(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178654
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】情報送信装置
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20170731BHJP
【FI】
G06F13/00 610S
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-159839(P2013-159839)
(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2015-32047(P2015-32047A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】中村 麻奈美
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 英
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 栄二
【審査官】
佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−049661(JP,A)
【文献】
特開2010−146112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信情報を保留して送信者による内容確認後に送信する情報送信装置において、
送信要求された送信情報の一部を書き換えて送信前確認情報を生成する確認情報生成手段と、
前記送信前確認情報を送信者へ表示出力する確認情報出力手段と、
前記送信前確認情報に対する送信者の確認操作を検知する確認操作検知手段と、
各書き換え箇所についての確認操作履歴を管理する操作履歴管理手段と、
所定の確認操作が検知された送信情報を送信する確認済情報送信手段とを具備し、
前記確認情報生成手段は、前記操作履歴に基づいて送信情報を書き換えることを特徴とする情報送信装置。
【請求項2】
前記送信情報ごとに、その送信前確認の要否を判定する送信前確認要否判定手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載の情報送信装置。
【請求項3】
前記送信情報が電子メールであり、
送信前確認要否判定手段は、宛先アドレスのドメインに基づいて送信前確認の要否を判定することを特徴とする請求項2に記載の情報送信装置。
【請求項4】
前記送信情報が電子メールであり、
送信前確認要否判定手段は、添付ファイルの有無に基づいて送信前確認の要否を判定することを特徴とする請求項2に記載の情報送信装置。
【請求項5】
前記確認情報生成手段は、交換対象の文字/文字列のペアが登録されたリスト情報を保持し、
送信情報中に含まれる交換対象の文字/文字列のペアの一方を他方に書き換えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の情報送信装置。
【請求項6】
前記確認操作検知手段は、書き換え箇所を指摘する操作を検知することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の情報送信装置。
【請求項7】
前記確認済情報送信手段は、前記書き換え箇所の全てのチェックが完了すると前記送信情報を送信することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の情報送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報送信装置に係り、特に、送信要求された電子メール等の送信情報を直ぐには送信せずに一旦保留し、その後、送信者による内容確認の完了後に送信する情報送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末の入力操作部として、表示パネルに表示された文字、図形、記号等を接触操作すると、これが電気的に検知されて入力指示が可能となるタッチスクリーン方式の入力システムが、スマートフォンやタブレット端末などを中心に普及している。
【0003】
従来の機械的なスイッチでは、ユーザが自らの意志で、ある程度の力を入れで押下操作等をしなければ入力指示と受け取られなかった。これに対して、接触操作による入力指示方式では、スクリーンの表面に指などが接触すると、これが意志に基づくものであるか否かにかかわらず直ちに入力指示と判断されてしまうので、入力ミスが発生し易いという構造上の問題を有する。なお、このような入力ミスはタッチスクリーン方式の入力システムに限らず、マウス操作等の他の入力操作でも同様に起こり得る。
【0004】
このような技術課題に対して、特許文献1には、必要なときだけグラフィック表示画面をタッチエリア上に表示することで誤タッチ操作を防止する技術が開示されている。特許文献2には、誤った位置を押下した際に入力有効領域を提示して再度の誤入力を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-342278号公報
【特許文献2】特開2000-172427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子メール送信では、送信者に対して宛先の選択/入力、添付ファイルの選択/入力、メッセージやタイトルなどのテキスト入力といった様々な入力操作が要求されるが、人間による入力操作である以上、誤入力を完全に防止することは難しい。したがって、入力操作の完了後、入力内容を改めて見直すなどの確認作業が送信者に求められる。特に、宛先や添付ファイルの選択/入力ミスは情報漏洩などの重大事故に直結するので、特に丁寧な確認作業が求められる。
【0007】
なお、データ送信において入力操作ミスが問題となるのは電子メール送信に限らず、例えば会員登録やアンケート入力などのように、Webブラウザ上でWebアプリケーション等の要求に従って各種の情報を入力する場合にも同様の事故が起こり得る。
【0008】
しかしながら、従来技術では入力操作の完了後に入力内容を確認する作業が送信者の自由に委ねられていたため、送信者によっては確認処理を怠るなど、十分な送信前確認が行われていないという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記の従来技術の課題を解決し、送信要求された送信情報を直ぐには送信せずに一旦保留し、その後、送信者による内容確認の完了後に送信する情報送信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、送信情報を保留して送信者による内容確認後に送信する情報送信装置において、以下の構成を発明特定事項とした点に特徴がある。
【0011】
(1)送信要求された送信情報の一部を書き換えて送信前確認情報を生成する確認情報生成手段と、送信前確認
情報を送信者へ表示出力する確認情報出力手段と、送信前確認情報に対する送信者の確認操作を検知する確認操作検知手段と、所定の確認操作が検知された送信情報を送信する確認済情報送信手段とを具備した。
【0012】
(2)送信情報ごとに、その送信前確認の要否を判定する送信前確認要否判定手段をさらに具備した。
【0013】
(3)各書き換え箇所についての確認操作履歴を管理する操作履歴管理手段を具備し、確認情報生成手段は、操作履歴に基づいて送信情報を書き換えるようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
【0015】
(1)電子メール等の送信情報について送信要求が検知されると、送信情報の一部を書き換えることで送信前確認情報が生成され、これを送信者に提示して書換箇所の発見、指摘が促されるので、送信者は書き換えられた誤り箇所を発見するために注意深く送信前確認情報を確認することを余儀なく
され、その過程で送信情報の入力誤り等も発見できるようになる。
【0016】
(2)各送信情報を、誤入力の与える影響に応じて分類し、例えば宛先が社内や部内(送信元と宛先とのドメインが一致)であったり、ファイルが添付されていなかったりするなど、誤入力の影響が低いと推定される入力情報については、これを保留せずに直ちに送信するようにしたので、送信者の負担を軽減できるようになる。
【0017】
(3)送信情報の一部を書き換えて送信前確認情報を生成する際の書き換えが確認操作の履歴に基づいて動的に行われるので、より効果的な送信前確認が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明が適用される情報送信システムの第1実施形態のブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の動作を示したフローチャートである。
【
図3】送信前確認情報の生成方法の一例を示した図である。
【
図4】送信前確認情報に対する確認操作方法を説明するための模式図である。
【
図5】本発明が適用される情報送信システムの第2実施形態のブロック図である。
【
図6】本発明の第2実施形態の動作を示したフローチャートである。
【
図7】送信前確認情報を生成するための履歴情報の構築方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の情報送信装置が適用される情報送信システムの第1実施形態の構成を示したブロック図であり、送信者Usが操作する送信端末1、プロキシサーバ2、メールサーバ3および受信者Udが操作する受信端末4から構成される。
【0020】
本発明の情報送信装置は、その構成を全て送信端末1上に実装できるほか、ネットワーク上のサーバ(例えば、プロキシサーバ2)に構成の一部を分散配置しても良い。ここでは初めに、送信端末1およびプロキシサーバ2に各構成が分散配置される場合を例にして説明する。
【0021】
送信端末1において、情報送信部11は、電子メールの生成および送受信を制御するメーラー(電子メールクライアント)や、Webアプリケーションからの要求に応答して情報入力およびその送信を行うWebブラウザである。確認操作部12は、後述する送信前確認情報Iに対して所定の確認操作を行うAPIやディスプレイの表面に装着されたタッチセンサ(いずれも図示省略)である。
【0022】
プロキシサーバ2において、送信情報取得部21は、送信端末1から送信された送信情報を取得する。ここでは、送信情報が電子メール(以下、送信メールと表現する)Msである場合を例にして説明するが、Webページ上に情報を書き込んで送信するWeb送信にも同様に適用できる。取得される送信メールMs(送信情報)には、宛先アドレス、件名およびメール本文などが記述されるほか、必要に応じてテキストファイルや画像ファイルなどが添付される。
【0023】
確認要否判定部22は、送信要求のあった送信メールMsについて、その内容確認の要否を、例えば宛先、件名、添付ファイルの有無等に基づいて判定し、送信前確認が不要な送信メールMsは直ちに宛先へ転送する一方、送信前確認が必要と判定された送信メールMsについては転送を一端保留し、その内容確認が送信者に対して要求される。本実施形態では、宛先が送信元と異なるドメインであったり、ファイルが添付されていたりすれば、誤入力の影響が大きいので送信前確認の必要な送信メールと判定され、このような判定基準は、予め運用管理者または送信者Usにより設定される。なお、全ての送信メールについて無条件で送信前確認が必要と判定されるようにしても良い。
【0024】
確認情報生成部23は、送信前確認が必要と判定された送信メールMsに含まれる情報の一部分に削除、置換、追加等の情報書換を実施して送信前確認情報Iを生成する。送信前確認情報Iとは、後に詳述するように、送信情報の一部分を強制的に書き換えることで生成される、誤りを意識的に含ませた情報であり、送信者Usに当該送信前確認情報Iから誤り箇所を発見させることで送信情報全体を見直す機会を与えるために用いられる。
【0025】
本実施形態では、誤入力し易い文字/文字列ペアとして、例えば、"a"と"d","n"と"m","0(ゼロ)"と"o(アルファベットのオー)"などのペアが予め変換候補文字リストに登録されており、文字"a"を文字"d"に書き換えるなどの書き換えが行われる。
【0026】
確認情報出力部24は、前記送信前確認情報Iを送信端末1へダイアログとして転送し、そのディスプレイ上に表示させる。確認操作検知部25は、前記送信前確認情報Iに対して送信端末1の確認操作部12により誤りを指摘するために行われた操作を検知する。確認済情報送信部26は、送信前確認の完了した送信メールMsの送信保留を解除して宛先へ転送する。キャンセル応答部27は、送信者によるメール送信のキャンセル操作に応答して、当該送信メールMsに関する情報(宛先、件名、添付ファイル、本文など)を送信端末1へ通知し、キャンセルされたメールの編集画面を立ち上げさせる。
【0027】
次いで、フローチャートを参照して本発明の一実施形態の動作について説明する。
図2は、本発明の一実施形態の動作を示したフローチャートであり、ここでは、送信端末1およびプロキシサーバ2の動作に注目して説明する。
【0028】
送信端末1において、ステップS101では、情報送信部11により送信情報としての電子メールMsが作成され、ステップS102において受信端末4へ送信される。
【0029】
プロキシサーバ2において、ステップS201では、送信情報取得部21により前記送信メールMsが受信される。ステップS202では、確認要否判定部22により当該送信メールMsについて送信前確認の要否が判定される。本実施形態では、宛先ドメインが送信端末1のドメインと異なっていたり、あるいは送信メールMsにファイルが添付されていたりすると、送信前確認が必要と判定されてステップS203へ進む。なお、送信前確認が不要と判定されればステップS215へ進み、当該送信メールMsが直ちにその宛先へ転送される。
【0030】
ステップS203では、前記送信メールMsに基づいて送信前確認情報Iが確認情報生成部23により生成される。
図3は、送信前確認情報Iの生成方法の一例を示した図であり、本実施形態では、宛先アドレスの文字列"aaa"が"aad"に書き換えられ、添付ファイルの名称が"○○見積もり"から"△△見積もり"に書き換えられている。ステップS204では、前記送信前確認情報Iが確認情報出力部24により送信端末1へ送信される。
【0031】
送信端末1では、ステップS103において前記送信前確認情報Iが受信され、タッチセンサ機能を備えたディスプレイ上に表示出力される。ステップS104では、送信者Usにより前記送信前確認情報Iに対して確認操作部12から確認操作が行われ、その操作内容が、プロキシサーバ2の確認操作検知部25により、ステップS205,S206,S210,S214,S216において検知される。
【0032】
図4は、送信前確認情報Iに対する送信者Usの確認操作方法を説明するための模式図であり、送信端末1のディスプレイ上には、同図(a)に示したように、送信前確認情報Iが、「誤った箇所に触れて下さい *間違い残り2個*」のメッセージと共に表示される。ここで、ディスプレイに表示された送信前確認情報Iを確認した送信者Usが、誤り箇所"d"に気付いて当該文字をディスプレイ上でタップ等すると、これがステップS206で検知されてステップS207へ進む。ステップS207では、同図(b)に示したように、正しい文字"a"がポップアップ表示され、次いで前記"d"と置き換わって正しい文字列に修正される。また、前記メッセージが「誤った箇所に触れて下さい *間違い残り1個*」に更新される。
【0033】
さらに、送信者Usが誤り箇所"△△"に気付いて当該文字をタップ等すると、同図(c)に示したように、正しい文字"○○"がポップアップ表示され、次いで前記"△△"と置き換わって正しい文字列に修正される。
【0034】
以上のようにして、ステップS209においてタイムアウト(例えば、30秒)判定されるよりも前に、全ての誤り箇所のチェックが完了し、これがステップS208で検知されるとステップS213へ進む。ステップS213では、同図(d)に示したように、前記メッセージが「誤った箇所に触れて下さい *間違い残り0個*」に更新されると共に、画面右下に送信ボタンが現れる。
【0035】
また、全ての箇所のチェックが完了するよりも前に、ステップS209でタイムアウト判定がなされるとステップS210へ進み、キャンセル操作の有無が判定される。キャンセル操作が検知されると、送信メールMsを破棄してステップS217へ進み、前記キャンセル応答部27によりキャンセルメールの情報を送信端末1へ通知して当該処理を終了する。キャンセル操作が検知されなければステップS211へ進む。このタイムアウト時間は、予め運用管理者または送信者Usにより設定される。
【0036】
ステップS211では、未チェック箇所がフラッシュ表示されるなどして送信者Usに通知される。送信者Usが未チェック箇所を全てタップしてチェックを終えると、これがステップS212で検知されて前記ステップS213へ進む。
【0037】
ここで、送信者Usにより送信ボタンがクリックされ、これがステップS214で検知されるとステップS215へ進み、確認済情報送信部26により前記送信メールMsがその宛先へ転送される。なお、ステップS216においてキャンセル操作が検知されると、送信メールMsを破棄してステップS217へ進み、前記キャンセル応答部27によりキャンセルメールの情報を送信端末1へ通知して当該処理を終了する。
【0038】
また、送信者Usが前記ステップS104における確認操作中に、誤りに気付いて該当箇所をタップしたものの反応が無ければ、当該誤りは自身の誤入力に起因したものと認識できるので、例えばディスプレイ上で大きく「×」印を入力するなどして送信処理をキャンセルする。プロキシサーバ2では、前記キャンセル操作がステップS205で検知されると送信メールMsを破棄してステップS217へ進み、前記キャンセル応答部27によりキャンセルメールの情報を送信端末1へ通知して当該処理を終了する。
【0039】
本実施形態によれば、送信情報の一部を書き換えて生成された送信前確認情報が送信者に提示されて内容確認を促され、送信者は書き換えられた誤り箇所を見つけるために注意深く送信前確認情報を確認することを余儀なくされるので、送信情報に入力誤り等があった場合にも、これを検知できるようになる。
【0040】
また、本実施形態によれば、送信情報の一部を書き換えて送信前確認情報を生成する際の書き換えが、予め入力誤りし易い情報に基づいて行われるので、より効果的な送信前確認が可能になる。
【0041】
図5は、本発明の第2実施形態に係る情報送信システムの構成を示した機能ブロック図であり、上記の第1実施例では送信端末1およびプロキシサーバ2に分散されていた機能が、全て送信端末5に実装されるようにした点に特徴がある。この場合、上記の各機能は、メーラのアドオン型または当該メーラとは別のアプリケーションとして送信端末5に実装される。
【0042】
送信端末5において、送信情報取得部50は、上記の各機能がメーラとは別のアプリケーションとして実装される場合に、送信された送信情報をメーラから取得する。情報送信部51は、電子メールの生成および送受信を制御するメーラやWebアプリケーションからの要求に応答して情報入力およびその送信を行うWebブラウザである。確認要否判定部52は、送信要求のあった送信メールMsについて、その内容確認の要否を判定し、送信前確認が不要な送信メールMsは直ちに宛先へ送信する一方、送信前確認が必要と判定された送信メールMsについては送信を一端保留し、その内容確認が送信者に対して要求される。
【0043】
確認情報生成部53は、送信前確認が必要と判定された送信メールMsに含まれる情報の一部分に削除、置換、追加等の情報書換を実施して送信前確認情報Iを生成する。確認情報出力部54は、前記送信前確認情報Iをディスプレイ上に表示出力させる。確認操作部55は、送信前確認情報Iに対して所定の確認操作を行うAPIである。
【0044】
確認操作検知部56は、前記送信前確認情報Iに対して確認操作部55により行われた誤りチェック操作を検知する。確認済情報送信部57は、送信前確認の完了した送信メールMsの送信保留を解除して宛先へ転送する。キャンセル応答部58は、送信者によるメール送信のキャンセル操作に応答して、当該送信メールMsに関する情報をメーラへ通知し、キャンセルされたメールの編集画面を立ち上げさせる。
【0045】
次いで、フローチャートを参照して本実施形態の動作を説明する。送信端末5において、ステップS301では、送信処理された電子メールMsが送信されずに保留される。ステップS302では、本実施形態の各機能がメーラとは別のアプリケーションとして実装される場合に、前記送信情報取得部50により送信情報がメーラから取得される。ステップS303では確認要否判定部52により当該送信情報について送信前確認の要否が前記と同様に判定され、前記送信前確認が必要と判定されればステップS304へ進む。送信前確認が不要と判定されればステップS316へ進み、前記保留されていた電子メールが直ちにその宛先へ転送される。
【0046】
ステップS304では、前記送信情報に基づいて送信前確認情報Iが確認情報生成部53により生成される。ステップS305では、確認情報出力部54により前記送信前確認情報Iがディスプレイに表示される。ステップS306〜S318では、前記ステップS205〜S217と同等の処理が実行される。
【0047】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の送信前確認処理を、ユーザ端末1の改修のみで実現できるようになる。したがって、処理負荷を各ユーザ端末に分散できるようになり、プロキシサーバへの負荷集中を防止できる。
【0048】
なお、上記の各実施形態では、確認情報生成部23(53)が送信前確認情報Iを生成する際に参照する「変換候補文字リスト」が予め固定的に登録されているものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、動的に更新されるようにしても良い。
【0049】
図7は、「変換候補文字リスト」を動的に変更する方法を模式的に表現した図であり、送信前確認情報Iに対する送信者の確認操作履歴を記録し、所定の制限時間内に誤りを指摘される確率の低い誤り箇所、内容を分析し、当該箇所、内容に応じた書換が優先的に行われるようにしても良い。
【0050】
なお、上記の各実施形態では、送信端末1,5がタッチスクリーン方式の入力操作子を備えた情報端末(スマートフォン、タブレット端末)である場合を例にして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、キーボードやマウスを入力操作子とする一般的なデスクトップ型あるいはノードブック型のパーソナルコンピュータにも同様に適用できる。
【符号の説明】
【0051】
1,5…送信端末,2…プロキシサーバ,3…メールサーバ,4…受信端末,11,51…情報送信部,12,54…確認操作部,21,50…送信情報取得部,22,52…確認要否判定部,23,53…確認情報生成部,24,54…確認情報出力部,25,56…確認操作検知部,26,57…確認済情報送信部,27,58…キャンセル応答部