(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
<第1の実施形態>
[概要]
最初に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの概要について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの概要図である。
【0020】
本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムでは、ユーザーが、航空機を使って空港間を移動することを想定している。
【0021】
ユーザーは、チケットIDを有する搭乗券を持って出発空港に行き、搭乗手続カウンターで搭乗手続を行い、セキュリティチェックを通過した後、搭乗ゲートから航空機に搭乗する。ユーザーが搭乗した航空機は、出発空港から到着空港まで飛行する。航空機が到着空港に到着した後、ユーザーはバゲージクレームで預けた手荷物を受け取り、到着空港を離れる。
【0022】
本画像形成システムでは、
図1にあるように、各空港に画像形成装置(MFP、Multifunction peripheral)20が設置してある。航空機にも画像形成装置20または印刷機が搭載されていてもよい。
【0023】
本画像形成システムでユーザーが行う操作は、例えば出発空港のロビーなどから画像形成システムに印刷を依頼することと、システムが決定した場所で印刷物を受け取ることだけである。
【0024】
例えば、ユーザーが出発空港で、搭乗手続を行う前に、手持ちの携帯機器10などから印刷依頼をすると、画像形成システムは、ユーザーの移動経路、航空機の運航状況に基づいたユーザーが移動経路上の各地点を通過する時刻、出発空港、到着空港、および機内に設置してある画像形成装置20の稼働状況などを勘案し、ユーザーが印刷出力を待つために時間を割く事が無く、かつ最も早くユーザーに印刷物を届けられる画像形成装置20で印刷を行う。
【0025】
例えば、上記の例では、ユーザーが出発空港の搭乗手続カウンターの手前で印刷依頼をしても、出発空港の画像形成装置20が混んでいて搭乗した航空機の扉が閉まる前にグランドスタッフがユーザーに印刷物を手渡せない場合、画像形成システムは、航空機内の画像形成装置20で到着までに印刷が完了でき、フライトアテンダントが印刷物を手渡せるかを計算する。
【0026】
航空機内の画像形成装置20が混んでいるため航空機が到着空港に到着するまでに印刷が完了しないと推定される場合、画像形成システムは、到着空港の画像形成装置20を選択して印刷する。
【0027】
なお、第1の実施形態では、搭乗券を購入したユーザーが空港間を航空機(輸送用機械)で移動する例を用いて説明するが、本発明は航空機を利用する場合に限らず、切符を購入し駅間を鉄道で移動する場合や、バスターミナル間をバスで移動する場合など、ユーザーがチケットを用いて発着地間を移動する輸送用機械に乗って移動する場合にも適用可能である。
【0028】
以上、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの概要について説明した。
【0029】
[全体の構成]
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム全体の構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム100全体の構成図である。
【0030】
画像形成システム100は、印刷管理サーバー30と、各空港に設置された画像形成装置20とを含んで構成される。なお画像形成システム100には、各航空機に搭載された画像形成装置20を含んでもよい。印刷管理サーバー30と各画像形成装置20はネットワークにより接続されている。
【0031】
印刷管理サーバー30は、印刷を行うユーザーからの印刷依頼をユーザーが持つ携帯機器10などから受け付ける。ユーザーが空港において提供されている無線LAN(Local Area Network)を経由して印刷管理サーバー30等から印刷を依頼するためのプログラムを携帯機器10にダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを実行することにより印刷依頼を行ってもよい。
【0032】
なお、ユーザーの持つ携帯機器10に限らず、空港に設置した端末から印刷依頼を受け付けてもよい。なお、携帯機器10としては、スマートフォンやタブレット型コンピューターを用いることが出来る。
【0033】
印刷管理サーバー30は、印刷依頼を受け付けると、印刷依頼と共に取得したユーザーが持つ搭乗券のチケットIDに基づいて運行管理システム40にユーザーの利用する航空機の運航状況を問い合わせる。
【0034】
なお、ここでいう運行管理システム40は、航空機の運航状況を管理するだけでなく、ユーザーの搭乗手続状況、ユーザーの搭乗ゲート通過状況なども把握し管理するものであってもよい。
【0035】
また、印刷管理サーバー30は、ユーザーの移動経路上の空港や航空機の画像形成装置20に稼働状況を問い合わせる。なお、ここでいう稼働状況とは、画像形成装置の単位時間当たりの印刷処理能力や、既に受け付けている印刷依頼の量、トナー残量、用紙の残り枚数などである。
【0036】
以上、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム100全体の構成について説明した。なお、印刷管理サーバー30は、画像形成システム100の中核をなす重要な構成要素であるため、構成の詳細については後述する。また、画像形成装置20には、印刷管理サーバー30との通信機能さえあれば、一般的な画像形成装置を用いる事が出来るので、構成の詳細についての説明は省略する。
【0037】
[印刷管理サーバーの構成]
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム100の中核をなす印刷管理サーバー30の構成について説明する。
【0038】
印刷管理サーバー30は、専用のハードウェアやソフトウェアにより構成されていてもよいし、一般的なコンピューターにより構成されてもよい。印刷管理サーバー30が一般的なコンピューターにより構成される場合の構成図を
図3に示す。
【0039】
図3に示すように、印刷管理サーバー30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、操作入力部34、通信部35、表示部36、および記憶部37を有し、これら各ブロックがバス38を介して接続されている。
【0040】
ROM32は、各種の処理を実行するためのファームウェア等の複数のプログラムやデータを記憶する。RAM33は、CPU31の作業用領域として用いられ、OS(Operating System)や、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0041】
記憶部37は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリー、その他の不揮発性メモリーである。記憶部17には、OSや各種アプリケーション、各種データ、ユーザーが印刷を依頼した印刷データなどが記憶される。
【0042】
通信部35は、ユーザーの携帯機器10、画像形成装置20、および運行管理システム40と情報のやりとりを行う。
【0043】
CPU31は、ROM32や記憶部37に格納された複数のプログラムのうち、操作入力部34から与えられる命令に対応するプログラムをRAM33に展開し、この展開されたプログラムにしたがって、表示部36および記憶部37を適宜制御する。
【0044】
操作入力部34は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の操作装置である。
【0045】
表示部36は、例えば液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等である。表示部36は、印刷管理サーバー30に内蔵されていてもよいし、外部接続されていてもよい。
【0046】
次に、CPU31においてプログラムが実行されることにより実現される機能ブロックについて説明する。
図4は、CPU31においてプログラムが実行されることにより実現される機能ブロックの図である。
【0047】
印刷管理サーバー30のCPU31において実現される機能ブロックは、チケットID取得部31a、ユーザー属性取得部31b、印刷データ取得部31c、記憶制御部31d、ユーザー位置算出部31e、画像形成装置選択部31f、印刷指示部31g、およびユーザー通知部31hである。
【0048】
チケットID取得部31aは、操作入力部34等を介して、ユーザーから搭乗券のチケットIDを取得する。
【0049】
ユーザー属性取得部31bは、依頼された印刷物を正しいユーザーにスタッフが手渡せるように、ユーザーの氏名などを取得する。ユーザー属性取得部31bは、操作入力部34等を介してユーザーからユーザー属性を直接取得してもよいし、ユーザーの使う携帯機器10に記憶されている個人情報から取得してもよいし、チケットIDに基づいて運行管理システム40から取得してもよい。なお、印刷物をユーザーに渡す際に、ユーザー属性を利用する代わりに、印刷依頼時に定めた注文番号などを用いて認証を行ってもよい。
【0050】
印刷データ取得部31cは、依頼された印刷に用いる印刷データをユーザーの携帯機器10などから取得する。
【0051】
記憶制御部31dは、チケットID取得部31aにより取得されたチケットID、ユーザー属性取得部31bにより取得されたユーザー属性、および印刷データ取得部31cにより取得された印刷データを、記憶部37に記憶させる。
【0052】
ユーザー位置算出部31eは、チケットID取得部31aにより取得されたチケットIDに基づいて運行管理システム40にユーザーの状況を問い合わせ、問い合わせ結果に基づいてユーザーの位置を算出する。算出するユーザーの位置は、現在の位置だけではなく、航空機の運航予定等に基づき、今後のユーザーが通過する予定の地点における通過予想時刻も算出する。
【0053】
ユーザー位置算出部31eは、例えば、ユーザーが搭乗手続カウンターでのチェックインを済ませているが、搭乗ゲートを通過していない場合、ユーザーは搭乗手続カウンターと搭乗ゲートの間、例えば出発ロビーに居ると算出する。
【0054】
画像形成装置選択部31fは、ユーザー位置算出部31eによる、ユーザーの現在および今後の位置の算出結果およびユーザー通過地点にある画像形成装置20の負荷状況に基づき、印刷物を出力するのに最適な画像形成装置20を選択する。
【0055】
印刷指示部31gは、画像形成装置選択部31fにより選択された画像形成装置20に対し、ユーザーから印刷を依頼された印刷データを送信し、印刷を実行するように指示を出す。
【0056】
ユーザー通知部31hは、印刷を依頼したユーザーに対し、どの地点において印刷物を渡す予定であるかを通知する。この通知を行う事により、ユーザーが出力された印刷物が準備されている事を知らずに、その地点を通過してしまう問題を回避する事が出来る。
【0057】
以上、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム100の中核をなす印刷管理サーバー30の構成について説明した。
【0058】
[処理の流れ(全体)]
次に、画像形成システム100における全体の処理の流れについて説明する。
図5は、画像形成システム100における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0059】
まず、ユーザーが、画像形成システム100に印刷を依頼するために、自身の持つ搭乗券のチケットIDを読み込ませる。すなわち、チケットID取得部31aが、操作入力部34等を介して、チケットIDを受け付ける(ステップS1)。
【0060】
次に、ユーザー属性取得部31bが、ユーザーの氏名など、ユーザーを一意に識別出来る属性を取得し、印刷データ取得部31cが印刷するデータを取得する(ステップS2)。
【0061】
次に、記憶制御部31dが、チケットID取得部31aにより取得されたチケットID、ユーザー属性取得部31bにより取得されたユーザー属性、および印刷データ取得部31cにより取得された印刷データを、記憶部37に記憶させる(ステップS3)。
【0062】
次に、ユーザー位置算出部31eが、チケットIDを用いて運行管理システムに照会を行い、照会結果に基づいて、現在および今後のユーザー位置を算出する(ステップS4)。
【0063】
次に、画像形成装置選択部31fが、前ステップで算出されたユーザー位置および画像形成装置20の負荷状況等に基づき、ユーザーから依頼された印刷データを印刷する画像形成装置20を選択する(ステップS5)。なお、最適な画像形成装置20を選択するための詳細なアルゴリズムについては後述する。
【0064】
次に、印刷指示部31gが、前ステップで選択された画像形成装置20に対して印刷に用いる印刷データを送信し、印刷を実行する指示を与える(ステップS6)。
【0065】
次に、ユーザー通知部31hが、ユーザーの持つ携帯機器10などを介して、依頼された印刷物が渡される場所をユーザーに通知する(ステップS7)。
【0066】
以上、画像形成システム100における全体の処理の流れについて説明した。
【0067】
[処理の流れ(画像形成装置の選択)]
次に、上述した最適な画像形成装置20を選択するための詳細なアルゴリズムについて説明する。
図6は、最適な画像形成装置20を選択するための詳細なアルゴリズムについて説明するためのフローチャートである。
【0068】
最適な画像形成装置20を選択するために、画像形成装置選択部31fが、ユーザーの移動する経路上で現在の位置から最も近い位置に設置されている画像形成装置20を選択する(ステップS10)。
【0069】
次に、画像形成装置選択部31fは、選択した画像形成装置20により印刷を実行した場合、ユーザーがその地点に到着するまでに印刷を完了できるか否かを判断する(ステップS11)。
【0070】
ユーザーがその地点に到着するまでに印刷を完了できないと判断された場合(ステップS11のNO)、画像形成装置選択部31fは、ユーザーの移動する経路上で現在の位置から次に近い位置に設置されている画像形成装置20を選択する(ステップS12)。そして、選択後、ステップS11の処理に戻る。
【0071】
ユーザーがその地点に到着するまでに印刷を完了できると判断された場合(ステップS11のYES)、画像形成装置選択部31fは、選択した画像形成装置20を、実際に印刷を実行させる適切な画像形成装置20として決定する(ステップS13)。
【0072】
以上、最適な画像形成装置20を選択するための詳細なアルゴリズムについて説明した。
【0073】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、ある特定の公共交通機関をユーザーが利用する前提で、ユーザーに対し印刷物を渡す構成を説明した。これに対し、第2の実施形態では、ユーザーが、1つの公共交通機関に限らず、複数種類の公共交通機関を使い、ホテルなどの宿泊施設、会議場などの施設を使う場合でも、画像形成装置を自動的に選択し、印刷物をユーザーに渡すことが出来る画像形成システムについて説明する。
【0074】
[概要]
最初に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムの概要について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムの概要図である。
【0075】
本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムでは、ユーザーが、航空機を使って空港間を移動し、空港に併設されたホテルに宿泊し、列車を使って駅間を移動したのち、会議が開催される会議場に入ることを想定している。
【0076】
ユーザーは、チケットIDを有する搭乗券を持って出発空港に行き、搭乗手続カウンターで搭乗手続を行い、セキュリティチェックを通過した後、搭乗ゲートから航空機に搭乗する。ユーザーが搭乗した航空機は、出発空港から到着空港まで飛行する。航空機が到着空港に到着した後、ユーザーはバゲージクレームで預けた手荷物を受け取り、到着空港を離れる。
【0077】
そして、ユーザーは、到着空港に併設されているホテルのフロントにバウチャーIDを有するホテルバウチャーを提示してチェックインし、宿泊する。ユーザーは、再度フロントにてチェックアウトの手続をした後、出発駅からチケットIDを有する乗車券を持って出発駅に行き、指定された列車で到着駅まで移動する。
【0078】
そして、到着駅の近くにある会議会場で、受付で手続をした後、会議に参加する。
【0079】
ユーザーは、事前に旅行会社から渡された旅程表に記載された通りに行動するものとする。ユーザーの旅程表は、ユーザーに交付された旅程表IDにより一意に識別されるものとし、旅程表IDには、上述したチケットIDおよびバウチャーIDが紐付けられているものとする。
【0080】
本画像形成システムでは、
図7にあるように、各空港、各宿泊施設、各駅、および各会議場施設に画像形成装置20が設置してある。航空機や列車にも画像形成装置20または印刷機が搭載されていてもよい。
【0081】
本画像形成システムでユーザーが行う操作は、例えば出発空港のロビーなどから画像形成システムに印刷を依頼することと、システムが決定した場所で印刷物を受け取ることだけである。
【0082】
例えば、上記の例では、ユーザーが出発空港の搭乗手続カウンターの手前で印刷依頼をしても、空港や航空機内の画像形成装置20が混んでいて、到着空港を出るまでに印刷物が受け取れない場合でも、その後に宿泊するホテルや列車の駅などで、印刷物を受け取ることが出来る。
【0083】
以上、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムの概要について説明した。
【0084】
[全体の構成]
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システム全体の構成について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システム101全体の構成図である。
【0085】
画像形成システム101は、印刷管理サーバー30と、各空港、各宿泊施設、各駅、および各会議場施設に設置された画像形成装置20とを含んで構成される。なお画像形成システム101には、各航空機および各列車に搭載された画像形成装置20を含んでもよい。印刷管理サーバー30と各画像形成装置20はネットワークにより接続されている。
【0086】
印刷管理サーバー30は、印刷依頼を受け付けると、印刷依頼と共に取得したユーザーが持つ旅程表の旅程表IDに基づいて旅程管理システム50にユーザーの旅程および利用する交通機関の運航状況や利用する施設の稼働状況を問い合わせる。
【0087】
なお、ここでいう旅程管理システム50は、ユーザーの行動予定として作成された旅程表を記憶しているだけではなく、第1の実施形態で説明した航空機用の運行管理システム40、そしてホテルでのチェックインおよびチェックアウトの状況などを管理する宿泊管理システム60、鉄道用の運行管理システム70、会議場などにユーザーが到着したかを管理できる施設管理システム80から、交通機関の運行状況および施設の稼働状況に関する情報を取得し、印刷管理サーバー30に提供することが出来るものである。
【0088】
以上、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システム101全体の構成について説明した。
【0089】
[印刷管理サーバーの構成]
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システム101の中核をなす印刷管理サーバー30の構成について説明する。
【0090】
なお、印刷管理サーバー30のハードウェア構成は第1の実施形態において説明したものと同じなので、説明を省略する。
【0091】
次に、CPU31においてプログラムが実行されることにより実現される機能ブロックについて説明する。
図9は、CPU31においてプログラムが実行されることにより実現される機能ブロックの図である。
【0092】
印刷管理サーバー30のCPU31において実現される機能ブロックは、旅程表ID取得部31a'、ユーザー属性取得部31b、印刷データ取得部31c、記憶制御部31d、ユーザー位置算出部31e、画像形成装置選択部31f、印刷指示部31g、およびユーザー通知部31hである。
【0093】
旅程表ID取得部31a'は、操作入力部34等を介して、ユーザーから旅程表の旅程表IDを取得する。
【0094】
旅程表ID取得部31a'以外の機能ブロックについては、第1の実施形態で説明したものと同様なので、説明を省略する。
【0095】
以上、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システム101の中核をなす印刷管理サーバー30の構成について説明した。
【0096】
[処理の流れ(全体)]
次に、画像形成システム101における全体の処理の流れについて説明する。
図10は、画像形成システム101における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0097】
まず、ユーザーが、画像形成システム101に印刷を依頼するために、自身の持つ旅程表の旅程表IDを読み込ませる。すなわち、旅程表ID取得部31a'が、操作入力部34等を介して、旅程表IDを受け付ける(ステップS21)。
【0098】
次に、ユーザー属性取得部31bが、ユーザーの氏名など、ユーザーを一意に識別出来る属性を取得し、印刷データ取得部31cが印刷するデータを取得する(ステップS22)。
【0099】
次に、記憶制御部31dが、旅程表ID取得部31a'により取得された旅程表ID、ユーザー属性取得部31bにより取得されたユーザー属性、および印刷データ取得部31cにより取得された印刷データを、記憶部37に記憶させる(ステップS23)。
【0100】
次に、ユーザー位置算出部31eが、旅程表IDを用いて旅程管理システム50に照会を行い、照会結果に基づいて、現在および今後のユーザー位置を算出する(ステップS24)。
【0101】
次に、画像形成装置選択部31fが、前ステップで算出されたユーザー位置および画像形成装置20の負荷状況等に基づき、ユーザーから依頼された印刷データを印刷する画像形成装置20を選択する(ステップS25)。なお、最適な画像形成装置20を選択するための詳細なアルゴリズムについては後述する。
【0102】
次に、印刷指示部31gが、前ステップで選択された画像形成装置20に対して印刷に用いる印刷データを送信し、印刷を実行する指示を与える(ステップS26)。
【0103】
次に、ユーザー通知部31hが、ユーザーの持つ携帯機器10などを介して、依頼された印刷物が渡される場所をユーザーに通知する(ステップS27)。
【0104】
以上、画像形成システム101における全体の処理の流れについて説明した。
【0105】
[処理の流れ(画像形成装置の選択)]
次に、上述した最適な画像形成装置20を選択するための詳細なアルゴリズムについて説明する。
図11は、最適な画像形成装置20を選択するための詳細なアルゴリズムについて説明するためのフローチャートである。
【0106】
まず、画像形成装置選択部31fが、ユーザーからの受け取り場所に関するリクエストがあるか否かを判断する(ステップS30)。
【0107】
ユーザーからのリクエストがある場合(ステップS30のYES)、画像形成装置選択部31fは、リクエストされた場所に最も近い場所に設置されている画像形成装置20を選択する(ステップS31)。
【0108】
ユーザーからのリクエストがない場合(ステップS30のNO)、画像形成装置選択部31fは、ユーザーの移動経路上で現在地から最も近い場所に設置されている画像形成装置20を選択する(ステップS32)。
【0109】
次に、画像形成装置選択部31fは、選択した画像形成装置20により印刷を実行した場合、ユーザーがその地点に到着するまでに印刷を完了できるか否かを判断する(ステップS33)。
【0110】
ユーザーがその地点に到着するまでに印刷を完了できないと判断された場合(ステップS33のNO)、画像形成装置選択部31fは、ユーザーの移動する経路上で現在の位置から次に近い位置に設置されている画像形成装置20を選択する(ステップS34)。そして、選択後、ステップS33の処理に戻る。
【0111】
ユーザーがその地点に到着するまでに印刷を完了できると判断された場合(ステップS33のYES)、画像形成装置選択部31fは、選択した画像形成装置20を、実際に印刷を実行させる適切な画像形成装置20として決定する(ステップS35)。
【0112】
以上、最適な画像形成装置20を選択するための詳細なアルゴリズムについて説明した。
【0113】
[補足事項]
その他、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。