特許第6178485号(P6178485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6178485
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】散水システム付き芝生グラウンド
(51)【国際特許分類】
   E01C 13/00 20060101AFI20170731BHJP
   E01C 13/02 20060101ALI20170731BHJP
   E01C 13/08 20060101ALI20170731BHJP
   A01G 1/00 20060101ALI20170731BHJP
   A01G 25/02 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   E01C13/00 A
   E01C13/02
   E01C13/08
   A01G1/00 301C
   A01G25/02 602B
   A01G25/02 605
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-229433(P2016-229433)
(22)【出願日】2016年11月25日
【審査請求日】2017年3月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592078025
【氏名又は名称】長谷川体育施設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502391600
【氏名又は名称】株式会社テクノコア
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】竹内 俊裕
(72)【発明者】
【氏名】保坂 洋三
(72)【発明者】
【氏名】替場 信一
(72)【発明者】
【氏名】濱本 剛
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 順一朗
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−155638(JP,A)
【文献】 特開昭48−061227(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0251830(US,A1)
【文献】 特開平04−054988(JP,A)
【文献】 特開2000−240005(JP,A)
【文献】 特開平10−192475(JP,A)
【文献】 特開2006−177130(JP,A)
【文献】 特開平08−242710(JP,A)
【文献】 特開2002−275876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 13/00
A01G 1/00
A01G 25/02
E01C 13/02
E01C 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤と、
該基盤上に設置され、空隙部分を有する板状剛性構造体と、
該板状剛性構造体上に設置された人工芝生または天然芝生と、
を有し、
前記人工芝生は、基布と、該基布に植設された複数のパイルと、前記基布上で前記複数のパイル間に粒状物が充填されてなる充填層と、を有し、
前記天然芝生は、土層と、該土層内に根が張り、前記土層の表面から芝葉が延びた天然芝と、を有し、
前記板状剛性構造体の前記空隙部分に給水管が配置され、
該給水管に散水用可撓性ノズルが連結され、
該散水用可撓性ノズルは、前記充填層または前記土層に埋設した基部と、該基部から延び、前記充填層または前記土層から突出した、先端が噴出口となるチューブと、を有し、
前記給水管から前記散水用可撓性ノズルに水を供給することで、前記チューブがランダムに振動しながら前記噴出口から水滴が噴出して、前記人工芝生または前記天然芝生への乱散水が可能であることを特徴とする散水システム付き芝生グラウンド。
【請求項2】
前記基部が板状部材である、請求項1に記載の散水システム付き芝生グラウンド。
【請求項3】
前記板状剛性構造体は、合成樹脂製の素線がランダムなループ状に延在した立体網状体からなる排水材である、請求項1または2に記載の散水システム付き芝生グラウンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散水システム付き芝生グラウンドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、芝生グラウンドへの散水に用いられる散水装置は、芝生グラウンド面の下に位置するアスファルトコンクリート等からなる基盤に埋設された給水管と、上記給水管に接続されたノズルと、を有している。そして、水供給源から上記給水管に水を供給すると、上記ノズルの先端から水が噴出され、散水が行われる。
【0003】
特許文献1には、フィールド用散水装置として、以下の技術が記載されている。すなわち、給水ポンプに接続された給水管が基盤に埋設されており、給水管には可動式の散水ヘッドが取り付けられている。散水を行わないときは、散水ヘッドは、基盤中に深く埋められている。散水を行うときは、給水ポンプの水圧により散水ヘッドが地上に浮上し、散水ヘッドから水が噴出される。
【0004】
特許文献2には、グラウンドの環境を制御するシステムにおける噴霧装置として、以下の技術が記載されている。すなわち、給水ポンプに接続された給水管が基盤に埋設されており、給水管の末端には、基盤表面に達する立ち上がり管が取り付けられている。また、立ち上がり管の先端には、細霧噴霧ノズルが取り付けられている。噴霧を行うときは、給水ポンプから給水管に水が供給され、立ち上がり管を介して細霧噴霧ノズルから水が細霧として放散される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−242710号公報
【特許文献2】特開2006−177130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らは、特許文献1に記載の散水装置および特許文献2に記載の噴霧装置には、以下の問題があることを認識した。
【0007】
特許文献1に記載の散水装置では、給水管が基盤に埋設されており、散水ヘッドも、散水を行わないときは基盤中に深く埋められている。また、特許文献2に記載の噴霧装置でも、給水管が基盤に埋設されている。そのため、既設の芝生グラウンドに上記のような散水システムを施工する場合には、基盤を掘り返して配管工事をする必要があり、施工に手間とコストがかかる。また、散水ヘッドや細霧噴霧ノズルのメンテナンス時にも、基盤を掘り返す必要があり、やはり手間やコストがかかる。
【0008】
また、特許文献1に記載の散水装置では、散水を行うときは散水ヘッドが地上に浮上する。そのため、散水を行うときは、グラウンドの使用を中断しなければならず、競技等の支障になるという問題がある。
【0009】
また、特許文献2に記載の噴霧装置では、細霧噴霧ノズルから水が細霧として放散される。ここで、細霧は風の影響を受けやすく、冷却効果に劣るという問題がある。さらに、細霧を噴霧する場合、水を散水する場合に比べて、散水領域が半径1〜1.5m程度と狭く、効果的にグラウンドを冷却することができないという問題がある。
【0010】
本発明は上記課題に鑑み、散水システムの施工およびメンテナンス時における手間やコストを低減することができ、さらに、競技等の支障なく効果的に芝生グラウンドを冷却することができる散水システム付き芝生グラウンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)基盤と、
該基盤上に設置され、空隙部分を有する板状剛性構造体と、
該板状剛性構造体上に設置された人工芝生または天然芝生と、
を有し、
前記人工芝生は、基布と、該基布に植設された複数のパイルと、前記基布上で前記複数のパイル間に粒状物が充填されてなる充填層と、を有し、
前記天然芝生は、土層と、該土層内に根が張り、前記土層の表面から芝葉が延びた天然芝と、を有し、
前記板状剛性構造体の前記空隙部分に給水管が配置され、
該給水管に散水用可撓性ノズルが連結され、
該散水用可撓性ノズルは、前記充填層または前記土層に埋設した基部と、該基部から延び、前記充填層または前記土層から突出した、先端が噴出口となるチューブと、を有し、
前記給水管から前記散水用可撓性ノズルに水を供給することで、前記チューブがランダムに振動しながら前記噴出口から水滴が噴出して、前記人工芝生または前記天然芝生への乱散水が可能であることを特徴とする散水システム付き芝生グラウンド。
【0012】
(2)前記基部が板状部材である、上記(1)に記載の散水システム付き芝生グラウンド。
【0013】
(3)前記板状剛性構造体は、合成樹脂製の素線がランダムなループ状に延在した立体網状体からなる排水材である、上記(1)または(2)に記載の散水システム付き芝生グラウンド。
【発明の効果】
【0014】
本発明の散水システム付き芝生グラウンドは、散水システムの施工およびメンテナンス時における手間やコストを低減することができ、さらに、競技等の支障なく効果的に芝生グラウンドを冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一の実施形態による散水システム付き芝生グラウンド100の模式断面図である。
図2】(A)は、給水管40を嵌め込むための空隙を設ける前の板状剛性構造体20の斜視図であり、(B)は、(A)のI−I断面図であり、(C)は、給水管40を嵌め込むための空隙を設けた後の板状剛性構造体20の断面図である。
図3図1に示す散水システム付き芝生グラウンド100の平面図である。
図4】(A)は、図1中の散水用可撓性ノズル50の平面図であり、(B)は、その側面図であり、(C)は、散水用可撓性ノズルのチューブの好適な先端形状を示す斜視図である。
図5図1中の散水用可撓性ノズル50のチューブ54がランダムに振動しながら、噴出口59から水滴が噴出する状態を説明する図である。
図6】本発明の第二の実施形態による散水システム付き芝生グラウンド200の模式断面図である。
図7-1】(A)〜(C)は、図1の散水システム付き芝生グラウンド100の施工方法を説明する工程図である。
図7-2】(D)〜(E)は、図7−1(A)〜(C)に引き続き、図1の散水システム付き芝生グラウンド100の施工方法を説明する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第一の実施形態)
図1を参照して、本発明の第一の実施形態による散水システム付き芝生グラウンド100を説明する。散水システム付き芝生グラウンド100は、基盤10と、板状剛性構造体20と、人工芝生30と、給水管40と、散水用可撓性ノズル50と、を有する。
【0017】
(基盤)
図1を参照して、基盤10は、砕石及び固結剤から構成することができ、例えば、砕石を固着剤によって網目状に連結して固結一体化し、その後表面を平坦化することによって形成することができる。より好適には、砕石として大径砕石体とこれよりも小径の小径砕石体とを用いて、大径砕石体を敷き詰めた上から、小径砕石体を敷き詰め、弾性を有する固結剤によって小径砕石体同士を網目状に連結して固結一体化する。これにより、基盤10の表面をより平坦にできる。固結剤としては、合成樹脂含有水系バインダーまたは合成樹脂含有溶剤系バインダーを好適に用いることができ、後者として例えば、ウレタン樹脂に溶剤を含有させたウレタンバインダーを用いることができる。基盤10は、上記のように砕石からなるものに限定されず、表面を平坦面に形成できるものであればよく、例えば、アスファルトコンクリートや透水コンクリートの打設によって形成してもよく、他の方法によって形成してもよい。
【0018】
(板状剛性構造体)
板状剛性構造体20は、空隙部分を有しており、図1に示すように基盤10上に設置される。この空隙部分には、後述する給水管40が配置される。本発明では、このように給水管40が基盤10に埋設されないことが重要である。これにより、散水システムの施工およびメンテナンス時における手間やコストを低減することができる。
【0019】
板状剛性構造体20の形状は、その空隙部分に給水管を配置することができるものであれば特に限定されないが、その厚さは、散水場所に応じて適宜選択される給水管の外径よりも厚くすることが好ましい。また、板状剛性構造体20は、後述する充填層36を形成する際に使用するサンドスプレッダーや競技者、整備者などによる荷重に耐えられるものであれば特に限定されず、基盤と芝生との間に設けられる公知または任意の排水材やクッション材を挙げることができる。板状剛性構造体がクッション材の場合には、衝撃吸収性という付加的な効果も兼ね備える。
【0020】
本実施形態では、排水効果をより高める観点から、板状剛性構造体20は、合成樹脂製の素線がランダムなループ状に延在した立体網状体からなる排水材とする。その一例として図2(A),(B),(C)に示す構造体を挙げることができる。
【0021】
図2(A),(B)に示すように、給水管40を嵌め込むための空隙を設ける前の板状剛性構造体20は、ポリプロピレン等の硬質合成樹脂製の多数本のモノフィラメントをランダムなループ状に堆積して形成される縦長平板状の構造体である。この板状剛性構造体20は、厚み部24と、その上下を被覆する上部被覆層28Aと下部被覆層28Bとからなる。
【0022】
厚み部24は、太径モノフィラメント22Aがらせん状に延在して形成されている。複数列のらせん状の太径モノフィラメント22Aが、その中心軸が互いに平行になるように隣接して配列され、その結果、円筒状空洞部26が複数列にわたって区画されている。
【0023】
上部被覆層28Aおよび下部被覆層28Bは、細径モノフィラメント22Bがループ状のまま潰れた状態で堆積して形成される。そのため、この板状剛性構造体20の表層部を構成する上部被覆層28Aおよび下部被覆層28Bでは、隙間が均一に分布している。
【0024】
この板状剛性構造体20は、被覆層部の隙間(線条網状)で集水する機能と、厚み部24の円筒状空洞部26で通水する機能を併せ持ち、しかも、高い耐圧強度を備える。この板状剛性構造体20に関しては、特開2002−275876号公報にその詳細が記載されている。
【0025】
本実施形態で用いる板状剛性構造体20は、図2(C)に示すように、図2(A),(B)に示す立体網状体を基本構造として、給水管40を嵌め込むための空隙(溝)が設けられたものである。すなわち、図2(A),(B)に示す複数列の円筒状空洞部26のうち一列が存在せず、また、当該部分の下部被覆層28も存在しないようにする(図2(C)参照)。この部分が、給水管40を嵌め込むための空隙となる。このような空隙を有する板状剛性構造体20は、太径モノフィラメント22Aと細径モノフィラメント22Bの射出を制御することによって、製造することができる。
【0026】
この板状剛性構造体20の素線間の空隙に砂を充填してもよい。ここでは、後述する充填層36に含まれ得る砂と同様のものを用いることができる。
【0027】
(人工芝生)
図1を参照して、人工芝生30は、板状剛性構造体20上に設置される。人工芝生30は、基布32と、基布32に植設された複数のパイル34と、基布32上で前記複数のパイル34間に粒状物が充填されてなる充填層36と、を有する。
【0028】
基布32の種類は特に限定されず、一般的な人工芝生に用いられる基布を好適に用いることができ、例えばポリプロピレン製またはポリエチレン製の平織りの織布を挙げることができるが、材質や織り方を変更してもよく、不織布を用いてもよく、これ以外のシート体を用いてもよい。また、基布32の裏面には、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等の、パイル34を基布32に固定するためのバッキング材(図示せず)が設けられている。さらに、図1に示すように、本実施形態における基布32およびバッキング材には、後述するソケット42を通すための孔が予め設けられている。
【0029】
パイル34としては、任意または公知の人工芝用パイルを用いることができ、例えば、モノフィラメントパイル、フィルムヤーンパイル、及びスプリットヤーンパイルから選択される一種または二種以上の組み合わせとすることができる。パイル34の素材は特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフイン系合成樹脂やポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の各種合成樹脂を好適に用いることができる。パイル34の植設密度も特に限定されず、従来と同様に適宜設定すればよい。
【0030】
充填層36の厚さは特に限定されないが、競技性等の観点から50mm以上とすることが好ましい。また、充填層36の厚さの上限は特に限定されないが、一般的な人工芝のパイル長さを考慮すると80mm程度である。また、パイル34の高さは、充填層36の表面からパイル34が10〜30mm程度突出する高さとすることが好ましい。
【0031】
充填層36を構成する粒状物は特に限定されず、任意または公知の人工芝用の粒状物を用いることができる。例えば、天然または合成ゴムチップ、発泡または非発泡の合成樹脂粒状物、コルクチップ、タイヤの粉砕物等の各種弾性粒状物や、砂を好適に用いることができる。芝生グラウンドの表面の高温化を抑制する観点や、充填層に適度な粘りと衝撃吸収性を付与する観点から、充填層36を構成する粒状物は、ヤシ科植物の果実の中果皮の粉末と砂とを含むことが好ましい。なお、当該粉末と砂との混合比については、適宜好適に調整することができる。以下では、当該粉末と砂について説明する。
【0032】
上記粉末の一実施形態として、ココヤシの果実の中果皮を粉砕して得た粉末を挙げることができる。ココヤシの果実は、外果皮という硬い殻に覆われている。外果皮の内側には、比較的軟質な中果皮が、そのさらに内側には内果皮がある。内果皮の内側には固体の胚乳の層があり、中心近くの空間には液体の胚乳が入っている。本実施形態では、中果皮のみを採取し、粉砕して得た粉末を用いる。
【0033】
当該粉末の製造方法の一例を説明する。まず、ココヤシの果実を一定期間水に浸しておき、塩分やカリウムなどを取り除く。その後、ココヤシの果実から中果皮を採取する。採取した中果皮を粉砕機にかけて、粉末状にする。その後、得られた粉末を所定の目開きのふるいにかけて、粉末から繊維状の中果皮を除去する。このようにして、本実施形態で用いる粉末を製造することができる。なお、粉末中の水分含有量を調整するためには、採取した中果皮、あるいは、粉砕した後の粉末状の中果皮に対して、適宜の条件で乾燥処理を行えばよい。
【0034】
上記粉末の最大粒径は、6.0mm以下とすることが好ましく、2.0mm以下とすることがより好ましい。人工芝生のパイル34間に充填される粒状物は一般的に粒径6.0mm以下に抑えられているためである。粉末にかけるふるいの目開きは、0mm〜9.5mmの範囲内とすることが好ましい。このようにすることで、粉末の平均粒径D50を1.0mm以下とすることができる。
【0035】
上記粉末の水分含有量は、15〜50質量%であることが好ましい。15質量%以上とすれば、高温化を十分に抑制でき、また、粘結性の低下を防ぐことができる。50質量%以下とすれば、粘結性の低下を防ぐことができる。
【0036】
なお、上記粉末はココヤシの果実の中果皮を粉砕した粉末に限定されず、ナツメヤシ、アブラヤシ、サゴヤシなどのヤシ科植物の果実の中果皮を粉砕した粉末でも、同様の効果を得ることができる。
【0037】
上記砂としては、少なくとも硅砂を用いることが好ましく、硅砂のみを単体で用いることがより好ましい。硅砂は固結しにくいので、ココヤシの果実の中果皮を粉砕した粉末との組み合わせによって得られる高い衝撃吸収性を維持しやすい。また、排水性の維持、空隙による保水性の維持という観点からも好ましい。
【0038】
上記砂(すなわち粒径が1/16〜2mmの砕屑物)としては、硅砂以外にも、種々の岩石を原料とした砕石、川砂、山砂などを挙げることができる。ただし、川砂および山砂は、採集直後の段階では一般的に、シルト、粘土、および有機物(動植物の腐敗物等)を含有するので、これらを取り除き、地質学上の「砂」のみの状態とすることが好ましい。
【0039】
上記砂の粒度分布は特に限定されないが、粒度バラつきが少ないことが好ましく、1〜2mmの範囲であることが好ましい。例えば、硅砂であればJIS標準砂の2号硅砂、3号硅砂、および4号硅砂の一種または二種以上の組み合わせで用いることが好ましい。
【0040】
(給水管)
図1を参照して、給水管40は、板状剛性構造体20の空隙部分に配置される。このように、給水管40が基盤10に埋設されないような構成とした効果については、上述したとおりである。また、給水管40は、後述する散水用可撓性ノズル50を連結するための上向きのソケット42を有する。本実施形態では、板状剛性構造体20の上面を構成する上部被覆層28Aには、多数の隙間が分布しているため、当該隙間にソケット42を挿通させることができる。ただし、板状剛性構造体が本実施形態のような立体網状体ではない場合には、板状剛性構造体には、給水管を配置するための空隙に加えて、ソケットを挿通させるための孔を設けておく。
【0041】
また、給水管40は、水供給源に接続される。水供給源としては特に限定されず、例えば、水圧が低い一般的な水道の蛇口でもよい。給水管に供給する水の水量および水圧をより増加させる観点からは、図3に示すように、モーター等により駆動される給水ポンプ44を用いることが好ましい。本発明では、この水量および水圧、ならびに後述する散水用可撓性ノズル50の形状および素材を適宜調整することにより、水滴の散水挙動を制御することができる。
【0042】
給水管40の寸法、長さ、及び、配設方法または配設間隔は、芝生グラウンドの大きさや、一箇所の散水用可撓性ノズル50からの散水領域の大きさを考慮して、適宜設定することができる。また、ソケット42の数および間隔も、同様に、芝生グラウンドの大きさや、一箇所の散水用可撓性ノズル50からの散水領域の大きさを考慮して、適宜設定することができる。例えば、給水管40としては、直径6.0〜15.0mm程度のビニル管またはビニルホースを用いることができる。
【0043】
(散水用可撓性ノズル)
図4(A),(B)及び図5を参照して、散水用可撓性ノズル50は、充填層36に埋設した基部52と、基部52から延び、充填層36から突出した、先端が噴出口59となるチューブ54と、を有する。また、散水用可撓性ノズル50は、連結部56を有している。この連結部56とソケット42とが接続することにより、散水用可撓性ノズル50は、給水管40に連結される。本実施形態では、図5に示すように、散水用可撓性ノズル50が基盤10に埋設されないこと、さらに、チューブ54が充填層36に完全には埋まらないことが重要である。これにより、散水用可撓性ノズルのメンテナンス時における手間やコストを低減することができる。
【0044】
給水管40から散水用可撓性ノズル50に水を供給すると、まずチューブ54の先端の噴出口59から水が柱状に流出する。そして、水量および水圧を次第に増加させると、ある値を境界にして、図5に示すように、チューブ54のランダムに振動するようになり、それとともに、噴出口59から水滴が噴出して、芝生グラウンドへの乱散水が可能となる。乱散水できる領域は、水供給源から給水される水の水量および水圧にも依るが、例えば、給水ポンプを用いた場合、散水用可撓性ノズル50の設置位置を中心にして最大で半径3m程度の領域内に水滴が乱散水される。これにより、芝生グラウンドを効果的に冷却することができる。なお、本発明における水滴とは、少なくとも100μm以上の粒径を有するものであり、霧よりも大きなものである。従って、本発明では、霧を用いる場合に比べて、風の影響が少ない。
【0045】
乱散水時の水量および水圧に関して、水量は各ノズルあたり0.3〜1.0L/分とすることが好ましく、水圧は、給水管内のノズルとの最近接部分で0.1〜0.5MPaとすることが好ましい。水量および水圧が下限値以上であれば、安定した乱散水が実現しやすく、上限値以下とすれば、長時間散水を続けても、ノズルの振動過多による先端の損耗を抑制して、乱散水の機能を維持することができるからである。
【0046】
以下では、図4(A),(B)及び図5を適宜参照して、このような散水挙動を実現する散水用可撓性ノズル50の素材および形状の一例について説明する。
【0047】
まず、散水用可撓性ノズル50は、図5に示すように、ランダムな散水挙動を実現し、かつ、チューブ54が充填層36から突出していても競技等の支障とならない程度の可撓性を有することが重要である。このような可撓性を有するものであれば、その具体的な素材は特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフイン系合成樹脂やポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の各種合成樹脂が挙げられる。
【0048】
連結部56の形状は、ソケット42に接続することができるものであれば特に限定されないが、一例として、図4(A),(B)に示す連結部56を挙げることができる。この連結部56は、チューブ54よりも外径が大きい円筒状の管であり、給水管40からの水を通すための流路58Aが形成されている。連結部56の強度を確保する観点からは、この管の外径は、5.5〜6.5mmとすることが好ましく、内径は、2.5〜3.5mmとすることが好ましい。
【0049】
図4(A),(B)を参照して、基部52には、給水管40から連結部56を介して供給された水をチューブ54に流すために、流路58Aと連通した流路58Bが形成されている。流路58Bの形状および直径は特に限定されないが、後述するチューブ54に設けられた流路58Cと同じとすることができる。
【0050】
充填層36において散水用可撓性ノズル50を固定し易くする観点から、図4(A),(B)に示すように、基部52を板状部材とすることが好ましい。板状部材の形状は特に限定されず、上記の観点から適宜設計することができる。一例として図4(A),(B)に示す基部52は、連結部56側の第一板状部52Aとチューブ54側の第二板状部52Bとを有する板状部材である。
【0051】
図4(A)の平面図において、第一板状部52Aは、チューブ54の延在方向に垂直な方向の幅を10.0〜18.0mmとすることが、上記の固定の観点から好ましい。また、図4(B)を参照して、第一板状部52Aの厚さは、連結部56である管の外径と同じ厚さである。ただし、第二板状部52Bに向かうにつれて厚みが漸減している。
【0052】
次に、図4(A)の平面図において、第二板状部52Bは、チューブ54の延在方向に垂直な方向の幅がチューブ54に向かって漸減するテーパー形状とすることができる。また、図4(B)に示すように、第二板状部52Bの厚さは、後述するチューブ54の外径と同じ大きさとすることができる。
【0053】
図4(A),(B)を参照して、チューブ54には、給水管40から連結部56及び基部52を介して供給された水をチューブ54の先端の噴出口59から水滴として噴出させるための、流路58Bと連通した流路58Cが形成されている。既述のような水滴の乱散水挙動を実現し、しかもチューブ54がその強度を確保しつつパイルに混在して競技の邪魔にならないようにする観点から、チューブ54の外径は、1.0〜3.0mm程度とすることができ、チューブ54の内径は0.8〜2.0mm程度とすることができ、チューブ54のうち充填層36から突出した部分の長さは、10.0〜30.0mmとすることが好ましい。
【0054】
噴出口から水滴をよりランダムに噴出させる観点から、チューブ54の先端の形状が図4(C)に示すように、長さ1.0〜20.0mmの半円筒形状であることが好ましい。このような形状とすることにより、チューブ54の先端から水滴が全方向にランダムに噴出しやすくなる。
【0055】
以上説明した本実施形態の散水システム付き芝生グラウンド100によれば、給水管40から散水用可撓性ノズル50に水を供給することで、チューブ54がランダムに振動しながら噴出口59から水滴が噴出して、人工芝生30への乱散水が可能である。そのため、効果的に人工芝生30を冷却することができる。また、給水管40が基盤10に埋設することなく板状剛性構造体20内に設けられていることから、施工およびメンテナンスが容易である。また、チューブ54は人工芝生のパイルに混在して、競技等の支障となることがない。
【0056】
なお、本実施形態の散水システム付き芝生グラウンド100では、図1に示すように、散水用可撓性ノズル50から散水していない状態において、前記チューブ54が充填層36から突出している。具体的には、前記チューブ54は、その先端が充填層36に接触するような折れ曲がりが生じない程度の剛性を備えている。このため、チューブ54の先端の流路58Cの開口に充填層36の粒状物が嵌り込んで詰まるような問題が生じにくくなされる。
【0057】
さらに、前記チューブ54には、前記人工芝生30のパイル34よりも大きな剛性を備えさせるのが好ましい。チューブ54にパイル34よりも大きな剛性を備えさせることで、図5に示すように散水用可撓性ノズル50から散水している状態において、振動するチューブ54が隣接するパイル34に接触した場合でもチューブ54の動きが阻害されにくく、効率的に散水することができる。
【0058】
(第二の実施形態)
図6を参照して、本発明の第二の実施形態による散水システム付き芝生グラウンド200を説明する。散水システム付き芝生グラウンド200は、基盤10と、板状剛性構造体20と、天然芝生70と、給水管40と、散水用可撓性ノズル50と、を有する。なお、第二の実施形態において、第一の実施形態における部材と同じものについては、同じ符号を用いて説明する。また、以下では、人工芝生30の代わりに天然芝生70とすること以外は、第一の実施形態の説明を援用する。
【0059】
(天然芝生)
図6を参照して、天然芝生70は、板状剛性構造体20上に設置される。天然芝生70は、土層72と、土層72内に根74が張り、土層72の表面から芝葉76が延びた天然芝78と、を有する。
【0060】
土層72は、天然芝を育成または活着させるための一般的な組成とすることができる。土層72には、天然芝78を育成するための肥料が含まれることが好ましい。当該肥料は、土層72中に均一に分散して存在してもよいし、上記混合粒状物によって、主たる土層72が形成された後に肥料が散布されるなどして、土層72の上層に局所的に存在していてもよい。肥料の種類は、天然芝を育成するための任意または公知の肥料を用いればよい。肥料の添加量は、天然芝の育成が適切に行われるように適宜調整すればよく、特に限定されない。また、土層72には目砂が含まれることが好ましい。
【0061】
板状剛性構造体20の空隙部分に土が落下するのを防止する観点から、板状剛性構造物の上に不織布等のシート体80を敷設することが好ましい。この場合には、シート体80には、ソケット42を通すための穴が予め設けられている。
【0062】
天然芝78の種類は特に限定されず、夏芝としてはティフトン等のバミューダグラス類、ノシバ、コウライシバ等が挙げられ、冬芝としてはベントグラス類、ライグラス類、ケンタッキー等のブルーグラス類、フェスク類等が挙げられ、これらから選択される一種または二種以上の組み合わせとすることができる。
【0063】
芝葉76の高さは特に限定されないが、天然芝78の風合いや柔らかさを得る観点からは25〜40mm程度とすることができる。
【0064】
本実施形態でも、第一の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。天然芝は人工芝ほど高温化しないものの、本実施形態によれば、芝生そのものの冷却のみならず、打ち水効果によって競技者の体感温度を下げる効果が期待でできる。
【0065】
(散水システム付き芝生グラウンドの施工方法)
図7−1,図7−2の(A)〜(E)を参照して、本発明の第一の実施形態による散水システム付き芝生グラウンド100の施工方法を説明する。
【0066】
まず、図7−1(A)に示すように、砕石を固着剤によって網目状に連結して固結一体化し、その後表面を平坦化することによって基盤10を形成する。その後、基盤10上に給水管40を配置する。また、給水管40を図示しない水供給源に接続する。
【0067】
次に、図7−1(B)に示すように、図2(C)に示した板状剛性構造体20を、基盤10上に配置された給水管40に嵌め込む。これにより、板状剛性構造体20の空隙部分に給水管40が配置される。その後、板状剛性構造体20の素線間の空隙に砂を充填してもよい。充填方法としては、例えば、板状剛性構造体20上に砂を散布し、これをブラシやサンドスプレッダー等の器具や人手によって空隙内に押込める作業が挙げられる。
【0068】
次に、図7−1(C)に示すように、基布32に複数のパイル34が植設されてなる人工芝を板状剛性構造体20上に設置する。この際、基布32に設けられた穴にソケット42を通す。
【0069】
次に、図7−2(D)に示すように、給水管40に設けたソケット42に図4(A),(B)に示した散水用可撓性ノズル50を連結する。
【0070】
次に、図7−2(E)に示すように、基布32上で複数のパイル34間に粒状物を充填して充填層36を形成する。なお、散水用可撓性ノズル50のチューブ54が充填層36から突出するようにする。充填方法としては、例えば、人工芝に粒状物を散布し、これをブラシやサンドスプレッダー等の器具や人手によって複数のパイル34間に押込める作業が挙げられる。
【0071】
このようにして、本発明の第一の実施形態による散水システム付き芝生グラウンド100を施工することができる。本発明の第二の実施形態による散水システム付き芝生グラウンド200も、散水用可撓性ノズル50及び天然芝生70を設置する工程以外は、上記工程と同様の手順で施工される。以下では、板状剛性構造体20の空隙部分に給水管40を配置した後の施工工程について説明する。
【0072】
天然芝生を用いる場合、散水用可撓性ノズル50を給水管40に連結する前に、板状剛性構造体20上に既述のシート体80を敷設してもよい。この場合、ソケット42が不織布80に設けた穴を通るように、不織布80を敷設する。次に、給水管40に設けたソケット42に図4(A),(B)に示した散水用可撓性ノズル50を連結する。
【0073】
次に、板状剛性構造体20上に土層72を形成する。その後、土層72に種子を散布もしくは充填し、または、土層72に苗を植えて、天然芝78を育成し、土層72内に根74が張り、土層72の表面から芝葉76が延びた状態とする。具体的には、天然芝を育成するための肥料を散布すること、目砂を散布すること、適度な水やりをすること、芝葉76の成長に合わせた刈込みを行うこと、等を適宜行い、十分な芝生の根74を土層72内に広げるようにする。このようにして、本発明の第二の実施形態による散水システム付き芝生グラウンド200を施工することができる。
【実施例】
【0074】
(発明例)
図7−1,図7−2の(A)〜(E)で説明した手順に従って、図3に示す散水システム付き芝生グラウンド100を施工した。
【0075】
板状剛性構造体としては、図2(A),(B)に示すような構造体(株式会社吉原化工製、もやいドレーン・標準タイプ、厚さ:25mm)に、図2(C)に示すような、給水管を嵌め込むための空隙を設けたものを用いた。
【0076】
人工芝生としては、12000デシテックスで、厚さ130μmおよび310μmの混織のパイル(モノフィラメントパイル)を用いた。充填層における粒状物としては、以下の混合粒状物を用いた。ココヤシの果実の中果皮を粉砕して得た粉末(スリランカ産)を用意した。この粉末は、目開き9.5mmのふるいにかけられたものであり、最大粒径は6.0mm、平均粒径D50は1.0mmである。なお、この平均粒径D50は、目開きの異なる複数のふるいを用いて、その目開きを通過する粉末の割合を測定し、積算質量%のグラフを作成し、積算値50%の粒径として求めた。ふるいの目開きは、0.075mm、0.106mm、0.250mm、0.425mm、0.85mm、2.00mm、4.75mm、9.5mmとした。この測定方法は、JIS A 1204「土の粒度試験方法」に従うものである。また、この粉末の水分含有量は、加熱減量法により測定したところ45.7質量%であった。この粉末と硅砂とを混合質量比を30:70にて予め混合して混合粒状物とし、この混合粒状物を複数のパイル間に充填した。なお、充填層の厚さは40mm、パイルの高さは65mmとした。
【0077】
給水管としては、グラウンドの外周には直径20mmのビニル管を用い、グラウンドの幅方向には直径8mmのビニルホースを10m間隔で配置した。ソケットの間隔は10mとした。水供給源としては、最大水量0.5L/分、および最大水圧0.3MPaの給水ポンプを用いた。
【0078】
散水用可撓性ノズルとしては、図4(A),(B)に示すような散水用可撓性ノズル50(株式会社テクノコア、レインカーテン(登録商標))を用いた。まず、連結部の外径は6.0mmであり、内径は3.0mmである。次に、図4(A)の平面図において、第一板状部52Aは、チューブの延在方向に垂直な方向の幅が15.0mmである。チューブの外径は2.0mmであり、内径は1.0mmである。また、チューブのうち充填層から突出した部分の長さは20mmとした。
【0079】
(評価方法および評価結果)
外気温32℃下で、発明例の散水システム付き芝生グラウンド100面に乱散水を行った。水量は0.5L/分とし、水圧は0.2MPaとしたところ、チューブがランダムに振動しながら噴出口から水滴が噴出して、散水用可撓性ノズルの設置位置から半径3mの領域内で、人工芝に水滴を乱散水することができた。散水前の芝生グラウンド面の温度が55℃であったのに対し、散水後の芝生グラウンド面の温度は47℃であり、大きな冷却効果を得ることができた。また、グラウンド上の体感温度を代表して、グラウンド面から高さ1.2mの位置での温度を測定したところ、散水前は36℃であったのに対し、散水後は28℃であった。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の散水システム付き芝生グラウンドは、例えば陸上競技場のトラックの内側部分、校庭や庭、運動場、屋上等に設置して、サッカー、ラグビー等の各種球技や、槍投げ、ハンマー投げ、円盤投げ、砲丸投げ等の各種投擲競技に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0081】
100,200 散水システム付き芝生グラウンド
10 基盤
20 板状剛性構造体
22A 太径モノフィラメント
22B 細径モノフィラメント
24 厚み部
26 円筒状空洞部
28A 上部被覆層
28B 下部被覆層
30 人工芝生
32 基布
34 パイル(人工芝葉)
36 充填層
40 給水管
42 ソケット
44 給水ポンプ
50 散水用可撓性ノズル
52 基部
52A 第一板状部
52B 第二板状部
54 チューブ
56 連結部
58A,B,C 流路
59 噴出口
70 天然芝生
72 土層
74 根
76 芝葉
78 天然芝
80 シート体
【要約】
【課題】散水システムの施工およびメンテナンス時における手間やコストを低減することができ、さらに、競技等の支障なく効果的に芝生グラウンドを冷却することができる散水システム付き芝生グラウンドを提供する。
【解決手段】本発明の散水システム付き芝生グラウンド100は、基盤10上に設置された板状剛性構造体20の空隙部分に給水管40が配置され、板状剛性構造体20上に人工芝生30または天然芝生が設置され、給水管40に連結された散水用可撓性ノズル50に水を供給すると、散水用可撓性ノズル50のチューブ54がランダムに振動しながら噴出口59から水滴が噴出して乱散水されることを特徴とする。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】