(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プランジャは、前記ガスケットの基端側に連結された先端側部材と、前記第1の状態では前記先端側部材と入れ子の関係にあり、前記第1の状態から前記第2の状態となる際に前記先端側部材に対して相対的に前記内筒の軸方向に沿って基端側に移動する基端側部材と、前記基端側部材を前記先端側部材に対して前記内筒の軸方向に沿って基端方向に付勢する付勢部材とを有し、
前記基端側部材の基端方向への移動が可能な基端側部材移動可能状態では、前記付勢部材の付勢力で前記基端側部材が前記先端側部材に対し基端方向に移動することにより、前記プランジャが前記第2の状態となるまで基端方向に伸張し、前記第2のロック手段が作動して前記第2の状態が維持され、前記プランジャを操作して前記ガスケットを押圧可能となり、
前記基端側部材の基端方向への移動が規制された基端側部材移動規制状態では、前記付勢部材の付勢力で前記先端側部材が前記基端側部材に対し先端方向に移動することにより、前記プランジャが、前記第2の状態に向かって先端方向に伸長し、自動的に前記ガスケットを押圧する請求項1に記載の液体投与具。
前記カバー部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際に、前記ロック解除部により押圧されることで前記第1のロック手段の作動を前記ロック解除部とともに解除する押圧受部が、前記プランジャに一体に設けられている請求項2に記載の液体投与具。
前記第2のロック手段は、前記先端側部材および前記基端側部材のうちの一方に突出形成された先端側凸部と、他方に形成され、前記先端側凸部が係合する先端側凹部とで構成されている請求項4に記載の液体投与具。
前記カバー部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際に、前記ロック解除部により押圧されることで前記第1のロック手段の作動を前記ロック解除部とともに解除する押圧受部が、前記プランジャに一体に設けられており、
前記ロック解除部は、前記押圧受部を介して前記横溝に位置する前記突出部を前記縦溝に向かって押圧する請求項8に記載の液体投与具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プランジャが誤って作動するのを確実に防止することができる液体投与具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 先端に底部と、基端に開口部とを有し、内部に液体を充填可能な内筒と、
前記底部に装着され、先端に前記底部より突出し、生体の皮膚から所定の深さまで穿刺される鋭利な針先を有し、基端が前記内筒の内部と連通する針管と、
前記内筒の内部を前記内筒の軸方向に沿って摺動し得るガスケットと、
筒状をなし、その内側に内筒を収納して固定する外筒と、
前記ガスケットの基端側に連結され、該ガスケットを先端方向に向かって押圧して前記液体を前記針管から吐出させるプランジャであって、前記内筒の軸方向に沿って伸縮可能であり、収縮した第1の状態と、完全に伸張した第2の状態とを取り得、前記第1の状態のときに、前記外筒または前記内筒に当接し得る当接部とを有するプランジャと、
前記プランジャの前記第1の状態を維持可能な第1のロック手段と、
前記プランジャの前記第2の状態を維持可能な第2のロック手段と、
前記第1のロック手段の作動を解除可能なロック解除部と、先端面とを有し、前記内筒と前記外筒との間に配置され、前記針先が皮膚から生体の所定の深さまで穿刺される前に前記先端面が皮膚と接触するように、前記
外筒より先端側に突出した第1の位置と、前記針先が皮膚から生体の所定の深さまで穿刺されるように、前記第1の位置から基端方向に退避した第2の位置とに移動可能なカバー部材とを備え、
前記カバー部材が前記第1の位置にある際に、前記プランジャは、前記第1のロック手段により前記第1の状態が維持され、かつ前記当接部が前記外筒または前記内筒に当接することにより、前記プランジャの先端方向への移動が規制されており、
前記カバー部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際に、前記ロック解除部が前記第1のロック手段の作動を解除して、前記プランジャが前記第2の状態に向かって伸張可能となることを特徴とする液体投与具。
【0007】
(2) 前記プランジャは、前記ガスケットの基端側に連結された先端側部材と、前記第1の状態では前記先端側部材と入れ子の関係にあり、前記第1の状態から前記第2の状態となる際に前記先端側部材に対して相対的に前記内筒の軸方向に沿って基端側に移動する基端側部材と、前記基端側部材を前記先端側部材に対して前記内筒の軸方向に沿って基端方向に付勢する付勢部材とを有し、
前記基端側部材の基端方向への移動が可能な基端側部材移動可能状態では、前記付勢部材の付勢力で前記基端側部材が前記先端側部材に対し基端方向に移動することにより、前記プランジャが前記第2の状態となるまで基端方向に伸張し、前記第2のロック手段が作動して前記第2の状態が維持され、前記プランジャを操作して前記ガスケットを押圧可能となり、
前記基端側部材の基端方向への移動が規制された基端側部材移動規制状態では、前記付勢部材の付勢力で前記先端側部材が前記基端側部材に対し先端方向に移動することにより、前記プランジャが、前記第2の状態に向かって先端方向に伸長し、自動的に前記ガスケットを押圧する上記(1)に記載の液体投与具。
【0008】
(3) 前記カバー部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際に、前記ロック解除部により押圧されることで前記第1のロック手段の作動を前記ロック解除部とともに解除する押圧受部が、前記プランジャに一体に設けられている
上記(2)に記載の液体投与具。
【0009】
(4) 前記第1のロック手段は、前記先端側部材および
前記基端側部材のうちの一方に突出形成された突出部と、前記先端側部材および
前記基端側部材のうちの一方に形成され、前記突出部が挿入される溝とで構成されており、
前記押圧受部は、前記突出部に設けられている上記(3)に記載の液体投与具。
【0010】
(5) 前記第2のロック手段は、前記先端側部材および前記基端側部材のうちの一方に突出形成された先端側凸部と、他方に形成され、前記先端側凸部が係合する先端側凹部とで構成されている上記(4)に記載の液体投与具。
【0011】
(6) 前記基端側部材移動規制状態となるように、前記基端側部材の基端方向への移動を規制する規制部材を備える
上記(2)に記載の液体投与具。
【0012】
(7) 前記基端側部材移動可能状態と前記基端側部材移動規制状態とのうちのいずれかの状態を選択可能に切り換える切換え手段を備える
上記(2)に記載の液体投与具。
【0013】
(8) 前記先端側部材は、筒状をなす筒状部を有するものであり、
前記基端側部材は、筒状をなす内側筒状部と、前記内側筒状部の外周側に該内側筒状部と同心的に配置された筒状をなす外側筒状部とを有し、前記内側筒状部と前記外側筒状部との間に前記筒状部が位置するものであり、
前記第1のロック手段は、前記筒状部の外周部に突出形成された突出部と、前記外側筒状部に形成され、前記突出部が挿入される溝とで構成され、
前記突出部は、前記筒状部の外周部に突出形成され、
前記溝は、前記外側筒状部に形成され、前記外側筒状部の周方向に沿って形成された横溝と、該横溝に連通し、前記外側筒状部の軸方向に沿って形成された縦溝とを有し、
前記突出部は、前記第1の状態では前記横溝に位置し、前記第2の状態に移行する際に前記縦溝に位置する上記(2)に記載の液体投与具。
【0014】
(9) 前記カバー部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際に、前記ロック解除部により押圧されることで前記第1のロック手段の作動を前記ロック解除部とともに解除する押圧受部が、前記プランジャに一体に設けられており、
前記ロック解除部は、前記押圧受部を介して前記横溝に位置する前記突出部を前記縦溝に向かって押圧する上記(8)に記載の液体投与具。
【0015】
(10) 前記押圧受部は、前記突出部に設けられている上記(9)に記載の液体投与具。
【0016】
(11) 前記内筒には、液体が予め充填されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の液体投与具。
【0017】
(12) 前記液体は、薬液である上記(11)に記載の液体投与具。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、カバー部材が第1の位置から第2の位置に移動して、先端側針先が皮膚から生体の所定の深さまで穿刺されるまで、すなわち、生体に対する穿刺が完了するまでは、プランジャの作動を禁止することができる。従って、穿刺前や穿刺途中に、プランジャが誤って作動するのを確実に防止することができる。
【0019】
また、プランジャが第1の状態から第2の状態に移行する際に、先端方向に向かって伸長するか、基端方向に向かって伸長するかによって、本発明を、手動による液体投与と、自動的な液体投与とに使い分けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の液体投与具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1〜
図4は、それぞれ、本発明の液体投与具(第1実施形態)の作動状態を順に示す縦断面図、
図5、
図6は、それぞれ、本発明の液体投与具(第1実施形態)の作動状態を
図1〜
図4と異なる断面で順に示す縦断面図、
図7は、
図1に示す状態での液体投与具の斜視図、
図8は、
図6に示す状態での液体投与具の斜視図、
図9は、第1実施形態の液体投与具でのプランジャが有する基端側部材を示す斜視図、
図10は、第1実施形態の液体投与具でのプランジャが有する中間部材を示す斜視図、
図11は、第1実施形態の液体投与具でのプランジャが有する先端側部材を示す斜視図、
図12は、第1実施形態の液体投与具での連結部材を示す斜視図、
図13は、第1実施形態の液体投与具での内筒を示す斜視図、
図14は、第1実施形態の液体投与具でのカバー部材を示す斜視図、
図15は、第1実施形態の液体投与具での蓋体を示す斜視図、
図16は、第1実施形態の液体投与具での外筒を示す斜視図、
図25は、本発明の液体投与具(第1実施形態)の他の使用態様例を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の都合上、
図1〜
図16および
図25中(
図17〜
図24についても同様)の上側を「基端」、下側を「先端」と言う。
【0023】
図1〜
図8に示す液体投与具10は、液体Qを生体Bに投与する(注入する)際に用いられる医療器具である。なお、液体Qとしては、その使用目的に応じて適宜選択されるが、例えば、造血剤、ワクチン、ホルモン製剤、抗リウマチ剤、抗ガン剤、麻酔剤、血液凝固防止剤等、主に皮下注射される薬液が挙げられる。
【0024】
液体投与具10は、筒状をなす内筒1と、内筒1の先端部に装着された針管2と、内筒1内で摺動し得るガスケット16と、連結部材3を介してガスケット16の基端側に連結されたプランジャ11と、筒状をなし、その内側に内筒1を収納する外筒4と、内筒1と外筒4との間に配置されたカバー部材6とを備えている。
【0025】
図1〜
図6、
図8に示すように、内筒1は、先端部に底部12と、当該底部12の縁部から立設した側壁13と、基端部に開口部とが設けられた部材、すなわち、有底筒状をなす部材で構成されている。そして、内筒1の内部には、液体Qが充填可能である。底部12は、形状がすり鉢状をなし、その中心部に針管2を液密に装着することができる。また、
図13に示すように、側壁13は、形状が円筒状をなす。
【0026】
なお、内筒1、外筒4、連結部材3、蓋体5、カバー部材6の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられるが、その中でも、成形が容易であるという点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂が好ましい。
【0027】
針管2は、内筒1の底部12に装着されている。針管2は、先端に底部12より突出し、皮膚から生体Bの所定の深さまで穿刺される鋭利な針先21を有している。ここで、生体Bの所定の深さとは、皮膚から、液体投与具10に充填される液体Qの目的とする生体Bの投与部位まで深さのことである。液体Qの生体Bの投与部位としては、例えば、皮内、皮下、筋肉が挙げられ、それぞれ皮膚から生体Bの所定の深さに位置している。また、針管2の内腔部(中空部)は、内筒1と連通しており、内筒1からの液体Qが通過する流路22として機能する。そして針先21が生体Bの皮膚から所定の深さまで穿刺された状態、すなわち、生体Bに対する穿刺が完了した状態で、当該生体Bの投与部位に流路22を介して液体Qが注入される。
【0028】
なお、針管2の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料で構成されている。
【0029】
ガスケット16は、内筒1の軸方向に沿って摺動可能に収納されている。なお、このガスケット16と内筒1とで囲まれた空間には、液体Qが充填されている。そして、ガスケット16が先端方向に向かって移動することにより、内筒1内の液体Qを針管2から押し出すことができる。
【0030】
このガスケット16は、円柱状をなし、その周方向に沿ったリング状の突部161、162を有している。突部161と突部162とは、ガスケット16の軸方向に離間している。そして、突部161、162がそれぞれ内筒1の側壁13の内周部133に対し密着しつつ摺動することで、液密性を確実に保持するとともに、摺動性の向上が図れる。
【0031】
ガスケット16の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
【0032】
図12に示すように、連結部材3は、円板状なす第1の円板部31および第2の円板部32と、第1の円板部31と第2の円板部32とを連結する連結部33と、第1の円板部31から基端方向に向かって突出した棒状部34と有している。
【0033】
第1の円板部31と第2の円板部32とは、平行に配置されている。また、第1の円板部31は、第2の円板部32よりも直径が大きい。
【0034】
第2の円板部32と連結部33とがガスケット16内に嵌入されることにより、連結部材3とガスケット16とが確実に連結される。
【0035】
棒状部34は、第1の円板部31の基端面から棒状に突出している。この棒状部34は、後述するプランジャ11が有するコイルバネ15に挿入される。これにより、コイルバネ15の姿勢が維持され、よって、当該コイルバネ15に座屈が生じるのを確実に防止することができる。
【0036】
図8、
図16に示すように、外筒4は、先端部に円板状の先端壁部43と、当該先端壁部43の縁部から基端側に立設した円筒状の外筒本体41と、外筒本体41の外周部411の先端部に設けられた一対の安定部44と、外筒本体41の基端部に装着された蓋体5とを有している。先端壁部43には、その基端部に固定部42が設けられ、当該固定部42を挟んで対向する位置に一対の貫通孔45が貫通している(
図1参照)。
【0037】
外筒本体41は、その長さが内筒1よりも長いものである。
図16に示すように、外筒本体41の基端部には、一対の溝412が形成されている。一対の溝412は、互いに外筒本体41の中心軸を介して対向配置されている。各溝412は、それぞれ、外筒本体41の周方向に沿って形成された横溝413と、横溝413に連通する縦溝414、415とで構成されている。縦溝414は、横溝413の一端から先端方向に向かって延びている。縦溝415は、横溝413の他端から基端方向に向かって延びている。そして、このような構成の溝412には、後述するプランジャ11が有する先端側部材7の突出部72が挿入される。
【0038】
溝412を構成する横溝413および縦溝414、415のうちの縦溝415は、突出部72を溝412に挿入して組み立てる際に用いられる組立用溝である。また、横溝413および縦溝414は、液体投与具10を操作していく過程で、突出部72が移動するガイド溝である。
【0039】
固定部42は、内筒1を固定する部分である。固定部42は、先端壁部43の基端部に、外筒本体41と同心的に設けられた円柱状をなす部分であり、その基端面421がすり鉢状をなしている。そしてこの基端面421に内筒1の底部12を載置して、固定することができる。この固定方法としては、特に限定されず、例えば、接着(接着剤や溶媒による接着)による方法、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)方法等が挙げられる。また、基端面421から先端壁部43の先端面まで、固定部42の中心軸に沿って、挿通孔46が貫通している(
図1参照)。内筒1を固定部42に固定した際に、この挿通孔46に針管2が挿通され、針先21が先端壁部43より先端側に突出する。
【0040】
各貫通孔45は、先端壁部43を内筒1の軸方向に沿って貫通している。また、各貫通孔45は、それぞれ円弧状に湾曲しており、その湾曲内側が固定部42を挟んで対向している。
【0041】
一対の安定部44は、外筒本体41の外周部411に互いに反対方向に突出形成されている。各安定部44は、それぞれ、板状をなす部分である。そして、
図6に示すように、プランジャ11を操作する際に、各安定部44にそれぞれ指Fを宛がって、液体投与具10を生体Bに向かって押し付けることができる。これにより、プランジャ11操作時に液体投与具10の姿勢を確実に維持することができ、よって、液体Qの投与を容易に行なうことができる。また、後述するカバー部材6の先端面621を生体Bに押し付ける操作の際(
図4参照)にも、各安定部44に指Fを宛がうことで、その押し付け操作を容易に行なうことができる。また、針先21を生体Bの皮膚から所定の深さまで穿刺する際(
図5参照)にも、各安定部44に指Fを宛がうことで、針先21がぶれずに穿刺することができる。なお、各安定部44は、指Fでなく、後述するように外筒本体41の外周部411を把持した状態で、手の小指側の側面を宛がうようにしてもよい。
【0042】
蓋体5は、外筒本体41の基端開口部416に装着されている。
図15に示すように、蓋体5は、円環状をなす蓋体本体51と、蓋体本体51の外周部に設けられた複数(
図15に示す構成では4つ)の係合部52と、蓋体本体51の先端面に設けられた2つの溝埋め部53とを有している。
【0043】
蓋体本体51は、外筒本体41の基端開口部416をその基端側から覆うことができる。また、蓋体本体51の内周部には、2つの欠損部511が形成されている。これらの欠損部511は、蓋体本体51の中心を介して互いに対向して配置されている。そして、このような各欠損部511には、それぞれ、第1の状態で、後述するプランジャ11の基端側部材9の突部95が挿入される。
【0044】
各係合部52は、それぞれ、蓋体本体51の周方向に沿って等間隔に配置されている。そして、
図7に示すように、各係合部52は、それぞれ、外筒本体41の基端開口部416に形成されたフランジ部417に係合する。これにより、蓋体5が外筒本体41から離脱するのが防止される。
【0045】
各溝埋め部53は、それぞれ、蓋体本体51の基端面から突出しており、当該蓋体本体51の中心を介して互いに対向して配置されている。この溝埋め部53は、蓋体5が外筒本体41に装着されると、前述したように組み立てに用いられる縦溝415を埋めることができる(
図7参照)。また、この溝埋め部53が、縦溝415の縁部と外筒本体41の周方向に係合するため、蓋体5が外筒本体41に対して外筒本体41の中心軸回りに回転するのが規制される。
【0046】
プランジャ11は、連結部材3の基端側に接続され、ガスケット16を先端方向に向かって押圧して液体Qを針管2から吐出させるものである。
図1〜
図6に示すように、プランジャ11は、先端側部材7と、先端側部材7の基端側に配置された基端側部材9と、先端側部材7と基端側部材9との間に配置された中間部材8と、付勢部材としてのコイルバネ15とを有する組立体である。そして、先端側部材7と中間部材8と基端側部材9とは、互いに接近・離間可能に連結されている。これにより、プランジャ11は、全体として内筒1の軸方向に沿って伸縮可能となり、
図1〜
図3、
図5、
図7に示すように収縮した第1の状態(収縮状態)と、
図4、
図6、
図8に示すように完全に伸長した第2の状態(伸長状態)をと取り得る。第1の状態では、先端側部材7と中間部材8と基端側部材9とは、その先端部同士が互いに最も接近した状態となっている。また、第1の状態では、先端側部材7と中間部材8と基端側部材9とは、入れ子の関係にある。そして、第1の状態から第2の状態となる際に、基端側部材9と中間部材8とは、先端側部材7に対して相対的に内筒1の軸方向に沿って基端側に移動することができる。第2の状態は、先端側部材7と中間部材8と基端側部材9とは、その先端部同士が互いに最も離間した状態となっている。また、コイルバネ15は、先端側部材7と中間部材8と基端側部材9とを互いに離間する方向に付勢するものであり、第1の状態から第2の状態へ移行するための力を担っている。
【0047】
液体投与具10には、プランジャ11の第1の状態を維持可能な第1のロック手段20と、プランジャ11の第2の状態を維持可能な第2のロック手段30とがそれぞれ設けられている。
【0048】
以下、先端側部材7、中間部材8、基端側部材9、コイルバネ15、第1のロック手段20、第2のロック手段30の構成について説明する。
【0049】
図11に示すように、先端側部材7は、筒状部71と、筒状部71に突出形成された一対の突出部72とを有している。
【0050】
筒状部71は、先端部に先端壁部711と、当該先端壁部711の縁部から立設した側壁712とで構成されている、すなわち、有底筒状をなす部材で構成されている。
【0051】
図1(
図2〜
図6、
図8についても同様)に示すように、先端壁部711は、板状をなし、その中央部に連結部材3の棒状部34が挿通する挿通孔713が貫通して形成されている。そして、連結部材3は、棒状部34が挿通孔713を挿通した状態で、先端壁部711に連結、固定されている。その固定方法としては、特に限定されず、例えば、内筒1と外筒4との固定方法と同様の方法を用いることができる。なお、連結部材3は、先端壁部711に固定されていなくてもよい。
【0052】
側壁712は、円筒状をなす部分である。この側壁712の基端部には、貫通孔で構成された複数(
図11に示す構成では3つ)の第2のロック用凹部(先端側凹部)714が形成されている。各第2のロック用凹部714は、それぞれ、第2のロック手段30の一部を構成する部分である。また、各第2のロック用凹部714は、それぞれ、側壁712の周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0053】
また、側壁712には、各第2のロック用凹部714に対応する部分、すなわち、各第2のロック用凹部714の先端側直近部分に、側面視で「U」字状をなすスリット715が貫通して形成されている。そして、スリット715で囲まれた部分が、弾性変形可能な弾性片716となる。弾性片716の内側先端部には、その内周面が先端側に向かって外側に傾斜した傾斜面717が形成されている(
図5、
図6、
図8参照)。
【0054】
一対の突出部72は、第1のロック手段20の一部を構成するものである。この一対の突出部72は、3つの第2のロック用凹部714の間部分のうちの2箇所にそれぞれ配置されている。また、各突出部72は、互いに反対方向に向かって突出している。また、突出部72の基端面は、後述するように、カバー部材6のロック解除部により押圧される押圧受部となっている。そして、本第1実施形態では、この押圧受部がプランジャ11に一体に形成されているため、これらが別体に形成されている場合に比べて、部品点数を減らすことができ、組み立ても容易になる。
【0055】
なお、先端側部材7、中間部材8、基端側部材9の構成材料としては、特に限定されず、例えば、内筒1等と同様の材料を用いることができる。
【0056】
図9に示すように、基端側部材9は、同心的に配置された円筒状をなす内側筒状部91および外側筒状部92と、内側筒状部91と外側筒状部92とを連結する天板93とを有している。
【0057】
内側筒状部91には、その先端から基端方向に延びる複数対(本実施形態では3対(3組))のスリット911が貫通して形成されている。そして、各対のスリット911の間の部分が、それぞれ、弾性変形可能な弾性片912となる。弾性片912の外側先端部には、外方に向かって突出した第2のロック用凸部(基端側凸部)913が形成されている。各第2のロック用凸部913は、それぞれ、第2のロック手段30の一部を構成する部分である。
【0058】
内側筒状部91の外周側には、内側筒状部91よりも長さが短い外側筒状部92が間隙94を介して位置している。
図1に示すように、この間隙94、すなわち、内側筒状部91と外側筒状部92との間に、第1の状態で、先端側部材7の筒状部71の側壁712が挿入される(位置することができる)。
【0059】
外側筒状部92には、先端側部材7の各突出部72がそれぞれ挿入される溝921が形成されている。各溝921は、第1のロック手段20の一部を構成するものである。
図9に示すように、各溝921は、それぞれ、側面視で「L」字状をなす、すなわち、外側筒状部92の周方向に沿って延びる横溝922と、横溝922と連通し、横溝922の一端から先端方向に向かって延びる、すなわち、外側筒状部92の軸方向に沿って形成された縦溝923とで構成されている。縦溝923は、外側筒状部92の先端に開放している。そして、突出部72は、第1の状態で横溝922に位置し、第1の状態から第2の状態に移行する際に、横溝922から縦溝923を移動することができ、さらに、縦溝923から離脱する。
【0060】
天板93は、外側筒状部92よりも直径が大きい円板状をなし、内側筒状部91および外側筒状部92の基端部同士を連結している。また、天板93の先端面と外側筒状部92の外周部とをまたがって2つの突部95が突出して形成されている。これらの突部95は、天板93の中心を介して互いに反対側に配置されている。このような各突部95は、それぞれ、第1の状態で、蓋体5に形成された欠損部511に挿入される。これにより、突部95と欠損部511とが外筒4の周方向に係合するため、第1の状態で基端側部材9が蓋体5に対して外筒本体41の中心軸回りに回転するのが規制される。ここで、前述したように、蓋体5の外筒本体41に対する外筒本体41の中心軸回りの回転が規制されているため、第1の状態で、蓋体5を介して、基端側部材9が外筒本体41に対して外筒本体41の中心軸回りに回転するのが規制され、先端側部材7の突出部72と基端側部材9の横溝922の縁部との係合が不本意に解除されることを防止できる。また、天板93は、第1の状態で、蓋体5(外筒4)に基端側から当接し得る当接部として機能し、プランジャ11が先端側に移動するのを規制している。
【0061】
図10に示すように、中間部材8は、円筒状をなす部材で構成されている。中間部材8の外周部には、その先端部に、複数(本実施形態では3つ)の第2のロック用凸部(先端側凸部)81が突出形成されている。各第2のロック用凸部81は、それぞれ、第2のロック手段30の一部を構成する部分である。また、各第2のロック用凸部81は、それぞれ、中間部材8の周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0062】
また、中間部材8の外周部には、その基端部に、複数(本実施形態では3つ)の第2のロック用凹部(基端側凹部)82が形成されている。各第2のロック用凹部82も、それぞれ、第2のロック手段30の一部を構成する部分である。また、第2のロック用凹部82も、それぞれ、中間部材8の周方向に沿って等間隔に配置されている。なお、第2のロック用凸部81と第2のロック用凹部82とは、中間部材8の軸回りに交互に配置されている。
【0063】
中間部材8には、各第2のロック用凹部82に対応する部分、すなわち、各第2のロック用凹部82の先端側直近部分に、側面視で「U」字状をなすスリット83が貫通して形成されている。そして、スリット83で囲まれた部分が、弾性変形可能な弾性片84となる。弾性片84の内側先端部には、その内周面が先端側に向かって外側に傾斜した傾斜面841が形成されている。なお、各第2のロック用凸部81が形成されている部分85にも、当該第2のロック用凸部81の両側にスリット851を設けてもよい(
図10参照)。これにより、部分85の一部(第2のロック用凸部81の周囲)がより弾性変形し易くなる。
【0064】
図1に示すように、先端側部材7と中間部材8と基端側部材9とが組み立てられた状態のものの内側に、コイルバネ15が圧縮状態で配置、収納されている。コイルバネ15は、その先端151が先端側部材7の先端壁部711に当接し、基端152が基端側部材9の天板93に当接している。このコイルバネ15の付勢力により、第1の状態から第2の状態となる際に先端側部材7に対して基端側部材9が相対的に内筒1の軸方向に沿って基端側に移動することができる。
【0065】
そして、基端側部材9の基端方向への移動が可能な基端側部材移動可能状態では、コイルバネ15の付勢力で基端側部材9が先端側部材7に対し基端方向に移動することにより、プランジャが第2の状態となるまで基端方向に伸張する。このとき、第2のロック手段30が作動して第2の状態が維持され、プランジャ11を操作してガスケット16を押圧可能となる。
【0066】
一方、基端側部材9の基端方向への移動が規制された基端側部材移動規制状態では、コイルバネ15の付勢力で先端側部材7が中間部材8とともに基端側部材9に対し先端方向に移動することにより、プランジャ11が第2の状態に向かって先端方向に伸長する。これにより、プランジャ11が自動的にガスケット16を押圧することができる。
【0067】
なお、先端側部材7の先端壁部711のコイルバネ15が当接するバネ座となる部分には、当該コイルバネ15の先端151が入り込むリング状の凹部718が形成されている。これと同様に、基端側部材9の天板93のコイルバネ15が当接するバネ座となる部分には、当該コイルバネ15の基端152が入り込むリング状の凹部931が形成されている。コイルバネ15の先端151が凹部718に入り込み、基端152が凹部931に入り込むことにより、コイルバネ15の位置ズレを防止することができる。これにより、先端側部材7と基端側部材9とを確実に付勢することができる。
【0068】
コイルバネ15の構成材料としては、特に限定されず、例えば、例えば、ステンレス鋼等を用いることができる。
【0069】
このように、プランジャ11は、先端側部材7と中間部材8と基端側部材9とを有する入れ子構造となっている。これにより、第1の状態での全長をできる限り抑えるができ、よって、液体投与具10の小型化に寄与する。
【0070】
プランジャ11の第1の状態を維持する第1のロック手段20は、先端側部材7の突出部72と、基端側部材9の溝921とで構成されている。これについて、説明する。
【0071】
図1〜
図3に示すように、第1の状態では、突出部72は、溝921の横溝922に位置している。これにより、突出部72が横溝922の縁部に基端側から係合することとなり、よって、基端側部材9が先端側部材7に対して相対的に基端側に移動するのが確実に規制される。すなわち、コイルバネ15の付勢力に抗して、先端側部材7の先端部と基端側部材9の先端部とが最も接近した状態(第1の状態)が確実に維持される。
【0072】
そして、この第1の状態から第1のロック手段20の作動、すなわち、突出部72に対する横溝922の係合を解除すると、突出部72が横溝922から縦溝923に向かい、当該縦溝923に至ると、その縦溝923を移動することができる。これにより、プランジャ11では、コイルバネ15の付勢力で基端側部材9が先端側部材7に対して相対的に基端側に移動するとともに、これら部材の間に中間部材8が配される。よって、先端側部材7の先端部と基端側部材9の先端部とが最も離間した状態である第2の状態に向かって、プランジャ11が伸張可能となる(例えば
図4参照)。
【0073】
なお、第1のロック手段20の作動の解除は、後述するように、カバー部材6の移動で行なわれる。
【0074】
プランジャ11の第2の状態を維持する第2のロック手段30は、先端側部材7の第2のロック用凹部714と、中間部材8の第2のロック用凸部81および第2のロック用凹部82と、基端側部材9の第2のロック用凸部913とで構成されている。これについて、説明する。
【0075】
図6、
図8に示すように、第2の状態では、中間部材8の各第2のロック用凸部81が、当該第2のロック用凸部81に対応する、先端側部材7の第2のロック用凹部714に係合する。この係合により、先端側部材7の先端部と中間部材8の先端部とが再度接近するのが確実に規制される。また、第2の状態では、基端側部材9の各第2のロック用凸部913が、当該第2のロック用凸部913に対応する、中間部材8の第2のロック用凹部82に係合する。この係合により、中間部材8の先端部と基端側部材9の先端部とが再度接近するのが確実に規制される。従って、プランジャ11では、第2の状態が確実に維持されることとなる。
【0076】
なお、プランジャ11が第1の状態から第2の状態に移行する過程では、先端側部材7の各傾斜面717は、当該傾斜面717に対応する、中間部材8の第2のロック用凸部81を外側から押圧し、当該第2のロック用凸部81が形成された弾性片811を内側に弾性変形させる(
図10参照)。これにより、第2のロック用凸部81は、先端側部材7の傾斜面717を乗り越えて、第2のロック用凹部714に至り、第2のロック用凹部714と係合する。なお、先端側部材7の傾斜面717が形成されている各弾性片716も、中間部材8の弾性片811からの反力を受けて外側に弾性変形できるようになっている。また、中間部材8の各傾斜面841は、当該傾斜面841に対応する、基端側部材9の第2のロック用凸部913を外側から押圧し、当該第2のロック用凸部913が形成された弾性片912を内側に弾性変形させる。これにより、第2のロック用凸部913は、中間部材8の傾斜面841を乗り越えて、第2のロック用凹部82に至り、第2のロック用凹部82と係合する。なお、中間部材8の傾斜面841が形成されている各弾性片84も、基端側部材9の弾性片912からの反力を受けて外側に弾性変形できるようになっている。
【0077】
カバー部材6は、先端面621を有し、内筒1と外筒4との間に配置され、針管2の針先21が皮膚から生体の所定の深さまで穿刺される前に先端面621が皮膚と接触するように、外筒4より先端側に突出した第1の位置(
図1参照)と、針先21が皮膚から生体の所定の深さまで穿刺可能となるように、第1の位置から基端側に退避した第2の位置(
図4、
図6、
図8参照)とに移動する部材である。なお、本実施形態では、カバー部材が第1の位置にある際に、カバー部材6の先端面が針先21より先端側に突出している。これにより、カバー部材6が、第1の位置から基端側に移動するまで、針先21が露出しないため、使用者が穿刺前に針先で誤刺することや、針先を傷めてしまうことを防止することができる。
【0078】
図14に示すように、カバー部材6は、対向して配置された一対の板状部61と、板状部61同士を連結する連結部62とで構成されている。なお、カバー部材の先端面621は、この板状部61および連結部62の各先端面から構成されている。
【0079】
各板状部61は、それぞれ、円弧状に湾曲しており、その湾曲内側が対向するように配置されている。また、各板状部61は、それぞれ、外筒4の一対の貫通孔45に挿入され、内筒1と外筒4の外筒本体41との間に配置されている。また、各板状部61の内筒1の周方向の両側面には、それぞれ、内筒1の軸方向途中に突起611が突出形成されている。この突起611は、カバー部材6が第1の位置にある際に、外筒4の貫通孔45を囲む縁部に基端側から係合している。これにより、カバー部材6の第1の位置より先端側への移動が規制され、カバー部材6が貫通孔45から先端方向へ離脱することが防止されている。なお、各板状部61には、各板状部61の内筒1の周方向の一方の側面から基端側に向かってL字状に切りかかれたスリットにより、弾性片612が形成されている。そして、この各弾性片612の先端に、突起611が形成されている。これにより、各板状部61を外筒4の一対の貫通孔45に挿入する際に、各弾性片612に設けられた突起611が、貫通孔45の内側に向かって変位するため、各板状部61の各貫通孔45への挿入を容易に行なうことができる。
【0080】
各板状部61の基端部には、基端方向に向かって突出した突片63が形成されている。この突片63には、その板状部61の周方向の側面の一方に、突片63の板状部61の周方向の幅が先端側に向かって狭くなるように傾斜した傾斜面631が形成されている。傾斜面631は、カバー部材6の第1の位置から第2の位置への移動に伴って、第1の状態でプランジャ11の基端側部材9の横溝922に位置する先端側部材7の突出部72を、縦溝923に向かって押圧することができる。この押圧により、突出部72は、縦溝923に至ると、当該縦溝923を移動することができる。これにより、第1のロック手段20の作動が解除され、よって、プランジャ11が前述したように第2の状態に移行することができる。このように、傾斜面631は、第1のロック手段20の作動を解除し得るロック解除部として機能する。また、突出部72は、カバー部材6が第1の位置から前記第2の位置に移動する際に、ロック解除部により押圧されることで第1のロック手段20の作動をロック解除部とともに解除する押圧受部である。
【0081】
連結部62は、円環状をなす部分である。この連結部62は、各板状部61の先端部同士を連結している。
【0082】
次に、以上のような構成の液体投与具10の使用方法と、その使用時の作動状態とについて、
図1〜
図8を参照しつつ説明する。
【0083】
[1]
図1、
図7に示すように、未使用状態(初期状態)の液体投与具10を用意する。この未使用状態の液体投与具10では、カバー部材6は、第1の位置にあり、その先端面621が針管2の針先21より先端側に突出している。
【0084】
また、プランジャ11は、第1の状態にある。この第1の状態は、前述した第1のロック手段20により維持されている。すなわち、プランジャ11では、先端側部材7の先端部と基端側部材9の先端部とが最接近した状態で、先端側部材7の各突出部72が、それぞれ、基端側部材9の溝921の横溝922に位置して、基端側部材9が先端側部材7に対して相対的に基端側に移動するのが規制されている。そして、第1の状態では、当接部として機能する基端側部材9の天板93が蓋体5(外筒4)に基端側から当接しているため、プランジャ11の先端側へ移動が規制されている。これにより、プランジャ11を介してのガスケット16に対する押圧操作が禁止され、よって、プランジャ11の誤作動を確実に防止することができる。
【0085】
また、先端側部材7の各突出部72は、それぞれ、外筒4の溝412にも挿通しており、当該溝412の横溝413に位置している。ここで、突出部72が横溝413の縁部に基端側から当接し、プランジャ11が先端方向に移動するのが規制されている。すなわち、突出部72も、第1の状態で、外筒4に当接し得る当接部として機能している。これによっても、プランジャ11に対する操作が禁止され、よって、前記誤作動を確実に防止することができる。なお、溝412の縦溝415が、外筒本体41に装着された蓋体5の溝埋め部53を埋めているため、突出部72の縦溝415へ移動が規制されている。これにより、プランジャ11の基端側への移動が禁止され、プランジャ11の連結部材3から基端側へ離脱を防止することができる。
【0086】
[2]
図2に示すように、未使用状態の液体投与具10のカバー部材6の先端面621を生体Bに押し付ける。これにより、カバー部材6が第1の位置から第2の位置に向かって、すなわち、基端方向に移動し始めるとともに、針管2の針先21での生体Bに対する穿刺が行なわれ始める。
【0087】
また、このとき、カバー部材6では、各突片63の傾斜面631が先端側部材7の突出部72に当接して、当該突出部72を先端側部材7の周方向に押圧し始める。これにより、先端側部材7が外筒本体41に対して外筒本体41の中心軸回りに回転して、各突出部72は、それぞれ、基端側部材9の溝921の横溝922から、当該横溝922に連通する縦溝923に向かうとともに、外筒4の溝412の横溝413から、当該横溝413に連通する縦溝414に向かう。
【0088】
なお、前述したように、プランジャ11の基端側部材9は、蓋体5を介して外筒本体41に対する外筒本体41の中心軸回りの回転が規制されている。これにより、各突出部72は、それぞれ、基端側部材9の縦溝923に確実に向かうことができるとともに、外筒4の縦溝414にも確実に向かうことができる。
【0089】
なお、この押し付け操作際に、外筒本体41の外周部411を把持し、外筒4の安定部44に手の小指側の側面を宛がうようにしてもよい。これにより、この押し付け操作を容易に行なうことができる。
【0090】
[3]
図3に示すように、液体投与具10の生体Bへの押し付けをさらに続けると、カバー部材6の第2の位置への移動が完了するとともに、針管2の針先21の生体Bに対する穿刺も完了する。
【0091】
また、このとき、カバー部材6の各突片63の傾斜面631は、それぞれ、先端側部材7の突出部72を先端側部材7の周方向に押圧仕切る。これにより、先端側部材7の各突出部72は、それぞれ、基端側部材9の溝921の縦溝923に位置して、第1のロック手段20の作動、すなわち、第1の状態を維持する維持力が解除される。これに伴って、先端側部材7の各突出部72は、それぞれ、外筒4の溝412の縦溝414に位置して、プランジャ11の先端方向への移動が可能な状態となる。
【0092】
[4] そして、
図4、
図6、
図8に示すように、液体投与具10の本使用方法では、プランジャ11は、基端側部材9の基端方向への移動が可能な基端側部材移動可能状態にあり、コイルバネ15の付勢力により、基端側部材9および中間部材8がそれぞれ基端方向に向かって移動することができ、よって、第2の状態となる。この第2の状態は、前述したように、第2のロック手段30より維持される。すなわち、プランジャ11では、先端側部材7の先端部と中間部材8の先端部と基端側部材9の先端部とが互いに離間した状態で、中間部材8の各第2のロック用凸部81が、当該第2のロック用凸部81に対応する、先端側部材7の第2のロック用凹部714に係合する。これにより、先端側部材7の先端部と中間部材8の先端部とが再度接近するのが確実に規制される。また、基端側部材9の各第2のロック用凸部913が、当該第2のロック用凸部913に対応する、中間部材8の第2のロック用凹部82に係合する。これにより、中間部材8の先端部と基端側部材9の先端部とが再度接近するのが確実に規制される。
【0093】
また、第2の状態のプランジャ11は、中間部材8と基端側部材9とが外筒4(蓋体5)から突出し、基端側部材9の天板93が蓋体5(外筒4)から基端側に離間した状態となる。これにより、プランジャ11を介してのガスケット16に対する押圧操作が可能となる。
【0094】
[5] 次に、
図6に示すように、外筒4の安定部44に指Fを宛がう。そして、この状態で、第2の状態のプランジャ11を先端方向に向かって、外筒4の安定部44に宛がった方と反対側の手で押圧する。これにより、プランジャ11が連結部材3を介してガスケット16ごと先端方向に向かって移動して、液体Qを針管2から排出することができ、よって、液体Qを生体Bに投与することができる。
【0095】
このように、液体投与具10では、生体Bに対する穿刺が完了するまでプランジャ11に対する操作が禁止され、よって、プランジャ11が誤って作動するのを確実に防止することができる。すなわち、穿刺前や穿刺途中に、プランジャ11を誤って操作するのを確実に防止することができる。
【0096】
なお、液体投与具10の使用方法は、このような使用方法に限定されず、例えば、
図25に示すように、基端側部材9の天板93(基端部)を手で押えて使用することもできる。この場合、液体投与具10は、基端側部材9の基端方向への移動が規制された基端側部材移動規制状態となる。この状態では、先端側部材7が先端方向に向かって移動する、すなわち、プランジャ11が先端方向に向かって伸張して、自動的に液体Qが排出されることとなる。このような使用方法については、後述する第2実施形態や第4実施形態で詳細に説明する。
【0097】
<第2実施形態>
図17は、本発明の液体投与具(第2実施形態)の未使用状態を示す縦断面図である。
【0098】
以下、この図を参照して本発明の液体投与具の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0099】
本実施形態は、プランジャの伸長方向が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0100】
図17に示すように、本実施形態の液体投与具10は、外筒4に蓋体5の基端側からさらに装着された規制部材40を備えている。規制部材40は、プランジャ11が第1の状態から第2の状態に移行する際に、基端側部材9の基端方向への移動を規制する、つまり、基端側部材9を基端側部材移動規制状態とする部材である。
【0101】
この規制部材40は、円板状をなす規制部材本体401と、規制部材本体401の外周部に設けられた複数(本実施形態では4つ)の係合部402とを有している。
【0102】
規制部材本体401の基端側内面(裏面)の中央部には、凹部403が形成されている。この凹部403には、規制部材40が外筒4に装着された状態で、基端側部材9の天板93が収納される(位置する)。これにより、基端側部材9の基端方向への移動が規制される。
【0103】
各係合部402は、それぞれ、規制部材本体401の周方向に沿って等間隔に配置されている。そして、
図17に示すように、各係合部402は、それぞれ、外筒4のフランジ部417に係合する。これにより、規制部材40が外筒4から離脱するのが防止される。なお、各係合部402は、蓋体5の係合部52の係合箇所とは、外筒4のフランジ部417の周方向の異なる箇所に係合する。
【0104】
そして、プランジャ11が第1の状態から第2の状態に向かって伸張する際には、規制部材40により、前述したように基端側部材9の基端方向への移動が規制された基端側部材移動規制状態となっている。基端側部材移動規制状態では、コイルバネ15の付勢力により、先端側部材7が中間部材8とともに基端側部材9に対し先端方向に向かって移動する。すなわち、プランジャ11が、第2の状態に向かって先端方向に伸長する。これにより、プランジャ11が連結部材3を自動的に押圧することとなり、自動的な液体Qの投与が行なわれる。
【0105】
なお、規制部材40を外すことで、本実施形態の液体投与具10でも、基端側部材9の基端方向への移動が可能な基端側部材移動可能状態とすることができる。基端側部材移動可能状態では、コイルバネ15の付勢力により、基端側部材9および中間部材8がそれぞれ基端方向に向かって移動する。すなわち、プランジャ11が、第2の状態となるまで基端方向に伸長する。これにより、第2のロック手段30が作動して第2の状態が維持され、プランジャ11を操作してガスケット16を押圧可能となる。つまり、本実施形態でも、使用者の意志により、自動的な液体Qの投与と、手動による液体Qの投与とを、使い分けることができる。
【0106】
<第3実施形態>
図18は、本発明の液体投与具(第3実施形態)の未使用状態を示す斜視図、
図19、
図18に示す液体投与具の縦断面図、
図20は、
図18示す液体投与具での切換え操作部材を示す斜視図、
図21は、
図18示す液体投与具での外筒を示す斜視図、
図22は、
図18示す液体投与具でのプランジャが有する基端側部材を示す斜視図である。
【0107】
以下、これらの図を参照して本発明の液体投与具の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0108】
本実施形態は、液体投与具が切換え手段をさらに備えること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0109】
本実施形態の液体投与具10は、基端側部材移動可能状態と先端側部材移動規制状態とのうちのいずれかの状態を選択可能に切り換えるよう構成されている。そして、この切換え手段として、
図18、
図19に示すように、液体投与具10は、切換え操作部材50を備えている。
【0110】
図20に示すように、切換え操作部材50は、円環状をなす操作部材本体501と、操作部材本体501の外周部に突出形成された操作レバー502と、操作部材本体501の外周部に操作レバー502と異なる位置に突出形成された係合部503と、操作部材本体501の内周部に突出形成された一対の切換え部504とを有している。
【0111】
操作部材本体501は、外筒4の外筒本体41の内側に同心的に配置され、外筒本体41の中心軸回りに回動可能である。その回動操作は、操作レバー502により行なわれる。なお、
図20に示すように、操作部材本体501には、一対の溝505が貫通して形成されている。各溝505には、それぞれ、第2の位置に移動したカバー部材6の突片63が挿入される。これにより、切換え操作部材50とカバー部材6との干渉が防止される。
【0112】
操作レバー502は、操作部材本体501の外周部から外方に向かって棒状に突出した部分である。この操作レバー502は、外筒4の外筒本体41の基端部に形成された操作レバー用溝418に挿入される(
図18、
図19、
図21参照)。そして、この挿入状態で、操作レバー502は、外筒本体41の外周部411から突出する。これにより、操作レバー502を把持して、操作することができる。
【0113】
係合部503は、操作部材本体501の外周部から外方に向かって突出し、操作レバー502の全長よりも短い部分である。この係合部503は、操作部材本体501の中心を介して操作レバー502と反対側に配置されている。この係合部503は、外筒4の外筒本体41の基端部に形成された係合部用溝419に挿入される(
図19、
図21参照)。これにより、操作レバー502が、その操作中に外筒4の軸に対して傾くことがない。
【0114】
なお、操作レバー502の幅w
1は、操作レバー用溝418の幅w
2よりも小さく、係合部503の幅w
3は、係合部用溝419の幅w
4よりも小さい(
図20、
図21参照)。このような幅の大小関係により、操作レバー502を外筒本体41の中心軸回りに操作して、操作部材本体501を回動させることができる。
【0115】
また、操作レバー502の厚さt
1、操作レバー用溝418の深さd
2、係合部用溝419の深さd
3は、互いに同じである(
図20、
図21参照)。
【0116】
一対の切換え部504は、操作部材本体501の内周部にその中心を介して互いに対向して配置されている。各切換え部504は、それぞれ、基端側部材9の外側筒状部92の外周部に、各突部95の基端側に離間して突出形成された移動規制突部925に係合することができる(
図19、
図22)。
【0117】
そして、以上のような構成の液体投与具10では、切換え操作部材50の切換え部504と、基端側部材9の移動規制突部925とが係合しているか否かに応じて、基端側部材移動可能状態と基端側部材移動規制状態とのうちのいずれかの状態を選択することができる。
【0118】
図19に示すように、切換え操作部材50の切換え部504と、基端側部材9の移動規制突部925とが係合している場合、基端側部材9の基端方向への移動が規制される、つまり、基端側部材移動規制状態となる。
【0119】
この基端側部材移動規制状態では、コイルバネ15の付勢力により、先端側部材7が中間部材8とともに基端側部材9に対し先端方向に向かって移動する。すなわち、プランジャ11が、第2の状態に向かって先端方向に伸長する。これにより、プランジャ11が連結部材3を自動的に押圧することとなり、自動的な液体Qの投与が行なわれる。
【0120】
一方、
図19に示す状態と異なり、切換え操作部材50の切換え部504と、基端側部材9の移動規制突部925との係合が解除されている場合、基端側部材9の基端方向への移動が可能である、つまり、基端側部材移動可能状態となる。
【0121】
この基端側部材移動可能状態では、コイルバネ15の付勢力により、基端側部材9および中間部材8がそれぞれ基端方向に向かって移動する。すなわち、プランジャ11が、第2の状態となるまで基端方向に伸長する。これにより、プランジャ11を操作してガスケット16を押圧可能となる。つまり、本実施形態でも、使用者の意志により、自動的な液体Qの投与と、手動による液体Qの投与とを、使い分けることができる。
【0122】
<第4実施形態>
図23および
図24は、それぞれ、本発明の液体投与具(第4実施形態)の作動状態を順に示す縦断面図である。
【0123】
以下、これらの図を参照して本発明の液体投与具の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、切換え手段の構成が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
【0124】
本実施形態の液体投与具10は、基端側部材移動可能状態と基端側部材移動規制状態とのうちのいずれかの状態を選択可能に切り換えるよう構成されている。そして、
図23、
図24に示すように、液体投与具10は、切換え手段60を備えている。切換え手段60は、第1の切換え操作部材70と、第2の切換え操作部材80と有している。
【0125】
第1の切換え操作部材70は、プランジャ11が第1の状態から第2の状態に移行する際に、基端側部材9の基端方向への移動を規制し得る部材である。この第1の切換え操作部材70は、円環状をなす操作部材本体701と、操作部材本体701の外周部に設けられた複数(本実施形態では4つ)の係合部702と、操作部材本体701の内周部に設けられた複数(本実施形態では4つ)の規制部703とを有している。
【0126】
操作部材本体701は、蓋体5の蓋体本体51の基端側に当該蓋体本体51と同心的に配置されている。
【0127】
各係合部702は、それぞれ、切換え操作部材本体701の周方向に沿って等間隔に配置されている。そして、
図23、
図24に示すように、各係合部702は、それぞれ、外筒4のフランジ部417に係合する。これにより、第1の切換え操作部材70が外筒4から離脱するのが防止される。なお、各係合部702の係合箇所は、蓋体5の係合部52と異なる箇所である。
【0128】
各規制部703は、それぞれ、その端部が屈曲した鉤状をなす部分であり、切換え操作部材本体701の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、
図23、
図24に示すように、各規制部703は、それぞれ、起立した起立状態(
図23参照)から傾倒した傾倒状態(
図24参照)に弾性変形可能である。各規制部703は、それぞれ、液体投与具10が未使用状態では起立状態にあり、第2の切換え操作部材80を操作すると傾倒状態となる。そして、傾倒状態では、プランジャ11の基端側部材9の天板93の基端面に突出したリング状のリング部96の縁部に係合することができる。これにより、基端側部材9の基端方向への移動が規制される。
【0129】
第2の切換え操作部材80は、ドーム状をなし、外筒4をその基端側から覆うように設けられた操作部材本体801と、操作部材本体801の内側の頂部に設けられた複数(本実施形態では4つ)の連結部802とを有している。
【0130】
操作部材本体801は、その内周部に内径が基端方向に向かって漸減するテーパ部803を有している。
図24に示すうように、第2の切換え操作部材80を先端方向に押圧操作することにより、テーパ部803で、第1の切換え操作部材70の各規制部703を一括して押圧して傾倒状態とすることができる。
【0131】
各連結部802は、それぞれ、第2の切換え操作部材80と基端側部材9とを接近・離間可能に連結する小片で構成され、操作部材本体801の周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0132】
一方、基端側部材9のリング部96には、基端側部材9の中心軸方向に沿った複数本(本実施形態では4本)の溝961が貫通して形成されている。各溝961は、リング部96の周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0133】
そして、第2の切換え操作部材80の各連結部802は、それぞれ、基端側部材9のリング部96の溝961に、リング部96の内側から係合することができる。これにより、第2の切換え操作部材80と基端側部材9とが確実に連結される。なお、各連結部802は、それぞれ、溝961をその形成方向に沿って摺動することができる。これにより、第2の切換え操作部材80と基端側部材9とが接近・離間することができる。
【0134】
以上のような構成の液体投与具10は、
図23に示す未使用状態では、第1の切換え操作部材70の各規制部703は、それぞれ、起立状態となっている。そして、この状態のまま第2の切換え操作部材80を操作せずに、外筒4を把持して生体Bに対して穿刺を行なうと、プランジャ11は、基端側部材移動可能状態を採り、結果、基端側部材9および中間部材8がそれぞれ基端方向に向かって伸長した第2の状態となる。このプランジャ11を手動操作して、液体Qの投与を行なうことができる。なお、各規制部703は、それぞれ、基端方向に向かって移動する基端側部材9と干渉するのが十分に防止される位置にある。
【0135】
一方、
図23に示す未使用状態から第2の切換え操作部材80を押圧操作すると、
図24に示すように、第1の切換え操作部材70の各規制部703は、第2の切換え操作部材80のテーパ部803で一括して押圧されて、傾倒状態となる。これにより、各規制部703が基端側部材9のリング部96に係合して、基端側部材9の基端方向への移動が規制される、つまり、基端側部材移動規制状態となる。そして、この状態のまま、例えば外筒4を把持して生体Bに対して穿刺を行なうと、コイルバネ15の付勢力により、先端側部材7が中間部材8とともに基端側部材9に対し先端方向に向かって移動する。すなわち、プランジャ11が、第2の状態に向かって先端方向に伸長する。これにより、プランジャ11が連結部材3を自動的に押圧することとなり、自動的な液体Qの投与が行なわれる。
【0136】
このように、本実施形態の液体投与具10でも、使用者の意志により、自動的な液体Qの投与と、手動による液体Qの投与とを、使い分けることができる。
【0137】
また、基端側部材9の基端方向への移動を規制するために、第2の切換え操作部材80により第1の切換え操作部材70の各規制部703を傾倒させた際、基端側部材9を基端方向へ付勢するコイルバネ15の付勢力は、そのほとんどが、各規制部703および各係合部702を介して、外筒4に伝えられる。そのため、第1の切換え操作部材70および第2の切換え操作部材80を介して基端側部材9を手で押える力は、基端側部材9を直接的に手で押させる力よりも小さくて済む。これにより、比較的力が弱いとされる老年者にとっても、液体投与具10は、操作性に優れたものとなっている。
【0138】
また、第1の切換え操作部材は、本実施形態では蓋体5と別体で構成されているが、これに限定されず、蓋体5と一体的に形成されていてもよい。
【0139】
以上、本発明の液体投与具を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、液体投与具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0140】
また、本発明の液体投与具は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0141】
プランジャは、前述した各実施形態では1つの中間部材を有していたが、これに限定されず、例えば、中間部材が省略されていてもよい、2つ以上の中間部材を有していてもよい。
【0142】
また、前述した各実施形態では、第2のロック手段を構成する先端側凸部と先端側凹部とは、それぞれ、前記各実施形態では先端側凸部が先端側部材および中間部材のうちの中間部材に形成され、先端側凹部が先端側部材に形成されているが、これに限定されず、先端側凸部が先端側部材に形成され、先端側凹部が中間部材に形成されていてもよい。さらに、第2のロック手段を構成する基端側凸部と基端側凹部とは、それぞれ、前記各実施形態では基端側凸部が基端側部材および中間部材のうちの基端側部材に形成され、基端側凹部が中間部材に形成されているが、これに限定されず、基端側凸部が中間部材に形成され、基端側凹部が基端側部材に形成されていてもよい。
【0143】
また、前述した各実施形態では、外筒は蓋体を有していたが、蓋体は省略されていてもよい。この場合、当接部として機能する基端側部材の天板は、第1の状態で外筒の基端面に基端側から当接し、プランジャが先端側に移動するのを規制している。また、この場合、外筒は、その縦溝に向かって突出した突起を有している。この突起は、外筒の縦溝から横溝まで挿入された突出部に基端側から係合する。これにより、プランジャの基端側への移動が禁止され、プランジャの連結部材から基端側へ離脱を防止することができる。
【0144】
また、前述した各実施形態では、基端側部材の天板が当接部として機能していたが、基端側部材の外側筒状部から先端側に突出した突片が当接部として機能してもよい。この場合、この突片は、第1の状態で内筒に基端側から当接し、プランジャが先端側に移動するのを規制している。