【実施例1】
【0020】
図1〜
図5に示すように、本発明の一例であるハンドルロック装置1は、挟持部2と、当接部3と、クサビ11と、錠12とからなる。
【0021】
挟持部2は、本体2rと、側面2fと、前クッション2p、2p及び後クッション2qとかなる。
【0022】
本体2rは、第一面2aと正面2cと第二面2dとからなり、断面コの字型で、ハンドルロック装置1をドアに装着する際、内部スペース2nにハンドルを収納する。第一面2aと第二面2dには、対向する位置に、第一スリット2b及び第二スリット2eが穿設され、後述のクサビ11の挿通穴となる。
【0023】
本体2rの第一面2aと第二面2dには、前脚2g、2g及び後脚2h、2hを備え、当接部3と前脚2g間に第一切欠2iを、前脚2gと後脚2hの間に第二切欠2kを形成する。第一、第二切欠2i、2kは、ドア構造、装飾、ハンドルユニットなどの凹凸を回避する空間となり、それら空間により、ハンドルロック装置1を多様な形状のドアに、見栄えもよく、確実に装着するよることができるようにする。
【0024】
前脚2g及び後脚2hの端部には、衝撃緩衝素材などの保護材2mを備える。保護材2mは、前後脚2g、2hによってドアを傷つけることを防止するとともに、保護材2mの厚みを調節することで、挟持部2とドア面との距離を調節し、ハンドルロック装置1がドア面に対して、ブレ、傾斜して装着されることを防止、改善する。
【0025】
側面2fは、本体2rのドア枠に当接する側を封止し、収納したハンドルの抜けを阻止する。前クッション2p、2p及び後クッション2qは、第一面2aと第二面2dの内面に貼付され、収納された多種多様な形状のハンドルをホールドし、またハンドルを傷から保護する。
【0026】
当接部3は、側面2f端部より本体2r長手方向に直交して垂下した本体2rより幅広の板であるあて木4と、あて木4のドア枠方向に回動可能に取り付けた回転爪5と、あて木4の上部と挟持部2の本体2rの第一、第二面2a、2dに、ドア面と略水平になるよう、渡された第一補強板4a、第二補強板4bを備える。
【0027】
ハンドルの回動を阻止するため、挟持部はハンドルを挟持すればよく、当接部はドア枠に当接してハンドルを保持する本体によりハンドルの回動を阻止すればよく、それらの形状はここで例示したT字型に限定されるものではない。
【0028】
回転爪5を備えることなく、ドア枠に十分な凸部を有するのであれば、あて木4をドア枠に当接させてもよい。あて木4の端部には、ドア面に当接することから、ドア面を傷から防ぐためにビロード生地などの保護材4cを貼付してある。
【0029】
第一補強板4a及び第二補強板4bは、あて木4に掛かる負荷を分散して受けて、あて木4の強度を高め、破損を防止するために用いている。補強板の形状は、例えば、ハンドルの回転方向が一方であれば、その回転を阻止する一方側に設けるだけでよい。
【0030】
回転爪5は、あて木4に回動可能に取り付けられたプレート5aと、プレート5aの両端から突出した爪5bとからなる。プレート5aに穴を穿設し、穴にネジ5cを通し、ネジ5cをあて木4に螺合させることで、回転爪5を回動可能に取り付けることができる。
【0031】
爪5bは、ドア枠に当接できる凸部が十分にないときで、ドアとドア枠の隙間がある場合に、回転爪5を回転(
図5円矢印)させ、あて木4より爪5bを突出させて(
図5)、爪5bをドアとドア枠の隙間に挿入して、挟持部2と当接部3の形状に依拠して、ハンドルの回動を阻止し、ドアの開放を規制する。また、回転爪5のドア枠への当接面側には、傷付き防止のため、保護材5dを貼付するとよい。ドアとドア枠との隙間が狭い場合には、保護材5dを用いない。また、爪5bには、ハンドルを回動させようとする大きな力が負荷されることから、強度が必要で、ステンレス、鉄などの金属、強化プラスチックなどの素材で回転爪5を製造することが望ましい。
【0032】
回転爪5を備えることで、ドア枠及びドア面の構造が異なるドアの内側及び外側の両方のハンドルを固定して、ドアのいずれからでも施錠するが可能になる。
【0033】
クサビ11は、挟持部2でハンドルを挟持した後、コの字型本体2rの対向する第一面2a、第二面2dに穿設された第一スリット2b、第二スリット2eに挿通し、ハンドルをコの字型挟持部2に押し当てて、ハンドルロック装置1をハンドル及びドア枠の間に着脱可能に固定する。本体は、コの字型の他、ハンドルを内部に収納する筒なども採用でき、ハンドルを挟持する他、ハンドルを包む方式なども採用できる。
【0034】
クサビ11の形状としては、例えば、
図1に示すように、第一スリット2b及び第二スリット2eの幅と同定度の幅の上部11aと、錠12を固定する穴11dが複数穿設された上部11aより細身の下部11bとを備え、上部11aと下部11bは、一方の辺は直線上に位置し、他方は斜めの斜辺11cを形成して連設される。上部11aの上部には、第一スリット2b及び第二スリット2eの幅より幅広になる凸部11eを設けてある。凸部11eは第一スリット2b及び第二スリット2eに係止され、第一スリット2b及び第二スリット2eからクサビ11が脱落することを防ぐ。
【0035】
クサビ11を第一スリット2b及び第二スリット2eに差し込むことで、斜辺11cがハンドルを正面2cに押し当てて(
図9)ハンドルロック装置1がハンドルにホールドされる。クサビ11は上下を逆転して挿入しても使用可能である。本体2rの上側に錠12が位置して、施錠、解除操作がし易くなる利点がある。斜辺11cを備えることで、ハンドルの大きさ、ハンドルとドア面との距離の違いなど多種多様のハンドル形状に対応して、ハンドルをホールドすることができ、極めて汎用性の高いハンドルロック装置になる。
【0036】
錠12は、クサビ11を第一スリット2b及び第二スリット2eに挿通したうで、下部11bに穿設された穴11dに錠12の輪部を掛け、クサビ11を本体2rから抜かれることを阻止し、ハンドルロック装置1のハンドルからの取り外しを制限する。錠12は、カギ12aで施錠解除される。
【0037】
ここでは、ハンドルが、
図14に示すように、L形状のレバー式でなく、筒形のノブ式の場合、挟持部とノブとの間に、クッション介在させ、挟持部と当接部の形状に依拠して、ハンドルの回動を阻止して、ドアの開放を規制する方法が採用できる。具体的には、挟持部に螺合するネジの螺合で、前記クッションを前記ノブに押し当てて前記ノブを挟持部で挟み、クッションの摩擦抵抗で、ノブに固定し、ノブ用の挟持部は、挟持部に接続して設けられた当接部のドア枠へ接触又はドア枠とドアの隙間への爪の嵌入で、ノブの回動を阻止し、ドアの開放を規制する。
【0038】
なお、挟持部2は、ドアのハンドルに触れ、当接部3とともに、それらの形状に依拠して、ハンドルの回動を阻止する形状(接触部)であれば特に限定されない。実施例1の他、例えば、ハンドルに上面又は底面に沿う添え木が接触部で、当接部がドア枠に当接し、添え木と当接部を所定の角度で接続して、突っ張り棒方式で、ハンドルの回動を阻止する方式などであってもよい(
図15)。所定の角度で接続としては、実施例1のように直角に直接連設、また
図15に示す斜めの突っ張り棒9〜9bを介在するなどによる間接的な接続があり、接触部と当接部が直接又は間接的に連設、接続、連通、連結していることを意味する。接触部の接触とは、ハンドルを、挟持、包み、載置、支持、係止など、ハンドルと接触部が接触すること、さらに一体となり、接触部がハンドルに保持された状態を含む。
【0039】
次に、
図6〜
図9を参照して、ドア34の室内側の内ハンドル35cへの取り付けについて説明する。なお、ここでは、ドア34を便宜状、室内側と室外側に区別しているが、当該説明とは逆に取り付けられ、開閉するドアもあり、それらにも本発明は適用できる。
【0040】
図6に示すように、本発明のハンドルロック装置1で、施錠機能なしのドア34の室内側の内ハンドル35cの回動を阻止し、ドア34の開放を規制する方法について説明する。内ハンドル35cは、
図6(A)に示すように略棒状で、(B)に示すように平面視L字で、ハンドルユニット35の数mm厚のケース35bから回動可能に突出している。ドア枠32は、室内側に突出した内枠32aを備える。内枠32aの突出は、爪5bの利用なしに回動を阻止するにはやや不安な突出程度であった。隙間31aは、爪5bが挿入できる十分は幅である。
【0041】
図6(C)に示すように、内ハンドル35c(点線)を挟持部2のスペース2nに収納し、クサビ11を上面に位置する第一スリット2bから、下部11bを先頭に挿入する。そうすると、
図9のような位置に内ハンドル35cが挟持部2内で固定され、ハンドルロック装置1が内枠32aと内ハンドル35cとで位置固定される。なお、保護材2mの厚みを調節して、ドア34の内面34aの窪み34bに、ぐらつきなく、見栄えよく保護材2mが当接している。
図10においても同じ。
【0042】
そして、
図8、9に示すように、ハンドルロック装置1の下方で錠12によって、クサビ11が施錠されて挟持部2から抜けを防ぐとともに、クサビ11の斜辺11cで内ハンドル35cを正面2c側に押し付け、ハンドルロック装置1のぐらつき、抜け、それに伴う誤操作(ドア34の開放)を防止している。
【0043】
次に、
図10〜
図13を参照して、ドア34の室外側の外ハンドル35dへの取り付けについて説明する。
【0044】
図10に示すように、本発明のハンドルロック装置1で、施錠機能なしのドア34の室外側の外ハンドル35dの回動を阻止し、ドア34の開放を規制する方法について説明する。外ハンドル35dは、
図10(A)に示すように、内ハンドル35cと同形状である
【0045】
ドア枠32は、室外側に突出したストッパ32c備える。ストッパ32cは、爪5bの利用を必要としない程度に十分に突出しており、室内側と異なりハンドルロック装置1の回転爪5を180°回転(
図5)させて、外ハンドル35dに装着した。
【0046】
図10(C)に示すように、外ハンドル35d(点線)を挟持部2のスペース2nに収納し、クサビ11を上面に位置する第一スリット2bから、下部11bを先頭に挿入する。そうすると、
図13のような位置に外ハンドル35dが挟持部2内で固定され、ハンドルロック装置1がストッパ32cと外ハンドル35dとで位置固定される。
【0047】
そして、
図12、13に示すように、ハンドルロック装置1の下方で錠12によって、クサビ11が施錠されて挟持部2から抜けを防ぐとともに、クサビ11の斜辺11cで外ハンドル35dを正面2c側に押し付け、ハンドルロック装置1のぐらつき、抜け、それに伴う誤操作(ドア34の開放)を防止している。内面34a及び内ハンドル35cと、外面34c及び外ハンドル35dとでは、第一面2a、第二面3dとが上下反転して使用される。