特許第6178503号(P6178503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルファ−ラヴァル・コーポレート・アーベーの特許一覧

特許6178503重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法
<>
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000003
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000004
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000005
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000006
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000007
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000008
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000009
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000010
  • 特許6178503-重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178503
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】重い性状の内容物の除去のための適切なモーメントを決定するための遠心分離機及び方法
(51)【国際特許分類】
   B04B 1/14 20060101AFI20170731BHJP
   B04B 13/00 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   B04B1/14 A
   B04B13/00
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-516127(P2016-516127)
(86)(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公表番号】特表2016-522745(P2016-522745A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】EP2014060936
(87)【国際公開番号】WO2014191403
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2016年1月25日
(31)【優先権主張番号】13169317.8
(32)【優先日】2013年5月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ−ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラーシュ・ヒルストレーム
(72)【発明者】
【氏名】ハンス・ムーバリ
(72)【発明者】
【氏名】フィン・ルンドストレーム
(72)【発明者】
【氏名】ピータル・トールヴィド
(72)【発明者】
【氏名】ローランド・イサクション
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン・スコーグ
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭44−028837(JP,B1)
【文献】 米国特許第03408001(US,A)
【文献】 特公昭41−010940(JP,B1)
【文献】 特開昭58−024364(JP,A)
【文献】 特開平06−328010(JP,A)
【文献】 特表2013−523437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体混合物を成分に分離するための遠心分離機(1)であって、
非回転部品(2、3)と、
前記非回転部品(2、3)に回転軸線(x)を中心として回転可能に支持されているシャフト(6)に取り付けられているロータ(5)であって、ロータ壁(7)によって境界が形成されている分離空間(8)を内蔵している前記ロータ(5)と、
前記分離空間(8)において分離すべき前記流体混合物を供給するための入口であって、前記ロータ(5)の内部に延在している前記入口と、
フレームのアンバランス状態を測定するための少なくとも1つのセンサと、
前記ロータ壁(7)の内面に又は前記ロータ壁(7)の近傍に配置されている任意の形態の2つ以上の空間形成要素(16、17)を備えている重い性状の成分の高さを決定する構成であって、前記空間形成要素(16、17)それぞれが、前記回転軸線(x)から所定の半径(a、b)で離隔配置されている少なくとも1つの入口開口部(20)を通じて、前記分離空間(8)又は他の空間形成要素と連通している空間を形成しており、前記空間形成要素(16、17)の前記所定の半径(a、b)が、互いに相違しており、前記空間形成要素(16、17)が、重い性状の成分の高さがそれぞれの前記空間形成要素(16、17)の前記入口開口部(20)に到達するまで、流体混合物の分離過程を継続させて重い性状の成分を変位させるために設けられている、前記重い性状の成分の高さを決定する構成と、
を備えていることを特徴とする遠心分離機(1)。
【請求項2】
少なくとも2つの前記空間形成要素が、前記回転軸線を中心とする異なる角度位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機(1)。
【請求項3】
少なくとも2つの空間形成要素が、前記回転軸線(x)の側方それぞれにおいて互いの反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機(1)。
【請求項4】
間形成要素(16、17)が、前記回転軸線(x)の側方それぞれに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機(1)。
【請求項5】
前記空間形成要素(16、17)が、径方向延長部分を形成する壁(18)を有しており、
記空間形成要素(16、17)の形状が、前記壁(18)がテーパー状になっていると共にルーフ(19)が切頂を呈している、切頂円錐体、又は、切頂の三角錐体、四角錐体、若しくは多角錐体とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項6】
前記空間形成要素(16、17)のルーフ(19)が傾斜していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項7】
前記空間形成要素(16、17)のルーフ(19)がマンサード屋根とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項8】
前記空間形成要素(16、17)が、前記入口開口部(20)より径方向内方に配置されている少なくとも1つの排出開口部(21)を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項9】
フレームとロータとを具備する請求項1に記載の遠心分離機の内部で所定量の重い性状の流体が分離された時期を決定するための方法において、
前記ロータを回転させるステップと、
分離すべき流体で前記ロータを充填するステップであって、前記重い性状の流体が、前記ロータ壁の内側に成長周辺層を形成している、前記ステップと、
前記フレームのアンバランス状態を連続的に測定するステップと、
前記フレームの振動における第1の変化から生成される第1の信号を決定するステップであって、第1の変化信号が、前記ロータに存在している分離された重い性状の流体の第1の高さを示しており、前記第1の変化が、前記ロータ壁の周囲における前記重い性状の流体層の分布の第1の変化から生成される、第1の信号を決定するステップと、
前記フレームの振動における第2の変化から生成される第2の信号を決定するステップであって、第2の変化信号が、前記第1の高さより僅かに高い分離された重い性状の流体の第2の高さを示しており、前記第2の変化が、前記ロータ壁の周囲における前記重い性状の流体層の分布の第2の変化から生成される、前記第2の信号を決定するステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号との両方が決定されると、前記遠心分離機の前記ロータから重い性状の流体を空にすること又は放出することを開始するステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項10】
フレームとロータとを具備する請求項1に記載の遠心分離機の内部で所定量(A)のスラッジが分離された時期を決定するための方法であって、
前記ロータを回転させるステップと、
分離すべき流体で前記ロータを充填するステップであって、前記スラッジが、前記ロータ壁の内側に成長周辺層を形成している、前記ステップと、
分離すべき流体の流れを停止させるステップと、
前記フレームのアンバランス状態を連続的に測定するステップと、
分離すべき前記流体より大きく且つ前記スラッジより小さい密度を有している特定量(B)の指示流体を加えるステップであって、前記指示流体が、スラッジ層の内側に層を形成している、前記ステップと、
前記フレームの振動における第1の変化から生成される第1の信号を決定するステップであって、第1の変化信号が、前記ロータに存在している前記指示流体が加えられた分離されたスラッジの第1の高さを示しており、前記第1の変化が、指示流体層の分布における第1の変化から生成される、第1の信号を決定するステップと、
前記フレームの振動における第2の変化から生成される第2の信号を決定するステップであって、第2の変化信号が、前記第1の高さより僅かに高い、指示流体が加えられた分離されたスラッジの第2の高さを示しており、前記第2の変化が、前記指示流体層の分布における第2の変化から生成される、第2の信号を決定するステップと、
前記第1の変化信号と前記第2の変化信号との両方が決定されると、前記遠心分離機の前記ロータからスラッジを空にすること又は放出することを開始するステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離機と、遠心分離機のための方法とに関し、より詳細には、分離された重い性状の流体(精製の場合)又はスラッジ(浄化の場合)の分離機からの除去がいつ十分になるかを決定するための装置を具備する遠心分離機を備える遠心分離機と、これを実現するための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、分離される重い性状は、
a)ロータの壁にあるノズルを通じて重い性状を放出することと、
b)開閉される弁を通じて、運転中に重い性状を流し出すことと、
c)分離機の運転を停止し、分離機を開けること、又は、重い性状を流し出すことのいずれかによって、重い性状を除去することと
によって除去される。
【0003】
どの方法が用いられるかとは無関係に、重い性状の流体又はスラッジをいつ除去するかの共通の問題が常にある。経験上、予想することは可能かもしれないが、特に重い性状の内容物が時間と共に変化する場合、決定するのが難しくなり得る。
【0004】
特許文献1など、運転中に重い性状の除去のための適切な時期を決定するための方法が開示されており、その特許では、ロータのスラッジ空間の内部に配置されたスラッジ変位体を有する分離機が記載されており、その分離機は、重い性状の界面がスラッジ変位体に到達するとき、ロータのアンバランスの変化をもたらす。
【0005】
遠心ロータのバランスの状態における変化は、スラッジ放出の適切な時点を示しており、いくつかの異なる方法で決定できる。例えば、これは、回転するロータから放たれる音を聞く熟練した運転者によって決定でき、運転者は、アンバランスの変化によって引き起こされる音又は振動のおなじみの変化を認めたとき、スラッジ放出を開始する。
【0006】
この時期を決定するための他の方法は、分離機ロータのアンバランスの状況とフレーム振動との間の関係である、いわゆるインフルエンスを含む場合がある。
【0007】
具体的な分離機が異なる運転状態の下でどのように作動するかについての優れた見識を得るために、異なる回転速度及びアンバランスにおいて、インフルエンスを図表化することは有益である。インフルエンスが分かっている場合、インフルエンスは、前述の種類のアンバランスの変化を認識及び決定するために使用できる。
【0008】
このアンバランスが所定の値に到達したとき、スラッジ放出が行われる。
【0009】
先行技術は、分離空間の重い性状の内容物に関する情報を与えようとする装置を提供している。しかしながら、アンバランスにおける変化は、分離すべき流体混合物で変わることになるため、異なる運転状態により、検出及び解釈するのがしばしば難しい可能性がある。また、インフルエンスが分離機の構成部品の温度、経年劣化、又は相対移動などの運転状態に依存しており、そのためにその構成部品の性質が変化し、分離機の振動において偶発的な変化を検出することは、かなり難しい。先行技術で開示されている装置は、あるアンバランスの状態から別のアンバランスの状態への変化を提供するだけあり、そのため事象を見逃しやすいか、間違って解釈しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3408001号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
先行技術の先に所定した制約のうちの1つ又は複数を少なくとも部分的に克服することが、本発明の目的である。具体的には、分離空間の重い性状の内容物についてのより明確でより曖昧さのない信号又は情報と、その重い性状の内容物を除去するのはいつの時点かとを与える装置及び方法を提供することが、目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的を成就するために、流体混合物を成分へと分離するための遠心分離機が提供される。遠心分離機は、フレームを備える非回転部品と、非回転部品に回転軸線を中心として回転可能に支持されるシャフトに取り付けられるロータであって、ロータ壁によって境界が形成されている分離空間を内蔵しているロータと、分離空間において分離すべき流体混合物の供給のための、ロータに延び入る入口と、フレームのアンバランス状態を測定する少なくとも1つのセンサと、ロータ壁の内面に、又は、ロータ壁の近くに配置され、互いと実質的に反対に回転軸線の各々の側に少なくとも1つの、径方向内向きに延びる壁を持つ複数の空間形成要素を備える重い性状の高さを決定する構成とを備え、各々の空間形成要素は、回転軸線から所定の半径で配置される少なくとも1つの入口開口部を通じて、分離空間又は前記空間形成要素のうちの別のものと連通する空間を画定し、互いと反対にある空間形成要素らの所定の半径は互いと異なり、空間形成要素は、重い性状の高さがそれぞれの空間形成要素の開口に到達するまで、重い性状の成分を変位させるために設けられる。
【0013】
本発明は、精製(2つの流体の分離)の用途と浄化(汚泥またスラッジの分離)の用途との両方で、後で説明する僅かに異なる運転によって使用できる。
【0014】
異なる半径において入口開口部を備える2つの空間形成要素は、1つだけのこのような信号より検出及び決定するのが容易である、互いとかなり近い2つの異なるモーメントにおいて、分離機の振動状態の変化を提供する。
【0015】
遠心ロータの回転軸線の各々の側に対称に配置される1つだけの空間形成要素があってもよい。
【0016】
空間形成要素の形状が、径方向延長部分を通過するその壁がテーパー状になっていると共にルーフが切頂を呈している、切頂円錐体、又は、切頂の三角錐体、四角錐体、若しくは多角錐体とされる場合がある。
【0017】
空間形成要素のルーフは、傾斜されてもよく、及び/又は、マンサード屋根であってもよい。
【0018】
空間形成要素は、入口開口部より径方向内方に配置される少なくとも1つの排出開口部を有してもよく、排出開口部は上方を向いていてもよい。
【0019】
目的をさらに成就するために、所定量の重い性状の流体が、遠心分離機において、軽い性状の流体からいつ分離されたかを決定するための方法は、
ロータを回転させるステップと、
ロータを、分離すべき流体で充填するステップと、
ここで、前記重い性状の流体が、ロータ壁の内側に成長周辺層を形成しており、
フレームのアンバランス状態を連続的に測定するステップと、
フレームの振動における第1の変化から生成される第1の信号を決定するステップであって、前記第1の変化信号が、ロータに存在している分離された重い性状の流体の第1の高さを示しており、前記第1の変化が、ロータ壁の周囲における重い性状の流体層の分布の第1の変化から生成される、第1の信号を決定するステップと、
フレームの振動における第2の変化から生成される第2の信号を決定するステップであって、前記第2の変化信号が、前記第1の高さより僅かに高い分離された重い性状の流体の第2の高さを示しており、前記第2の変化が、ロータ壁の周囲における前記重い性状の流体層の分布の第2の変化から生成される、第2の信号を決定するステップと、
第1の変化信号と第2の変化信号との両方を決定すると、分離機ロータから重い性状の流体を空にすること又は放出することを開始するステップと
を含む。
【0020】
所定量のスラッジが、遠心分離機において、流体からいつ分離されたかを決定するための方法も提供され、その方法は、
ロータを回転させるステップと、
ロータを、分離すべき流体で充填するステップと、
ここで、前記スラッジが、ロータ壁の内側に成長周辺層を形成しており、
分離すべき流体の流れを停止するステップと、
フレームにおけるアンバランスを連続的に測定するステップと、
分離すべき流体より大きいがスラッジより小さい密度を有するある量(B)の指示流体を加えるステップと、
ここで、前記指示流体が、前記スラッジ層の内側に層を形成しており、
前記フレームの振動における第1の変化から生成される第1の信号を決定するステップであって、前記第1の変化信号が、分離されたスラッジに、ロータ壁の内側にある2つの周辺層を形成している、ロータに存在している指示流体を加えたものの第1の高さを示しており、前記第1の変化が、指示流体層の分布における第1の変化から生成される、第1の信号を決定するステップと、
フレームの振動における第2の変化から生成される第2の信号を決定するステップであって、前記第2の変化信号が、前記第1の高さより僅かに高い、分離されたスラッジに指示流体を加えたものの第2の高さを示しており、前記第2の変化が、指示流体層の分布における第2の変化から生成される、第2の信号を決定するステップと、
第1の変化信号と第2の変化信号との両方を決定すると、分離機ロータから重い性状の流体を空にすること又は放出することを開始するステップと
を含む。
【0021】
本発明のさらなる他の目的、特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な記載と共に図面から明らかとなる。
【0022】
ここでは、本発明の実施形態を、添付の概略的な図面を参照しつつ、例を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明における遠心分離機の概略図である。
図2】分離すべき流体がロータに供給された後における、分離機の分離空間の頂部から見た断面図である。
図3】第1の分離段階後における、分離機の分離空間の頂部から見た断面図である。
図4】第2の分離段階後における、分離機の分離空間の頂部から見た断面図である。
図5】第3の分離段階後における、分離機の分離空間の頂部から見た断面図である。
図6】第4の分離段階後における、分離機の分離空間の頂部から見た断面図である。
図7】第5の分離段階後における、分離機の分離空間の頂部から見た断面図である。
図8】本発明における一連の事象を表わすグラフである。
図9】本発明における遠心分離機に内蔵されている空間形成要素の一の実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照すると、遠心分離機1が図示されている。遠心分離機は、非回転部品2、3と回転部品4とを備えている。非回転部品は、例えば床といった地面に配置されて留め付けられるフレーム2と、カバー3とを備えている。回転部品4は、回転軸線xの周りに回転するように構成されており、カバー3によって包囲された回転可能な遠心ロータ5と、遠心ロータ5が取り付けられているシャフト6とを備えている。遠心ロータ5は、ロータ壁7によって、流体混合物の分離が行われる分離空間8を包囲している。シャフト6は、非回転部品2、3に固定された軸受構造体9に軸支されている。シャフト6はモータ10によって駆動される。入口チャネル11aのある静止した入口配管11を備えている入口が、軽い液体の性状と重い液体の性状とへと、又は、1つ又は2つの液体の性状とスラッジとへと分離すべき流体を、遠心ロータ5へと供給している。
【0025】
遠心ロータ5に入る流体は、重ねられた分離ディスク12aを備えているディスクセット12が挿入されている分離空間8へと流れ込む。運転中、ディスクセット12で分離された重い性状は、分離空間8の周辺で層を形成し、一方、軽い性状は、径方向内方に集まっており、図1の実施形態によれば、出口15へとさらに運ばれる。
【0026】
重い性状の放出のための設備は、図1では示されていない。本発明の範囲内にあるのは、先に言及した
a)ロータの壁にあるノズルを通じて重い性状を放出することと、
b)開閉される弁を通じて、運転中に重い性状を流し出すことと、
c)分離機の運転を停止し、分離機を開けること、又は、重い性状を流し出すことのいずれかによって、重い性状を除去することと
の可能性である。
【0027】
従って、最終的な放出構成は、本発明の一部を形成しておらず、詳細には定められていない。
【0028】
ディスクセット12の径方向外方にある分離空間8の一部では、変位体として機能する2つの空間画定要素16、17を備えた高さ決定装置が配置されており、図1に示すと共に図9でより詳細に示した例では、径方向内向きに先細りとなっている壁18と、図9ではマンサード屋根となっているルーフ19によって覆われた切頂端とを持つ切頂の四角い錐体の形を持っている。好ましくはルーフ19の径方向すぐ外側の壁又は壁18にある切頂端には、1つ又は複数の入口開口部20が配置される。左空間画定要素16の入口開口部20は、回転軸線xから半径aにおいて配置されており、右空間画定要素17の入口開口部は、回転軸線xから、半径aより大きい半径bにおいて配置されている。空間画定要素16、17の形は、代わりに、切頂円錐体、切頂の三角若しくは多角の側面の錐体の形、又は、なんらかの任意の形態であってもよい。
【0029】
浄化の場合、つまり、スラッジが液体から分離される場合、空間画定要素は、空間画定要素が放出において容易に空にされるように、放出ノズルが設置される場所に配置されてもよい。
【0030】
空気又はガスと、後の分離すべき流体とが、図9に示した空間形成要素16、17から排出するように、排出開口部21が、回転軸線から最も離れている入口開口部20の淵が排出開口部21の対応する淵よりロータ壁7に近くなるようにして、回転軸線xの近くで壁18に配置されている。そのため、流体は、空間形成要素16、17を充填するとき、入口開口部20を通じて流れ入る。排出開口部21は、空気又はガスを追い出し、重い性状の流体が流れ入るとき、分離すべき流体を追い出す。これを容易にするために、排出開口部21は、できるだけ回転軸線の近くで、ロータ5の上部を向いて、空間形成要素16、17の一部に好ましくは配置されている。そして、分離すべき流体は、重い性状の流体が置換することで、内側上方へと押されていき、排出開口部21を通って排出されることになる。空間形成要素の内面は、空気/ガス又は分離される流体がより容易に抜け出すことになるように、排出開口部21に向かって傾斜されてもよい。
【0031】
入口開口部20は、代わりに、遠心分離機1が停止しているときに空にすることを容易にするために、ロータ5の底を向く空間画定要素16、17の壁部18の一部に好ましくは配置される。
【0032】
ロータ5は、それ自体において、ロータの重心及び構造のため、アンバランスをしばしば有している。アンバランスは運転中の振動の原因であり、ロータに流体が不均一な分配の内容物が供給されるとき、異なるアンバランスの状況をもたらし、生じる振動に変化をもたらす。本発明は、アンバランスの変化を作り出し、これがもたらす振動の変化を監視することによって、この事実を利用する。図2図7に開示している実施形態では、重い性状と軽い性状との両方が液体である。
【0033】
以下の記載の運転では、重い性状と軽い性状との2つの液体が分離されることが、最初に条件付けされている。
【0034】
本発明の運転を説明するために、遠心ロータが、図2図7において異なる運転の局面において概略的に描写されている。図2では、ロータは、回転を開始しており、軽い性状の流体と重い性状の流体とに分離すべき流体で充填されている。また、空間形成要素16、17は、流体の高さが入口開口部20の配置されている高さを超えるとき、分離すべき流体で充填され、従って空間形成要素内の空気/ガスを置換する。従って、流体は、ロータ5のロータ壁7の内周に接して均一に配置される。振動は、センサによって連続的に測定される。センサは、振動センサ、又は、アンバランス状態に関連して信号を生成する他の種類のセンサであってもよい。Aは、ロータ5の自然なアンバランスの位置を示している。この位置は、別の局面に関連して後で説明するように、運転中に移動していき、位置の変化は、ロータ5から重い性状の流体又はスラッジを除去するのはいつが適切であるかを定めるために、検出されて解釈される。
【0035】
図3は、分離過程がある期間、継続したとき、いくらか後の運転局面を開示している。重い性状の流体は、軽い性状の流体から分離されており、その高い密度のため、軽い性状の流体が径方向内方にある状態で、ロータ壁の内周の周りに集められている。アンバランス位置は、重い性状及び軽い性状がロータの内周の周りになおも対称的に位置付けられているため、まだ位置Aで変わっていない。
【0036】
図4では、さらにある時間経過した運転局面が開示されている。より多くの重い性状の流体が分離されており、これは、ロータ壁7の内周から内側へのより厚い層を示している。しかしながら、重い性状の流体は、空間形成要素16、17への唯一の通路(排出開口部を除く)である入口開口部20にまだ到達していない。しかしながら、重い性状の流体の高さは、回転軸線xから半径aに配置されている左側空間形成要素16の入口開口部より、回転軸線xから径方向でより大きな距離、つまり、半径bに入口開口部が配置されている右側空間形成要素17において、入口開口部20にまさに到達しようとしている。アンバランス位置は、重い性状及び軽い性状がロータ壁7の内周の周りに対称的に位置付けられているため、まだ位置Aで変わっていない。
【0037】
図5において、アンバランス位置は位置Bへとまさに移動している。これについての理由は、重い性状の高さが、ここで右側空間形成要素17の入口開口部20に到達したことである。そして、重い性状の流体は、空間形成要素17の内部の軽い性状の流体の中身と通じ、その中身をより重くすることで、空間形成要素17にあるより軽量な流体を置換する。ここで、ロータの周囲における重い性状の流体の分布は均一ではない。従って、空間形成要素16、17は、ここで異なる密度の流体を収容しているため、アンバランス位置が右側空間形成要素17に向かって移動している。新道徳性における変化を引き起こすアンバランス位置のこの変化は、振動センサによって検出及び決定される。
【0038】
図6では、さらにより多くの重い性状の流体が分離されているため、アンバランス位置がさらに右へと僅かに移動しているが、高さは左側空間形成要素16の入口開口部20にまだ到達していない。これは、より多くの重い性状の流体が、左側において対応していない、右側空間形成要素17の内部で径方向に集まっているため、右へのさらなる僅かにの変位をもたらしている。
【0039】
図7は、重い性状の流体の高さが左側空間形成要素16の入口開口部20にも到達し、従って、左側空間形成要素16を、さっきまであった軽い性状の流体を置換した重い性状の流体で充填したときの局面を、最終的に開示している。重い性状の流体の分配のさらに別の変化が起こっている。従って、重い性状の流体と軽い性状の流体とが、ロータ壁7の内周の周りに再び対称的に配置され、アンバランス位置がその元の位置Aへと再び移動している。アンバランス位置のこの変化は、例えば、後に記載している方法のうちの1つに従って、振動センサによって検出及び決定される。
【0040】
第1の変化と第2の変化との両方の検出において、分離機ロータから重い性状の流体を空にすること又は放出することの開始は、手動で、又は、2つの状態が実現されるときにこの運転ステップを開始するために命令を与えた制御システムによる自動でのいずれかで、適切である。従って、高さ決定構成は、重い性状の高さが分離空間8において所定の高さにいつ到達したかを決定し、重い相の高さを決定する構成と呼ばれてもよい。
【0041】
本発明の第2の運転によれば、流体が分離するのが望ましいスラッジを含んでいる場合、分離機1のロータ5は、始動されて通常の速度まで加速される。そして、ロータ5は分離すべき流体で充填され、次に流れが遮断される。次に、分離すべき流体より大きいがスラッジより小さい密度の少量の指示流体(例えば、水)が加えられるが、これは、ロータ壁7の内周に押し付けられる密度の差のためである。指示流体の量は、空間形成要素16、17の入口開口部20の中へと流れ入るほどの大きさではない。しかしながら、指示流体の量は、空間形成要素を充填するに十分な大きさである。そのため、アンバランス位置はその元の位置になおもある。この実施形態では、重い性状の成分は、スラッジに指示流体を加えたものとして定められてもよい。
【0042】
次に、分離すべき流体の流れが再び開始され、スラッジの分離が開始している。徐々にスラッジが分離されるにつれて、スラッジはロータ壁7の内周に集められ、スラッジより小さい密度を有する指示流体に取って代わる。アンバランス位置は、流体及びスラッジがロータ壁7の内周の周りに対称的に位置付けられているため、まだ元の位置にある。
【0043】
運転のある局面において、指示流体の高さを右側空間形成要素17の入口開口部20と同じ高さにするだけのスラッジがある。従って、指示流体は、右側空間形成要素17の内部と通じ、先に充填されていた分離すべき流体より重くなり、空間形成要素17の流体を置き換える。ここで、ロータの周囲における指示流体の分布は均一ではない。従って、2つの空間形成要素16、17は、ここで異なる密度の流体を収容しているため、アンバランス位置が右側空間形成要素17に向かって移動している。
【0044】
最後に、指示流体の高さが左側空間形成要素16の入口開口部20にも到達し、左側空間形成要素16を、さっきまであった分離すべき流体を置換した指示流体で充填したとき、流体及びスラッジがロータ壁7の内周の周りに再び対称に配置され、アンバランス位置がその元の位置Aへと再び移動している。しかしながら、ロータ壁7の内周の周りにおいて指示流体の分布が変化している。従って、高さ決定構成は、重い性状の成分の高さが分離空間8において所定の高さにいつ到達したかを決定し、重い相の高さを決定する構成と呼ばれてもよい。
【0045】
図8では、振動センサが前述の分離運転のうちの1つの間に何を記録できるのかの例が、グラフで開示されている。水平な時間軸に沿って示される異なる時点は、図2図7に示した状況に対応している。矢印A〜Cは、ある時点におけるアンバランス状況を示している。図は、アンバランス、従って振動が、空間形成要素が重い性状の流体で充填されるとき、比較的素早く変化することを示しており、これは、より遅い変化よりも素早い変化を検出することがより簡単なため、有利である(入口開口部20の位置を選択することで、時点に影響を与えることが可能である)。
【0046】
図8では、振動センサが時間の関数として何を測定するかの例が示されている。グラフは、時間の関数として、振動の総合的な二乗平均平方根の値を実際に示している。本発明についての振動の関連する部分を説明するための別の方法は、ロータ回転周波数における振動の振幅及び位相を用いることである。位相は、振幅をロータの基準に関連付ける。基準は、典型的には、回転時間信号からパルスを測定することで(1回転あたり1パルス)、典型的には定められる。振幅及び位相を得るために、多くの方法がある。これは、フィルタリング技術を必要とする場合があり、例えば、バランスを取る目的のためによく使われる順序追跡システムによって、定期的に行われる。ロータ回転周波数における振動の振幅及び位相の説明は、ボウルのアンバランスの状態のより正確で望ましい説明を提供し、そのため、ある用途では、本発明により適している可能性がある。
【0047】
実質的な温度変化の場合、周囲温度を監視し、周囲温度が振動に与える可能性のある影響を補償することが必要であり得る。そのようにしない場合、実質的な素早い温度変化が、振動センサによって、振動変化として認識される可能性がある。
【0048】
空間形成要素16、17の形態は、好ましくは、先に詳述したように、径方向内向きに先細りとされる。
【0049】
しかしながら、先細りでない空間形成要素も機能し、例えば、排出開口部を通じた排出又は入口開口部を通じた空にすることをようにするために内面が傾斜されている三角形の要素を有することは可能である。2つの空間形成要素に限定されることも必然ではない。ロータの各々の側に2つ以上を配置することも可能であり、その場合、各々の側における要素は同じ半径にそれぞれの入口開口部を有する。
【0050】
空間形成要素は、目的のためにロータに特別に配置され得るロータ壁の内面の近くの容積であってもよいし、又は、ロータの構造から生じる、目的のために利用することが可能なロータの細部同士の間の容積であってもよい。
【0051】
ロータ壁の内周の周りに均一又は不均一に、すなわち、回転軸線に関する異なる角度位置に、3つ以上の空間形成要素を設けることも可能であり、その場合、各々の要素の入口開口部は、異なる半径に配置される。これは、アンバランス状況が元の状態に再び戻る前に、先に記載したものよりアンバランスのより大きな変化があることになる。
【0052】
空間形成要素は、同じ半径平面に配置されてもよいし、又は、異なる半径平面に配置されてもよい。
【0053】
空間形成要素は、回転軸線の周りにおいて、少なくとも2つの同じ角度位置で配置されてもよい。
【0054】
各々の空間形成要素16、17、それらのうちの1つ、又は、それらのうちのいくつかは、それらを空にすることを容易にする放出ポートにわたって配置されてもよい。
【0055】
空間形成要素は、ロータ壁に固定的に取り付けられてもよいし、適切なときに空間形成要素を装着又は取り外しすることを可能にする手段によって取り付けられてもよい。
【0056】
さらに、ロータ壁7に最も近い空間形成要素の壁には、回転速度計によって検出され得る磁石のための空間があってもよい。
【0057】
本発明は、軽い性状の流体及び重い性状の流体の一方の密度が分かっている場合、軽い性状の流体又は重い性状の流体のいずれかの密度を決定するために用いられてもよい。そして、分離機ロータには、回転の間、分離すべき流体がゆっくりと供給される。2つの空間形成要素16、17は、それらが元々充填されていたガス(空気)を押しのける分離すべき流体で次々に充填される。振動変化はこの運転の間に測定され、特に、第2の空間形成要素も充填されるときの変化が測定され、以下でνc′−νとして表されている。分離機ボウルには、分離すべき流体が連続的に供給され、流体が重い性状と軽い性状とに分離される。
【0058】
分離運転がある期間、継続して、十分な重い性状の流体が分離されて、その結果、重い性状の流体の高さが第1の空間形成要素の入口に到達したとき、第1の空間形成要素が充填し、分離すべき(重い性状の流体と軽い性状の流体とに分離されている)流体を置換し、すぐにその後、重い性状の流体の高さが第2の空間形成要素の入口に到達したとき、第2の空間形成要素が充填する。この第2の空間形成要素の充填の振動変化が測定され、以下でν−νとして表されている。(前述したような)振動の二乗平均平方根の値の変化は、密度の変化と正比例であることが示され得る。
【0059】
【数1】
【0060】
ここで、ρfeedは、重い性状の内容物が数パーセントだけである場合、ρlightに近似されてもよい。νc′−νとν−νとが前述のように測定されるため、重い性状の流体又は軽い性状の流体のいずれかの密度が分かっている場合、この数式を解くことは可能である。この上方は、過程を制御するためのいくつかの方法で用いることができる。
【0061】
空間形成要素は、第1の空間形成要素が最初に充填され、第2の空間形成要素が、第1の空間形成要素の出口開口から第2の空間形成要素の入口開口部へと延びる連通路を通じて満たされ、そのとき、出口開口が配置される場所が、入口開口部が配置される場所より小さい回転軸線からの半径に配置されているような方法で、互いと通じていてもよい。2つ以上の空間形成要素が、いくつかの他の空間形成要素とこのような連通を有してもよい。
【0062】
上記の記載から、本発明の様々な実施形態を説明して示してきたが、本発明はそれらに制約されることはなく、以下の特許請求の範囲に定められた主題の範囲内で、他の方法で具体化されてもよいことが分かる。
【符号の説明】
【0063】
1 遠心分離機
2 非回転部品、フレーム
3 非回転部品、カバー
4 回転部品
5 遠心ロータ
6 シャフト
7 ロータ壁
8 分離空間
9 軸受構造体
10 モータ
11 入口配管
11a 入口チャネル
12 ディスクセット
12a 分離ディスク
15 出口
16 左側空間形成要素
17 右側空間形成要素
18 壁
19 ルーフ
20 入口開口部
A 位置
B 位置
C 位置
a 半径
b 半径
x 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9