特許第6178337号(P6178337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム アンド ハース カンパニーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178337
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】皮膚ライトニング調合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20170731BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20170731BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61K8/86
   A61Q19/02
   A61K8/34
   A61K8/891
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-550340(P2014-550340)
(86)(22)【出願日】2012年12月19日
(65)【公表番号】特表2015-503561(P2015-503561A)
(43)【公表日】2015年2月2日
(86)【国際出願番号】US2012070447
(87)【国際公開番号】WO2013101570
(87)【国際公開日】20130704
【審査請求日】2015年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/580,430
(32)【優先日】2011年12月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーティス・シュワルツ
(72)【発明者】
【氏名】ニーレシュ・シャー
(72)【発明者】
【氏名】セオドア・タイサック
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−526206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/81
A61K 8/34
A61K 8/86
A61K 8/891
A61Q 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚へ局所塗布すると皮膚の色合いを明るくするスキンケア調合物であって、
A)重量で0.5から10%のエマルションポリマー膜形成剤、
B)n=1,000〜200,000である一般式[−CHCHO−]を有する、重量で0.05から1%のポリ(エチレンオキシド)樹脂、
C)重量で、2から70%の、1種または複数の保湿剤、および
D)重量で、0.1から15%の、1種または複数の安定剤
を含むスキンケア調合物。
【請求項2】
前記ポリ(エチレンオキシド)樹脂が、エチレンオキシドから得られる重合単位を含む、請求項1に記載のスキンケア調合物。
【請求項3】
記ポリ(エチレンオキシド)樹脂は、重量平均分子量が50,000から8,000,000である、請求項1に記載のスキンケア調合物。
【請求項4】
前記エマルションポリマー膜形成剤は、1種または複数のエチレン性不飽和モノマーから得られる重合単位を含むポリマーである、請求項1に記載のスキンケア調合物。
【請求項5】
皮膚の色合いを明るくするための方法であって、請求項1に記載の前記スキンケア調合物の1つまたは複数の被膜を皮膚へ塗布するステップ、および次の被膜の塗布より前にそれぞれの被膜を乾燥させるステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布すると皮膚のライトニングまたはホワイトニング効果を生じるスキンケア調合物に関する。スキンケア調合物は、水性であり、1種または複数の水溶性のポリ(エチレンオキシド)樹脂および1種または複数のポリマー膜形成剤を含有する。
【背景技術】
【0002】
多くの調合物は、美容効果および薬物療法、またはさらに言えば同時に両方の目的を含めた、種々の効果のために、皮膚への塗布に利用可能である。こうした調合物は、液体、ジェル、ローション、クリーム、軟膏、ミスト、スプレーなどの形態で存在する。
【0003】
皮膚を手入れする1つの理由は、ライトニング(ホワイトニング)、またはダークニング(もしくは日焼け)などにより、その色または色合いを変えることである。遺伝的、怪我および病気、炎症を含めた、皮膚の様々な状態は時々、シミ、やけど、斑点、発疹、瘢痕組織、母斑、およびその他の皮膚色を変える要求をしばしば生じさせる物などの望ましくない変色の領域の原因となる。さらに、時には純粋に美容的な関心事が、皮膚色を変えて、より均一な色合い、より明るい色合い、より暗い色合いを得たいという要求の根底にある。
【0004】
皮膚の色合いを暗くする日焼けローションおよびスプレーがあるのと同様に、皮膚の色合いを明るくするまたは白くするために用いられる皮膚ライトニング調合物もある。いくつかのこうしたスキンケア調合物は、所望の皮膚のライトニング効果を生じるのに時間が掛かるが、消費者は、ライトニングまたはホワイトニング効果をすぐに、もっと言えば即座にでも生じさせる有効なスキンケア調合物を有することも評価するであろう。
【0005】
例えば、米国特許出願公開第2006/0018861号は、フラバノイド成分、ビタミンB3化合物、および水中油型担体、ならびに種々の他の任意の原料を含む、皮膚の色合いを明るくするためのスキンケア組成物を開示している。フラバノイドおよびビタミンB3の組み合わせは、相乗的な皮膚のライトニング効果を提供するとされている。米国特許出願公開第2006/0018861号は、より従来型の皮膚の色合い変化剤および美白剤、例えば顔料、反射微粒子材料およびそれらの混合物などの使用も記述している。より詳細には、適した顔料の例には、滑石、雲母、シリカ、ケイ酸マグネシウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛が含まれる。適した反射微粒子材料の例には、無機化合物、例えば二酸化チタンおよび酸化亜鉛が含まれる。米国特許出願公開第2006/0018861号で言及されている他の典型的な皮膚美白剤には、アスコルビン酸化合物、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸およびその誘導体、グリシルリジン酸、ハイドロキノン、コウジ酸、アルブチン、桑の実抽出物、ならびにそれらの混合物を含めた、色素過剰を改善する有効成分が含まれる。皮膚美白剤の組合せの使用は、様々なメカニズムを通して皮膚のライトニングの効能を提供し得ると言う点において有利であると考えられることも指摘されている。こうした化合物が所望の皮膚のライトニング効果に多少なりとも寄与するという指摘はないものの、米国特許出願公開第2006/0018861号は、その中に記述されているスキンケア組成物における粘性化剤(viscosifying agent)として種々の化合物の中でポリ(エチレン)オキシドおよびカルボン酸/カルボン酸塩コポリマーは双方とも有用であることをさらに示唆している。
【0006】
スキンケア産業は、顔料および反射材料などの微粒子材料、または上述したものなどの酸性の原料を必要とせず、皮膚のライトニングまたはホワイトニング効果を生じる代替調合物を歓迎するであろう。本発明は、皮膚へ局所塗布すると実質的に即座に皮膚のライトニング効果を提供し、1種または複数のポリ(エチレン)オキシドおよび1種または複数のエチレン性不飽和モノマーから得られるエマルションポリマーを含むアクリル系エマルションポリマー膜形成剤の組み合わせを含む、スキンケア調合物を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、皮膚へ局所塗布をすると皮膚の色合いを明るくするスキンケア調合物を提供する。スキンケア調合物は、A)重量で0.5から10%のエマルションポリマー膜形成剤、B)n=1,000〜200,000である一般式[−CHCHO−]を有する、重量で0.05から1%のポリ(エチレンオキシド)樹脂、C)重量で、2から70%の、1種または複数の保湿剤、およびD)重量で、0.1から15%の、1種または複数の安定剤を含む。ポリ(エチレンオキシド)樹脂は、エチレンオキシドから得られる重合単位を含む。エマルションポリマー膜形成剤は、1種または複数のエチレン性不飽和モノマーから得られる重合単位を含むポリマーである。
【0008】
本発明は、上記のスキンケア調合物の皮膚への1つまたは複数の被膜を塗布するステップ、および次の被膜の塗布より前にそれぞれの被膜を乾燥させるステップを含む、皮膚の色合いを明るくするための方法も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「ポリマー」は、本明細書で使用する場合、同種か異種かに関わらず、モノマーを重合することにより調製される高分子化合物を意味する。「ポリマー」という一般名称には、「ホモポリマー」、「コポリマー」、および「ターポリマー」と言う語が含まれる。また、本明細書で使用する場合、「樹脂」および「ポリマー」と言う語は、同義語である。
【0010】
本明細書で使用する場合、「から得られる重合単位」と言う語は、生成物ポリマーが、重合反応のための出発原料である構成成分のモノマー「から得られる重合単位」を含む、重合技術によって合成されるポリマー分子を言う。
【0011】
さらには、本明細書では、範囲の端点は、限定的であると見なされ、これに限定するものではないが本発明に関連するようにそれぞれの端点とはわずかに異なる値を含めた、当業者の知識の範囲内であるそれらの許容範囲の他の値を包含するとみなされる(言い換えれば、端点はそれぞれの個別の端点に対する「約(about)」または「近接した(close)」または「近い(near)」値を包含すると解釈される)。本明細書に列挙される、範囲および比率の境界は、結合可能である。例えば、特定のパラメータについて1〜20および5〜15の範囲が列挙される場合は、それによって1〜5、1〜15、5〜20、または15〜20の範囲も意図され、包含されると理解される。
【0012】
本明細書に述べられる全ての割合は、特に明記しない限り重量パーセントである。
【0013】
本発明は、皮膚への局所塗布をすると皮膚の色合い(または色)を明るくし(または白くし)、
A)重量で0.5から10%のエマルションポリマー膜形成剤、
B)n=1,000〜200,000である一般式[−CHCHO−]を有する、重量で0.05から1%のポリ(エチレンオキシド)樹脂、
C)重量で、2から70%の、1種または複数の保湿剤、および
D)重量で、0.1から15%の、1種または複数の安定剤
を含むスキンケア調合物を提供する。
【0014】
理論に拘泥するものではないが、局所塗布において、付けたままのスキンケア調合物が皮膚上の乾燥過程中にエマルションポリマー膜形成剤の不安定化をもたらし、それが即時にまたは誘発された凝固を生じるのは、エマルションポリマー膜形成剤のポリ(エチレンオキシド)樹脂との相互作用であると考えられている。結果として起こる分散した凝固は、光を散乱し、皮膚ライトニング効果を与える。より詳細には、PEO樹脂は既知であり様々なパーソナルケア調合物において粘性化剤としておよび感覚向上のために用いられるが、少量、すなわち、重量で0.05から1%のPEO樹脂だけで、重量で約10%より少ないエマルションポリマー膜形成剤と共に、即時の皮膚ホワイトイング効果を生じ得るのは驚きである。
【0015】
本発明のスキンケア調合物における使用のために適したエマルションポリマー膜形成剤は、1種または複数のエチレン性不飽和モノマーから得られるエマルションポリマーである。エマルションポリマー膜形成剤は、1種または複数の以下の成分も含み得る:酸官能性残基、多価金属イオンおよび錯体架橋剤(complex crosslinking agent)。
【0016】
適したエマルションポリマー膜形成剤は、−1から120℃、例えば25℃から90℃、または40℃から80℃、またはさらには50℃から75℃のガラス転移温度、Tgを有する。「ガラス転移温度」、または「Tg」は、本明細書で使用する場合、その温度またはそれ以上でガラス状ポリマーがポリマー鎖のセグメント運動を経ることとなる温度を意味する。ポリマーのガラス転移温度は、以下のようにFoxの方程式(Bulletin of American Physics Society、1(3)、p123、1956)によって推測され得る:
1/T=w/Tg,1+w/Tg,2
2種類のモノマーを含むコポリマーについては、w1およびw2は2つのモノマーの重量分率を指し、Tg,1およびTg,2はモノマーから作られる2つの対応するホモポリマーのガラス転移温度を指す。3種またはそれ以上のモノマーを含有するポリマーについては、追加の項(w/Tg,n)が加えられる。ポリマーのTは、例えば、示差走査熱量測定(DSC)を含めた、様々な技術によっても測定され得る。
【0017】
一部の実施形態において、本発明によるスキンケア調合物は、スキンケア調合物の総重量に基づいて、重量で0.5から10%、例えば0.5から5%、またはさらには0.25から2.5%のエマルションポリマー膜形成剤を含む。
【0018】
エマルションポリマー膜形成剤は、1種または複数のアクリルポリマーまたはコポリマー、例えばポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩およびそれらのコポリマー、ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸のコポリマー、酢酸ビニルおよびクロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドンおよびカプロラクタムのコポリマー、ならびにポリビニルアルコールであってよい。
【0019】
本発明のスキンケア調合物における使用に適したエマルションポリマー膜形成剤の調製のための方法は、当技術分野において知られており、特に制限はない。調製方法は、溶液、分散および乳化重合プロセスから選択してよい。乳化重合は、有用なポリマー膜形成剤を調製するために特に有用である。乳化重合の実践は、良く知られており、文献、例えば、D.C.Blackley、Emulsion Polymerization(Wiley、1975)において詳細に述べられている。重合温度は、典型的には周囲温度から90℃までであり、分散剤、開始剤、促進剤、乳化剤、連鎖移動剤の使用も伴っていてもよい。当業者には容易に理解されるように、分散剤はアニオン性または非イオン性分散剤を含んでいてよく、重合開始剤は遊離基型の物、例えば過硫酸アンモニウムまたは過硫酸カリウムであってもよい。開始剤は、単独でまたは促進剤、例えばメタ重亜硫酸カリウムまたはチオ硫酸ナトリウムと一緒に用いてもよい。重合時の適した乳化剤の例には、例えば、アルカリ金属およびアルキルのアンモニウム塩、アリール、アルカリルおよびアラルキルスルホン酸塩、硫酸塩、ポリエーテル硫酸塩、ならびに脂肪酸、エステル、アルコール、アミン、アミドおよびアルキルフェノールのアルコキシル化誘導体が含まれる。ポリマーの分子量を調整するために、メルカプタン、ポリメルカプタンおよびポリハロゲン化合物を含めた連鎖移動剤を、重合混合物において用いてもよい。
【0020】
適したエマルションポリマー膜形成剤は、重合単位として、エマルションポリマー膜形成剤の総重量に基づいて、重量で5%から90%、例えば5%から80%、5%から50%、またはさらには10から20%の、1種または複数のカルボキシル基、スルホン基およびホスホン酸基から選択される酸性官能基を含有する1種または複数のモノエチレン性不飽和モノマーを含んでいてよい。例えば、適したカルボン酸モノマーには、これに限定はされないが、モノエチレン性不飽和(C〜C)カルボン酸モノマー、例えば不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸モノマーが含まれる。例えば、不飽和モノカルボン酸には、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、アルファ−エタクリル酸、ベータ−ジメチルアクリル酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、エチルイジン酢酸(ethylidineacetic acid)、プロピルイジン酢酸(propylidineacetic acid)、クロトン酸、アクリルオキシプロピオン酸(acryloxypropionic acid)ならびにそれらのアルカリ塩および金属塩が含まれる。適した不飽和ジカルボン酸モノマーには、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、メチレンマロン酸ならびにそれらのアルカリ塩および金属塩が含まれる。
【0021】
スルホン酸またはホスホン酸基を含有するさらなる適したモノエチレン性不飽和モノマーには、例えば、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパン−スルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリル−アミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、スチレン−スルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリル酸2−スルホエチル、アクリル酸3−スルホプロピル、メタクリル酸3−スルホプロピル、スルホメチルアクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミドおよびメタクリル酸ホスホエチルが含まれる。
【0022】
さらなる例として、1種または複数のモノエチレン性不飽和モノマーは、ヒドロキシル基、チオール基、およびアミノ基から選択される1種または複数のペンダント反応性官能基を含有する1種または複数の(メタ)アクリルモノマーを含んでいてもよい。適したヒドロキシ−官能性(メタ)アクリルモノマーには、例えば、ヒドロキシ(C〜C)(メタ)アクリル酸アルキル、例えばメタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルおよびアクリル酸ヒドロキシプロピルが含まれる。適したアミノ−官能性(メタ)アクリルモノマーには、例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチル−アミノプロピルおよびアクリル酸ジメチルアミノプロピルが含まれる。適したチオール−官能性(メタ)アクリルモノマーには、例えば、メタクリル酸2−メルカプトプロピルが含まれる。
【0023】
一層のさらなる例として、1種または複数のモノエチレン性不飽和モノマーは、1種または複数の(C〜C20)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、例えば、これに限定されないが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2級ブチル(secondary butyl acrylate)、アクリル酸3級ブチル(tertiary−butyl acrylate)、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸シクロプロピル(cyclopropyl,methacrylate)、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシルおよびメタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸2−エチルヘキシル(EHA)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルの別名でも知られる)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチルの別名でも知られる)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸セチルの別名でも知られる)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリルの別名でも知られる)、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルならびにそれらの組み合わせを含んでいてもよい。典型的には、(C〜C20)(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(C〜C)(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、好ましくは(C〜C)アクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルから選択される(C〜C20)(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、最も好ましくは、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルから選択されるアクリル酸エステルである。
【0024】
エマルションポリマー膜形成剤を調製するのに用いられる1種または複数のモノエチレン性不飽和モノマーは、1種または複数のビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン、アルファ−メチルスチレンおよび置換スチレン、例えば、ビニルトルエン、2−ブロモスチレン、4−クロロスチレン、2−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、アルファ−シアノスチレン、アリルフェニルエーテルおよびアリルトリルエーテルなどを含んでいてもよい。
【0025】
エマルションポリマー膜形成剤は、重合単位として、エマルションポリマー膜形成剤の総重量に基づいて、重量で0から50%、例えば0から25%の1種または複数の他の共重合可能なモノマーを含むことも可能である。適した他の共重合可能なモノマーには、例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニトリル、アルファ−クロロアクリロニトリル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチレン、メチルビニルチオエーテルおよびプロピルビニルチオエーテル、ビニルアルコールのエステル、ならびにエチレン性不飽和(C〜C)カルボン酸のアミド、1つまたは2つの(C〜C)アルキル基で窒素が置換されたエチレン性不飽和(C〜C)カルボン酸のアミド、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロール(メタ)アクリルアミドが含まれる。
【0026】
本発明のスキンケア調合物における使用のために適した、下文にさらに詳細に記載されているポリ(エチレンオキシド)(「PEO」)樹脂は、非イオン性であり、エチレンオキシドから得られる重合単位を含む。それらは、エチレンオキシドに加えて、酸化プロピレンなどの他のモノマーから得られる単位も含んでいてよい。PEO樹脂は、20℃および大気圧で、0.1%から100%の水への溶解度を有していてよい。
【0027】
より詳細には、本発明における使用のために適したPEO樹脂は、n=1,000から200,000、例えば、1,000から100,000、またはさらには1,000から50,000である、一般式[−CHCHO−]を有する。さらには、適したPEO樹脂成分は、重量平均分子量、MWwが、モル当たり50,000から8,000,0000グラム(g/mol)、例えば75,000から4,000,000g/mol、またはさらには100,000から1,000,000g/molである。
【0028】
一部の実施形態において、スキンケア調合物は、スキンケア調合物の総重量に基づいて重量で0.05から1%、例えば0.1から1%、またはさらには0.1から0.25%のPEO樹脂を含んでいてよい。
【0029】
本発明の水性被膜組成物における使用のために適したポリ(エチレンオキシド)樹脂を調製するための方法は、当業者によく知られており、特に限定されない。例えば、触媒の存在下で、非溶媒希釈における、エチレンオキシドの不均一配位アニオン重合は、水溶性のポリ(エチレンオキシド)樹脂の調製に適するであろう。こうしたアニオン重合を促進することが知られている触媒には、塩基、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または他の化合物、またはさらには亜鉛をベースとするそれらの物が含まれる。さらには、エチレンオキシドのカチオン重合は、水溶性のポリ(エチレンオキシド)樹脂を得るためにプロトン酸(HClO、HCl)、ルイス酸(SnCl、BF、など)、有機金属化合物、またはより複雑な試薬を含めた触媒の存在下で行ってもよい。有機金属触媒を用いて開環重合プロセスによってエチレンオキシドから適したポリ(エチレンオキシド)樹脂を調製することも可能である。当然ながら、樹脂がエチレンオキシドおよび酸化プロピレンなどの別のモノマーから得られる重合単位を含むことが望ましい場合は、重合を受ける反応混合物中に両種類のモノマーが存在しなければならない。
【0030】
水性被膜組成物の光沢/外観を修正することに奏功すると分かっている工業用のPEO樹脂には、米国ミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている、非イオン性、水溶性、高分子量のポリ(エチレンオキシド)ポリマー、POLYOX(商標)樹脂が含まれる。適したPOLYOX化合物の異なる種類および濃度には、これに限定はされないが、POLYOX WSR N−10、POLYOX WSR N−80、POLYOX WSR N−750、POLYOX WSR N−3000、POLYOX WSR−205、POLYOX WSR−1105、POLYOX WSR N−12K、POLYOX WSR−301、POLYOX WSR Coagulant、POLYOX WSR−303、POLYOX WSR−308、UCARFLOC(商標)Polymer 300、UCARFLOC Polymer 302、UCARFLOC Polymer 304、UCARFLOC Polymer 309が含まれる。参考のため、代表的なPOLYOX樹脂をそれらの重量平均分子量とともに下表1に記載する。
【表1】
【0031】
被膜組成物に配合した場合に光沢調整特性を向上するのに適し得る他の市販されているPEO樹脂材料には、これに限定はされないが、日本、京都の明成化学工業株式会社からのALKOX(登録商標)樹脂が含まれる。ALKOX(登録商標)樹脂は、100,000から8,000,000の範囲の分子量を有する。適切であると考えられるALKOX(登録商標)樹脂の特定の例は、例えば、ALKOX R−150、ALKOX R−400、ALKOX R−1000、ALKOX E−30、ALKOX E−45、ALKOX E−60、ALKOX E−75、ALKOX E−100、ALKOX E−130、ALKOX E−160、ALKOX E−240、ALKOX E−300、ALKOX L−6、ALKOX L−8、ALKOX L−11である。さらに、日本、大阪の住友精化株式会社から入手可能な、PEO(登録商標)Water−Soluble Thermoplastic Resin、例えば、PEO−27、PEO−18Z、PEO−15Z、PEO−8Z、PEO−4、PEO−3Z、PEO−2、PEO−1Zは、本発明の被膜組成物における使用のために適したPEO樹脂であると考えられる。
【0032】
さらにエチレンオキシドの酸化プロピレンとのコポリマーであるPEO樹脂材料も、本発明の被膜組成物において光沢調整特性を向上するのに適し得ることが知られている。エチレンオキシドと酸化プロピレンとのこうしたコポリマーには、これに限定はされないが、例えば日本、京都の明成化学工業株式会社から市販されているALKOX EP−10およびALKOX EP−20などのALKOX樹脂が含まれる。
【0033】
本発明のスキンケア調合物は、スキンケア調合物の総重量に基づいて、重量で2から70%、例えば25から45%、またはさらには10から30%の、1種または複数の保湿剤も含む。「保湿剤(moisturizing agent)」と言う語は、本明細書で使用する場合、当業者によってしばしば皮膚保湿剤(moisturizer)、皮膚軟化剤(emollient)および湿潤剤(humectant)と呼ばれる物質を含むことが意図される。
【0034】
保湿剤の例には、これに限定はされないが、脂肪酸のC1〜20のアルキルエステル、C10〜22の脂肪酸(すなわち、ステアリル、パルミチル、ラウリル、ミリスチル)、C10〜22の脂肪アルコール(ステアリル、パルミチル、ラウリル、ミリスチル、オレイル)、およびC10〜22の脂肪アルコールエーテル、C16〜22のアルカン酸トリグリセリド(ヒマワリ種子油)、ステロール、すなわち、コレステロール、大豆ステロール、シリコーン(ジメチコーン)、ワセリン、鉱油が含まれる。湿潤剤の例は、多価アルコール、例えばソルビトール、ヘキシレングリコール、およびグリセリンである。
【0035】
改善された潤滑性のために、他の原料、例えばラノリンまたはその加水分解生成物、スクアレン、ホホバ油、C〜C40の直鎖および分岐の炭化水素、例えばイソヘキサデカン、C〜C30のアルコールエステル、例えばイソステアリン酸イソプロピル、グリセリド、アルキレングリコールエステル、プロポキシ化およびエトキシ化誘導体、糖エステル、例えばスクロースポリコットンシードエート(sucrose polycottonseedate)、植物油、例えばココナツ油、水素化植物油、動物油脂、ならびにポリプロピレングリコールのC〜C20のアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールのC〜C20のカルボン酸エステル、およびC〜C30のジ−アルキルエーテルを任意選択で調合物に加えてもよい。
【0036】
例えば、一部の実施形態において、脂肪アルコールから選択される1種または複数の皮膚軟化剤が、整肌の効能を提供するために用いられ得る。脂肪アルコールは、乳化剤と共に構造化された網を形成して粘性、相安定性、および調整の効能の増加を提供し得る。本明細書において有用な脂肪アルコールは、飽和の、直鎖または分岐のC12〜C30の脂肪アルコール、飽和の、直鎖または分岐のC12〜C30のジオール、およびそれらの混合物からなる群から選択される飽和の、直鎖または分岐の脂肪アルコールである。好ましい脂肪アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、およびそれらの混合物である。
【0037】
本発明のスキンケア調合物は、水性スキンケア調合物中の皮膚軟化剤などの油性成分を分散および安定させるために、1種または複数の安定剤をさらに含む。「安定剤」と言う語には、本明細書で使用する場合、各種の安定剤、例えば乳化剤、増粘剤およびレオロジー改質剤が含まれる。現在知られている物および従来型の物、ならびに今後開発され得る物を含め、多様な安定剤が、スキンケア調合物における使用のために適する。当業者によって認められ使用可能であろうように、選択された乳化剤は、組成物の必須成分と化学的および物理的に適合し、所望の分散特性を提供しなければならない。
【0038】
1種または複数の安定剤は、スキンケア調合物中に、スキンケア調合物の総重量に基づいて、重量で0.1から15%、例えば1から10%、またはさらには0.5から10%の量で含まれる。
【0039】
本発明のスキンケア調合物における使用に適した種々の安定剤の例には、これに限定はされないが、種々の非イオン性およびアニオン性界面活性剤、例えば糖エステルおよびポリエステル、アルコキシル化糖エステルおよびポリエステル、C〜C30脂肪アルコールのC〜C30脂肪酸エステル、C〜C30脂肪アルコールのC〜C30脂肪酸エステルのアルコキシル化誘導体、C〜C30脂肪アルコールのアルコキシル化エーテル、C〜C30脂肪酸のポリグリセリルエステル、ポリオールのC〜C30エステル、ポリオールのC〜C30エーテル、リン酸アルキル、ポリオキシアルキレン脂肪エーテルリン酸塩、脂肪酸アミド、ラクチル酸アシル、セッケン、およびそれらの混合物が含まれる。適したレオロジー改質剤または増粘剤には、これに限定はされないが、アクリル結合性(acrylic associative)または非結合性のレオロジー改質剤、多糖、ポリアクリルアミド、アクリル酸アルキルクロスポリマーに基づく物が含まれる。
【0040】
本発明のスキンケア調合物は、典型的な粘度が10から10,000センチポイズである。
【0041】
本発明のスキンケア調合物は、前述の成分に加えて、調合物の総重量に基づいて重量で80%までの量で、溶媒、好ましくは水性溶媒、例えば水あるいは水および軽質アルコール、または水およびグリコールを含む混合物も含んでいてもよい。
【0042】
他の既知のスキンケア調合物と同様に、本発明による調合物は、これに限定はされないが、酸化防止剤、UV吸収剤、遊離基捕捉剤、キレート剤、ビタミンおよびそれらの誘導体、研磨剤、収斂剤、香料、構造化剤、乳化剤、可溶化剤、緩衝剤、増粘剤、pH調整剤、顔料または着色剤、ならびに防腐剤を含めた追加の原料を含んでいてもよい。こうした追加の原料は、典型的にはさらなる美的または機能的効能、例えば、外観、匂い、もしくは感触に関する感覚的効能、癒し的効能、あるいは予防的効能をスキンケア調合物またはそれを塗布する皮膚に提供するために、選択され用いられる。上述の必須成分も、それら自体、こうした効能を提供し得る。こうした追加の成分は、全てではないとしても、大部分が、当業者によく知られ、それらの使用は本発明に関連して特には制限されない。
【0043】
当業者は、既に設備が整っており、現在知られているまたは将来のこうした追加の成分が、たとえいくらかでも、特定のスキンケア調合物およびその意図される用途によっては有益であり得ることを評価するのに最良の体制であると考えられるので、以下の情報は一般的手引きのためだけの物である。
【0044】
適したUV吸収剤には、例えば、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸(PARSOL(商標) MCXとして市販されている)、ブチルメトキシジベンゾイル−メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ−フェノン、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、オクトクリレン、N,N−ジメチル−p−アミノ安息香酸2−エチルヘキシル、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、オクトクリレン、オキシベンゾン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、4,4’−メトキシ−t−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンショウノウ、3−(4−メチルベンジリデン)ショウノウ、EUSOLEX(商標) 6300、オクトクリレン、メトキシケイ皮酸オクチル(OMC)、アボベンゾン(PARSOL(商標)1789として市販されている)、およびそれらの混合物が含まれる。PARSOL(商標)製品は、オランダ、ヘールレンのDSM Nutritional Products,Inc.から市販されている。EUSOLEX(商標)製品は、ドイツ、ダルムシュタットのMerck KGaAから市販されている。
【0045】
適した酸化防止剤には、例えば、ビタミンCまたはその誘導体、植物性活性物、ビタミンE、フラバノイド、およびそれらの混合物が含まれる。
【0046】
数ある中でも、適した緩衝剤(すなわち、中和剤)には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノメチルプロパノールが含まれる。
【0047】
適した防腐剤には、NEOLONE(商標)CapG(米国、ミシガン州、ミッドランドのthe Dow Chemical Companyから市販されている)、ならびにメチルイソチアゾリノンとカプリルアルコールまたはフェノキシエタノール(phenoxyy ethanol)との混合物、ならびに当業者によく知られている他の物が含まれる。
【0048】
本発明の使用法、適用および利益は、以下の発明の調合物の例示的な実施形態および適用の考察および記述によって明らかとなろう。
【0049】
例えば、これに限定されないが、本発明のスキンケア調合物の一部の実施形態は、下記の提案される組成物の表に記載される種類および量の原料および化合物を含む。
【表2】
【実施例】
【0050】
調合物のホワイトニング(ライトニング)特性
エマルションポリマー膜形成剤およびPEO樹脂の組み合わせを含有する調合物によって生じるホワイトニング効果を試験するために、試料調合物を表3および表4に提供される詳細に従って調製した。
【0051】
全ての試料調合物は、以下の表3に記述される成分を共通して、記述される量で有した。
【表3】
【0052】
個々の試料調合物を、前述の標準試験調合物成分を用いて、下表4に提供されるような
PEOの個々の種類および量で調製した。
【表4】
【0053】
原料を完全に混合(30分間)した後、PEOを含有する調合物を、下文にさらに詳細を記載するように、皮革片および黒色ビニル合成タイルに塗布した。
【0054】
白色度を、以下の計器を用いて決定されるような、CIELAB(L、a、b)色空間のLを用いて測定した:
BYK Spectro−Guide 45/0;カタログ番号6801;製造番号1059451
ドイツ、ゲレーツリート(Geretsried)82538のByk−Gardner GMBH製
【0055】
は、明度を測定するCIELABにおいて用いられる3つの座標の目盛り上の座標である(L=0は黒色にとどまり、L=100は散乱性の白色を示す)。したがって、Lの値が大きいほど、測定される色はより白い。
【0056】
CIELABは、国際照明委員会(International Commission on Illumination)(フランス語ではCommission internationale de l’eclairage)によって規定されている色空間である。人間の目に見える全ての色を記述し、参照として用いられる独立モデルとして機能するように作成されたものである。
【0057】
皮革片へのホワイトニング効果(L
表4に示す試料調合物を、3ミル(0.0762ミリメートル)のBird薄膜塗布装置を用いて皮革片へ塗布した。皮革片は、天然皮革の2つの別の回分から得た。2つの皮革試料それぞれが、面積232cmおよび厚さ0.32cmであった。皮革1は牛革のガラス張り革であり、皮革2は牛革の銀付き革であった。皮革試料は両方とも米国、ミシガン州、サウスフィールドに位置するGST AutoLeatherから購入した。
【0058】
比較例1
試料調合物被膜を塗布していない皮革1
【0059】
比較例2
試料調合物被膜を塗布していない皮革2
【0060】
実施例1
試料調合物4の1つの被膜を、2片の皮革1に塗布し、77°F(25℃)および相対湿度50%で7日間乾燥させた。試料調合物4の第2の被膜を、これらの皮革1の切片の1つに塗布し、前と同様に乾燥させた。
【0061】
実施例2
試料調合物2を用いて実施例1の手順を繰り返し、2片の皮革2に塗布した。
【0062】
皮革片についてのL測定結果を下表5に示す。
【表5】
【0063】
黒色ビニルタイルへのホワイトニング効果(L
表5に示す試料調合物を、#38ワイヤ巻付ロッドを用いて黒色ビニル合成タイルに塗布した。黒色ビニル合成タイルは、12インチ(305mm)×12インチ(305mm)×1/8インチ(3.2mm)と測定され、具体的にはペンシルベニア州ランカスターのArmstrong World Industries, Inc製Armstrong(登録商標) Excelon(登録商標) Vinyl Composition Tile Pattern 56790であった。1つのビニルタイルは、比較を提供するために被膜せずに残した。
【0064】
比較例3
PEO樹脂も艶消し剤も含まない、試料調合物1の2つの被膜を、ビニルタイルに塗布した。第1と第2の被膜の間および第2の被膜後の試験前に1時間の乾燥時間をおいた。
【0065】
比較例4
PEO樹脂の代わりに既知の艶消し剤(mattering agent)を含む、試料調合物3の2つの被膜を、ビニルタイルに塗布した。第1と第2の被膜の間および第2の被膜後の試験前に1時間の乾燥時間をおいた。
【0066】
実施例3〜4
比較例4の手順を繰り返したが、それぞれ試料調合物4および2を用いた。
【0067】
ビニルタイルについてのL測定結果を下表6に示す。
【表6】
【0068】
例示的なスキンケア調合物
以下の表7は、局所塗布で皮膚の色合いを明るくするための本発明による試料スキンケア調合物を生成するための原料およびそれらの量の一覧を提供する。これは、洗い流し用製品とは対照的な「付けたまま」用のスキンケア製品となる。皮膚のライトニング効果は、スキンケア調合物の均質層を皮膚へ手で局所塗布するとすぐに観察可能であろう。
【表7】
【0069】
上記の原料は、示した量で組み合わせて均質な調合物が得られるまで、例えば10から90分間、共にブレンドされる。しばしば、混合時間は20から60分で十分である。その後、スキンケア調合物を、被膜または層であっても、皮膚表面に直接塗布する。