特許第6178380号(P6178380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6178380無線通信システムにおける制御情報の伝送方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178380
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける制御情報の伝送方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20170731BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20170731BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
   H04W72/04 111
   H04W72/04 131
   H04W16/26
【請求項の数】16
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2015-211764(P2015-211764)
(22)【出願日】2015年10月28日
(62)【分割の表示】特願2013-558787(P2013-558787)の分割
【原出願日】2012年3月14日
(65)【公開番号】特開2016-28530(P2016-28530A)
(43)【公開日】2016年2月25日
【審査請求日】2015年11月16日
(31)【優先権主張番号】61/452,617
(32)【優先日】2011年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/453,131
(32)【優先日】2011年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/469,076
(32)【優先日】2011年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】キム ハクソン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンビュル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ソクチョル
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/127300(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/013961(WO,A2)
【文献】 Huawei, CMCC,Search spaces on one CC for the cross-CC scheduling,3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-103083,2010年 5月10日
【文献】 CATT,On Rel-10 Relay Features and Higher Layer Signaling,3GPP TSG-RAN WG1#62b R1-105179,2010年10月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、端末が物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を受信する方法であって、
特定サブフレームを示すRRCシグナリングを受信するステップであって、前記特定サブフレームは、前記端末に構成される複数のサービングセルに対する複数の検索空間を含み、前記複数の検索空間のそれぞれは、異なるCIF値に対応する、ステップと、
前記複数のサービングセルの第1のセルにおける前記特定サブフレーム内のみにおいて、第1のPDCCHの候補に対して検索空間をモニタリングするステップと、
前記特定サブフレーム内の制御領域において、第2のPDCCHと異なる前記第1のPDCCHにより伝送されるダウンリンク制御情報(DCI)を獲得するステップと、
を有
前記端末は、前記特定サブフレームと異なるその他のサブフレームにおける前記第1のPDCCHの候補に対して何らの検索空間をモニタリングしない、PDCCH受信方法。
【請求項2】
前記端末は、異なるCIF値と同じDCIフォーマットサイズを有するPDCCH候補に対する2以上の検索空間内において、前記第1のセルに対する少なくとも1つのPDCCH候補をモニタリングする、請求項1に記載のPDCCH受信方法。
【請求項3】
複数のダウンリンクサブフレームを示す第2の情報を受信するステップをさらに有する、請求項1に記載のPDCCH受信方法。
【請求項4】
前記検索空間は、前記特定サブフレーム内の複数のOFDMAシンボルのうちのM番目のOFDMAシンボルから始まり、該Mは正の整数である、請求項1に記載のPDCCH受信方法。
【請求項5】
特定サブフレームを示すRRCシグナリングを受信するよう構成されたRFモジュールであって、前記特定サブフレームは、端末に構成される複数のサービングセルに対する複数の検索空間を含み、前記複数の検索空間のそれぞれは、異なるCIF値に対応する、RFモジュールと、
前記複数のサービングセルの第1のセルにおける前記特定サブフレーム内のみにおいて、第1のPDCCHの候補に対して検索空間をモニタリングし、前記特定サブフレーム内の制御領域において、第2のPDCCHと異なる前記第1のPDCCHにより伝送されるダウンリンク制御情報(DCI)を獲得するよう構成されたプロセッサと、
を有
前記プロセッサは、前記特定サブフレームと異なるその他のサブフレームにおける前記第1のPDCCHの候補に対して何らの検索空間をモニタリングしない、端末。
【請求項6】
前記プロセッサは、異なるCIF値と同じDCIフォーマットサイズを有するPDCCH候補に対する2以上の検索空間内において、前記第1のセルに対する少なくとも1つのPDCCH候補をモニタリングする、請求項に記載の端末。
【請求項7】
前記プロセッサは、複数のダウンリンクサブフレームを示す第2の情報を受信するよう前記RFモジュールを制御する、請求項に記載の端末。
【請求項8】
前記検索空間は、前記特定サブフレーム内の複数のOFDMAシンボルのうちのM番目のOFDMAシンボルから始まり、該Mは正の整数である、請求項に記載の端末。
【請求項9】
無線通信システムにおいて、基地局が物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を送信する方法であって、
特定サブフレームを示すRRCシグナリングを送信するステップであって、前記特定サブフレームは、端末に構成される複数のサービングセルに対する複数の検索空間を含み、前記複数の検索空間のそれぞれは、異なるCIF値に対応する、ステップと、
前記特定サブフレーム内の制御領域において、第2のPDCCHと異なる第1のPDCCHにより伝送されるダウンリンク制御情報(DCI)を送信するステップと、
を有し、
前記第1のPDCCHの候補に対する検索空間は、前記複数のサービングセルの第1のセルにおける前記特定サブフレーム内のみに位置する、PDCCH送信方法。
【請求項10】
異なるCIF値と同じDCIフォーマットサイズを有するPDCCH候補に対する2以上の検索空間内において、前記第1のセルに対するPDCCHを送信するステップをさらに有する、請求項に記載のPDCCH送信方法。
【請求項11】
複数のダウンリンクサブフレームを示す第2の情報を送信するステップをさらに有する、請求項に記載のPDCCH送信方法。
【請求項12】
前記検索空間は、前記特定サブフレーム内の複数のOFDMAシンボルのうちのM番目のOFDMAシンボルから始まり、該Mは正の整数である、請求項に記載のPDCCH送信方法。
【請求項13】
RFモジュールと、
プロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、
特定サブフレームを示すRRCシグナリングを送信し、前記特定サブフレームは、端末に構成される複数のサービングセルに対する複数の検索空間を含み、前記複数の検索空間のそれぞれは、異なるCIF値に対応し、
前記特定サブフレーム内の制御領域において、第2のPDCCHと異なる第1のPDCCHにより伝送されるダウンリンク制御情報(DCI)を送信するよう前記RFモジュールを制御し、
前記第1のPDCCHの候補に対する検索空間は、前記複数のサービングセルの第1のセルにおける複数のダウンリンクサブフレームのうちの前記特定サブフレーム内のみに位置する、基地局。
【請求項14】
前記プロセッサは、異なるCIF値と同じDCIフォーマットサイズを有するPDCCH候補に対する2以上の検索空間内において、前記第1のセルに対するPDCCHを送信するよう前記RFモジュールを制御する、請求項13に記載の基地局。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記複数のダウンリンクサブフレームを示す第2の情報を送信するよう前記RFモジュールを制御する、請求項13に記載の基地局。
【請求項16】
前記検索空間は、前記特定サブフレーム内の複数のOFDMAシンボルのうちのM番目のOFDMAシンボルから始まり、該Mは正の整数である、請求項13に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに係り、特に、制御情報を伝送する方法及び装置に関する。無線通信システムはキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation、CA)を支援することができる。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが音声やデータなどのような種々の通信サービスを提供するために広範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは、可用のシステムリソース(帯域幅、伝送パワーなど)を共有してマルチユーザーとの通信を支援し得る多重アクセス(multiple access)システムのことをいう。多重アクセスシステムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)システムなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、無線通信システムにおいて制御情報を効率よく伝送する方法及びそのための装置を提供することにある。本発明の他の目的は、制御情報を効率よく伝送するためのチャネルフォーマット、リソース割当、信号処理、及びそのための装置を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、制御情報を伝送するためのリソースを効率よく割り当てる方法及びそのための装置を提供することにある。
【0004】
本発明で達成しようとする技術的課題は、上記の技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一様相として、無線通信システムにおいて複数のセルが構成された通信装置でダウンリンク制御チャネルを受信する方法であって、複数のダウンリンク制御チャネル候補を伝送するためにあらかじめ設定された複数の検索空間リソースを含むサブフレームを受信し、それぞれの検索空間リソースはそれぞれのセルに対応することと、前記ダウンリンク制御チャネルのために、前記複数の検索空間リソースのうち少なくとも一部で前記複数の制御チャネル候補をモニタリングすることと、を含み、前記複数のセルのうち、前記サブフレームでダウンリンク伝送が制限された一つ以上の特定セルがある場合に、前記一つ以上の特定セルに対応する検索空間リソースが、他のセルのダウンリンク制御チャネル候補又はダウンリンク共有チャネルを伝送するのに用いられる方法が提供される。
【0006】
好適には、前記一つ以上の特定セルに対応する検索空間リソースが他のセルのダウンリンク制御チャネル候補を伝送するのに用いられる場合に、前記他のセルのダウンリンク制御チャネル候補はいずれも同一の情報サイズを有するように構成され、前記同一の情報サイズを有するダウンリンク制御チャネル候補はCIF(Carrier Indicator Field)値で区別されるとよい。
【0007】
好適には、前記一つ以上の特定セルに対応する検索空間リソースが他のセルのダウンリンク制御チャネル候補を伝送するのに用いられる場合に、前記一つ以上の特定セルに対応する検索空間リソースは、前記複数のセルのうち基準セルの検索空間リソースに併合されるとよい。
【0008】
好適には、前記併合された検索空間リソース内においてそれぞれのダウンリンク制御チャネル候補が始まるリソースが不連続的に構成されるとよい。
【0009】
好適には、前記サブフレームは複数のOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボルを含み、前記あらかじめ設定された複数の検索空間リソースは、前記サブフレームにおいて先頭M個のOFDMAシンボル以外の残りOFDMAシンボル内に設定され、前記Mは正の整数であるとよい。
【0010】
好適には、リソースブロック割当情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを通じて受信することをさらに含み、前記リソースブロック割当情報は、前記あらかじめ設定された複数の検索空間リソースを指示するのに用いられるとよい。
【0011】
本発明の他の様相として、無線通信システムにおいて複数のセルが構成された状態でダウンリンク制御チャネルを受信するように構成された通信装置であって、無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニットと、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、複数のダウンリンク制御チャネル候補を伝送するためにあらかじめ設定された複数の検索空間リソースを含むサブフレームを受信し、それぞれの検索空間リソースはそれぞれのセルに対応し、前記ダウンリンク制御チャネルのために、前記複数の検索空間リソースのうち少なくとも一部で前記複数の制御チャネル候補をモニタリングするように構成され、前記複数のセルのうち、前記サブフレームでダウンリンク伝送が制限された一つ以上の特定セルがある場合に、前記一つ以上の特定セルに対応する検索空間リソースが、他のセルのダウンリンク制御チャネル候補又はダウンリンク共有チャネルを伝送するのに用いられる通信装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線通信システムにおいて制御情報を効率よく伝送することが可能になる。また、制御情報を効率よく伝送するためのチャネルフォーマット、リソース割当、信号処理方法を提供することが可能になる。また、制御情報の伝送のためのリソースを効率よく割り当てることが可能になる。
【0013】
本発明で得られる効果は、以上に言及した効果に制限されず、言及していない別の効果は、下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【0014】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付図面は、本発明の実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】無線通信システムの一例である3GPP LTEシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号伝送方法を例示する図である。
図2】無線フレームの構造を例示する図である。
図3】ダウンリンクスロットのリソースグリッドを例示する図である。
図4】ダウンリンクサブフレームの構造を示す図である。
図5】基地局でPDCCHを構成するフローチャートである。
図6】端末がPDCCHを処理するフローチャートである。
図7】アップリンクサブフレームの構造を例示する図である。
図8】キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation、CA)通信システムを例示する図である。
図9】クロスキャリアスケジューリングを例示する図である。
図10】リレーを含んでいる無線通信システムを例示する図である。
図11】MBSFN(Multicast Broadcast Single Frequency Network)サブフレームを用いてバックホール伝送を行う例を示す図である。
図12】リレーのための周波数−時間リソースを任意に区分した例を示す図である。
図13】R−PDCCH/(R−)PDSCHを割り当てる例を示す図である。
図14】サブフレームのデータ領域(例、PDSCH領域)にPDCCHを割り当てる他の例を示す図である。
図15】R−PDCCHのためのリソース割当及びPDCCH受信の過程を例示する図である。
図16】R−PDCCHのための検索空間を構成する一例を示す図である。
図17】CA状況でR−PDCCHのための検索空間を構成する例を示す図である。
図18】CA状況でR−PDCCHのための検索空間を構成する例を示す図である。
図19】CA状況でR−PDCCHのための検索空間を構成する例を示す図である。
図20】CA状況でR−PDCCHのための検索空間を構成する例を示す図である。
図21】遊休検索空間が発生する場合を例示する図である。
図22】検索空間共有方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図23】検索空間共有方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図24】検索空間共有方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図25】検索空間共有方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図26】検索空間共有方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図27】検索空間共有方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図28】検索空間共有方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図29】検索空間併合方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図30】検索空間併合方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図31】検索空間併合方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図32】検索空間併合方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図33】検索空間併合方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図34】検索空間併合方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図35】検索空間併合方法を用いて検索空間を構成する例を示す図である。
図36】遊休検索空間リソースを用いた信号伝送を例示する図である。
図37】検索空間リソースの量を調節する方案を例示する図である。
図38】本発明に適用可能な基地局、リレー及び端末を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の技術は、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)などの様々な無線接続システムに用いられてもよい。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)と実現されている。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術と実現されている。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術と実現されている。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展したバージョンである。説明を明確にするために3GPP LTE/LTE−Aを中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0017】
無線通信システムにおいて、端末は基地局からダウンリンク(Downlink、DL)で情報を受信し、端末は基地局にアップリンク(Uplink、UL)で情報を伝送する。基地局と端末が送受信する情報にはデータ及び種々の制御情報があり、これら送受信される情報の種類/用途に応じて様々な物理チャネルが存在する。
【0018】
図1は、3GPP LTEシステムに用いられる物理チャネル及びこれらを用いた一般の信号伝送方法を説明するための図である。
【0019】
電源が消えた状態で電源がついたり、新しくセルに進入した端末は、段階S101で、基地局と同期を取るような初期セル探索(Initial cell search)作業を行う。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel、P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel、S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を獲得する。その後、端末は基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信してセル内の放送情報を獲得すればよい。一方、端末は初期セル探索段階でダウンリンク参照信号(Downlink Reference Signal、DL RS)を受信してダウンリンクチャネル状態を確認してもよい。
【0020】
初期セル探索を終えた端末は、段階S102で、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)及び物理ダウンリンク制御チャネル情報に基づく物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDSCH)を受信して、より具体的なシステム情報を獲得すればよい。
【0021】
その後、端末は基地局への接続を完了するために、段階S103乃至段階S106のようなランダムアクセス手順(Random Access Procedure)を行えばよい。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)を用いてプリアンブル(preamble)を伝送し(S103)、物理ダウンリンク制御チャネル及びこれに対応する物理ダウンリンク共有チャネルを介して、プリアンブルに対する応答メッセージを受信するとよい(S104)。競合ベースのランダムアクセスでは、追加の物理ランダムアクセスチャネルの伝送(S105)、及び物理ダウンリンク制御チャネル及びこれに対応する物理ダウンリンク共有チャネル受信(S106)のような衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)を行えばよい。
【0022】
上述の手順を行った端末は、以降、一般のアップリンク/ダウンリンク信号伝送手順として、物理ダウンリンク制御チャネル/物理ダウンリンク共有チャネルの受信(S107)、及び物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)/物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel、PUCCH)の伝送(S108)を行えばよい。端末が基地局に伝送する制御情報を総称してアップリンク制御情報(Uplink Control Information、UCI)という。UCIは、HARQ ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat and reQuest Acknowledgement/Negative−ACK)、SR(Scheduling Request)、CSI(Channel State Information)などを含む。CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indication)などを含む。UCIは一般に、PUCCHを介して伝送されるが、制御情報とトラフィックデータが同時に伝送されるべき場合は、PUSCHを介して伝送されてもよい。また、ネットワークの要請/指示に応じてPUSCHを介してUCIを非周期的に伝送してもよい。
【0023】
図2は、無線フレーム(radio frame)の構造を例示する図である。セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、アップリンク/ダウンリンクデータパケット伝送はサブフレーム単位で行われ、1サブフレームは、複数のシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準ではFDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0024】
図2(a)に、タイプ1無線フレームの構造を例示する。ダウンリンク無線フレームは、10個のサブフレームで構成され、1サブフレームは時間ドメインにおいて2個のスロット(slot)で構成される。1サブフレームが伝送されるのにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5mであってよい。1スロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(Resource Block、RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、ダウンリンクでOFDMを使用するから、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルはSC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ばれることもある。リソース割当単位としてのリソースブロック(RB)は、1スロットで複数の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。
【0025】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なることがある。CPには、拡張CP(extended CP)とノーマルCP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルがノーマルCPにより構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPにより構成された場合は、1 OFDMシンボルの長さが増えることから、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数はノーマルCPの場合に比べてより少ない。例えば、拡張CPの場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が高速で移動するなどしてチャネル状態が不安定となる場合、シンボル間干渉をより減らすために拡張CPが用いられるとよい。
【0026】
ノーマルCPが用いられる場合に、1スロットは7個のOFDMシンボルを含むから、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。サブフレームの先頭における最大3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当てられ、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てられるとよい。
【0027】
図2(b)には、タイプ2無線フレームの構造を例示する。タイプ2無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5個のサブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period、GP)、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成される。1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末のアップリンク伝送同期を合わせるのに用いられる。保護区間は、アップリンクとダウンリンク間にダウンリンク信号の多重経路遅延によりアップリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
【0028】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0029】
図3は、ダウンリンクスロットのためのリソースグリッドを例示する図である。
【0030】
図3を参照すると、ダウンリンクスロットは、時間ドメインで複数のOFDMシンボルを含む。ここでは、1ダウンリンクスロットが7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)が周波数ドメインで12個の副搬送波を含むとしたが、本発明がこれに制限されるものではない。リソースグリッド上でそれぞれの要素はリソース要素(Resource Element、RE)と呼ばれる。1 RBは12×7 REを含む。ダウンリンクスロットに含まれたRBの個数NDLは、ダウンリンク伝送帯域に依存する。アップリンクスロットの構造はダウンリンクスロットの構造と同一であってよい。
【0031】
図4は、ダウンリンクサブフレームの構造を例示する図である。
【0032】
図4を参照すると、サブフレームにおいて1番目のスロットの先頭における最大3個のOFDMシンボルが、制御チャネルの割り当てられた制御領域に相当する。残りのOFDMシンボルは、PDSCH(physical downlink shared chancel)が割り当てられるデータ領域に相当する。3GPP LTEで用いられるダウンリンク制御チャネルの例としては、PCFICH(physical control format indicator channel)、PDCCH(physical downlink control channel)、PHICH(physical hybrid ARQ indicator channel)などを含む。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで伝送され、サブフレームにおいて制御チャネルの伝送に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を運ぶ。PHICHは、アップリンク伝送に対する応答としてHARQ ACK/NACK(acknowledgment/negative−acknowledgment)信号を運ぶ。PDCCHを介して伝送される制御情報をDCI(downlink control information)と呼ぶ。DCIは、アップリンク又はダウンリンクスケジューリング情報、又は任意の端末グループのためのアップリンク伝送(Tx)パワーコントロールコマンドを含む。
【0033】
PDCCHは、DL−SCH(downlink shared channel)の伝送フォーマット及びリソース割当、UL−SCH(uplink shared channel)に関するリソース割当情報、PCH(paging channel)に関するページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で伝送されるランダムアクセス応答のような上位層制御メッセージのリソース割当情報、任意の端末グループ内で個別端末に対するTxパワーコントロールコマンド、Txパワーコントロールコマンド、VoIP(voice over IP)の活性化などを運ぶ。制御領域内で複数のPDCCHが伝送され、端末は複数のPDCCHをモニタリングしてもよい。PDCCHは、一つ又は複数の連続したCCE(consecutive control channel element)の集合(aggregation)上で伝送される。CCEは、無線チャネルの状態に応じて所定のコーディングレートのPDCCHを提供するために用いられる論理的割当単位である。CCEは、複数のREG(resource element group)に対応する。PDCCHのフォーマット及び可用のPDCCHのビット数は、CCEの個数とCCEにより提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に伝送されるべきDCIに基づいてPDCCHフォーマットを決定し、CRC(cyclic redundancy check)を制御情報に付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は使用用途に基づいて唯一識別子(RNTI(radio network temporary identifier)という。)でマスキングされる。PDCCHが特定端末のためのものであれば、該当の端末の唯一識別子(例、C−RNTI(cell−RNTI))がCRCにマスキングされる。他の例として、PDCCHがページングメッセージのためのものであれば、ページング指示識別子(例、P−RNTI(paging−RNTI))がCRCにマスキングされる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、後述するSIB(system information block))に関するものであれば、システム情報識別子(例、SI−RNTI(system information RNTI))がCRCにマスキングされる。端末のランダムアクセスプリアンブルの伝送に対する応答であるランダムアクセス応答を指示するために、RA−RNTI(random access−RNTI)がCRCにマスキングされる。
【0034】
PDCCHは、DCI(Downlink Control Information)と知られたメッセージを運び、DCIは、一つの端末又は端末グループのためのリソース割当及び他の制御情報を含む。一般に、複数のPDCCHが一つのサブフレームで伝送されるとよい。それぞれのPDCCHは一つ以上のCCE(Control Channel Element)を用いて伝送され、それぞれのCCEは、9セットの4リソース要素に対応する。4リソース要素はREG(Resource Element Group)と呼ばれる。4個のQPSKシンボルがそれぞれのREGにマッピングされる。参照信号(reference signal)により割り当てられたリソース要素はREGに含まれず、よって、与えられたOFDMシンボルにおいてREGの総個数は、セル−特定(cell−specific)参照信号の存在有無によって異なってくる。REG概念(すなわち、グループ単位マッピング、各グループは4個のリソース要素を含む)は、他のダウンリンク制御チャネル(PCFICH及びPHICH)に用いられてもよい。4個のPDCCHフォーマットが表1のように支援される。
【0035】
【表1】
【0036】
CCEは、連続的に番号が付けられて使用され、デコーディングプロセスを単純化するために、n CCEsで構成されたフォーマットを持つPDCCHは、nの倍数と同じ数を持つCCEでのみ始まればよい。特定PDCCHの伝送のために用いられるCCEの個数はチャネル条件に基づいて基地局により決定される。例えば、PDCCHが、良好なダウンリンクチャネル(例、基地局に近い)を持つ端末のためのものであると、一つのCCEでも充分であろう。しかし、悪いチャネル(例、セル境界に近い)を持つ端末のためのものであると、充分のロバスト性(robustness)を得るために8個のCCEが用いられればよい。また、PDCCHのパワーレベルがチャネル条件に合わせて調節されてもよい。
【0037】
LTEには、それぞれの端末のためにPDCCHが位置し得る制限されたセットのCCE位置を定義する方案が導入されている。端末が自身のPDCCHをサーチできる制限されたセットのCCE位置を「検索空間」と呼ぶことができる。LTEにおいて、検索空間はそれぞれのPDCCHフォーマットに従って別々のサイズを有する。また、専用(UE−specific)及び共通の検索空間が個別に定義される。専用検索空間は各端末のために個別的に設定され、共通検索空間の範囲は全ての端末に知らせられる。専用及び共通検索空間は、与えられた端末に対してオーバーラップすることがある。大変小さい検索空間を有している場合、特定端末のための検索空間で一部CCEの位置が割り当てられると残されるCCEがないため、与えられたサブフレーム内で基地局は、全ての可能な端末にPDCCHを伝送するCCEリソースを探せないことがある。このようなブロッキングが次のサブフレームに続く可能性を最小化するために、専用検索空間の開始位置に端末−特定ホッピングシーケンスが適用される。共通及び専用検索空間のサイズを、表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
ブラインドデコーディング(Blind Decoding、BD)の総回数による計算負荷を統制下に置くために、端末は、定義された全てのDCIフォーマットを同時に検索するように要求されることがない。一般に、専用検索空間内で端末は常にフォーマット0と1Aを検索する。フォーマット0と1Aは同一サイズを有するもので、メッセージ内のフラグにより区別される。また、端末は、追加のフォーマットを受信するように要求されることもある(例、基地局により設定されたPDSCH伝送モードによって1、1B又は2)。共通検索空間で端末はフォーマット1A及び1Cをサーチする。また、端末はフォーマット3又は3Aをサーチするように設定されてもよい。フォーマット3及び3Aはフォーマット0及び1Aと同じサイズを有し、端末−特定識別子よりは、互いに異なった(共通)識別子でCRCをスクランブルすることによって区別されるとよい。多重−アンテナ技術を構成するための伝送モードとDCIフォーマットの情報コンテンツは、下記の通りである。
【0040】
伝送モード(Transmission Mode)
●伝送モード1:単一基地局アンテナポートからの伝送
●伝送モード2:伝送ダイバーシティ
●伝送モード3:開ループ空間多重化
●伝送モード4:閉ループ空間多重化
●伝送モード5:マルチユーザーMIMO
●伝送モード6:閉ループランク−1プリコーディング
●伝送モード7:端末−特定参照信号を用いた伝送
【0041】
DCIフォーマット
●フォーマット0:PUSCH伝送(アップリンク)のためのリソースグラント
●フォーマット1:単一コードワードPDSCH伝送(伝送モード1、2及び7)のためのリソース割当
●フォーマット1A:単一コードワードPDSCH(全てのモード)のためのリソース割当のコンパクトシグナリング
●フォーマット1B:ランク−1閉ループプリコーディングを用いるPDSCH(モード6)のためのコンパクトリソース割当
●フォーマット1C:PDSCH(例、ページング/ブロードキャストシステム情報)のための非常にコンパクトなリソース割当
●フォーマット1D:マルチユーザーMIMOを用いるPDSCH(モード5)のためのコンパクトリソース割当
●フォーマット2:閉ループMIMO動作のPDSCH(モード4)のためのリソース割当
●フォーマット2A:開ループMIMO動作のPDSCH(モード3)のためのリソース割当
●フォーマット3/3A:PUCCH及びPUSCHのために2ビット/1ビットパワー調整値を有するパワーコントロールコマンド
【0042】
上述した内容を考慮すれば、端末は、1サブフレーム内で最大44回のBDを行うことが要求される。同一メッセージを互いに異なったCRC値でチェックすることは、小さい付加的計算複雑度のみを要求するので、同一メッセージを互いに異なったCRC値でチェックすることはBD回数に含まれない。
【0043】
図5は、基地局でPDCCHを構成するフローチャートである。
【0044】
図5を参照すると、基地局は、DCIフォーマットに基づいて制御情報を生成する。基地局は端末に送信すべき制御情報に基づいて複数のDCIフォーマット(DCI format 1,2,…,N)のいずれかのDCIフォーマットを選択すればよい。段階S410で、それぞれのDCIフォーマットに基づいて生成された制御情報に、エラー検出(error detection)のためのCRC(Cyclic Redundancy Check)を付加する。CRCには、PDCCHの所有者(owner)や用途に応じて識別子(例、RNTI(Radio Network Temporary Identifier))がマスキングされる。言い換えると、PDCCHは識別子(例、RNTI)でCRCスクランブルされる。
【0045】
表3は、PDCCHにマスキングされる識別子の例を示す。
【0046】
【表3】
【0047】
C−RNTI、臨時C−RNTI又は半持続的C−RNTIが使用されると、PDCCHは、該当する特定端末のための制御情報を運び、その他のRNTIが使用されると、PDCCHは、セル内の全ての端末が受信する共通の制御情報を運ぶ。段階S420で、CRCの付加された制御情報にチャネルコーディングを行って、符号化されたデータ(coded data)を生成する。段階S430で、PDCCHフォーマットに割り当てられたCCEアグリゲーションレベル(aggregation level)に従うレートマッチング(rate matching)を行う。段階S440で、符号化されたデータを変調して変調シンボルを生成する。一つのPDCCHを構成する変調シンボルは、CCEアグリゲーションレベルが1、2、4、8のいずれか一つであればよい。段階S450で、変調シンボルを物理的なリソース要素(RE)にマッピング(CCE to RE mapping)する。
【0048】
図6は、端末がPDCCHを処理するフローチャートである。
【0049】
図6を参照すると、段階S510で、端末は、物理的なリソース要素をCCEにデマッピング(CCE to RE demapping)する。段階S520で、端末は自身がどのCCEアグリゲーションレベルでPDCCHを受信すべきか知らないから、それぞれのCCEアグリゲーションレベルに対して復調(Demodulation)を行う。段階S530で、端末は、復調されたデータにレートデマッチング(rate dematching)を行う。端末は自身がどのDCIフォーマット(又はDCIペイロードサイズ)を持つ制御情報を受信すべきか知らないから、それぞれのDCIフォーマット(又はDCIペイロードサイズ)に対してレートデマッチングを行う。段階S540で、レートデマッチングされたデータにコードレートによってチャネルデコーディングを行い、CRCをチェックしてエラー発生の有無を検出する。エラー発生がないと、端末は自身のPDCCHを検出したものである。万一、エラー発生があると、端末は、他のCCEアグリゲーションレベルや、他のDCIフォーマット(又はDCIペイロードサイズ)に対して引続きブラインドデコーディングを行う。段階S550で、自身のPDCCHを検出した端末は、デコーディングされたデータからCRCを除去して制御情報を獲得する。
【0050】
複数の端末に対する複数のPDCCHが同一サブフレームの制御領域内で伝送されることがある。基地局は端末に該当のPDCCHが制御領域のどこにあるかに関する情報を提供しない。そのため、端末はサブフレーム内でPDCCH候補(candidate)の集合をモニタリングして自身のPDCCHを探す。ここで、モニタリングとは、端末が、受信したPDCCH候補をそれぞれのDCIフォーマットに従ってデコーディングを試みることを指す。これをブラインドデコーディング(blind detection)という。ブラインドデコーディングを用いて、端末は、自身に伝送されたPDCCHの識別(identification)と当該PDCCHを介して伝送される制御情報のデコーディングを同時に行う。例えば、C−RNTIでPDCCHをデマスキング(de-masking)した場合、CRCエラーがなければ、端末は自身のPDCCHを検出したものである。
【0051】
一方、ブラインドデコーディングのオーバーヘッドを減少させるために、PDCCHを用いて伝送される制御情報の種類に比べて、DCIフォーマットの個数がより小さく定義される。DCIフォーマットは、複数の異なった情報フィールドを含む。DCIフォーマットに従って情報フィールドの種類、情報フィールドの個数、各情報フィールドのビット数などが異なってくる。また、DCIフォーマットに従って、DCIフォーマットに整合する制御情報のサイズも異なってくる。任意のDCIフォーマットは2種以上の制御情報の伝送に用いられるとよい。
【0052】
表4は、DCIフォーマット0が伝送する制御情報の例を示すものである。下記において、各情報フィールドのビットサイズは例示に過ぎないもので、フィールドのビットサイズを制限するものではない。
【0053】
【表4】
【0054】
フラグフィールドは、フォーマット0とフォーマット1Aとを区別するための情報フィールドである。すなわち、DCIフォーマット0と1Aとは同じペイロードサイズを有し、フラグフィールドにより区別される。リソースブロック割当及びホッピングリソース割当フィールドは、ホッピングPUSCHまたはノン−ホッピング(non−hoppping)PUSCHによってフィールドのビットサイズが異なることがある。ノン−ホッピングPUSCHのためのリソースブロック割当及びホッピングリソース割当フィールドは、
【数1】
ビットをアップリンクサブフレーム内の1番目のスロットのリソース割当に提供する。ここで、
【数2】
は、アップリンクスロットに含まれるリソースブロックの数であり、セルで設定されるアップリンク伝送帯域幅に従属する。そのため、DCIフォーマット0のペイロードサイズはアップリンク帯域幅によって異なることがある。DCIフォーマット1Aは、PDSCH割当のための情報フィールドを含み、DCIフォーマット1Aのペイロードサイズもダウンリンク帯域幅によって異なることがある。DCIフォーマット1AはDCIフォーマット0に対して基準情報ビットサイズを提供する。そのため、DCIフォーマット0の情報ビットの数がDCIフォーマット1Aの情報ビットの数よりも少ない場合は、DCIフォーマット0のペイロードサイズがDCIフォーマット1Aのペイロードサイズと同一になるまで、DCIフォーマット0に「0」が付加される。付加された「0」は、DCIフォーマットのパディングフィールド(padding field)に埋められる。
【0055】
図7は、LTEで用いられるアップリンクサブフレームの構造を例示する図である。
【0056】
図7を参照すると、アップリンクサブフレームは、複数(例、2個)のスロットを含む。スロットはCP長に従って、互いに異なった数のSC−FDMAシンボルを含んでもよい。一例として、ノーマル(normal)CPでは、スロットは7個のSC−FDMAシンボルを含めばよい。アップリンクサブフレームは、周波数領域でデータ領域と制御領域とに区別される。データ領域はPUSCHを含むもので、音声などのデータ信号を伝送するのに用いられる。制御領域はPUCCHを含むもので、制御情報を伝送するのに用いられる。PUCCHは、周波数軸でデータ領域の両端部に位置しているRB対(RB pair)(例、m=0、1、2、3)を含み、スロットを境界にホッピングする。制御情報は、HARQ ACK/NACK、CQI(Channel Quality Information)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indication)などを含む。
【0057】
図8は、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation、CA)通信システムを例示する図である。
【0058】
図8を参照すると、複数のアップリンク/ダウンリンクコンポーネントキャリア(Component Carrier、CC)を集めてより広いアップリンク/ダウンリンク帯域幅を支援している。それぞれのCCは周波数領域において互いに隣接又は非隣接する。各コンポーネントキャリアの帯域幅は独立して定められるとよい。UL CCの個数とDL CCの個数とが異なる非対称キャリアアグリゲーションも可能である。一方、制御情報は特定CCでのみ送受信されるように設定されてもよい。このような特定CCをプライマリCCと呼び、残りのCCをセカンダリCCと呼ぶことができる。一例として、クロスキャリアスケジューリング(cross−carrier scheduling)(又はクロス−CCスケジューリング)が適用される場合に、ダウンリンク割当のためのPDCCHはDL CC#0で伝送され、該当のPDSCHはDL CC#2で伝送される。「コンポーネントキャリア」という用語は、等価の他の用語(例、キャリア、セルなど)にしてもよい。
【0059】
クロス−CCスケジューリングのために、CIF(carrier indicator field)が用いられる。PDCCH内にCIFの存在又は不在のための設定が半−静的に端末−特定(又は端末グループ−特定)に上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)によりイネーブル(enable)されるとよい。PDCCH伝送の基本事項をまとめると、下記の通りである。
◆CIFディセーブルド(disabled):DL CC上のPDCCHは、同一DL CC上のPDSCHリソース、及び単一のリンクされたUL CC上でのPUSCHリソースを割り当てる。
●No CIF
◆CIFイネーブルド(enabled):DL CC上のPDCCHは、CIFを用いて、複数の束ねられたDL/UL CCのうち、一つのDL/UL CC上のPDSCH又はPUSCHリソースを割り当てることが可能である。
●CIFを持つように拡張されたLTE DCIフォーマット
− CIF(設定される場合)は、固定されたx−ビットフィールド(例、x=3)
− CIF(設定される場合)の位置は、DCIフォーマットサイズにかかわらずに固定される
【0060】
CIF存在時に、基地局は端末におけるBD複雑度を下げるためにモニタリングDL CC(セット)を割り当てるとよい。PDSCH/PUSCHスケジューリングのために端末は該当のDL CCでのみPDCCHの検出/デコーディングを行えばよい。また、基地局はモニタリングDL CC(セット)でのみPDCCHを伝送すればよい。モニタリングDL CCセットは、端末−特定、端末−グループ−特定又はセル−特定方式でセッティングされるとよい。
【0061】
図9は、3個のDL CCが束ねられ、DL CC AがモニタリングDL CCに設定された場合を例示する。CIFがディセーブルされると、LTE PDCCH規則に従って、各DL CCはCIF無しで各DL CCのPDSCHをスケジューリングするPDCCHを伝送すればよい。一方、CIFが上位層シグナリングによりイネーブルされると、CIFを用いて、DL CC Aのみが、DL CC AのPDSCHの他、他のDL CCのPDSCHもスケジューリングするPDCCHを伝送すればよい。モニタリングDL CCに設定されていないDL CC B及びCではPDCCHが伝送されない。ここで、「モニタリングDL CC」は、モニタリングキャリア、モニタリングセル、スケジューリングキャリア、スケジューリングセル、サービングキャリア、サービングセルなどの等価の用語に代えてもよい。
【0062】
図10は、リレーを含んでいる無線通信システムを例示する図である。無線通信システムは、基地局、リレー(またはリレーノード(Relay Node、RN))及び端末を含んでいる。端末は基地局又はリレーと通信を行う。便宜上、基地局と通信を行う端末をマクロ端末(macro UE)と呼び、リレーと通信を行う端末をリレー端末(relay UE)と呼ぶ。基地局とマクロ端末間の通信リンクをマクロアクセスリンクと呼び、リレーとリレー端末間の通信リンクをリレーアクセスリンクと呼ぶ。基地局とリレー間の通信リンクはバックホールリンクと呼ぶ。
【0063】
図11は、MBSFNサブフレームを用いてバックホール伝送を行う例を示す図である。リレーが基地局から信号を受信しながら端末に信号を伝送する場合又はその逆の場合に、リレーの送信機と受信機とが互いに干渉を誘発するから、送信と受信を同時に行うことは制限されることがある。そのために、バックホールリンクとリレーアクセスリンクはTDM方式でパーティショニング(partitioning)される。LTE−Aシステムでは、MBSFNサブフレームとシグナリングしたサブフレームにバックホールリンクを設定することができる(fake MBSFN方法)。あるサブフレームがMBSFNサブフレームとシグナリングされると、端末は当該サブフレームの制御領域のみを受信するので、リレーは当該サブフレームのデータ領域を用いてバックホールリンクを構成すればいい。例えば、MBSFNサブフレームにおける3番目のOFDMシンボルの後からは基地局−リレー伝送(すなわち、バックホール伝送)に用いられるとよい。
【0064】
図11のように、一つのCCでバックホールサブフレームとリレーアクセスサブフレームとがTDMパーティショニングされる場合に、当該CCにおいてバックホール伝送タイミングが制限される。このことから、図11のバックホールサブフレームはハーフ−デュプレックスバックホールサブフレームと呼ばれることもある。一方、図11と違い、バックホール専用CCを設定することも可能である。すなわち、一つのCCにバックホールサブフレームのみが設定されてもよく、当該CCでは常にバックホール伝送が可能である。バックホール専用CCのバックホールサブフレームをフル−デュプレックスバックホールサブフレームと呼ぶことができる。
【0065】
図12は、リレーのための周波数−時間リソース(すなわち、バックホールリソース)を区分した例である。図12は、ダウンリンクサブフレームの一部を意味することができる。具体的に、図12は、図11のMBSFNサブフレームにおいて制御領域を除いた残り部分に相当するものでよい。
【0066】
図12で、X−Y(X=1,2,3;Y=1,2)で表記された周波数−時間リソースの大きさは様々に構成可能である。例えば、X−Yは、リソースブロック(Resource block、RB)に相当するとよい。RBは、PRB(Physical Resource Block)又はVRB(Virtual Resource Block)を意味する。この場合、X−1は1番目のスロットにおけるRBの一部に相当し、X−2は2番目のスロットにおけるRBに相当する。[X−1,X−2]はRB対に相当する。以下の説明で、RBは、文脈によって、[X−1]又は[X−2]を意味することもあり、[X−1,X−2]を意味することもある。RBGは、一つ以上の連続したRBで構成される。RBGを構成するRBの個数は、システム帯域によって異なることがある。
【0067】
図13は、図12の周波数−時間リソースにR−PDCCH/(R−)PDSCHを割り当てる例を示す図である。制御情報はR−PDCCHを介して伝送され、データは(R−)PDSCHを介して伝送される。R−PDCCHはダウンリンクスケジューリング情報(例、DLグラント(Downlink Grant))及び/又はアップリンクスケジューリング情報(例、ULグラント(Uplink Grant))を運ぶ。R−PDCCHの基本リソース単位はCCEを含む。CCEは、1つ又は複数のREG、1つ又は複数のRB、1つ又は複数のRBGで定義可能である。
【0068】
図13を参照すると、リソース領域1−1(図12参照)にRN#1のDLグラントが存在する場合に、リソース領域1−2(図12参照)には、(a)データ((R−)PDSCH)、(b)ULグラント、(c)他のRNのためのULグラントが存在可能である。リソース領域1−2に(a)〜(c)のうちいずれかの情報が存在するかは、DLグラントのRA情報(例、RBG又はRB割当情報)を用いて確認すればよい。例えば、RBGがいずれもRN#1に割り当てられたならば、RN#1は、DLグラントのRA情報を解析してリソース領域1−2が(a)又は(b)に該当するか決定すればよい。
【0069】
リレーシステムと同様に、基地局−端末或いはリレー−端末間にもサブフレームのデータ領域(例、PDSCH領域)を用いてPDCCH伝送を行うことを一般化しようとする議論がある。例えば、クロス−キャリアスケジューリング状況などにより特定セル(例、モニタリングCC)で伝送すべきPDCCHの量は益々増えてきたのに対し、制御領域のサイズは従前の通りであるからである。
【0070】
図14は、サブフレームのデータ領域(例、PDSCH領域)にPDCCHを割り当てる他の例を示す図である。図14を参照すると、サブフレームの制御領域には既存LTEに基づくPDCCH(便宜上、legacy PDCCH)が割り当てられている。一方、データ領域の一部リソースを用いてPDCCHがさらに割り当てられている。便宜上、データ領域に割り当てられたPDCCHを、改善されたPDCCH(enhanced PDCCH、E−PDCCH)と呼ぶ。同図ではデータ全体領域にわたって一つのE−PDCCHが存在しているが、これは例示に過ぎず、E−PDCCHは、図13で例示したように、スロット単位に存在してもよい。すなわち、図13の例示のように、1番目のスロットにはDLグラントのためのE−PDCCHが、2番目のスロットにはULグラントのためのE−PDCCHが伝送されてもよい。
【0071】
以下、図面を参照して、サブフレームのデータ領域(例、PDSCH)を用いてダウンリンク制御チャネルのためのリソースを割り当てて運用する方案について説明する。便宜上、以下の説明はリレーシステムを中心に記述されるが、図14を参照して例示した通り、本発明は、基地局−端末、或いはリレー−端末間にも同一/類似に適用されてもよい。そのため、以下の説明において基地局−リレーは、基地局−端末或いはリレー−端末にしてもよい。信号受信の観点で、リレー及び端末は受信端と一般化してもよい。また、以下においてR−PDCCHは図14のE−PDCCHに代えてもよい。R−PDCCH及びE−PDCCHは既存のPDCCHと区別するための用語で、X−PDCCHと総称されてもよい。
【0072】
まず、R−PDCCH及びPDSCHについてより具体的に説明する。R−PDCCHは、リレーのためのDCIを運ぶ。DCIに関する事項は、表1に関する説明を参照すればよい。例えば、R−PDCCHは、リレーのためのダウンリンクスケジューリング情報、アップリンクスケジューリング情報を運ぶ。リレーのためのダウンリンクデータ(例、バックホールデータ)はPDSCHを介して受信される。R−PDCCH/PDSCHを用いた通信過程は、図1で段階S102を参照して説明したのと同一/類似である。すなわち、リレーはR−PDCCHを受信し、R−PDCCHにより指示されるPDSCHを介してデータ/制御情報を受信する。R−PDCCH伝送プロセシング(例、チャネルコーディング、インターリービング、多重化など)は、可能な範囲内で既存LTEに定義されたプロセシング(図5図6参照)を用いて行えばよく、必要によって、それを変形してもよい。例えば、リレー特性を考慮して、R−PDCCH伝送プロセシングは、既存のLTEに定義されたプロセシングから不要な過程を省略してもよい。
【0073】
リレーは、R−PDCCHから得られた制御情報に基づいてPDSCHデコーディング/復調などの動作を行う。そのため、R−PDCCH情報を正確に得ることは極めて重要である。既存のLTEは、制御領域内にPDCCH候補領域(PDCCH検索空間)をあらかじめ予約し、その一部領域に特定端末のPDCCHを伝送する方式を取っている。したがって、端末は、ブラインドデコーディングを用いて、PDCCH検索空間内で自身のPDCCHを得ることができる。同様に、リレーにおいても、事前に予約されたリソースの一部又は全体にわたってR−PDCCHを送る方式を用いればよい。
【0074】
図15は、R−PDCCHのためのリソース割当及びPDCCH受信過程を例示する図である。
【0075】
図15を参照すると、基地局はリレーにR−PDCCHリソース割当(Resource allocation、RA)情報を伝送する(S1210)。R−PDCCH RA情報は、RB(或いはVRB)割当情報を含んでいればよい。RB割当情報はRB単位又はRBG単位に与えられるとよい。R−PDCCH RA情報は上位層(例、RRC)シグナリングにより伝送されるとよい。ここで、R−PDCCH RA情報はR−PDCCHリソース(領域)を事前予約するために用いられる。その後、基地局は、バックホールサブフレームでR−PDCCHを伝送する(S1220)。R−PDCCHは、段階S1210で予約されたR−PDCCHリソース(例、M個のRB)の一部領域、或いは全体領域で伝送される。そのため、リレーは、R−PDCCHが伝送されうるリソース(領域)(以下、R−PDCCH検索空間(Search Space、SS)、検索空間と略す。)をモニタリングする(S1230)。具体的に、リレーは、検索空間内の複数のR−PDCCH候補をブラインドデコーディングする。
【0076】
一方、R−PDCCHリソース(例、RB)にマッピングされるDCI(例、DLグラント、ULグラント)はクロス−インターリービングされないことがある。この場合、一つ以上のRBで一つのR−PDCCHのみが伝送される。また、R−PDCCHリソースにマッピングされるDCIは、イントラ−RBインターリービングされることもある。また、R−PDCCHリソースにマッピングされるDCIはインター−RBインターリービング(クロス−インターリービング)されることもある。この場合、複数のR−PDCCHが一つ以上のRBで併せて伝送されることが可能である。
【0077】
図16は、検索空間(SS)を構成する一例を示す図である。本例は、図15のR−PDCCH RA情報がRBG割当情報を含む場合を例示する。図16を参照すると、RBG0、3、6、9がSSと設定され、リレーは自身のR−PDCCHを受信するためにRBG0、3、6、9でブラインドデコーディングを行う。同図では、検索空間がサブフレーム単位に同一のリソース(例、RB、RBG)を用いる場合を例示している。しかし、これと違い、検索空間はスロット別に独立して定義されてもよい。
【0078】
以下、複数のコンポーネントキャリア(CC)を用いる場合における検索空間構成方法について説明する。便宜上、3個のCCが構成された場合を取り上げる(例、PCC、SCC1、SCC2)。
【0079】
図17図20は、キャリアアグリゲーション(CA)システムにおいてクロス−キャリアスケジューリングが設定された場合に検索空間を構成する例を示す図である。本例は、PCCのSSサイズ(例、16VRB(CCE))に対する一つのシグナルのみを用いてCC SSが暗黙的(implicitly)に配置される場合とする。本例は、3個のCCが構成された(或いは、活性化された)場合を仮定する(例、PCC、SCC1、SCC2)。クロス−キャリアスケジューリングの場合、検索空間は各CC別に構成され、モニタリングCC(或いはスケジューリングCC)にのみ存在すればよい。以下、CC別に構成された検索空間をCC SS(或いは、個別SS)と呼ぶ。モニタリングCC(或いはスケジューリングCC)はPCCと設定されればよい。理解を助けるために、本例は、CCEがRB(或いはVRB)で与えられた場合を仮定する。そのため、CCE集団レベルがNである場合に、一つのR−PDCCHはN個のRB(或いはVRB)で構成される。
【0080】
表5は、CCE集団レベルとそれに従うR−PDCCH候補の個数が表1のように与えられるとした場合にCC SSサイズを例示する。
【0081】
【表5】
【0082】
図17及び図18は、構成された(又は活性化された)CCのSSのみを用いて全体SSを構成する場合を示す。それぞれの構成された(又は活性化された)CCのCIF値は、低い(或いは高い)インデックス順に整列(sorting)され、その順にCC SSが連接すればよい。便宜上、PCC、SCC1、SCC2に対してCIF値が0、1、3と割り当てられたとする。CIF値を低いインデックスから順に整列すると、図17及び図18のように、低いCIF値のCCから順にCC SSを連接させて全体SSを構成すればいい(すなわち、CIF#0→CIF#1→CIF#3;PCC SS→SCC1 SS→SCC2 SS)。図17は、CCE集団レベル別に各CC SSが連続して連接した場合を例示し、図18は、16 VRB(CCE)単位でCC SSが連接した場合を例示する。
【0083】
図19及び図20は、不使用CIF値に対応するCC SSを含めて全体SSを構成する場合を例示する。不使用CIF値は、対応するCCが構成されていないか、又は非活性化された場合を含む。例えば、不使用CIF値は、構成可能なあらゆるCIF値(或いはCC)のうち、割り当てられなかったCIF値を意味することがある。また、不使用CIF値は、構成されたCIF値のうち、非活性化されたCCに該当するCIF値を意味することもある。全体SSは、CIF値の低い(或いは高い)インデックス順にCIF値に対応するCC SSが連接して構成され、不使用CIF値に対応するCC SS領域は空の状態にして連接すればよい。便宜上、PCC、SCC1、SCC2に対してCIF値が0、1、3と割り当てられたとする。CIF値を低いインデックスから順に整列する場合に、図19及び図20のように、低いCIF値のCCから順にCC SSを連接させて全体SSを構成すればいい(すなわち、CIF#0→CIF#1→CIF#2→CIF#3;PCC SS→SCC1 SS→非可用SS→SCC2 SS)。図19は、CCE集団レベル別にCC SSが連続して連接した場合を例示し、図20は、16 VRB(CCE)単位でCC SSが連接した場合を例示する。
【0084】
図17図20は、1つのサブフレームにおいて3つのCC SSがいずれもR−PDCCH伝送に用いられうる場合を仮定する。しかし、特定サブフレームにおいて一部のCC SSはR−PDCCH伝送に用いられないこともある。便宜上、サブフレームk(k:整数)においてR−PDCCH伝送に用いられるCC SSを活性CC SS(或いは、使用CC SS)と呼び、R−PDCCH伝送に用いられないCC SSを遊休CC SS(或いは、不使用CC SS)と呼ぶ。
【0085】
図21は、複数のCCが構成され、且つクロス−キャリアスケジューリングが設定された状況の下で特定サブフレームにおいて遊休CC SSが発生する場合を例示する。ケース1において、Bはバックホール伝送が可能であること表し、Xはバックホール伝送が不可能であることを表す。ケース2において、Aは、CCが活性化された状態であることを表し、DAは、CCが非活性化された状態であることを表す。ケース3において、Uはアップリンクサブフレームを表し、Dはダウンリンクサブフレームを表す。
【0086】
図21を参照すると、遊休CC SSは、CCごとにバックホールサブフレームパターンが異なる場合に発生することがある(ケース1)。例えば、図示のように、同一サブフレーム(例、サブフレーム#7)においてスケジューリングCC(例、PCC)はDLバックホール伝送が可能であるが、被スケジューリングCC(例、SCC)はDLバックホール伝送が可能でないことがある。この場合、SCCに対するクロス−キャリアスケジューリングが不可能であるため、サブフレーム#7のPCCにおいてSCC SSは不使用される。また、遊休CC SSは、SCC非活性化により発生することもある(ケース2)。SCCが非活性状態(例、サブフレーム#4〜7)の場合に、当該サブフレームにおいてPCCからSCCへのクロス−キャリアスケジューリングは不可能である。そのため、サブフレーム#4〜7のPCCにおいてSCC SSは不使用される。また、遊休CC SSは、CCごとにTDD構成が異なる場合に発生することもある(ケース3)。異種TDD構成により、同一サブフレーム(例、サブフレーム#3/#4)においてスケジューリングCC(例、PCC)はDL伝送が可能であるが、被スケジューリングCC(例、SCC)はDL伝送が可能でないことがある。この場合、SCCへのクロス−キャリアスケジューリングが不可能であるため、サブフレーム#3/#4のPCCにおいてSCC SSは不使用される。
【0087】
図21の例において、ケース1はリレーシステムにのみ該当するが、ケース2〜3はリレーシステム及び通常の基地局−端末システムに一般的に該当する。また、ケース1とケース2との組み合わせ、ケース2とケース3との組み合わせも可能である。
【0088】
図15を参照して説明したように、SSは上位層シグナルによって半−静的方式で構成されるので、毎サブフレームごとにRN負荷などを反映してSSリソースを動的に変更することは不可能である。したがって、制限されたリソース内でSSリソース(領域)を効率的に構成/割り当てる方案が要求される。また、図21のように、特定サブフレームで遊休SSが発生する場合に、遊休SSではR−PDCCH伝送が行われないので、リソースの無駄使いとなる。遊休SSが多いほどSS領域の不足現象の恐れは高くなる。したがって、遊休SSリソース(領域)を効率的に活用する方案も要求される。
【0089】
以下、図面を参照して、複数のCCが構成された場合にクロス−キャリアスケジューリングのためのSSリソース(領域)を効率的に構成/割り当てる方案について説明する。
【0090】
実施例1:検索空間共有(Search space sharing)
【0091】
SSリソースの効率的使用のためにCC SSを互いに重複するように構成してもよい。しかし、過度な重複はR−PDCCH候補間の衝突確率を増加させることがある。その解決方案として、本例ではSS共有(sharing)方法を提案する。SS共有は、複数のCC SSリソース(領域)が互いに共有されることを意味する。この場合、R−PDCCH候補は、自身のCC SSの他、共有されたSSリソース(領域)を用いても伝送されてよい。
【0092】
図22は、本発明の一実施例に係るSS共有を例示する。本例は、2つのCC SSが共有される場合を例示するが、3つ以上のCC SSが共有される場合に適用されてもよい。同図で、SS1はCC1のためのSSであり、SS2はCC2のためのSSであるとする。共有されたSSと区別して、CC SSを個別SSと称する。
【0093】
図22を参照すると、基本的に、SSはCCごとに個別的に構成され、R−PDCCHは該当のCCのSS内でのみ検出可能である。すなわち、CC1のためのR−PDCCH(以下、CC1 R−PDCCH)はSS1のみで伝送され、CC2のためのR−PDCCH(以下、CC2 R−PDCCH)はSS2のみで伝送される。一方、本例によれば、所定条件に該当する場合はSS1とSS2とを共有させてもよい。この場合、CC1 R−PDCCH候補はSS1又はSS2のいずれかでも伝送可能であり、CC2 R−PDCCH候補もSS1又はSS2のいずれかでも伝送可能である。SS共有は、RN−特定SSにのみ適用可能である。共有SSで検出されたR−PDCCHは、CIFフィールドを用いてどのCCに該当するかを区別すればよい。
【0094】
上記の所定条件は、該当のCC SSで制御チャネル情報の(ペイロード)サイズが同一であることを含む。上記の所定条件は、該当のCC SSで制御チャネル情報に含まれた識別情報が同一であることをさらに含んでもよい。例えば、上記の所定条件は、該当のCC SSでDCIフォーマットサイズが同一であることを含み、追加的に、DCIフォーマットのCRCスクランブルに用いられたRNTI(例、C−RNTI)が同一であることを含むとよい。DCIフォーマットサイズは、該当のCCの周波数帯域及びDCIフォーマットに従って異なることがある。
【0095】
上記の所定条件を満たすと、複数のCC SSが共有されてもブラインドデコーディング回数は増加しない。反面、SS共有によりSSサイズが拡張されるので、R−PDCCHのスケジューリング自由度が増加し、R−PDCCHブロッキング確率を下げることができる。
【0096】
図23は、SS共有時のR−PDCCH伝送及びそれによるブラインドデコーディング実行を例示する。本例は、3個のCC(又はCIF)に対応するSSが構成された場合を仮定する。各CC SSのサイズも、各CC SSでR−PDCCH候補のCCE集団レベルも独立して与えられてよい。R−PDCCH(又はR−PDCCH候補)(CIF=CC#X)(X=1、2、3)は、同じDCIフォーマットを有してもよく、或いは相互に異なったDCIフォーマットを有してもよい。
【0097】
図23のケース1は、全てのCC SSが共有された場合を示す。したがって、図示のように、R−PDCCH候補は、CC別に構成されたSSのいずれを通して伝送されてもよい。そのため、リレーは、R−PDCCH(又はR−PDCCH候補)(CIF=CC#X)(X=1、2、3)がCC#1 SS、CC#2 SS又はCC#3 SSを通して伝送されうるという仮定下に、R−PDCCH(CIF=CC#X)(X=1、2、3)を探すためにCC#1〜#3 SSのR−PDCCH候補をブラインドデコーディングする。
【0098】
図23のケース2は、SSが部分共有された場合を示す。便宜上、CC#1/CC#3のためのSSが共有されたと仮定する。この場合、R−PDCCH(又はR−PDCCH候補)(CIF=CC#X)(X=1、3)は、共有されたSSのいずれのSSを通して伝送されてもよい。そのため、リレーは、R−PDCCH(又はR−PDCCH候補)(CIF=CC#X)(X=1、3)がCC#1 SS又はCC#3 SSを通して受信されうるという仮定下に、CC#1/CC#3 SSのR−PDCCH候補をブラインドデコーディングする。反面、リレーは、R−PDCCH(CIF=CC#2)を確認するために、CC#2 SSのR−PDCCH候補のみをブラインドデコーディングする。
【0099】
図24図27には、SS共有を用いてSSを構成する他の例を示す。SS共有のためには、上述した通り、所定条件を満たさなければならない。例えば、CC別DCIフォーマットサイズが同一でなければならない。これと関連して、所定条件を満たすCC SSのみを共有したり、SS共有のために所定条件を強制的に満足させる方案を考慮すればよい。例えば、後者では、共有対象となるCC SSに用いられるDCIフォーマットサイズを強制的に同一に構成すればよい。一例として、最大サイズのDCIフォーマットを基準に、他のDCIフォーマットのペイロードにパディングビット(或いはダミービット)を追加するとよい。
【0100】
図24図27は、3個のCC SSのいずれもSS共有のための所定条件を満たす場合、又はSS共有のために全てのCC SSのDCIフォーマットサイズが同一に構成されるように制限した場合を意味する。図24及び図25は、3個のCCが構成され、1つのサブフレームで3個のCCに対するSSが全て用いられうる場合を示す。図24は、CCE集団レベル別にCC SSが連続して連接した場合を例示し、図25は、16 VRB(CCE)単位でCC SSが連接した場合を例示する。
【0101】
一方、図26及び図27は、3個のCCが構成され、1つのサブフレームで2つのCC SSのみが用いられうる場合を示す。すなわち、遊休CC SSが存在する場合である。本例は、遊休CC SS(例、SCC1 CC)を含めてSS共有を行う例を示す。この場合、SCC1のためのR−PDCCH候補は伝送されないので、SS共有のためにはPCC SSとSCC2 SSのDCIフォーマットサイズのみが同一に構成されればいい。図26は、CCE集団レベル別にCC SSが連続して連接した場合を例示し、図27は、16 VRB(CCE)単位でCC SSが連接した場合を例示する。一方、図26及び図27では、基本的にCC別に別途のSSを独立的に運用しながら、特定CCのSSが用いられなくなった場合に、この遊休CC SSを共有SSにより全体SSに併合させてもよい。
【0102】
図24図27は、各CC SSの始点が全てのCCE集団レベルにおいて同一に与えられる場合を示している。しかし、これは例示であり、実際には、リソース割当柔軟性を高め、且つR−PDCCHブロッキング確率を下げるために、CCE集団レベル別にCC SSの始点を異なるように設定することも可能である。CCE集団レベル別にCC SSの始点を異なるように設定することは、以下の他の例示にも同一に適用されてもよい。
【0103】
一方、上記の説明では、個別SSを構成した後、状況に応じて複数の個別SSを共有する方案を中心に説明した。これと違い、最初からCC個数に合わせて一つのSSを大きく設定(例、CCがN個の場合に、SSサイズを1 CC SSサイズのN倍に設定)し、これをPCC及びSCCが共有するようにすることも可能である。もし、SSサイズが可用のSSリソースを超えると、循環方式を用いてSSリソースの先頭部からSSが続くようにすればよい。
【0104】
次に、図28を参照して、CC(或いはセル)活性化/非活性化によるリレー動作を説明する。ここで、非活性化は、該当のCC(或いはセル)が使用されないということを意味し、活性化は、該当のCC(或いはセル)が使用されるということを意味する。例えば、R−PDCCHモニタリング、PDSCH受信動作は、活性化されたCCでのみ行われるとよい。CC活性化/非活性化の対象はSCCに限定すればよい。
【0105】
図28を参照すると、リレーは、構成されたCC(例、PCC、SCC1、SCC2)のうち、特定CCに対して活性化シグナル(例、L1/L2又は上位層シグナル(例、RRCシグナル))を受信すると、当該CCが使用されるということがわかる。ただし、活性化されたCCであっても、バックホールサブフレーム構成によって当該CCの特定サブフレーム(例、ノン−バックホールサブフレーム)は使用することができない。
【0106】
サブフレームk(k:整数)においてリレーは次のように仮定して動作すればよい。
【0107】
− 特定CCが非活性化されたとすれば、当該CCはバックホール伝送が不可能であることを意味すると解釈すればよい。例えば、CCのサブフレームkがバックホールサブフレームと設定されていても非活性化状態ではバックホール伝送が不可能である。
【0108】
− 特定CCが活性化されても、当該CCの特定サブフレーム(すなわち、サブフレームk)がバックホールとして使用されない場合(例、ノン−バックホールサブフレーム)に、当該サブフレームでの動作は、非活性化信号を受信した時と同一であればよい。便宜上、この特定サブフレームを非活性化サブフレームと呼ぶ。
【0109】
− 非活性化CC(或いは非活性化サブフレーム)がある場合に、スケジューリングCCにおいて当該CCのSSに対するブラインドデコーディングを行わない(skipping)。この場合、当該CCのSSは、図26及び図27の例示のように、SS共有により他のCCのSSサイズを拡張するのに用いられるとよい。一方、これと違い、当該CCのSSをデータ伝送に用いる方法を考慮してもよい。例えば、非活性化CC(或いは非活性化サブフレーム)がある場合に、当該CCのSSは自然ながらスケジューリングCC上に存在しないものと見なされ、よって、当該CCのSSのためのリソースはPDSCH伝送に用いられてもよい。
【0110】
他の方案として、リレーは、上記とは反対概念で動作してもよい。すなわち、バックホールサブフレームでは非活性化シグナルが基本(default)値になってもよい。そのために、バックホール伝送観点で全てのCCは非活性化と設定されればよい。以降、実際バックホールとして使用可能なサブフレームについては、前述の活性化された時にのみ当該サブフレームをバックホールサブフレームと見なし、該当のCCでバックホール信号を受信するための動作(例、CC SSモニタリング)をすればよい。さらに他の方案として、ハーフ−デュプレックスバックホールサブフレーム、又は特別目的のサブフレーム(例、BCH、SCH伝送サブフレームなど)は、常にSSが存在しないものと見なされ、フル−デュプレックスバックホールサブフレームは、常にSSが存在するものと見なされてもよい。
【0111】
上述のリレー動作は、バックホールサブフレームをTDD DLサブフレーム、ノン−バックホールサブフレームをTDD ULサブフレームに代えることによって端末動作に拡張されることも可能である。
【0112】
実施例2:検索空間スチーリング(Search Space stealing)
【0113】
実施例1のSS共有方法は、CCごとに同一のDCIフォーマットサイズを支援する方法である。これと違い、本例では、CCごとに相互に異なったDCIフォーマットサイズを支援しうる方法について説明する。具体的に、本例では、一つの特定CC SSに遊休CC SSを単純併合させて、この特定CC SSのサイズを拡張させることを提案する。便宜上、本例の方法をCC併合と称する。
【0114】
図29は、本発明の一実施例に係るCC併合方法を例示する。ここでは2つのCC SSが構成された場合を例示するが、本例の方法は、3つ以上のCC SSが構成される場合にも適用可能である。同図で、SS1はCC1のためのSSであり、SS2はCC2のためのSSであるとする。併合されたSSと区別して、CC SSを個別SSと呼ぶ。
【0115】
図29を参照すると、本例は、基本的にCC別に別途のSSを構成して独立的に運用しながら、遊休CC SSが発生すると、この遊休CC SSを他のCCのSSに併合させてSSを運営する方式を例示する。同図は、SS2が不使用される場合に、SS2をSS1に併合する例を示す。これによって、SS1のCC SSサイズが増加する。このように、併合されたSSのサイズが既存の個別CC SSよりも増加するので、併合されたSSでブラインドデコーディング複雑度は既存よりも増加することになる。しかし、R−PDCCH配置(placement)の柔軟性も増加するので、R−PDCCH配置を柔軟にして衝突可能性を減らそうとするならば、このような接近方式が要求される。好適には、併合されたSSでブラインドデコーディング複雑度を下げるために、併合されたSSでR−PDCCH候補の位置を制限すればよい。例えば、R−PDCCH候補の位置は、併合されたSS内で不連続的に配置するとよい。具体的に、併合されたCC SSの個数を考慮して、R−PDCCH候補の始点同士間にP(P:2以上の整数)個のCCE間隔をおくとよい。
【0116】
図30図35は、SS併合を用いたSSの構成例を示す。図32図35は、遊休CC SS発生時のSS併合規則を例示する。
【0117】
図30及び図31は、3個のCCが構成(或いは活性化)され(例、PCC、SCC1、SCC2)、特定サブフレームでSCC1に対するCC SSが不使用される場合のSS併合例を示す。図30及び図31を参照すると、遊休CC SSは優先的にPCC SSに併合されてよい。したがって、PCCのためのR−PDCCH候補は、既存のPCC SS及びSCC SS1を通して伝送されることが可能である。一方、SCC2のためのR−PDCCH候補は、既存と同様に、SCC SS2を通してのみ伝送される。また、PCC SSのサイズが大きくなっただけに、PCC SSと他のリレーのSSをより多く重複して構成することができる。この場合、SS重複によるR−PDCCH配置柔軟性も増加することとなる。図30は、CCE集団レベル別にCC SSが連続して連接した場合を例示し、図31は、16 VRB(CCE)単位でCC SSが連接した場合を例示する。
【0118】
一方、SSリソースはRRCで構成されるため、動的にサブフレーム単位に変更されることが不可能である点から、SSを併合するに当たり、どのCCのSSがどこに併合されるべきかについて事前に規則を定めておくことが好ましい。例えば、下記のような規則が個別に又は組み合わせの形態で適用されるとよい。
【0119】
− 遊休SSの全てがPCC SSに併合されてよい。例えば、SCC1 SS又はSSC2 SSが遊休SSになると、SCC1 SS又はSSC2 SSはいずれもPCC SSに併合されてもよい(図30及び図31参照)。
【0120】
− あらかじめ定義されたり、上位層によりシグナリングされたツリー構造によってCC SSを併合してもよい(図32参照)。
【0121】
− 隣接インデックスを持つN個のCC SS同士が併合されてもよい。N=2のとき、PCC+SCC1、SCC2+SCC3、SCC4+SCC5のように、隣接インデックスを持つCC SS同士が併合されるとよい。すなわち、SCC2 SSが遊休SSになるとSCC3 SSにSCC2 SSが併合され、SCC3 SSが遊休SSになるとSCC2 SSにSCC3 SSが併合されるとよい(図33参照)。ここで、インデックスとしてはCCインデックス又はCIF値を含む。一方、SCC2とSCC3の両方が遊休SSになる場合は、SCC2 SSとSCC3 SSは他のSSに併合されないか、又は、低いインデックスを持つN個のCC SSに併合されてもよい。例えば、SCC2 SSとSCC3 SSはそれぞれPCC SSとSCC1 SSに併合されるとよい。
【0122】
− 遊休SSは、隣接CCのうちインデックスの小さい側に併合されてもよい。図30及び図31のCC構成を参照すると、SCC2 SSはSCC1のSSに併合されればよい。同様に、SCC1 SSはPCC SSに併合されればよい。ここで、インデックスとしてはCCインデックス又はCIF値を含む。CCインデックスは、例えば、PCC、SCC1、SCC2、SCC3、SCC4のような順に構成されるとよい。ここで、様々な方法でインデクシング方法を定めることができる。例えば、基地局が上位層シグナル(例、RRCシグナル)を用いてリレーにインデクシング方法を事前に知らせてもよく、又は、インデクシング方法が基地局とリレー間に事前に定義されていてもよい。
【0123】
− 特定単位にグループ化し、グループ単位にCC SSを併合する方法も可能である。この場合、グループ内の遊休SSは、同じグループ内の他のCC SSに併合される。グループ内で使用されるCC SSが複数である場合に、遊休CC SSは、最小インデックスのCC SS又は事前に指定されたインデックスのCC SSに併合されるとよい。例えば、グループ内にSS0、SS1、SS2が存在し、SS1が使用されなくなると、SS1は基準SS(例、SS0)に併合されるとよい。この場合、SS2は単独で使用される。もし、SS2も使用されなくなった場合は、SS1及びSS2は両方とも基準SS(例、SS0)に併合されるとよい。基準SSは、上位層シグナル(例、RRCシグナル)により与えられてもよく、事前に定義された方式(例、グループ内のSSのうち、最小/最大のインデックスを持つSS)により定義されてもよい。もし、基準SS(例、SS0)が使用されなくなると、その次に小さい/大きいインデックスのSS(例、SS1)が基準SSになるとよい。図34及び図35は、グループベースのSS併合を例示し、グループが[PCC、SCC1]、[SCC2、SCC3]と与えられた場合を例示する。
【0124】
実施例3:シグナリング
【0125】
図15を参照して説明した通り、SSのためのリソース(例、VRBセット)は上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)により構成されるので、一度構成されると、長い間維持される可能性が高い。一方、リレーは、遊休CC SSの存在するSS遊休サブフレームを、別のシグナリングなしにもCC別サブフレーム構成を考慮して知ることができる。図21を参照して説明した通り、ノン−バックホールサブフレーム、非活性化されたCCのサブフレーム、TDD ULサブフレームがある場合に、遊休CC SSが発生することがあるからである。したがって、リレーは、各CCのサブフレーム割当情報(例、バックホールパターンに関するビットマップ情報)からSS遊休サブフレームが推定できる。
【0126】
一方、好ましくは、CC別にどのDLサブフレームがバックホールサブフレームであるかを知らせるために、別途のシグナリングをすることを考慮してもよい。すなわち、図15のR−PDCCH RA情報の他に、サブフレーム単位にSSが存在するか否かを知らせる明示的シグナルを追加してもよい。この場合、リレーは、周波数領域のVRBセット構成及び該当のVRBセットの時間に従うサブフレーム構成情報を確保することによって、毎サブフレームごとに使用されるCC SS及び遊休CC SSをより明確に知ることができる。また、実施例2を参照して例示したSS併合規則に関する情報もシグナリングしてもよい。SS併合規則に関する情報は、SS併合がなされるCC SSの個数、複数のSS併合規則が可能な場合に特定SS併合規則を指示する情報などを含むとよい。
【0127】
実施例4:物理リソースマッピング
【0128】
本例では、SSを物理リソース(例、PRB)にマッピングする方法について提案する。まず、それぞれのCC SSごとに別途の上位層シグナル(例、RRCシグナル)により別途のVRBセットを設定するとよい。本方法によれば、それぞれのCC SSは物理リソース観点で互いに分離される。したがって、インターリービングを用いるR−PDCCHの場合、異なったCC SSに伝送されるR−PDCCHは、互いにインターリービングされず、物理的に分離された周波数リソースを用いて伝送される。本方法によれば、特定CC上にSS遊休サブフレームが存在する場合に、当該サブフレームで遊休CC SSのために構成されたVRBセットを他の用途(例、PDSCH伝送の用途)に用いることができる。便宜上、遊休CC SSのために予約されたVRBセットを遊休SS VRBセットと呼ぶ。SSのためのVRBセットはスケジューリングCC上に設定されるので、遊休SS VRBセットはスケジューリングCCにより他の用途に用いられるとよい。例えば、特定CCでサブフレームk(k:整数)がSS遊休サブフレームであると、サブフレームkでスケジューリングCC上の遊休SS VRBセットにはR−PDCCHが一切ないと仮定すればいい。この場合、スケジューリングCC上の遊休SS VRBセットは一般リソースと同一に用いられるとよい。
【0129】
図36は、本発明の一実施例によって遊休SS VRBセットを用いた信号伝送を例示する。便宜上、特定サブフレームでPCC SSはR−PDCCH伝送に使用され、SCC SSはR−PDCCH伝送に使用されないと仮定する。PCC SSのためのVRBセットとSCC SSのためのVRBセットはスケジューリングCC上に設定される。
【0130】
図36を参照すると、SCC SSが使用されない場合に、基地局は、SCCに対する遊休SS VRBセットを用いてデータ(例、PDSCH)を伝送している。これと関連して、リレーは、割り当てられたPDSCHリソースが遊休SS VRBセットと重なる場合に、遊休SS VRBセットのうち、重なる部分の情報を含めてPDSCHデコーディングを行えばよい。すなわち、リレーは、割り当てられたPDSCHリソースが遊休SS VRBセットと重なる場合に、PDSCHリソースと遊休SS VRBセットとが重なる部分にPDSCH伝送があると仮定する。これと違い、SS用VRBセットがR−PDCCH伝送に用いられることもあり(すなわち、非−遊休SS VRBセット)、割り当てられたPDSCHリソースが非−遊休SS VRBセットと重なる場合に、リレーは、PDSCHデコーディング時にPDSCHリソースと非−遊休SS VRBセットとが重なる部分にはPDSCHがないと仮定する。すなわち、リレーは、PDSCHデコーディング時に割り当てられたPDSCHリソースから非−遊休SS VRBセットに該当する部分をパンクチャリングする。このように、遊休SS VRBセットが存在するか否かによる動作を事前定義することによって、R−PDCCH誤検出によるPDSCHデコーディングエラーを減らすことができる。
【0131】
他の方案として、上位層シグナル(例、RRCシグナル)を用いて全体SSに対するVRBセットのみを設定してもよい。ここで、全体SSは、それぞれのCC SSが統合されたSSを意味する。本方法によれば、それぞれのCC SSは一つの物理リソースを共有するので、R−PDCCHブロッキング確率が減るという利点がある。ただし、全てのサブフレームで同一のVRBセットを使用してR−PDCCHを伝送する場合、リソースが非効率的に運用されることがある。例えば、特定CCでSS遊休サブフレーム(例、ノン−バックホールサブフレーム、TDD ULサブフレームなど)が発生することからR−PDCCHに必要なリソースの量が減っても、それに対して適切な対応ができない問題がある。特に、複数のR−PDCCHが共にインターリービングされて広い周波数帯域を占めるインターリービングモードにおいてより問題となる。R−PDCCHインターリービングは、RBよりも小さい単位(例、REG)でなされるので、インターリービングにより複数のR−PDCCHが一つ以上のRB(或いはRB対)で共に伝送されることが可能である。このとき、一つのRB(或いはRB対)の一部にのみR−PDCCHが存在する場合も発生するが、RB(或いはRB対)の一部にのみR−PDCCHが存在しても、当該RB(或いはRB対)を他の用途に用いることができないからである。
【0132】
このような問題を解決するための方案として、R−PDCCH伝送のために構成されたVRBセットをサブフレームに従って調節することを提案する。本方法は、インターリービングR−PDCCHの場合、インターリービング深さ(depth)をサブフレームに従って調節するということを意味できる。ここで、インターリービング深さは、インターリービングが行われるリソース範囲(例、VRB個数)を意味する。
【0133】
図37は、本発明の一実施例によってインターリービング深さを調節する方案を例示する。便宜上、PCC SSは常にR−PDCCH伝送に使用され、SCC SSは状況によってR−PDCCH伝送に使用されたり使用されないものと仮定する。PCC SSのためのVRBセットとSCC SSのためのVRBセットはスケジューリングCC上に設定される。図37を参照すると、SCC SSがR−PDCCH伝送に使用される場合に、R−PDCCHインターリービングは、PCC SS VRBセット+SCC SS VRBセットに対して行われる。すなわち、インターリービング深さがPCC SS VRBセット+SCC SS VRBセットに対応するように与えられる。一方、SCC SSがR−PDCCH伝送に使用されない場合に、SCC SSはR−PDCCHインターリービングから排除される。すなわち、R−PDCCHインターリービングは、PCC SS VRBセットに対してのみ行われ、インターリービング深さはPCC SS VRBセットに対応するように与えられるとよい。
【0134】
このような調節により、毎サブフレームごとに適切なVRBセットをR−PDCCH伝送に使用することが可能になる。ここで提案するサブフレーム単位のVRBセット調節動作は、複数のCCを持つリレーにのみ適用されるとは限らない。例えば、本方法は、単一CCが構成された場合にも、いかなる理由から各DLサブフレームでR−PDCCH伝送に必要な物理リソースの量が可変する場合に、適切なリソース適応(adaptation)のためにも使用可能である。
【0135】
図38は、本発明に適用可能な基地局、リレー及び端末を例示する。
【0136】
図38を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110、リレー(RN)120及び端末(UE)130を含んでいる。便宜上、リレーに接続している端末を示すが、端末は基地局に接続していてもよい。
【0137】
基地局110は、プロセッサ112、メモリー114及び無線周波数(Radio Frequency:RF)ユニット116を備んでいる。プロセッサ112は、本発明で提案した手順及び/又は方法を実現するように構成されるとよい。メモリー114は、プロセッサ112に接続し、プロセッサ112の動作と関連した種々の情報を記憶する。RFユニット116は、プロセッサ112に接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。リレー120は、プロセッサ122、メモリー124及びRFユニット126を含んでいる。プロセッサ122は、本発明で提案した手順及び/又は方法を実現するように構成されるとよい。メモリー124は、プロセッサ122に接続し、プロセッサ122の動作と関連した種々の情報を記憶する。RFユニット126は、プロセッサ122に接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。端末130は、プロセッサ132、メモリー134及びRFユニット136を含んでいる。プロセッサ132は、本発明で提案した手順及び/又は方法を実現するように構成されるとよい。メモリー134は、プロセッサ132に接続し、プロセッサ132の動作と関連した種々の情報を記憶する。RFユニット136は、プロセッサ132に接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局110、リレー120及び/又は端末130は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
【0138】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、別の実施例に含まれてもよく、別の実施例の対応する構成又は特徴に取って代わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりしてもよいことは明らかである。
【0139】
本文書で、本発明の実施例は主に、リレーと基地局間のデータ送受信関係を中心に説明されている。このような送受信関係は、端末と基地局間、又は端末とリレー間の信号送受信にも同一/類似に拡張可能である。本文書で基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)により行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる種々の動作は、基地局又は基地局以外の別のネットワークノードにより実行されることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代えてもよい。また、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0140】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などにより実現するとよい。ハードウェアによる実現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより実現されるとよい。
【0141】
ファームウェアやソフトウェアによる実現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態とすればよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶されて、プロセッサにより駆動されるとよい。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられて、既に公知の様々な手段によりプロセッサとデータを交換するとよい。
【0142】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化し得るということは、当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈により決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、無線移動通信システムの端末機、基地局、又はその他の装備に利用可能である。具体的に、本発明は、アップリンク制御情報を伝送する方法及びそのための装置に適用可能である。
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