特許第6178605号(P6178605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178605
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】バックル装置及びシートベルト装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/26 20060101AFI20170731BHJP
【FI】
   B60R22/26
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-85142(P2013-85142)
(22)【出願日】2013年4月15日
(65)【公開番号】特開2014-205464(P2014-205464A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】503175047
【氏名又は名称】オートリブ株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(74)【復代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 修司
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−028764(JP,U)
【文献】 特開平05−105028(JP,A)
【文献】 特開2005−263069(JP,A)
【文献】 実開平03−015248(JP,U)
【文献】 特開2011−098700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 22/00−48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルトのバックルと、該バックルを収納する収納部とを備え、該収納部から前記バックルを進退させるように構成したリンク機構を備えたバックル装置において、
前記収納部は、
前記バックルが出入りするための開口部を有し、
前記リンク機構は、
前記収納部に対して位置が固定された軸部と、
一端部が該軸部にて回動可能に支持され、前記リンク機構が駆動した場合に前記収納部の内部に侵入可能な長さを有する第1リンク棒と、
一端部に前記バックルが接続され、前記リンク機構が折り畳まれた場合に前記バックルの上部が前記開口部の縁部分または当該開口部よりも下方に位置し、前記リンク機構が駆動した場合に前記バックル全体が前記収納部から飛び出すように構成された長さを有し、前記第1リンク棒より長い第2リンク棒と、
前記軸部と中心軸が略平行であり、前記第1リンク棒の他端部と、前記第2リンク棒の他端部とを連結する連結軸と、
前記第2リンク棒の一部に設けられた鉤部と、
前記収納部に前記バックルが収納された場合に前記鉤部が掛合する掛合部と
を備え、
前記鉤部及び前記掛合部は、前記収納部に収納された前記バックルの中心線の方向に鉛直な当接部分を有し、前記バックルの収納時に、前記連結軸が前記掛合部よりも下方に位置するように構成されているバックル装置。
【請求項2】
前記軸部の中心部分及び前記掛合部の中心部分は、
前記収納部に前記バックルが収納されたときの前記第2リンク棒の中心線に関してそれぞれ反対側になるように設けられている
請求項1に記載のバックル装置。
【請求項3】
前記収納部は、
前記バックルの進退を案内する案内部を備える
請求項1又は請求項2に記載のバックル装置。
【請求項4】
前記収納部は
記バックルを前記開口部から前記収納部の内部へ案内する傾斜部を有する
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のバックル装置。
【請求項5】
前記バックルが進出する方向に、前記第1リンク棒又は前記第2リンク棒を付勢する付勢部材を備える
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のバックル装置。
【請求項6】
前記軸部を回転させるモータを備える
請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のバックル装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のバックル装置と、
該バックル装置の前記バックルに装着されるタングと、
該タングが設けられたシートベルトと
を備えるシートベルト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられるシートベルト用のバックル装置、及び該バックル装置を備えたシートベルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の座席に設けられるシートベルト装置は、車両の衝突時に乗員を拘束し、保護する装置であり、シートベルト(ウェビング)、シートベルト非装着時に該シートベルトを内部に引き込んで収容するリトラクタ及びバックル装置を備える。特許文献1には、車両用シートに、バックルを収納するための収納部を設け、シートベルト用のバックルを、リンク機構を介して収納部に収納するバックル装置が開示されている。バックル装置は、リンク機構を電動で駆動させることにより、バックルが、シート前側に前傾して収納部から突出するように構成されている。このように構成された特許文献1に記載のバックル装置によれば、シートの着座性を維持しつつ、バックルをより目立つように配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の急ブレーキ時、車両衝突時等の緊急時においては、車両前方に乗員が移動する力が発生し、シートベルトに大きな引っ張り力が働く。シートベルトに大きな引っ張り力が働いた場合、バックルにも大きな力が加わる。
しかしながら、特許文献1に係るバックル装置は、バックルに加わる力に抗するための構造を備えていないため、リンク機構が動き出してバックルが収納部から引き出され、実質的にシートベルトが緩んだ状態となってしまい、乗員拘束を十分に行うことが出来ないという問題があった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の急ブレーキ時、車両衝突時等の緊急時においてバックルに大きな引っ張り力が作用しても、バックルが収納部から引き出されることが無く、乗員を確実に拘束することができるバックル装置を提供することにある。また、本発明は、前記バックル装置を備えたシートベルト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバックル装置は、シートベルトのバックルと、該バックルを収納する収納部とを備え、該収納部から前記バックルを進退させるように構成してあるバックル装置において、前記収納部に対して位置が固定された軸部と、一端部が該軸部にて回動可能に支持された第1リンク棒と、一端部に前記バックルが接続された第2リンク棒と、前記軸部と中心軸が略平行であり、前記第1リンク棒の他端部と、前記第2リンク棒の他端部とを連結する連結軸と、前記第2リンク棒の一部に設けられた鉤部と、前記収納部に前記バックルが収納された場合に前記鉤部が掛合する掛合部とを備える。
【0007】
本発明にあっては、軸部、第1及び第2リンク棒並びに連結軸によって構成されたリンク機構によって、収納部からバックルを進退させることができる。第1及び第2リンクが折り畳まれてバックルが収納部に収納された場合、第2リンク棒の鉤部が掛合部に掛合する。掛合部は収納部に対して固定されているため、バックルが収納部から引き出されるような力が発生した場合であっても、掛合部に掛合した第2リンク棒は移動せず、バックルが収納部から引き出されることは無い。
【0008】
本発明に係るバックル装置は、前記軸部の中心部分及び掛合部の中心部分は、前記収納部に前記バックルが収納されたときの前記第2リンク棒の中心線に関してそれぞれ反対側になるように設けられている。
【0009】
本発明にあっては、収納部に前記バックルが収納されたときの第2リンク棒の中心線に関してそれぞれ反対側に軸部の中心部分及び掛合部の中心部分が設けられているため、バックルが収納部から引き出されるような力が発生した場合、第2リンク棒の鉤部は掛合部側に移動しようとする。従って、鉤部が掛合部から脱落することを防止し、緊急時にバックルが収納部から引き出されることをより確実に防止することができる。
ここで前記第2リンク棒の中心線は、バックルが引き出される向きに沿う方向で、第2リンク棒の短手方向、即ち幅方向中央部分を縦断して通る線である。該幅方向は概ね車両の前後方向に沿う方向である。
【0010】
本発明に係るバックル装置は、前記収納部は、前記バックルの進退を案内する案内部を備える。
【0011】
本発明にあっては、バックルの進退を案内する案内部が収納部に備えられているため、所定経路に沿ってバックルを収納部から進退させることが可能である。
【0012】
本発明に係るバックル装置は、前記収納部は、前記バックルが出入りするための開口部と、前記バックルを前記開口部から前記収容部の内部へ案内する傾斜部とを有する。
【0013】
本発明にあっては、バックルが出入りするための開口部から収容部の内部へ案内する傾斜部を有するため、円滑にバックルを収納部から進退させることが可能である。
【0014】
本発明に係るバックル装置は、前記バックルが進出する方向に、前記第1リンク棒又は前記第2リンク棒を付勢する付勢部材を備える。
【0015】
本発明にあっては、付勢部材の付勢力によって、収納部からのバックルの引き出しを補助することが可能である。
【0016】
本発明に係るバックル装置は、前記軸部を回転させるモータを備える。
【0017】
本発明にあっては、モータの駆動力によってバックルを収納部から進退させることが可能である。つまり、モータの駆動力によって、バックルを収納部から進出させ、また収納部から突出しているバックルを収納部へ収納させることが可能である。
【0018】
本発明に係るシートベルト装置は、上述のいずれか一つのバックル装置と、該バックル装置の前記バックルに装着されるタングと、該タングが設けられたシートベルトとを備える。
【0019】
本発明にあっては、バックル装置が上述の作用を奏し、乗員を確実に拘束することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、車両の急ブレーキ時、車両衝突時等の緊急時においてバックルに大きな引っ張り力が作用しても、バックルが収納部から引き出されることが無く、乗員を確実に拘束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施の形態に係るシートベルト装置の一構成例を示す側面図である。
図2】本実施の形態に係るバックル装置の一構成例を示す側面図である。
図3】バックルの進出動作を示す説明図である。
図4】バックルの収納動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本実施の形態に係るシートベルト装置1の一構成例を示す側面図である。本発明のシートベルト装置1は、車両内部に設けられており、乗員Aを座席Cに拘束するためのシートベルト10と、シートベルト10を引き出し可能に巻き取るリトラクタ11とを備える。なお、図1には運転席に設けたシートベルト装置1を例示しているが、言うまでもなく、助手席側又は後部座席側にシートベルト装置1を設けても良い。
【0023】
シートベルト10は、乗員Aの上体を拘束する第1ベルト部分と、乗員Aの腰部を拘束する第2ベルト部分とを有する。第1ベルト部分は、乗員Aの肩近傍の箇所に設けられたスルーアンカー12で折り返され、その一端部はリトラクタ11に連結されている。第2ベルト部分の一端部は、センターピラーBの下部に設けられたアンカープレート13によって車室下部に回動可能に固定されている。第1及び第2ベルト部分の他端部には、座席Cの下側縁部に固定されたバックル装置2に着脱が可能なタング14が設けられている。タング14は略T字板状の金具である。
【0024】
図2は本実施の形態に係るバックル装置2の一構成例を示す側面図である。以下、車両の進行方向を前方、車両の後退方向を後方、車両の上下方向をそれぞれ上方及び下方と呼ぶ。バックル装置2は、シートベルト10のタング14が装着されるバックル21と、リンク機構23を介して該バックル21を支持する支持体20とを備える。
【0025】
バックル21は、扁平な略直方体形状をなし、長手方向一端側にシートベルト10のタング14が挿入される挿入口を有する。バックル21の内部には、挿入口に挿入されたシートベルト10のタング14を係止する係止金具が設けられている。また、バックル21には係止金具によるタング14の係止状態を解除するための取り外し操作部が設けられている。
【0026】
支持体20は、例えば側面視略五角形をなす金属製であり、上部にバックル21を収納する収納部22が形成されている。支持体20の下部は、下辺両端を切り欠いた側面視横長略長方形である。支持体20の前面は、後面よりも上下寸法が長く、後面の上端部から前方へ上がり傾斜する後側傾斜面と、前面の上端部から後方へ上がり傾斜する前側傾斜面とは直角的に接続している。収納部22は、斜め前方に傾斜した直方体状の空間を支持体20の上端内部に有し、前記前側傾斜面には収納部22に通じ、バックル21が収納部22に出入りするための開口部22aが形成されている。開口部22aはタング14の挿入方向におけるバックル21の断面形状に倣った矩形状であり、バックル21が遊嵌する寸法を有する。開口部22aの前側縁分部には、開口部22aの開口面積が広げるように前方へ上がり傾斜した傾斜部22cが形成されている。傾斜部22cはバックル21を開口部22aから収容部の内部へ案内し、またバックル21を所定経路に沿って進出させるためのものである。傾斜部22cは、収納部22からのバックル21の進退を案内する平面状の案内面(案内部)22bに接続している。案内面22bは収納部22の前面を構成している。また、収納部22の下部及び後側は、駆動するリンク機構23が干渉しないように部分的に開放している。
【0027】
リンク機構23は、収納部22に対する位置が固定された軸部24と、一端部が該軸部24にて回動可能に支持された第1リンク棒25と、接続軸21aによって一端部にバックル21が揺動可能に接続された第2リンク棒27と、軸部24と中心軸が略平行であり、第1リンク棒25の他端部と、第2リンク棒27の他端部とを連結する連結軸26とを備える。軸部24は、支持体20の収納部22下方から横方向に突出しており、回転可能に構成されている。第1リンク棒25の長さは、リンク機構23が駆動した場合に収納部22の開放部分を通じて、収納部22の内部に侵入することが可能な寸法である。また、第2リンク棒27の長さは、第1及び第2リンク棒25,27が折りたたまれた場合にバックル21の上部が開口部22aの縁部分又は開口部22aよりも下方に位置し、第1及び第2リンク棒25,27が広がった場合にバックル21全体が収納部22から飛び出すような寸法である。なお、第1及び第2リンク棒25,27の寸法は一例であり、収納部22からバックル21を進退させることが可能であれば特に限定されない。
【0028】
支持体20には、軸部24を回転させるモータ29が設けられており、モータ29の回転軸は図示しない歯車機構を介して軸部24に連結されている。モータ29の駆動は図示しない制御によって制御されている。モータ29が回転した場合、モータ29の回転力が前記歯車機構を介して軸部24に伝達される。モータ29の駆動力によって軸部24が回転した場合、リンク機構23が駆動し、バックル21が収納部22から進退する。リンク機構23の動作は後述する。
【0029】
第2リンク棒27の一部には鉤部27aが形成されている。鉤部27aは、例えば連結軸26近傍、前側に形成されている。支持体20は、収納部22にバックル21が収納された場合に第2リンク棒27の鉤部27aが掛合する掛合部28を備える。掛合部28は例えば、支持体20から横方向に突出した円柱状のピンであり、鉤部27aはピンの周面に倣う円弧面を有する。鉤部27a及び掛合部28には、収納部22に収納されたバックル21の中心線L1方向に鉛直な当接面部分を形成することが好ましい。
掛合部28は、図2に示すように、バックル21が収納部22に収納されたときの第2リンク棒27の中心線L1に関して軸部24及び掛合部28がそれぞれ反対側に位置することになる箇所に設けられている。この中心線L1は、第2リンク棒27とバックル21を結合する接続軸21aの中心と、第1リンク棒25と第2リンク棒27を連結する連結軸26の中心を結んだ線にほぼ一致する。また、この中心線L1は、バックル21の中心線とも一致する。
【0030】
また、支持体20は、バックル21が進出する方向に、第1リンク棒25又は第2リンク棒27を付勢する付勢部材(図示せず)を備える。
【0031】
図3はバックル21の進出動作を示す説明図である。図3Aはバックル21が収納部22に収納された状態を示している。例えば、図3Aに示した状態で、車両の開扉を検出した場合、又は乗員Aの着座を検出した場合、制御部は、モータ29を回転制御し、軸部24を時計回りに回転させる。軸部24が時計回りに回転した場合、図3Bに示すように、第1リンク棒25も時計回りに回転し、該第1リンク棒25の回転に伴って第2リンク棒27は後方へ移動する。第2リンク棒27が後方へ移動した場合、鉤部27aが掛合部28から外れる。軸部24が時計回りに回転することによって、第2リンク棒27がバックル21を収納部22から上方へ押し上げる。更に、軸部24が時計回りに回転した場合、図3Cに示すように、第1リンク棒25及び第2リンク棒27は収納部22側まで回転し、第2リンク棒27の端部と共にバックル21は収納部22の外部へ押し出される。その際、第2リンク棒27は傾斜部22cに支持され、バックル21は斜め上方前側へ移動する。
【0032】
図4はバックル21の収納動作を示す説明図である。図4Aは収納部22から進出したバックル21にシートベルト10のタング14が装着された状態を示している。例えば、バックル21にタング14が挿入されたことを検出した場合、制御部は、モータ29を回転制御し、図4Aに示すように、軸部24を反時計回りに回転させる。軸部24が反時計回りに回転した場合、図4Bに示すように、第1リンク棒25も反時計回りに回転し、バックル21の下部は傾斜部22cに沿って下方へ移動し、バックル21の下部が開口部22aを通過すると、バックル21は案内面22bに案内された収納部22の内部へ移動する。更に、軸部24が反時計回りに回転した場合、図4Cに示すように、第1及び第2リンク棒25,27は折り畳まれ、第2リンク棒27の鉤部27aは前方へ移動し、該鉤部27aは掛合部28に掛合する。
【0033】
本実施の形態に係るバックル装置2及びシートベルト装置1によれば、収納部にバックルが収納された状態においては、第2リンク棒27の鉤部27aが掛合部28に掛合しているため、車両の急ブレーキ時、車両衝突時等の緊急時においてバックル21に大きな引っ張り力が作用しても、バックル21が収納部22から引き出されることが無く、乗員Aを確実に拘束することができる。
【0034】
また、収納部22に前記バックル21が収納されたときの第2リンク棒27の中心線L1に関して軸部24及び掛合部28がそれぞれ反対側に設けられているため、バックル21が収納部22から引き出されるような力が発生し、万が一軸部24が回転した場合であっても、第2リンク棒27の鉤部27aは掛合部28側に移動しようとする。従って、鉤部27aが掛合部28から脱落することを防止し、緊急時にバックル21が収納部22から引き出されることをより確実に防止することができ、安全性を高めることができる。
【0035】
更に、バックル21の進退を案内する案内面22bが収納部22に備えられているため、所定経路に沿ってバックル21を収納部22から進退させることが可能である。従って、シートベルト10装着時における好ましい所定の位置にバックル21を移動させることができる。
【0036】
更にまた、バックル21が出入りするための開口部22aから収容部の内部へ案内する傾斜部22cを有するため、より円滑にバックル21を収納部22から進退させることができる。
【0037】
更にまた、付勢部材の付勢力によって、収納部22からのバックル21の引き出しを補助することができる。
【0038】
更にまた、バックル装置2はモータ29を備えているため、該モータ29の駆動力によって、バックル21を収納部22から進出させ、また収納部22から突出しているバックル21を収納部22へ収納させることができる。
【0039】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0040】
1 シートベルト装置
2 バックル装置
10 シートベルト
11 リトラクタ
12 スルーアンカー
13 アンカープレート
14 タング
20 支持体
21 バックル
21a 接続軸
22 収納部
22a 開口部
22b 案内面(案内部)
22c 傾斜部
23 リンク機構
24 軸部
25 第1リンク棒
26 連結軸
27 第2リンク棒
27a 鉤部
28 掛合部
29 モータ
A 乗員
B センターピラー
C 座席
図1
図2
図3
図4