特許第6178379号(P6178379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6178379可搬装置のための近距離場通信(NFC)および近接センサー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178379
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】可搬装置のための近距離場通信(NFC)および近接センサー
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170731BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   H04B5/02
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-210648(P2015-210648)
(22)【出願日】2015年10月27日
(62)【分割の表示】特願2015-500410(P2015-500410)の分割
【原出願日】2012年3月15日
(65)【公開番号】特開2016-40940(P2016-40940A)
(43)【公開日】2016年3月24日
【審査請求日】2015年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ソーンナン
(72)【発明者】
【氏名】コナヌール,アナンド,エス.
(72)【発明者】
【氏名】カラカオグル,ウルン
(72)【発明者】
【氏名】スー,ハオ−ハン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−142688(JP,A)
【文献】 特開2006−295469(JP,A)
【文献】 特開2007−110611(JP,A)
【文献】 特開2007−140782(JP,A)
【文献】 特開2011−133920(JP,A)
【文献】 特開2013−31150(JP,A)
【文献】 特表2012−504931(JP,A)
【文献】 特表2015−507861(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/109736(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/131197(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/090716(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0167699(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
H04B5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬電子装置であって:
少なくとも第一および第二のコイル・アンテナ端子をもつコイル・アンテナを介してNFC電気信号を送信または受信するよう適応された近距離場通信(NFC)回路であって、前記コイル・アンテナはNFCプロセスの間、閉端のアンテナを画定する、NFC回路と;
前記コイル・アンテナからの近接感知電気信号を受領するよう適応された近接感知回路であって、前記コイル・アンテナは近接感知プロセスの間、開端のアンテナを画定する、近接感知回路と;
前記近接感知回路を前記第一のコイル・アンテナ端子に結合する第一のスイッチと;
前記NFC回路を前記第一のコイル・アンテナ端子に結合する第二のスイッチと;
前記NFC回路を前記第二のコイル・アンテナ端子に結合する第三のスイッチとを有する、
可搬電子装置。
【請求項2】
前記第一、第二および第三のスイッチを制御する制御回路をさらに有し、近接感知動作の間、前記制御回路は前記第一のスイッチを閉じ、前記第二および第三のスイッチを開いて前記コイル・アンテナを開き、前記近接感知回路を前記コイル・アンテナに結合し、前記NFC回路を隔離する、請求項1記載の可搬電子装置。
【請求項3】
前記第一、第二および第三のスイッチを制御する制御回路をさらに有し、NFC動作の間、前記制御回路は前記第一のスイッチを開き、前記第二および第三のスイッチを閉じて前記コイル・アンテナを閉じ、前記近接感知回路を前記コイル・アンテナから隔離し、前記NFC回路を前記コイル・アンテナに結合する、請求項1記載の可搬電子装置。
【請求項4】
開端アンテナ・モードにおいて前記コイル・アンテナを動作させるよう、前記第一、第二および第三のスイッチの一つまたは複数を選択的に係合する選択回路をさらに有する、請求項2記載の可搬電子装置。
【請求項5】
閉端アンテナ・モードにおいて前記コイル・アンテナを動作させるよう、前記第一、第二および第三のスイッチの一つまたは複数を選択的に係合する選択回路をさらに有する、請求項3記載の可搬電子装置。
【請求項6】
前記第一、第二または第三のスイッチの一つまたは複数が、信号受信機または信号送信機としての当該電子装置の使用に基づいて動的に制御される、請求項1記載の可搬電子装置。
【請求項7】
前記第一、第二および第三のスイッチの一つまたは複数が、近接感知動作およびNFC動作を実行するよう時間領域で行ったり来たりと切り替わるよう構成されている、請求項1記載の可搬電子装置。
【請求項8】
前記近接感知回路および前記NFC回路が単一のモジュールの一部をなす、請求項1記載の可搬電子装置。
【請求項9】
前記コイル・アンテナが複数ループ渦巻き形アンテナを含む、請求項1記載の可搬電子装置。
【請求項10】
近接検出および近距離場通信(NFC)を提供する電子装置であって:
開端のアンテナとして動作するよう構成されたアンテナから第一の信号を受領し、該第一の信号を外部物体への近接を検出する近接検出モジュールに差し向ける切り換え回路を有しており、前記切り換え回路は、閉端のアンテナとして動作するよう構成された前記アンテナから第二の信号を受領し、該第二の信号を前記NFC通信のためのNFCモジュールに差し向けるよう構成されている、電子装置。
【請求項11】
前記切り換え回路が受動素子を含む、請求項10記載の電子装置。
【請求項12】
前記切り換え回路が能動素子を含む、請求項10記載の電子装置。
【請求項13】
前記切り換え回路が、前記第一の信号を第一の外部装置から受領し、前記第二の信号を第二の外部装置から受領するよう構成されている、請求項10記載の電子装置。
【請求項14】
前記第一の外部装置および前記第二の外部装置が同じ装置である、請求項13記載の電子装置。
【請求項15】
前記第一の外部装置および前記第二の外部装置が異なる装置である、請求項13記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は可搬装置のための近距離場通信(NFC)および近接センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
互いに近接した無線可搬装置、より詳細には薄型可搬電子装置の間の(無線電力転送(WPT: wireless power transfer)および近距離場通信(NFC: near field communications)のような)近距離場結合を許容する技術が登場している。近距離場結合の機能は電磁信号を送受信するために各装置において無線周波数(RF: radio frequency)アンテナを使う。ユーザーの所望のため、および/または審美的な理由のため、こうした可搬無線装置の多くは小さく、市場が発達するにつれてより小さくなりつつあり、横から見たときに誇張されたアスペクト比をもつ傾向がある。結果として、多くの薄型可搬装置は、近距離場結合機能において使うための放射アンテナとして伝導性材料のコイルを使う平面アンテナを組み込んでいる。
【0003】
一方、比吸収率(SAR: specific absorption rate)のような米国連邦通信委員会(FCC: Federal Communications Commission)の規制を通るために、第三世代または第四世代(3G/4G)デジタル無線のような組み込まれた無線広域ネットワーク(WWAN: wireless wide-area network)をもつタブレット(可搬装置)において(容量性の)近接センサーが使われることがある。たとえば、近接センサーは近傍内の人体を検出してもよく、近接検出を実装するために比較的大きなサイズのセンサー電極を使うことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NFCおよび近接センサー装置はいずれも可搬装置においてかなりのスペースを要求することがあり、どちらも金属の筐体/遮蔽によって覆われないことがある。換言すれば、NFCおよび近接センサー装置は無線装置(たとえばタブレット)上でアンテナのための非常に限られたスペースを求めて競合することがある。可搬装置がより薄くなり、完全に金属の筐体を採用すると、限られたスペースは一層課題となる。この目的に向け、NFCおよび/または近接センサーのパフォーマンスは、薄い可搬装置内に収まるためにそれぞれのサイズがコンパクト化されるときに妥協させられることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
よって、薄い可搬装置における近接センサーおよびNFC装置のパフォーマンス上の効率を提供するような解決策が実装されうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】Aは、近距離場通信(NFC)に関係した機能を実行するための可搬装置間の例示的な近距離場結合配置を示し、Bは、近接感知動作を含む可搬装置間の例示的な無線通信結合配置を示す。
図2】例示的な可搬装置の図である。
図3】受動素子を含む例示的な近接センサー回路および近距離場通信(NFC)モジュールの結合体の図である。
図4】能動素子を含む例示的な近接センサー回路および近距離場通信(NFC)モジュールの結合体の図である。
図5】同じコイル・アンテナを使う例示的な近接感知および近距離場通信のための方法である。 以下の詳細な説明は、付属の図面を参照して与えられる。図面において、参照符号の左端の(一つまたは複数の)数字は通例、その参照符号が最初に現われる図面を特定する。異なる図面における同じ参照符号の使用は同様のまたは同一の項目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本稿は、装置のアンテナを結合するための、より詳細には可搬装置の近接感知および近距離場結合機能のために薄い可搬装置の同じコイル・アンテナを使うための、一つまたは複数のシステム、装置、方法などを開示する。近距離場結合は(限定ではなく例示として)可搬装置の無線電力転送(WPT)および/または近距離場通信(NFC)機能を含む。ある実装では、近接センサーがNFCモジュールと統合されて単一のモジュールを形成する。該単一のモジュールは、近接感知動作およびNFC動作の両方のために電気信号を受信するコイル・アンテナに接続されていてもよい。近接感知動作は、近傍内にいる人間を検出するまたは近接レンジ内の別の装置の金属コンポーネントを検出するよう低周波電気信号(たとえば30kHz)で動作するよう構成されていてもよい。NFC動作は、NFC機能を実行するよう高周波電気信号(たとえば13.56MHz)で動作するよう構成されていてもよい。ある実装では、コイル・アンテナは、近接センサーによる近接感知動作の間は開端の渦巻き形コイル・アンテナを含むよう構成される。他方、NFC動作の間は、コイル・アンテナは、NFCモジュールによってNFC機能を実行するために閉端の渦巻き形コイル・アンテナを含むよう構成される。
【0008】
ある実装では、近接感知動作をNFC動作から分離するために、受動的な素子またはコンポーネント(たとえば抵抗器‐コンデンサ低域通過フィルタ)が組み込まれてもよい。この実装では、近接感知電気信号はNFC電気信号から隔離される。他の実装では、近接感知電気信号をNFC電気信号から分離するために、ソフトウェア実装が能動素子(たとえばスイッチ)を使う。
【0009】
〈例示的なシステム〉
図1のAは、NFC機能を実行する可搬装置の例示的な構成を示している。より詳細には、ユーザーは、近距離場結合対応の可搬電子装置および/または他の装置をある種の人間工学的に便利な仕方で操作したいことがある。そのような可搬装置の例は、携帯電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末、タブレット・コンピュータ、ネットブック、ノートブック・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、マルチメディア再生装置、デジタル音楽プレーヤー、デジタル・ビデオ・プレーヤー、ナビゲーション装置、デジタル・カメラなどを含む(ただしこれに限られない)。
【0010】
ある実装では、図1のAは、二人のユーザー(図示せず)がNFC関係の情報共有機能を実行するために自分たちのNFC対応可搬装置102−2および102−4をエッジとエッジまたは頭部と頭部で「突き」合わせるいわゆる「NFCバンプ(NFC bump)」を示している。図1のAは、NFC目的のための、可搬装置102のしばしば所望される隣り合わせの配置を示している。可搬装置102−2および102−4は、NFC動作を実行するために複数ループ(渦巻き形)コイル・アンテナ(図示せず)を含んでいてもよい。NFC動作は、可搬装置102間のデータ通信を含んでいてもよい。たとえば、可搬装置102−2は近距離場結合動作を通じて可搬装置102−4に情報を転送してもよい。
【0011】
図1のBは、可搬装置102−2と可搬装置102−4との間の無線通信を示している。ある実装では、可搬装置102−2および102−4は、近接感知検出を実行するために上記の複数ループ・コイル・アンテナを利用する近接センサー回路(図示せず)を含んでいてもよい。近接感知動作は、SARのようなFCC(および他の)規制に従うために使用されうる。SARは、人間を可搬装置102のような無線装置からの電磁エネルギーにさらすことに関する規制限度に関しうる。
【0012】
ある実装では、可搬装置102−2および102−4は、一つまたは複数のトランシーバ・アンテナ(図示せず)を含む無線通信回路(図示せず)を含んでいてもよい。無線通信回路は、一つまたは複数の無線規格に基づいて動作するよう構成されていてもよい。たとえば、無線通信回路は、可搬装置102−2と可搬装置102−4の間で情報を、3Gまたは4Gデジタル無線通信規格の少なくとも一方に従って確立される(タワー106を通じた)無線通信リンク104を介して、無線で転送するよう構成されていてもよい。そのような3Gまたは4Gデジタル無線通信規格は、ワイマックス通信規格(たとえばIEEE802.16-2009のようなIEEE802.16ファミリーの規格に基づく)、第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)ロングターム・エボリューション(LTE)通信規格または一つまたは複数の他の規格またはプロトコルのうちの一つまたは複数を含んでいてもよい。ある実施形態では、無線通信回路は、IEEE802.11ファミリーの規格(たとえばIEEE802.11a-1999、802.11b-1999、802.11g-2003、802.11n-2009、802.11-2007)または一つまたは複数の他の規格またはプロトコルのうちの一つまたは複数のような、Wi-Fi無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)規格に従って情報を無線転送するよう構成されていてもよい。
【0013】
SAR要求に従うために、近接感知検出は、可搬装置102における前記一つまたは複数のトランシーバ・アンテナ(図示せず)が、可搬装置102(たとえば可搬装置102−2)の近傍内に人間(たとえば人間108)が検出される場合には受信モードのみとなることを許容しうる。別の例では、前記一つまたは複数のトランシーバ・アンテナは、近接感知検出によって人間106が検出されない場合には送信および受信モードで規則的に動作してもよい。さらに、トランシーバ・アンテナは、該トランシーバ・アンテナの近傍内に人間108が検出される場合には、送信パワーを絞るよう構成されていてもよい。他の実装では、近接センサー回路は、ポータブル装置102−2の近傍内にくることがある別の可搬装置の金属コンポーネント(図示せず)を検出するために複数ループ・コイル・アンテナを利用してもよい。この情報は、二つの装置間の無線通信/無線電力転送を開始/停止するためにさらに使用されてもよい。
【0014】
〈例示的な可搬装置〉
図2は、NFC動作および近接感知検出のために同じコイル/アンテナを利用する可搬装置102の例示的な実施形態である。ある実装では、無線装置102は、トランシーバ(TR/RX)アンテナ200、受信器(RX)アンテナ202、NFCまたは近接センサー・コイル・アンテナ(NFC/センサー・コイル・アンテナ)204、近接センサー回路およびNFCモジュール結合体206および無線通信回路208を含んでいてもよい。
【0015】
ある実装では、TX/RXアンテナ200およびNFC/センサー・コイル・アンテナ204は可搬装置102の一端(たとえば上のエッジ210)に位置していてもよい。同様に、RXアンテナ202は可搬装置102の別の端(たとえば下のエッジ212)に位置していてもよい。ある実装では、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、近接感知検出を実行するために、たとえばNFC/センサー・コイル・アンテナ204が位置しているところの近傍における人間の組織の存在または不在を検出するために、開端の渦巻き形コイル・アンテナを含むよう構成されていてもよい。同時に、NFCタグ、クレジットカードを読むまたは二つのNFC対応装置間の「NFCバンプ」を使った情報の転送といったNFC動作の間は、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、NFC関係の機能を実行するよう閉端の渦巻き形コイル・アンテナを含むよう構成されてもよい。
【0016】
ある実装では、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、近接感知電気信号(図示せず)およびNFC電気信号(図示せず)を含む電気信号を搬送、送信または受信してもよい。近接感知電気信号は、近傍内にはいる人間(たとえば人間106)に起因するまたはNFC/センサー・コイル・アンテナ204の近接レンジ内にある別の装置(たとえば可搬装置102−2、102−4)の金属コンポーネントに起因する容量特性の変化を含んでいてもよい。ある実装では、近接感知電気信号は、NFC関係の機能を実行するための高い動作周波数(たとえば13.56MHz)を含むNFC電気信号から分離されうる、低い動作周波数(たとえば30kHz)を含んでいてもよい。
【0017】
ある実装では、近接センサー回路およびNFCモジュール結合体206は、NFC/センサー・コイル・アンテナ204からの受信された電気信号を処理するよう構成されていてもよい。近接センサー回路およびNFCモジュール結合体206は、近接センサー(図示せず)およびNFCモジュール(図示せず)を含む単一のモジュールである。近接センサーは近接感知電気信号を処理し、一方、NFCモジュールはNFC電気信号を処理する。近接センサー回路およびNFCモジュール結合体206は、無線通信回路208に結合されていてもよい。ある実装では、無線通信回路208は、近接感知動作から得られる情報に応答して送信電力のような通信パラメータを調整するよう構成されていてもよい。TX/RXアンテナ200動作モードの調整は、FCCのSAR要求(など)に従うよう実装されてもよい。
【0018】
別の実装では、近接センサー回路およびNFCモジュール結合体206は、NFC/センサー・コイル・アンテナ204および可搬装置102のエッジ212に位置されていてもよい別のNFC/センサー・コイル・アンテナ(図示せず)からの受信された電気信号を処理するよう構成されていてもよい。上記で論じた近接センサー回路およびNFCモジュール結合体206の動作が同様に適用されてもよいが、エッジ212に位置するNFC/センサー・コイル・アンテナ(図示せず)での近接感知検出が、通信パラメータの調整において無線通信回路208によって考慮されてもよい。たとえば、NFC/センサー・コイル・アンテナ204およびエッジ212に位置する他のNFC/センサー・コイル・アンテナの近傍内に人間が検出される場合には、可搬装置102において送信電力が絞られる。
【0019】
別の実装では、可搬装置102は、NFCモジュール(図示せず)および上記NFC/センサー・コイル・アンテナ204に統合されて単一のモジュールを形成していてもよい近接センサー・コンポーネント(図示せず)を含んでいてもよい。該近接センサー・コンポーネントは、可搬装置102の近接感知レンジ内にある他の近距離場結合装置(たとえば可搬装置102−2、102−4)またはNFCタグ/クレジットカードの存在を、他の可搬装置、NFCタグまたはクレジットカード内の金属コンポーネントによって誘起される容量変化を検出することを通じて、検出するために使われてもよい。近接センサーによる検出動作の間、NFC/WPTモジュールは、NFC/センサー・コイル・アンテナ204を通じてNFCおよび/またはWPT動作を実行することにおいてアクティブ化または非アクティブ化されてもよい。NFCおよび/またはWPT動作のアクティブ化/非アクティブ化は、可搬装置102の近接レンジ内に他の近距離場結合可搬装置(たとえば可搬装置102−2、102−4)がないときに、電力消費およびRF放出を減らすよう、NFCモジュールによる連続的なRF放出を回避しうる。
【0020】
さらに、可搬装置102は一つまたは複数のプロセッサ214を含む。プロセッサ214は、単一の処理ユニットまたはいくつかの処理ユニットでありえ、そのいずれも、単一または複数のコンピューティング・ユニットまたは複数のコアを含んでいてもよい。プロセッサ214は一つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、中央処理ユニット、状態機械、論理回路および/または動作命令に基づいて信号を操作する任意の装置として実装されうる。他の機能の中でも、プロセッサ214は、メモリ216または他のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ可読命令またはプロセッサ・アクセス可能命令を取ってきて実行するよう構成されていてもよい。
【0021】
ある種の実装では、メモリ・コンポーネント216は、上記のさまざまな機能を実行するようプロセッサ214によって実行される命令を記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体の例である。たとえば、メモリ216は一般に、揮発性メモリおよび不揮発性メモリ(たとえばRAM、ROMなど)の両方を含んでいてもよい。メモリ216は、本稿において、メモリまたはコンピュータ可読記憶媒体と称されることがある。メモリ216は、コンピュータ可読、プロセッサ実行可能なプログラム命令を、本稿の実装において記述される動作および機能を実行するよう構成された具体的な機械としてのプロセッサ214によって実行されうるコンピュータ・プログラム・コードとして、記憶することができる。
【0022】
本稿に記載される例示的な可搬装置102は単にいくつかの実装のために好適な例であり、本稿に記載されるプロセス、コンポーネントおよび特徴を実装しうる環境、アーキテクチャおよびフレームワークの使用または機能の範囲についてのいかなる限定を示唆することも意図されていない。
【0023】
一般に、図面を参照して述べる機能のいずれも、ソフトウェア、ハードウェア(たとえば固定論理回路)またはこれらの実装の組み合わせを使って実装できる。プログラム・コードは、一つまたは複数のコンピュータ可読メモリ・デバイスまたは他のコンピュータ可読記憶デバイス中に記憶されてもよい。このように、本稿に記載されるプロセスおよびコンポーネントは、コンピュータ・プログラム・プロダクトによって実装されてもよい。上述したように、コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュールまたは他のデータといった情報の記憶のための任意の方法または技術において実装された、揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶デバイスまたはコンピューティング装置によるアクセスのために情報を記憶するために使用できる他の任意の媒体を含むが、これに限られない。
【0024】
〈受動素子をもつ例示的な近接センサーおよびNFCモジュール〉
図3は、受動素子をもつ近接センサーおよびNFCモジュールの例示的な実装300である。近距離場結合に関係する台頭しつつある技術は、可搬装置102のユーザーにとって多くの魅力的な経験を可能にする。たとえば、NFC/センサー・コイル・アンテナ204を組み込んでいるフレキシブル・プリント基板(FPC: flexible printed circuit)を薄い可搬装置102に統合することは、可搬装置102の厚さの増大がもしあったとしてもそれを最小化しうる。
【0025】
引き続き図3を参照するに、図には単一のモジュール(近接センサー回路およびNFCモジュール結合体206)中に統合されている近接センサー302およびNFCモジュール304が示されている。ある実装では、近接センサー302は、近接感知電気信号を搬送するためにNFC/センサー・コイル・アンテナ204を利用するよう構成されていてもよい。NFC/センサー・コイル・アンテナ204はNFCモジュールによってNFC関係の機能のために同時に利用されうるが、近接感知電気信号は、受動素子の組み込みを通じてNFC電気信号から分離されうる。
【0026】
ある実装では、近接センサー302は、近接感知動作のための30kHz電気信号のような低周波電気信号で動作するよう構成されていてもよい。この例では、コイル・アンテナ204中に注入される充電および放電電流を評価することによって容量特性が測定される。人間がNFC/センサー・コイル・アンテナ204に近接すると容量特性が変化しうる。その容量特性の変化が、TX/RXアンテナ200の選択をトリガーしうるまたは無線通信回路208によるTX電力を低下させる、容量変化のための構成設定された閾値と比較されてもよい。閾値は、同様に、NFC/センサー・コイル・アンテナ204の近傍内にある別の可搬装置の金属コンポーネントに起因する容量特性の変化に適用されうる。
【0027】
ある実装では、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、近接感知動作の間、開端の形を含むよう構成されてもよい。たとえば、NFC/センサー・コイル・アンテナ204の一端に接続されている端子リンク306−2は、近接センサー302と、NFCモジュール304のフロントエンドの端子とに接続されてもよい。NFC/センサー・コイル・アンテナ204のもう一つの端に接続されている端子リンク306−4は、NFCモジュール304のもう一つの端子に接続されてもよい。ある実装では、NFCモジュール304のフロントエンド端子は、NFCモジュール304をNFC/センサー・コイル・アンテナ204の端子接続306にリンクするコンデンサ308に接続される。近接感知動作の間、コンデンサ308(たとえば470pF)は、低周波電気信号(たとえば30kHz)に対して開放回路(すなわち高い絶縁)として作用しうる。換言すれば、端子接続306−2および306−4はNFCモジュール304のフロントエンドと切断される。他方、受動素子抵抗器310を含む低域通過フィルタは30kHzの近接感知電気信号に対して短絡(すなわち低い減衰)として作用しうる。よって、近接感知動作のためには、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、低周波数の近接感知信号に対しては開端の渦巻き形のNFC/センサー・コイル・アンテナ204として呈される。
【0028】
NFC動作の間は、コンデンサ308は比較的高い動作周波数(たとえばNFC動作のための13.56MHz)で短絡等価物を含んでいてもよい。他方、NFC/センサー・コイル・アンテナ204を近接センサー302にリンクする低域通過フィルタは、13.56MHzのNFC動作周波数では開放回路等価物を提供してもよい。換言すれば、NFC動作の間は、近接センサー302をNFC/センサー・コイル・アンテナ204にリンクする低域通過フィルタが、高周波数NFC電気信号を隔離しうる。よって、NFC動作のためには、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、高周波数NFC信号に対して、閉じた渦巻き形のNFC/センサー・コイル・アンテナ204として呈される。
【0029】
〈能動素子をもつ例示的な近接センサーおよびNFCモジュール〉
図4は、能動素子をもつ近接センサーおよびNFCモジュールの例示的な実装400である。ある実装では、能動素子は、NFCモジュール304のフロントエンド端子をNFC/センサー・コイル・アンテナ204にリンクするスイッチ402−2および402−4を含むよう構成されていてもよい。さらに、近接センサー302をNFC/センサー・コイル・アンテナ204の端子リンク306−2にリンクするためにスイッチ402−6が使われてもよい。たとえば、近接感知動作の間、スイッチ402−2および402−4は開放回路を含むよう構成されてもよく、一方、402−6は短絡を含むよう構成されてもよい。結果として、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、近接センサー302による近接感知動作の間は、開端の渦巻き形を含むよう構成される。別の例では、NFC動作の間は、スイッチ402−2および402−4は短絡を含むよう構成されてもよく、一方、スイッチ402−6は開放回路を含むよう構成されてもよい。結果として、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、NFCモジュールによるNFC動作の間、閉端の渦巻き形を含むよう構成される。
【0030】
ある実装では、スイッチ402は、可搬装置102における使用に基づいて動的に制御されてもよい。たとえば、TR/RXアンテナ200が使用されない(たとえば3G送信のために使用)場合、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、主としてNFC関係の機能の専用とされてもよい。受動素子(すなわち、コンデンサ308および抵抗器310)の使用に比べ、能動素子(すなわちスイッチ402)は、ある時点における近接感知検出の実行と別の時点におけるNFC関係の機能の実行との間で時間領域で行ったり来たりと切り換えるよう構成されうる。
【0031】
〈例示的なプロセス〉
図5は、同じコイル・アンテナを使った近接感知および近距離場通信のための例示的な方法を示す例示的なプロセス・チャートである。本方法が記述される順序は限定として解釈されることは意図されておらず、記載される方法ブロックの任意の数が本方法または代替的な方法を実装するために任意の順序で組み合わされることができる。さらに、個々のブロックは、本稿に記載される主題の精神および範囲から外れることなく本方法から削除されてもよい。さらに、本方法は、本発明の範囲から外れることなく、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの組み合わせにおいて実装されてもよい。たとえば、コンピュータ・アクセス可能媒体が、同じコイル・アンテナを利用することによる近接感知動作およびNFC動作を実装してもよい。
【0032】
ブロック502では、コイル・アンテナによる電気信号の搬送、送信または受信が実行される。ある実装では、コイル・アンテナ(たとえばNFC/センサー・コイル・アンテナ204)は、近接感知電気信号およびNFC電気信号を含む電気信号を受信、搬送または送信してもよい。たとえば、近接感知電気信号は、近接感知動作を実装するための低い動作周波数(たとえば30kHz)を含んでいてもよい。他方、NFC電気信号はNFC関係の機能を実装するための高い動作周波数(たとえば13.56MHz)を含んでいてもよい。
【0033】
ブロック504では、近接感知電気信号をNFC電気信号から隔離する。NFC電気信号は近接感知電気信号(すなわち、30kHz)とは異なる動作周波数(すなわち、13.56MHz)を含むので、近接感知電気信号をNFC電気信号から分離するために受動素子(たとえばコンデンサ308)が使用されうる。たとえば、受動素子(すなわち、コンデンサ308および抵抗器310)の使用は、近接感知電気信号を近接センサー302に伝える一方、同時にNFC電気信号が遮断されるよう、近接センサー(たとえば近接センサー302)とNFC/センサー・コイル・アンテナ204との間の低域通過フィルタを含んでいてもよい。別の例では、受動素子(すなわち、コンデンサ308および抵抗器310)の使用は、NFC電気信号をNFCモジュール304に伝える一方、同時に近接感知電気信号が遮断されるよう、NFCモジュール(たとえばNFCモジュール304)とNFC/センサー・コイル・アンテナ204との間の高域通過フィルタを含んでいてもよい。
【0034】
ある実装では、受動的な素子またはコンポーネント(すなわち、コンデンサ308および抵抗器310)の使用は、近接感知動作の間、NFC/センサー・コイル・アンテナ204を、開端の渦巻き形コイル・アンテナ配位を含むよう構成してもよい。他方、受動素子は、NFC動作の間は、NFC/センサー・コイル・アンテナ204を、閉端の渦巻き形コイル・アンテナ配位を含むよう構成してもよい。
【0035】
他の実装では、能動的なスイッチ(たとえば能動スイッチ402)の使用が、近接感知電気信号をNFC電気信号から隔離するために(たとえばソフトウェア・アプリケーションによって)構成されてもよい。たとえば、近接感知動作の間は、スイッチ402は、近接センサー302とNFC/センサー・コイル・アンテナ204との間の接続を許容してもよく、一方でNFCモジュール304はNFC/センサー・コイル・アンテナ204と切断される。この例では、NFC/センサー・コイル・アンテナ204は、近接感知動作の間は、開端の渦巻き形コイル・アンテナ配位を含むよう構成される。同様に、能動スイッチ402は、NFCモジュールがNFC/センサー・コイル・アンテナ204に接続される一方、スイッチ402が近接センサー302をNFC/センサー・コイル・アンテナ204から切断するとき、NFC/センサー・コイル・アンテナ204を閉端の渦巻き形コイル・アンテナ配位に変換するよう構成されていてもよい。
【0036】
ブロック506では、NFC電気信号を使ってNFC関係の機能が実行される。
【0037】
ブロック508では、近接感知動作のための閾値容量が満たされるかどうかを判定する。ある実装では、近接センサー302は、NFC/センサー・コイル・アンテナ204に近接した人間に起因する容量の変動を処理する。閾値容量値が、トランシーバ・アンテナ(たとえばTX/RXアンテナ200)の選択をトリガーするよう、あるいは無線通信回路によるTXアンテナ(たとえばTX/RXアンテナ200)を通じた送信電力を調整することによってSAR要求を満たすよう、構成されていてもよい。閾値容量値が満たされる場合には、ブロック510のYES分枝をたどって、トランシーバ・アンテナ動作の調整が実行される。
【0038】
そうでない場合には、ブロック508のNO分枝をたどって、ブロック502において、NFC/センサー・コイル・アンテナ204が電気信号を受信することに進む。
【0039】
ブロック510では、トランシーバ・アンテナ動作の調整が実行される。ある実装では、トランシーバ・アンテナ(たとえばTX/RXアンテナ200)は、同時に送信および受信モードで、あるいは受信モードのみで、あるいはSAR要求を満たすために絞られた送信電力状態で動作するよう構成されてもよい。
【0040】
本発明に基づく実現が個別的な実施形態のコンテキストにおいて記述されてきた。これらの実施形態は限定ではなく例解するものであることが意図されている。多くの変形、修正、追加および改善が可能である。よって、複数のインスタンスが本稿に記載される諸コンポーネントについて単一のインスタンスとして提供されることがある。さまざまなコンポーネント、動作およびデータ記憶の間の境界はいくぶん任意であり、個別的な動作が特定の例示的な構成のコンテキストにおいて例解されている。機能の他の割り当てが構想されており、付属の請求項の範囲内にはいることがある。最後に、さまざまな構成においてばらばらなコンポーネントとして呈示された構造および機能は、組み合わされた構造またはコンポーネントとして実装されてもよい。これらおよび他の変形、修正、追加および改善は、付属の請求項において定義される本発明に範囲内にはいることがある。
【0041】
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
近接感知の方法であって:
近接感知電気信号および近距離場通信(NFC)電気信号を含む電気信号をアンテナによって搬送、送信または受信する段階と;
前記近接感知電気信号を前記NFC電気信号から隔離する段階であって、前記アンテナは、近接感知動作の間は開端の形を含むよう構成され、前記アンテナはNFC動作の間は閉端の形を含むよう構成される、段階と;
前記閉端の形のアンテナを利用してNFC動作を実行する段階と;
前記開端の形のアンテナを利用して近接感知動作を実行する段階とを含む、
方法。
〔態様2〕
隔離する段階が、近接センサーと前記開端のアンテナとの間の低域通過フィルタを使って、前記近接センサーが低い動作周波数を含む前記近接センサー電気信号を受領することを許容することを含み、前記低域通過フィルタは前記NFC電気信号を前記近接センサーから遮断するよう適応されている、態様1記載の方法。
〔態様3〕
隔離する段階が、NFCモジュールと前記閉端のアンテナとの間の高域通過フィルタを使って、前記NFCモジュールが高い動作周波数を含む前記NFC電気信号を受領することを許容することを含み、前記高域通過フィルタは前記近接感知電気信号を前記NFCモジュールから遮断するよう適応されている、態様1記載の方法。
〔態様4〕
前記近接センサーおよび前記NFCモジュールが単一のモジュールをなす、態様1ないし3のうちいずれか一項記載の方法。
〔態様5〕
前記アンテナ、近接センサーおよび前記NFCモジュールが単一のモジュールをなす、態様1ないし3のうちいずれか一項記載の方法。
〔態様6〕
隔離する段階が、少なくとも一つの受動素子を使って前記近接感知電気信号を前記NFC電気信号から分離することを含み、前記受動素子はコンデンサおよび/または抵抗器を含む、態様1ないし3のうちいずれか一項記載の方法。
〔態様7〕
隔離する段階が、前記近接感知動作の間、前記開端のアンテナを前記NFCモジュールから隔離するよう構成された能動的なスイッチを使うことを含み、前記能動的なスイッチはさらに、前記近接感知電気信号が前記近接センサーによって受領されることを許容するよう構成されている、態様1ないし3のうちいずれか一項記載の方法。
〔態様8〕
隔離する段階が、前記NFC動作の間、前記閉端のアンテナを前記近接センサーから隔離するよう構成された能動的なスイッチを使うことを含み、前記能動的なスイッチはさらに、前記NFC電気信号が前記NFCモジュールによって受領されることを許容するよう適応されている、態様1ないし3のうちいずれか一項記載の方法。
〔態様9〕
隔離する段階が、前記近接感知動作および前記NFC動作を実行することにおいて、時間領域で行ったり来たり切り換えるよう構成されている能動的なスイッチを使うことを含む、態様1ないし3のうちいずれか一項記載の方法。
〔態様10〕
前記近接感知動作電気信号の入力容量を閾値容量値と比較する段階をさらに含み、前記閾値容量値は、無線通信動作の間のトランシーバ動作を調整するための基礎として使われる、態様1ないし3のうちいずれか一項記載の方法。
〔態様11〕
前記アンテナがコイル・アンテナである、態様1ないし10のうちいずれか一項記載の方法。
〔態様12〕
可搬装置であって:
近接感知電気信号および近距離場通信(NFC)電気信号を含む電気信号を搬送、送信または受信するよう適応されたアンテナと;
前記近接感知電気信号を前記NFC電気信号から隔離するよう適応された一つまたは複数のコンポーネントと;
前記NFC電気信号を処理するよう適応されたNFCモジュールであって、NFC動作の間、閉端のアンテナを含むよう前記アンテナを利用する、NFCモジュールと;
前記近接感知電気信号を処理するよう適応された近接センサーであって、近接感知動作の間、開端のアンテナを含むよう前記アンテナを使用する、近接センサーとを有する、
可搬装置。
〔態様13〕
当該装置が、低い動作周波数を含む前記近接センサー電気信号を前記近接センサーが受領し、処理することを許容する低域通過フィルタを含む受動素子を含んでおり、前記低域通過フィルタは前記NFC電気信号を前記近接センサーから遮断する、態様12記載の可搬装置。
〔態様14〕
当該装置が、高い動作周波数を含む前記NFC電気信号を前記NFCモジュールが受領し、処理することを許容する高域通過フィルタを含む受動素子を含んでおり、前記高域通過フィルタは前記近接感知電気信号を前記NFCモジュールから遮断する、態様12記載の可搬装置。
〔態様15〕
前記近接センサーおよび前記NFCモジュールが単一のモジュールをなす、態様12ないし14のうちいずれか一項記載の可搬装置。
〔態様16〕
前記アンテナが複数ループ渦巻き形アンテナを含む、態様12ないし14のうちいずれか一項記載の可搬装置。
〔態様17〕
前記受動素子が少なくともコンデンサおよび/または抵抗器を含む、態様12ないし14のうちいずれか一項記載の可搬装置。
〔態様18〕
当該装置が、前記近接感知動作の間、前記開端のコイル・アンテナを前記NFCモジュールから隔離する能動的なスイッチを含み、前記能動的なスイッチは、前記近接感知電気信号が前記近接センサーによって受領され、処理されることを許容する、態様12ないし14のうちいずれか一項記載の可搬装置。
〔態様19〕
当該装置が、前記NFC動作の間、前記閉端のコイル・アンテナを前記近接センサーから隔離する能動的なスイッチを含み、前記能動的なスイッチは、前記NFC電気信号が前記NFCモジュールによって受領され、処理されることを許容する、態様12ないし14のうちいずれか一項記載の可搬装置。
〔態様20〕
当該装置が、前記近接感知動作および前記NFC動作を実行することにおいて、時間領域で行ったり来たり切り換えるよう構成されている能動的なスイッチを含む、態様12ないし14のうちいずれか一項記載の可搬装置。
〔態様21〕
前記近接センサーは、前記近接感知動作電気信号の入力容量を閾値容量値と比較し、前記閾値容量値は、無線通信動作の間のトランシーバ動作を調整するための基礎として使われる、態様12ないし14のうちいずれか一項記載の可搬装置。
〔態様22〕
前記アンテナがコイル・アンテナである、態様12ないし21のうちいずれか一項記載の可搬装置。
〔態様23〕
近接感知の方法を実行する少なくとも一つのコンピュータ・アクセス可能媒体であって、前記方法は:
近接感知電気信号および近距離場通信(NFC)電気信号を含む電気信号をアンテナによって搬送、送信または受信する段階と;
前記近接感知電気信号を前記NFC電気信号から隔離する段階であって、前記アンテナは、近接感知動作の間は開端の形を含み、前記アンテナはNFC動作の間は閉端の形を含む、段階と;
前記閉端の形のアンテナを利用して前記NFC動作を実行する段階と;
前記開端の形のアンテナを利用して前記近接感知動作を実行する段階とを含む、
コンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様24〕
隔離する段階が、近接センサーと前記開端のコイル・アンテナとの間の低域通過フィルタを使って、前記近接センサーが低い動作周波数を含む前記近接センサー電気信号を受領することを許容することを含み、前記低域通過フィルタは前記NFC電気信号を前記近接センサーから遮断する、態様23記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様25〕
隔離する段階が、NFCモジュールと前記閉端のコイル・アンテナとの間の高域通過フィルタを使って、前記NFCモジュールが高い動作周波数を含む前記NFC電気信号を受領することを許容することを含み、前記高域通過フィルタは前記近接感知電気信号を前記NFCモジュールから遮断する、態様23記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様26〕
前記近接センサーおよび前記NFCモジュールが単一のモジュールをなす、態様23ないし25のうちいずれか一項記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様27〕
前記アンテナが複数ループ渦巻き形アンテナを含むよう構成されている、態様23ないし25のうちいずれか一項記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様28〕
隔離する段階が、受動素子を使って前記近接感知電気信号を前記NFC電気信号から分離することを含み、前記受動素子は少なくともコンデンサおよび/または抵抗器を含む、態様23ないし25のうちいずれか一項記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様29〕
隔離する段階が、前記近接感知動作の間、前記開端のアンテナを前記NFCモジュールから隔離する能動的なスイッチを使うことを含み、前記能動的なスイッチは、前記近接感知電気信号が前記近接センサーによって受領されることを許容する、態様23ないし25のうちいずれか一項記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様30〕
隔離する段階が、前記NFC動作の間、前記閉端のコイル・アンテナを前記近接センサーから隔離する能動的なスイッチを使うことを含み、前記能動的なスイッチは、前記NFC電気信号が前記NFCモジュールによって受領されることを許容する、態様23ないし25のうちいずれか一項記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様31〕
隔離する段階が、前記近接感知動作および前記NFC動作を実行することにおいて、時間領域で行ったり来たり切り換えるよう能動的なスイッチを使うことを含む、態様23ないし25のうちいずれか一項記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様32〕
前記近接感知動作電気信号の入力容量を閾値容量値と比較する段階をさらに含み、前記閾値容量値は、無線通信動作の間のトランシーバ動作を調整するための基礎として使われる、態様23ないし25のうちいずれか一項記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様33〕
前記アンテナがコイル・アンテナである、態様23ないし32のうちいずれか一項記載のコンピュータ・アクセス可能媒体。
〔態様34〕
一つまたは複数のプロセッサと;
前記一つまたは複数のプロセッサに構成されたメモリと;
前記一つまたは複数のプロセッサおよびメモリに構成され、近接感知電気信号および前記近距離場通信(NFC)電気信号を含む電気信号を搬送、送信または受信するよう適応されたアンテナからのNFC電気信号を処理するよう適応された近距離場通信(NFC)コンポーネントと;
前記一つまたは複数のプロセッサおよびメモリに構成され、前記近接感知電気信号を処理するよう適応された近接センサー・コンポーネントとを有するシステムであって、
前記近接センサーは、近接感知動作の間、開端のアンテナを含むよう前記アンテナを使用する、
システム。
〔態様35〕
低い動作周波数を含む前記近接センサー電気信号を前記近接センサー・コンポーネントが受領し、処理することを許容する低域通過フィルタであって、前記NFC電気信号を前記近接センサーから遮断する、低域通過フィルタ、および/または
高い動作周波数を含む前記NFC電気信号を前記NFCコンポーネントが受領し、処理することを許容する高域通過フィルタであって、前記近接感知電気信号を前記NFCコンポーネントから遮断する、高域通過フィルタ、
の一方または両方の受動素子をさらに有する、態様34記載のシステム。
〔態様36〕
前記受動素子がコンデンサおよび/または抵抗器を含む、態様35記載のシステム。
〔態様37〕
さらに能動的なスイッチを有する態様34ないし36のうちいずれか一項記載のシステムであって、前記能動的なスイッチは:
前記近接感知動作の間、前記開端のアンテナを前記NFCモジュールから隔離する段階であって、前記能動的なスイッチは、前記近接感知電気信号が前記近接センサー・コンポーネントによって受領され、処理されることを許容する、段階;
前記NFC動作の間、前記閉端のアンテナを前記近接センサーから隔離する段階であって、前記能動的なスイッチは、前記NFC電気信号が前記NFCコンポーネントによって受領され、処理されることを許容する、段階、
のうちの一方を実行するよう適応されている、システム
〔態様38〕
前記近接感知電気信号を前記NFC電気信号から隔離するよう適応された一つまたは複数のコンポーネントをさらに有する、態様34ないし37のうちいずれか一項記載のシステム。
〔態様39〕
前記アンテナが、前記NFCコンポーネントおよび近接センサー・コンポーネントを含むモジュール内に含まれる、態様34ないし38のうちいずれか一項記載のシステム。
〔態様40〕
前記アンテナがコイル・アンテナである、態様39記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5