特許第6178673号(P6178673)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178673
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】計測装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/00 20060101AFI20170731BHJP
   F02M 37/10 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   F02M37/00 H
   F02M37/00 301J
   F02M37/00 301Z
   F02M37/10 D
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-177757(P2013-177757)
(22)【出願日】2013年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-45302(P2015-45302A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2015年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池谷 昌紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸博
(72)【発明者】
【氏名】片岡 千明
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−180159(JP,A)
【文献】 特表2009−542510(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/066648(WO,A1)
【文献】 特開2012−189017(JP,A)
【文献】 特開2008−014741(JP,A)
【文献】 特開2014−006050(JP,A)
【文献】 特開2013−228364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00−37/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク内の燃料の性状を計測する計測装置であり、
前記燃料タンクに形成されている開口部を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材に形成された貫通孔を塞ぐ栓部材と、
前記燃料タンク内の燃料の性状を計測するセンサと、を備え、
前記栓部材は、
前記栓部材の上面から下面まで貫通する電気接続部と、
前記燃料タンクの内部に向って開口する流入口を有する燃料流路と、を備えており、
前記電気接続部の前記上面の側に位置する一端は、前記燃料タンクの外側に配置される制御回路に接続されており、
前記電気接続部の前記下面の側に位置する他端は、前記燃料タンクの内側に配置される電気機器にリード線を介して接続されており、
前記電気機器は、吐出する燃料の圧力を調整するプレッシャーレギュレータを備える燃料ポンプユニットであり、
前記燃料流路は、前記プレッシャーレギュレータから排出される余剰燃料が通過する流路であり、
前記センサは、前記栓部材の前記燃料流路内に配置されている、計測装置。
【請求項2】
前記燃料流路は、当該燃料流路を通過して燃料を流出させる流出口を備えており、前記流出口は、前記燃料タンクの内部に向って開口している、請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記燃料流路は、当該燃料流路を通過して燃料を流出させる流出口を備えており、前記流出口は、前記燃料タンクの外部に向って開口している、請求項1に記載の計測装置。
【請求項4】
前記電気接続部と前記燃料流路の一方は、前記電気接続部と前記燃料流路の他方の周囲に配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の計測装置。
【請求項5】
前記センサは、前記制御回路に接続されており、
前記栓部材は、前記制御回路を収納する回路ケース部をさらに備え、
前記栓部材が前記蓋部材に取付けられたときに、前記回路ケース部に収容される前記制御回路が、前記蓋部材の前記燃料タンクの外側の面に位置する、請求項1〜4のいずれかに記載の計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、燃料タンク内に貯留されている燃料の性状を計測する計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される計測装置では、燃料タンクの上壁に形成された開口部を塞ぐフランジに燃料通路が形成されている。燃料通路には開口部が形成され、開口部にはハウジングが取付けられる。ハウジングには燃料センサが取付けられている。燃料通路の開口部にハウジングが取付けられると、開口部がハウジングによって塞がれると共に、センサが燃料通路内に位置決めされる。これによって、燃料通路を流れる燃料の性状がセンサによって計測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開 2012−108030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料タンクは、内部に貯留される燃料の外部への漏れを防止するために、気密性を確保することが求められる。一方、燃料タンク内に貯留された燃料を燃料タンク外に供給するためには、燃料タンク内と燃料タンク外とを接続する燃料流路が必要となる。さらに、燃料タンク内には燃料ポンプやセンサ等が配設されるため、燃料タンク内の機器と燃料タンク外の機器(電源等)とを接続する電気的接続部(配線等)も必要となる。このため、燃料タンクの開口部を塞ぐ蓋部材には、電気的接続部や燃料流路といった蓋部材を貫通する部品が複数備えられる。その結果、従来技術では、気密性を確保するためのシール箇所が複数存在し、構造が複雑になるという問題を有していた。
【0005】
本明細書では、蓋部材を貫通する部品を一体化することにより、シール箇所の数を少なくして構造を簡易とすることができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する計測装置は、燃料タンク内の燃料の性状を計測する。この計測装置は、燃料タンクに形成されている開口部を塞ぐ蓋部材と、蓋部材に形成された貫通孔を塞ぐ栓部材と、燃料タンク内の燃料の性状を計測するセンサを備えている。栓部材は、その上面から下面まで貫通し、燃料タンクの内部と外部を電気的に接続する電気接続部と、燃料タンクの内部に向って開口する開口部を有する燃料流路と備えている。そして、センサは栓部材の燃料流路内に配置されている。
【0007】
上記の計測装置では、燃料タンクの内部から外部に貫通する電気接続部と燃料流路が栓部材と一体に形成されており、燃料流路内にセンサが配置されている。この構成によれば、蓋部材のシール箇所を、栓部材と貫通孔との間に集約することができ、蓋部材の気密性を簡易な構造で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施例の燃料タンクの全体構成を示す。
図2A】第1実施例の計測装置の構成を示す。
図2B】第1実施例の計測装置を燃料タンク内部から視た下面図を示す。
図3A】第2実施例の計測装置の構成を示す。
図3B】第2実施例の計測装置を燃料タンク内部から視た下面図を示す。
図4】第2実施例の計測装置の変形例を燃料タンク内部から視た下面図を示す。
図5A】第3実施例の計測装置の構成を示す。
図5B】第3実施例の計測装置を燃料タンク内部から視た下面図を示す。
図6A】第4実施例の計測装置の構成を示す。
図6B】第4実施例の計測装置を燃料タンク内部から視た下面図を示す。
図7A】第5実施例の計測装置の構成を示す。
図7B】第5実施例の計測装置を燃料タンク内部から視た下面図を示す。
図8A】第6実施例の計測装置の構成を示す。
図8B】第6実施例の計測装置を燃料タンク内部から視た下面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本明細書で開示する実施例の技術的特徴の幾つかを記す。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
【0010】
(特徴1) 燃料流路は、当該燃料流路を通過して燃料が流出する流出口が備えられていてもよい。この場合、流出口が燃料タンクの内部に向かって開口していてもよい。このような構成によれば、燃料タンクから燃料流路に流れた燃料は、燃料流路を流れて燃料タンク内に戻される。燃料流路は燃料の性状を測定するためにのみ用いられるため、燃料流路を通過する燃料の流量を一定に保つことができ、計測精度を安定化することができる。
【0011】
(特徴2) 燃料流路の流出口は、燃料タンクの外側に向かって開口していてもよい。この構成によれば、燃料タンク内に貯留された燃料を燃料タンク外に供給するための燃料流路と、燃料の性状を計測するためのセンサを備える燃料流路を一カ所に統合することができ、構造をさらに簡易にすることができる。
【0012】
(特徴3) 電気接続部と燃料流路の一方は、電気接続部と燃料流路の他方の周囲に配置されていてもよい。この構成によれば、電気接続部と燃料流路を1ヶ所に集約することができ、それらを配置するスペースを小さくすることができる。その結果、栓部材の小型化ができ、蓋部材と栓部材の間のシール面積を小さくすることができる。これにより、シール性能の信頼性を向上することができる。
【0013】
(特徴4) 計測装置は、燃料タンク内に配置される電気機器およびセンサに接続される制御回路をさらに備えていてもよい。この場合、栓部材は、制御回路を収納する回路ケース部をさらに備えていてもよい。そして、栓部材が蓋部材に取付けられたときに、回路ケース部に収容される制御回路が、蓋部材の燃料タンクの外側の面に位置してもよい。この構成によれば、燃料タンク内に配置される電気機器を制御するための制御回路とセンサからの信号を受け取る制御回路を統合することができ、部品点数を低減させることができる。
【実施例】
【0014】
(第1実施例) 本実施例の計測装置1は、自動車等に搭載される燃料タンク2の上面に設置される。図1に示されるように計測装置1は、燃料タンク2の上面に設けられた開口部3を塞ぐ蓋部材4を備えている。燃料タンク2の上面の開口部3を蓋部材4が塞ぐことで、燃料タンク2に計測装置1が設置される。まず、計測装置1が設置される燃料タンク2の構成について説明する。
【0015】
図1に示すように燃料タンク2は、燃料を貯留する容器であり、その内部に燃料を貯留する貯留空間8を有している。燃料タンク2の貯留空間8には、リザーブカップ2aが配置されている。リザーブカップ2aは、燃料タンク2の底部に配置され、リザーブカップ2a内に燃料ポンプユニット9が収容されている。燃料ポンプユニット9には、第1燃料配管13の一端と第2燃料配管16の一端が接続されている。燃料ポンプユニット9は、リザーブカップ2a内の燃料(詳細には、燃料タンク2内からリザーブカップ2a内に流入した燃料)を吸入口(図示省略)から吸入し、その内部で昇圧し、第1燃料配管13に吐出する。第1燃料配管13の他端は、蓋部材4に備えられた吐出管15に接続されている。このため、燃料ポンプユニット9から第1燃料配管13に吐出された燃料は、吐出管15より燃料タンク2の外部へ吐出される。吐出管15から吐出された燃料は、燃料タンク2の外部に設置されたエンジン(図示省略)へ送られる。また、燃料ポンプユニット9は、昇圧された燃料の圧力を調整するプレッシャーレギュレータ(図示省略)が備えられる。プレッシャーレギュレータから排出される余剰燃料は、第2燃料配管16に流れる。第2燃料配管16の他端は計測装置1に接続されている。後述するように計測装置1は、第2燃料配管16を流れる燃料の特性を計測する。また、燃料ポンプユニット9には、第1リード線11の一端が電気的に接続されている。第1リード線11の他端は電気コネクタ14に接続されている。電気コネクタ14には、さらに、第2リード線12の一端が接続されている。第2リード線12の他端は、燃料タンク2内に配置された液位計測装置10に接続されている。液位計測装置10は、フロート式の液位計測装置であり、燃料タンク2内に貯留された燃料の液位を計測する。電気コネクタ14は、計測装置1の挿し込み口23に接続される。挿し込み口23内には、電気接続部22(後述)が突出している。電気コネクタ14が挿し込み口23に挿し込まれると、リード線11,12が電気接続部22に接続される。燃料ポンプユニット9及び液位計測装置10は、リード線11,12、電気コネクタ14、及び電気接続部22を介して外部電源に接続される。
【0016】
次に、計測装置1について図2A図2Bを参照して説明する。図2A,2Bに示すように計測装置1は、蓋部材4と、栓部材20と、燃料性状センサ28と、シール部材7を備えている。
【0017】
蓋部材4は、燃料タンク2の上面の開口部3を塞ぐ大きさの板状の部材である。蓋部材4の下面と燃料タンク2の上面の間にはシール部材6が配されている(図1参照)。蓋部材4が燃料タンク2の開口部3に取付けられると、蓋部材4と燃料タンク2の間の隙間がシール部材6によってシールされる。蓋部材4には、貫通孔5と、吐出管15が設けられている。吐出管15には第1燃料配管13が接続される。貫通孔5は、蓋部材4の上面から下面までを貫通している。貫通孔5には栓部材20が嵌合する。
【0018】
栓部材20は、嵌合部35と、嵌合部35の上面に設けられた回路ケース25と、嵌合部35の下面に設けられた燃料計測部24を有している。嵌合部35は、蓋部材4の貫通孔5に対応する外形状を有している。蓋部材4に栓部材20を取付けると、栓部材20の嵌合部35が貫通孔5に嵌合する。嵌合部35の外周面にはシール部材7が配されている。嵌合部35が貫通孔5に嵌合すると、嵌合部35と貫通孔5の間がシール部材7によってシールされる。
【0019】
燃料計測部24は、ケーシング33と、ケーシング33の内部空間21に収容された燃料性状センサ28を備えている。ケーシング33には、燃料タンク2内に向かって開口する流入口31及び流出口32が形成されている。流入口31は、内部空間21を介して流出口32と連通している。上述したように流入口31には第2燃料配管16が接続される(図1参照)。このため、燃料ポンプユニット9からの燃料は、第2燃料配管16を通って流入口31に流入し、流入口31から内部空間21を流れて流出口32より燃料タンク2内に戻される。したがって、内部空間21は燃料が流れる燃料流路となっている。燃料性状センサ28は、内部空間21を流れる燃料の性状(例えば、アルコール濃度等)を計測する公知のセンサである。燃料性状センサ28には、リード配線29の一端が接続されている。リード配線29は、嵌合部35を貫通し、その他端が回路ケース25内に位置している。
【0020】
既に説明したように、嵌合部35の下面には挿し込み口23がさらに形成されている。挿し込み口23は、円筒形状の部材であり、燃料タンク2の底面に向って開口している(図1参照)。挿し込み口23内には、電気接続部22が突出している。すなわち、電気接続部22は、挿し込み口23によって周囲を囲まれている。図2Bに示すように、電気接続部22は、複数個(本実施例では2×2の4つ)の接続端子によって構成されている。電気接続部22を構成する4つの接続端子は、リード配線29と同様、嵌合部35を貫通し、その先端が回路ケース25内に位置している。
【0021】
回路ケース25は、嵌合部35の上面に配置される底壁と、底壁の端縁から立設された側壁を備えている。回路ケース25の側壁には、入出力部34が形成されている。入出力部34には、接続端子27が突出している。接続端子27は、回路ケース25の側壁を貫通して回路ケース25内にまで伸びている。入出力部34には、外部電源に接続された電源配線(図示しない)が接続される。回路ケース25の側壁で囲まれた空間には制御回路26が収容される。制御回路26には、上述した電気接続部22、リード配線29、及び接続端子27が接続される。したがって、制御回路26は、接続端子27、入出力部34及び電源配線を介して外部電源に接続される。また、制御回路26は、リード配線29を介して燃料性状センサ28に接続され、また、電気接続部22及びリード線11,12を介して燃料ポンプユニット9及び液位計測装置10に接続される。制御回路26は、外部電源から供給される電力によって動作し、各種検出装置10,28からの信号を受信すると共に、燃料ポンプユニット9を制御する。
【0022】
上述した計測装置1の動作を説明する。外部電源から供給される電力が制御回路26を介して燃料ポンプユニット9に供給されると、燃料ポンプユニット9が動作を開始する。燃料ポンプユニット9が動作を開始すると、燃料タンク2内の燃料が燃料ポンプユニット9内に吸入され、燃料ポンプユニット9内で昇圧される。燃料ポンプユニット9内で昇圧された燃料は、プレッシャーレギュレータにより調圧され、調圧された燃料が第1燃料配管13から燃料タンク2外に吐出される。また、プレッシャーレギュレータから排出される余剰燃料は、第2燃料配管16を通って燃料計測部24に流れ、燃料計測部24から燃料タンク2内に戻される。燃料計測部24を流れる燃料は、燃料性状センサ28によって燃料性状が検出される。燃料性状センサ28から出力される信号は制御回路26に入力され、制御回路26で処理される。また、燃料タンク2内の燃料の液位は、液位計測装置10で検出される。液位計測装置10からの信号も制御回路26に入力され、制御回路26で処理される。
【0023】
上述した計測装置1では、栓部材20に電気接続部22と燃料計測部24が統合されている。このため、シール箇所を2箇所、すなわち、蓋部材4と栓部材20の間と、蓋部材4と燃料タンク2との間だけとすることができる。このため、少ないシール箇所で燃料タンクを密閉することができ、燃料タンク2の気密性を向上させることができる。また、栓部材20に装備される制御回路26が、燃料ポンプユニット9の電力制御機能と、各種検出装置10,28からの信号を受信する機能を備える。これによって、制御系の構成を簡易にすることができ、部品点数の削減を図ることができる。さらに、蓋部材4に栓部材20を嵌合することで両者が組み付けられるため、計測装置1を簡易な作業で製造することができる。
【0024】
なお、燃料計測部24には、プレッシャーレギュレータから吐出される余剰燃料が送られるが、余剰燃料の流量はエンジンに供給される燃料の流量に比べ少ない。このため、余剰燃料の流量の変動も小さくなり、燃料性状センサ28は精度良く燃料性状を計測することができる。
【0025】
(第2実施例) 第2実施例の計測装置1aについて、図3Aおよび図3Bを参照して説明する。第2実施例の計測装置1aでは、第1実施例と比較して、燃料ポンプユニット9からエンジンに供給される燃料流路中に燃料性状センサが配置される点で相違する。以下、第1実施例と相違する点について説明する。
【0026】
図3A,3Bに示されるように、第2実施例の栓部材20aには吐出管15aが設けられる。吐出管15aは、燃料タンク2の内側から外側へ栓部材20aを貫通している。吐出管15aの流入口31aは、燃料タンク2の内側に向かって開口している。流入口31aには、第1燃料管13が接続されている。吐出管15aの流出口32aは、燃料タンク2の外側に向かって開口している。流出口32aは、図示しない燃料配管を介してエンジンに接続されている。吐出管15a内には、燃料性状センサ28aが配置される。燃料性状センサ28aは、吐出管15a内を流れる燃料の燃料性状を検出する。
【0027】
このような構成によっても、シール箇所を少なくすることができ、燃料タンク2の気密性を向上することができる。また、組付けられる部品数が減少することから組付け性を向上することができる。
【0028】
なお、図4に示すように、燃料計測部24bの形状は円形以外の形状(すなわち、角が面取りされた矩形状)としてもよい。また、挿し込み部23bの形状及び電気接続部22bの本数も、第1実施例と相違してもよい。
【0029】
(第3実施例) 第3実施例の計測装置1cについて、図5Aおよび図5Bを参照して説明する。図5A、5Bに示すように計測装置1cでは、第2実施例と比較して、電気コネクタが挿し込まれる挿し込み部23cと、燃料をエンジンに吐出する吐出管15cとが同心状に配置されている点で相違する。すなわち、吐出管15cは、栓部材20cを貫通し、燃料タンク2の内部から外部まで伸びている。吐出管15cの内部には、燃料性状センサ28cが配置されている。吐出管15cの周囲には、挿し込み部23cが設けられている。吐出管15cと挿し込み部23cは同心状に配置されており、吐出管15cの周囲には電気接続部22cが設けられている。
【0030】
第3実施例の計測装置1cでも、シール箇所を少なくすることができ、燃料タンク2の気密性を向上することができる。また、吐出管15cと挿し込み部23cが同心状に配置されるため、嵌合部35cの面積を小さくすることができる。その結果、嵌合部35cのシール面(すなわち、貫通孔5の内周面)の面積が小さくなり、気密性をより向上することができる。
【0031】
(第4実施例) 第4実施例の計測装置1dについて、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。図6A、6Bに示すように、第4実施例の計測装置1dでは、第3実施例の計測装置1cと異なり、挿し込み部23dの内側に第1実施例と同様の燃料計測部24dが同心状に配置される。したがって、燃料計測部24dには、プレッシャーレギュレータからの余剰燃料が供給され、この余剰燃料の燃料性状が燃料性状センサ28dにより検出される。なお、燃料計測部24dに供給された余剰燃料は、燃料計測部24d内を流れ、燃料タンク2に戻される。第4実施例の計測装置1dでも、第3実施例の計測装置1cと同様、シール面の面積が小さくなり、燃料タンク2の気密性をより向上することができる。
【0032】
(第5実施例) 第5実施例の計測装置1eについて、図7Aおよび図7Bを参照して説明する。図7A、7Bに示すように、第5実施例の計測装置1eでは、挿し込み口23eの外側に燃料計測部24eが設けられる。挿し込み口23eと燃料計測部24eは同心状に配置されている。
【0033】
燃料計測部24eは、流入流路41と、内部空間21eと、流出流路42を備えている。流入流路41は、燃料タンク2内に開口しており、その流入口に第1燃料配管13が接続されている。流出流路42は、嵌合部35eを貫通しており、その流出口には燃料配管を介してエンジンに接続される。内部空間21eは、平面視したとき挿し込み口23eの周囲を囲むように備えられる。したがって、燃料ポンプユニット9からの燃料は、第1燃料配管13、流入入路41、内部空間21e、及び流出流路42を通ってエンジンに供給される。内部空間21eには、燃料性状センサ28eが収容される。燃料性状センサ28eは、内部空間21e内を流れる燃料の燃料性状を検出する。
【0034】
第5実施例の計測装置1eでも、シール箇所を少なくすることができ、燃料タンク2の気密性を向上することができる。また、制御回路26の近傍に燃料流路(すなわち、内部空間21e,流出流路42)が配置されるため、この燃料流路21e,42を流れる燃料によって制御回路26を冷却することができる。
【0035】
(第6実施例) 第6実施例の計測装置1fについて、図8Aおよび図8Bを参照して説明する。図8A図8Bに示すように、第6実施例の計測装置1fでも、挿し込み口23fの外側に燃料計測部24fが設けられる。ただし、第6実施例の計測装置1fでは、燃料計測部24fは、燃料ポンプユニット9のプレッシャーレギュレータから余剰燃料を供給され、その余剰燃料を燃料タンク2内に戻す点で相違する。すなわち、燃料計測部24fの流入流路41f及び流出流路42fは、ともに燃料タンク2内に開口する。流入流路41fには第2燃料配管16が接続される。プレッシャーレギュレータからの余剰燃料は、第2燃料配管16から流入流路41fに流れ、内部空間21fを通って流出流路42fより燃料タンク2内に戻される。内部空間21f内には燃料性状センサ28fが配置され、内部空間21f内を流れる燃料の性状が検出される。第6実施例の計測装置1fでも、第5実施例の計測装置1eと略同様の作用効果を奏することができる。
【0036】
なお、図3A図8Bに示す実施例において、図2Aに示す実施例と同一の構成部品には同一符号を付している。一方、図2Aに示す実施例と構成が一部相違する部品には、図2Aに示す実施例の対応する部品と同一の符号に加えてa、b、c、d、e、fをさらに付している。
【0037】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0038】
1:計測装置
2:燃料タンク
3:開口部
4:蓋部材
5:貫通孔
6:シール部材
7:シール部材
8:貯留空間
9:燃料ポンプユニット
10:液位計測装置
11:第1リード線
12:第2リード線
13:第1燃料配管
14:電気コネクタ
15:吐出管
16:第2燃料配管
20:栓部材
21:内部空間
22:電気接続部
23:挿し込み口
24:燃料計測部
25:回路ケース
26:制御回路
27:入出力接続部
28:燃料性状センサ
29:リード配線
31:流入口
32:流出口
41:流入流路
42:流出流路
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B