特許第6178259号(P6178259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178259
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】決済端末及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20170731BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20170731BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20170731BHJP
【FI】
   G07G1/01 301C
   G07G1/12 321P
   G07G1/12 301C
   G06F3/048
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-29740(P2014-29740)
(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公開番号】特開2015-153396(P2015-153396A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 平安
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−148885(JP,A)
【文献】 特開2004−287702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/12
G06F 3/048− 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる複数の決済種別選択ボタンの中から選択された決済種別と、前記複数の取引種別選択ボタンの中から選択された取引種別との組み合わせ毎に、選択された回数を集計する集計手段と、
前記異なる複数の決済種別にそれぞれ対応する複数の決済種別選択ボタンを生成して、少なくとも1階層の画面に表示する第1の表示手段と、
前記第1の表示手段に表示された複数の決済種別の何れかの決済種別が選択されたことを条件として、選択された決済種別で行う複数の取引種別にそれぞれ対応する複数の取引種別選択ボタンを生成して表示する第2の表示手段と、
前記集計手段の集計結果に基づいて、前記複数の決済種別選択ボタンの中から選択された決済種別の名称と、前記複数の取引種別選択ボタンの中から選択された取引種別の名称とを組み合わせた名称を有する複合ボタンを生成して表示する第3の表示手段と、
前記複合ボタンを操作することによって、当該複合ボタンに付されている名称に含まれている決済種別の名称に対応する決済種別の選択と、当該複合ボタンに付されている名称に含まれている取引種別の名称に含まれている取引種別の選択とにより特定される処理を実行する実行手段と、
を備えることを特徴とする決済端末。
【請求項2】
前記第3の表示手段は、前記複数の決済種別選択ボタンの中から選択された決済種別と、複数の取引種別選択ボタンの中から選択された取引種別と、の組み合わせに応じて前記複合ボタンを生成して表示する
ことを特徴とする請求項1記載の決済端末。
【請求項3】
前記第3の表示手段は、前記複数の決済種別選択ボタンの中から選択された決済種別の名称うち、少なくとも1階層の決済種別の名称と、前記複数の取引種別選択ボタンの中から選択された取引種別の名称とを組み合わせた名称を有する複合ボタンを生成して表示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の決済端末。
【請求項4】
前記第3の表示手段は、所定のボタン操作を検出したことを条件として、前記複合ボタンを生成して表示する
ことを特徴とする請求項1乃至の内の何れか一つに記載の決済端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済端末及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現金以外の決済手段として例えばクレジット決済がある。現金での決済はPOS端末で処理されるが、クレジット決済はPOS端末に接続された決済端末で処理される。決済端末は、POS端末から受信したクレジット決済情報に基づいてクレジット決済処理を実行する。
【0003】
近年、決済の種類の多様化に伴い、クレジット決済以外の決済処理が増加している。例えば、デビット決済、電子マネー決済等である。決済端末は、これらの決済についても処理するため、決済端末で決済の種類を選択できるように、使用できるすべての種類の決済項目を表示した決済選択画面を表示するようになっている。
【0004】
ところが、決済端末が表示する決済の種類のうち、多くの顧客が使用する決済は1〜2種類であることが多く、あまり使用されない決済の種類がある。しかしながら、決済端末の操作者は、決済端末に表示されたすべての決済項目の中から使用する決済項目を選択して、操作をしなければならず、操作者の負担の増加となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、操作者の負担を軽減する決済端末及びそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の決済端末は、異なる複数の決済種別選択ボタンの中から選択された決済種別と、前記複数の取引種別選択ボタンの中から選択された取引種別との組み合わせ毎に、選択された回数を集計する集計手段と、前記異なる複数の決済種別にそれぞれ対応する複数の決済種別選択ボタンを生成して、少なくとも1階層の画面に表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段に表示された複数の決済種別の何れかの決済種別が選択されたことを条件として、選択された決済種別で行う複数の取引種別にそれぞれ対応する複数の取引種別選択ボタンを生成して表示する第2の表示手段と、前記集計手段の集計結果に基づいて、前記複数の決済種別選択ボタンの中から選択された決済種別の名称と、前記複数の取引種別選択ボタンの中から選択された取引種別の名称とを組み合わせた名称を有する複合ボタンを生成して表示する第3の表示手段と、前記複合ボタンを操作することによって、当該複合ボタンに付されている名称に含まれている決済種別の名称に対応する決済種別の選択と、当該複合ボタンに付されている名称に含まれている取引種別の名称に含まれている取引種別の選択とにより特定される処理を実行する実行手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る決済端末の概観斜視図である。
図2図2は、決済端末のシステムブロック図である。
図3図3は、表示コントローラの詳しい構成を説明するための図である。
図4図4は、画面データのイメージ構成と、その遷移順序を示す図である。
図5図5は、取引種別の一覧リストの図である。
図6図6は、クイックメニュー画面の画面イメージ図である。
図7図7は、ログテーブルの構成とログ情報の格納状態を示す図である。
図8図8は、決済端末で実行される処理のフロー図である。
図9図9は、「クイック」タブを使ったときの決済端末の処理フロー図である。
図10図10は、変形例の決済端末のシステムブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
本実施形態においては、二つ以上の選択ボタンを備える一つ又は複数の画面を表示部に表示させて、操作者による選択ボタンからの処理の選択を実行させる決済端末について説明する。ここでは、その内の一形態として複数の画面を階層構造で構成し、各画面を上位の階層から下位の階層へ切換え表示する決済端末について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る決済端末の概観斜視図である。
【0009】
図1の決済端末1は、本体10の上部に開閉自在の上面パネル11を備えている。この上面パネル11の表面には、操作部としてのタッチセンサを備えたタッチパネル12を表面に重ねた液晶ディスプレイ13が配設されている。上面パネル11を開くと、本体10の内部に設けられた印字部(不図示)が露出し、印字部にロール状のレシート用紙をセットできるようになる。決済端末1は本体10と上面パネル11との間にレシート発行口14を備え、ここから印字部で印字されたレシートが発行される。
【0010】
決済端末1は、POS端末やセンタサーバなどとの通信を行うための各種の通信インタフェースを内部にもち、不図示であるがそれらとのケーブル接続部を本体10の下部に備えている。
また、決済端末1は、本体10の側面上部に、カード読取/書込部15を備えている。カード読取/書込部15に磁気カードやICカードなどのカード情報を読み取らせ、通信インタフェースを介してセンタサーバと通信接続することにより、カード決済を行う。
なお、各部への電源投入のための起動用電源は、本体10の下部の側面に備えた電源スイッチ16により行う。
【0011】
図2は、図1の決済端末のシステムブロック図である。
決済端末1は、CPU20、ROM21と、RAM22、FlashROM23、コントローラ24、および通信I/F25がバスラインBLを介して相互に接続されて構成されている。
CPU20は中央演算処理装置であり、プログラムの命令コードを読み込んで、各部の制御や各種演算処理を実行する。
【0012】
ROM21は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリである。ここに、OS(Operating System)の起動プログラムや初期設定プログラムなどが格納される。
RAM22は、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの書換え可能な揮発性メモリである。RAM22は、プログラムの展開のための領域として、または実行中のデータおよびパラメータ値を一時的に記憶するためのワーク領域として使用される。
【0013】
FlashROM23は、電源を切っても記憶情報が保持される書換え自在のメモリである。ここには後述する選択順序集計プログラムなどが格納される。
コントローラ24は、液晶ディスプレイ13である表示部26と、タッチパネル12である操作部27と、カード読取/書込部15であるカード読取/書込部28、および印字部29に接続されており、CPU20の制御の下に各部26〜29を制御する。操作部27やカード読取/書込部28から入力があると、適宜CPU20に割り込み信号を送信する。
【0014】
コントローラ24は、表示部26や操作部27を制御するための表示コントローラ24−1を備えている。表示コントローラ24−1は、メニュー内容を切替えるためのタブボタンやメニュー中に含まれる選択ボタンなどのボタン画像と、背景のデザイン画像とから画面データを構成し、画面データを表示部26に表示させる。また、表示コントローラ24−1は、表示部26に表示されたボタン画像に対応する画面上の位置を操作者がタッチすることにより、操作部27から画面上の位置を示す入力信号を受け付け、そのボタン画像に割り当てられた操作を実行する。またCPU20で実行するものについてはCPU20に実行させる。
【0015】
通信I/F25は、POS端末やセンタサーバと接続するための通信インタフェースである。決済端末1は、通信I/F25を通じてPOS端末やセンタサーバと情報の送受信を行う。
【0016】
図3は、図2の表示コントローラ24−1の詳しい構成を説明するための図である。
図3には、図2に示したCPU20、RAM22、FlashROM23、表示コントローラ24−1、操作部27、および表示部26が示されている。
操作部27は、操作者が指などで指定した図1のタッチパネル12上の位置をセンサで読み取り、その位置座標を表示コントローラ24−1に出力する。
表示部26は、表示コントローラ24−1で生成された画面データを表示メモリに展開して図1の液晶ディスプレイ13に表示する。
【0017】
表示コントローラ24−1は、初期画面データや、初期画面から遷移する画面データを内部メモリに記憶している。この画面データは、メニューを切替えるためのタブボタンや各種メニュー画面内の選択ボタンなどとして表示されるボタン画像と、その背景デザインとなる背景画像とにより構成されている。それぞれのボタン画像には、そのボタンが押されることにより実行する動作内容が割り当てられている。例えば、押されたボタンがタブボタンである場合には、そのタブごとにまとめられた同種の選択ボタンを一覧で表示するメニュー画面への切替えが行われる。また、押されたボタンが本実施形態で一例として示す下位階層のメニュー画面に移るように設定されたものである場合にはそのボタンで指定される下位階層の画面データに表示画面を差し替える動作をする。また、押されたボタンが取引処理の実行を指示するものである場合にはCPU20に割り込み信号を送信して、そのボタンに割り当てられている取引処理のプログラムを実行させる。
【0018】
表示コントローラ24−1は、更に、選択ボタン表示手段240と、複合ボタン表示手段241と、選択順序書込手段242と、ログテーブル243を備えている。
選択ボタン表示手段240は、表示コントローラ24−1の内蔵メモリに記憶した複数枚の選択メニュー画面データをそれらの階層構造に従って1画面ずつ表示部26に表示させる手段である。この選択メニュー画面データは、一つまたは複数個の選択ボタンを含み、表示部26に表示された選択メニュー画面の中から操作者が一つの選択ボタンを指定することでその下位の階層の選択メニュー画面データが表示部26に表示されることになる。こうして表示部26に表示された選択メニュー画面の中から操作者が更に選択ボタンを指定することで更にその下位の階層の選択メニュー画面が表示部26に表示されることになる。最下位の階層の選択メニュー画面において操作者が選択ボタンを指定すると、その選択ボタンに割り当てられた処理が実行されることになる。
【0019】
複合ボタン表示手段241は、後述するCPU20における選択順序集計処理により得られた結果に基づき、操作者が階層順に表示された各選択メニュー画面上で選択ボタンを選択することにより特定していた処理を1回の選択で確定させる複合ボタンを画面データに配置して表示部26に表示させる手段である。この複合ボタンが配置される画面データにはその画面に続く下位の階層はない。このため、操作者が複合ボタンを選択するとその複合ボタンに割り当てられた処理(つまり操作者が階層を追って各選択メニュー画面で選択ボタンを選択することにより最終的に特定される処理)が実行されることになる。
【0020】
選択順序書込手段242は、選択ボタン表示手段240により表示部26に表示され、操作部27から操作者が指定した選択ボタンの情報(例えば「クレジット」や「決済」など選択ボタンの種類を示す情報)を階層順に記憶する。そして、それらを組み合わせてなる、選択ボタンの選択の順序を示す選択順序情報(上記の例であれば「クレジット 決済」)をログテーブル243に書き込む。
ログテーブル243は、ログ情報を記憶するためのものである。ここにログ情報として選択順序書込手段242からの選択順序情報が格納される。
【0021】
表示コントローラ24−1は、操作部27からの指定により後述する「クイック」タブボタンの入力があると、CPU20に対し、ログテーブル243において蓄積された選択順序情報を集計するよう、割り込み処理をかける。
CPU20は、表示コントローラ24−1から上記の割り込みを受けると、ログテーブル243からRAM22へ選択順序情報を全てコピーし、FlashROM23に格納された選択順序集計プログラムを実行することにより選択順序集計手段244を構成する。この集計処理では、選択順序情報を種類別にカウントし、数の多いものから順位付けする。CPU20は、その集計結果を表示コントローラ24−1へ返信する。集計結果としては、順位情報と選択順序情報とを対応付けしたデータを送信する。この選択順序情報が複合ボタン表示手段241に受け取られ、そこで選択順序情報に対応する複合ボタンが、画面データに配置されることになる。
【0022】
続いて各部240〜244の構成について、業務メニューから取引処理を選択する場合を例に挙げて説明する。
図4は、表示コントローラ24−1の内部メモリに記憶されている、初期画面から遷移して表示される画面データのイメージ構成と、その遷移順序を示す図である。
図4には一例として5つの画面イメージを示している。また、それぞれの画面の遷移順序を矢印で示している。
【0023】
初期画面のタブボタンには業務を階層順に選択するための「業務」タブがある。
図4(1a)は、初期画面から「業務」タブが選択されたときに遷移する業務選択メニュー画面の画面イメージである。
業務選択メニュー画面41aは、同図に示されるように、4つのタブボタン画像40〜43と、最大5つの業務選択ボタン画像B1〜B5と、その他のボタン画像としては再印字ボタン画像44、紙送りボタン画像45、ヘルプボタン画像46、および上下方向へのスクロールボタン画像47が背景画像48に組み込まれて構成されている。
図4に示すその他の画面42a、42b、43bも全て画面41aと同じ画像イメージで構成されているものとする。
【0024】
図4(1a)に示す業務選択メニュー画面41aにおいて「クレジット」業務選択ボタン画像B1が選択されると、同図の矢印で示すように図4(2a)の取引種別選択メニュー画面42aに遷移する。
図4(2a)の取引種別選択メニュー画面42aは、業務選択メニュー画面41aの業務選択ボタン画像B1〜B5を4つの取引種別選択ボタン画像(「売上」取引種別選択ボタン画像B6、「取消返品」取引種別選択ボタン画像B7、「承認後売上」取引種別選択ボタン画像B8、「事前承認」取引種別選択ボタン画像B9)に変更したものとなる。この内の何れかのボタン画像B6〜B9が選択されると、そのボタン画像B6〜B9に割り当てられた取引処理が実行されることになる。
【0025】
なお、図4(1a)の業務選択メニュー画面41aにおいて「電子マネー」業務選択ボタン画像B4を除く他の業務選択ボタン画像(図4(1a)の例では「デビット」業務選択ボタン画像B2、「銀聯(登録商標)」業務選択ボタン画像B3、「ポイント」業務選択ボタン画像B5)を選択した場合も、同様に画面が遷移し、遷移後の画面は業務選択ボタン画像をそれぞれに対応した取引種別選択ボタンに変更したものとなる。
【0026】
このように、「電子マネー」業務選択ボタン画像B4を除く業務選択ボタン画像が選択されると、業務選択メニュー画面41a(図4(1a))とその下位の階層の取引種別選択メニュー画面42a(図4(2a))のように、2階層を経て取引処理が実行されることになる。
次に、図4(1a)に示す業務選択メニュー画面41aにおいて「電子マネー」業務選択ボタン画像B4を選択した場合の画面遷移について説明する。
【0027】
業務選択メニュー画面41aにおいて「電子マネー」業務選択ボタン画像B4が選択されると、図4(2b)に示す業務選択メニュー画面42bに遷移する。
図4(2b)に示す業務選択メニュー画面42bは、図4(a)に示す業務選択ボタン画像B1〜B5を「QUICPay(登録商標)」業務選択ボタン画像B10、「交通IC」業務選択ボタン画像B11、「iD」業務選択ボタン画像B12、「Edy(登録商標)」業務選択ボタン画像B13の4つの業務選択ボタンに変更したものとなる。図4(2b)に示す業務選択メニュー画面42bにおいて「QUICPay」業務選択ボタン画像B10が選択されると、図4(3b)に示す取引種別選択メニュー画面43bに遷移する。
【0028】
図4(3b)に示す取引種別選択メニュー画面43bは図4(2b)に示す業務選択ボタン画像B10〜B13を「売上」取引種別選択ボタン画像B14、「取消」取引種別選択ボタン画像B15、「履歴出力」取引種別選択ボタン画像B16、および「オンラインテスト」取引種別選択ボタン画像B17の4つの取引種別選択ボタン画像に変更したものとなる。この内の何れかのボタン画像B14〜B17が選択されると、そのボタンB14〜B17に割り当てられた取引処理が実行されることになる。
このように、「電子マネー」業務選択ボタン画像B4が選択されると、業務選択メニュー画面41a(図4(1a))とその下位の階層の業務選択メニュー画面42b(図4(2b))と更に下位の階層の取引種別選択メニュー画面43b(図4(3b))のように、3階層を経て取引処理が実行されることになる。
【0029】
図5は、取引種別の一覧リストである。
一覧リスト50に示すように取引種別は業務ごとに異なる。
図4(1a)に示す業務選択メニュー画面41aから下位階層の画面への遷移は、図5の一覧リスト50に基づいている。
例えば、図4(1a)に示す業務選択メニュー画面41aから「銀聯」業務選択ボタン画像B3が指定されると、図5の一覧リスト50の「銀聯」の項目500に位置する取引種別欄「売上」、「取消返品」、「DLL」、および「オンラインテスト」の取引種別選択ボタン画像が、下位の取引種別選択メニュー画面に配置される。ここに取引種別として「売上」が含まれているが、クレジットの「売上」とは処理が異なるものである。従って、同じ「売上」でもクレジットから選択されたものか、銀聯から選択されたものかによって意味は異なる。
【0030】
ここに一例として、一部の取引種別の取引内容を列記する。
業務「クレジット」項目501の取引種別「売上」は、クレジットカードの情報を元に、売上処理をする業務である。
業務「クレジット」項目501の取引種別「取消返品」は、売上げた取引の取消を行う業務である。
業務「クレジット」項目501の取引種別「承認後売上」は、取引が保留となり、電話でクレジット会社から承認番号を取得した後に行う業務である。
業務「クレジット」項目501の取引種別「事前承認」は、売上操作前に利用額分の承認を得る事により、利用額分の枠取りを行う業務である。
業務「銀聯」項目500の取引種別「売上」は、中国銀聯カードの情報を元に、売上処理をする業務である。
業務「銀聯」項目500の取引種別「取消返品」は、お客様が購入された商品またはサービスを取り消す業務(購入当日分のみ取消可)である。
業務「銀聯」項目500の取引種別「DLL」は、業務処理に必要な情報をセンタよりダウンロードする業務である。
業務「銀聯」項目500の取引種別「オンラインテスト」は、センタとの通信状況を確認する業務である。
業務「ポイント」項目502の取引種別「付与」は、ポイントの付与を行う業務である。
業務「QUICPay」503の取引業務「売上」は、QUICPayカード、QUICPayモバイルを用いた売上処理を行う業務である。
業務「QUICPay」503の取引業務「取消」は、売上げた取引の取消を行う業務である。
業務「QUICPay」503の取引業務「履歴出力」は、取引の履歴をセンタより取得し、印字する業務である。
業務「QUICPay」503の取引業務「オンラインテスト」は、QUICPay取引用サーバとの疎通確認を行う業務である。
業務「交通IC」504の取引種別「売上」は、各プリペイド型交通ICを用いた売上処理を行う業務である。
【0031】
さて、よく使われる処理をまとめた「クイック」タブ(図4のクイックタブ画像42)というものを本実施形態においては構成している。
「クイック」タブについて、更に詳しく説明する。
「クイック」タブは、複数回の選択の末に指定される取引処理の内、よく使われる上位の取引処理を、それぞれ、1度の操作で取引処理が実行される複合ボタンに割り当て、使用頻度の高いものから順に画面に複合ボタンを一覧表示させるためのタブボタンである。
使用頻度は、例えば「業務」タブで業務メニューを表示させて、業務選択メニューの中から業務選択ボタンや取引種別選択ボタンを選択するときに、それらの選択順序をログにとり、このログ情報からよく使われる選択ボタンの選択順序をまとめるなどして決定している。
【0032】
この「クイック」タブの選択により表示される画面データ(以下、クイック画面データと呼ぶ)は、図3の表示コントローラ24−1において次のようにしてメモリで記憶している。
クイック画面に配置される業務選択ボタン画像として、予め、全ての組み合わせ分の複合ボタン画像が用意されている。これらの複合ボタン画像には、それぞれ、実行処理される取引の「選択順序」を示す情報がイメージ情報として含まれている。
各複合ボタンは、他と識別ができるように「管理情報」が付与されている。
【0033】
各複合ボタンは、そのボタンが押されたことにより実行される動作内容が予め割り当てられている。この場合の動作内容は取引種別の処理である。ボタンごとに割り当てられる取引種別の処理はそれぞれ異なり、選択順序の経路で一意に決まるものである。
また、この他の構成画像要素として図4(1a)に示す「再印字」ボタン画像44、「紙送り」ボタン画像45、「ヘルプ」ボタン画像46、およびスクロールボタン画像47が背景画像48に組み込まれてメモリに記憶されている。
【0034】
表示コントローラ24−1は、CPU20から選択順序の集計結果を受け取ると、上位にある選択順序のものから順にそれに対応する複合ボタン画像を背景画像の所定位置にはめ込んで、表示画像データを生成する。
図6は、初期画面から「クイック」タブが選択されたときに表示されるクイックメニュー画面の画面イメージである。
【0035】
図6のクイックメニュー画面60は、図4(1a)の業務選択メニュー画面41aと共通の部品を使って構成されており、「再印字」ボタン画像44、「紙送り」ボタン画像45、「ヘルプ」ボタン画像48、およびスクロールボタン画像47が背景画像48に組み込まれて構成されている。
図6のクイックメニュー画面60は、図4(1a)の業務選択ボタン画像B1〜B5の位置に、上位順に上から下へ5種類の複合ボタン画像、つまり「クレジット&売上」複合ボタン画像Q1、「交通IC&売上」複合ボタン画像Q2、「ポイント&付与」複合ボタン画像Q3、「クレジット&取消」複合ボタン画像Q4、および「QUICPay&売上」複合ボタン画像Q5が配置されている。
【0036】
ここに示されている5つの複合ボタン画像Q1〜Q5は一例であり、各取引処理の使用頻度に応じて表示される複合ボタンの内容は変化する。
クイックメニュー画面60には下位の遷移画面はないため、操作者がクイックメニュー画面60の複合ボタン画像Q1〜Q5を選択することにより、そのボタン画像Q1〜Q5に割り当てられた取引種別の処理が直ちに実行されることになる。
例えば、「クレジット&売上」複合ボタン画像Q1を選択すると、図5の一覧リスト50に示すクレジットの項目の取引種別欄「売上」の処理が実行される。
【0037】
図7は、図3のログテーブル243の構成とそこにログ情報を格納したときの状態を示している。
図7のログテーブル70は、左の欄700に1〜20の番号を振って示すように、20スロットからなり、各スロットに一つの選択順序情報を格納できるようになっている。
同図の右の欄701には一例として各スロットに選択順序情報の初期値を入れたときの状態を示している。
【0038】
この初期値は良く使われる選択順序情報で構成されている。
選択順序情報は、繰り返しになるが、選択ボタンの選択順序を示す情報である。
スロット1は「QUICPay」ボタンの選択後「売上」ボタンが選択されたことを示す「QUICPay 売上」の選択順序情報701−1が格納された状態を示している。
ところでログテーブル70はリングバッファにより構成されている。
図7に示すログテーブル70においては、スロット1からスロット20になるに連れて格納順が古くなるように構成されている。
【0039】
従って、例えば図4(1a)に示す業務選択メニュー画面41aで「クレジット」業務選択ボタン画像B1が選択され、次に、図4(2a)に示す取引種別選択メニュー画面42aで「売上」取引種別選択ボタンB6が選択されて売上の取引処理が実行されるとする。すると、概念上は、新たな選択順序情報「クレジット 売上」がログテーブル70の上から押し込まれてスロット1に格納され、最も古いスロット20に格納されていた「クレジット 売上」701−20がログテーブル70から押し出されることになる。このようにして、ログテーブル70には常に20スロット分の最新の選択順序情報が格納されている。
【0040】
なお、図4(1a)に示す業務選択メニュー画面41aで「電子マネー」業務選択ボタン画像B4が選択された場合には、再度、図4(2b)に示す業務選択メニュー画面42bで電子マネーカードの種類(例えば「QUICPay」)を選択しなければならない。その後、図4(3b)の取引種別選択メニュー画面43bで取引処理(例えば「売上」など)を選択することになる。この場合、これまで述べた規則であれば選択順序情報は「電子マネー QUICPay 売上」となるが、「電子マネー」が無くとも取引処理は一意に決まるため、この場合は「QUICPay 売上」としてログテーブル70に格納する。図7のスロット13〜16の「交通系IC 売上」701−13〜701−16もこれと同じルールで格納されたものである。
【0041】
次に、本実施形態の決済端末1の動作について説明する。
決済端末1は、操作者が電源スイッチ16を入れると、各回路に電源を投入して起動し、OSの起動や初期設定を行い、初期画面を液晶ディスプレイ13に表示させる。
図8は、その初期画面から操作者が選択ボタンを押して取引処理を終了するまでに決済端末1で実行される処理のフロー図である。この処理は、図2および図3の説明で詳述した表示コントローラ24−1、選択ボタン表示手段240、複合ボタン表示手段241、選択順序書込手段242、ログテーブル243などにより実現される処理である。なお、この処理は、CPUで各種のプログラムが適宜実行されるなどして実現されている。
【0042】
図3のシステム構成および図4の画面遷移図などの符号を適宜使いながら、この処理フロー図を説明する。なお、以下においては、操作者は液晶ディスプレイ13に表示された画面の選択ボタンを、液晶ディスプレイ13に重畳されたタッチパネル12の上から指定しているものとし、この指定によりその入力信号がシステムに入力されるものとする。
以下では「電子マネー」「QUICPay」「売上」の順に取引が選択される場合の処理を例にとり説明する。
【0043】
先ず、操作者から初期画面の「業務」タブの入力があるか否かを判定する(S1)。
ステップS1で「YES」判定の場合、初期画面を最上位階層の業務選択メニュー画面41aに切り替えて表示する(S2)。
次に、操作者から業務選択メニュー画面41aにおいて「電子マネー」業務選択ボタン画像B4が選択されたか否かを判定する(S3)。
【0044】
ステップS3において「YES」判定の場合、業務選択メニュー画面41aをその下位の業務選択メニュー画面42bに切り替えて表示する(S4)。
次に、操作者から業務選択メニュー画面42bにおいて「QUICPay」業務選択ボタン画像B10が選択されたか否かを判定する(S5)。
ステップS5において「YES」判定の場合、その選択に対応する「QUICPay」の情報を選択順序情報としてメモリに記憶させた後、業務選択メニュー画面42bを最下位の階層の取引種別選択メニュー画面43bに切り替えて表示する(S6)。
【0045】
次に、操作者から取引種別選択メニュー画面43bにおいて「売上」取引種別選択ボタン画像B14が選択されたか否かを判定する(S7)。
ステップS7において「YES」判定の場合、その選択に対応する「売上」の情報をメモリに記憶した「QUICPay」の情報と組み合わせて選択順序情報としてログテーブル243のスロット1に書き込む(S8)。
【0046】
次に、取引処理を実行する(S9)。これは、取引種別選択ボタンに割り当てられた取引処理を実行するようCPU20に割り込み処理をかける。これにより、CPU20は、通信I/Fを介してセンタサーバと通信するなどして取引処理を実行し、取引処理が終わると、完了通知を液晶ディスプレイに表示する。なお、本例ではステップS7において判定されたQUICPayによる売上処理を実行することになる。
【0047】
ステップS9で売上処理が終わると、印字部で伝票を発行する(S10)。
なお、ステップS1で「NO」判定の場合、その他のタブの入力があるか否かを判定する(S11)。ステップS11で「NO」判定であればステップS1に戻り、「YES」判定であれば、「クイック」タブの入力か否かを判定する(S12)。
ステップS12で「NO」判定の場合、その他のタブの処理を実行して(S13)、処理を終了する。ステップS12で「YES」判定の場合、後述する図9の処理に移行する。
【0048】
また、ステップS3、S5、またはS7で「NO」判定の場合、他の選択順序による処理になるため、各々の選択処理を実行する(S14)。そして、ステップS14で得られた選択順序情報をステップS8でログテーブルに書き込み、続くステップS9で各取引処理を実行する。
以上の処理フローの説明は、1回の取引処理の処理フローである。言うまでもないが、取引処理が発生するたびにこの処理フローを繰り返し行うことになる。
従って、よく使われる選択順の取引処理はログテーブルに「選択順序情報」として複数スロットに渡って蓄積されるようになる。
また、直近に使った取引処理がスロットの若い番号に蓄積され、ログテーブルからの削除を免れることになる。
【0049】
図9は、初期画面から操作者が「クイック」タブを使って取引処理を選択する際の、決済端末1の処理フロー図である。 この処理も、図2および図3の説明で詳述した表示コントローラ24−1、選択ボタン表示手段240、複合ボタン表示手段241、選択順序書込手段242、ログテーブル243に加え、更に選択順序集計手段244などにより実現される処理である。なお、この処理も、CPUで各種のプログラムが適宜実行されるなどして実現されている。
【0050】
操作者が初期画面で「クイック」タブを選択すると、図8のステップS12の「YES」判定により、図9の処理が開始する。
先ず、操作者が初期画面の「クイック」タブを指定することにより、「クイック」タブの入力であることが判定されると、例えばCPU20に対し、選択順序集計処理を実行するよう割り込みをかけるなどして、次のような選択順序集計プログラムを実行する。
【0051】
CPU20が、表示コントローラ24−1から上記の割り込みを受けると、ログテーブル243からRAM22へ選択順序情報を全てコピーし(選択順序情報の取得)、FlashROM23に格納された選択順序集計プログラムを実行する(S21)。
そしてCPU20は、集計処理を行い、CPU20は、その集計結果を複合ボタン表示手段241へ送信する(S22)。集計処理では、選択順序情報を種類別にカウントし、数の多いものから順位付けしてゆく。カウント数が同じ選択順序情報は直近のものから順位付けする。また、上記集計結果としては、順位情報と選択順序情報とを対応付けしたデータなどを送信する。
【0052】
次に、複合ボタン表示手段241が、受信した選択順序情報に基づき、選択順序情報に対応する複合ボタンを画面データに配置する(S23)。なお、このときの複合ボタンの配置順は、受信した順位情報に基づいて行う。例えば、複合ボタンを配置する画像データの所定位置に上から番号1から5を振っておき、順位情報に含まれる番号に一致する位置にその複合ボタンを配置する。この場合、上位5つの複合ボタンが画面データに上から並ぶことになる。
以上の処理により、直近において使用頻度の高い複合ボタンがクイックメニュー画面に並ぶことになる。
【0053】
続いて、操作者がクイックメニュー画面から何れかの複合ボタンを選択したか否かを判定する(S24)。ステップS24で「YES」判定になると、表示コントローラ24−1がその信号を受付け、選択順序書込手段242はその複合ボタンの「選択順序情報」をログテーブル243に書き込む(S25)。複合ボタンの「選択順序情報」は、ログテーブル243に格納される「選択順序情報」と同じルールで作成されているので、そのままログテーブル243に格納できる。この場合も、「選択順序情報」はスロット1に格納され、スロット20に格納されていたものは削除される。
【0054】
従って、次に「クイック」タブを指定してクイックメニュー画面を表示させるときは、今スロット1に追加された「選択順序情報」を含めた集計がCPUで行われることになる。
ステップ25の後の処理は図8のステップS9からの取引処理、伝票印字と同じようにして行われる。
【0055】
以上説明した決済端末は、「クイック」タブを押下すると、使用頻度の高い複合ボタンがクイックメニュー画面に並ぶため、操作者が決済をする際に、操作の負担を軽減することができる。
上述では、クイックボタンを指定したときにログテーブルの「選択順序情報」を集計するように構成したが、これに限らず「選択順序情報」を集計するタイミングは適宜指定して良い。例えば、決済端末の電源を入れ、起動処理や設定処理を行う際にログテーブルの情報を集計し、集計後の「順位情報」と「選択順序情報」を複合ボタン表示手段241に記憶させるようにしても良い。また、所定の時間間隔で以上の処理を行わせるようにしても良い。
【0056】
また、表示コントローラ24−1が、選択ボタン表示手段240と、複合ボタン表示手段241と、選択順序書込手段242と、ログテーブル243とを備えるように構成したが、この限りではない。例えば、選択ボタン表示手段240と、複合ボタン表示手段241と、選択順序書込手段242をCPU20、RAM22、およびFlashROM23からなる制御部に構成しても良い。
また、集計処理をCPU20に割り込みをかけて行わせるようにしたが、表示コントローラ側で行わせるようにしても良い。
また、ログテーブルのスロットの数は、本例では20個としたが適宜設定して良い。
【0057】
(変形例)
変形例では、ログテーブルのログ情報を操作者が変更できる構成について説明する。
図10は、変形例の決済端末のシステムブロック図である。
図10の決済端末90は、図3の決済端末1に操作者設定手段900を追加したものである。
【0058】
操作者設定手段900は、表示部26に対してユーザインタフェースとして設定画面を提供し、ログテーブルのログ情報を読み出してその内容を表示部26に表示させた設定画面に表示する。
また、操作者設定手段900は、操作部27からの入力指示として、ログテーブルの1スロットごとのログ情報の変更を受け付ける。
【0059】
設定画面に全スロットの情報を表示し、所定のスロットの選択順序情報を削除して空白を示す情報を埋め込み、更新を実行すると、そのスロット内に格納されていた選択順序情報が削除されたログ情報がログテーブルに格納される。
また、設定画面に全スロットの情報を表示指定し、選択順序情報の作成規則に従って所定のスロットを新たな選択順序情報で上書きし、変更を実行すると、そのスロットが新たな選択順序情報で上書きされたログ情報がログテーブルに格納される。
【0060】
また、この他にも、複合ボタンとして必ず表示させておきたい情報をスロットの上位に固定で配置させるなどの設定を行っても良い。
このように、操作者設定手段900を使って操作者がログテーブルの情報を書き換えることができる。
その結果、図9を使って説明したクイックタブの処理は、操作者が変更したログテーブルの情報に基づいて行われることになる。
【0061】
操作者設定手段900は複合ボタンの表示部への表示を制限する手段を構成するものである。
本実施形態においては、複数の画面を階層構造で構成し、各画面を上位の階層から下位の階層へ切換え表示する決済端末を一例として示した。
【0062】
しかし、これに限らず、二つ以上の選択ボタンを備える一つ又は複数の画面を表示部に表示させるものであれば、他の形態であっても決済端末であっても以上の技術は適用できる。
例えば階層構造とせずに、複数の選択ボタンを配置した1画面の中で、操作者が複数の選択ボタンを選択して所定の処理を確定させるような場合にも適用できる。
この場合、操作者が選択ボタンを選択するたびにその選択ボタンの情報を記憶し、最後に処理を確定したときに選択ボタンの情報を繋ぎ合わせた選択順序情報をログテーブルに書き出す。そして所定のタイミングでログテーブルの情報を集計し、集計結果に基づいて表示画面に複合ボタンを配置する。
【0063】
本実施形態の決済端末で使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、決済端末のフラッシュROMなどに読み込ませて実行してもよい。
【0064】
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
ログ情報を記憶するためのログテーブルと、
複数の選択ボタンを含む画面を表示部に表示する選択ボタン表示手段と、
前記画面において複数の選択ボタンが選択されると、選択された前記選択ボタンの選択の順序を示す選択順序情報を前記ログ情報として前記ログテーブルに書き込む選択順序書込手段と、
前記ログ情報から前記選択順序情報ごとに使用頻度を集計する選択順序集計手段と、
前記選択順序集計手段により得られた前記選択順序情報ごとの前記使用頻度の情報を基に、前記選択順序情報の順序で選択ボタンが選択されることにより特定される処理を1回の選択で確定させる複合ボタンを前記表示部に表示する複合ボタン表示手段と、
を備えることを特徴とする決済端末。
(付記2)
前記選択順序書込手段は、更に、前記複合ボタンを選択した際に、該複合ボタンに関係付けされた前記選択順序情報を前記ログテーブルに書き込む、
ことを特徴とする付記1記載の決済端末。
(付記3)
前記選択順序書込手段は、前記選択順序情報を前記ログテーブルに書き込む場合に、前記選択ボタンの選択の順序が一意に決まる情報のみを前記ログテーブルに書き込む、
ことを特徴とする付記1または2記載の決済端末。
(付記4)
前記複合ボタン表示手段は、前記選択ボタンを含む前記画面と共通の部品画像を使用して構成した、前記複合ボタンによる選択が可能な複合ボタン画面を前記表示部に表示する、
ことを特徴とする付記1乃至3の内の何れか一つに記載の決済端末。
(付記5)
更に、
前記複合ボタンの前記表示部への表示を制限する操作者設定手段を備える、
ことを特徴とする付記1乃至4の内の何れか一つに記載の決済端末。
(付記6)
ログ情報を記憶するためのログテーブルと、
複数の選択ボタンを含む画面を表示する表示部と、
を備える決済端末を制御するコンピュータを、
前記画面において複数の選択ボタンが選択されると、選択された該選択ボタンの選択の順序を示す選択順序情報を前記ログ情報として前記ログテーブルに書き込む選択順序書込手段と、
前記ログ情報から前記選択順序情報ごとに使用頻度を集計する選択順序集計手段と、
前記選択順序情報ごとの前記使用頻度の集計結果情報を基に、前記選択順序情報の順序で選択ボタンが選択されることにより特定される処理を1回の選択で確定させる複合ボタンを前記表示部に表示する複合ボタン表示手段と、
として機能させるためのプログラム。
【0065】
以上の各実施形態において、決済端末およびそのプログラムについていくつかの構成を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 決済端末
10 本体
11 上面パネル
12 タッチパネル
13 液晶ディスプレイ
14 レシート発行口
20 CPU
21 ROM
22 RAM
23 FlashROM
24 コントローラ
24−1 表示コントローラ
25 通信I/F
26 表示部
27 操作部
BL バスライン
240 選択ボタン表示手段
241 複合ボタン表示手段
242 選択順序書込手段
243 ログテーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2011−48487号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10