【実施例】
【0086】
以上の開示内容は本主題の一部の実施態様を一般的に説明する。より完全な理解は、以下の具体的な実施例を参照することにより得られる。これらの実施例は、例示の目的だけのために説明されるのであって、本開示内容の範囲の限定を意図するものではない。状況が示唆するか都合がよいかの場合には、形態の変更及び均等物の置換が意図される。具体的な用語が本明細書では用いられてきたが、かかる用語は説明の意味で意図されるのであって、限定の目的ではない。
【0087】
本開示内容及び実施例において利用されるが、明示的に説明されない、分子遺伝学、タンパク質生化学及び免疫学の方法は、科学文献に十分報告され、当業者の能力範囲内に含まれる。
【0088】
免疫応答
CD4
+T細胞は、例えば肺炎球菌のような細胞外病原体に対しては最も重要であると考えられる。MHCクラスII分子のコンテキストで抗原提示細胞(APCs)に装荷された抗原で刺激されると、未熟なCD4
+T細胞は、機能的に異なるTヘルパー(Th)のサブセットに分化する場合がある。異なるThサブセットへのコミットメントは、抗原タイプ及び装荷、共刺激分子及びサイトカインシグナル伝達を含む、許容的環境でのAPCsとの複雑な相互作用に依存する(本件文献7−9)。例えば、インターロイキン(IL)−2、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)及び腫瘍壊死因子−ベータ(TNF−β)産生を特徴とするTh1細胞は、細胞内病原体を除去するために最重要である。細胞外病原体を除去するのに必須のTh2細胞は、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−13及びIL−25を発現する。最近発見されたTh17細胞はIL−17、IL−21及びIL−22を分泌する(本件文献10)。
【0089】
メモリーT細胞応答は、エフェクター応答(線形モデル又は非対称分裂)の際に発生するか、病原体の消失後に縮小残存するエフェクタークロノタイプの大集団の生き残りかである(本件文献11)。迅速なリコール反応及びサイトカイン大量産生を伴う免疫記憶は、流行性感染に対する迅速な保護を確保するための非常に効果的なメカニズムであり、呼吸器粘膜のような侵入部位での病原体の再遭遇に対する主要な防御として機能する(本件文献12、13)。強固なメモリーT及びB細胞応答は、自然な感染の過程と、ワクチン接種時との両方で発生し、メモリーリンパ球がリンパ系及び非リンパ系の部位に分布する(本件文献14−16)。いったん発生すると、メモリーT細胞は一定期間循環血中で検出できる。(本件文献15、17、18)。肺炎球菌に対する免疫発生の現行の説は、CD4
+Th(ヘルパー)−メモリーサブセット(Th−1、Th−2及びTh−17)の主要な役割を画定するマウスでの研究から発展してきた(本件文献19−21)。動物モデルでは、CD4
+T細胞免疫は耳の病原体に対する保護で顕著な役割を果たしており、抗体非依存免疫も付与できる(本件文献20、22、23)。しかし、急性中耳炎を罹患中のヒトでT−ヘルパーメモリーサブセットの保護的役割を支持するデータはない。
【0090】
獲得免疫応答における抗原特異的CD4
+T細胞の中心的役割は、一方で抗体産生においてB細胞に援助を提供し、他方で免疫機能の自分自身のエフェクターとしてはたらくことである(本件文献7、9、23、27)。さらに、Th細胞によって提供される定常的なサイトカイン環境中で抗原刺激に応答して、特異的B細胞は、クローン増殖、クラススイッチ及び体細胞超突然変異を行い、より親和性の高い抗体の選択につながる(本件文献28、29)。増幅されたB細胞は、一部はメモリーB細胞に分化する一方、抗体を大量に分泌する形質細胞に分化して、骨髄のようなニッチで生き続ける(本件文献29、30)。メモリーB細胞は抗原再刺激に迅速に応答でき、長期間CD4
+T細胞からの定常的な援助で形質細胞のプール及び血清抗体レベルの維持に寄与するかもしれない(本件文献31)。
【0091】
実施例1
肺炎球菌タンパク質抗原を用いて、小児での耳炎好発状態を評価するために、耳炎非好発及び耳炎好発小児のコホートの末梢血中の肺炎球菌特異的機能メモリーCD4
+Th細胞サブセットが定量された。これらのコホートの小児の血清中での同一抗原に対するB細胞IgG応答も計測された。
【0092】
患者は、米国国立衛生研究所により資金援助された5年間の急性中耳炎長期予後研究の参加者であった(本件文献26)。急性中耳炎エピソードを6ヶ月間に3回か、1年間に4回か経験した小児は耳炎好発性と考えられ、エピソードの回数がそれ以下の者は耳炎非好発群に入れられた。参加した小児はニューヨーク州ロチェスターの中流郊外居住階層出身であった。急性中耳炎の既往歴のない生後6ヶ月の健康な小児が登録され、月齢6、9、12、15、18、24及び30ヶ月の7回、血清と、鼻咽喉(NP)及び耳咽喉(OP)培養とが採取され、両方のコホートとも2才未満のさまざまな年齢の小児であった。中耳液は急性中耳炎エピソードの際に鼓室穿刺により採取された。肺炎球菌及びインフルエンザ菌鼻咽喉/耳咽喉定着の評価は鼻咽喉及び耳咽喉表面及び中耳液の培養の微生物学的テストにより定期的に得られた。採取された血液由来の末梢血単核細胞は単離され、使用時まで液体窒素中で凍結された。本研究に用いられたサンプルは、耳炎好発小児からは急性中耳炎診察時に採取され、耳炎非好発小児からはコロニー形成時(colonization)又は急性中耳炎診察時に採取された。小児は、適用可能なスケジュールに従って、利用可能な結合型ワクチンの年齢に適する投与量で肺炎球菌に対して免疫済みであった。
【0093】
抗原
使用される肺炎球菌タンパク質抗原は、PhtD(配列番号6)、PhtE(配列番号8)、LytB(配列番号11)、PcpA(配列番号3)及びニューモリシンの無毒化誘導体PlyD1(配列番号13)である。対照実験として、PspAも使用される。各タンパク質は肺炎球菌血清型6B株式会社からクローン化され、大腸菌で可溶性タンパク質として組換え技術で発現され、イオン交換クロマトグラフィーの組合せで精製された。SDS−PAGE法及びRP−HLPC法によりアッセイしたところ、各タンパク質は精製後90%以上の純度であった。
【0094】
刺激に最適な投与量は、トリパンブルー染色及び/又はヨウ化プロピジウム染色後のフロー・サイトメトリー解析の使用によって決定された。
【0095】
T細胞刺激
肺炎球菌が鼻咽喉に定着しているか、肺炎球菌で急性中耳炎感染している耳炎好発性及び耳炎非好発性小児由来の末梢血単核細胞は前記6種類の肺炎球菌抗原で刺激され、無莢膜型インフルエンザ菌が鼻咽喉に定着しているか、無莢膜型インフルエンザ菌で急性中耳炎感染している小児は3種類の無莢膜型インフルエンザ菌抗原で刺激された。刺激前に、凍結末梢血単核細胞は37℃のウオーターバスで急速解凍され、ゆっくりと完全培地(10%のFBSと、2mMのL−グルタミンと、0.1mMのピルビン酸ナトリウムと、非必須アミノ酸と、100U/mlのペニシリンと、100μg/mLのストレプトマイシンとが添加されたRPMI1640)が添加された。それから、細胞は洗浄され、完全培地の入った24穴プレート中で終夜静置された。末梢血単核細胞は過去の報告(本件文献35、36)から適応された標準的なプロトコールを用いて刺激された。簡潔には、細胞数が計測され、96穴平底培養プレートに入れられ、1μg/mLのさまざまなタンパク質抗原か、1μg/mLのブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)かのいずれかで刺激された。共刺激を提供し、抗原特異的応答を増強するために1μg/mL濃度の抗CD28及び抗CD49d抗体(それぞれクローンL293及びL25、BD Biosciences)が前記細胞培養に添加された。抗CD28及び抗CD49d抗体はバックグランドレベルに影響のない共刺激のために広く用いられている(本件文献18、37)。その後細胞は抗原プロセシングのために、2時間、37℃、5%CO2存在下でインキュベーションされた。2時間後、ゴルジ輸送阻害剤(BD Biosciences)がサイトカインを細胞内に保持するために添加され、インキュベーションがさらに4時間継続された。
【0096】
サイトカインのプロファイリング
マルチパラメーターフロー・サイトメトリー法が、本研究のコホートにおける急性中耳炎又は鼻咽喉定着後の循環血中肺炎球菌タンパク質に対する特異的CD4
+T細胞応答を検出するために用いられた。細胞内サイトカイン染色アッセイ(ICCS)が抗原特異的CD4
+T細胞サブセット(Th−1、Th−2及びTh−17)を評価するために用いられた。刺激後、細胞は96穴V字底プレートに移され、FACSバッファー(5%FBSが添加されたPBS)で1回洗浄され、さまざまな細胞表面マーカーに対する抗体で染色された。使用された抗体は、抗CD4APC Alexafluor 750(クローンRPA T4、eBiosciences)、PE−テキサスレッド抗CD45RA(クローンMEM56、Invitrogen)及び抗CCR7 PerCP/Cy5.5コンジュゲート(クローンTG8/CCR7、Biolegend)であった。細胞は固定及び透過化溶液(BD Biosciences)で20分間透過化され、その後1×透過化バッファー(BD Biosciences)で3回洗浄された。さまざまなサイトカイン特異的抗体のカクテルが刺激の結果細胞内に捕捉されたサイトカインを染色するのに用いられた。使用された抗体は、PE−Cy7結合抗IFN−γ(クローンB27、BD Biosciences)と、パシフィックブルー結合抗IL17A(クローンBL168、Biolegend)、Aleca fluor700抗IL−2(クローンMQ1−17H12、Biolegend)、PE結合抗IL−4(クローン8D4−8、BD Biosciences)、AF488結合TNF−α、抗CD3 Qdot605(クローンUCHT1、Invitrogen)及びPE−Cy5抗CD69(クローンFN50、BD Biosciences)であった。細胞内染色後、細胞はさらに3回1×透過化バッファーで洗浄され、FACS用試験管に再懸濁する前にFACSバッファーで1回最終洗浄された。12種類の蛍光パラメーター検出用に装備された注文生産のBD LSRIIフロー・サイトメーターが、各サンプルについて2−5×10
5回のイベントを収集するために使用され、データはFLO JO(Tree Star)ソフトウェアを用いて解析された。細胞の破片及びクランプを排除するために、細胞は最初に前方及び側方散乱特性に基づいてゲーティングされ、その後、CD4
+T細胞、CD45RA弱陽性、そしてCD69
+サイトカイン陽性細胞と順番にゲーティングされた。代替的には、細胞は確認のためにTNF−α対他のサイトカイン(TNF−α Vs other cytokines)でもゲーティングされた。低頻度の応答細胞は過剰な戻しゲーティングによって確認された。過去に報告されたとおり、抗原特異的細胞の検出を補助するために、マルチパラメーター染色とともに抗CD28/CD49d抗体が使われて無関係なバックグランドを避けるのを手助けする(本件文献37)。全アッセイは標準化され、サイトカインのプロフィール検出についてマルチプレックスビーズアレイ(CBA、BD Biosciences)と比較された。
【0097】
液性応答
サンプル中のIgG抗体レベルを計測するために、以前説明されたとおりELISA法が実行された(本件文献26、38)。簡潔には、96穴プレート(Nunc−Immulon)が、コーティングバッファー(重炭酸(pH9.4))中の0.25μg/mLの個々の抗原(ウェルあたり100μL)でコーティングされ、終夜4℃でインキュベーションされた。洗浄後、前記プレートは3%の脱脂粉乳(ウェルあたり200μL)で37℃1時間ブロッキングされた。5回洗浄後、血清が初回希釈1:100(3%脱脂粉乳入りのPBS)で前記ウェルに100μL添加され、2倍ずつ連続希釈された。前記混合液は室温で1時間インキュベーションされ、その後、2次抗体として、ホースラディッシュペロキシダーゼ(Bethyl Laboratories,Inc,Montgomery、テキサス州)に結合されたアフィニティー精製ヤギ抗ヒトIgG抗体が添加された。反応産物は、TMB Microwellペロキシダーゼ基質システム(KPL、Gaithersburg、メリーランド州)を用いて発色され、1.0モルリン酸の添加により反応が停止され、450nmフィルターを用いる自動ELISAリーダーによって読み取られた。抗体濃度に関する定量的結果を提供するために、未知サンプル中に存在する特異抗体レベルが内部参照血清(抗原特異的抗体レベルが高いヒト血清のプール)との比較により決定された。4種類のパラメーターのロジスティク−対数関数が、参照及びサンプルの曲線を作成するのに用いられた。このELISA法はICHガイダンスに従って完全に認証された。
【0098】
全てのデータはGraph Pad Prismソフトウェアを用いて統計学的に解析された。前記データについての両側検定P値がMann Whitney検定を用いて算出された。
【0099】
結果
耳炎好発性グループの小児は耳炎非好発性の小児と年齢は類似していた。性別、託児所利用歴、家庭内受動喫煙曝露、8才未満の兄弟姉妹の数及び母乳哺育歴の分布は2つの研究グループ間で類似していた。
【0100】
耳炎非好発性及び耳炎好発性の小児の間でさまざまな肺炎球菌抗原特異的メモリーTh細胞のサブセットの循環頻度が、これらの末梢血単核細胞を特異的抗原で刺激することにより比較された。そのために、IFN−γ、IL−4、IL−2又はIL−17を産生するCD45RA弱陽性メモリーCD4
+T細胞の百分率が、最近活性化されたCD69
+T細胞でゲーティングすることによって算出された。抗原特異的応答は、未刺激のまま放置されるか、非特異的抗原(キーホールリンペットヘモシアニン)で刺激されるかの対照実験の末梢血単核細胞で正規化された。
【0101】
結果の要約を示す
図1は、急性中耳炎後(n=6)又は肺炎球菌の鼻咽喉定着後(n=9)の耳炎非好発性小児(n=15)における刺激に用いられた全ての肺炎球菌抗原に対するCD45RA弱陽性メモリーCD4
+T細胞のさまざまなサブセットの検出可能な頻度を示す。これとは著しく対照的に、急性中耳炎後(n=10)又は鼻咽喉定着後(n=3)の耳炎好発性小児(n=13)は、循環する肺炎球菌特異的メモリーCD4
+T細胞が際だって欠乏した。特に、LytB、PhtE及びPlyに対してIFN−γを産生するメモリーCD4
+T細胞は完全に欠落し、著しく低レベルのIFN−γ(P<0.02)がPHtD、PcpA及びPspAに応答して産生された(
図1A)。耳炎好発性小児ではPhtD及びLytBに対してIL−4を産生するメモリーCD4
+T細胞の著しい減少(P<0.02)が観察された(
図1B)。PhtD(P<0.05)、PcpA(P<0.005)、PhtE(P<0.05)Ply(P<0.005)及びPspA(0.02)に対するIL−2応答は耳炎好発性小児では著しく低く(
図1C)、PhtD、PcpA及びPhtE(<0.05)に応答する耳炎好発性小児ではIL−17a産生細胞の有意な減少がみられた(
図1D)。
【0102】
抗原特異的メモリーTh細胞の不在が抗原特異的B細胞応答不全の原因かもしれないため(本件文献9)、耳炎非好発性小児及び耳炎好発性小児での抗原特異的IgG力価が評価された。それぞれの群での肺炎球菌抗原に対する血清IgGレベルが
図2に示される。予想どおり、メモリーT細胞頻度の増大に伴って、PhtD(P<0.05)、LytB(P<0.0005)、PhtE(p<0.0005)、Ply(p<0.005)に対するIgG力価は、耳炎好発性群と比較して耳炎非好発性群で有意に高かった(
図2)。PcpA抗原に対するIgG力価も増大したが、差は有意ではなかった(
図3)。
【0103】
乳幼児の免疫システムはT及びB細胞応答のコンテキストで完全に成熟しているわけではないので(本件文献39、40)、耳炎好発性小児ではメモリーT細胞応答不全が内在的なT又はB細胞不全の原因かどうかを評価するために、B細胞及びT細胞を介する応答が調べられた。抗原提示細胞の関与とは独立にT細胞応答を刺激するブドウ球菌エンテロトキシンB(本件文献41)で末梢血単核細胞が刺激された。
図3はIFN−γ、IL−4、IL−2又はIL−17aを産生するCD4
+T細胞の百分率を示し、耳炎好発性小児及び耳炎非好発性小児で同じである。小児は全てDTaPワクチンを接種されていたことから、耳炎好発性小児は一般的な免疫不全があるかどうか評価するために、ワクチン抗原のジフテリア、破傷風及び百日咳に対するIgG力価が測定された。ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、百日咳毒素、繊維状赤血球凝集素又はパータクチンに対するIgG抗体濃度は群間で有意な差は見られなかった(データは示されない)。
【0104】
要約すると、これらのデータは、耳炎非好発性小児と比較して耳炎好発性小児では、肺炎球菌抗原特異的なメモリーCD4
+T細胞の機能が欠失又は低下していることを示す。この効果は研究された抗原に対するIgG応答の低下と関連した。前記データに示されるとおり、耳炎好発性小児は、抗原特異的CD45RA弱陽性Thメモリーの機能による肺炎球菌に対する応答を生じさせることができず、肺炎球菌タンパク質抗原に対して弱い抗体応答しか惹起できなかった。しかしこれらの小児は、メモリーT細胞機能全体や、ワクチン接種された抗原に対するB細胞を介する抗体応答(例えばIgG)の惹起に不全があるわけではない。
【0105】
CD4
+Th細胞が肺炎球菌及び無莢膜型インフルエンザ菌を原因とする感染と戦うのを補助するという事実にもかかわらず、小児における肺炎球菌又は無莢膜型インフルエンザ菌を介する急性中耳炎と関連する特異的CD4
+Th細胞の直接的な役割を証明する報告が過去に全くなかった。明らかに、小児におけるCD4
+T細胞メモリーの発生が悪いことがその後のB細胞を介する抗体応答の低下の原因かもしれない。したがって免疫学的な記憶の欠落は、繰り返し耳が感染しやすくなる結果をもたらすのかもしれない。ここで発明者たちは、耳炎好発性小児は急性中耳炎及び/又は鼻咽喉定着後の循環血中のTh細胞での耳の病原体(例えば肺炎球菌)特異的なメモリーが欠落/低減していることを証明する。これに対し耳炎非好発性小児では、急性中耳炎及び/又は耳の病原体の鼻咽喉定着後にメモリー抗原特異的CD4
+T細胞が発生する。
【0106】
急性中耳炎及び肺炎球菌の鼻咽喉定着後に耳炎好発性小児で一部の抗体が検出可能であるため、該耳炎好発性小児は短期的なB細胞応答は行うようである。しかし、T細胞記憶がない状態では、抗体レベルが下がった後にさらなる急性中耳炎に感染しやすくなる。したがって、根本的な免疫学的欠点は、耳炎好発性小児でのT細胞記憶形成にあると考えられる。耳炎好発性小児は抗原提示細胞のプロセッシングを必要としない抗原(ブドウ球菌エンテロトキシンB)には同様に反応し、DTaPワクチンの形態で抗原の非経口注射に対しても同様に反応したため、耳炎好発性小児の問題は、免疫学的には鼻粘膜に存在する抗原提示細胞による肺炎球菌及び無莢膜型インフルエンザ菌の実際のプロセッシング及び提示のさらに上流にあるかもしれない。
【0107】
過去の研究は、小児及び成人における(5−7日間の)CD4
+T細胞の増殖応答における肺炎球菌又は無莢膜型インフルエンザ菌抗原の役割を証明してきた(本件文献42、43)。先行研究は、耳炎好発性小児のアデノイド及び扁桃腺から採取された細胞由来のCD4
+T細胞増殖を評価したところ、無莢膜型インフルエンザ菌タンパク質P6に応答する増殖が認められなかった(本件文献44)。このような性格の研究は抗原特異的T細胞増殖を評価するが、抗原特異的メモリーCD4
+T細胞の存在について情報を与えることはできない。
【0108】
CD4
+Th−2細胞は宿主から細菌病原体の除去に有用な抗体応答の大半を促進するが、マウスモデルにおける最近の研究は、肺炎球菌鼻咽喉定着に対するIL−17aを介する抗体非依存免疫がCD4
+T細胞(Th−17細胞)を産生することを示した(本件文献20)。ここではヒトではじめて、耳炎非好発性小児の循環血中の肺炎球菌特異的IL−17a産生メモリーTh細胞は耳炎好発性小児より頻度が高いことが検出された。したがって、肺炎球菌特異的IL−17a産生メモリーTh細胞は耳炎好発状態から保護しているかもしれない。
【0109】
急性中耳炎の際の感染部位(中耳粘膜及び中耳液)での細胞表現型タイピングは、CD45RO強陽性/CD45RA弱陽性メモリーCD4
+T細胞の大量の遊走と、ホーミングレセプターL−セレクチンの消失とを示唆する(本件文献45)。他の研究は、急性中耳炎の際の中耳液における主としてメモリーCD4
+T細胞の集積を明かにする(本件文献45−47)。アデノイドのような局所的2次リンパ器官は、細菌定着のような上部気道感染の際のT細胞プライミングの主要部位である。ひとたび抗原を装荷した抗原提示細胞が局所的2次リンパ器官(アデノイド)に移動すると、リンパ球の分化(例えば、CD4
+T細胞)が起こる。血液循環に入った後、前記CD4
+T細胞は(急性中耳炎の場合は)中耳粘膜及び/又は(鼻咽喉定着の際は)上部気道に最終的に移動する。
【0110】
理論に拘泥するわけではないが、免疫学的な成熟の遅延は、耳炎好発性小児で機能するT細胞の欠落の原因の可能性がある(本件文献48)。小児は、成長するにつれて、耳管の解剖学的変化のために急性中耳炎に罹患しにくくなるが、成長とともに免疫システムの成熟も起こる。強固なT細胞記憶応答は3才ないし5才ごろに発生するのが典型的で(本件文献40、48−51)、耳炎好発性小児はこの年齢の時間フレームの間に罹患傾向を「卒業」するのが通常である。
【0111】
ヒトでは、メモリーCD4
+T細胞は急性中耳炎との戦いで要の役割を果たすかもしれない。そこで、肺炎球菌特異的CD4
+T細胞のメモリーは、もし発生するならば、再発性急性中耳炎の発症予防に役立つかもしれない。
【0112】
実施例2
本研究では、1)AOMエピソードが6ヶ月間に3回以上又は12ヶ月間に4回以上の小児を含む耳炎好発性群と、2)適切な抗生物質療法の少なくとも48時間後に細菌除去及び/又は徴候の消失を達成できなかった小児(本件文献70、71)と、1回の抗生物質治療コースを完了して14日以内に急性中耳炎の徴候がぶり返した小児とを含む急性中耳炎治療失敗(AOMTF)群と、3)急性中耳炎のエピソードが1回か2回しかなかった小児を含む耳炎非好発性群という、3群の急性中耳炎を罹患している生後6ヶ月ないし36ヶ月の小児でのPhtD、PhtE、LytB、PcpA及びPlyに対する血清IgG抗体の発生が比較された。
【0113】
採取分析されたサンプルは実施例に記載の予後研究の際に得られた。急性中耳炎の既往歴のない生後6ヶ月の健康な小児が登録され、生後30ヶ月まで予後が追跡された。血清、鼻咽喉及び耳咽喉(OP)培養が、研究期間中生後6、9、12、15、18、24及び30ヶ月の7回採取された。しかし、非常に少数の患者しか30ヶ月の診察を受けに来なかったため、生後30ヶ月のサンプルは本分析から除外された。本研究期間中、小児が急性中耳炎を罹患したら、血清、鼻咽喉及び耳咽喉培養が鼓室穿刺による中耳液(MEF)とともに採取された。回復期サンプルは3週間後に採取された。これらの小児の過半数は急性中耳炎を発症しなかったので(約70%)、第3群(耳炎非好発性小児)に含められた。一部の小児はその後耳炎好発性の定義に該当したので(約5%)、第1群に含められるか、急性中耳炎治療失敗となり(約5%)分析のための第2群に含められた。耳炎好発性及び急性中耳炎治療失敗のコホートのサイズを大きくするために、生後6ないし36ヶ月の年齢範囲内にこれらの定義に該当するときはいつでも追加の小児が登録された。急性中耳炎罹患時に、鼻咽喉、耳咽喉及び中耳液の急性期サンプルが採取され、3週間後に回復期サンプルが採取された。
【0114】
急性中耳炎の診断を確認するために、米国小児科アカデミー急性中耳炎診断ガイドラインを用いて認定された耳鏡専門家の小児科医師(validated otoscopist pediatricians)により診察された。鼓室穿刺術は中耳液に耳の病原体が存在することを確認するために実施された。中耳液、鼻咽喉及び耳咽喉サンプルはトリプチケースソイ培地と、5%ヒツジ血液が添加されたトリプチケースソイ寒天プレートと、チョコレート寒天プレートとに接種された。細菌は、CLSI標準培養手順に従って単離された。
【0115】
ELISAアッセイ:実施例1に用いられた肺炎球菌タンパク質PhtD、LytB、PcpA、PhtE及びPlyD1が本研究でも用いられた。タンパク質特異的抗体力価は、精製組換えタンパク質を使うELISA法により測定された。96穴Nunc−Immulon4プレートが、重炭酸コーティングバッファー(pH9.4)中の各タンパク質0.5μg/mL(ウェルあたり100μL)でコーティングされ、4℃で終夜インキュベーションされた。洗浄後、前記プレートは3%脱脂粉乳で37℃1時間(ウェルあたり200μL)ブロッキングされた。5回の洗浄後、100μLの血清が初回希釈1:100(3%脱脂粉乳入りのPBS)で前記ウェルに添加され、2倍ずつ連続希釈された。前記混合液は室温で1時間インキュベーションされ、その後、2次抗体として、ホースラディッシュペロキシダーゼ(Bethyl Laboratories,Inc,Montgomery、テキサス州)に結合されたアフィニティー精製ヤギ抗ヒトIgG抗体が添加された。反応産物は、TMB Microwellペロキシダーゼ基質システム(KPL、Gaithersburg、メリーランド州)を用いて発色され、1.0モルリン酸の添加により反応が停止され、Softmax終点希釈プロトコールを用いて、Spectra maxプレートリーダー(Molecular Devices、Sunnyvale、カリフォルニア州)により450nmで解析された。
【0116】
統計解析は、GraphPad Prism5で実施された。対応のない(unpaired)t検定が、IgG抗体解析のために3つの群の間の差を比較するために適用された。対応のある(paired)t検定は急性期対回復期の血清サンプルを比較するために適用された。一元配置分散分析(one way ANOVA)は経時的な抗体上昇を評価するのに用いられた。0.05未満のP値が有意とされた。
【0117】
急性中耳炎罹患時の小児3群におけるPhtD,LytB、PcpA、PhtE及びPlyに対する特異的IgG抗体力価
肺炎球菌のPhtD,LytB、PcpA、PhtE及びPlyタンパク質に対するIgG抗体力価が、耳炎好発性小児35名、急性中耳炎治療失敗(AOMTF)小児25名及び耳炎非好発性群の1回目又は2回目の急性中耳炎罹患時の小児34名の急性中耳炎急性期に測定された(
図4)。
【0118】
耳炎好発性小児でのPhtDタンパク質に対するIgG力価は、耳炎非好発性小児より有意に低かった(p<0.05)。急性中耳炎治療失敗小児でのPhtDに対するIgG抗体レベルも耳炎非好発性小児より低かったが、差は有意には至らなかった。耳炎好発性小児及び急性中耳炎治療失敗小児でのLytBに対するIgG力価は耳炎非好発性小児より有意に低かった(両方の比較ともp<0.001)。耳炎好発性小児及び急性中耳炎治療失敗小児におけるPcpAタンパク質に対するIgGの幾何学的平均力価(GMTs)は、耳炎非好発性小児よりほぼ3倍低かったが、抗体レベルのばらつきが大きかったため、小児の3つの群の間での差は統計学的に有意ではなかった。耳炎好発性小児及び急性中耳炎治療失敗小児におけるPhtEタンパク質に対するIgG力価は、耳炎非好発性小児より有意に低かった(p<0.001)。PlyD1タンパク質に対するIgG力価は、耳炎非好発性小児と比較して、耳炎好発性小児(p=0.006)及び急性中耳炎治療失敗小児(p=0.02)では有意に低かった。
【0119】
小児3群における急性期及び回復期急性中耳炎の肺炎球菌PhtD、LytB、PcpA、PhtEおよびPlyに対する抗体レベル
耳炎好発性小児22名、急性中耳炎治療失敗(AOMTF)小児13名及び耳炎非好発性小児20名から急性期(急性中耳炎罹患時)及び回復期(3週間後)に1対の血清サンプルが得られた。小児の3群全てで、5種類のタンパク質に対するIgG抗体レベルのうち4種類は急性期対回復期で有意な上昇は認められなかった(例外は急性中耳炎治療失敗小児でのPhtEタンパク質で、p=0.04と有意差が認められた。表1)。しかし急性期及び回復期の血清中の抗体レベルに大きな個別のばらつきが認められ、3群全ての小児の一部では1種類以上の抗原に対する抗体で2倍の上昇がみられた(表2)。
【0120】
耳炎非好発性小児及び耳炎好発性小児の抗体レベルと年齢
図5は、生後6−24ヶ月の予後追跡中の耳炎非好発性小児及び耳炎好発性小児が急性中耳炎を罹患していない定期診察を受けたときのPhtD、LytB、PcpA、PhtE及びPlyに対するIgG抗体レベルを示す。示されたデータは、耳炎非好発性小児150名及び耳炎好発性小児10名からのものである。耳炎非好発性小児では、LytB(p=0.075)を除く全てのタンパク質でIgG抗体レベルは経時的に有意に上昇した(p<0.001)。これに対し、耳炎好発性小児は、5種類のタンパク質のいずれについてもIgG抗体レベルの有意な経時的変化は認められなかった(PhtDタンパク質につきp=0.40、KytBについてp=0.39、PcpAについてp=0.11、PhtEについてp=0.09、Plyについてp=0.42)。
【0121】
これらのデータは、耳炎非好発性小児と比較して、耳炎好発性小児及び急性中耳炎治療失敗小児では、急性中耳炎罹患時の肺炎球菌タンパク質に対する抗体レベルが有意に低いことを示し、肺炎球菌への事前の曝露が血清抗体レベルに反映する獲得免疫応答を全く惹起しないか、あまり強固でない応答しか惹起しないかであることを示唆する。この知見は、免疫学的に、耳炎好発性小児及び急性中耳炎治療失敗小児は類似するが、耳炎非好発性小児と比較すると異なることを示唆する。また、研究された5種類の肺炎球菌抗原に対する血清抗体量は、耳炎非好発性小児より耳炎好発性小児では増加が有意に遅かった。耳炎好発性小児では鼻咽喉定着による自然な曝露の後の抗体獲得が遅いことは、耳の病原菌の曝露後の耳炎好発性小児での免疫応答不全の観察と矛盾しない。これらのデータは、急性中耳炎に対する血清抗体応答について、耳炎好発性小児及び急性中耳炎治療失敗小児は耳炎非好発性小児と違いがないことも示す。(本研究のとおり)少なくとも3才までの年齢範囲では、3群のいずれの小児の多数についても、急性中耳炎は免疫感作イベントではないようである。
【0122】
肺炎球菌に対して観察された抗原特異的免疫応答は、耳炎好発性小児についての他人の観察を確認及び敷衍し、一部の先行報告とは矛盾し、もっと新しいデータを提供する。Freijdら(本件文献72)は、生後30ヶ月の耳炎好発性小児15名での血清型3、6A及び23に対する抗肺炎球菌多糖類抗体を同年代の対照小児及び成人と比較して記載した。彼らは、耳炎好発性小児では血清型6A及び23に対する抗体が有意に低いことを見つけた。Prellnerら(本件文献73)は、耳炎好発性小児15名で血清型6A、19及び23に対する抗肺炎球菌多糖類抗体を測定し、前記小児の60%は検出可能な抗体がないことを見つけた。6才でも、耳炎好発性小児では6A多糖類に対する抗体レベルは耳炎非好発性小児より低かった。Hotomiら(本件文献74)は、耳炎好発性小児36名(平均生後18ヶ月)と、耳炎非好発性小児20名を無莢膜型インフルエンザ菌OMP P6と、(前記23価肺炎球菌ワクチンを抗原として用いて)肺炎球菌多糖類とに対する血清抗体応答について評価した。耳炎好発小児の55%はP6に対する抗体応答が低く、48%は肺炎球菌多糖類に対する応答が低かった。Yamanaka及びFadenの1993年の研究(本件文献75、76)と、Bernsteinら(本件文献77)とは、別の耳の病原体である無莢膜型インフルエンザ菌に対する血清及び/又は粘膜抗体レベルが耳炎好発性小児で同様に低下していることを見つけた。発明者の知る限り、これは耳炎好発性小児及び急性中耳炎治療失敗小児における肺炎球菌タンパク質に対する血清抗体応答の最初の報告である。
【0123】
急性中耳炎を発症する耳炎好発性小児における抗PhtD、LytB、PcpA、PhtE及びPly抗体応答に関するこれらの観察は、これらの小児は、曝露が自然の鼻咽喉経路を通じて起こるときの肺炎球菌その他の耳の病原体に対する抗体応答に特異的な免疫学的欠陥があるという、耳炎好発状態に関する一般的になされる説明を支持する。
【0124】
実施例1で認められたとおり、耳炎好発性小児は、Tヘルパー細胞の機能と、肺炎球菌及び無莢膜型インフルエンザ菌抗原に対するTメモリー細胞応答とに欠陥がある(未発表結果、本件文献82)。ジフテリア、破傷風及び百日咳非経口ワクチンに対するこれらの小児の抗体応答は低下しないので、これらの知見は、オタフク風邪その他の小児ワクチン接種への血清抗体応答が耳炎好発性小児も正常であることを見つけたPellnerら(本件文献83)及びWiertsmaら(84)の観察と矛盾しない。したがって、耳炎好発性小児での免疫機能不全は、耳の病原体への自然な曝露では起こるが、非経口ワクチン接種では起こらない。耳炎好発性小児で肺炎球菌結合型ワクチンへの適切な免疫応答が起こるとの観察はこの結論を支持する(本件文献85、86)。
【0125】
本研究の肺炎球菌タンパク質への急性期及び回復期の抗体レベルを比較すると、全体的な幾何学的平均力価は、耳炎好発性小児、急性中耳炎治療失敗小児又は耳炎非好発性小児で有意な上昇を示さなかった。これは、個々の小児の免疫応答のばらつきが大きいことが主な原因である。実際、小児の一部は回復期力価のほうがより高いが、他の小児はより低かったり、変わらなかったりした。これらの結果の原因は、急性中耳炎感染が起こる前の肺炎球菌の鼻咽喉での定着期間の長さの違いである可能性が一番高い。定着期間がより長い小児は急性中耳炎発症前に抗体応答のピークに達するであろうし、急性期ないし回復期の血清中の抗体レベルは一定か下降を示すであろう。他の小児は急性中耳炎発症前の鼻咽喉定着期間が短く、急性期ないし回復期の抗体レベルの上昇を示す。これらの結果は、無症状定着による自然なやり方で小児宿主にタンパク質が提示されるか、急性中耳炎感染かで、乳幼児での抗原性が異なることをたぶん反映して、抗原が違うと異なる抗体応答プロフィールを惹起することを示す。無莢膜型インフルエンザ菌タンパク質に対する抗体応答が評価されるときにも同様な観察がなされ、他のグループも急性中耳炎イベントの前後での急性期ないし回復期の抗体レベルのこのばらつきを観察していた(本件文献87−89)。Soininenらは、生後2年間追跡調査した小児329名のコホートにおける鼻咽喉定着及び急性中耳炎に関連する肺炎球菌多糖類型1、6B、11A、14、19F及び23Fに対する抗体の自然発生を研究した(本件文献90)。抗体は少しだが有意な経時的増大が起こり、血清型11A及び14はより低い年齢で免疫原性が高かった。彼らは、鼻咽喉定着又は急性中耳炎の後は抗体レベルは等しいことを見つけた。しかし、同じ小児を含む後の研究では、Soininenらは2倍を超える抗体上昇は急性中耳炎後では比較的頻度が低く、ばらつきは小児の年齢と肺炎球菌の血清型とに帰因できることを示す知見を記載した(本件文献89)。
【0126】
対応する研究では、本研究と同じ5種類の肺炎球菌タンパク質と、3種類の無莢膜型インフルエンザ菌タンパク質(タンパク質D、P6及びOMP26)とに対する抗体が健康な小児におけて経時的にゆっくりと獲得されることが記録された(本件文献69、87)。本研究における耳炎好発性小児では、5種類の肺炎球菌タンパク質全てに対する抗体の年齢と相関する上昇が認められなかったか、有意に遅かった。
【0127】
結論として、これらの結果は耳炎好発性小児の免疫応答についてさらなる情報を提供する。耳炎好発性小児における肺炎球菌抗原に対する免疫低応答が観察された。急性中耳炎治療失敗小児が耳炎好発性小児と免疫学的に同様に挙動することも示された。PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン(例えばPlyD1)のうち少なくとも1種類以上を含むワクチン組成物を(任意的にアジュバントを用いる)非経口的経路により投与することは、肺炎球菌への自然な曝露の後に記録される免疫低応答を軽減するために用いられる場合がある。
【0128】
実施例3
実施例1で言及された研究由来の耳炎好発性小児及び耳炎非好発性小児多数から得られた血清サンプル中の肺炎球菌抗原特異的メモリーB細胞の循環頻度が評価及び比較された。研究対象小児総数約387名中22名の小児がここでは研究された。(十分な量の末梢血単核細胞サンプルの利用可能性にもとづいて)耳炎好発性小児10名が本実施例の研究のために同定され、前記耳炎好発性小児と類似の年齢で急性中耳炎罹患回数1回又は2回の耳炎非好発性小児12名が対照の役割を果たすためにランダムに選択された。前記小児の臨床的な特徴は表3に示される。
【0129】
抗原特異的(PhtD、PhtE、LytB、PcpA、Ply)IgG分泌細胞と、全IgG分泌細胞とが、メモリーB細胞が試験管内で刺激されて抗体分泌細胞(ASC)に分化される(自家で標準化された)ELISPOTアッセイにより定量化された。簡潔には、完全培地単独か、1μg/mLのヤマゴボウマイトゲンを含む完全培地かを1mL含む24穴プレートの各ウェルに、解凍末梢血単核細胞100万個が入れられた。細胞は分化のために3日間37℃に保たれ、完全培地で洗浄され、細胞数が計測され、抗原(10μg/mL)で終夜コーティングされた96穴ELISPOTプレート(Millipore)上に分配された。形質細胞への分化はフロー・サイトメトリー法による分化細胞の評価で最適化された(データは示されない)。全IgG分泌細胞の検出のために、ウェルはPBS中に10μg/mLのモノクローナル抗ヒトIgG(MT91/145、Mabtech)でプレコーティングされた。陰性対照のウェルは未処理のままか、同じ濃度のウシ血清アルブミン(BSA)でコーティングされた。プレートは10%FBSが添加されたRPMIを用いて30分間37℃でブロッキングされた。刺激された末梢血単核細胞は細胞数が計測され、対照ウェル及び抗原でコーティングされたウェルに分配される前に、5×10
5個の細胞が新鮮な完全RPMI培地200μLに再懸濁された。その後プレートは37℃、5%CO
2インキュベータ中で終夜インキュベーションされ、少なくとも5回PBSで洗浄された。次に、1μg/mLのビオチン化抗ヒトIgG抗体(MT78/145、Mabtech)100μLが前記ウェルに添加され、1時間インキュベーションされた。洗浄後、ストレプトアビジン−アルカリフォスファターゼコンジュゲート(1:1000)が前記ウェルに添加され、1時間37℃でインキュベーションされた。基質(BCIP/NBT、Mabtech)で発色される前に、プレートはPBSで5回洗浄された。抗原特異的抗体産生細胞の頻度が低いため、発色したスポットは解剖顕微鏡を用いて手作業でカウントされた。抗原特異的なデータは、抗原特異的メモリーB細胞の百分率として表現され、以下の式にしたがって、末梢血単核細胞100万個あたりで計算された。
【0130】
抗原特異的メモリーB細胞の百分率=(特異的スポットの数/全Igスポットの数)×100
これら2群の小児の血清中の抗原特異的IgG力価は、プレートは0.5μg/mLの抗原でコーティングされ、アフィニティー精製されたホースラディッシュペロキシダーゼ(Bethyl Laboratories,Inc.、Montgomery、テキサス州)に結合されたヤギ抗ヒトIgG、IgM又はIgA抗体が2次抗体として用いられた。
【0131】
全てのデータはGraph Pad Prismソフトウェアを用いて統計学的に解析された。データについての両側検定P値はMann Whitney検定を用いて計算された。
【0132】
結果の要約は
図6(A、B、C)に示される。耳炎好発性小児及び耳炎非好発性小児由来サンプル中に存在する5種類の肺炎球菌抗原(PhtD、PhtE、LytB、PcpA、Ply)に特異的なメモリーB細胞の百分率は
図6Aに示される。耳炎非好発群とは際だって対照的に、急性中耳炎又は鼻咽喉定着の後の耳炎好発性小児は、循環肺炎球菌特異的メモリーB細胞が顕著に減少した(
図6A)。特に、抗原PhtD、PhtE及びPlyD1に対する抗原特異的IgGを産生するメモリーB細胞の百分率の顕著な低減が観察された(P<0.02)。耳炎好発性小児はLytBに特異的なメモリーB細胞の百分率も全体的な低減を示したが、差は統計学的に有意ではなかった(p=0.1)。耳炎好発性及び耳炎非好発性群由来のサンプル中のPxpA特異的メモリーB細胞の百分率には統計学的に有意な差は見つからなかった(
図6A)。同様に、前記2つの群に存在するIgG分泌細胞の総数も差がなかった(データは示されない)。
【0133】
それぞれの群における肺炎球菌抗原に対する血清IgGレベルは
図6Bに示される。耳炎好発性群の小児由来の血清と比較すると、PhtD、PcpA及びPhtEに対するIgG力価は耳炎非好発性群の小児由来の血清のほうが有意に高かった(P<0.05)。Plyレベルは低かったが、群間で統計学的に有意な差はなかった(
図6B)。LytB抗体力価は両方のコホートでテストされた全ての抗原のなかで最も低かった(
図6B)。
【0134】
本研究では、急性中耳炎及び/又は鼻咽喉定着後の耳炎好発性小児の循環血中のメモリーB細胞の百分率の低下が認められた(
図6A)。抗原のナイーブなB細胞との遭遇の後、抗原特異的メモリーB細胞及び抗体分泌細胞は2次リンパ構造で発生し、血流を通じて骨髄、脾臓又は気道のような標的組織に移動する(本件文献16)。血清抗体レベルはメモリーB細胞により維持されるので(本件文献31)、発生した抗原特異的メモリーB細胞の百分率を分析することにより、耳炎好発性小児における抗体レベルが低いことのより正確な免疫学的な説明が提供される。メモリーB細胞の頻度が低いことと血清抗体レベルとの関連を確認するために、急性中耳炎又は鼻咽喉定着後の耳炎非好発性小児(n=15)及び耳炎好発性小児(n=13)の異なるコホート由来のサンプルを用いて肺炎球菌特異的抗体力価が測定され、実施例1に示された研究で得られた結果と同様に、耳炎好発性小児では有意に低いことがわかった(
図6B)。全体として、耳炎非好発性小児で肺炎球菌抗原特異的力価の結果が高い傾向は、実施例1で評価されたコホートで認められた傾向と矛盾しないが、抗原特異的応答についての群間の統計学的有意差の関する正確な結果は一部の事例で異なる。例えば、本研究で評価される小児の小さな群はPly特異的な抗体力価では差を示さなかった。細菌の定着及び/又は急性中耳炎後の特定のタンパク質抗原に対する抗体応答及びB細胞発生は、個々の小児の間でばらつきがあるかもしれないが、ワクチン接種でばらつきの程度が小さくなることが期待される。
【0135】
実施例1に示されるとおり、耳炎好発性小児は肺炎球菌抗原特異的メモリーCD4
+T細胞応答が不十分である(本件文献96)。抗体及びメモリーB細胞は、急性中耳炎と、耳の病原体での鼻咽喉定着との後の耳炎好発性小児で検出可能であったため(
図6A−B)、本研究からの知見は上記実施例からの知見(すなわち、耳炎好発性小児は一部の抗体応答を発生する場合があること)を確認する。しかし、抗原特異的メモリーB細胞発生及び/又はメモリーCD4
+T細胞発生が起こらない以上、抗体レベルは減衰し、耳炎好発性小児は適切な血清抗体レベルを維持できないで急性中耳炎感染を繰り返しやすくなる。
【0136】
肺炎球菌多糖類結合型ワクチンは、抗多糖類抗体の保護レベルを増強するのに役立つが(本件文献86)、血清型の多様性が菌株特異的な抗多糖類抗体の保護薬効の限界となる(95)。しかし、耳炎好発性小児は結合型ワクチンに対する血清型特異的抗体を誘発できるという事実にもかかわらず、再発性感染がこの感染しやすい群では普通であり(本件文献86)、血清型中和免疫は短期的で不完全であることを示す。
【0137】
興味深いことに、循環中のPhtD特異的メモリーB細胞の百分率は血清PhtDレベルと相関した(
図6C)。PcpA及びPlyD1に対する抗原特異的B細胞の百分率と血清抗体レベルとは差があることが観察された(
図6A−B)。
【0138】
結論として、本研究で評価される抗原に関して、耳炎好発性小児では抗体分泌細胞に分化できるメモリーB細胞の発生が有意に低い。この知見の臨床的関連性は明かである。抗原特異的メモリーB細胞は血清抗体維持用貯蔵庫として働き、抗原再遭遇に際して、前記メモリーB細胞は抗体分泌細胞に増殖して血清抗体レベルの上昇をもたらす。発明者らは、耳炎好発性小児はIgG分泌細胞全部が欠落しているのではないことを見いだした。さらに、発明者らのフロー・サイトメトリー結果は、ポリクローナル刺激に応答して、耳炎好発性小児はメモリーB細胞(CD19
+IgD
−)の抗体分泌形質細胞(CD27
+CD38
+CD138
+)への転換メカニズムに機能不全があるわけではないことを示した(データは示されない)。
【0139】
これらのデータは、肺炎球菌抗原特異的応答は急性中耳炎又は鼻咽喉定着後の耳炎非好発性小児及び耳炎好発性小児の両方に見られることを示す。耳炎好発性小児では応答の低減が見られるが、それでも、自然な感染又は定着後のこれらの小児で応答が見られ、肺炎球菌への自然な曝露の後に認められる免疫低応答を軽減するため、上記のとおり(例えば実施例2)、PhtD、PhtE、PxpA、LytB及び無毒化ニューモリシン(例えばPlyD1)の少なくとも1種類以上を含むワクチン組成物を投与することを支持する。
【0140】
実施例の方法、タンパク質、組成物その他の特徴が説明されたが、本発明、開示内容又は出願の範囲を制限すること、あるいは、いかなる方法でも限定することは出願人の意図ではない。修正、改変及び変更は、当業者には容易に明かであろう。したがって、本開示内容は、本明細書に示され、説明される、具体的な詳細、代表的な装置及び実施例に限定されない。配列表が本明細書とともに提出され、本開示の一部とされる。
【0141】
以上に引用された全ての文献の内容は、引用により本明細書に取り込まれる。“a”及び“the”のような単数形の本明細書での使用は、文脈がその反対であると示さないかぎり、対応する複数形の表示を排除しない。したがって例えば、ある請求項が“a X or Y”の使用を記載する場合、特記がなければ、2個以上のX又はYの使用もカバーするものと解釈できる。用語(又は)が明細書の説明又は特許請求の範囲に用いられる範囲(例えば、A又はB)で、「Aか、Bか、両方か」を意味することを意図する。意図が「Aか、Bかだけで、両方ではない」の状況では、「AかBかだけで、両方ではない」という用語が用いられるであろう。したがって、本明細書における用語「又は」は、両立的に用いられ、排他的な意味ではない。
【0142】
他の実施態様
1.肺炎球菌性急性中耳炎の再発罹患のリスクのある患者における肺炎球菌感染を原因とする急性中耳炎の再発を予防又は治療するための方法であって、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも1種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む組成物の治療上有効量を前記患者に少なくとも1回投与することを含む、方法。
2.前記患者は急性中耳炎のエピソードを少なくとも1回経験している、実施態様1記載の方法。
3.前記患者は急性中耳炎のエピソードを、6ヶ月間に3回以上か、12ヶ月間に4回以上か経験している、実施態様2記載の方法。
4.前記患者は、急性中耳炎を罹患しているか、あるいは、発症のリスクがある、実施態様1記載の方法。
5.前記患者は急性中耳炎を罹患している、実施態様4記載の方法。
6.前記組成物の投与は抗原特異的CD4+T細胞の産生を惹起又は増強する、実施態様1記載の方法。
7.組成物の投与は、IFN−γ、IL−4、IL−2及び/又はIL−17aを産生する抗原特異的CD4+T細胞の産生を惹起又は増強する、実施態様6記載の方法。
8.IFN−γ、IL−4、IL−2及び/又はIL−17aを産生する抗原特異的CD4+T細胞の百分率は、前記組成物の投与直前に存在した抗原特異的CD4+T細胞の百分率に対して増大する、実施態様7記載の方法。
9.投与はIFN−γ、IL−4、IL−2及び/又はIL−17aサイトカインの産生を刺激する、実施態様1記載の方法。
10.前記組成物はアジュバントをさらに含む、実施態様1記載の方法。
11.患者における肺炎球菌感染が原因の急性中耳炎の再発を予防又は治療に使用するための、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシンからなる群より選択される少なくとも1種類の、単離および実質的に精製された免疫原性ポリペプチドを含む組成物。
12.前記患者は急性中耳炎のエピソードを少なくとも1回過去に経験している、実施態様11記載の組成物。
13.前記患者は急性中耳炎のエピソードを、6ヶ月間に3回以上か、12ヶ月間に4回以上か経験している、実施態様11記載の組成物。
14.前記患者は、急性中耳炎を罹患しているか、あるいは、発症のリスクがある、実施態様11記載の組成物。
15.前記患者は急性中耳炎を罹患している、実施態様14記載の組成物。
16.組成物の投与は抗原特異的CD4+T細胞の産生を惹起する、実施態様11記載の組成物。
17.組成物の投与は、IFN−γ、IL−4、IL−2及び/又はIL−17aを産生する抗原特異的CD4+T細胞の産生を惹起する、実施態様16記載の組成物。
18.組成物の投与は、前記少なくとも1種類の単離および精製された免疫原性ポリペプチドを欠く組成物の投与と比較して、IFN−γ、IL−4、IL−2及び/又はIL−17aを産生する抗原特異的CD4+T細胞の百分率を高める、実施態様16記載の組成物。
19.投与は、IFN−γ、IL−4、IL−2及び/又はIL−17aサイトカインの産生を促進する、実施態様11記載の組成物。
20.組成物はさらにアジュバントを含む、実施態様11記載の組成物。
21.前記組成物は、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも2種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む、実施態様1記載の方法。
22.前記組成物は、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも3種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む、実施態様1記載の方法。
23.肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも4種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む、実施態様1記載の方法。
24.肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも5種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む、実施態様1記載の方法。
25.前記無毒化ニューモリシンは、野生型配列の第65番目、第293番目及び第428番目の位置にアミノ酸置換を含む突然変異型ニューモリシンタンパク質である、実施態様1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、21、22、23及び24のいずれか1項記載の方法。
26.前記3箇所のアミノ酸置換は、T65→C、G293→C及びC428→Aを含む、実施態様25記載の方法。
27.前記組成物は、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも2種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む、実施態様11記載の組成物。
28.前記組成物は、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも3種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む、実施態様11記載の組成物。
29.前記組成物は、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも4種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む、実施態様11記載の組成物。
30.前記組成物は、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも5種類の、単離および精製された免疫原性ポリペプチドを含む、実施態様11記載の組成物。
31.前記無毒化ニューモリシンは、野生型配列の第65番目、第293番目及び第428番目の位置にアミノ酸置換を含む突然変異型ニューモリシンタンパク質である、実施態様11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、27、28、29及び30のいずれか1項記載の組成物。
32.前記3箇所のアミノ酸置換は、T65→C、G293→C及びC428→Aを含む、実施態様31記載の組成物。
33.前記組成物はワクチンである、実施態様11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、27、28、29、30、31及び32のいずれか1項記載の組成物。
34.前記患者は、肺炎球菌感染が原因の急性中耳炎のエピソードを経験し、適切な抗生物質療法の少なくとも48時間後に細菌の除去及び/又は徴候の消失を達成できなかった、実施態様1記載の方法。
35.前記患者は、肺炎球菌感染が原因の急性中耳炎のエピソードを経験し、該急性中耳炎のための抗生物質治療コースを完了して14日以内に急性中耳炎の徴候が再発した、実施態様1記載の方法。
36.前記患者は、肺炎球菌感染が原因の急性中耳炎のエピソードを経験し、適切な抗生物質療法の少なくとも48時間後に細菌の除去及び/又は徴候の消失を達成できなかった、実施態様10記載の組成物。
37.前記患者は、肺炎球菌感染が原因の急性中耳炎のエピソードを経験し、該急性中耳炎のための抗生物質治療コースを完了して14日以内に急性中耳炎の徴候が再発した、実施態様10記載の組成物。
38.肺炎球菌急性中耳炎再発症のリスクがある患者における肺炎球菌感染が原因の急性中耳炎の再発のリスクを低減する方法であって、肺炎球菌PhtD、PhtE、PcpA、LytB及び無毒化ニューモリシン、またはそれらの免疫原性断片からなる群より選択される少なくとも1種類の、単離および実質的に精製された免疫原性ポリペプチドを含む免疫原性組成物の治療上有効量を前記患者に投与することを含む、方法。
【0143】
【表2】
【0144】
【表3】
【0145】
本件文献のリスト
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