(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の電気的性能指数が前記第1の期間内に決定された値の配列であり、前記第2の電気的性能指数が前記第2の期間内に決定された値の配列である、請求項3に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、本開示は装置について記載し、この装置は、
第1及び第2の整列ローラー対であって、それぞれローラー対のローラー間にニップを有し、第1及び第2のローラー対のそれぞれが、ニップに通されるウェブを電気的に励起しかつ励起されたウェブの電気的特性を測定するように構成され、ローラーがそれぞれ、相互にかつ装置から電気絶縁されている、第1及び第2の整列ローラー対と、
少なくとも測定された電気的特性を解析するように構成される処理装置と、を含む。
【0004】
別の態様では、本開示は膜電極接合体の品質
を評価する方法について記載し、この方法は、
それぞれ特定の厚さを有する複数の個別膜電極接合体を含むウェブを準備することと、
ウェブの第1の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の期間経過後、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第
1の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を含む。第2の(かつ追加的な)膜電極接合体について、方法は更に、
第2の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の時点後に、第2の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を含む。
【0005】
別の態様では、本開示は少なくとも1つの膜電極接合体の品質
を評価する方法について記載し、この方法は、
特定の厚さを有する第1の膜電極接合体を準備することと、
第1の膜電極接合体を第1のローラー対のニップに通す際に、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の期間経過後、第1の膜電極接合体を第2のローラー対のニップに通す際に、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を取得することと、
を含む。第2の(かつ追加的な)膜電極接合体について、方法は更に、
第2の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の時点後に、第2の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を含む。
【0006】
別の態様では、本開示は少なくとも1つの膜電極接合体の品質
を評価する方法について記載し、この方法は、
特定の厚さを有する第1の膜電極接合体を準備することと、
第1の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第1の線電荷を供給することと、
第1の期間内に、第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の期間経過後、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第2の線電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を含む。第2の(かつ追加的な)膜電極接合体について、方法は更に、
第2の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の時点後に、第2の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を含む。
【0007】
本出願では、
「電気的性能指数」は、燃料電池膜電極接合体の品質の電気的態様を特徴付けるのに用いられる測定値又は計算値のセットを指す。
【0008】
「膜電極接合体」は、膜、陽極及び陰極層、並びにガス拡散層を含む、燃料電池材料の層状サンドイッチ構造体を指す。
【0009】
本明細書に記載する膜電極接合体の品質
を評価するための方法の利点としては、独立型の単一部品試験機に比較して、より高い部品処理速度、部品損傷可能性の低減、及び検証された有効性が挙げられる。本明細書に記載するMEAの品質
を評価するための方法は、非破壊的又はほぼ非破壊な試験であるとみなされる。方法は、例えば、MEAの抵抗試験値と実際のスタック試験データとの間で直接相関しているデータを検証するために有用であり得る。この相関は、MEA品質を、固定されて交換が非常に高価となってしまうスタックへの組立前に予測(例えば、許容可能か否か)する助けとなり得る。MEAのスタックの品質は、最低品質のMEAによって決まることから、低品質又は欠陥のある部品を特定し除去することは、スタックの堅牢性及び耐久性に有利に働く。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、本明細書に記載する例示的装置が、膜電極接合体(MEA)の品質
の評価に有用なものとして示されている。装置100は、第1及び第2の整列ローラー対104、106を備えたフレーム102を有し、各ローラー対は、ローラーの各ローラー対104、106間にニップ108、110を有し、ローラー対104、106はそれぞれ、膜電極接合体(122)がそれとともにニップ108、110を通るウェブ(120)を電気的に励起するように構成されている。図示のローラーの外表面105a、105b、107a、107bは、金を含
んでもよい。ローラー対は、特定の距離124だけ離れてい
る。励起された膜電極接合体の所望の電気的特性が、ローラー104A若しくは104B及び106A若しくは106Aの一部をなすか又はその近傍にある、図示しないセンサからの少なくとも1つの測定値から、測定又は決定される。処理装置(例えば、通信及びデータ収集ソフトウェア並びに数学的解析能力を備えたコンピュータ)112は、少なくとも測定された電気的特性を解析するように構成される。代替的測定システム及び処理装置としては、結果としての電流又は電圧を検知するアナログデジタル変換器を備え、かつ関連のメモリ、通信能力、及び「合否」出力表示器を備える、アナログ電圧又は電流を制御する専用のマイクロコントローラが挙げられる。
【0012】
装置の構成要素は、当該技術分野において既知の材料から製作することができ、このような材料は、以下の実施例を含む本開示を読めば、当業者には明らかであろう。例えば、装置のフレーム、ローラー及び関連ハードウェアは、金属(例えば、アルミニウム又は鋼)から製作することができる。実施形態によっては、ウェブ又は膜電極接合体に接触するためのローラーの外表面は、クロム、金、ニッケル、パラジウム、ロジウム、又は銀の少なくとも1つを含んでよい。金が、典型的にはMEAに対して優れた導電性及び接触抵抗をもたらす一方、その他の材料はローラーの外表面の堅牢性を向上させ得る。典型的には、ギャップ間隔及びMEAにかかる圧力は、圧縮性のガス拡散層を圧縮し、MEAとローラーとの間に良好な電気接触をもたらすのに十分なものである。実施形態によっては、MEAにかかる望ましい圧力は、およそ35kPa〜275kPa(5psi〜40psi)(実施形態によっては140kPa〜210kPa(20psi〜30psi))の範囲であるが、特定のMEA及び組立方式については、望ましい圧力がこの範囲外のこともあり得る。
【0013】
ニップは、固定ギャップを有してもよいし、固定圧力を印加してもよい。ニップギャップ108、110は、MEAの厚さによって決定される。あるいは、例えばニップ圧を利用してニップ全体にわたって一定の負荷を設定することも可能である。
【0014】
典型的には、ローラー対は、それぞれのローラー対の回転軸に平行な線電荷を供給するように構成される。線電荷は、回転ローラー対のニップによって提供することが可能であり、MEAの活性領域がこのニップを通る際に、1つのローラーからMEAを介して第2のローラーへと電荷が送られる。この方法を用いることにより、連続ウェブ上の個別のMEA部品又は複数のMEA部品を評価することが可能である。典型的には、各ローラーは相互にかつ装置から電気絶縁されている。ローラーをシャーシから絶縁し、また装置のその他の各部品から絶縁することにより、より望ましい電気的測定が行える。理論に束縛されるものではないが、この絶縁によって、小さなDC測定値信号が、モーター駆動及びそれに関連した制御装置に起因して存在し得る、より大きなシャーシ電流からの測定値帰還信号(電気的雑音)から分離されると考えられる。この絶縁は、例えば、ベアリングを電気絶縁すること、モーター軸を絶縁すること、ローラーの外部被覆をローラー芯から電気絶縁することなどの組合せによってもたらされ得る。
【0015】
実施形態によっては、それぞれのローラー対の回転軸に平行な線電荷は、独立して、少なくとも15cm(実施形態によっては15cm〜75cm、又は更には25cm〜50cmの範囲
)の長さを有する。典型的には、各膜電極接合体は、ローラーのそれぞれの軸に平行な幅を有し、線電荷はそれぞれ膜電極接合体の幅よりも長い。
【0016】
実施形態によっては、ローラー対間の距離は少なくとも25cm(実施形態によっては25cm〜50cmの範囲)
である。このような離隔距離の範囲は、多様な部品寸法に対応するために必要なものである。多様な寸法は多様な用途にとって有益であり得る。
【0017】
実施形態によっては、第3若しくは第4、又は更に多くのローラー対が存在し得る。
【0018】
典型的には、電圧又は電流が特定のローラーセットのロールにわたって印加される。第1の印加電圧又は電流は、第2の電圧又は電流以上である(実施形態によってはそれらを上回る場合を含む)が、実施形態によっては、第1の印加電圧又は電流は第2の電圧又は電流を上回らない。第1の電圧又は電流は、従来の装置、例えばKeithley Instruments,Cleveland,OHから「KEITHLEY SERIES 2400 DIGITAL SOURCEMETER INSTRUMENT」の商品名で入手可能なものを用いて、第1のローラー対のローラーに印加することができる。第1のローラー対の他方のローラーは、電圧又は電流印加装置の帰路に接続される。この測定回路は、測定システムのシャーシから電気絶縁されている。
【0019】
実施形態によっては、電気的特性、例えば電気的性能指数は、電圧、電流、抵抗、及び/又は電荷である。実施形態によっては、測定される電気的特性は(時間に対して示した)値(例えば電気的電圧又は電流)の配列であり、それからその他の性能指数、例えば電荷及び電気抵抗などが計算又はその他の方法で決定され得る。使用する性能指数の選択はMEAの種類に依存する。
【0020】
MEAを過励起しないようにしつつ、プレチャージニップにわたる電圧もより高い電圧を測定ニップにわたって印加することによって、望ましいMEAと望ましくないMEAとを区別することもまた、本開示の範囲内である。
【0021】
典型的には、第1及び第2の期間の間の時間差は5秒以下(0.25秒〜5秒の範囲)であるが、より短いか又は長い時間もまた有用であり、例えば特定の処理又は品質要求、評価対象材料、ニップ間隔、ニップ圧、MEAの速度等に依存し得る。
【0022】
本明細書に記載した、膜電極接合体の品質
を評価するための方法の利点としては、独立型の個別部品試験機に比較して、部品処理速度の向上、部品損傷可能性の低減、及び検証された有効性が挙げられる。本明細書に記載したMEAの品質
を評価するための方法は、非破壊試
験であると
一般にみなされる。方法は、例えば、MEAの抵抗試験値と実際のスタック試験データとの間で
データが直接相関している
ことを検証するために有用であり得る。この相関は、MEA品質を、固定されて交換が非常に高価となってしまうスタックへの組立前に、予測(例えば、許容可能か否か)する助けとなり得る。MEAのスタックの品質は、最低品質のMEAによって決まることから、許容できない部品を特定し除去することは、スタックの堅牢性及び耐久性に有利に働き得る。
【0023】
代表的な実施形態
1A.装置であって、
第1及び第2の整列ローラー対であって、それぞれローラー対のローラー間にニップを有し、第1及び第2の各ローラー対が、ニップに通されるウェブの一部を電気的に励起しかつ励起されたウェブの電気的特性を測定するように構成され、ローラーがそれぞれ、相互にかつ装置から電気絶縁されている、第1及び第2の整列ローラー対と、
少なくとも測定された電気的特性を解析するように構成される処理装置と、を含む、装置。
2A.ニップが固定ギャップを有する、実施形態1Aの装置。
3A.ニップが固定圧力を印加する、実施形態1Aの装置。
4A.第1及び第2のローラー対が、少なくとも10cm(実施形態によっては少なくとも15cm、20cm、又は更には少なくとも25cm、実施形態によっては10cm〜50cm、15cm〜50cm、又は更には25cm〜50cmの範囲)離れている、上記実施形態Aのいずれかの装置。
5A.第1及び第2のローラー対のそれぞれが平行な回転軸を有し、ニップに通されるウェブ
の一部を励起するように構成される第1及び第2のローラー対が、それぞれのローラー対の回転軸に平行な線電荷を供給するように構成される、上記実施形態Aのいずれかの装置。
6A.それぞれのローラー対の回転軸に平行な線電荷が、独立して、少なくと15cm(実施形態によっては15cm〜75cm、又は更には25cm〜50cmの範囲)の長さを有する、実施形態5Aの装置。
7A.ローラーが、クロム、金、ニッケル、パラジウム、ロジウム、又は銀の少なくとも1つを含む、ウェブに接触するための外表面を有する、上記実施形態Aのいずれかの装置。
8A.測定される電気的特性が値の配列である、上記実施形態Aのいずれかの装置。
9A.測定される電気的特性が電圧である、上記実施形態Aのいずれかの装置。
10A.測定される電気的特性が電流である、上記実施形態1A〜8Aのいずれかの装置。
11A.測定される電気的特性が電圧及び電流の両方である、実施形態1A〜8Aの装置。
【0024】
1B.膜電極接合体の品質
を評価する方法であって、
それぞれ特定の厚さを有する複数の個別膜電極接合体を含むウェブを準備することと、
ウェブの第1の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の期間経過後、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第
1の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を含む、方法。
2B.ウェブを第1のローラー対のニップに通す際に、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加する、実施形態1Bの方法。
3B.ニップが固定ギャップを有する、実施形態2Bの装置。
4B.ニップが固定圧力を印加する、実施形態2Bの装置。
5B.ウェブを第2のローラー対のニップに通す際に、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加する、上記実施形態Bのいずれかの方法。
6B.第1及び第2のローラー対のそれぞれが平行な回転軸を有し、各電荷がそれぞれのローラー対の回転軸に平行な線上に印加される、実施形態4Bの方法。
7B.各膜電極接合体がローラーのそれぞれの軸に平行な幅を有し、線電荷がそれぞれ膜電極接合体の幅よりも長い、実施形態4Bの方法。
8B.線電荷が、独立して、少なくとも15cm(実施形態によっては15cm〜75cm、又は更には25cm〜50cmの範囲)の長さを有する、上記実施形態6B又は7Bのいずれかの方法。
9B.第1及び第2のローラー対が少なくとも25cm(実施形態によっては25cm〜50cmの範囲)離れている、上記実施形態6B〜8Bのいずれかの装置。
10B.ローラーが、膜電極接合体に接触する外表面を有し、この外表面が、クロム、金、ニッケル、パラジウム、ロジウム、又は銀の1つを含む、上記実施形態6B〜9Bのいずれかの方法。
11B.上記実施形態Bのいずれかの方法であって、
第2の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の時点後に、第2の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を更に含む、方法。
12B.第1の電気的性能指数が第1の期間内に決定された値の配列であり、第2の電気的性能指数が第2の期間内に決定された値の配列である、上記実施形態Bのいずれかの方法。
13B.第1の電気的性能指数が電圧であり、第2の電気的性能指数が電気的電圧である、上記実施形態Bのいずれかの方法。
14B.第1の電気的性能指数が電流であり、第2の電気的性能指数が電流である、上記実施形態1B〜12Bのいずれかの方法。
15B.第1の電気的性能指数が電圧及び電流の両方であり、第2の電気的性能指数が電圧及び電流の両方である、実施形態1B〜12Bの装置。
16B.第1及び第2の期間の間の時間差が、5秒以下(0.25秒〜5秒の範囲)である、上記実施形態Bのいずれかの方法。
17B.第1の印加電圧が第2の電圧以上である、上記実施形態Bのいずれかの方法。
18B.第1の印加電圧が第2の電圧以下である、上記実施形態1B〜16Bのいずれかの方法。
【0025】
1C.少なくとも1つの膜電極接合体の品質
を評価する方法であって、
特定の厚さを有する第1の膜電極接合体を準備することと、
第1の膜電極接合体を第1のローラー対のニップに通す際に、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の期間経過後、第1の膜電極接合体を第2のローラー対のニップに通す際に、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を含む、方法。
2C.ニップが固定ギャップを有する、実施形態1Cの装置。
3C.ニップが固定圧力を印加する、実施形態1Cの装置。
4C.第1及び第2のローラー対のそれぞれが平行な回転軸を有し、各電荷がそれぞれのローラー対の回転軸に平行な線上に印加される、上記実施形態Cのいずれかの方法。
5C.各膜電極接合体がローラーのそれぞれの軸に平行な幅を有し、線電荷がそれぞれ膜電極接合体の幅よりも長い、実施形態4Cの方法。
6C.線電荷が、独立して、少なくとも15cm(実施形態によっては15cm〜75cm、又は更には25cm〜50cmの範囲)の長さを有する、上記実施形態4C又は5Cのいずれかの方法。
7C.第1及び第2のローラー対が少なくとも25cm(実施形態によっては25cm〜50cmの範囲)離れている、上記実施形態Cのいずれかの装置。
8C.ローラーが、第1の膜電極接合体に接触する外表面を有し、この外表面が、クロム、金、ニッケル、パラジウム、ロジウム、又は銀の1つを含む、上記実施形態Cのいずれかの方法。
9C.上記実施形態Cのいずれかの方法であって、
第2の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の時点後に、第2の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して第2の膜電極接合体の品質
を評価することと、
を更に含む、方法。
10C.第1の電気的性能指数が第1の期間内に決定された値の配列であり、第2の電気的性能指数が第2の期間内に決定された値の配列である、上記実施形態Cのいずれかの方法。
11C.第1の電気的性能指数が電圧であり、第2の電気的性能指数が電圧である、上記実施形態Cのいずれかの方法。
12C.第1の電気的性能指数が電流であり、第2の電気的性能指数が電流である、上記実施形態1C〜10Cのいずれかの方法。
13C.第1の電気的性能指数が電圧及び電流の両方であり、第2の電気的性能指数が電圧及び電流の両方である、実施形態1C〜10Cの装置。
14C.第1及び第2の期間の間の時間差が、5秒以下(0.25秒〜5秒の範囲)である、上記実施形態Cのいずれかの方法。
15C.第1の印加電圧が第2の電圧以上である、上記実施形態Cのいずれかの方法。
16C.第1の印加電圧が第2の電圧以下である、上記実施形態1C〜14Cのいずれかの方法。
【0026】
1D.少なくとも1つの膜電極接合体の品質
を評価する方法であって、
特定の厚さを有する第1の膜電極接合体を準備することと、
第1の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第1の線電荷を供給することと、
第1の期間内に、第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の期間経過後、第1の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第1の膜電極接合体に第2の線電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を含む、方法。
2D.ニップが固定ギャップを有する、実施形態1Dの装置。
3D.ニップが固定圧力を印加する、実施形態1Dの装置。
4D.第1の膜電極接合体を第2のローラー対のニップに通す際に、第2の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって線電荷が供給される、上記実施形態2D又は3Dのいずれかの方法。
5D.第1の膜電極接合体がローラーのそれぞれの軸に平行な幅を有し、線電荷がそれぞれ膜電極接合体の幅よりも長い、実施形態4Dの方法。
6D.線電荷が、独立して、少なくとも15cm(実施形態によっては15cm〜75cm、又は更には25cm〜50cmの範囲)の長さを有する、上記実施形態Dのいずれかの方法。
7D.第1及び第2のローラー対が少なくとも25cm(実施形態によっては25cm〜50cmの範囲)離れている、上記実施形態Dのいずれかの装置。
8D.ローラーが、第1の膜電極接合体に接触する外表面を有し、この外表面が、クロム、金、ニッケル、パラジウム、ロジウム、又は銀の1つを含む、上記実施形態Dのいずれかの方法。
9D.上記実施形態Dのいずれかの方法であって、
第2の膜電極接合体の厚さにわたって第1の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
第1の時点後に、第2の膜電極接合体の厚さにわたって第2の電圧を印加することによって第2の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
総電気的性能指数を所定の品質値と比較して膜電極接合体の品質
を評価することと、
を更に含む、方法。
10D.第1の電気的性能指数が第1の期間内に決定された値の配列であり、第2の電気的性能指数が第2の期間内に決定された値の配列である、上記実施形態Dのいずれかの方法。
11D.第1の電気的性能指数が電圧であり、第2の電気的性能指数が電圧である、上記実施形態Dのいずれかの方法。
12D.第1の電気的性能指数が電流であり、第2の電気的性能指数が電流である、上記実施形態1D〜10Dのいずれかの方法。
13D.第1の電気的性能指数が電圧及び電流の両方であり、第2の電気的性能指数が電圧及び電流の両方である、実施形態1D〜10Dの方法。
14D.第1及び第2の期間の間の時間差が、5秒以下(0.25秒〜5秒の範囲)である、上記実施形態Dのいずれかの方法。
15D.第1の印加電圧が第2の電圧以上である、上記実施形態Dのいずれかの方法。
16D.第1の印加電圧が第2の電圧以下である、上記実施形態1D〜14Dのいずれかの方法。
【0027】
本発明の利点及び実施形態は、以下の実施例により更に例示されるが、これらの実施例に列挙したその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を過度に限定すると解釈されるべきではない。すべての部及びパーセンテージは、特に記載されていない限り、重量に基づく。
【実施例】
【0028】
MEA試験の一般的方法
試験対象のMEAサンプルを、
図1にその概要を示すように、試験装置100に1つずつ手作業で供給した。装置100は、第1及び第2の整列ローラー対104、106を備えたフレーム102を有し、各ローラー対は、ローラーの各ローラー対104、106間にニップ108、110を有し、ローラー対104、106はそれぞれ、膜電極接合体(122)がそれとともにニップ108、110に通されるウェブ(120)を電気的に励起するように構成された。図示のローラーの外表面105a、105b、107a、107bは、金を含む。ローラー対は、33cmの距離124だけ離れていた。励起された膜電極接合体の所望の電気的特性が、図示しないがローラー104A又は104B及び106A又は106Bの一部をなすか又はその近傍にあるセンサからの、少なくとも1つの測定値から測定又は決定された。処理装置(例えば、通信及びデータ収集ソフトウェア並びに数学的解析能力を備えたコンピュータ)112は、少なくとも測定された電気的特性を解析するように構成される。
【0029】
図1にその全体を示す装置を起動させ、2対のローラーを回転させた。第1のローラー対がプリチャージニップを形成し、第2のローラー対が測定ニップを形成した。その後、データ収集ソフトウェア(National Instruments Corporation,Austin,TXから「LABVIEW」の商品名で入手したソフトウェアを用いて作成)によって制御されるデータ収集システムを起動させた。データ収集ソフトウェアを用いてデータ収集システムとほぼリアルタイムで通信し、同ソフトウェアによって構成要素機器を制御し、データを収集、操作(すなわち、数学的演算を実行)、及び保存した。特に、データ収集ソフトウェアを用いて電源(「KEITHLEY MODEL 2400 SOURCE METER」の商品名でKeithley Instruments,Inc.,Cleveland,OHより入手)を制御し、プリチャージ及び測定ニップにわたって所定の電位を設定して、機器からのデータを解析した。試験対象のMEAの供給に伴い、抵抗が急激に低下してサンプルが検知されたことが示された時に、データ収集ソフトウェアが電流及び電圧データの時間に対する記録を開始した。データ収集ソフトウェアは、次いで、テスト対象のサンプルについて所望の性能指数データを計算し、そのデータを保存した。
【0030】
それ自体蓄積エネルギーをもたない試験対象MEAがプリチャージローラーのニップに供給されると、ニップがMEAを把持し、ニップを通して搬送した。MEAがニップに通される際に、システムが抵抗R
PC(すなわち、抵抗の急激な変化)を検知し、データの収集、操作、及び保存を開始した。電圧V
PC及び電流I
PCを測定し、抵抗R
PC及び電荷Q
PCを計算し保存した。測定及び計算されたデータを時間の関数として(すなわちサンプルn)保存したことにより、各測定及び計算データは数列V
PC{n},I
PC{n},R
PC{n},Q
PC{n}であった。
【0031】
MEAの活性領域がプリチャージニップを去ると、抵抗は高レベルに戻った。MEAが第2の測定ニップに入り、これを通って移動する際に再度、抵抗が高抵抗から低抵抗へと降下することにより、時間に対するデータ収集が開始された。MEAが測定ニップ内にある時に、電圧V
M、電流I
Mが測定され、抵抗R
M及び電荷Q
Mが計算されて、数列V
M{n},I
M{n},R
M{n},Q
M{n}として保存された。MEAが測定ニップを去った後、さまざまな性能指数が計算され、システムが所定の性能指数閾値レベルに照らして「許容可」又は「許容不可」の信号を供給した。
【0032】
試験中、プリチャージ及び測定ニップにわたって印加される電位は同一でも異なってもよく、特定の実施例においてそのように記している。典型的には、プリチャージニップにわたって印加される電位は測定ニップにわたって印加される電位と同一であり、特定の実施例においてそのように記している。あるいは、プリチャージニップにわたって印加される電位は測定ニップにわたって印加される電位より高くてもよいが、逆もまた有用であり得る。一般に、「許容可」MEAと「許容不可」MEAとの区別は、プリチャージ及び測定ニップにわたって印加される電圧の差を大きくすることによって強調し得る。しかしながら、「許容可」MEAと「許容不可」MEAとの更なる区別は、例えば、プリチャージニップ及び測定ニップにわたってそれぞれ0.3V及び0.1V(又は更には0.3V及び0.01V)の印加電圧を用いることによって、達成し得る。ただし、試験中にMEAサンプルを過励起することのないよう、注意を払う必要がある。
【0033】
「許容可」及び「許容不可」MEAを更に区別する別の方法として、絶対値、例えば抵抗の絶対値の使用がある。実施形態によっては、スカラ性能指数を生成する関数への入力として性能指数配列又はグラフィック値を用い得る。このスカラ性能指数を用いることによって、望ましいMEAと望ましくないMEAとを区別することが可能である。
【0034】
有用な性能指数としては、例えば、特定の時間t又はサンプルnにおける抵抗、特定の時間t又はサンプルnにおけるプリチャージニップと測定ニップとでの抵抗差、抵抗積分差、プリチャージニップと測定ニップとでの電流差、プリチャージニップと測定ニップとでの電荷差、プリチャージニップと測定ニップとでの抵抗総和差、プリチャージニップと測定ニップとでの電流総和差、プリチャージニップと測定ニップとでの電荷総和差、又はこれらをいくつでも組み合わせたものが挙げられる。その他の有用かつ適用可能な性能指数は当業者によって定義かつ使用され得る。
【0035】
例えば、MEAの試験中、電圧が印加された時に、安定するまで荷電させたMEAのキャパシタンス及び漏れ電流値を測定することができ、MEAの抵抗(オーム単位)を計算することができたと考えられる。MEAの抵抗が低過ぎれば、炭素繊維若しくはその他の金属が膜を突き破って短絡が生じている可能性があるか、又は膜材料に欠陥若しくは薄い部分が存在することを意味した。これらの両状況とも、MEAの早期故障につながることが知られている。一般に、許容可能なMEA抵抗閾値を(顧客の要求又はMEA寸法に応じて)設定し、試験したMEAの抵抗を閾値と比較することにより、「許容可」(すなわち、MEA抵抗が閾値より高かった)及び「許容不可」(すなわち、MEA抵抗が閾値より低かった)MEAの区別が可能となった。
【0036】
(実施例1)
25個の個別MEAサンプルを上記MEA試験の一般的方法に従って試験した。MEAサンプルは、当該技術分野において一般に既知の方法で準備した。MEAは約15センチメートル×約20センチメートルの寸法で、厚さは約0.45ミリメートルであった。MEAサンプルを手動で試験装置に1つずつ供給した。プリチャージ及び測定ニップにわたって印加した電圧はそれぞれ0.3V及び0.3Vであった。「許容可」MEAと「許容不可」MEAとを分けるための性能指数として、次式で定義される抵抗差比較(FOM
差{n}オーム単位)を用いた。
FOM
差{n} =f(R
M,R
PC)=R
M{n}−R
PC{n}
式中、R
M{n}及びR
PC{n}はそれぞれ、試験対象MEAについての配列中のn番目のデータ点での測定及びプリチャージ抵抗であった。
図3に、3つの「許容可」(点線で表示)及び3つの「許容不可」(破線で表示)MEAについてのFOM
差{n}データをグラフ表示する。
【0037】
(実施例2)
26個の個別MEAサンプルを準備し、実施例1について説明したと同様に試験したが、「許容可」MEAと「許容不可」MEAとを分けるための性能指数としては、次式で定義される抵抗積分差(FOM
積分差{n}ヘンリー単位)を用いた。
【0038】
【数1】
式中、R
M{n}及びR
PC{n}はそれぞれ、試験対象MEAについての配列中のn番目のデータ点での測定及びプリチャージ抵抗であり、ΔT
RM{n}及びΔT
RPC{n}はそれぞれ、n番目のサンプルについての測定ニップ及びプリチャージニップにおける時間であった。
図4に、3つの「許容可」(点線で表示)及び3つの「許容不可」(破線で表示)MEAについてのFOM
積分差{n}データをグラフ表示する。
【0039】
(実施例3)
24個の個別MEAサンプルを準備し、実施例1について説明したと同様に試験したが、「許容可」MEAと「許容不可」MEAとを分けるための性能指数としては、次式で定義される電流差比較(FOM
電流差{n}アンペア単位)を用いた。
FOM
電流差{n}=f(I
M,I
PC)=I
M{n}−I
PC{n}
式中、I
M{n}及びI
PC{n}はそれぞれ、試験対象MEAについての配列中のn番目のデータ点での測定及びプリチャージ電流であった。
図5に、3つの「許容可」(点線で表示)及び3つの「許容不可」(破線で表示)MEAについてのFOM
電流差{n}データをグラフ表示する。
【0040】
(実施例4)
26個の個別MEAサンプルを準備し、実施例1について説明したと同様に試験したが、「許容可」MEAと「許容不可」MEAとを分けるための性能指数としては、次式で定義される電荷差比較(FOM
電荷差{n}クーロン単位)を用いた。
FOM
電荷差{n} =f(Q
M,Q
PC)=Q
M{n}−Q
PC{n}
式中、Q
M{n}及びQ
PC{n}はそれぞれ、試験対象MEAについての配列中のn番目のデータ点での測定及びプリチャージ抵抗であった。
図6に、3つの「許容可」(点線で表示)及び3つの「許容不可」(破線で表示)MEAについてのFOM
電荷差{n}データをグラフ表示する。
【0041】
(実施例5)
26個の個別MEAサンプルを準備し、実施例1について説明したと同様に試験したが、「許容可」MEAと「許容不可」MEAとを分けるための性能指数としては、次式で定義される電荷積分差(FOM
電荷積分差{n}クーロン×秒単位)を用いた。
【0042】
【数2】
式中、Q
M{n}及びQ
PC{n}はそれぞれ、試験対象MEAについての配列中のn番目のデータ点での測定及びプリチャージ電荷であり、ΔT
QM{n}及びΔT
QPC{n}はそれぞれ、n番目のサンプルについての測定ニップ及びプリチャージニップでの時間ステップである。
図7に、3つの「許容可」(点線で表示)及び3つの「許容不可」(破線で表示)MEAについてのFOM
電荷積分差{n}データをグラフ表示する。
【0043】
(実施例6)
26個の個別MEAサンプルを準備し、実施例1について説明したと同様に試験したが、プリチャージ及び測定ニップにわたって印加した電圧をそれぞれ0.3V及び0.25Vとし、「許容可」MEAと「許容不可」MEAとを分けるための性能指数として、次式で定義される電流総和比較(FOM
電流総和{n}アンペア単位)を用いた。
FOM
電流総和{n}=f(I
M,I
PC)=I
M{n}+I
PC{n}
式中、I
M{n}及びI
PC{n}はそれぞれ、試験対象MEAについての配列中のn番目のデータ点での測定及びプリチャージ電流であった。
図8に、3つの「許容可」(点線で表示)及び3つの「許容不可」(破線で表示)MEAについてのFOM
電流総和{n}データをグラフ表示する。
【0044】
(実施例7)
26個の個別MEAサンプルを準備し、実施例6について説明したと同様に試験したが、「許容可」MEAと「許容不可」MEAとを分けるための性能指数としては、次式で定義される電荷総和比較(FOM
電荷総和{n}クーロン単位)を用いた。
FOM
電荷総和{n}=f(Q
M,Q
PC)=Q
M{n}+Q
PC{n}
式中、Q
M{n}及びQ
PC{n}はそれぞれ、試験対象MEAについての配列中のn番目のデータ点での測定及びプリチャージ電荷であった。
図9に、3つの「許容可」(点線で表示)及び3つの「許容不可」(破線で表示)MEAについてのFOM
電荷総和{n}データをグラフ表示する。
【0045】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本開示の予測可能な修正及び変更が当業者には自明であろう。本発明は、説明を目的として本出願に記載される各実施形態に限定されるべきものではない。
本発明の実施態様の一部を以下の〔態様1〕−〔態様16〕に記載する。
〔態様1〕
装置であって、
第1及び第2の整列ローラー対であって、それぞれローラー対のローラー間にニップを有し、前記第1及び第2のローラー対のそれぞれが、前記ニップに通されるウェブの一部を電気的に励起し、かつ該励起されたウェブの電気的特性を測定するように構成され、前記ローラーがそれぞれ、相互にかつ前記装置から電気絶縁されている、第1及び第2の整列ローラー対と、
少なくとも前記測定された電気的特性を解析するように構成される処理装置と、を含む、装置。
〔態様2〕
前記第1及び第2のローラー対のそれぞれが平行な回転軸を有し、前記ニップに通されるウェブを電気的に励起するように構成される前記第1及び第2のローラー対が、該それぞれのローラー対の前記回転軸に平行な線電荷を供給するように構成される、態様1に記載の装置。
〔態様3〕
前記測定される電気的特性が、値の配列である、態様1又は2に記載の装置。
〔態様4〕
前記測定される電気的特性が、電圧又は電流の少なくとも1つである、態様1〜3のいずれか一項に記載の装置。
〔態様5〕
膜電極接合体の品質情報を取得する方法であって、
それぞれ特定の厚さを有する複数の個別膜電極接合体を含むウェブを準備することと、
前記ウェブの第1の膜電極接合体の前記厚さにわたって第1の電圧を印加することによって前記第1の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、前記第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
前記第1の期間経過後、前記第1の膜電極接合体の前記厚さにわたって第2の電圧を印加することによって前記第1の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、前記第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
前記第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
前記総電気的性能指数を所定の品質値と比較して前記膜電極接合体の品質情報を取得することと、を含む、方法。
〔態様6〕
前記ウェブを第2のローラー対のニップに通す際に、前記第1の膜電極接合体の前記厚さにわたって前記第2の電圧を印加する、態様5に記載の方法。
〔態様7〕
前記第1及び第2のローラー対のそれぞれが平行な回転軸を有し、前記電荷のそれぞれが前記それぞれのローラー対の前記回転軸に平行な線に印加される、態様6に記載の方法。
〔態様8〕
前記第1の電気的性能指数が前記第1の期間内に決定された値の配列であり、前記第2の電気的性能指数が前記第2の期間内に決定された値の配列である、態様6又は7に記載の方法。
〔態様9〕
前記第1の電気的性能指数が電圧又は電流の少なくとも1つであり、前記第2の電気的性能指数が電圧又は電流の少なくとも1つである、態様6〜8のいずれか一項に記載の方法。
〔態様10〕
少なくとも1つの膜電極接合体の品質情報を取得する方法であって、
特定の厚さを有する第1の膜電極接合体を準備することと、
前記第1の膜電極接合体を第1のローラー対のニップに通す際に、前記第1の膜電極接合体の前記厚さにわたって第1の電圧を印加することによって前記第1の膜電極接合体に第1の電荷を供給することと、
第1の期間内に、前記第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
前記第1の期間経過後、前記第1の膜電極接合体を第2のローラー対のニップに通す際に、前記第1の膜電極接合体の前記厚さにわたって第2の電圧を印加することによって前記第1の膜電極接合体に第2の電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、前記第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
前記第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
前記総電気的性能指数を所定の品質値と比較して前記膜電極接合体の前記品質情報を取得することと、を含む、方法。
〔態様11〕
前記膜電極接合体がそれぞれ、前記ローラーの前記それぞれの軸に平行な幅を有し、前記線電荷がそれぞれ前記膜電極接合体の幅よりも長い、態様10に記載の方法。
〔態様12〕
前記第1の電気的性能指数が前記第1の期間内に決定された値の配列であり、前記第2の電気的性能指数が前記第2の期間内に決定された値の配列である、態様10又は11に記載の方法。
〔態様13〕
前記第1の電気的性能指数が電圧又は電流の少なくとも1つであり、前記第2の電気的性能指数が電圧又は電流の少なくとも1つである、態様10〜12のいずれか一項に記載の方法。
〔態様14〕
少なくとも1つの膜電極接合体の品質情報を取得する方法であって、
特定の厚さを有する第1の膜電極接合体を準備することと、
前記第1の膜電極接合体の前記厚さにわたって第1の電圧を印加することによって前記第1の膜電極接合体に第1の線電荷を供給することと、
第1の期間内に、前記第1の電荷を帯びた膜電極接合体の第1の電気的性能指数を決定することと、
前記第1の期間経過後、前記第1の膜電極接合体の前記厚さにわたって第2の電圧を印加することによって前記第1の膜電極接合体に第2の線電荷を供給することと、
第2の、より後の期間内に、前記第2の電荷を帯びた膜電極接合体の第2の電気的性能指数を決定することと、
前記第1及び第2の電気的性能指数を用いて総電気的性能指数を計算することと、
前記総電気的性能指数を所定の品質値と比較して前記膜電極接合体の品質情報を取得することと、を含む、方法。
〔態様15〕
前記第1の電気的性能指数が前記第1の期間内に決定された値の配列であり、前記第2の電気的性能指数が前記第2の期間内に決定された値の配列である、態様14に記載の方法。
〔態様16〕
前記第1の電気的性能指数が電圧又は電流の少なくとも1つであり、前記第2の電気的性能指数が電圧又は電流の少なくとも1つである、態様14又は15に記載の方法。