(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した規制機構は、障子を閉じた状態でスライド部材が押し上げられていると、ピン部材はガイド溝の幅が広い部位に位置しており障子を開くにつれてピン部材の位置が上昇し、ガイド溝の幅の狭い部位に移動する。すなわち、障子を開き始めたときには、ピン部材は、ガイド溝の幅の広い部位に位置している。
【0007】
障子の、ベース部材が設けられている戸先側は、障子の開放動作である回動により、ガイド溝が設けられている面が傾きつつ回動中心側に移動していく。このため、障子を閉じたときにピン部材がガイド溝の奥側に入り込む掛かり代は、障子の回動と共に小さくなる。
【0008】
一方、枠体は、取り付け時に縦枠が上下方向の中央部が障子と反対側に突出するように反りが生じた状態で取り付けられる場合がある。このように反りが生じた枠体に取り付けられた障子の規制機構は、障子を閉じたときにピン部材の掛かり代が小さくなる。そして、この障子を回動したときには、ピン部材の先端とガイド溝の一方の縁とが係合しないおそれがあり、この状態で障子を閉めることによりピン部材がガイド溝から外れてしまうおそれがあるという課題がある。
【0009】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スライド部材が規制状態のときに障子が閉じられた場合でもガイド溝とピン部材とが係合する規制機構を備えつつ、障子が取り付けられた枠体の縦枠に反りが生じてもピン部材がガイド溝から外れ難い建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために本発明の建具は、枠体と、前記枠体に設けられ回動することにより開閉される障子と、前記障子の開放角度を規制する規制機構と、を備え、前記規制機構は、前記枠体と前記障子とのいずれか一方側にスライド自在に設けられたスライド部材と、前記スライド部材に、一端が揺動自在に支持されたアーム本体、及び、前記アーム本体の他端に設けられ、先端部が基端側より大きな外形をなすピン部材、を有するアームと、前記枠体と前記障子との他方側に設けられ、前記障子が閉じられた状態にて前記一方側に向かって突出されており、前記アームに設けられた前記ピン部材が内部に収容され、前記障子の回動に伴って前記アームが揺動しつつ前記ピン部材を案内するためのガイド溝を有するベース部材と、を備えた建具であって、前記ガイド溝は、前記ピン部材の前記先端部が挿通可能な幅広部と、前記幅広部と繋がって設けられ、前記ピン部材の前記先端部が挿通不能であり前記ピン部材の前記基端側より幅が広く形成され前記障子の開閉に伴う前記ピン部材の移動を案内する幅狭部と、を有し、前記規制機構は、前記障子が閉じられた状態にて前記スライド部材をスライドさせる操作をすることにより、前記ピン部材が前記ガイド溝内に位置する前記開放角度の規制状態と、前記ピン部材が前記ガイド溝外に位置する前記開放角度の規制解除状態と、が切り替えられ、前記障子が開放された状態にて前記規制解除状態から前記規制状態に前記スライド部材がスライドされて移動された前記ピン部材を、当該障子が閉止される際に、前記ベース部材の前記一方側に案内して前記先端部を前記幅広部に挿通させる案内部を有し、前記障子が所定量開かれたときに前記アーム本体を前記ベース部材側に移動させる移動機構を備えていることを特徴とする建具である。
【0011】
このような建具によれば、ガイド溝が、ピン部材が移動する幅狭部と繋がり、ピン部材の先端部が挿通可能な幅広部を有しており、障子が開放された状態で規制状態の位置に位置するピン部材を、障子が閉止される際に、ベース部材の一方側に案内して先端部を幅広部に挿通させる案内部を有しているので、規制状態の位置にピン部材が位置する状態で障子を閉じたとしても、規制機構を損傷することなくピン部材とガイド溝とを係合させることが可能である。また、障子が所定量開かれたときにアーム本体をベース部材側に移動させる移動機構を備えているので、障子を所定量開いたときには、ピン部材のガイド溝に対する掛かり代が大きくなる。このため、たとえ障子が取り付けられている枠体の縦枠に、障子との間隔が広がるような反りが生じたとしてもピン部材がガイド溝から外れることを防止することが可能である。
【0012】
かかる建具であって、前記アーム本体が前記ベース部材側に移動されるときの前記所定量は、前記ガイド溝において前記ピン部材が前記幅広部から前記幅狭部に移動する前までに前記障子が開かれる移動量であることが望ましい。
【0013】
このような建具によれば、ピン部材が幅広部から幅狭部に移動する前にアーム本体がベース部材側に移動されるので、ピン部材が幅狭部に移動するときには、アーム本体がよりベース側、すなわちピン部材の先端は、ガイド溝よりも奥側に位置している。このため、ピン部材がガイド溝から外れることをより確実に防止することが可能である。
【0014】
かかる建具であって、前記移動機構は、前記アーム本体を前記スライド部材側に付勢する付勢部材と、前記スライド部材に設けられ、前記障子が所定量開かれたときに、前記付勢部材の付勢力に抗して前記アーム本体を前記スライド部材から離れる方向に移動させ、当該スライド部材から突出され、揺動する前記アーム本体が乗り上げる突起と、を有することが望ましい。
【0015】
このような建具によれば、アーム本体が回動自在に支持されているスライド部材に、障子が所定量開かれたときに、揺動するアーム本体が乗り上げることによりアーム本体をスライド部材から離れる方向に移動させる突起が突出されているので、障子が所定量開かれたときには、アーム本体が突起を乗り上げてより確実にピン部材がガイド溝から外れることを防止することが可能である。また、アーム本体はスライド部材側に付勢する付勢部材の付勢力に抗して突起に乗り上げるので、突起から外れたときには、速やかに元の位置に戻すことが可能である。
【0016】
かかる建具であって、前記移動機構は、前記アーム本体と前記スライド部材との間に介在され前記アーム本体と前記スライド部材とが互いに離れる方向に付勢される付勢部材と、前記スライド部材が設けられている部材に設けられ、前記障子を閉じるときに、前記付勢部材の付勢力に抗して前記アーム本体を前記所定位置に案内するアームガイドと、を有することが望ましい。
【0017】
このような建具によれば、アーム本体は、アーム本体とスライド部材との間に介在された付勢部材によりスライド部材から離れる方向に付勢されており、障子を閉じるときには付勢部材の付勢力に抗して所定位置に案内される。このため、障子が閉じられたときにはアーム本体が所定位置に配置され、所定量開かれた後にはアーム本体をスライド部材から離れる方向に付勢してより確実にピン部材がガイド溝から外れることを防止することが可能である。また、障子を閉じる際にはアームガイドによりアーム本体を、より確実に所定位置に移動させることが可能である。
【0018】
また、枠体と、前記枠体に設けられ回動することにより開閉される障子と、前記障子の開放角度を規制する規制機構と、を備え、前記規制機構は、前記枠体と前記障子とのいずれか一方側にスライド自在に設けられたスライド部材と、前記スライド部材に、一端が揺動自在に支持されたアーム本体、及び、前記アーム本体の他端に設けられ、先端部が基端側より大きな外形をなすピン部材、を有するアームと、前記枠体と前記障子との他方側に設けられ、前記障子が閉じられた状態にて前記一方側に向かって突出されており、前記一方側に位置する前記アームに設けられた前記ピン部材が内部に収容され、前記障子の回動に伴って前記アームが揺動しつつ前記ピン部材を案内するためのガイド溝を有するベース部材と、を備えた建具であって、前記スライド部材をスライドすることにより、前記ピン部材が前記ガイド溝内に位置する前記開放角度の規制状態と、前記ピン部材が前記ガイド溝外に位置する前記開放角度の規制解除状態と、が切り替えられ、前記障子が開放された状態にて前記規制解除状態から前記規制状態に前記スライド部材がスライドされて移動された前記ピン部材を、当該障子が閉止される際に、前記ベース部材の前記一方側に案内して前記先端部を前記幅広部に挿通させる案内部を有し、前記ガイド溝は、前記ピン部材の前記先端部が挿通可能な幅広部と、前記幅広部と繋がって設けられ、前記ピン部材の前記先端部が挿通不能であり前記ピン部材の前記基端側より幅が広く形成され前記障子の開閉に伴って前記ピン部材が移動する幅狭部と、を有し、前記ベース部材は、前記障子を閉じた状態で、前記幅広部が形成されている部位が、前記幅狭部より前記アーム本体側に位置していることを特徴とする建具である。
【0019】
このような建具によれば、ベース部材において、ガイド溝の幅がピン部材の先端の外形サイズより大きな幅広部が設けられた部位は、障子の開閉に伴ってピン部材が移動する幅狭部が設けられた部位よりアーム本体側に位置しているので、ピン部材が幅広部に位置するときには、幅狭部に位置するときよりピン部材の掛かり代が大きく確保されている。このため、たとえ障子が取り付けられる枠体の縦枠に反りが生じていたとしても、ピン部材が幅狭部に移動する前にガイド溝から外れることを抑えることが可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スライド部材が規制状態のときに障子が閉じられた場合でもガイド溝とピン部材とが係合する規制機構を備えつつ、障子が取り付けられた枠体の縦枠に反りが生じてもピン部材がガイド溝から外れ難い建具を提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1実施形態に係る建具について図面を参照して説明する。
以下の説明では、建物等に取り付けられた建具を屋外側から見たときに上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向、屋内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。また、建具を構成する各部材及び各部位については、単体の状態であっても建具が取り付けられた状態で上下方向、左右方向、見込み方向等となる方向にて方向を特定して説明する。
【0023】
本実施形態の建具10は、
図1に示すように、建物等に取り付けられた状態にて上下に位置する横枠12aと、左右に位置する縦枠12b、12cとが矩形状に接合された枠体12と、枠体12に設けられて回動することにより開閉される障子14と、障子14の開放角度を規制する規制機構20とを備えている。この建具10は、障子14の左右方向における一方の端部側(本実施形態では、左側)が上下の横枠12aに回動自在に支持されているとともに、上下の横枠12aに沿って移動可能に設けられ、障子14が回動しつつ他方の端部側(本実施形態では右側)が屋外側に突き出していく縦辷り出し窓である。
【0024】
障子14は、面材としてのガラス14aを有しガラス14aの上下に位置する横框14bと、左右に位置する縦框14c、14dとが矩形状に接合されている。すなわち、上下の横框14bが左側にて上下の横枠12aに支持されているので、左側の縦框14cが吊元框であり右側の縦框14dが戸先框である。
【0025】
障子14の戸先框14dの屋内側には、見込み方向に沿う軸を中心として回動するハンドル14eが設けられており、ハンドル14eを回動することにより、縦辷り出し窓の施錠及び解錠状態を切り替える施錠機構が右側の縦枠12cとの間に設けられている。また、障子14の戸先框14dと、右側の縦枠12cとの間に、障子14の開放角度を規制する規制機構20が設けられている。
【0026】
本実施形態の規制機構20は、
図1〜
図3に示すように、右側の縦枠(以下、右縦枠という)12cの内側面に基部材22を介してスライド自在に設けられたスライド部材24と、スライド部材24に一端が揺動自在に支持されたアーム本体28、及び、アーム本体28の他端に設けられたピン部材30を有するアーム26と、障子14の戸先框14dの外面側に設けられピン部材30を案内するためのガイド溝51を有するベース部材50と、を有している。
【0027】
戸先框14dと右縦枠12cとの間に設けられた規制機構20は、障子14を閉止した状態において右縦枠12cに設けられたスライド部材24の戸先框14d側にて、上端側が支持されたアーム26は、アーム本体28が戸先框14d及び右縦枠12cとほぼ平行に配置され、下端側に設けられたピン部材30が戸先框14d側に設けられたベース部材50の溝51に挿入されるように配置されている。すなわち、戸先框14d及び右縦枠12cとほぼ平行に配置されたアーム本体28の上端側であって右縦枠12c側に基部材22及びスライド部材24が設けられ、アーム本体28の下端側であって戸先框14d側にベース部材50が設けられている。そして、ベース部材50の右縦枠12c側であって、基部材22及びスライド部材24の下方側には、アーム26のピン部材30が設けられている部位が、ベース部材50を乗り上げて移動可能な空隙16(
図4)が設けられている。
【0028】
右縦枠12cに設けられた基部材22は、金属製のほぼ長方形状をなす板材が、上下の端部が段曲げされて形成された固定部22aにて右縦枠12cに固定され、中央部分に右縦枠12cと間隔を隔ててほぼ平行な平面をなす被摺動部22bを有している。被摺動部22bにはスライド部材24が対面するように配置されるとともにスライド自在に取り付けられる。
【0029】
被摺動部22bには、右縦枠12cの長手方向すなわち上下方向に長く形成され、上下の端部側にそれぞれ設けられた2つの長孔22cと、長孔22cとほぼ平行をなす縦縁部22dと円弧状をなす円弧縁部22eとを有する屈曲孔22fとが設けられている。また、被摺動部22bの下端にはアーム26がほぼ鉛直の姿勢から屋内側に揺動することを防止するストッパー22hが設けられている。ストッパー22hは、アーム本体28を当接部22iに誘導するとともにアーム本体28が屋内側に揺動することを防止すべく設けられている。より具体的には、障子14が開放された状態にて規制解除状態から規制状態にスライド部材24がスライドされることによりピン部材30が移動された状態で障子14を閉じるときに、ピン部材30が案内部50dに沿って移動して幅広部51bに挿通される際に、アーム本体28を規制しながら当接部22iに誘導する役割をしている。
【0030】
スライド部材24は、基部材22の被摺動部22bと対面して摺動する摺動板部24aと、摺動板部24aから屋内側に繋がって当該摺動板部24aとほぼ直角をなすように設けられた操作腕部24bと、操作腕部24bの先端側に屋内側に突出するように嵌合された操作把持部24cとを有している。
【0031】
摺動板部24aには、基部材22の右縦枠12c側から長孔22cに挿通されたスライドピン24dが、摺動板部24aの上端側の右側の部位と下端側の左側の部位とにそれぞれ固定されている。このため、スライドピン24dが長孔22c内を移動可能な範囲にて、スライド部材24は上下方向にスライドすることが可能である。
【0032】
スライド部材24の上端側と下端側とに設けられたスライドピン24dの間の領域には、基部材22から離れる方向に僅かに隆起されたアーム支持部24eが形成されている。アーム支持部24eには、上部側にアーム26の回動中心となる一方の端部としての上端部26aが回動自在に支持される回動軸孔24fと、回動軸孔24fと同心にて当該回動軸孔24fの外側に配置された円弧状のアームガイド孔24gが設けられている。アームガイド孔24gは、その上側の縁が、上下にスライド可能なスライド部材24が上側の位置に配置された状態で、基部材22の円弧縁部22eと重なるように構成されている。
【0033】
アーム支持部24eには、アームガイド孔24gと同心をなし当該アームガイド孔24gの外周側に弧を描くように、アーム支持部24eよりさらに基部材22から離れる方向に僅かに隆起させたアーム移動突起25が設けられている。アーム移動突起25は、2つの異なる高さの隆起部からなり、回動軸孔24fの真下側に隆起高さが低い低隆起部25aが設けられ、低隆起部25aと繋がって操作腕部24bと反対側に設けられ、低隆起部25aより隆起高さが高い突起としての高隆起部25bが設けられている。アーム移動突起25については後述する。
【0034】
アーム26は、剛性を高めるために絞り加工された金属板でなるアーム本体28と、アーム本体28の揺動先端側にかしめられたピン部材30と、アーム本体28の上端部26a側に回動中心に設けられる回動ピン27と間隔を隔てて僅かに揺動端側にかしめられた規制ピン29と、を有している。
【0035】
ピン部材30は、かしめられている端部とは反対側となる先端部に、かしめられた端部側より拡径された拡径部30aを有し、拡径部30aとアーム本体28との間の軸部30bの外周にカラー33が回動自在に設けられている。規制ピン29はアーム本体28のスライド部材24側に、ピン部材30はアーム本体28のスライド部材24とは反対側にそれぞれ設けられている。
【0036】
アーム26は、アーム本体28の上端部26a側に設けられた孔28aを貫通する回動ピン27がスライド部材24の回動軸孔24fに固定されている。回動ピン27は、アーム本体28の孔28aより僅かに細い軸部27aと軸部27aより拡径された頭部27bとを有しており、軸部27aは、アーム本体28の厚みより十分に長く形成されている。
【0037】
アーム本体28と回動ピン27の頭部27bとの間には付勢部材としての円錐コイルばね31が介在されており、アーム26はスライド部材24側に当接されるように円錐コイルばね31により付勢されている。このように、アーム本体28と回動ピン27の頭部27bとの間に円錐コイルばね31が介在されているため、たとえアーム26の揺動先端側が回動ピン27の軸部27aに沿う方向に移動しても、アーム26は上端部26a側にて円錐コイルばね31を圧縮して傾くことが許容されるので、アーム26の変形を抑えることが可能である。本実施形態では、付勢部材を円錐コイルばね31としたが、ばねの伸縮方向において内径が相違しないコイルばね、皿ばね、板ばねなどのばね及びゴムなどの部材であっても良い。
【0038】
アーム26がスライド部材24側に当接された状態では、規制ピン29がスライド部材24のアームガイド孔24gと屈曲孔22fとに貫通されている。そして、スライド部材24がスライド可能な範囲の下端に位置するときには、規制ピン29はアームガイド孔24gの最も屋内側に位置するとともに、屈曲孔22fの縦縁部22dに沿う位置の下端側に位置している。このとき、アーム26は下端が僅かに屋外側に位置するが、長手方向がほぼ鉛直方向に向くような姿勢を維持している。
【0039】
そして、操作把持部24cが上方へ操作されてスライド部材24が上方へスライドされると、スライド部材24がスライド可能な範囲の上端に移動する。このとき、アーム26は、円錐コイルばね31に押圧されてアーム本体28が低隆起部25aに押し付けられ、ほぼ鉛直の姿勢を維持したままでスライド部材24とともに上昇する。このとき規制ピン29はアームガイド孔24gの最も屋内側に位置したままで屈曲孔22fの縦縁部22dに沿う位置の上端側すなわち円弧縁部22eの屋内側の端部に移動する。スライド部材24がスライド可能な範囲の上端に位置すると、アームガイド孔24gの上縁と円弧縁部22eとが重なり、規制ピン29は、アームガイド孔24gの上縁と円弧縁部22eとに沿って円弧状の軌道をとって移動可能となり、アーム26が揺動可能となる。
【0040】
図2〜
図4に示すように、障子14の戸先框14dの外面側に、右縦枠12c側に向かって突出させて設けられたベース部材50は、金属製のほぼ長方形状をなす板材が、上下の端部が段曲げされて形成された固定部50aが戸先框14dに固定され、上下の固定部50a間の中央部分は戸先框14dと間隔を隔て、右縦枠12cの内周面側に向かう側板部50bを有し、上下の固定部50aと側板部50bとは連結部50cにて繋がっている。
【0041】
側板部50bと下側の連結部50cとには、側板部50bから下側の連結部50cに繋がって、上下方向に沿うガイド溝51が設けられている。側板部50bの屋外側の縁と屋内側の縁の下端部を除く部位は、戸先框14d側にほぼ直角に折り曲げられて剛性が高められている。また、側板部50bの屋内側及び屋外側の縁の下端部には、ベース部材50より右縦枠12c側へピン部材30を案内するための案内部50dが設けられている。案内部50dは側板部50bから繋がった傾斜面50eを形成する部位であり、見込み方向において屋内側および屋外側から側板部50bに向かって、それぞれ戸先框14dから離れるように傾斜している。案内部50dは、
図4、
図5に示すように、スライド部材24がスライド可能な範囲の上端に配置された際にピン部材30が位置する高さとほぼ同じ位置に設けられている。
【0042】
側板部50bから下側の連結部50cに亘って設けられたガイド溝51は、
図5に示すように、側板部50bの下端側に、ピン部材30の拡径部30aの外形サイズより幅が広い幅広部51bと、ピン部材30の拡径部30aの外形サイズより幅が狭く、拡径部30aより基端側に設けられたカラー33の直径より幅が僅かに広い幅狭部50aとを有している。幅狭部50aは、幅広部51bの幅を直径とする半円状をなす幅広部51bの上縁と繋がって鉛直方向に設けられており、幅狭部50aの上縁は、幅狭部50aの幅を直径とする半円状をなしている。幅広部51bと幅狭部50aとは、側板部50bにおいて見込み方向の中央から見込方向に振り分けて配置され、幅広部51bは、屋内側および屋外側に各々設けられた案内部50dの間に位置するように形成されている。ここで、本実施形態のベース部材50は、左右のいずれの側から開く障子に対応すべく、屋内側と屋外側とにそれぞれ案内部50dが設けられている例について説明したが、必ずしも両側に設けられている必要はなく、障子14が開放された状態にて規制解除状態から規制状態にスライド部材24がスライドされて障子14を閉じられる際に、ピン部材30が接触する側に設けられていればよい。
【0043】
戸先框14dに固定されたベース部材50は、
図5(a)に示すように、障子14が閉じられた状態にて右縦枠12c側に向かって突出されており、右縦枠12c側に設けられたスライド部材24が上側に位置するときに、ベース部材50の右縦枠12c側に位置するアーム本体28に設けられたピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bに位置するとともにベース部材50の内部、すなわち、側板部50bと戸先框14dとの間に収容される。
【0044】
スライド部材24が上側に位置してピン部材30の拡径部30aが幅広部51bに位置するときに、障子14が外側に開かれると、障子14の回動に伴ってアーム26が揺動しつつガイド溝51に案内されてピン部材30が上昇し始める。このとき、アーム本体28は、円錐コイルばね31により低隆起部25aに押し付けられた状態で、ピン部材30が幅広部51bの屋内側の縁に引っ張られることによりピン部材30が上昇するように回動し始める。
【0045】
障子14を開き続けると、アーム本体28は、低隆起部25aと高隆起部25bとの境界に押し付けられながら回動し、ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至る前に、アーム26が、アーム本体28が高隆起部25bに乗り上げ始める。アーム本体28が高隆起部25bに乗り上げ始めることにより、アーム本体28は屋外側が戸先框側に位置するように傾斜し始める。これに伴ってピン部材30も傾斜し、拡径部30aの屋外側の縁の位置が、低隆起部25aに押し付けられていたときより戸先框14d側に移動する。ここで、高隆起部25bに乗り上げてアーム26を揺動する機構部分がアーム本体28をベース部材50側に移動させる移動機構に相当する。
【0046】
そして、アーム26が更に回動すると、
図5(b)に示すように、アーム本体28が高隆起部25bにてスライド部材24の摺動板部24aとほぼ平行となり、ピン部材30の拡径部30aは、側板部50bと戸先框14dとの間にて、より戸先框14d側に位置して、ピン部材30の、側板部50bより戸先框14d側に突出する量となる掛かり代Xが、アーム本体28が低隆起部25aに押し付けられていたときより大きくなる。尚、
図5(b)においては、便宜上ベース部材50を一点鎖線にて示している。
【0047】
ピン部材30のベース部材50に対する掛かり代Xが大きくなった状態で、更に障子14を開くと、ピン部材30の拡径部30aが側板部50bより戸先框14d側に案内され、その後、ピン部材30がガイド溝51の上端に当接するか、又は、規制ピン29がアームガイド孔24g或いは円弧縁部22eに沿った屋外側の端部に当接してアーム26が揺動できなくなった位置にて障子14の開放角度が規制される。
【0048】
開放角度が規制された障子14を閉じる方向に回動すると、幅狭部51aの屋内側の縁によるピン部材30の屋内側への規制が解除されると共に、幅狭部51aの屋外側の縁に押されることによりピン部材30が下方に移動するようにアーム26が回動する。アーム26は、円錐コイルばね31により押し付けられて高隆起部25bを摺動しつつ回動し、低隆起部25aに至ったときに、ピン部材30の位置が右縦枠12c側に戻され、障子14が閉じたときに、アーム本体28がほぼ鉛直の姿勢にてストッパー22hに当接し回動が停止される。
【0049】
また、障子14が閉じられた状態にて右縦枠12c側に設けられたスライド部材24が下側へスライドされると、
図4に示すように、右縦枠12c側に位置するアーム本体28に設けられたピン部材30は下側の連結部50cのガイド溝51からベース部材50の下方へ移動しガイド溝51の外に配置される。スライド部材24が下側に位置するときに、障子14が外側に開かれると、ピン部材30はベース部材50と接触しないのでアーム26は回動しない。このため、障子14は規制機構20にて規制されることなく最も大きく開放される。
【0050】
スライドされたスライド部材24が移動可能な範囲の上端に位置して、ピン部材30がガイド溝51内に位置する場合には、障子14を開くと開放角度が規制されるので、スライド部材24が上に位置する状態が規制状態であり、スライドされたスライド部材24が移動可能な範囲の下端に位置して、ピン部材30がガイド溝51外に位置する場合には、障子14を開いても開放角度は規制されないので、スライド部材24が下に位置する状態が規制解除状態である。すなわち、スライド部材24を上下にスライドすることにより開放角度の規制状態と規制解除状態とを切り替えることが可能である。
【0051】
本実施形態の建具10が備える規制機構20は、スライド部材24が下側に位置する規制解除状態にて障子14が開放され、スライド部材24がスライドされて規制状態にされた後、障子14が閉められた場合であっても、障子14を閉じるだけで、アーム26のピン部材30の先端側が、ガイド溝51の幅広部51b内に位置するように構成されている。
【0052】
具体的には、障子14が開放開度を規制されることなく開放されて、スライド部材24が上側に位置しアーム26が
図6(a)に示すような規制状態の位置にあるときに、障子14が閉じられると、
図6(b)に示すように、ほぼ鉛直の姿勢をなすアーム26のピン部材30に戸先框14dに設けられたベース部材50の案内部50dが接触する。
【0053】
さらに障子14を閉じると、
図6(c)に示すように、ピン部材30が案内部50dの傾斜面50eを摺動しつつアーム本体28は、上端部側が円錐コイルばね31を圧縮しつつ下端側が右縦枠12c側に位置するように傾斜する。このとき、ピン部材30は、円錐コイルばね31の反発力により案内部50dおよび側板部50bに押圧されつつ摺動する。そして、障子14が閉じられて幅広部51bがピン部材30と対向する位置に至ると、
図6(d)に示すように、ピン部材30が幅広部51bから戸先框14d側に進入し、アーム本体28がほぼ鉛直の姿勢に復帰する。
【0054】
ところで、このような建具10は、施工現場の状況等により枠体が必ずしも正確な矩形をなしているとは限らない。例えば、規制機構20のアーム26が取り付けられる縦枠12cの上下方向における中央側が外周側に突出するように反りが生じるおそれがある。アーム26が取り付けられる縦枠12cに反りが生じている場合には、たとえ規制機構20を適切に取り付けたとしても、高隆起部25bが設けられていない場合には、
図7(a)に示すように、ピン部材30のベース部材50に対する掛かり代Xが小さくなる。このため、障子14を開くことにとより縦枠12cから離れる方向に移動する戸先框14dに設けられたベース部材50との掛かり代Xが更に小さくなり、ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至る前に、
図7(b)に示すようにピン部材30の拡径部30aが幅広部51bの室外側の縁から外れししまうおそれがある。ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至る前に、幅広部51bの室外側の縁から外れししまうと、障子14の開放角度を規制できないおそれがあるとともに、たとえ開放角度を規制できたとしても、障子14を閉じるときに、アーム26とベース部材50との係合が解除されてしまうおそれがある。
【0055】
このため、本願の建具10では、アーム本体28を高隆起部25bに沿って摺動させることにより予めピン部材30を戸先框14d側に移動可能な構成とし、たとえ縦枠12cに反りが生じた場合であっても、ピン部材30とベース部材50との必要な掛かり代Xを十分に確保できるようにしている。
【0056】
また、
図8(a)に示すように、ピン部材30の拡径部30aが幅広部51bから幅狭部51aに移動する前にアーム本体28がベース部材50側に移動されるので、ピン部材30の拡径部30aが幅狭部51aに移動するときには、アーム本体28がよりベース部材50側、すなわちピン部材30の拡径部30aは、側板部50bと戸先框14dとの間にて、より戸先框14d側に位置している。このため、障子14の開放開度が規制される位置まで障子14を平板としても、
図8(c)に示すように、ピン部材30がガイド溝51から外れることをより確実に防止することが可能である。
【0057】
また、アーム本体28が回動自在に支持されているスライド部材24に、ピン部材30の拡径部30aが幅広部51bから幅狭部51aに移動する前まで障子14が開かれたときに、揺動するアーム本体28が乗り上げることによりアーム本体28をスライド部材24から離れる方向に移動させる高隆起部25bが突出されているので、ピン部材30の拡径部30aが幅広部51bから幅狭部51aに移動する前まで障子14が開かれたときには、アーム本体28が高隆起部25bを乗り上げてより確実にピン部材30がガイド溝51から外れることを防止することが可能である。また、アーム本体28はスライド部材24側に付勢する円錐コイルばね31の付勢力に抗して高隆起部25bに乗り上げるので、高隆起部25bから外れたときには、速やかに元の位置に戻すことが可能である。
【0058】
第1実施形態の規制機構20は、ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至る前に、ピン部材30のベース部材50に対する掛かり代Xを大きくする構成を、スライド部材24に高隆起部25bを設けることにより実現しているので、部材を増やすことなく、既存の部材に加工を追加するだけの簡単な構成にて実現している。このため、製造及び組立がし易く、且つコストを抑えることが可能である。
【0059】
次に、本発明の第2実施形態の建具10が備える規制機構20について説明する。
以下の説明において、前述した実施形態と同一構成については図中で同符号を付して示し、その説明については省略する。
【0060】
第2実施形態の建具10が備える規制機構20は、第1実施形態にて回動ピン27の頭部27bとアーム本体28の上端部との間に設けられていた円錐コイルばね31が、
図9に示すように、スライド部材24とアーム本体28の上端部との間に設けられており、基部材22にストッパー22hが設けられていた部位にアーム本体28のガイド部23aを有するアームガイド23が設けられている。また、第1実施形態にてスライド部材24に設けられていた高隆起部25bが設けられていない点で第1実施形態の建具が備える規制機構20と相違している。
【0061】
第2実施形態のアーム26は、円錐コイルばね31がアーム本体28とスライド部材24との間に介在されているので、常に戸先框14d側に付勢されている。
また、基部材22に設けられているアームガイド23は、アーム本体28が屋内側に揺動することを防止すべくアーム本体がほぼ鉛直の姿勢で当接される当接部23bと、当接部23bと繋がって屋外側に向かって被摺動部22bから離れる方向に傾斜しアーム26が揺動する際にアーム本体28がガイドされるガイド部23aを有している。ガイド部23aは、障子14が開放された状態にて規制解除状態から規制状態にスライド部材24がスライドされることによりピン部材30が移動された状態で障子14を閉じるときに、ピン部材30が案内部50dに沿って移動し幅広部51bに挿通れる際に、アーム本体28を規制しながら当接部23bに誘導する役割をしている。
【0062】
当接部23bは、第1実施形態において障子14を閉じた状態にてピン部材30の拡径部30aが配置され得る位置と同じ位置に配置されるように、アーム本体28が当接する左右方向の幅が決められている。ガイド部23aは、当接部23bの戸先框14d側の縁から繋がって形成されている。ガイド部23aの先端は、障子14が開かれてアーム26が屋外側に突出するように揺動したときに、ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至る前に、ガイド部23aからアーム本体28が外れるように形成されている。第2実施形態では、第1実施形態にて、アーム本体28が、高隆起部25bに至る位置と同じ位置で、アーム本体28がアームガイド23のガイド部23aから外れるように形成されている。
【0063】
第2実施形態の規制機構20の場合には、
図10(a)に示すように、スライド部材24が上側に位置してピン部材30の拡径部30aが幅広部51bに位置するときに、障子14が外側に開かれると、障子14の回動に伴ってアーム26が揺動しつつガイド溝51に案内されてピン部材30が上昇し始める。このとき、アーム本体28は、円錐コイルばね31によりアームガイド23のガイド部23aに押し付けられた状態で、ガイド部23aに沿って戸先框14d側移動しつつピン部材30が上昇するように回動し始める。
【0064】
障子14を開き続け、ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至る前に、
図10(b)に示すように、アーム本体28は、ガイド部23aから外れて円錐コイルばね31により付勢された状態となって回動する。アーム本体28がガイド部23aから外れることにより、ピン部材30の位置が、アーム本体28が当接部28bに当接していたときより戸先框14d側に位置し、ピン部材30の、側板部50bより戸先框14d側に突出する量となる掛かり代が、アーム本体28が当接部28bに当接していたときより大きくなる。ここで、第2実施形態においては、円錐コイルばね31によりアームガイド23のガイド部23aに押し付けられた状態でアーム26が揺動する機構部分がアーム本体28をベース部材50側に移動させる移動機構に相当する。
【0065】
第2実施形態の建具10によれば、アーム本体28は、アーム本体28とスライド部材24との間に介在されアーム本体28とスライド部材24との間に設けられた円錐コイルばね31によりスライド部材24から離れる方向に付勢されているが、ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至る前まで障子14が開かれていないときにはアームガイド23により当接部23bに当接される位置に維持されている。このため、ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至る前にはアーム本体28をガイド部23aによりガイドし、ピン部材30の拡径部30aがガイド溝51の幅広部51bと幅狭部51aとの境界部分に至った後にはアーム本体28がガイド部23aから外れてスライド部材24から離れる方向に付勢してより確実にピン部材30がガイド溝51から外れることを防止することが可能である。また、ガイド部23aは、障子14を閉じる際にアーム本体28を当接部に当接される位置に案内するので、確実にアーム本体28を元の位置に移動させることが可能である。
【0066】
本発明の第3実施形態の建具10が備える規制機構20について説明する。
第3実施形態の建具10が備える規制機構20は、第1実施形態にてスライド部材24に設けられていた高隆起部25bが設けられておらず、ベース部材50の側板部50bが、幅広部51bが形成されている下側板部50fが、幅狭部51aが形成されている上側板部50gより右縦枠12c側に突出している点で第1実施形態の建具10が備える規制機構20と相違している。
【0067】
第3実施形態の場合には、障子14を閉じた状態にて、側板部50bの幅広部51bが形成されている下側板部50fが、予め上側板部50gよりアーム本体28側に位置するように構成されている。このため、ピン部材30が幅広部51bに位置するときに、ピン部材30のベース部材50に対する掛かり代Xaが、ピン部材30が幅狭部51aに位置するときの掛かり代Xbより大きくなるように形成されている。
【0068】
本発明の第3実施形態の建具10が備える規制機構20の場合には、ベース部材50において、幅広部51bが設けられた下側板部50fは、障子14の開閉に伴ってピン部材30が移動する幅狭部51aが設けられた上側板部50gよりアーム本体28側に位置しているので、ピン部材30が幅広部51bに位置するときには、幅狭部51aに位置するときよりピン部材30の掛かり代が大きく確保されている。このため、たとえ障子14が取り付けられる枠体12の縦枠12cに反りが生じていたとしても、ピン部材30が幅狭部51aに移動する前にガイド溝51から外れることを抑えることが可能である。第3実施形態においては、下側板部50fと上側板部50gとが段差を有するベース部材50に形成されたガイド溝51に案内されてアーム26が揺動する機構部分がアーム本体28をベース部材50側に移動させる移動機構に相当する。
【0069】
上記実施形態においては、スライド部材24及びアーム26を枠体12側に、ベース部材50を障子14側に設けた例について説明したが、枠体側にベース部材を設け、障子側にスライド部材及びアームを設けた構成としても良い。
【0070】
上記実施形態においては、建具を縦辷り出し窓としたが、これに限るものではなく、開き窓、横辷り出し窓、突き出し窓、外倒し窓など、回動することにより開放される窓を構成する建具であれば構わない。
【0071】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。