共に、ユーザーの利便性を向上することができる。具体的には、文書が添付された電子メールの送信を所望するユーザーの人数と、文書のファクシミリ送信を所望するユーザーの人数との和の人数に対応する印刷物が、プリンター4によって印刷されることがない(印刷部数が削減される)ため、文書の印刷部数を適正に削減することができる。また、例えば、急用が発生してイベントに参加しない場合には、ユーザーに文書情報が送信されない。
【0056】
印刷条件設定部36は、プリンター4による文書の印刷を指示した場合に、ユーザーからの操作を、上記タッチパネルを介して受け付けて、印刷条件を設定し、設定された印刷条件を、サーバー装置1へ送信する。ここで、印刷条件は、モノクロ及びカラーの別、Nin1の設定、並びに、印刷部数を含む。
【0057】
このように、ユーザーが、文書の印刷条件を設定することができ、所望する形態で印刷することができるため、ユーザーの利便性を向上することができる。
【0058】
本実施形態では、スマートフォン3は、機能的に、ユーザー識別情報受付部31、装置位置情報取得部32、場所識別情報取得部33、識別情報送信部34、文書送信指示部35、及び、印刷条件設定部36を備える場合について説明したが、その一部又は全部を、サーバー装置1が備える形態でもよい。例えば、スマートフォン3の全ての機能部をサーバー装置1が備える場合には、インターネットを介してサーバー装置1に接続した状態で、サーバー装置1のユーザー識別情報受付部31、装置位置情報取得部32、場所識別情報取得部33、文書送信指示部35、及び、印刷条件設定部36を動作させることになる。なお、この場合には、識別情報送信部34は不要となる。
【0059】
<プリンター4の機能的な構成>
次に、
図4を参照して、プリンター4の機能的な構成を説明する。
図4は、
図1に示すプリンター4の機能的な構成を示すブロック図である。プリンター4は、CPU、ROM、及び、RAMを備える。また、プリンター4は、例えば、レーザープリンター、インクジェットプリンターであって、記録紙上に印刷する印刷機能、及び、サーバー装置1からの情報を受信する通信機能を有する。プリンター4は、CPUが、ROMに格納された制御プログラムを実行することによって、
図4に示す各機能部として機能する。また、RAMは、CPUが制御プログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0060】
プリンター4は、機能的に、印刷指示受付部41、印刷条件受付部42、文書受信部43、及び、印刷実行部44を備える。
【0061】
印刷指示受付部41は、サーバー装置1の送信実行部15から印刷を行う指示である印刷指示情報を受け付ける。
【0062】
印刷条件受付部42は、印刷指示受付部41によって印刷指示情報が受け付けられた場合に、サーバー装置1の印刷条件取得部18が受け付けた印刷条件情報を、サーバー装置1の送信実行部15から受け付ける。
【0063】
文書受信部43は、サーバー装置1の送信実行部15から記憶部19の文書情報記憶部197に格納された文書情報を受信する。
【0064】
印刷実行部44は、印刷条件受付部42によって受け付けられた印刷条件に従って、文書受信部43によって受信された文書情報を記録紙に印刷する。
【0065】
<サーバー装置1の動作>
次に
図5〜
図9を参照して、サーバー装置1の動作を説明する。
図5は、
図1に示すサーバー装置1の文書登録処理の工程を示すフローチャートである。ここで、文書登録処理とは、配布元端末装置2からのイベントに関する登録情報を受け付ける処理であって、イベントの開催に先立って行われる処理である。なお、以下の動作は、全てサーバー装置1によって実行される。
【0066】
まず、イベントの参加予定者(文書の配布先候補)のユーザー識別情報が受け付けられる(ステップS101)。次に、上記イベント会場に配置されたプリンター4の位置の周辺(ここでは、5m以内の領域)を示す配布位置情報が受け付けられる(ステップS103)。そして、文書配布場所(例えば、イベント会場)を識別する場所識別情報(ここでは、QRコード(登録商標)情報)が受け付けられる(ステップS105)。次いで、プリンター4の識別情報(例えば、IPアドレス情報)が受け付けられる(ステップS107)。そして、イベントの参加者に配布される文書の文書情報が受け付けられる(ステップS109)。次に、ステップS109で受け付けた文書情報に対応付けて、他の情報(上記ユーザー識別情報、上記配布位置情報、上記場所識別情報、及び、プリンター4の識別情報)が記憶部19に格納され(登録され)(ステップS111)、処理が終了される。
【0067】
本実施形態では、配布元端末装置2からの要求に応じて、サーバー装置1が文書登録処理を行う場合について説明したが、イベントの開催会社からの依頼に応じて、サーバー装置1の管理者が、サーバー装置1の記憶部19に書き込む形態でもよい。この場合には、配布元端末装置2は不要となる。
【0068】
本実施形態では、ユーザー識別情報を、配布元端末装置2が設定する場合について説明するが、ユーザー識別情報を、ユーザーがスマートフォン3を用いて設定する形態でもよい。例えば、スマートフォン3のメールアドレス情報をユーザー識別情報として設定する形態でもよい。
【0069】
図6は、
図1に示すサーバー装置1のユーザー登録処理の工程を示すフローチャートである。ここで、ユーザー登録処理とは、イベントの参加者が、スマートフォン3を用いて、文書を電子メールに添付して送る場合の送付先であるメールアドレス情報、及び、文書をファクシミリで送る場合の送付先であるファクシミリ番号情報を登録する処理である。なお、以下の動作は、全てサーバー装置1によって実行される。
【0070】
まず、スマートフォン3からユーザー識別情報が受け付けられる(ステップS201)。次に、ステップS201で受け付けられたユーザー識別情報が、ユーザー識別情報記憶部191に格納された複数のユーザー識別情報のいずれかと一致するか否かの判定が行われる(ステップS203)。一致しないと判定された場合(ステップS203でNO)には、処理が終了される。一致すると判定された場合(ステップS203でYES)には、処理がステップS205に進められる。
【0071】
スマートフォン3から文書送付先のメールアドレス情報が受け付けられる(ステップS205)。そして、スマートフォン3から文書送付先のファクシミリ番号情報が受け付けられる(ステップS207)。次に、ステップS205で受け付けられたメールアドレス情報、及び、ステップS207で受け付けられたファクシミリ番号情報が、ステップS201で受け付けられたユーザー識別情報に対応付けて、記憶部に格納され(登録され)(ステップS209)、処理が終了される。
【0072】
本実施形態では、イベントの参加者が、スマートフォン3を用いて、メールアドレス情報、及び、ファクシミリ番号情報を登録する場合について説明したが、その他の方法で、メールアドレス情報、及び、ファクシミリ番号情報を登録する形態でもよい。例えば、ユーザーがイベントへの参加を申し込む際に、メールアドレス情報、及び、ファクシミリ番号情報を登録する形態でもよい。この場合には、スマートフォン3を操作して、メールアドレス、及び、ファクシミリ番号を登録する必要がないため、ユーザーの利便性が向上する。
【0073】
図7〜
図9は、
図1に示すサーバー装置1の文書送信処理の工程を示すフローチャートである。
図7に、文書送信処理の第1部を示し、
図8に、文書送信処理の第2部を示し、
図9に文書送信処理の第3部を示している。文書送信処理とは、スマートフォン3からの要求に応じて、文書情報をプリンター4、パーソナルコンピューター5、又は、ファクシミリ装置6に送信する処理である。なお、以下の動作は、サーバー装置1の
図2に示す各機能部によって実行される。
【0074】
まず、
図7に示すように、識別情報取得部11によって、スマートフォン3からユーザー識別情報が受け付けられる(ステップS301)。次に、第1認証部12によって、ステップS301において受け付けられたユーザー識別情報が、記憶部19のユーザー識別情報記憶部191に格納された複数のユーザー識別情報のいずれかと一致するか否かが判定される(ステップS303)。ユーザー識別情報が一致しないと判定された場合(ステップS303でNO)には、処理が終了される。ユーザー識別情報が一致すると判定された場合(ステップS303でYES)には、処理がステップS305に進められる。
【0075】
そして、識別情報取得部11によって、スマートフォン3から、このスマートフォン3の位置を示す装置位置情報が受け付けられる(ステップS305)。そして、第2認証部13によって、ステップS303において受け付けられた装置位置情報が、記憶部19の配布位置情報記憶部194に格納された配布位置情報と一致するか否かが判定される(ステップS307)。装置位置情報が一致しないと判定された場合(ステップS307でNO)には、処理が終了される。装置位置情報が一致すると判定された場合(ステップS307でYES)には、処理がステップS309に進められる。
【0076】
次に、識別情報取得部11によって、スマートフォン3からQRコード(登録商標)情報が受け付けられる(ステップS309)。そして、第3認証部16によって、ステップS309において受け付けられたQRコード(登録商標)情報が、記憶部19の場所識別情報記憶部195に格納されたQRコード(登録商標)情報と一致するか否かが判定される(ステップS311)。QRコード(登録商標)情報が一致しないと判定された場合(ステップS311でNO)には、送信禁止部17によって、文書の送信が禁止され(ステップS313)、処理が終了される。QRコード(登録商標)情報が一致すると判定された場合(ステップS311でYES)には、送信許可部14によって文書の送信が許可され(ステップS315)、処理が
図8に示すステップS317に進められる。
【0077】
次いで、
図8に示すように、送信実行部15によって、スマートフォン3から第1送信指示情報が受け付けられたか否かの判定が行われる(ステップS317)。第1送信指示情報が受け付けられていないと判定された場合(ステップS317でNO)には、処理が
図9に示すステップS325に進められる。第1送信指示情報が受け付けられたと判定された場合(ステップS317でYES)には、印刷条件取得部18によって、スマートフォン3から、文書情報をプリンター4によって印刷する条件を示す印刷条件情報が受け付けられる(ステップS319)。そして、送信実行部15によって、プリンター識別情報記憶部196からプリンター識別情報が読み出される(ステップS321)。次に、送信実行部15によって、文書情報記憶部197から文書情報が読み出される。また、送信実行部15によって、読み出された文書情報をステップS319で受け付けられた印刷条件に従って印刷するよう、ステップS321で読み出されたプリンター識別情報に対応するプリンター4に対して指示される(ステップS323)。そして、処理が終了される。
【0078】
ステップS317でNOの場合には、
図9に示すように、送信実行部15によって、第2送信指示情報が受け付けられたか否かの判定が行われる(ステップS325)。第2送信指示情報が受け付けられていないと判定された場合(ステップS325でNO)には、処理がステップS331に進められる。第2送信指示情報が受け付けられたと判定された場合(ステップS325でYES)には、送信実行部15によって、メールアドレス情報記憶部192からメールアドレスが読み出される(ステップS329)。そして、送信実行部15によって、文書情報記憶部197から文書情報が読み出される。また、読み出された文書情報を添付した電子メールが、送信実行部15によって、ステップS329で読み出されたメールアドレスに対応するパーソナルコンピューター5に対して送信され(ステップS329)、処理が終了される。
【0079】
ステップS325でNOの場合には、送信実行部15によって、第3送信指示情報が受け付けられたか否かの判定が行われる(ステップS331)。第3送信指示情報が受け付けられていないと判定された場合(ステップS331でNO)には、処理が終了される。第3送信指示情報が受け付けられたと判定された場合(ステップS331でYES)には、送信実行部15によって、ファクシミリ番号情報記憶部193からファクシミリ番号が読み出される(ステップS333)。そして、送信実行部15によって、文書情報記憶部197から文書情報が読み出される。また、送信実行部15によって、読み出された文書情報がファクシミリとして、ステップS333において読み出されたファクシミリ番号に対応するファクシミリ装置6に対して送信され(ステップS335)、処理が終了される。
【0080】
このようにして、サーバー装置1が、ステップS303、ステップS307、及び、ステップS311において実行される3つのユーザー認証を行うため、イベントに確実に参加するユーザーに限って、文書情報が提供される。したがって、印刷物を適正に削減することができる。また、例えば、急用が発生してイベントに参加しない場合には、ユーザーに文書情報が送信されない。
【0081】
なお、本実施形態では、サーバー装置1が、ステップS303、ステップS307、及び、ステップS311において実行される3つのユーザー認証を行う場合について説明したが、サーバー装置1が、ステップS303、及び、ステップS307において実行される2つのユーザー認証を行う形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。
【0082】
また、文書を印刷するプリンター4、文書情報が添付された電子メールを受信するパーソナルコンピューター5、及び、文書情報をファクシミリとして受信するファクシミリ装置6のなかから、ユーザーの所望する送信先(送信方法)を選択することができるので、印刷物を更に適正に削減することができる。
【0083】
本実施形態では、文書情報の送付方法が3種類(印刷、電子メール、ファクシミリ)である場合について説明したが、2種類(印刷、電子メール)、又は、他の態様の2種類(印刷、ファクシミリ)である形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。また、文書情報の送付方法として、更に他の方法、例えば、CD(Compact Disc)を含む記録媒体に格納して、ユーザーが所望する場所に郵送する方法を含んでもよい。この場合には、更にユーザーの利便性を向上することができる。
【0084】
<スマートフォン3での処理>
次に、
図10を参照して、スマートフォン3における処理について説明する。
図10は、
図1に示すスマートフォン3での処理の工程を示すフローチャートである。なお、以下の処理は全て、スマートフォン3の
図3に示す各機能部によって実行される。
【0085】
まず、ユーザー識別情報受付部31によって、ユーザー識別情報が受け付けられる(ステップS401)。次に、装置位置情報取得部32によって、装置位置情報が取得される(ステップS403)。そして、場所識別情報取得部33によって、QRコード(登録商標)情報が取得される(ステップS405)。次いで、識別情報送信部34によって、ステップS401において受け付けられたユーザー識別情報、ステップS403において取得された装置位置情報、及び、ステップS405において取得されたQRコード(登録商標)情報が、サーバー装置1へ送信される(ステップS407)。
【0086】
そして、文書送信指示部35によって、第1送信指示、第2送信指示、又は、第3送信指示が受け付けられ、サーバー装置1へ送信される(ステップS409)。次に、印刷条件設定部36によって、ステップS409で第1送信指示が受け付けられたか否かの判定が行われる(ステップS411)。第1送信指示が受け付けられていないと判定された場合(ステップS411でNO)には、処理が終了される。第1送信指示が受け付けられたと判定された場合(ステップS411でYES)には、印刷条件設定部36によって、印刷条件が受け付けられて、サーバー装置1へ送信され(ステップS413)、処理が終了される。
【0087】
なお、第1送信指示、第2送信指示、又は、第3送信指示としては、例えば、タッチパネルに表示されたボタンのタッチする操作が好ましい。具体的には、文書送信指示部35が、タッチパネルの画面に、「下記のなかから、文書情報の受け取り方法を選択してください。」との表示、及び、「1.印刷文書 2.電子メール 3.ファクシミリ」の3つのボタンの表示を行い、ユーザーに3つのボタンのいずれかをタッチさせる。
【0088】
<プリンター4での処理>
次に、
図11を参照して、プリンター4における処理について説明する。
図11は、
図1に示すプリンター4での処理の工程を示すフローチャートである。なお、以下の処理は全て、プリンター4の
図4に示す各機能部によって実行される。
【0089】
まず、印刷指示受付部41によって、サーバー装置1から印刷を行う指示である印刷指示情報を受け付けられたか否かの判定が行われる(ステップS501)。印刷指示情報を受け付けられていないと判定された場合(ステップS501でNO)には、処理が待機状態とされる。印刷指示情報を受け付けたと判定された場合(ステップS501でYES)には、印刷条件受付部42によって、サーバー装置1から印刷条件情報が受け付けられる(ステップS503)。次に、文書受信部43によって、サーバー装置1から文書情報が受信される(ステップS505)。そして、印刷実行部44によって、ステップS503で受け付けられた印刷条件に従って、ステップS505で受け付けられた文書情報が印刷され(ステップS507)、処理が終了される。
【0090】
本実施形態では、プリンター4が、イベント会場内に配置される場合について説明したが、プリンター4が、その他の場所に配置される形態でもよい。例えば、プリンター4が、イベント会場の近くのコンビニに配置されている形態でもよい。この場合には、イベント会場にプリンター4を配置する必要がない。また、例えば、プリンター4が、イベント主催者のオフィスに設置されている形態でもよい。この場合には、イベント主催者が、資料の印刷状態を確認して、印刷会場に持参して、参加者に配布することができる。
【0091】
本実施形態では、プリンター4が、1台である場合について説明したが、プリンター4が、複数台、別々の場所に設置されている形態でもよい。この場合には、ユーザーは、印刷を所望するプリンター4を選定し、印刷することができる。ただし、この場合には、プリンター1台毎に、配布位置情報、及び、プリンター識別情報を登録する必要がある。
【0092】
以上、本発明の実施形態について、図面(
図1〜
図11)を参照しながら説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0093】
なお、図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。したがって、図示された各構成要素の厚み、長さ等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。