特許第6178174号(P6178174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6178174デシカント空調装置、及びデシカント空調方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178174
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】デシカント空調装置、及びデシカント空調方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/147 20060101AFI20170731BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   F24F3/147
   F24F11/02 102D
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-178569(P2013-178569)
(22)【出願日】2013年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-48945(P2015-48945A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 浩一
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−112649(JP,A)
【文献】 特開2000−205599(JP,A)
【文献】 特開平09−042709(JP,A)
【文献】 特開平09−318129(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/147
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも除湿運転と加湿運転の2つの運転モードを有したデシカント空調装置であって、
空調室に空気を導く給気路と、
前記空調室からの還気を当該空調室外へ導く排気路と、
前記給気路と排気路に跨って配置され、少なくとも3つの区域に仕切られ、前記空気又は還気を調湿する調湿ロータであって、除湿運転の際、前記区域を当該調湿ロータの回転方向において順に除湿区域、加湿区域、再生区域として機能させ、加湿運転の際、前記区域を当該調湿ロータの前記除湿運転の際における除湿区域を予加湿区域として、同加湿区域を加湿区域として、同再生区域を脱着区域として機能させ、前記除湿運転の際の前記除湿区域、前記加湿区域、前記再生区域と、前記加湿運転の際の前記予加湿区域、加湿区域、脱着区域とがそれぞれ対応する調湿ロータと、
前記調湿ロータよりも下流側の前記給気路と前記調湿ロータよりも上流側の前記排気路に跨って配置され、当該給気路を流れる空気と当該排気路を流れる還気とを顕熱交換する顕熱交換器と、
前記顕熱交換器よりも下流側かつ前記調湿ロータよりも上流側の前記排気路に配置され、前記除湿運転の際、前記顕熱交換器によって昇温した還気を加温する再生ヒータと、
前記顕熱交換器よりも下流側の前記給気路に配置され、前記加湿運転の際、前記顕熱交換器によって昇温した空気を加温する再熱ヒータと、を備え、
前記除湿運転の際、前記空気は、前記除湿運転の際に機能する除湿区域で除湿され、前記顕熱交換器で前記還気と顕熱交換して降温され、降温した前記空気が前記加湿区域で加湿冷却されて前記空調室に供給され、前記顕熱交換器で昇温した還気が再生ヒータで加温され、前記再生区域が再生され、
前記加湿運転の際、前記空気は、前記予加湿区域で加湿され、前記顕熱交換器で前記還気と顕熱交換して加温され、加温した空気が前記再熱ヒータで更に加温され、前記加湿区域で加湿されて前記空調室に供給され、前記顕熱交換器で降温した還気に含まれる水分が前記加湿運転の際に機能する脱着区域で放湿される
デシカント空調装置。
【請求項2】
前記空調室に導かれる空気、または前記空調室からの還気、または前記空調室内の露点温度を検知する露点温度センサと、
前記露点温度センサで検知された前記露点温度に基づいて、前記再生ヒータと前記再熱ヒータとのうち少なくとも何れか一方を制御し、前記空調室の露点温度を調整する制御部と、を更に備える、請求項1に記載のデシカント空調装置。
【請求項3】
前記空調室からの還気、または前記空調室内の湿度を検知する湿度センサと、
前記湿度センサで検知された前記湿度に基づいて、前記再生ヒータと前記再熱ヒータとのうち少なくとも何れか一方を制御し、前記空調室の湿度を調整する制御部と、を更に備える、請求項1又は2に記載のデシカント空調装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記露点温度センサで検知された露点温度が、設定された露点温度よりも高い場合、又は、前記湿度センサで検知された湿度が、設定された湿度よりも高い場合、前記再生ヒータの出力を上げ、または、前記再熱ヒータの出力を下げる、請求項2又は3に記載のデシカント空調装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記露点温度センサで検知された露点温度が、設定された露点温度よりも低い場合、又は、前記湿度センサで検知された湿度が、設定された湿度よりも低い場合、前記再生ヒータの出力を下げ、または、前記再熱ヒータの出力を上げる、請求項2又は3に記載のデシカント空調装置。
【請求項6】
除湿運転と加湿運転が可能なデシカント空調方法であって、
除湿運転の際、調湿ロータを少なくとも3つの区域に分割し、前記区域を回転方向において順に除湿区域、加湿区域、再生区域として機能させ、空気を前記除湿区域で除湿し、空調室からの還気と顕熱交換して降温し、降温した前記空気を加湿区域で加湿冷却して前記空調室に供給し、顕熱交換で昇温した還気を加温して、再生区域を再生し、
加湿運転の際、前記調湿ロータを前記除湿運転の際における除湿区域を予加湿区域として、同加湿区域を加湿区域として、同再生区域を脱着区域として機能させ、前記空気を予加湿区域で加湿し、前記空調室からの還気と顕熱交換して加温し、加温した空気を当該空気より高温に加熱する加熱手段により更に加温し、前記加湿区域で更に加湿して前記空調室に供給し、一方、顕熱交換で降温した還気に含まれる水分を前記脱着区域に放湿する、デシカント空調方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デシカント空調装置、及びデシカント空調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空調方法の一つとして、デシカント方式の空調方法が知られている。例えば、特許文献1には、回転自在な減湿ロータを有する減湿装置によって処理空気を減湿した後に、顕熱交換器で熱交換することによって冷却し、その後当該冷却した空気を加湿冷却して目的空間に供給するデシカント方式の空調方法が開示されている。このデシカント方式の空調方法では、減湿ロータの端面側に位置する空気の通過域は、当該減湿ロータの回転方向順に、減湿区域、冷却区域及び再生区域とに仕切られており、処理空気として空気を使用し、当該空気を減湿区域に導入して減湿した後、顕熱交換器において目的空間からの還気と熱交換し、熱交換されて降温した空気を、冷却区域に導入して加湿冷却した後に目的空間に供給し、顕熱交換器において上記減湿区域通過後の空気と熱交換された後の昇温した空気(目的空間からの還気)を、加熱装置によって加熱した後、再生区域へと導入する。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、室外からの空気を室内へと導入する給気路と、室内からの空気を室外へと排出する排気路と、給気路を流れる空気中の水分を吸着して除湿を行うとともに、排気路を流れる空気中に水分を放出して除湿能力を再生するようになされたデシカントロータと、排気路の空気を加熱する加熱用熱交換器と、給気路を流れる空気と排気路を流れる空気との間で熱交換を行う顕熱熱交換器と、これらを制御する制御装置とを備えたデシカント空調装置が開示されている。このデシカント空調装置では、デシカントロータは、給気路の空気が通過する除湿領域と排気路の空気が通過する再生領域とが、交互に各二つ形成され、給気路を流れる空気は、二つの除湿領域を直列に流れ、排気路を流れる空気は二つの再生領域を直列に流れる。また、制御装置は、冷房除湿または暖房加湿の運転区分によって、デシカントロータの回転方向を反転させる制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4283361号公報
【特許文献2】特開2011−190937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、特許文献1に記載の技術によれば、気化式の加湿器を用いる必要がないことから、水の管理をすることなく、デシカント方式による空調を行うことができる。但し、特許文献1に記載の技術は、冷房(除湿)運転に特に好適に用いることができ、夏期などの高温又は高湿の環境下での利用に適している。一方で、冬期などの低温又は低湿な環境下では、暖房(加湿)が要求される。したがって、特許文献1に記載の技術を冬期などの低温又は低湿な環境下で利用することができれば、より利便性が高まる。
【0006】
特許文献2に記載の技術は、夏期などの高温又は高湿の環境下での利用に加えて、冬期などの低温又は低湿な環境下での利用も可能である。但し、特許文献2に記載の技術は、デシカントロータが、正回転方向において、第一除湿領域、第一再生領域、第二除湿領域、第二再生領域が形成されており、冷房時には逆転方向にデシカントロータを回転させ、暖房には正転方向にデシカントロータを回転させることで、冷暖房効率を向上するものである。したがって、特許文献2に記載の技術は、除湿と同じように高効率で運転するためにはデシカントロータの回転を逆転させる必要がある。デシカントロータの回転方向が逆
転すると、デシカントロータの各領域の性能が回転方向に合わせて落ち着くまでには2回転程度を要する(デシカントロータの回転は通常1時間に10回転程度)。そして、実際に湿度制御ができるまでには、回転方向を切り替えてから数十分程度かかってしまう。つまり、特許文献2に記載の技術は、除湿と加湿を高効率で連続運転によって実現することはできない。また、デシカントロータ廻りのダクトルートが複雑になり、設備費や維持管理費が増大してしまう。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑み、除湿と加湿とを高効率で連続運転可能なデシカント方式による空調技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するため、除湿運転の際、調湿ロータを回転方向において順に除湿区域、加湿区域、再生区域に分割して機能させ、空気を前記除湿区域で除湿し、空調室からの還気と顕熱交換して降温し、降温した空気を加湿区域で加湿冷却して空調室に供給し、顕熱交換で昇温した還気を加温して、再生区域を再生し、加湿運転の際、調湿ロータを回転方向において順に予加湿区域、加湿区域、脱着区域に分割して機能させ、空気を予加湿区域で加湿し、空調室からの還気と顕熱交換して加温し、加温した空気を更に加温し、加湿区域で更に加湿して空調室に供給し、顕熱交換で降温した還気に含まれる水分を脱着区域に放湿することとした。
【0009】
詳細には、本発明は、少なくとも除湿運転と加湿運転の2つの運転モードを有したデシカント空調装置であって、空調室に空気を導く給気路と、前記空調室からの還気を当該空調室外へ導く排気路と、前記給気路と排気路に跨って配置され、少なくとも3つの区域に仕切られ、前記空気又は還気を調湿する調湿ロータであって、除湿運転の際、前記区域を当該調湿ロータの回転方向において順に除湿区域、加湿区域、再生区域として機能させ、加湿運転の際、前記区域を当該調湿ロータの前記除湿運転の際における除湿区域を予加湿区域として、同加湿区域を加湿区域として、同再生区域を脱着区域として機能させ、前記除湿運転の際の前記除湿区域、前記加湿区域、前記再生区域と、前記加湿運転の際の前記予加湿区域、加湿区域、脱着区域とがそれぞれ対応する調湿ロータと、前記調湿ロータよりも下流側の前記給気路と前記調湿ロータよりも上流側の前記排気路に跨って配置され、当該給気路を流れる空気と当該排気路を流れる還気とを顕熱交換する顕熱交換器と、前記顕熱交換器よりも下流側かつ前記調湿ロータよりも上流側の前記排気路に配置され、前記除湿運転の際、前記顕熱交換器によって昇温した還気を加温する再生ヒータと、前記顕熱交換器よりも下流側の前記給気路に配置され、前記加湿運転の際、前記顕熱交換器によって昇温した空気を加温する再熱ヒータと、を備え、前記除湿運転の際、前記空気は、前記除湿運転の際に機能する除湿区域で除湿され、前記顕熱交換器で前記還気と顕熱交換して降温され、降温した前記空気が前記加湿区域で加湿冷却されて前記空調室に供給され、前記顕熱交換器で昇温した還気が再生ヒータで加温され、前記再生区域が再生され、前記加湿運転の際、前記空気は、前記予加湿区域で加湿され、前記顕熱交換器で前記還気と顕熱交換して加温され、加温した空気が前記再熱ヒータで更に加温され、前記加湿区域で加湿されて前記空調室に供給され、前記顕熱交換器で降温した還気に含まれる水分が前記加湿運転の際に機能する脱着区域で放湿されるデシカント空調装置である。
【0010】
本発明に係るデシカント空調装置によれば、除湿運転の際、調湿ロータを回転方向において除湿区域、加湿区域、再生区域として機能させ、加湿運転の際、調湿ロータを回転方向において予加湿区域、加湿区域、脱着区域として機能させることで、気化式の加湿器を用いることなく、除湿と加湿を行うことができる。気化式の加湿器や電熱式蒸気発生器を用いる必要がないことから、水の管理をする必要もなく、加湿用の熱源も必要ない。また、再生ヒータと再熱ヒータを備えることで、再生ヒータと再熱ヒータとの切り替えのみで、除湿と加湿を行うことができる。その結果、例えば、夏期における除湿だけでなく、冬
期における加湿にも好適に用いることができる。また、除湿運転と加湿運転の切り替えに際し、給気や排気の系統の変更や、調湿ロータの回転方向の変更を行う必要がないことから、回転方向の変更に伴うエネルギーロスがない。また、ことさらに系統の変更をする必要もない。そのため、除湿と加湿とを、従来に比べて高効率で連続して行うことができる。
【0011】
ここで、本発明に係るデシカント空調装置は、前記空調室に導かれる空気、または前記空調室からの還気、または前記空調室内の露点温度を検知する露点温度センサと、前記露点温度センサで検知された前記露点温度に基づいて、前記再生ヒータと前記再熱ヒータとのうち少なくとも何れか一方を制御し、前記空調室の露点温度を調整する制御部と、を更に備える構成でもよい。これにより、空調室の露点温度を調整することができる。
【0012】
また、本発明に係るデシカント空調装置は、前記空調室からの還気、または前記空調室内の湿度を検知する湿度センサと、前記湿度センサで検知された前記湿度に基づいて、前記再生ヒータと前記再熱ヒータとのうち少なくとも何れか一方を制御し、前記空調室の湿度を調整する制御部と、を更に備える構成でもよい。これにより、空調室の湿度を調整することができる。
【0013】
また、前記制御部は、前記露点温度センサで検知された露点温度が、設定された露点温度よりも高い場合、又は、前記湿度センサで検知された湿度が、設定された湿度よりも高い場合、前記再生ヒータの出力を上げ、または、前記再熱ヒータの出力を下げるようにしてもよい。これにより、空調室の露点温度を調整することができる。
【0014】
また、前記制御部は、前記露点温度センサで検知された露点温度が、設定された露点温度よりも低い場合、又は、前記湿度センサで検知された湿度が、設定された湿度よりも低い場合、前記再生ヒータの出力を下げ、または、前記再熱ヒータの出力を上げるようにしてもよい。これにより、空調室の湿度を調整することができる。
【0015】
ここで、本発明は、デシカント空調方法として特定することもできる。例えば、本発明は除湿運転と加湿運転が可能なデシカント空調方法であって、除湿運転の際、調湿ロータを少なくとも3つの区域に分割し、前記区域を回転方向において順に除湿区域、加湿区域、再生区域として機能させ、空気を前記除湿区域で除湿し、空調室からの還気と顕熱交換して降温し、降温した前記空気を加湿区域で加湿冷却して前記空調室に供給し、顕熱交換で昇温した還気を加温して、再生区域を再生し、加湿運転の際、前記調湿ロータを前記除湿運転の際における除湿区域を予加湿区域として、同加湿区域を加湿区域として、同再生区域を脱着区域として機能させ、前記空気を予加湿区域で加湿し、前記空調室からの還気と顕熱交換して加温し、加温した空気を当該空気より高温に加熱する加熱手段により更に加温し、前記加湿区域で更に加湿して前記空調室に供給し、一方、顕熱交換で降温した還気に含まれる水分を前記脱着区域に放湿する。加熱手段としては、例えば電気ヒータや蒸気コイル等のそれ自体が発熱する加熱手段が挙げられる。また、コジェネレーション機器の排熱を利用した加熱手段であってもよい。
【0016】
本発明に係るデシカント空調方法によれば、気化式の加湿器を用いることなく、除湿と加湿を行うことができる。また、除湿と加湿の切り替えに際し、給気や排気の系統の変更や、調湿ロータの回転方向の変更を行う必要がないことから、系統の変更や回転方向の変更に伴うエネルギーロスがない。そのため、除湿と加湿とを、従来に比べて高効率で連続して行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、除湿と加湿とを高効率で連続運転可能なデシカント方式による空調技
術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るデシカント空調装置の概略構成を示す。
図2】実施形態に係るデシカント空調装置の調湿ロータ(デシカントロータ)を示す。
図3】実施形態に係るデシカント空調装置の除湿運転時の空気線図の一例を示す。
図4】実施形態に係るデシカント空調装置の加湿運転時の空気線図の一例を示す。
図5】実施形態に係るデシカント空調装置で実行される制御フローの一例を示す。
図6】実施形態に係るデシカント空調装置における再熱ヒータの出力と再生ヒータの出力との関係の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。以下に説明する実施形態は例示にすぎず、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0020】
<デシカント空調装置の構成>
実施形態に係るデシカント空調装置1は、給気路8、排気路9、調湿ロータ2(デシカントロータ)、顕熱交換器11、再生ヒータ12、再熱ヒータ14、排気ファン13、給気ファン15、露点温度センサ16(または湿度センサ(不図示))、制御装置18を備える。
【0021】
給気路8は、空調室Rに空気を導く。より詳細には、給気路8は、一端が空調室Rの外であって外気OAが取り入れ可能な領域に開放され、他端が空調室R内で開放している。給気路8を流れる空気には、外気OA、給気SAが含まれる。給気路8には、空気(外気OA、給気SA)の流れにおいて、上流側から順に、給気ファン15、調湿ロータ2、顕熱交換器11、再熱ヒータ14、調湿ロータ2が配置されている。調湿ロータ2は、顕熱交換器11と給気路8の外気OA取入口との間、及び再熱ヒータ14よりも下流側に、前者には除湿区域が後者には加湿区域がそれぞれ位置するように、給気路8を跨ぐように配置されている。
【0022】
排気路9は、空調室Rからの還気RAを空調室Rの外に導く。より詳細には、排気路9は、一端が空調室R内で開放され、他端が空調室Rの外(例えば屋外)に開放している。排気路9には、還気RAの流れにおいて、上流すなわち室内側から順に、顕熱交換器11、再生ヒータ12、調湿ロータ2、排気ファン13が配置されている。調湿ロータ2は、給気路8と排気路9とを跨ぐように配置されている。還気RAは、最終的に、排気EAとなって空調室Rの外(例えば屋外)に排気される。なお、給気ファン15と排気ファン13は、それぞれ給気路8、排気路9にあればよい。
【0023】
調湿ロータ2は、給気路8を流れる空気(外気OA、給気SA)を調湿する。図2に示すように、調湿ロータ2は、図示しない駆動源によって回転自在であり、調湿ロータ2の両端面側に、チャンバ4、5を備える。チャンバ4、5の内部は各々仕切り板等で3分割され、各区域を空調室Rへの供給空気(外気OA、給気SA)及び還気RAが通過する。調湿ロータ2は、従前の乾式除湿装置に使用されている、例えばシリカゲルを添着したロータ、ゼオライトを添着したロータ、高分子収着剤を添着したロータ、塩化リチウム等の吸湿剤等を含浸させたロータを使用することができる。各チャンバ4、5には、各区域毎に、対応するダクト6、7が接続されている。
【0024】
調湿ロータ2は、除湿運転と加湿運転とで各区域が異なる機能を有する。具体的には、除湿運転の際、調湿ロータ2は、調湿ロータ2の回転方向において、除湿区域2a、加湿
区域2b、再生区域2cとして機能する。各区域の比率は限定されないが、実施の形態では各区域の比率をそれぞれ3分の1ずつとしている。除湿区域2aは、除湿運転の際、通過する外気OAを除湿する。加湿区域2bは、除湿運転の際、通過する外気OAを加湿冷却する。再生区域2cは、除湿運転の際、通過する昇温した還気RAによって再生される。また、加湿運転の際、調湿ロータ2は、調湿ロータ2の回転方向において、予加湿区域2a−1、加湿区域2b−1、脱着区域2c−1として機能する。予加湿区域2a−1は、加湿運転の際、通過する外気OAを予備的に加湿する。加湿区域2b−1は、加湿運転の際、通過する外気を加湿する。脱着区域2c−1は、加湿運転の際、通過する還気RAを除湿する。
【0025】
顕熱交換器11は、給気路8を流れる外気OAと排気路9を流れる還気RAとを顕熱交換する。より詳細には、顕熱交換器11は、気流の流れ方向において調湿ロータ2よりも下流側の給気路8と調湿ロータ2よりも上流側の排気路9に跨って配置されている。
【0026】
再生ヒータ12は、顕熱交換器11を経た還気RAを加温する。より詳細には、再生ヒータ12は、顕熱交換器11よりも下流側かつ調湿ロータ2よりも上流側の排気路9に配置され、除湿運転の際、顕熱交換器11によって昇温した還気RAを加温し、加湿運転の際には停止する。再生ヒータ12は、制御装置18と電気的に接続され、制御装置18によってON、OFF、出力状態が制御される。
【0027】
再熱ヒータ14は、顕熱交換器11を経た外気OAを加温する。より詳細には、再熱ヒータ14は、顕熱交換器11よりも下流側の給気路8に配置され、加湿運転の際、顕熱交換器11によって昇温した外気OAを加温し、除湿運転の際には停止する。再熱ヒータ14は、制御装置18と電気的に接続され、制御装置18によってON、OFF、出力状態が制御される。なお、再生ヒータ12と再熱ヒータ14は蒸気等の温熱媒を受け入れる熱交換器を採用し、ON、OFFは弁で制御してもよい。
【0028】
露点温度センサ16は、調湿ロータ2の下流側の給気路8に設置され、空調室Rに導かれる外気OA(給気SA)の露点温度を検知する。露点温度センサ16には、既存の、露点温度センサを用いることができる。露点温度センサ16は、制御装置18と電気的に接続されており、露点温度センサ16によって検知された露点温度に関する情報は、制御装置18のメモリに記憶される。露点温度センサ16は空調室R内に設置して空調室Rの露点温度を検知するようにしてもよく、また、顕熱交換器11より上流側の排気路9に設置して空調室Rからの還気RAの露点温度を検知するようにしてもよい。
【0029】
また、露点温度センサ16に代えて湿度センサを用いることもできる。湿度センサには、既存の、湿度センサを用いることができる。湿度センサを用いる場合は、空調室R内または顕熱交換器11より上流側の排気路9に設置し、空調室Rまたは空調室Rからの還気RAの湿度(相対湿度)を検知する。
【0030】
制御装置18は、露点温度センサ16で検知された露点温度(或いは湿度センサで検知された相対湿度)に基づいて、再生ヒータ12と再熱ヒータ14とのうち少なくとも何れか一方を制御し、空調室Rの露点温度を調整する。制御装置18は、CPU(中央処理演算装置)、メモリ、操作部、表示部等を備え、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することで、再生ヒータ12又は再熱ヒータ14のON、OFF、出力状態などを制御する。
【0031】
排気ファン13は、調湿ロータ2よりも下流側の排気路9に配置され、還気RAを排気EAとして空調室Rの外へ排気する。給気ファン15は、調湿ロータ2よりも上流側の給気路8に配置され、外気OAを取り込み、給気SAを空調室Rへ供給する。
【0032】
<デシカント空調装置の動作>
次に、実施形態に係るデシカント空調装置1の動作例について、図1に加えて、図3図4に示す空気線図を参照しながら説明する。縦軸は絶対湿度、横軸は乾球温度であり、以下単に「湿度」、「温度」という場合はそれぞれ「絶対湿度」「乾球温度」のことをいう。
【0033】
<<除湿運転>>
図3は、実施形態に係るデシカント空調装置の除湿運転時の空気線図の一例を示す。この運転は夏期などの外気が高温多湿環境にあるときに行われ、この図は、外気OAの温度が32℃、絶対湿度が20g/kg’のときの場合を示す。なお、図3中のa〜iは、それぞれ図1に示すa〜iの位置における空気状態を示している。導入直後の外気OA(図3(a))は、調湿ロータ2の除湿区域2aで除湿されて湿度が低下し、温度が上昇する(図3(b))。次に、外気OAは、顕熱交換器11で還気RAと熱交換して、温度が低下する(図3(c))。温度が低下した外気OAは、(再熱ヒータ14が停止しているのでここでは昇温することなく)加湿区域2bで加湿冷却される(図3(e))。加湿冷却された外気OAは、給気SAとして空調室Rに供給される。
【0034】
一方、空調室Rからの還気RA(図3(f))は、顕熱交換器11で給気SAとなる外気OAと顕熱交換され、温度が上昇する(図3(g))。温度が上昇した還気RAは、再生ヒータ12で加温され、更に温度が上昇する(図3(h))。更に温度が上昇した還気RAは、再生区域2cに送られ、再生区域2cが再生される。再生に伴い、還気RAの温度は低下し、かつ湿度が上昇する(図3(i))。温度が低下しかつ湿度が上昇した還気RAは、排気ファン13によって排気EAとして空調室Rの外へ排気される。
【0035】
<<加湿運転>>
図4は、実施形態に係るデシカント空調装置の加湿運転時の空気線図の一例を示す。この運転は冬期などの外気が低温低湿環境にあるときに行われ、この図は、外気OAの温度が2℃、絶対湿度が2g/kg’、空調室Rの温度が22℃、相対湿度が50%、のときの場合を示す。なお、図4中のa〜iは、それぞれ図1に示すa〜iの位置における空気状態を示している。導入直後の外気OA(図4(a))は、調湿ロータ2の予加湿区域2a−1で予備的に加湿されて湿度が上昇し、温度が低下する(図4(b))。すなわち、回転方向前段の脱着区域2c−1が得た水分が外気OAに付与され、その蒸発潜熱により降温する。次に、外気OAは、顕熱交換器11で還気RAと熱交換して温度が上昇する(図4(c))。温度が上昇した外気OAは、再熱ヒータ14で加温され、更に温度が上昇する(図4(d))。更に温度が上昇した外気OAは、加湿区域2b−1で更に加湿され、すなわち前段の予加湿区域に残っていた水分が再熱ヒータの温熱で放出され、一方、予加湿区域の保有していた室温との顕熱交換後の温度の影響を受けたロータとの熱交換により降温する。湿度が上昇し、温度が低下した外気OAは、給気SAとして空調室Rに供給される。再熱ヒータ14は、外気OAが加湿区域2bを通過後に設定露点温度となるように出力が調整され、図4においては30℃程度まで加温される。湿度が上昇し、温度が低下する(図4(e))。
【0036】
一方、空調室Rからの還気RA(図4(f))は、顕熱交換器11で給気SAとなる外気OAと顕熱交換され、温度が低下する(図4(g))。すなわち、低温低湿の外気が前述の動作でさらに低温となったものと熱交換し降温する。温度が低下した還気RAは、(再生ヒータ12が停止しているためここでは昇温することなく)脱着区域2c−1に送られ、還気RAに含まれる水分が放湿(脱着)される。放湿に伴い、還気RAの温度は上昇し、かつ湿度が低下する(図4(h))。温度が上昇し、かつ湿度が低下した還気RAは、排気ファン13によって排気EAとして空調室Rの外へ排気される。
【0037】
<<制御フロー>>
図5は、実施形態に係るデシカント空調装置で実行される2つのヒータ(再生ヒータ12、再熱ヒータ14)の制御フローの一例を示す。以下に説明する制御フローが実行される場合、前提として、露点温度又は湿度が予め設定されている必要がある。制御装置18のCPUは、制御フロー開始の指令を受け、メモリに記憶された制御部プログラムを読み込むことで制御フローを実行する。以下、露点温度センサ16が給気の露点温度を検知した場合を例に説明するが、露点温度センサ16が空調室または還気RAの露点温度を検知するか、或いは湿度センサが空調室または還気RAの湿度を検知し、制御装置18は、空調室Rの湿度に基づいて制御フローを実行してもよい。
【0038】
ステップS1では、制御装置18は、給気露点温度が予め設定された露点温度よりも高いか否か判断する。具体的には、制御装置18は、露点温度センサ16で検知された給気露点温度とメモリに記憶されている予め設定された露点温度とを比較し、給気露点温度が予め設定された露点温度よりも高いか否か判断する。なお、閾値を設定し、閾値を上回るか否かを判断してもよい。給気露点温度が予め設定された露点温度よりも高い場合、ステップS2へ進む。一方、給気露点温度が予め設定された露点温度よりも高くない場合(低い場合)には、ステップS8へ進む。
【0039】
ステップS2では、制御装置18は、例えば、再生ヒータ12の電源部にアクセスし、再生ヒータ12がONか否か判断する。再生ヒータ12がONの場合、ステップS3へ進む。一方、再生ヒータ12がONでない場合(OFFの場合)、ステップS5へ進む。
【0040】
ステップS3では、制御装置18は、再熱ヒータ14をOFFにする。続いて、ステップS4では、制御装置18は、再生ヒータ12の出力を上げる。その後、ステップS1へ戻り、制御装置18は、制御フローの終了の指令を受けるまで制御フローを実行する。
【0041】
ステップS5では、制御装置18は、例えば、再熱ヒータ14の電源部にアクセスし、再熱ヒータ14がONか否か判断する。再熱ヒータ14がONの場合、ステップS6へ進む。一方、再熱ヒータ14がONでない場合(OFFの場合)、ステップS7へ進む。
【0042】
ステップS6では、制御装置18は、再熱ヒータ14の出力を下げる。また、ステップS7では、制御装置18は、再生ヒータ12をONにする。その後、ステップS1へ戻り、制御装置18は、制御フローの終了の指令を受けるまで制御フローを実行する。
【0043】
ステップS8では、給気露点温度が予め設定された露点温度よりも低いか否か判断する。具体的には、制御装置18は、露点温度センサ16で検知された給気露点温度とメモリに記憶されている予め設定された露点温度とを比較し、給気露点温度が予め設定された露点温度よりも低いか否か判断する。なお、閾値を設定し、閾値を下回るか否かを判断してもよい。給気露点温度が予め設定された露点温度よりも低い場合、ステップS9へ進む。一方、給気露点温度が予め設定された露点温度よりも低くない場合(高い場合)には、ステップS1へ戻り、制御装置18は、制御フローの終了の指令を受けるまで制御フローを実行する。
【0044】
ステップS9では、制御装置18は、例えば、再熱ヒータ14の電源部にアクセスし、再熱ヒータ14がONか否か判断する。再熱ヒータ14がONの場合、ステップS3へ進む。一方、再熱ヒータ14がONでない場合(OFFの場合)、ステップS12へ進む。
【0045】
ステップS10では、制御装置18は、再生ヒータ12をOFFにする。続いて、ステップS11では、制御装置18は、再熱ヒータ14の出力を上げる。その後、ステップS
1へ戻り、制御装置18は、制御フローの終了の指令を受けるまで制御フローを実行する。
【0046】
ステップS12では、制御装置18は、例えば、再生ヒータ12の電源部にアクセスし、再生ヒータ12がONか否か判断する。再生ヒータ12がONの場合、ステップS13へ進む。一方、再生ヒータ12がONでない場合(OFFの場合)、ステップS14へ進む。
【0047】
ステップS13では、制御装置18は、再生ヒータ12の出力を下げる。また、ステップS14では、制御装置18は、再熱ヒータ14をONにする。その後、ステップS1へ戻り、制御装置18は、制御フローの終了の指令を受けるまで制御フローを実行する。
【0048】
図6は、実施形態に係るデシカント空調装置における再熱ヒータの出力と再生ヒータの出力との関係の一例を示す。図6に示すように、再熱ヒータ14と再生ヒータ12とは、何れか一方が動作するよう制御される。なお、実際の運転では、上述したように、夏期のような外気が高温多湿環境下では除湿運転(すなわち再生ヒータ12がON、再熱ヒータ14がOFF)のままほとんど切り替わらず、また冬期のような外気が低温低湿環境下では加湿運転(再熱ヒータ12がOFF、再生ヒータ14がON)の状態のまま切り替わらない。除湿運転、加湿運転の切り替えは、実際には主に中間期に発生する。
【0049】
<効果>
以上説明した実施形態に係るデシカント空調装置1によれば、除湿運転の際、調湿ロータ2を回転方向において除湿区域2a、加湿区域2b、再生区域2cとして機能させ、加湿運転の際、調湿ロータを回転方向において予加湿区域2a−1、加湿区域2b−1、除湿区域2c−1として機能させることで、気化式の加湿器を用いることなく、除湿と加湿を行うことができる。その結果、例えば、夏期における除湿だけでなく、冬期における加湿にも好適に用いることができる。除湿運転(例えば、冷房時)には、通常の冷房では冷水コイルあるいは冷媒を直接用いた直膨の冷却コイルが用いられ、除湿は冷却除湿で行われる。コイル表面で水分が結露することを利用して除湿している。つまり、除湿時に必ずドレン水が発生する。これに対して実施形態に係るデシカント空調装置1では、水が一切発生しない。例えば、実施形態に係るデシカント空調装置1を外気処理に用い、内部での熱負荷の処理を通常の冷水コイルを用いたシステムを採用した場合、外気が十分に除湿されているため内部負荷の処理はドライコイルで十分となる。また、加湿運転(例えば、暖房時)には、通常の暖房では、加熱コイルあるいは冷媒を直接用いたヒートポンプの加熱コイルが用いられるが、そこでは加湿は行われない。加湿は、別途、外気処理用の空調機などに配置された気化式加湿器あるいは電熱式蒸気発生器などで行われる。これらの加湿器には、加湿に必要な水を給水として供給する必要がある。これに対して実施形態に係るデシカント空調装置1は、冷房時同様に水を一切必要としない。このように、実施形態に係るデシカント空調装置1では、気化式の加湿器を用いる必要がないことから、水の管理をする必要もない。
【0050】
また、再生ヒータ12と再熱ヒータ14を備えることで、再生ヒータ12と再熱ヒータ14との切り替えのみで、除湿と加湿を行うことができる。また、除湿運転と加湿運転の切り替えに際し、給気や排気の系統の変更や、調湿ロータの回転方向の変更を行う必要がないことから、系統の変更や回転方向の変更に伴うエネルギーロスがない。そのため、除湿と加湿とを、従来に比べて高効率で連続して行うことができる。
【0051】
<変形例>
露点温度センサ16や湿度センサに代えて、乾球温度センサと湿球温度センサを配置してもよい。そして、乾球温度センサで検知された乾球温度と湿球温度センサで検知された
湿球温度から露点温度又は相対湿度を求めるようにしてもよい。
【0052】
また、実施形態に係るデシカント空調装置1は、外気処理に用いることができ、内部での熱負荷の処理に冷却装置(熱媒温度は結露しない温度)を例えば室内に設置するなどして用いてもよい。この場合、冷却装置の排熱(すなわち熱交換後の熱媒の排熱)を調湿ロータ2の再生するための空気、換言すると再生区域2c又は脱着区域2c−1に導入される空気の加熱(再生ヒータ12のプレヒータとして)に用いてもよい。
【0053】
また、再生区域2cを2c(1)、2c(2)に分割、すなわち調湿ロータ2を4分割して、さらに顕熱交換器11から調湿ロータ2へ向かう流路を2分割し一方(例えば再生区域2c(2)に向かう側)に再生ヒータ12を配置することもでき、顕熱交換器11に導入後の空気を一部はそのまま再生区域2c(1)に導入され、残りは再生ヒータ12によって加熱された後に再生区域2c(2)に導入するようにしてもよい。それぞれの区域に向かう空気の比を条件に応じて変更することで、再生熱量を必要最小限に抑えることが可能になる。
【0054】
なお、上記した種々の内容は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於いて可能な限り組合せることができる。
【符号の説明】
【0055】
1・・・ 給気ファン
2 ・・・調湿装置
3 ・・・調湿ロータ
2a・・・除湿区域(予加湿区域)
2b ・・・加湿区域
2c ・・・再生区域(脱着区域)
8・・・給気路
9・・・排気路
11・・・ 顕熱交換器
12 ・・・再生ヒータ
13 ・・・排気ファン
14・・・再熱ヒータ
R・・・空調室
OA・・・ 外気
SA・・・ 給気
RA・・・ 還気
EA・・・ 排気
図1
図2
図3
図4
図5
図6