特許第6178100号(P6178100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178100
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 25/02 20060101AFI20170731BHJP
   F25D 25/00 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   F25D25/02 N
   F25D25/00 G
   F25D25/00 E
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-80340(P2013-80340)
(22)【出願日】2013年4月8日
(65)【公開番号】特開2014-202442(P2014-202442A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 郁夫
【審査官】 伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−059087(JP,U)
【文献】 特開昭63−272308(JP,A)
【文献】 実開昭62−166753(JP,U)
【文献】 実開平01−131335(JP,U)
【文献】 特開昭54−036876(JP,A)
【文献】 実開昭56−151892(JP,U)
【文献】 特開平04−268185(JP,A)
【文献】 特開平04−103985(JP,A)
【文献】 実開昭62−077784(JP,U)
【文献】 実開平02−049481(JP,U)
【文献】 特開2002−051859(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102353222(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 25/02
F25D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
庫内に設けられた収納容器を引き出し可能に支持するスライドレールを備え、
前記スライドレールは、
前記庫内の側壁に固定された固定部材と、
前記固定部材に対して前後方向へ移動可能に設けられた中間部材と、
前記中間部材に対して前後方向へ移動可能に設けられ前記収納容器を支持する容器側部材と、
前記固定部材の前部に設けられた第一支持部と、
前記中間部材に設けられ前記第一支持部に支持される第一レール部と、
前記中間部材の後部に設けられた第二支持部と、
前記固定部材に設けられ前記第二支持部を支持する第二レール部と、
前記中間部材の前部に設けられた第三支持部と、
前記容器側部材に設けられ前記第三支持部に支持される第三レール部と、
前記容器側部材の後部に設けられた第四支持部と、
前記中間部材に設けられ前記第四支持部を支持する第四レール部と、を有し、
前記容器側部材は、前記中間部材が前記固定部材に取り付けられた状態で、かつ前記固定部材が前記庫内の側壁に固定された状態で、前記中間部材に対して取り付け及び取り外し可能に構成されている、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記第一支持部と前記第二支持部、及び前記第三支持部と前記第四支持部は、それぞれ前後に重なって配置されるとともに、前記第一支持部と前記第三支持部、及び前記第二支持部と前記第四支持部は、それぞれ上下に重なって配置されている請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記中間部材は、前後方向に延びる段部を有し、前記段部に前記第四レール部が設けられているとともに、前記段部に対して上下方向の一方側に前記第二支持部が設けられ、他方側に前記第三支持部が設けられている請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記固定部材は、金属製で構成されるとともに、該固定部材と前記中間部材とが相対的に前後方向へ移動可能な形態で前記中間部材をくわえ込む樹脂製の第一補助部材をさらに有し、
前記中間部材は、金属製で構成されるとともに、該中間部材と前記固定部材とが相対的に前後方向へ移動可能な形態で前記固定部材をくわえ込む樹脂製の第二補助部材をさらに有し、
前記容器側部材は、金属製で構成されるとともに、該容器側部材と前記中間部材とが相対的に前後方向へ移動可能な形態で前記中間部材をくわえ込む樹脂製の第三補助部材をさらに有している請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記容器側部材は、該容器側部材が前側へ移動したときに前記第三支持部に係止する係止部を有し、前記係止部が前記第三支持部を乗り越えて前記第三支持部の前方へ移動した状態で前記中間部材から取り外し可能となる請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記第一レール部及び前記第三レール部は金属製である請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第一支持部の後方に前記第二支持部が設けられ、
前記第三支持部の後方に前記第四支持部が設けられている請求項1から6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記第三レール部は、前記容器側部材の上端部にあって、前記固定部材及び前記中間部材よりも上方に位置している請求項1から7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に冷蔵庫においては、野菜室や冷凍室などに引き出し式の容器を備えたものがある。この場合、引き出し式の容器は、例えば扉の前後方向への移動に伴い前後方向へ伸縮するスライドレールによって実現される。このようなスライドレールは、ボールリテーナ式のガイドローラを有するものが一般的である。この場合、ボールリテーナ式のガイドローラは、複数のボールを有するため、その構造が複雑であり、取り外しなどの作業も難しかった。さらに、ボールリテーナ式のガイドローラを有するスライドレールは、複数のボールが同時にレールに接触しながら移動するため、レールを構成する各部材に比較的高い精度が要求されていた。そのため、従来の構成では、製造性や作業性がよくないといった事情があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−30875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、引き出し式の容器に用いるスライドレールを簡単な構成とし、これにより製造性や作業性の向上が図られる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による冷蔵庫は、庫内に設けられた収納容器を引き出し可能に支持するスライドレールを備える。前記スライドレールは、前記庫内の側壁に固定された固定部材と、前記固定部材に対して前後方向へ移動可能に設けられた中間部材と、前記中間部材に対して前後方向へ移動可能に設けられ前記収納容器を支持する容器側部材と、前記固定部材の前部に設けられた第一支持部と、前記中間部材に設けられ前記第一支持部に支持される第一レール部と、前記中間部材の後部に設けられた第二支持部と、前記固定部材に設けられ前記第二支持部を支持する第二レール部と、前記中間部材の前部に設けられた第三支持部と、前記容器側部材に設けられ前記第三支持部に支持される第三レール部と、前記容器側部材の後部に設けられた第四支持部と、前記中間部材に設けられ前記第四支持部を支持する第四レール部と、を有する。前記容器側部材は、前記中間部材が前記固定部材に取り付けられた状態で、かつ前記固定部材が前記庫内の側壁に固定された状態で、前記中間部材に対して取り付け及び取り外し可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態による冷蔵庫を示す斜視図
図2】スライドレールを引き出した状態で示す斜視図
図3】左側のスライドレールを分解して示す斜視図
図4図3と異なる方向から見た左側のスライドレールを分解して示す斜視図
図5】容器側部材を扉に取り付けた状態で示す斜視図
図6】左側のスライドレールの正面図
図7】左側のスライドレールの縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態による冷蔵庫について、図面を参照して説明する。
冷蔵庫10は、前面が開口した縦長矩形箱状の断熱箱体11内に、複数の貯蔵室を有して構成されている。断熱箱体11の内部には、上段から順に冷蔵室12、野菜室13が設けられ、その下方に製氷室14及び上段冷凍室15が左右に並べて設けられ、さらにその下方に下段冷凍室16が設けられている。冷蔵庫10は、冷蔵室扉21、野菜室扉22、製氷室扉23、上段冷凍室扉24、及び下段冷凍室扉25を備えている。なお、冷蔵庫10において、開口側すなわち各扉21〜25側を冷蔵庫10の前側とする。
【0008】
冷蔵室扉21は、冷蔵室12に対応して、図示しないヒンジにより観音開き式に設けられている。冷蔵室扉21は、冷蔵室12の前側の開口を開閉する。野菜室扉22、製氷室扉23、上段冷凍室扉24、及び下段冷凍室扉25は、それぞれ野菜室13、製氷室14、上段冷凍室15、及び下段冷凍室16に対応している。野菜室扉22、製氷室扉23、上段冷凍室扉24、及び下段冷凍室扉25は、それぞれ引き出し式に構成されている。下段冷凍室扉25は、該扉25の裏側に収納容器161を有している。また、野菜室扉22、製氷室扉23、上段冷凍室扉24も、その裏側部分に図示しない収納容器が設けられている。
【0009】
引き出し式の容器を有する野菜室13、製氷室14、上段冷凍室15、下段冷凍室16のうち、野菜室13及び下段冷凍室16の収容量は比較的多い。そのため、野菜室扉22及び下段冷凍室扉25は、スライドレール30を備えている。野菜室扉22及び下段冷凍室扉25は、それぞれスライドレール30を介して冷蔵庫10の庫内の壁面に接続されている。そして、各スライドレール30は、下段冷凍室16の収納容器161及び図示しない野菜室13の容器を支持している。
【0010】
なお、図1には、冷蔵庫10の庫内左側壁に設けられたスライドレール30を示しているが、冷蔵庫10の庫内右壁にも、このスライドレール30を左右対称に構成したスライドレールが設けられている。以下では、左右のスライドレールについて、左側のスライドレール30を代表して説明する。
【0011】
図2図4に示すように、スライドレール30は、全体として直線状に長い固定部材40と中間部材50と容器側部材60とを有している。スライドレール30は、その長手方向が冷蔵庫10の前後方向を向くように、冷蔵庫10の庫内側面に設けられている。スライドレール30は、固定部材40と中間部材50と、及び中間部材50と容器側部材60とが、それぞれ長手方向へ相対的に移動可能に構成されている。すなわち、スライドレール30は、いわゆる三段引きのスライドレールに構成されている。
【0012】
具体的には、固定部材40は、前後方向を長手方向とし、例えば鋼板など金属製の板を曲げて構成されている。固定部材40は、図6に示すように、冷蔵庫10の庫内側壁101に取付部材26を介して、ねじ27などによって取り付けられている。なお、以下の説明では、スライドレール30すなわち固定部材40に対し、庫内側壁101と反対側を庫内側とする。
【0013】
固定部材40は、図3及び図4に示すように、第一補助部材受け部401、第二レール上面部402、係止爪部403、及び第二片部404を一体に有している。第一補助部材受け部401は、図7にも示すように、固定部材40の下端部において庫内側へ突出して設けられている。第一補助部材受け部401は、上側が開放した溝状に形成され、固定部材40の長手方向の中央よりやや前寄り部分から後端部に亘って設けられている。
【0014】
第二レール上面部402は、固定部材40の上下方向の中央部分に設けられている。すなわち、固定部材40の上下方向の中央部分は、図6及び図7にも示すように、該固定部材40の長手方向の全体に亘り、庫内側へ向かって略水平に折り曲げられている。この固定部材40が庫内側へ向かって折り曲げられた部分のうち、第一補助部材受け部401に対向する部分が第二レール上面部402となる。
【0015】
係止爪部403は、固定部材40の長手方向の中央よりやや前側寄り部分にあって、庫内側へ突出して設けられている。係止爪部403は、固定部材40の一部が打ち抜かれ、その打ち抜いた部分が庫内側へ折り曲げられて構成されている。第二片部404は、固定部材40の上端部分から上方へ向かって突出するように設けられている。第二片部404は、固定部材40の長手方向の全体に亘って設けられている。
【0016】
また、固定部材40は、第一滑車41、第一補助部材42、第二レール部43、及び係止ブロック44を有している。第一滑車41は、例えば合成樹脂製の滑車であり、固定部材40に対して回転可能に設けられている。第一滑車41は、固定部材40の前端部にあって第二レール上面部402よりも下側に設けられている。第一滑車41は、固定部材40に対して庫内側に設けられている。
【0017】
第一補助部材42は、合成樹脂性であって、全体として前後方向を長手方向とする棒状の部材で構成されている。第一補助部材42は、第一補助部材受け部401内に収容されている。第一補助部材42は、図7にも示すように、上側が開放され前後方向へ延びる第一溝部421を有している。第二レール部43は、第一補助部材42の上面部と、第二レール上面部402とによって構成されている。この場合、第一補助部材42の上面部は、第二レール下面部431として機能する。
【0018】
係止ブロック44は、例えば合成樹脂の立方体の部材で構成されている。係止ブロック44は、固定部材40の後端部にあって、第二レール上面部402と第二レール下面部431との間に設けられている。係止ブロック44は、ねじ28によって固定部材40に取り付けられている。
【0019】
中間部材50は、固定部材40に対して庫内側に配置される。中間部材50は、前後方向を長手方向とし、例えば鋼板など金属製の板を曲げて構成されている。中間部材50は、第一レール部501、第四レール上面部502、第四レール下面部503、第一片部504、及び第三片部505を一体に有している。第一レール部501は、図6にも示すように、中間部材50の下端部にあって固定部材40側へ突出して設けられている。すなわち、中間部材50の下端部分は、該中間部材50の長手方向の略全体に亘り、固定部材40側へ向かって略水平に折り曲げられている。この中間部材50が固定部材40側へ折り曲げられた部分が、第一レール部501となる。
【0020】
第四レール上面部502は、中間部材50の上端部において庫内側へ突出して設けられている。第四レール上面部502は、中間部材50の長手方向の中央よりやや前寄り部分から後端部に亘って設けられている。すなわち、中間部材50の上端部は、該中間部材50の長手方向の中央よりやや前寄り部分から後端部に亘り、庫内側へ向かって略水平に折り曲げられている。この中間部材50の上端部が折り曲げられた部分が第四レール上面部502となる。
【0021】
第四レール下面部503は、中間部材50の上下方向の中央部分に設けられている。すなわち、中間部材50の上下方向の中央部分は、図6及び図7にも示すように、該中間部材50の長手方向の全体に亘り、固定部材40側へ向かって略水平に折り曲げられ、これにより段部506が形成されている。この段部506の上面が第四レール下面部503となる。この場合、第四レール上面部502と第四レール下面部503とによって、第四レール部56が構成されている。
【0022】
第三片部505は、第四レール上面部502の庫内側の端部から、さらに上方へ向かって突出して設けられている。すなわち、第四レール上面部502の庫内側の端部は、さらに上方へ向かって折り曲げられている。これにより、第三片部505が形成されている。第一片部504は、中間部材50の後端部が下方へ突出して形成されている。
【0023】
また、中間部材50は、第二滑車51、第三滑車52、第二補助部材53、前側抜止部54、及び後側抜止部55を有している。第二滑車51は、例えば合成樹脂製の滑車であって、中間部材50に対して回転可能に設けられている。第二滑車51は、中間部材50の後端部に設けられている。第二滑車51は、中間部材50に対して固定部材40側に設けられている。
【0024】
第三滑車52は、例えば合成樹脂製の滑車であって、中間部材50に対して回転可能に設けられている。第三滑車52は、中間部材50の前端部にあって第四レール下面部503よりも上側に設けられている。第三滑車52は、中間部材50に対して庫内側に設けられている。すなわち、第四レール部56の第四レール下面部503を構成する段部506に対して、上下方向の一方側この場合下側に第二滑車51が設けられ、他方側この場合上側に第三滑車52が設けられている。
【0025】
第二補助部材53は、合成樹脂製であって、全体として前後方向を長手とする板状の部材を折り曲げた形状に構成されている。第二補助部材53は、図4に示すように、第一レール部501と第四レール下面部503との間にあって、中間部材50の長手方向に沿って設けられている。第二補助部材53の上端部には、下方へ向かって開放した第二溝部531が設けられている。この第二溝部531は、第二補助部材53の長手方向へ沿って設けられている。
【0026】
前側抜止部54及び後側抜止部55は、合成樹脂製であって、中間部材50の後端部に設けられている。この場合、前側抜止部54は、第二滑車51の前側に設けられ、後側抜止部55は、第二滑車51の後側に設けられている。すなわち、第二滑車51は、前後方向において、前側抜止部54と後側抜止部55との間に設けられている。
【0027】
容器側部材60は、中間部材50に対して庫内側に配置されている。容器側部材60は、前後方向を長手方向とし、例えば鋼板など金属製の板を折り曲げて構成されている。容器側部材60は、第三レール部601、係止部602、扉取付部603、を一体に有している。第三レール部601は、図6にも示すように、容器側部材60の上端部において中間部材50側へ突出して設けられている。すなわち、容器側部材60の上端部分は、該容器側部材60の長手方向の全体に亘り、中間部材50側へ向かって略水平に折り曲げられている。この容器側部材60が中間部材50側へ折り曲げられた部分を第三レール部601としている。
【0028】
係止部602は、第三レール部601の後端部にあって、容器側部材60の上端部を下方へ窪ませて形成されている。すなわち、係止部602は、第三レール部601から下方へ突出している。
扉取付部603は、容器側部材60の前端部に設けられている。この場合、扉取付部603は、容器側部材60の前端部を、該扉取付部603の面が垂直となるよう庫内側へ折り曲げて形成されている。容器側部材60は、図5に示すように、扉取付部603を扉25の裏側すなわち庫内側の面に当てて、ねじなどによって該扉25に取り付けられる。
【0029】
また、容器側部材60は、第四滑車61及び第三補助部材62を有している。第四滑車61は、例えば合成樹脂製の滑車であって、容器側部材60に対して回転可能に設けられている。第四滑車61は、容器側部材60の後端部の上側にあって、第三レール部601より下方に設けられている。第四滑車61は、容器側部材60に対して中間部材50側に設けられている。
【0030】
第三補助部材62は、合成樹脂製であって、全体として前後方向を長手とする棒状の部材で構成されている。第三補助部材62は、図4及び図7に示すように、容器側部材60の上端部にあって係止部602より後側、この場合第四滑車61の上側に設けられている。第三補助部材62は、下側が開放され前後方向へ延びる第三溝部621を有している。
【0031】
次に、固定部材40、中間部材50、及び容器側部材60の組み立てについて説明する。まず使用者は、中間部材50を、固定部材40に取り付ける。具体的には、使用者は、まず固定部材40から係止ブロック44を外した状態で、中間部材50の先端部を、固定部材40の後端部から該固定部材40に挿入する。このとき、図6及び図7に示すように、固定部材40の第二片部404が、中間部材50に設けられた第二補助部材53の第二溝部531に入り込むようにする。これにより、固定部材40の第二片部404は、中間部材50に設けられた第二補助部材53の第二溝部531にくわえ込まれる。
【0032】
その後、使用者は、中間部材50の第二滑車51が、固定部材40の第二レール部43すなわち第二レール上面部402と第二レール下面部431との間に挿入された状態で、中間部材50を固定部材40の前側へ移動させる。このとき、図6に示すように、中間部材50の第一レール部501を、固定部材40の第一滑車41の上側に位置させる。また、図7に示すように、中間部材50の第一片部504を、固定部材40に設けられた第一補助部材42の第一溝部421に入れ込む。これにより、中間部材50の第一片部504は、固定部材40に設けられた第一補助部材42の第一溝部421にくわえ込まれる。そして、係止ブロック44を固定部材40に取り付ける。
【0033】
この状態において、中間部材50の第一レール部501は、固定部材40の前部に設けられた第一滑車41に支持されている。また、固定部材40の第二レール部43のうち第二レール下面部431は、中間部材50の後部に設けられた第二滑車51を支持している。これにより、中間部材50は、固定部材40に対して前後方向へ移動可能に構成される。この場合、固定部材40の第二片部404は、中間部材50に設けられた第二補助部材53の第二溝部531に沿って前後方向へ摺動する。また、中間部材50の第一片部504は、固定部材40に設けられた第一補助部材42の第一溝部421に沿って前後方向へ摺動する。
【0034】
また、図3及び図4に示すように、第一滑車41と第二滑車51と、及び第三滑車52と第四滑車61とは、それぞれ前後に重なって配置される。また、図6に示すように、第一滑車41と第三滑車52とは、上下に重なって配置される。
【0035】
次に、使用者は、容器側部材60を、中間部材50に取り付ける。具体的には、まず、使用者は、容器側部材60の第四滑車61を、中間部材50の前後方向において、中間部材50に設けられた第三滑車52と第四レール上面部502の前端部507との間に位置させる。この状態において、容器側部材60の係止部602は、第三滑車52の前方に位置している。
【0036】
そして、使用者は、容器側部材60の前端部を若干上方へ持ち上げるなどして傾け、係止部602と第三滑車52との係止を回避しつつ、第四滑車61を第四レール上面部502と第四レール下面部503との間に入り込ませながら、容器側部材60を第四レール部56に沿って後方へ移動させる。このとき、図7に示すように、中間部材50の第三片部505が、容器側部材60に設けられた第三補助部材62の第三溝部621に入り込むようにする。
【0037】
その後、さらに容器側部材60を後方まで移動させ、これにより容器側部材60が中間部材50に取り付けられる。この状態において、容器側部材60の第三レール部601は、図6に示すように、固定部材40及び中間部材50よりも上側に位置している。そして、この第三レール部601は、中間部材50の前部に設けられた第三滑車52に支持されている。また、中間部材50に設けられた第四レール部56のうち第四レール下面部503は、容器側部材60の後部に設けられた第四滑車61を支持している。これにより、容器側部材60は、中間部材50に対して前後方向へ移動可能に構成される。
【0038】
また、この状態では、容器側部材60に設けられた第三補助部材62の第三溝部621は、中間部材50の第三片部505をくわえ込んでいる。この場合、容器側部材60に設けられた第三補助部材62の第三溝部621は、中間部材50の第三片部505に沿って相対的に前後方向へ摺動する。また、容器側部材60の第四滑車61は、中間部材50の第四レール部56すなわち第四レール上面部502と第四レール下面部503との間に位置している。そのため、容器側部材60は、上方への移動が規制されている。そして、図7にも示すように、中間部材50の第二滑車51と容器側部材60の第四滑車61とは、上下方向に重なって配置される。
【0039】
容器側部材60に扉25が取り付けられた状態で該扉25を引くと、容器側部材60は前方へ移動する。この場合、容器側部材60の前方への移動に伴い、第三滑車52と第四滑車61との距離が縮まる。しかし、容器側部材60がいずれの位置にあっても、容器側部材60は、中間部材50の前部の第三滑車52と、容器側部材60の後部の第四滑車61との二カ所で支持されている。
【0040】
ここで、容器側部材60の第四滑車61が中間部材50の後ろ寄りに位置しているとき、第四滑車61は、中間部材50の第四レール部56のうち、第四レール下面部503に支持されている。一方、容器側部材60が引き出されて第四滑車61が中間部材50の前寄りに位置しているとき、すなわち第三滑車52と第四滑車61とが接近しているときであって、さらに収納容器161内の重量が比較的重い場合には、容器側部材60に対し、第三滑車52を支点として、該容器側部材60の前端部が下方へ、後端部が上方へ向かって回転する力が作用する。この場合、容器側部材60の第四滑車61は、中間部材50の第四レール部56のうち、第四レール上面部502に支持される。これにより、収納容器161内の重量が比較的重く、容器側部材60に対し前方下方への力が作用した場合であっても、容器側部材60は中間部材50から外れないようになっている。
【0041】
その後、容器側部材60がさらに前方へ引き出され、容器側部材60の係止部602が中間部材50の第三滑車52に係止されると、容器側部材60の前方への移動が中間部材50に伝わる。これにより、中間部材50は、容器側部材60とともに、前方へ引き出される。そして、中間部材50と容器側部材60とがさらに前方へ移動すると、中間部材50に設けられた前側抜止部54が、固定部材40の係止爪部403に係止する。これにより、中間部材50及び容器側部材60は、係止爪部403より前方へ移動することが規制される。
【0042】
この場合、中間部材50と固定部材40との関係は、容器側部材60と中間部材50との関係と同様である。すなわち、中間部材50の前方への移動に伴い、第一滑車41と第二滑車51との距離が縮まる。しかし、中間部材50がいずれの位置にあっても、中間部材50は、固定部材40の前部の第一滑車41と、中間部材50の後部の第二滑車51との二カ所で支持されている。
【0043】
ここで、中間部材50の第二滑車51が固定部材40の後ろ寄りに位置しているとき、第二滑車51は、固定部材40の第二レール部43のうち、第二レール下面部431に支持されている。一方、中間部材50が引き出されて第二滑車51が固定部材40の前寄りに位置しているとき、すなわち第一滑車41と第二滑車51とが接近しているときであって、さらに収納容器161内の重量が比較的多い場合には、中間部材50に対し、第一滑車41を支点として、該中間部材50の前端部が下方へ、後端部が上方へ向かって回転する力が作用する。この場合、中間部材50の第二滑車51は、固定部材40の第二レール部43のうち、第二レール上面部402に支持される。これにより、収納容器161内の重量が比較的重く、中間部材50に対し前方下方への力が作用した場合であっても、中間部材50は固定部材40から外れないようになっている。
【0044】
使用者は、容器側部材60を中間部材50に取り付ける場合と逆の手順により、扉25及び収納容器161を冷蔵庫10から取り外すことができる。つまり、使用者は、扉25を引き出し、容器側部材60の係止部602が中間部材50の第三滑車52に係止した後、扉25を若干上方へ持ち上げるなどして容器側部材60の前端部を上方へ傾ける。そして、容器側部材60の前端部を上方へ傾けた状態で扉25をさらに前方へ引き出すと、係止部602が第三滑車52を乗り越える。これにより、容器側部材60は、さらに前方へ移動可能となる。
【0045】
その後、さらに扉25を引き出し、第四滑車61が第四レール上面部502の前端部507よりも前側に位置するまで、容器側部材60を前方へ移動させる。すると、第四滑車61の上方には、中間部材50の第四レール上面部502が存しなくなる。そのため、容器側部材60は、第四滑車61が中間部材50の第四レール上面部502に係止されることにより規制されていた上方への移動が可能となる。したがって、容器側部材60は、中間部材50から取り外し可能となる。これにより、使用者は、扉25及び収納容器161を、冷蔵庫10から取り外すことができる。
【0046】
この構成において、第一滑車41は第一支持部として、第二滑車51は第二支持部として、第三滑車52は第三支持部として、第四滑車61は第四支持部として、それぞれ機能する。この場合、各支持部41、51、52、61は、それぞれ滑車に換えて、回転しないが摺動性に優れる低摩擦の摺動部材であってもよい。
【0047】
これによれば、引き出し式の収納容器161に用いるスライドレール30は、例えばボールリテーナ式のものに比べて簡単な構成とすることができ、その結果、製造性や組立性の向上が図られる。
【0048】
スライドレール30の各部品40、50、60は、例えばボールリテーナ式のものに比べて精度がさほど要求されない。そのため、各部品40、50、60を塗装した場合であっても、その塗装による寸法変化がスライドレール30の動作に与える影響も少ない。したがって、各部品40、50、60の塗装が容易となり、その結果、スライドレール30の外観の意匠性も向上することができる。
【0049】
第一滑車41と第二滑車51、及び第三滑車52と第四滑車61は、それぞれ前後に重なって配置されている。また、第一滑車41と第三滑車52、及び第二滑車51と第四滑車61は、それぞれ上下に重なって配置されている。これによれば、スライドレール30を全体として左右方向に薄く構成することができる。その結果、スライドレール30に取り付ける収納容器161を大容量のものにすることができる。
【0050】
固定部材40、中間部材50、及び容器側部材60は、それぞれ金属製で構成されている。固定部材40には樹脂性の第一補助部材42が設けられている。この第一補助部材42の第一溝部421は、中間部材50の第一片部504をくわえ込んでいる。また、中間部材50には樹脂性の第二補助部材53が設けられている。この第二補助部材53の第二溝部531は、固定部材40の第二片部404をくわえ込んでいる。これにより、中間部材50は、固定部材40から庫内側へ外れることなく、安定して前後方向へ移動することができる。
【0051】
同様に、容器側部材60には樹脂性の第三補助部材62が設けられている。この第三補助部材62の第三溝部621は、中間部材50の第三片部505をくわえ込んでいる。これにより、容器側部材60は、中間部材50から庫内側へ外れることなく、安定して前後方向へ移動することができる。
【0052】
また、固定部材40と第一補助部材42、及び中間部材50と第二補助部材53とは、それぞれ別体で構成されているため、金属製の固定部材40と中間部材50とが直接相互にくわえ込む必要がない。同様に、容器側部材60と第三補助部材62とは、別体で構成されているため、金属製の容器側部材60と中間部材50とが直接相互にくわえ込む必要がない。そのため、金属製である固定部材40、中間部材50、及び容器側部材60は、その形状の自由度が高まる。その結果、スライドレール30全体として小型化、薄型化を実現することができる。
【0053】
また、扉25を引き出す際、容器側部材60は、係止部602が中間部材50の第三滑車52を乗り越えて第三滑車52の前方へ移動した状態で、中間部材50から取り外し可能となる。これによれば、固定部材40及び中間部材50を庫内側壁101に取り付けた後であっても、扉25が取り付けられた容器側部材60を、容易に中間部材50に付け外しすることができる。この結果、組立性及び作業性のさらなる向上が図られる。
【0054】
固定部材40の前部に設けられた第一滑車41を受ける第一レール部501は、金属製の中間部材50によって構成されている。また、中間部材50の前部に設けられた第三滑車52を受ける第三レール部601は、金属製の容器側部材60によって構成されている。そのため、第一レール部501及び第三レール部601は、比較的耐久性の高いものとすることができる。これによれば、収納容器161内の収容重量が重く、第一レール部501及び第三レール部601に大きな負荷が加わった場合でも、安定してスライド動作を行うことができる。
【0055】
また、第一滑車41及び第二滑車51は、上下方向において略同じ高さ位置に設けられている。また、第一滑車41の後方に、第二滑車51が設けられている。第三滑車52及び第四滑車61は、上下方向において略同じ高さ位置に設けられている。また、第三滑車52の後方に、第四滑車61が設けられている。これによれば、スライドレール30は、全体として上下方向の高さ寸法を抑えつつ、左右方向の厚みを薄くすることができる。
【0056】
容器側部材60の最上部には、中間部材50の前部に設けられた第三滑車52を受ける第三レール部601が設けられている。そして、この第三レール部601は、中間部材50及び固定部材40よりも上方に位置している。これによれば、扉25を引き出して収納容器161を取り外す際、固定部材40及び中間部材50が、容器側部材60の取り外しの邪魔にならない。そのため、扉25及び収納容器161とともに容器側部材60を、容易に中間部材50から取り外すことができる。
【0057】
以上、実施形態の冷蔵庫によれば、引き出し式の収納容器に用いるスライドレールを、例えばボールリテーナ式のものに比べて簡単な構成とすることができる。その結果、製造性や組立性の向上が図られる。さらに、スライドレールの各部品の塗装も容易となり、スライドレールの外観の意匠性も向上することができる。
【0058】
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
図面中、10は冷蔵庫、101は庫内側壁、30はスライドレール、40は固定部材、41は第一滑車(第一支持部)、42は第一補助部材、43は第二レール部、50は中間部材、501は第一レール部、506は段部、51は第二滑車(第二支持部)、52は第三滑車(第三支持部)、53は第二補助部材、56は第四レール部、60は容器側部材、601は第三レール部、61は第四滑車(第四支持部)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7