(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)上面の平面視が四角形を成す複数のダイパッドと、前記複数のダイパッドのそれぞれを支持する複数の吊りピンと、前記複数のダイパッドの周囲に配置された複数のインナリードと、前記複数のインナリードのそれぞれと繋がる複数のアウタリードと、前記複数のアウタリードを連結するタイバーと、を備えたリードフレームを準備する工程と、
(b)前記(a)工程の後、主面、前記主面に形成された複数の電極パッド、および前記主面と反対側の裏面を有する半導体チップを前記複数のダイパッドの前記上面上に搭載する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記半導体チップの前記複数の電極パッドと前記複数のインナリードをそれぞれ複数のワイヤを介して電気的に接続する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記複数の吊りピン、前記複数のインナリード、前記半導体チップおよび前記複数のワイヤを封止する封止体を形成する工程と、
を有し、
前記複数のダイパッドのそれぞれは、横並びで配置され、
前記複数の吊りピンは、前記アウタリードに繋がる第1吊りピンと、前記複数のインナリードのうちの何れか2本の間に配置され、かつ前記タイバーに繋がる第2吊りピンと、前記第1吊りピンおよび前記第2吊りピンがそれぞれ繋がる前記ダイパッドの第1辺および第2辺とは異なる第3辺に繋がる第3吊りピンとを含み、
前記第1、第2および第3吊りピンのそれぞれは、前記複数のダイパッドのそれぞれと一体に形成され、
前記第1吊りピンが繋がる前記ダイパッドの前記第1辺と、前記第2吊りピンが繋がる前記ダイパッドの前記第2辺とは、対向しており、
前記複数のダイパッドのそれぞれは、前記第1、第2および第3吊りピンの3点で支持されており、かつ他の吊りピンと接続されていない半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0017】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0018】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0019】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0020】
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲等についても同様である。
【0021】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0022】
(実施の形態)
図1は実施の形態の半導体装置の構造の一例を封止体を透過して示す平面図、
図2は
図1のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、
図3は
図1のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【0023】
図1〜
図3に示す本実施の形態の半導体装置は、後述する
図8に示すデュアルアイランドタイプのリードフレーム3を用いて組み立てられるフレームタイプの半導体パッケージであり、本実施の形態では、上記半導体装置の一例として、樹脂封止型の8ピンのSOP(Small Outline Package)7を取り上げ、このSOP7の構造とその製造方法について説明する。すなわち、本実施の形態の半導体装置は、複数のダイパッド(アイランド、タブ)を有するものであり、本実施の形態では、2つのダイパッドを有するSOP7を取り上げて説明する。
【0024】
まず、
図1〜
図3を用いてSOP7の構造について説明すると、半導体素子(半導体集積回路)1dが形成された半導体チップ1と、半導体素子2dが形成された半導体チップ2と、半導体チップ1が搭載されたダイパッド3aと、半導体チップ2が搭載されたダイパッド3hとを有している。
【0025】
すなわち、2つのチップ搭載部であるダイパッド3aとダイパッド3hが横並びに配置されており、ダイパッド3aの上面3aaに半田材からなるダイボンド材5を介して半導体チップ1が搭載され、一方、ダイパッド3hの上面3haに同じく半田材からなるダイボンド材5を介して半導体チップ2が搭載されている。
【0026】
さらに、SOP7は、ダイパッド3a,3hの周囲に配置された複数(6本)のインナリード3bと、インナリード3bと一体に形成された複数(8本)のアウタリード3cと、半導体チップ1,2とインナリード3bとを電気的に接続する複数のワイヤ6とを有している。
【0027】
つまり、本実施の形態のSOP7では、ワイヤ6を介して電極パッド1c,2cと電気的に接続されるリードをインナリード3bとしており、ワイヤ6と接続されるインナリード3bは6本であるとともに、これら6本のインナリード3bは、アウタリード3cに繋がっている。
【0028】
また、ダイパッド3a,3hを支持するそれぞれ3つの吊りピンのうち、第1吊りピン3d,3iは、それぞれアウタリード3cに繋がっている。したがって、アウタリード3cは、インナリード3bと繋がる6本と、第1吊りピン3d,3iと繋がる2本とで、合計8本となっている。
【0029】
なお、第2吊りピン3eと第3吊りピン3f、および第2吊りピン3jと第3吊りピン3kにはアウタリード3cは繋がっていない。
【0030】
また、
図1および
図2に示すように、半導体チップ1の表面(主面)1aに形成された複数の電極パッド1cと、これらの電極パッド1cに対応する複数のインナリード3bとが複数のワイヤ6によってそれぞれ電気的に接続されている。一方 半導体チップ2の表面(主面)2aに形成された複数の電極パッド2cと、これらの電極パッド2cに対応する複数のインナリード3bとが複数のワイヤ6によってそれぞれ電気的に接続されている。
【0031】
なお、SOP7はワイヤボンディングタイプであるため、半導体チップ1は、その主面(表面)1aを上方に向けた状態で、ダイパッド3aの上面3aa上にフェイスアップ実装されている。
【0032】
すなわち、ダイパッド3aの上面3aaと、この上面3aaと対向するように配置された半導体チップ1の裏面1bとがダイボンド材5を介して接合されている。
【0033】
一方、半導体チップ2も、その主面(表面)2aを上方に向けた状態で、ダイパッド3hの上面3ha上にフェイスアップ実装されている。つまり、ダイパッド3hの上面3haと、この上面3haと対向するように配置された半導体チップ2の裏面2bとがダイボンド材5を介して接合されている。
【0034】
また、半導体チップ1の表面1aに形成された複数の電極パッド1cは、それぞれワイヤ6を介してインナリード3bと電気的に接続されており、これによって、半導体チップ1と、インナリード3bおよび外部端子となるアウタリード3cとが電気的に接続されている。
【0035】
つまり、複数のワイヤ6のそれぞれの一端は、半導体チップ1の電極パッド1cに電気的に接続されており、一方、複数のワイヤ6のそれぞれの他端は、それぞれのワイヤ6に対応するインナリード3bに電気的に接続されている。同様に、半導体チップ2の表面2aに形成された複数の電極パッド2cも、それぞれワイヤ6を介してインナリード3bと電気的に接続されており、これによって、半導体チップ2と、インナリード3bおよび外部端子となるアウタリード3cとが電気的に接続されている。
【0036】
また、複数のワイヤ6のそれぞれの一端は、半導体チップ2の電極パッド2cに電気的に接続されており、一方、複数のワイヤ6のそれぞれの他端は、それぞれのワイヤ6に対応するインナリード3bに電気的に接続されている。
【0037】
また、ダイパッド3a,3hは、平面視がそれぞれ略四角形の上面3aa,3ha、および上面3aa,3haと反対側の下面3ab,3hbを有しており、それぞれ3つの吊りピンによって支持されている。
【0038】
すなわち、ダイパッド3aは、アウタリード3cに繋がる第1吊りピン3dと、隣り合う2本のインナリード3bの間に配置された第2吊りピン3eと、他の第3吊りピン3fとによって支持されている。同様に、ダイパッド3hも、アウタリード3cに繋がる第1吊りピン3iと、隣り合う2本のインナリード3bの間に配置された第2吊りピン3jと、他の第3吊りピン3kとによって支持されている。
【0039】
なお、ダイパッド3aの上面3aaは、第1辺3acと第2辺3adと第3辺3aeと第4辺3afとを有しているとともに、第1吊りピン3dは、第1辺3acに繋がっており、第2吊りピン3eは、第1辺3acと反対側の第2辺3adに繋がっている。さらに、第3吊りピン3fは、第1吊りピン3dが繋がる第1辺3acおよび第2吊りピン3eが繋がる第2辺3adの両方の辺とは異なる第3辺3aeに繋がっている。
【0040】
一方、ダイパッド3hの上面3haも、ダイパッド3aと同様に、第1辺3hcと第2辺3hdと第3辺3heと第4辺3hfとを有しているとともに、第1吊りピン3iは、第1辺3hcに繋がっており、第2吊りピン3jは、第1辺3hcと反対側の第2辺3hdに繋がっている。さらに、第3吊りピン3kは、第1吊りピン3iが繋がる第1辺3hcおよび第2吊りピン3jが繋がる第2辺3hdの両方の辺とは異なる第3辺3heに繋がっている。
【0041】
また、これら第1吊りピン3d、第2吊りピン3e、第3吊りピン3fは、それぞれダイパッド3aと一体に形成されており、一方、第1吊りピン3i、第2吊りピン3j、第3吊りピン3kも、それぞれダイパッド3hと一体に形成されている。
【0042】
なお、ダイパッド3aの第4辺3afおよびダイパッド3hの第4辺3hfには、それぞれ吊りピンは繋がっておらず、第4辺3afと第4辺3hfが相互に対向するようにダイパッド3aとダイパッド3hが配置されている。
【0043】
また、本実施の形態のSOP7は、後述する
図6に示す封止用樹脂8から形成され、かつ半導体チップ1,2とダイパッド3a,3hと複数のワイヤ6と複数のインナリード3bと各吊りピン(3d,3e,3f,3i,3j,3k)を封止する封止体4とを有している。
【0044】
なお、ダイパッド3aを支持する第2吊りピン3eおよびダイパッド3hを支持する第2吊りピン3jは、それぞれ封止体の内部で終端していることが好ましい。これは、後述する半導体装置の組み立て工程の吊りピンをリードフレーム3から分離する工程で、第2吊りピン3e,3jを封止工程の樹脂注入圧力で引きちぎるとともに、その後、樹脂で第2吊りピン3e,3jの先端を覆う組み立て方法を採用することによるものである。
【0045】
したがって、SOP7では、第2吊りピン3e,3jそれぞれの先端は、封止体4の内部に埋め込まれている。ただし、第3吊りピン3f,3kについては、組み立て工程の吊りピンをリードフレーム3から分離する工程で、樹脂封止工程の後に第3吊りピン3f,3kを切断する組み立て方法を採用しているため、
図3に示すように、封止体4の外部に僅かに露出している。
【0046】
なお、第2吊りピン3e,3jをリードフレーム3から分離する方法については、第3吊りピン3f,3kと同様に樹脂封止工程の後に切断する方法を採用してもよく、その場合には、第3吊りピン3f,3kと同様に封止体4の外部に僅かに露出する。
【0047】
ここで、複数のインナリード3bやアウタリード3c、および上記各吊りピンとダイパッド3a,3hは、例えば銅合金や鉄−ニッケル合金等から成る薄板状の部材によって形成され、さらに封止体4は、例えば、熱硬化性のエポキシ系樹脂等から成り、樹脂封止工程で形成されたものである。
【0048】
また、複数のワイヤ6は、例えば、金(Au)ワイヤや銅(Cu)ワイヤである。
【0049】
さらに、SOP7であるため、複数のインナリード3bそれぞれと一体に形成された複数のアウタリード3cは、
図2に示すように封止体4の側面から外部に向かって相反する2方向に突出しており、それぞれガルウィング状に曲げ成形されている。
【0050】
次に、本実施の形態の半導体装置(SOP7)の組み立てを、
図4に示すフロー図に沿って説明する。すなわち、本実施の形態では、半導体装置の一例として、8ピンのデュアルアイランドタイプのSOP7の組み立てについて説明する。
【0051】
図4は
図1の半導体装置の組み立て手順の一例を示すフロー図、
図5は
図4の組み立て手順(一部)の一例を示すプロセスフロー図、
図6は
図4の組み立て手順(一部)の一例を示すプロセスフロー図、
図7は
図4の組み立て手順(一部)の一例を示すプロセスフロー図である。また、
図8は
図1の半導体装置の組み立てで用いられるリードフレームの構造の一例を示す拡大部分平面図、
図9は
図8のリードフレームのダイパッドの安定性を示す部分平面図、
図10は
図1の半導体装置の組み立ての個片分離工程における第2吊りピンの分離方法の一例を示す拡大部分平面図である。
【0052】
まず、
図4および
図5のステップS1に示すリードフレーム準備を行う。本実施の形態では、
図8に示すように、2つのダイパッド(アイランド)3a,3hと、2つのダイパッド3a,3hをそれぞれ支持する3本ずつの吊りピンとが設けられたリードフレーム3を準備する。さらに、リードフレーム3には、2つのダイパッド3a,3hの周囲に配置された複数のインナリード3bと、複数のインナリード3bのそれぞれと繋がる複数のアウタリード3cと、複数のアウタリード3cを連結するタイバー3gとが設けられている。
【0053】
なお、アウタリード列の端部に配置された各アウタリード3cは、それぞれタイバー3gを介して枠部3qに繋がっている。
【0054】
ここで、ダイパッド3aとダイパッド3hは横並びで配置され、それぞれ平面視が略四角形の上面3aa,3ha、および上面3aa,3haと反対側の下面3ab,3hb(
図3参照)を有しており、ダイパッド3a,3hはそれぞれ3つの吊りピンによって支持されている。すなわち、ダイパッド3a,3hは、それぞれ吊りピンによる3点支持となっている。
【0055】
詳細には、
図8に示すようにダイパッド3aは、アウタリード3cに繋がる第1吊りピン3dと、隣り合う2本のインナリード3bの間に配置され、かつタイバー3gに繋がる第2吊りピン3eと、枠部3qに繋がる第3吊りピン3fとによって支持されている。同様に、ダイパッド3hも、アウタリード3cに繋がる第1吊りピン3iと、隣り合う2本のインナリード3bの間に配置され、かつタイバー3gに繋がる第2吊りピン3jと、枠部3qに繋がる第3吊りピン3kとによって支持されている。
【0056】
なお、これら第1吊りピン3d、第2吊りピン3e、第3吊りピン3fは、それぞれダイパッド3aと一体に形成されており、一方、第1吊りピン3i、第2吊りピン3j、第3吊りピン3kも、それぞれダイパッド3hと一体に形成されている。
【0057】
また、ダイパッド3aの上面3aaは、第1辺3acと第2辺3adと第3辺3aeと第4辺3afとを有しているとともに、第1吊りピン3dは、第1辺3acに繋がっており、第2吊りピン3eは、第1辺3acと反対側の第2辺3adに繋がっている。さらに、第3吊りピン3fは、第1吊りピン3dが繋がる第1辺3acおよび第2吊りピン3eが繋がる第2辺3adの両方の辺とは異なる第3辺3aeに繋がっている。
【0058】
一方、ダイパッド3hの上面3haも、ダイパッド3aと同様に、第1辺3hcと第2辺3hdと第3辺3heと第4辺3hfとを有しているとともに、第1吊りピン3iは、第1辺3hcに繋がっており、第2吊りピン3jは、第1辺3hcと反対側の第2辺3hdに繋がっている。さらに、第3吊りピン3kは、第1吊りピン3iが繋がる第1辺3hcおよび第2吊りピン3jが繋がる第2辺3hdの両方の辺とは異なる第3辺3heに繋がっている。
【0059】
なお、ダイパッド3aの第4辺3afおよびダイパッド3hの第4辺3hfには、それぞれ吊りピンは繋がっておらず、第4辺3afと第4辺3hfが相互に対向するようにダイパッド3aとダイパッド3hが配置されている。
【0060】
ここで、複数のインナリード3bやアウタリード3c、および上記各吊りピンとダイパッド3a,3hとタイバー3gと枠部3q等を含むリードフレーム3は、例えば銅合金や鉄−ニッケル合金等から成る薄板状の部材によって形成されている。
【0061】
以上のように、本実施の形態のリードフレーム3では、2つのダイパッド3a,3hのそれぞれが3本の吊りピンによる3点支持形態であるとともに、
図8のA部に示すように、各3本の吊りピンのうちの第2吊りピン3e,3jがそれぞれ隣り合う2本のインナリード3b間に配置され、かつタイバー3gに繋がっている。さらに、それぞれの3本の吊りピンとダイパッド3a,3hとがそれぞれに一体で形成されている。
【0062】
ここで、
図9を用いて本実施の形態のリードフレーム3における2つのダイパッド3a,3hの支持形態のバランス(安定度)について説明する。
図9は本実施の形態のリードフレーム3における3点支持によるそれぞれのダイパッド3a,3hの支持位置のバランスを示すものである。それぞれのダイパッド3a,3hにおいて支持位置をポイントとして三角形を形成し、この三角形の形状がバランスが良い(極端に小さな鋭角を有していない)か否かを評価したものである。
【0063】
図9に示すように、ダイパッド3aの三角形Aも、ダイパッド3hの三角形Bも三角の形状のバランスが良く、安定度が高い支持状態となっていることが判る。
【0064】
リードフレーム準備後、
図4および
図5のステップS2に示すダイボンディングを行う。本ダイボンディング工程では、まず、
図5のS2−1に示すダイボンド材塗布を行う。すなわち、リードフレーム3のダイパッド3a,3hにダイボンド材5である半田材を塗布する。さらに、
図5のS2−2に示すチップ搭載を行う。
【0065】
ここでは、
図3に示すようにダイパッド3aの上面3aa上にダイボンド材5を介して半導体チップ1を搭載するとともに、ダイパッド3hの上面3ha上にダイボンド材5を介して半導体チップ2を搭載する。なお、
図1に示すように、半導体チップ1の表面1aには複数の電極パッド1cが形成されており、一方、半導体チップ2の表面2aにも複数の電極パッド2cが形成されている。
【0066】
チップ搭載時には、半導体チップ1,2に対して所定の荷重が付与されるが、本実施の形態のリードフレーム3のダイパッド3a,3hは、それぞれ3本の吊りピンによって安定度高く3点支持されているため、ダイパッド3a,3hが上下動(振動)することを低減できる。
【0067】
ダイボンディング完了後、
図4および
図6のステップS3に示すワイヤボンディングを行う。本ワイヤボンディング工程では、
図1に示すように、それぞれの半導体チップ1,2の複数の電極パッド1c,2cと、これらに対応するそれぞれの複数のインナリード3bとを複数のワイヤ6を介して電気的に接続する。
【0068】
ワイヤボンディング時においても、半導体チップ1,2に対して所定の荷重あるいは超音波が付与されるが、本実施の形態のリードフレーム3のダイパッド3a,3hは、それぞれ3本の吊りピンによって安定度高く3点支持されているため、ワイヤボンディング時にダイパッド3a,3hが上下動(振動)することを低減できる。
【0069】
ワイヤボンディング完了後、
図4および
図6のステップS4に示す樹脂封入(樹脂モールド)を行う。すなわち、上記複数の吊りピン、半導体チップ1,2、ダイパッド3a,3h、複数のインナリード3bおよびワイヤ6を、
図6に示す封止用樹脂8によって封入し、封止体4を形成する。
【0070】
この時、樹脂成形金型9の下型9a上に、ワークであるワイヤボンディング済みのリードフレーム3を配置した後、下型9aと上型9bとでクランプを行い、さらに下型9aと上型9bとによって形成されるキャビティ9cに封止用樹脂8を注入して樹脂封入を行う。
【0071】
樹脂封入工程の樹脂注入時においても、半導体チップ1,2やダイパッド3a,3hに対して樹脂注入による圧力が付与されるが、本実施の形態のリードフレーム3のダイパッド3a,3hは、それぞれ3本の吊りピンによって安定度高く3点支持されているため、樹脂注入時にダイパッド3a,3hが上下動(振動)することを低減できる。
【0072】
樹脂封入完了後、
図4および
図7のステップS5に示すポストキュアを行う。すなわち、樹脂封入工程で形成した封止体4を熱処理して硬化させる。
【0073】
ポストキュア完了後、
図4のステップS6に示すバリ取り・外装めっきを行う。すなわち、樹脂封入工程等で形成されたレジンバリ等を除去するとともに、アウタリード3c等に対して外装めっきを施す。
【0074】
バリ取り・外装めっき完了後、
図4および
図7のステップS7に示す個片分離・リード加工を行う。すなわち、
図7に示すように、リードフレーム3から複数のアウタリード3cのそれぞれを切断・分離するとともに、各アウタリード3cの曲げ成形を行う。本実施の形態では、各アウタリード3cをガルウィング状に曲げ成形する。
【0075】
なお、個片分離工程では、
図10に示すように、まず、隣り合うアウタリード3c間のタイバー3gをタイバーカットパンチ10によって切断する(A部)とともに、第2吊りピン3e,3jを同時にタイバーカットパンチ10によって切断する(B部、C部)。
【0076】
すなわち、第2吊りピン3e,3jは両者ともタイバー3gに繋がっているため、タイバーカットパンチ10によってタイバー3gといっしょに切断することが可能である。つまり、第2吊りピン3e,3jは、両者ともタイバーカット工程において、残らないように容易に切断することができる。
【0077】
個片分離・リード加工後、
図4のステップS8に示す特性選別を行う。すなわち、組み立てられたSOP7に対して電気的特性検査を行い、良品・不良品の判別を行う。
【0078】
特性選別後、良品と判定されたSOP7に対してステップS9に示す捺印を行う。ここでは、例えば封止体4の表面に製品の型番等の情報をマーク(捺印)する。
【0079】
捺印後、
図4のステップS10に示すテーピングを行い、さらにステップS11に示す梱包・出荷を行う。
【0080】
本実施の形態の半導体装置の製造方法および半導体装置によれば、ダイパッド3a,3hを支持するそれぞれ3つの吊りピンが、第1吊りピン3d,3iと第2吊りピン3e,3jと第3吊りピン3f,3kを含み、さらに第1吊りピン3d,3iと第2吊りピン3e,3jと第3吊りピン3f,3kのそれぞれが、2つのダイパッド3a,3hのそれぞれと一体に形成されている。これにより、ダイパッド3a,3hのそれぞれが3点支持されるため、組み立て工程においてダイパッド3a,3hそれぞれが上下動(振動)することを低減できる。
【0081】
すなわち、ダイパッド3a,3hのそれぞれがバランス良く3点支持されていることにより、ダイボンディング工程やワイヤボンディング工程等におけるダイパッド3a,3hそれぞれの上下動(振動)を低減することができる。これにより、ボンディング時の荷重を十分に伝えることができ、ボンディング不良の発生を抑制することができる。
【0082】
また、ダイパッドがバランス良く3点支持されているため、樹脂封入工程における樹脂注入時のダイパッドの上下動(振動)も低減することができる。その結果、樹脂注入時に半導体チップやワイヤにダメージが付与されることを低減でき、ワイヤ切れ等の不良の発生を抑制することができる。
【0083】
以上により、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0084】
また、第2吊りピン3e,3jをインナリード間に配置することにより、半導体装置の本体の大きさ(外観サイズ)を変えることなく半導体装置のピン数を増やすことができ、半導体装置の機能向上にも対応させることができる。すなわち、インナリード3b間に配置した第2吊りピン3e,3jをそれぞれタイバー3gに繋げることにより、信号用のピンを使用することなくダイパッド3a,3hを支持することができる。
【0085】
これにより、信号用のピン数を増やすことができるため、半導体装置の機能を向上させることができる。
【0086】
さらに、第2吊りピン3e,3jをインナリード3b間に配置することにより、隣合うインナリード3b間の距離を確保することができ、インナリード3b間で発生するマイグレーションを抑制することができる。
【0087】
なお、半導体装置が小型化された半導体装置の場合、インナリード3bの2ndボンド部(ステッチ部)には、ワイヤボンディングを行うための面積が必要となり、ダイパッド3a,3hの外周部を封止体4の外周部の近傍まで近づけることはできない。すなわち、ダイパッド3a,3hのそれぞれを半導体チップ1,2より大きく迫り出させて形成することはできない。したがって、吊りピンとダイパッドが別対として形成されて後から接合するタイプのフレーム構造の場合、上記ダイパッドにその接合代を設ける必要があるが、上記ダイパッドを半導体チップ1,2より大きく迫り出させて形成することはできず、その結果、上記ダイパッドに上記接合代を設けるスペースがないため、上記フレーム構造の採用は困難である。
【0088】
しかしながら、本実施の形態の半導体装置では、3つの吊りピンがそれぞれダイパッド3a,3hと一体に形成されているため、上記接合代を設ける必要がなく、したがって、ダイパッド3a,3hのサイズをチップサイズと同程度に小さくすることができる。その結果、半導体装置(SOP7)の小型化にも対応させることができる。
【0089】
また、上記吊りピンと上記ダイパッドが別対として形成されたフレーム構造では、リードフレームが2種類の材料で形成されているため、コスト高となるとともに、上記吊りピンと上記ダイパッドを接合するための加工費もかかるため、半導体装置がさらにコスト高になる。
【0090】
また、上記吊りピンと上記ダイパッドの接合時の接合精度を確保する上でも、上記ダイパッドをチップサイズよりかなり大きくする必要があり、小型の半導体装置の場合には適用が不可能である。
【0091】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
【0092】
図11は
図1の半導体装置の組み立ての第2吊りピンの分離方法(樹脂注入前)の第1変形例を示す部分平面図、
図12は
図11のD部の構造を示す拡大部分平面図、
図13は
図1の半導体装置の組み立ての第2吊りピンの分離方法(樹脂注入後)の第1変形例を示す部分平面図、
図14は
図13のG部の構造を示す拡大部分平面図、
図15は
図14の詳細構造を示す拡大部分平面図である。
【0093】
図11〜
図15に示す第1変形例は、隣り合うインナリード3b間に配置した第2吊りピン3e,3jの分離方法の変形例を示すものであり、
図10に示すように樹脂封入後にタイバーカット工程でタイバー3gといっしょに切断する方法とは異なり、第1変形例は、樹脂封入工程において樹脂の注入圧力によって引きちぎって分離するものである。すなわち、樹脂封入工程では、タイバー3gの内側には
図13に示す封止用樹脂8が充填されるため、タイバー3gに作用する封止用樹脂8の圧力を利用するものであり、樹脂注入時の封止用樹脂8の圧力によってタイバー3gを押圧して変形させ、このタイバー3gの変形によってタイバー3gに繋がっている第2吊りピン3e,3jを引きちぎるものである。
【0094】
詳細に説明すると、まず、
図11および
図12に示すように、
図13の封止用樹脂8を
図6の樹脂成形金型9内に注入する前に、タイバー3gと距離Eの隙間(クリアランス)12を設けてブロック材11をタイバー3gの外側に配置する。この時、
図12に示すように、上記封止用樹脂8の圧力によって変形するタイバー3gの変形許容量をEとすると、この場合、タイバー3gの変形量は、ブロック材11との隙間12の距離Eで設定できる。
【0095】
また、距離Eを、第2吊りピン3e,3jの
図11の引きちぎり部3rと、樹脂封止によって形成される
図12の封止体4の外周部(モールド外形)との距離Fと同等か、もしくは大きくする(E≧F)ことにより、封止体4の外周部より内側で吊りピンをちぎることができる。
【0096】
また、タイバー3gの最大変形量が距離Eとなるため、これにより、タイバー3gの変形が必要以上に起こることを防止できる。
【0097】
なお、
図12のH部に示すように吊りピンが繋がっていないタイバー3gについては、タイバー3gを変形させる必要がないため、タイバー3gと隙間を設けず接触する程度の位置にブロック材11を配置する。
【0098】
また、
図12のI部に示すように、第2吊りピン3e,3jの先端付近の
図11に示す引きちぎり部3rには、その断面積を小さくするような溝部3p(例えばV溝)もしくは段差部あるいは切り込み等が形成されていることが好ましい。第2吊りピン3e,3jの先端付近の引きちぎり部3rに溝部3pや段差部もしくは切り込みが形成されていることにより、引きちぎる際に、ちぎり易くすることができるとともに、ちぎる際に第2吊りピン3e,3jに掛かる応力を低減することができる。
【0099】
なお、第2吊りピン3e,3jの引きちぎり部3rは、形成される封止体4の外周部より内側の位置に形成することが好ましい。これにより、第2吊りピン3e,3jをその先端まで封止体4内に封じ込めることができる。
【0100】
また、タイバー3gの変形および第2吊りピン3e,3jの破断(引きちぎり)が発生するタイミングは、
図13および
図14に示すように、樹脂成形金型9(
図6参照)のゲート9dを介して封止用樹脂8の注入が行われ、樹脂流れ8aとなって樹脂成形金型9内を充填した後、樹脂封入プロセスの最終段階、つまりほとんど封止用樹脂8の充填が完了し、設定された最終圧力が加わる時である。この時、封止用樹脂8は未硬化状態の流動体であり、
図14に示すようにタイバー3gに封止用樹脂8の圧力Pが加わり、
図14のI部周辺に示すように圧力Pによってタイバー3gが変形し、かつこのタイバー3gの変形力によって
図15のI部に示すように、第2吊りピン3e,3jがそれらの引きちぎり部3rで引きちぎられる。
【0101】
なお、第2吊りピン3e,3jが破断し、その破断された吊りピンの間には、封止用樹脂8が流入するがその量は封止体4の体積に比較して極微量であるため、ダイパッド3a,3hはそれぞれ吊りピンの破断により保持力を失ってはいるものの、上下に振動(シフト)したり、変形は発生しない。
【0102】
第2吊りピン3e,3jが引きちぎられた後、第2吊りピン3e,3jの先端は封止用樹脂8で覆われる。すなわち、内部で破断した第2吊りピン3e,3jと封止体4の外周部の間(
図15のI部に示す引きちぎられたピン間)は封止用樹脂8で埋まるため、第2吊りピン3e,3jの引きちぎられた先端は封止体4内に埋め込まれた状態となる。
【0103】
封入完了後、引きちぎり部3rで引きちぎられた第2吊りピン3e,3jは、それぞれ封止体4内に埋め込まれて外観からは見えなくなっており、SOP7の外観性を損なうことはない。
【0104】
また、封止体4の外部からの液浸入による耐湿性低下や、絶縁抵抗の低下、さらに吊りピンと隣接リード間とのマイグレーションの発生を防止することができ、SOP7の信頼性の向上を図ることができる。
【0105】
また、タイバー3gの変形によって第2吊りピン3e,3jが引きちぎられた後、タイバー3gの変形はブロック材11に突き当たって止まるため、タイバー3gがそれ以上変形することは無く、タイバー3gと繋がる各インナリード3bが変形することを防止できる。
【0106】
なお、
図12のJ部に示すように、各インナリード3bの封止体4の外周部の内側に位置する箇所には、V溝等の溝部3pや段差部等が形成されており、これにより、外部からの液浸入による耐湿性低下や絶縁抵抗の低下等を抑制して、SOP7の信頼性の向上を図ることができる。
【0107】
次に第2変形例〜第4変形例について説明する。
【0108】
図16は実施の形態の半導体装置の組み立てで用いられる第2変形例のリードフレームの構造を示す拡大部分平面図、
図17は
図16のリードフレームのダイパッドの安定性を示す部分平面図、
図18は実施の形態の半導体装置の組み立てで用いられる第3変形例のリードフレームの構造を示す拡大部分平面図である。また、
図19は
図18のリードフレームのダイパッドの安定性を示す部分平面図、
図20は実施の形態の半導体装置の組み立てで用いられる第4変形例のリードフレームの構造を示す拡大部分平面図、
図21は
図20のリードフレームのダイパッドの安定性を示す部分平面図である。
【0109】
図16および
図17に示す第2変形例は、2つのダイパッド3a,3hが横並びで設けられたリードフレーム3において、2つのダイパッド3a,3hのそれぞれに繋がる2つの第2吊りピン3e,3jが、
図16のA部に示すように、隣り合って配置されているものであり、両方のダイパッド3a,3hとも、3つの吊りピンによって支持された3点支持形態のものである。
【0110】
さらに、3つの吊りピンのうちのそれぞれの第2吊りピン3e,3jがタイバー3gに繋がっている。
【0111】
図16および
図17に示す第2変形例のリードフレーム3においても、
図17に示すように、ダイパッド3aの三角形Aも、ダイパッド3hの三角形Bも三角の形状のバランスが良く、安定度が高い支持状態となっていることが判る。
【0112】
また、
図18および
図19に示す第3変形例は、2つのダイパッド3a,3hが横並びで設けられたリードフレーム3において、2つのダイパッド3a,3hのそれぞれに繋がる2つの第2吊りピン3e,3jが、
図18のA部に示すように、それぞれ隣り合うインナリード3b間に配置され、かつ第2吊りピン3e,3jともタイバー3gに繋がった構造のものである。
【0113】
したがって、両方のダイパッド3a,3hとも、3つの吊りピンによって支持された3点支持形態のものである。
【0114】
図18および
図19に示す第3変形例のリードフレーム3においても、
図19に示すように、ダイパッド3aの三角形Aも、ダイパッド3hの三角形Bも三角の形状のバランスが良く、安定度が高い支持状態となっていることが判る。
【0115】
また、
図20および
図21に示す第4変形例は、2つのダイパッド3a,3hが横並びで設けられたリードフレーム3において、2つのダイパッド3a,3hのそれぞれに繋がる2つの第2吊りピン3e,3jが、
図20のA部に示すように、それぞれインナリード3b間に配置され、かつタイバー3gに繋がっている。さらに、一方のダイパッド3aがタイバー3gに繋がる
図20のB部に示す第4吊りピン3mによっても支持されているものである。
【0116】
すなわち、ダイパッド3aは4本の吊りピンによって支持された4点支持形態であり、一方、ダイパッド3hは、3点支持形態となっている。
【0117】
図20および
図21に示す第4変形例のリードフレーム3においても、4点支持形態のダイパッド3aと3点支持形態のダイパッド3hを備えており、
図21に示すように、ダイパッド3aの四角形Aも、ダイパッド3hの三角形Bも、それぞれ四角および三角の形状のバランスが良く、安定度が高い支持状態となっていることが判る。
【0118】
上記第2変形例〜第4変形例のリードフレーム3を用いて組み立てられるSOP7においても、
図1〜
図3に示すSOP7およびその組み立てによって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0119】
次に第5変形例〜第7変形例について説明する。
【0120】
図22は実施の形態の半導体装置の組み立てで用いられる第5変形例のリードフレームの構造を示す拡大部分平面図および部分断面図、
図23は実施の形態の半導体装置の組み立てで用いられる第6変形例のリードフレームの構造を示す拡大部分平面図、
図24は
図23のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図である。また、
図25は実施の形態の半導体装置の組み立てで用いられる第7変形例のリードフレームの構造を示す拡大部分平面図および部分断面図である。
【0121】
図22に示す第5変形例は、
図8に示すリードフレーム3のダイパッド3a,3hと同様に、2つのダイパッド3a,3hが横並びで設けられており、2つのダイパッド3a,3hそれぞれに繋がる第2吊りピン3e,3jが、それぞれインナリード3b間に配置され、かつタイバー3gに繋がっている形状のリードフレーム3である。
【0122】
さらに、一方のダイパッド3aにおいて、このダイパッド3aを支持する何れかの吊りピン(ここでは、第1吊りピン3dと第3吊りピン3f)とダイパッド3aの縁に曲げ部3nが形成されている。
【0123】
すなわち、
図22のA部およびB部に示すように、第1吊りピン3dと第3吊りピン3fにその延在方向に沿って曲げ部3nが形成されているとともに、この曲げ部3nと繋がった他の曲げ部3nがダイパッド3aの一部の縁(端部)に形成されている。なお、曲げ部3nは、A部やB部のように吊りピンの断面が山形状になるような曲げであってもよく、あるいは谷形状になるような曲げであってもよい。
【0124】
このようにダイパッド3aの縁(端部)および吊りピンに曲げ部3nが形成されていることにより、ダイボンディング工程やワイヤボンディング工程等におけるダイパッド3aの上下動(振動)を低減することができる。
【0125】
さらに、樹脂封入時の
図6に示す樹脂成形金型9の下型9aや上型9bのそれぞれの合わせ面の形状を吊りピンの曲げ部3nの形状に対応させることにより、樹脂封入工程における樹脂注入時のダイパッドの上下動(振動)も低減することができ、その結果、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0126】
なお、ダイパッドの縁(端部)や吊りピンの曲げ部3nは、何れか1つのダイパッドもしくは吊りピンに形成されていてもよく、あるいは複数のダイパッドもしくは吊りピンに形成されていてもよい。
【0127】
次に、
図23および
図24に示す第6変形例は、
図8に示すリードフレーム3のダイパッド3a,3hと同様に、2つのダイパッド3a,3hが横並びで設けられており、2つのダイパッド3a,3hそれぞれに繋がる第2吊りピン3e,3jが、それぞれインナリード3b間に配置され、かつタイバー3gに繋がっている形状のリードフレーム3である。
【0128】
第6変形例のリードフレーム3では、
図23のQ部およびR部に示すように、それぞれのダイパッド3a,3hの4辺のうちの少なくとも1辺に対応した縁(端部)に折り曲げ部3agが形成されている。ここで、折り曲げ部3agは、
図24に示すように、下面3ab,3hb側に向かって折り曲げる形で形成されている。
【0129】
このように折り曲げ部3agを下面3ab,3hb側に向かって折り曲げて形成することにより、半導体チップ1,2の搭載の妨げにはならないようにすることができる。
【0130】
なお、折り曲げ部3agは、複数のダイパッドのうちの少なくとも1つのダイパッドの何れかの辺に対応して形成されていれば良い。
【0131】
以上のようにダイパッド3aやダイパッド3hに折り曲げ部3agを形成することにより、ダイパッド3a,3hそのものの剛性を高めることができる。その結果、ダイボンディング工程やワイヤボンディング工程、さらには樹脂封入工程におけるダイパッド3a,3hそれぞれの上下動(振動)を低減することができ、その結果、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0132】
また、
図25に示す第7変形例は、
図8に示すリードフレーム3のダイパッド3a,3hと同様に、2つのダイパッド3a,3hが横並びで設けられており、2つのダイパッド3a,3hそれぞれに繋がる第2吊りピン3e,3jが、それぞれインナリード3b間に配置され、かつタイバー3gに繋がっている形状のリードフレーム3である。
【0133】
さらに、
図25のリードフレーム3の形状は、
図22の吊りピンおよびダイパッドの縁(端部)の曲げ部3n(A部、B部)と、
図23のダイパッドの他の縁(他の端部)の折り曲げ部3ag(Q部、R部)とを組み合わせたものである。
【0134】
これにより、ダイパッドそのものの剛性を高めることができるとともに、吊りピンの剛性も高めることができる。
【0135】
その結果、ダイボンディング工程やワイヤボンディング工程等におけるダイパッド3aの上下動(振動)を低減することができる。さらに、樹脂封入時の
図6に示す樹脂成形金型9の下型9aや上型9bのそれぞれの合わせ面の形状を吊りピンの曲げ部3nの形状に対応させることにより、樹脂封入工程における樹脂注入時のダイパッドの上下動(振動)も低減することができる。
【0136】
以上により、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0137】
なお、ダイパッドの縁(端部)の折り曲げ部3agや曲げ部3n、また吊りピンの曲げ部3nは、何れか1つのダイパッドもしくは吊りピンに形成されていてもよく、あるいは複数のダイパッドもしくは吊りピンに形成されていてもよい。
【0138】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0139】
例えば、上記実施の形態では、半導体装置の一例としてSOPを取り上げて説明したが、上記半導体装置は、複数のダイパッドとこれらのダイパッドを支持する複数の吊りピンを備えた半導体装置であれば、他の半導体装置であってもよい。すなわち、SOP以外のディスクリート品であってもよく、さらにQFN(Quad Flat Non-leaded Package) やQFP(Quad Flat Package)等の半導体装置であってもよい。