【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)/先進操縦システム等研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2は、アクティブなアクチュエータを制御する主制御部のみの従動信号生成によって、動翼を駆動するアクチュエータを切り換えると、アクティブなアクチュエータとスタンバイなアクチュエータを滑らかに切り換えることができる、としている。ところが、特許文献2は、油圧源が機能喪失又は低下を含め、故障との関係でどのようなタイミングでアクチュエータを切り換えるのかについて、開示するところがない。切替えのタイミングを誤ると、アクチュエータを滑らかに切り換えることができず、急激な舵角変化が生じるおそれがある。
そこで本発明は、アクティブなアクチュエータとスタンバイなアクチュエータを切り換える際の、急激な舵角変化を防止できる動翼のアクチュエータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもとなされた航空機の動翼を駆動するアクチュエータ装置は、動翼を駆動する第1アクチュエータと、第1アクチュエータと切り換えて動翼を駆動する第2アクチュエータと、
第1アクチュエータと第2アクチュエータの動作を制御するコントローラと、を備える。
第1アクチュエータは、第1油圧源から第1系統を通って作動油が供給されることで動翼を駆動する。また、第2アクチュエータは、第2油圧源から第1系統を通って作動油が供給されることで動翼を駆動する。
本発明のアクチュエータ装置は、
コントローラが、第1油圧系統における作動油の第1油圧値及び第2油圧系統における作動油の第2油圧値を検知し、第1アクチュエータが
動翼を駆動しているアクティブ、第2アクチュエータが
動翼を駆動していないスタンバイとして機能している状態で、第1系統における作動油の第1油圧値が予め定められた第1閾値以下になると、第1アクチュエータ
をアクティブからスタンバイに、第2アクチュエータ
をスタンバイからアクティブに切り替えることを特徴としている。
本発明のアクチュエータ装置は、通常の運航時には、第1アクチュエータを使って動翼を駆動させる。このとき、第2アクチュエータは、動翼を積極的に駆動する動作を行なわない。したがって、本発明のアクチュエータ装置は冗長性を確保できる。また、本発明のアクチュエータ装置は、第1アクチュエータがアクティブのときに、当該作動油が所定の低油圧域に達すると、第2アクチュエータをアクティブに切り換えるので、トランジェント(transient:過渡現象)、すなわち、急激な舵角変化が生じるのを防止できる。
【0007】
本発明のアクチュエータ装置において、
コントローラは、第1油圧値が第1閾値以下になり、かつ、第2系統における作動油の第2油圧値が予め定められた第2閾値以上の場合に、第1アクチュエータをアクティブからスタンバイに、第2アクチュエータをスタンバイからアクティブに切り換えることができる。第2アクチュエータを正常に駆動できる油圧が保たれていることを確認してから第2アクチュエータをスタンバイからアクティブに切り換えるので、切り換えた後の舵面の動作の信頼性を保証できる。
なお、
コントローラは、第1閾値と第2閾値
が、第1閾値<第2閾値の関係を有する
場合に、第1アクチュエータをアクティブからスタンバイに、第2アクチュエータをスタンバイからアクティブに切り換えることが好ましい。
【0008】
一方、
コントローラは、第2系統における作動油の第2油圧値が予め定められた第
2閾値未満の場合には、第1アクチュエータがアクティブ、第2アクチュエータがスタンバイの状態を継続するが、第1アクチュエータの現在位置と目標位置の差分が予め定められた第3閾値以上になると、第1アクチュエータをアクティブからスタンバイに、第2アクチュエータをスタンバイからアクティブに切り換える。
【0009】
本発明のアクチュエータ装置において、作動油の油圧値が上述した条件を判定するのに加えて、第1油圧系統についての操作モードがノーマルモードからダイレクトモードになる第1条件、第1油圧系統に属する機器の故障を検知する第2条件のいずれかにより、第1アクチュエータがアクティブからスタンバイに、第2アクチュエータがスタンバイからアクティブに切り換えることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の動翼のアクチュエータ装置によれば、トランジェントを防止しつつ、アクティブなアクチュエータとスタンバイなアクチュエータを切り換えことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施形態は、本発明のアクチュエータ装置を
図1,
図2に示す航空機1の主翼2に設けられるエルロン10に適用した例について説明する。
【0013】
エルロン10は、左右の主翼2,2の各々に設けられ、例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic;炭素繊維強化プラスチック)から外殻が形成されており、図示を省略するヒンジを介して主翼2に取り付けられている。
【0014】
各主翼2におけるエルロン10は、
図1に示すように、アクチュエータ装置20を備えている。各アクチュエータ装置20は、第1アクチュエータ21Aと第2アクチュエータ21Bの2つの駆動源を備えている。第1アクチュエータ21Aと第2アクチュエータ21Bは、同じ仕様の油圧式のアクチュエータ(油圧シリンダ)が適用される。いずれのアクチュエータを用いても、同じ条件でエルロン10を駆動させるためである。なお、
図1は、アクチュエータ装置20を主翼2の外側に示しているが、これは理解を容易にするためであり、実際には主翼2の内部に収容されている。後述する他の要素についても同様である。
【0015】
図1,
図2に示すように、航空機1は、各々独立し異なる左側油圧系統31L、中央油圧系統31C及び右側油圧系統31Rという3つの油圧供給系統を備えている。そして、左側の主翼2の第1アクチュエータ21Aには左側油圧系統31Lから、左側の主翼2の第2アクチュエータ21Bには中央油圧系統31Cから作動油が供給される。右側の主翼2の第1アクチュエータ21Aには左側油圧系統31Lから、右側の主翼2の第2アクチュエータ21Bには右側油圧系統31Rから作動油が供給される。
左側油圧系統31Lは、左側の主翼2に作動油を供給する経路に左側油圧源35L及び制御弁23Aが設けられ、右側の主翼2に作動油を供給する経路にも左側油圧源35L及び制御弁23Aが設けられている。また、中央油圧系統31Cには中央油圧源35C及び制御弁23Aが設けられ、右側油圧系統31Rには左側油圧源35R及び制御弁23Bが設けられている。
【0016】
[コントローラ40,アクチュエータコントローラ33A,33B]
航空機1には、フライトコントローラ40が設けられている。このフライトコントローラ40は、第1アクチュエータコントローラ(以下、第1コントローラ)33A及び第2アクチュエータコントローラ(以下、第2コントローラ)33Bに対して上位の制御手段として位置付けられており、第1コントローラ33A及び第2コントローラ33Bを介してエルロン10の動作を指令するように構成されている。
フライトコントローラ40は、操縦士の操作・指示に基づいてエルロン10の動作を指令する指令信号を生成し、この指令信号を2つのコントローラ33A,33Bに送る。そうすると、第1コントローラ33A、第2コントローラ33Bが当該指令信号に基づいて、各々、第1制御弁23A,第2制御弁23Bの開閉を調整するなどして第1アクチュエータ21A、第2アクチュエータ21Bの動作を制御する。
以上の構成、動作の制御は、左右の主翼2で共通する。
【0017】
指令信号には、操縦士が選択する操作モードも含まれている。操作モードは、ノーマルモードとダイレクトモードの2種類ある。
ノーマルモードは、操縦士の操作に対して、航空機1の飛行条件(高度、速度など)に応じて調整されたゲインを付与して、エルロン10を展開させる角度(舵角)を決定する。これに対して、ダイレクトモードは、操縦士の操作に対して、固定のゲインを付与して、エルロン10の舵角を決定する。
【0018】
通常の運航時には、一方の第1アクチュエータ21Aを使ってエルロン10を駆動するように指示がなされる。このとき、他方の第2アクチュエータ21Bは冗長性確保のために待機し、エルロン10を積極的に駆動する動作を行なわない。つまり、通常の運航時には、第1アクチュエータ21Aはアクティブとなり、第2アクチュエータ21Bはスタンバイとなる。スタンバイしている第2アクチュエータ21Bは、第1アクチュエータ21Aにより駆動されるエルロン10の動きに追従することになり、第1アクチュエータ21Aの動作のダンパとして働く。
【0019】
[コントローラ33A,33Bによる油圧検知・比較]
以下、左側の主翼2を例にして、油圧の検知及び比較を説明する。
第1コントローラ33Aは、左側油圧系統31Lの動作が正常か否かを作動油の圧力(油圧)を取得して、また、第2コントローラ33Bは、中央油圧系統31Cの作動油の圧力(油圧)を取得して監視している。ここで、左側油圧系統31Lの油圧をP
A(第1油圧値)といい、中央油圧系統31C(第2油圧値)の油圧をP
Bという。また、第1コントローラ33A及び第2コントローラ33Bは、油圧に関する2つの閾値であるP
L(第1閾値)とP
H(第2閾値)を保持し、油圧P
A,P
Bと閾値P
L,P
Hの大小関係を判定することで、第1アクチュエータ21Aと第2アクチュエータ21Bの切り換えを行なう。なお、閾値P
L,P
Hは、P
L<P
Hの関係を有している。
本実施形態では、圧力の脈動なども考慮して、閾値をP
L,P
Hと2つ設け、かつ、2つの閾値をPL<PHの関係とすることで、ヒステリシスを持たせている。つまり、閾値を単一にすると、油圧の大小判断が頻繁に切り替わるおそれがあり、それによって、第1アクチュエータ21Aと第2アクチュエータ21Bの切り替えが頻繁に起こるのを避けるためである。ただし、本発明は、閾値P
Lと閾値P
Hが一致していてもよい。
【0020】
[コントローラ33Aの位置検知・比較]
また、第1コントローラ33Aは、フライトコントローラ40からのエルロン10の動作指令に基づく目標位置と現在位置とを比較し、その差分を逐次求めている。第1コントローラ33Aは、後述するように、この差分と閾値との大小関係を判定することで、第1アクチュエータ21Aと第2アクチュエータ21Bの切り換えを行なう。
目標位置及び現在位置は、エルロン10の舵角に対応して特定される。ここで、目標位置をθ
T、現在位置をθ
Nとし、閾値をθ
Rとすると、差分Δθは|θ
T−θ
N|となり、第1コントローラ33Aは、差分Δθ(|θ
T−θ
N|)と閾値θ
Rの大小関係を逐次判定する。
なお、ここでは、第1アクチュエータ21Aがアクティブである場合を説明しているが、第2アクチュエータ21Bがアクティブになると、第2コントローラ33Bが差分Δθ(|θ
T−θ
N|)と閾値θ
Rの大小関係を逐次判定することになる。
なお、目標位置は、コントローラ内で計算された目標の第1アクチュエータ21A,第2アクチュエータ21Bのシリンダの位置であり、また、現在位置は、当該シリンダに付いているセンサから読み取った、現在のシリンダ位置である。いずれも、エルロン10の舵角と対応している。目標位置は、操縦士の操作によって設定される場合及び自動操縦によって設定される場合がある。
【0021】
[コントローラ33A,33Bによる故障検知]
第1コントローラ33Aは、左側油圧系統31Lに属する機器の故障を検知する機能を備えている。また、第2コントローラ33Bも同様に、中央油圧系統31Cに属する機器の故障を検知する機能を備えている。そして、後述の通り、第1アクチュエータ21Aがアクティブとなっている場合、第1コントローラ33Aがいずれかの機器の故障を検知すると、第2アクチュエータ21Bをアクティブに切り換える。第2アクチュエータ21Bがアクティブとなっている場合は、この逆となる。
故障検知の対象となる機器は、少なくとも左側油圧源35L,中央油圧源35C、制御弁23A,23Bが該当するが、他に左側油圧系統31L及び中央油圧系統31Cに属する機器を包含する。
【0022】
[アクチュエータの切替手順]
次に、
図3を参照して、本実施形態のアクチュエータ装置20における第1アクチュエータ21Aと第2アクチュエータ21Bのアクティブとスタンバイの切替えの手順を説明する。なお、第1アクチュエータ21Aがアクティブ、第2アクチュエータ21Bがスタンバイの状態であることを前提にする(
図3,S101)。また、ここでは左側の主翼2を例にして説明する。
切り換えの判定は、操作モード(
図3,S103)、故障検知(
図3,S105)及び油圧状態(
図3,S107〜)の3つの条件に基づいて行なわれる。3つの条件のいずれかが成立すると、アクチュエータの状態の切り換えが行なわれる。以下、便宜上、操作モード、故障検知及び油圧状態の順番で説明するが、実際の判定を同時並行的に行なってもよい。
【0023】
[操作モードによる判定]
第1コントローラ33Aは、操作モードに関する情報をフライトコントローラ40から取得し、取得した操作モードがノーマルモードかダイレクトモードかを判定する(
図3,S103)。取得した操作モードがノーマルモードであれば、第1アクチュエータ21Aがアクティブの状態、第2アクチュエータ21Bがスタンバイの状態を維持する(
図3,S101)。一方、取得した操作モードがダイレクトモードであれば、第1アクチュエータ21Aをスタンバイに、また、第2アクチュエータ21Bをアクティブに切り換える(
図3,S113)。
以上のように判定するのは、できるだけノーマルモードでの動作を維持するためである。例えば、左側油圧系統31Lについて故障を検出してダイレクトモードになったとしても、中央油圧系統31Cはノーマルモードで動作が可能なこともあるので、中央油圧系統31Cにエルロン10の動作を委ねる。一方、もともとスタンバイであった中央油圧系統31Cは、自身がダイレクトモードになっても、そのまま制御を継続することができる。
【0024】
[故障検知による判定]
上述の通り、第1コントローラ33Aは、左側油圧系統31Lに属する機器の故障を検知する機能を有しており、いずれかの機器が故障しているか否かを常時判定している(
図3,S105)。いずれの機器も故障していなければ、第1アクチュエータ21Aがアクティブの状態、第2アクチュエータ21Bがスタンバイの状態を維持する(
図3,S101)。一方、一つでも機器が故障したことを検知すればあれば、第1アクチュエータ21Aをスタンバイに、また、第2アクチュエータ21Bをアクティブに切り換える(
図3,S113)。
【0025】
[油圧状態による判定]
第1コントローラ33Aは、左側油圧系統31L(第1油圧系統)の油圧P
Aと閾値P
Lの大小関係を判定する(
図3,S107)。
油圧P
Aが閾値(下限値)P
Lを上回っている場合は、第1アクチュエータ21Aがアクティブの状態、第2アクチュエータ21Bがスタンバイの状態を維持し続ける(
図3,S101)。
他方、左側油圧系統31Lの油圧P
Aが降下し、閾値(下限値)P
L以下となった場合には、中央油圧系統31Cの油圧P
Bと閾値P
Hの大小関係を判定する(
図3,S109)。そして、油圧P
Bが閾値P
H以上であれば、第1アクチュエータ21Aをスタンバイの状態に、また、第2アクチュエータ21Bをアクティブの状態に切り換える(
図3,S113)。
【0026】
一方、油圧P
Bが閾値P
Hに達していない場合、目標位置θ
Tと現在位置θ
Nの差分Δθ(|θ
T−θ
N|)と閾値θ
Rの大小関係の判定に基づいて、第1アクチュエータ21Aと第2アクチュエータ21Bの切り換え可否が決定される(
図3,S111)。つまり、差分Δθが閾値θ
Rを下回っている場合、左側油圧系統31Lの油圧P
Aが低下していても、エルロン10の動作位置(舵角)には影響が生じていないため、第1アクチュエータ21Aがアクティブの状態、第2アクチュエータ21Bがスタンバイの状態をそのまま継続する(
図3,S101)。一方、差分Δθが閾値θ
R以上であれば、第1アクチュエータ21Aをスタンバイの状態に、また、第2アクチュエータ21Bをアクティブの状態に切り換える(
図3,S113)。
なお、右側の主翼2については、左側油圧系統31Lと右側油圧系統31Rの間で、上記と同様の判定を行うとともに、第1アクチュエータ21Aがアクティブの状態と第2アクチュエータ21Bがスタンバイの状態とを切り替える。
【0027】
第1アクチュエータ21Aをスタンバイの状態に、また、第2アクチュエータ21Bをアクティブの状態に切り換えた後は、以上で説明した手順で、再度、第1アクチュエータ21Aをアクティブに、また、第2アクチュエータ21Bをスタンバイに切り換えることもある。
【0028】
[本実施形態の効果]
以上のアクチュエータ装置20は、以下の効果を奏する。
本発明のアクチュエータ装置20は、操作モード、故障検知及び油圧状態という複数の判定条件を並行して監視し、いずれかの判定条件が成立すると、第1アクチュエータ21Aから第2アクチュエータ21Bにアクティブな状態が速やかに切り替わる。したがって、エルロン10の動作の信頼性が向上し、航空機1の飛行の安全性が一層確保される。
【0029】
次に、アクチュエータ装置20は、切り換えの条件の一つとして系統内の油圧状態を用いているが、これは以下説明するようにトランジェント(急激な舵角変化)の防止に有効である。
すなわち、第1アクチュエータ21Aを制御する左側油圧系統31Lが故障し、系統内の油圧が低下したことは、上述した差分Δθと閾値θ
Rの大小関係に基づいて判断することもできる。ところが、差分Δθが閾値θ
Rに達した時点で油圧低下と判断し、左側油圧系統31Lから中央油圧系統31Cに切り換えると、それまでスタンバイであった第2アクチュエータ21Bは現在位置から目標位置θ
Tまでの差が大きい。したがって、アクティブとなった第2アクチュエータ21Bは、大きな差がある目標位置θ
Tまで急激に動作するため、トランジェントが発生してしまう。
そこで、本実施形態では、第1アクチュエータ21Aに関して系統内の油圧P
Aが低下したことを検知すると、アクチュエータの切り換えを速やかに実行することにより、トランジェントの発生を抑制できる。したがって、アクチュエータ装置20によれば、油圧系統の切り替え時におけるエルロン10の急激な舵角変化を抑えることができる。
【0030】
また、アクチュエータ装置20は、中央油圧系統31Cにおける油圧P
Bが閾値P
H以上であるか判定してから、アクティブを第1アクチュエータ21Aから第2アクチュエータ21Bに切り換えるので、切り換えた後のエルロン10の動作の信頼性を保証できる。
なお、本発明は、油圧P
Bが閾値P
H未満であっても、第1アクチュエータ21Aをスタンバイに、また、第2アクチュエータ21Bをアクティブに切り換えることを許容する。この場合、以上で説明した手順で、再度、第1アクチュエータ21Aをアクティブに、また、第2アクチュエータ21Bをスタンバイに切り換えることになる。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施形態では、動翼としてエルロン10を例にして説明したが、例えば水平尾翼に設けられるエレベータを駆動するアクチュエータ装置、垂直尾翼に設けられるラダーを駆動するアクチュエータ装置にも適用できる。
本実施形態では、一つの動翼に第1アクチュエータ21A及び第2アクチュエータ21Bの2つのアクチュエータを設ける例を示したが、本発明は、一つの動翼に3つ以上のアクチュエータを設けることもできる。この場合、一つのアクチュエータがアクティブな状態、残りのアクチュエータがスタンバイな状態となるケースもあれば、複数、例えば二つのアクチュエータがアクティブ、残りの一つ又は複数のアクチュエータがスタンバイとなるケースもある。