特許第6178688号(P6178688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6178688通信装置、通信システム、通信方法、サーバ装置、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178688
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】通信装置、通信システム、通信方法、サーバ装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20170731BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170731BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170731BHJP
   H04M 1/247 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   G06F3/0484 120
   H04M11/00 302
   H04M1/00 Q
   H04M1/247
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-203275(P2013-203275)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-69428(P2015-69428A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】富士通テン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】間嶋 宏
(72)【発明者】
【氏名】大西 岳
(72)【発明者】
【氏名】柴田 勝之
(72)【発明者】
【氏名】大屋 紀雄
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 昌宣
(72)【発明者】
【氏名】山埜 啓輔
【審査官】 ▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−027586(JP,A)
【文献】 特開2011−232867(JP,A)
【文献】 特開2012−010096(JP,A)
【文献】 特開平09−289690(JP,A)
【文献】 特開2008−028463(JP,A)
【文献】 特開2005−197771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
H04M 1/00
H04M 1/247
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置と通信可能な通信装置であって、
前記電子装置は、ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数のユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能を実現又は所定の機能のための操作画面を表示するものであり、
前記通信装置は、前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドを記憶する記憶手段と、
前記操作手順に従って前記複数のコマンドを間欠的に前記電子装置に各々送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記複数のコマンドが各々送信される送信間隔をユーザ設定に応じて変更する変更手段、
をさらに備え、
前記送信手段は、変更された前記送信間隔で前記コマンドを各々送信することを特徴と
する通信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の通信装置において、
ユーザの指示が入力される入力手段、
をさらに備え、
前記送信手段は、ユーザの指示が入力される毎に、前記操作手順に従い、前記複数のコ
マンドのうちの一のコマンドを送信することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置において、
前記複数のコマンドのセットを、所定のサーバ装置から受信する受信手段、
をさらに備えることを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項1ないし4に記載の通信装置と通信を行うサーバ装置であって
前記サーバ装置は、前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドのセットを、前記電子装置の機種毎に記憶する記憶手段と、
指定された電子装置の機種に応じた前記複数のコマンドのセットを前記通信装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
電子装置と、前記電子装置と通信可能な通信装置とを含む通信システムであって、
前記電子装置は、
ユーザ操作を受け付ける受付手段と、
前記ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数の
ユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能を実現した画面又は所定の機能のための操作
画面を表示する表示手段と、
を備え、
前記通信装置は、
前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドを記憶する記憶手段と、
前記操作手順に従って前記複数のコマンドを間欠的に前記電子装置に各々送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項7】
電子装置と通信を行う通信方法であって、
前記電子装置は、ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数のユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能を実現又は所定の機能のための操
作画面を表示するものであり、
(a)前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドを取得する工程と、
(b)前記操作手順に従って前記複数のコマンドを間欠的に前記電子装置に各々送信する工程と、
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項8】
電子装置と通信を行う通信装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラム
であって、
前記電子装置は、ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数のユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能を実現又は所定の機能のための操
作画面を表示するものであり、
前記コンピュータに、
(a)前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドを取得する工程と、
(b)前記操作手順に従って前記複数のコマンドを間欠的に前記電子装置に各々送信する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによる操作を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション装置等の電子機器は、多機能化、高機能化が進展し、その操作手法は増々複雑化している。さらに、タッチパネル等の採用により操作画面は階層化され、所望の操作画面に到るには、複数回に渡る操作を必要とする。このような電子機器において、操作に習熟していないユーザは、所望の操作画面に容易には到達できない。
【0003】
そこで、ユーザの所持する携帯端末に電子機器の操作マニュアルを表示させ、かつ途中経過を省略して所望の操作画面を直ちに表示させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、ユーザは操作マニュアルを携帯する必要がなく、また複数回に渡る操作を行わなくとも所望の操作画面へ直ちに到達できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−27586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、提案された技術のように、途中の操作画面を省略して所望の画面を直ちに表示すると、どのような操作及び階層を経てかかる操作画面に到達したのかユーザには判別できない。したがって、ユーザは、同一画面を再度表示する場合には、再び操作マニュアルを表示させて携帯端末から指示を送信する必要がある。このような技術においては、ユーザが繰り返し機器を操作しても、操作への習熟を図ることができず、課題となっていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザの所望する動作を実現又は操作画面を表示させる際、ユーザが車載機器の操作手法を習得し、操作に習熟できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、電子装置と通信可能な通信装置であって、 前記電子装置は、ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数のユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能を実現又は所定の機能のための操作画面を表示するものであり、前記通信装置は、前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドを記憶する記憶手段と、前記操作手順に従って前記複数のコマンドを間欠的に前記電子装置に各々送信する送信手段と、を備える。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の通信装置において、前記複数のコマンドが各々送信される送信間隔をユーザ設定に応じて変更する変更手段、をさらに備え、前記送信手段は、変更された前記送信間隔で前記コマンドを各々送信する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の通信装置において、ユーザの指示が入力される入力手段、をさらに備え、前記送信手段は、ユーザの指示が入力される毎に、前記操作手順に従い、前記複数のコマンドのうちの一のコマンドを送信する。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置において、前記複数のコマンドのセットを、所定のサーバ装置から受信する受信手段、をさらに備える。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4に記載の通信装置と通信を行うサーバ装置であって、前記サーバ装置は、前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドのセットを、前記電子装置の機種毎に記憶する記憶手段と、指定された電子装置の機種に応じた前記複数のコマンドのセットを前記通信装置に送信する送信手段と、を備える。
【0012】
また、請求項6の発明は、電子装置と、前記電子装置と通信可能な通信装置とを含む通信システムであって、前記電子装置は、ユーザ操作を受け付ける受付手段と、前記ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数のユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能を実現した画面又は所定の機能のための操作画面を表示する表示手段と、を備え、前記通信装置は、前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドを記憶する記憶手段と、前記操作手順に従って前記複数のコマンドを間欠的に前記電子装置に各々送信する送信手段と、を備える。
【0013】
また、請求項7の発明は、電子装置と通信を行う通信方法であって、前記電子装置は、ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数のユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能を実現又は所定の機能のための操作画面を表示するものであり、(a)前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドを取得する工程と、(b)前記操作手順に従って前記複数のコマンドを間欠的に前記電子装置に各々送信する工程と、を備える。
【0014】
また、請求項8の発明は、電子装置と通信を行う通信装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記電子装置は、ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数のユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能を実現又は所定の機能のための操作画面を表示するものであり、前記コンピュータに、(a)前記操作手順に従った前記複数のユーザ操作にそれぞれ対応して前記操作画面を順次遷移する複数のコマンドを取得する工程と、(b)前記操作手順に従って前記複数のコマンドを間欠的に前記電子装置に各々送信する工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1ないし4、及び、請求項6ないし8の発明によれば、電子装置において操作手順に従って複数のコマンドが間欠的に実行されることで、操作画面が段階的に表示されるため、所定の機能を実現又は目的とする操作画面を表示するまでの操作手順をユーザが理解することができる。
【0016】
また、特に請求項2の発明によれば、ユーザは、自らの所望する間隔で、電子装置にコマンドを送信して実行させることができる。
【0017】
また、特に請求項3の発明によれば、ユーザは、自らの所望するタイミングで、電子装置にコマンドを送信して実行させることができる。
【0018】
また、特に請求項4の発明によれば、複数のコマンドのセットを所定のサーバ装置から受信するので、通信装置は複数のコマンドのセットを予め記憶する必要がない。
【0019】
また、請求項5の発明によれば、電子装置の機種に応じた複数のコマンドのセットを通信装置に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、通信システムの概要を示す図である。
図2図2は、第1の実施の形態の携帯端末の構成を示す図である。
図3図3は、第1の実施の形態の車載機器の構成を示す図である。
図4図4は、第1の実施の形態のサーバの構成を示す図である。
図5図5は、第1の実施の形態の処理手順を示す図である。
図6図6は、第1の実施の形態の処理手順を示す図である。
図7図7は、第1の実施の形態の処理手順を示す図である。
図8図8は、携帯端末に操作マニュアルが表示された例である。
図9図9は、車載機器の画面遷移の例である。
図10図10は、車載機器の画面遷移の例である。
図11図11は、第2の実施の形態の携帯端末の構成を示す図である。
図12図12は、第2の実施の形態の携帯端末の処理手順を示す図である。
図13図13は、待機時間を変更する画面の例である。
図14図14は、第3の実施の形態の携帯端末の構成を示す図である。
図15図15は、第3の実施の形態の処理手順を示す図である。
図16図16は、通信システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.概要>
図1は、第1の実施の形態における携帯端末1及び車載機器2を含む通信システム10の概要を示す。
【0023】
携帯端末1は、スマートフォンや携帯電話等の可搬性の通信装置であり、ユーザにより車両内外にて情報通信に利用される。
【0024】
車載機器2は、カーナビゲーション装置等の車両に搭載される電子装置である。また、車載機器2は、携帯端末とデータの送受信を行う通信装置としても機能する。
【0025】
通信システム10は、このような携帯端末1と車載機器2とが情報通信を行うことにより、システムとして形成される。
【0026】
サーバ3は、様々なコンテンツを記憶し、ネットワーク4を介して携帯端末1とコンテンツの送受信を行う。コンテンツは、画像データや音楽データのほか、車載機器2の操作マニュアルや車載機器2を操作する操作コマンドを含む。
【0027】
ユーザは、車載機器2に合致した操作マニュアル用アプリケーションを所定のサーバからダウンロードし、携帯端末1に記憶させる。ユーザは、かかるアプリケーションを起動し、所望する操作を説明する操作マニュアルを携帯端末1に表示させる。
【0028】
操作マニュアルを表示させた状態で、ユーザがタッチパネルの開始スイッチをタッチ操作すると、操作コマンドが順次、間隔を空けて車載機器2に送信される。車載機器2はコマンドを受信する毎に、かかるコマンドを実行していく。
【0029】
その結果、車載機器2において画面が順次遷移し、所望の機能を実行する操作画面が表示される。または、所望の機能自体が実行される。なお、画面が遷移する際、タッチスイッチはユーザによりタッチ操作された表示となる。すなわち、ハイライト表示等となる。
【0030】
ユーザは、遷移する操作画面をディスプレイ24上で参照することで、操作手順を把握でき、再度同様の画面を表示させようとする場合、把握した操作手順に従って自ら操作することが可能となる。
【0031】
また、ユーザが操作手順に習熟することで、再度操作マニュアルを参照する必要がないうえ、携帯端末1で車載機器2を操作する煩雑さを除去できる。
【0032】
<1−2.構成>
次に、携帯端末1及び車載機器2を備える通信システム10の構成について、詳細に説明する。まず、携帯端末1の構成を説明する。図2は、携帯端末1の構成を示す。
【0033】
携帯端末1は、可搬性の通信装置であり、ユーザにより自動車等の車両内外において情報通信に利用される。例えば、スマートフォンや携帯電話である。携帯端末1は、通信機能を利用し、車載機器2やサーバ3と情報通信を行う。また、携帯端末1は、所定のサーバからダウンロードしたアプリケーションを実行する機能を有する。また、携帯端末1は、端末全体を制御する制御部11、通信部12、ディスプレイ13、記憶部14、及び連携部15を備える。
【0034】
制御部11は、CPU、RAM、及びROMを備えたマイクロコンピュータである。制御部11は、携帯端末1が備える他の構成と接続され、機器全体を制御する。なお、制御部11が備える各機能は後述する。
【0035】
通信部12は、無線通信を利用した通信機能を備え、ネットワーク4にアクセスしてサーバ3と情報通信を行う。例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信技術を利用した情報通信である。
【0036】
ディスプレイ13は、文字や図形等の各種情報を表示し、ユーザに情報を視覚的に提示する。例えば、液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。ディスプレイ13は、タッチパネル13aを備える。
【0037】
タッチパネル13aは、ディスプレイ13に表示されたボタン領域へのユーザの接触を感知し、感知した位置情報を制御部11へ送信する。
【0038】
記憶部14は、データを記憶するメモリである。例えば、EEPROM(Electrical Erasable Programmable Read-Only memory)や、フラッシュメモリ、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブ等の不揮発性の記憶媒体である。また、記憶部14は、待機時間データ14a及びプログラム14bを記憶している。また、記憶部14は、サーバ3から送信されたコンテンツを記憶する。
【0039】
待機時間データ14aは、携帯端末1が操作コマンドを車載機器2に送信する間隔を規定する時間データである。
【0040】
プログラム14bは、制御部11により読み出され、制御部11が携帯端末1を制御するために実行されるファームウェアである。また、プログラム14bは、サーバからダウンロードしたアプリケーションのプログラムである。
【0041】
連携部15は、小電力無線通信を利用した通信機能を備え、近距離に存在する車載機器2と情報通信を行う。例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等の無線LAN技術やブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)等の近距離無線通信規格を利用した情報通信である。
【0042】
前述の制御部11が備える各機能を説明する。制御部11は、情報取得部11a、表示制御部11b、コマンド送信部11c、及び計時部11dを備える。
【0043】
情報取得部11aは、通信部12及び連携部15を制御し、車載機器2及びサーバ3と各種情報の送受信を行う。
【0044】
表示制御部11bは、画像や文字等のデータをディスプレイ13に表示する。また、表示制御部11bは、タッチパネル13aに入力されるタッチ位置に基づき、ディスプレイ13に表示する画像等を変化させる。
【0045】
コマンド送信部11cは、後述の操作コマンドを連携部15を介して車載機器2に送信する。なお、操作コマンドについては後述する。
【0046】
計時部11dは、コマンド送信部11cが操作コマンドを送信後の経過時間を計測するタイマーである。
【0047】
次に、車載機器2の構成を説明する。車載機器2は、車両に搭載される電子装置である。例えば、カーナビゲーション装置やカーオーディオ装置等である。また、車載機器2は、ユーザの操作に応じて段階的にディスプレイに操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数の操作を受け付けると、所定の機能のための操作画面を表示する。すなわち、車載機器2は、多階層かつ多種類の操作画面を備え、各操作画面における操作に対応し、他の操作画面への遷移や動作を行う機器である。なお、車載機器2は、車両に固定的に設置される機器のほか、利用の度に車両に持ち込まれて使用される可搬性の機器でもよい。図3は、車載機器2の構成を示す。車載機器2は、機器全体を制御する制御部21、連携部22、スイッチ23、ディスプレイ24、及び記憶部25を備える。
【0048】
制御部21は、CPU、RAM、及びROMを備えたマイクロコンピュータである。制御部21は、携帯端末1が備える他の構成と接続され、機器全体を制御する。なお、制御部21が備える各機能は後述する。
【0049】
連携部22は、小電力無線通信を利用した通信機能を備え、近距離に存在する車載機器2と情報通信を行う。例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等の無線LAN技術やブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)等の近距離無線通信規格を利用した情報通信である。
【0050】
スイッチ23は、ユーザにより押下され、機械的に作動する押しボタンである。すなわち、ハードウェア型のスイッチ機構である。スイッチ23は、ユーザにより押下されると、入力信号を制御部21に送信する。
【0051】
ディスプレイ24は、文字や図形等の各種情報を表示し、ユーザに情報を視覚的に提示する。例えば、液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。ディスプレイ24は、タッチパネル24aを備える。
【0052】
タッチパネル24aは、ディスプレイ13に表示されたボタン領域へのユーザの接触を感知し、感知した位置情報を制御部21へ送信する。
【0053】
記憶部25は、データを記憶するメモリである。例えば、EEPROM(Electrical Erasable Programmable Read-Only memory)や、フラッシュメモリ、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブ等の不揮発性の記憶媒体である。また、記憶部25は、機種データ25a及びプログラム25bを記憶している。
【0054】
機種データ25aは、車載機器2の種別を示すデータである。機器の種別は、機器の年式や型式を特定する。具体的には、該当する機器の操作画面のデザインや、操作方法、処理を実行させるコマンド体系等を特定する。
【0055】
プログラム25bは、制御部21により読み出され、制御部21が車載機器2を制御するために実行されるファームウェアである。
【0056】
前述の制御部21が備える各機能を説明する。制御部21は、コマンド受信部21a及び表示制御部21bを備える。
【0057】
コマンド受信部21aは、連携部22を介し、携帯端末1からコンテンツを受信する。
【0058】
表示制御部21bは、画像や文字等のデータをディスプレイ24に表示する。また、表示制御部21bは、タッチパネル24aに入力されるタッチ位置に基づき、ディスプレイ24に表示する画像等を変化させる。
【0059】
次に、サーバ3の構成を説明する。サーバ3は、携帯端末1にデータやサービスを提供するコンピュータ(サーバ装置)である。図4は、サーバ3の構成を示す。サーバ3は、制御部31、通信部32、及び記憶部33を備える。
【0060】
制御部31は、CPU、RAM、及びROMを備えたマイクロコンピュータである。制御部31は、サーバ3が備える他の構成と接続され、装置全体を制御する。なお、制御部31が備える機能は後述する。
【0061】
通信部32は、有線又は無線の通信機能を備え、ネットワーク4に接続して携帯端末1と情報通信を行う。
【0062】
記憶部33は、データを記憶するメモリである。例えば、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部33は、コンテンツ33a、機種対照テーブル33d、及びプログラム33eを記憶している。
【0063】
コンテンツ33aは、ネットワーク4を介し、携帯端末1へ提供するデータである。コンテンツ33aは、操作マニュアル33b及び操作コマンド33cを含む。
【0064】
操作マニュアル33bは、車載機器2を操作する手法を記載した操作手順書を内容とする文字や図形を含むデータである。操作マニュアル33bは、車載機器2の機種毎に記憶部33に記憶される。
【0065】
操作コマンド33cは、車載機器2に所定の処理の実行を指示する命令語である。一の操作コマンド33cは、ユーザの車載機器2に対する一の操作に該当する。車載機器2は、操作コマンド33cを受信すると、操作コマンド33cで指示される所定の処理を実行する。なお、操作コマンド33cは、タッチパネルへのタッチを指示する場合、ディスプレイ上の座標情報を含む。また、操作コマンド33cは、車載機器2のハードウェア型スイッチの動作を指示する場合、スイッチの名称情報を含む。
【0066】
また、操作コマンド33cは、操作マニュアルに基づく操作手順に応じた複数のコマンドのセット(集合)である場合がある。以下、「操作コマンド」と述べた場合、「複数の操作コマンドのセット」を示す場合がある。
【0067】
機種対照テーブル33dは、車載機器2の機種名と、かかる機種名の車載機器2で利用される操作マニュアル及び操作コマンドとを対照的に示すデータテーブルである。制御部31は、機種対照テーブル33dを参照することで、所定の機種で利用される操作マニュアル及び操作コマンドを特定する。なお、操作マニュアル及び操作コマンドによっては、複数の機種に渡って利用される場合がある。また、操作マニュアルと操作コマンドとは、それぞれ異なる機種に利用される場合がある。したがって、車載機器2の機種名と操作マニュアル及び操作コマンドとは、複雑な対照関係となる場合がある。このような機種対照テーブル33dを参照し、所定の機種で利用される操作マニュアル及び操作コマンドを特定することは、操作マニュアル及び操作コマンドの読み出し処理に有用である。
【0068】
プログラム33eは、制御部31により読み出され、制御部31がサーバ3を制御するために実行されるファームウェアである。
【0069】
制御部31が備える機能を説明する。制御部31は、コンテンツ送信部31aを備える。コンテンツ送信部31aは、所定の機種で利用される操作マニュアル33b及び操作コマンド33cを内容とするコンテンツ33aを記憶部33から読み出し、携帯端末1に送信可能な形式に編集する。そして、編集したコンテンツ33aを通信部32を介して携帯端末1へ送信する。
【0070】
<1−3.処理>
次に、携帯端末1、車載機器2、及びサーバ3の処理手順を説明する。図5及び図6は、携帯端末1、車載機器2、及びサーバ3の処理手順を示す。本処理は、携帯端末1に対するユーザの操作を契機として開始される。
【0071】
まず、ユーザが携帯端末1のタッチパネル13a等を操作し、所定のアプリケーションを起動させる(図5のステップS101)。かかるアプリケーションは、車載機器2の操作マニュアルを携帯端末1に表示させ、車載機器2を操作するためのアプリケーションである。ユーザは予めネットワーク4を介し、所定のサーバからアプリケーションを携帯端末1にダウンロードすればよい。
【0072】
アプリケーションが起動すると、携帯端末1の連携部15は、車載機器2とデータの送受信が行えるよう、車載機器2の連携部22と通信の連携処理を行う(ステップS102)。
【0073】
次に、携帯端末1の情報取得部11aは、連携部15による車載機器2の連携部22との連携処理が成功したか否かを判断する(ステップS103)。
【0074】
情報取得部11aが連携処理は不成功と判断すると(ステップS103でNo)、表示制御部11bは、ディスプレイ13に車載機器2の機種入力画面を表示する(ステップS104)。ディスプレイ13に機種入力画面が表示されると、ユーザは車載機器2の機種番号を確認し、タッチパネル13aを用いて機種番号を入力する。なお、機種入力画面を表示する代わりに、機種一覧表(リスト)を表示し、ユーザが表示された機種番号をタッチ操作して機種番号の入力を行ってもよい。
【0075】
一方、携帯端末1と車載機器2とで連携処理が成功したと判断されると(ステップS103でYes)、又はユーザにより機種番号が入力されると、携帯端末1の情報取得部11aは、連携部15を介し、車載機器2に対して機種データを送信するよう要求する(ステップS105)。
【0076】
車載機器2の制御部21は、携帯端末1から機種データの送信要求を受信すると、記憶部25から機種データ25aを読み出し、携帯端末1へ送信する(ステップS201)。
【0077】
機種データ25aが携帯端末1へ送信されると、情報取得部11aは、機種データ25aに該当するコンテンツが記憶部14に既に記憶されているか否か判断する(ステップS106)。
【0078】
情報取得部11aは、コンテンツが記憶部14に記憶されていると判断すると(ステップS106でYes)、当該コンテンツが最新版であるか否か判断する(ステップS107)。最新版の版数情報は、サーバ3から別途受信しておけばよい。例えば、携帯端末1は、アプリケーションの起動直後に、最新版の版数情報をサーバ3から受信するようにすればよい。
【0079】
情報取得部11aは、コンテンツが記憶部14に記憶されていないと判断する場合(ステップS106でNo)、及びコンテンツが最新版でないと判断する場合(ステップS107でNo)、車載機器2で利用されるコンテンツ(操作マニュアル及び操作コマンド)を送信するよう、通信部12を介してサーバ3へ要求する(ステップS108)。この際、情報取得部11aは、コンテンツが最新版であると判断すると(ステップS107でYes)、サーバ3へコンテンツの送信要求は行わず、後述のステップS109(図6)を実行する。
【0080】
サーバ3のコンテンツ送信部31aは、携帯端末1からコンテンツの送信要求を受信すると、記憶部33の機種対照テーブル33dを参照し、当該機種で利用される操作マニュアル及び操作コマンドを内容とするコンテンツ33aを記憶部33から読み出す(ステップS301)。
【0081】
コンテンツ送信部31aは、読み出したコンテンツ33aを携帯端末1へ送信する(図6のステップS302)。
【0082】
携帯端末1の情報取得部11aは、操作マニュアル及び操作コマンドを含むコンテンツ33aをサーバ3から受信すると、コンテンツ33aを記憶部14に記憶させる。すなわち、操作手順となる操作マニュアル33b、及び操作手順に従った複数の操作にそれぞれ対応する複数のコマンドを記憶する。そして、表示制御部11bが、コンテンツ33aに含まれる操作マニュアル33bをディスプレイ13に表示させる(ステップS109)。
【0083】
操作マニュアル33bのディスプレイ13における初期表示は、操作メニュー画面である。ユーザは、操作メニュー画面から所望の操作を選択する。なお、操作メニューは、機能的な項目に分類して表示することが好ましい。ユーザが所望の操作を直感的に選択できるからである。なお、機能的な項目とは、利用状況(シチュエーション)や利用場面(シーン)に合わせた項目である。例えば、「ナビを使う」や、「オーディオを操作する」、「電話をかける」等である。
【0084】
ここで、携帯端末1のディスプレイ13に表示される操作マニュアル33bの例について説明する。図8は、携帯端末1のディスプレイ13に操作マニュアル33bが表示された画面の例である。図8で示す操作マニュアル33bは、スイッチ照明のカラーをユーザの好みに合わせて設定するために、ユーザがどのようなボタンを操作すべきかを示す。すなわち、スイッチ照明のカラーを設定するために、スイッチの「MENU」(TB1)を押下後、タッチパネルのボタンである「設定・編集」(TB2)、「共通設定」(TB3)、及び「設定」(TB4)を順次タッチすれば、スイッチ照明のカラーの設定画面に到達する旨を示す。このように、ユーザは携帯端末1のディスプレイ13で車載機器2の操作マニュアル33bを参照できる。
【0085】
図6を再度参照する。操作マニュアル33bがディスプレイ13に表示されると、携帯端末1のコマンド送信部11cは、表示された操作マニュアルに該当する操作コマンドを車載機器2に送信するか否か判断する(ステップS110)。かかる判断は、操作コマンドを車載機器2に送信すべき操作がユーザによりタッチパネル13aへ入力されたか否かにより行われる。
【0086】
コマンド送信部11cが操作コマンドを車載機器2に送信しないと判断すると(ステップS110でNo)、表示制御部11bは、操作マニュアル33bをディスプレイ13に継続して表示させる。
【0087】
一方、コマンド送信部11cは、操作コマンドを車載機器2に送信すると判断すると(ステップS110でYes)、初期化コマンドを車載機器2へ送信する(ステップS111)。なお、初期化コマンドを車載機器2に送信するか否かの判断は、コマンド送信部11cが、例えば図8に示す所定のタッチパネルボタン13aaをユーザがタッチしたか否かにより判断すればよい。
【0088】
初期化コマンドとは、操作の基準となる画面に移行させるコマンドである。各操作コマンドがタッチパネルの位置座標を含むものである場合、基準画面からコマンドの実行を行うことで、タッチパネルの示す操作ボタン位置と操作コマンドの含むディスプレイ上の座標位置とを整合させるためである。
【0089】
初期化コマンドが送信される時点では、ディスプレイにどのような画面が表示されているか不明のため、基準となる画面に移行させるためのボタンの座標位置も不明である。したがって、初期化コマンドには、タッチパネル13aの座標位置ではなく、車載機器2のハードウェアスイッチ23の名称情報が含まれる。このため、初期化コマンドを受信した車載機器2の制御部21は、ハードウェアスイッチ23が押された場合に実行されるべき処理を行う。なお、基準画面は、例えば、ナビゲーションにおける車両の現在位置を示す画面である。
【0090】
コマンド送信部11cは、初期化コマンドを送信すると、続いて操作コマンドを車載機器2に送信する(ステップS112)。なお、車載機器2へ送信すべき操作コマンドが複数ある場合には、コマンド送信部11cは、一連の操作手順のうち最先に実行されるべき操作コマンドを一つ送信する。例えば、図8においてスイッチ「TB1」を押下して実行される操作コマンドである。
【0091】
車載機器2のコマンド受信部21aが操作コマンドを受信すると、表示制御部21bが操作コマンドを実行し(ステップS202)、ディスプレイ24の表示を更新する。なお、ステップS202の詳細な処理内容は後述する。
【0092】
次に、コマンド送信部11cは、一連の操作にかかる全ての操作コマンドを車載機器2に送信したか否か判断する(ステップS113)。
【0093】
コマンド送信部11cは、全ての操作コマンドを送信していないと判断すると(ステップS113でNo)、計時部11dを参照し、直近の操作コマンドを送信してからの経過時間を検出する。
【0094】
次に、コマンド送信部11cは、直近の操作コマンドを送信してからの経過時間が所定の待機時間を経過したか否か判断する(ステップS114)。待機時間は、複数の操作コマンドが実行されることにより画面が遷移する時間間隔である。例えば、1秒である。ただし、ユーザが画面の遷移を把握できる時間であればよい。
【0095】
コマンド送信部11cは、直近の操作コマンドを送信してからの経過時間が所定の待機時間を経過していないと判断すると(ステップS114でNo)、待機時間の経過を再度判断する。すなわち、コマンド送信部11cは、待機時間が経過するまで、操作コマンドの送信を待機する。
【0096】
一方、コマンド送信部11cは、直近の操作コマンドを送信してからの経過時間が所定の待機時間を経過したと判断すると(ステップS114でYes)、操作コマンドを車載機器2へ送信する(ステップS112)。この際、車載機器2へ送信すべき操作コマンドは、一連の操作コマンドのうち次に実行されるべきコマンドである。例えば、図8においてボタン「TB2」をタッチして実行されるコマンドである。
【0097】
コマンド送信部11cが一連の操作コマンドの全てを個々に送信されるまで、すなわち、図8において示す「TB1」ないし「TB4」に相当するコマンドを送信するまで、上述のステップS112、ステップS113、ステップS114、及びステップS202が繰り返し実行される。これにより、コマンド送信部11cは、操作手順に従って複数のコマンドを待機時間に応じて間欠的に車載機器2に各々送信し、車載機器2では間欠的にコマンドが実行される。
【0098】
コマンド送信部11cが全ての操作コマンドを送信したと判断すると(ステップS113でYes)、本処理は終了する。
【0099】
次に、車載機器2のステップS202における処理の詳細について説明する。ステップS202は、車載機器2のコマンド受信部21aが携帯端末1から初期化コマンド及び操作コマンドを受信する度に実行される。
【0100】
処理が開始されると、コマンド受信部21aは、初期化コマンドを受信したか否か判断する(ステップS202a)。なお、コマンド受信部21aは、受信したコマンドに操作すべきハードウェアスイッチの名称が含まれている場合は、受信したコマンドを初期化コマンドと判別する。また、コマンド受信部21aは、受信したコマンドに操作すべきタッチスイッチの座標が含まれている場合は、受信したコマンドを操作コマンドと判断する。
【0101】
コマンド受信部21aが初期化コマンドを受信したと判断すると(ステップS202aでYes)、表示制御部21bは、初期化コマンドに含まれる名称のスイッチが押下された場合に実行される処理を行う(ステップS202b)。例えば、前述の通り、ナビゲーションにおける車両の現在位置を示す画面に移行する処理である。
【0102】
一方、コマンド受信部21aが初期化コマンドを受信しないと判断すると(ステップS202aでNo)、表示制御部21bは、操作コマンドに含まれる座標情報のタッチスイッチがタッチされた場合に実行される処理を行う(ステップS202c)。表示制御部21bが操作コマンドを実行すると、本処理は終了し、図6の処理に戻る。
【0103】
次に、コマンド送信部11cが一連の操作コマンドを車載機器2に送信した際の車載機器2のディスプレイ24における画面遷移の例について説明する。
【0104】
図9及び図10は、スイッチ照明のカラーをユーザの好みに合わせて設定するために、ユーザが操作すべき一連の操作コマンドが各々送信された際の、車載機器2のディスプレイ24における画面遷移の例である。画面は、図9から図10にかけて、操作コマンドの実行に応じて画面1から画面5へ順次遷移する。すなわち、操作の開始画面となる画面1から、所定の機能のための操作画面となる画面5に到る。
【0105】
まず、「画面1」として示す画面は、基準画面である。画面1は、車載機器2の「MAP」スイッチ23の押下に相当するコマンドが実行された画面である。タッチパネルの示す操作ボタンの位置と操作コマンドの含む座標位置とを整合させるために、車載機器2は、初期化コマンドを実行し、操作コマンドの実行前に予め定めた基準画面に遷移する。かかる基準画面から操作コマンドの実行は開始される。
【0106】
次に、「画面2」として示す画面は、画面1の基準画面において、「メニュー」スイッチMSのタッチ操作に相当するコマンドが実行された画面である。メニュー画面においては、複数のタッチパネルボタン24aaが表示される。画面2において、待機時間が経過し、次の操作コマンドが送信されて「設定・編集」ボタン24abのタッチに相当するコマンドが実行されると、画面は画面3へ遷移する。なお、この際、実行されるべき操作ボタンは画面上でハイライト表示される。また、以下の画面遷移においても同様である。操作ボタンのハイライト表示により、ユーザは各画面においてどの操作ボタンを操作すべきか把握できる。
【0107】
「画面3」で示される設定・編集画面においては、設定対象となる複数のタッチパネルボタン24acが表示される。画面3において、待機時間が経過し、次の操作コマンドが送信されて「共通設定」ボタン24adのタッチに相当するコマンドが実行されると、画面は画面4(図10)へさらに遷移する。
【0108】
「画面4」で示される共通設定画面においては、設定対象となる機能の名称と、各機能に対応する複数のタッチパネルボタン24aeが表示される。画面4において、待機時間が経過し、次の操作コマンドが送信されて「LEDスイッチ照明」に対応する「設定」ボタン24afのタッチに相当するコマンドが実行されると、画面は画面5へさらに遷移する。
【0109】
「画面5」で示される照明の設定画面においては、設定可能な色彩を示す複数のタッチパネルボタン24agが表示される。ユーザは、スイッチ照明のカラーを自らの好みに合わせて設定するために、画面5において、所望の色彩を示すタッチパネルボタンをタッチすればよい。
【0110】
このようにして、操作画面は、スイッチ照明のカラーをユーザの好みに合わせて設定するための画面5に到達する。すなわち、各操作画面は画面1から画面5へ途中経過を省略せず遷移する。また、各操作画面は操作コマンドが各々送信される待機時間の経過毎に遷移する。さらに、ユーザがタッチすべき操作ボタンは各画面においてハイライト表示される。このため、ユーザは各画面においてどのボタンが操作されているか容易に把握することができる。
【0111】
以上のように、第1の実施の形態の携帯端末1は、操作マニュアルに従った複数のユーザ操作にそれぞれ対応する複数の操作コマンドを、操作マニュアルに従って間欠的に車載機器2に各々送信する。これにより、車載機器2において操作手順に従って複数のコマンドが間欠的に実行される。このため、操作画面が段階的に表示され、ユーザは、目的とする操作画面が表示されるまでの操作手順をディスプレイ24上で確認し、理解することができる。
【0112】
また、ユーザは、所望の画面へ到達するために、どのような一連の操作を行うべきか画面上で認識できるため、車載機器2の操作に習熟することが可能となる。
【0113】
また、ユーザは少ないタッチ操作で、使用したい機能の操作画面まで自動で誘導されるため、車載機器2の利便性が向上する。
【0114】
また、ユーザは製本されたマニュアル冊子を調査し、操作画面と照合させながら操作する手間を除去できる。
【0115】
また、車載機器2を操作するのに車載機器2の使用しているコマンド及びタッチ位置を利用するので、車載機器2は少ない設計変更でよい。
【0116】
また、所定の機能のための操作画面を表示するので、動作の開始及び操作画面への最終的な操作(確認)をユーザが自ら判断できる。さらに、マニュアル参照時の操作パターンを増加させない。
【0117】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.概要>
次に、第2の実施の形態について説明する。前述の第1の実施の形態は、携帯端末1から車載機器2へ待機時間経過毎に操作コマンドを送信した。第2の実施の形態は、ユーザによる待機時間の変更を可能とした。操作コマンドを送信する待機時間は、車載機器2において画面が更新される時間でもある。ユーザにより待機時間の変更を可能とすることで、ユーザの所望の間隔で車載機器2の画面が更新されるので、ユーザは画面の遷移をより認識しやすくなり、車載機器2の操作の習熟がより容易となる。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の構成及び処理を含むため、以下、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0118】
<2−2.構成>
まず、第2の実施の形態における携帯端末1の構成について説明する。図11は、第2の実施の形態の携帯端末1の構成を示す。第1の実施の形態との主な相違点は、携帯端末1の制御部11が待機時間変更部11eを備える点である。その他の構成は、第1の実施の形態と同様に構成され、また同様に機能する。
【0119】
待機時間変更部11eは、タッチパネル13aに対するユーザの入力操作に応じ、記憶部14に記憶されている待機時間データ14aを変更する。すなわち、待機時間変更部11eは、複数のコマンドが各々送信される送信間隔をユーザによる設定に応じて変更する。待機時間変更部11eにより待機時間データ14aが変更されると、コマンド送信部11cは変更された待機時間に基づき、操作コマンドを送信する。
【0120】
<2−3.処理>
次に、第2の実施の形態における処理手順を説明する。図12は、第2の実施の形態における携帯端末1での待機時間を変更する処理手順を示す。
【0121】
まず、待機時間変更部11eが、ユーザによるタッチパネル13aへの入力操作に基づき、待機時間を変更するか否か判断する(ステップS401)。かかる判断は、タッチパネル13aに所定のボタンを表示しておくことで、待機時間変更部11eがユーザにより当該ボタンにタッチがあったか否かにより判断すればよい。
【0122】
待機時間変更部11eが待機時間を変更しないと判断する場合(ステップS401でNo)、本処理は終了する。ユーザが待機時間の変更を希望しない以上、もはや待機時間の変更処理を継続する必要はない。
【0123】
待機時間変更部11eは、待機時間を変更すると判断する場合(ステップS401でYes)、ユーザによるタッチパネル13aへの待機時間の変更入力の受け付けを開始する。
【0124】
待機時間変更部11eが記憶部14から待機時間データ14aを読み出し(ステップS402)、表示制御部11bが現在の待機時間をディスプレイ13に表示させる(ステップS403)。これにより、ユーザは、現在設定されている待機時間を把握でき、現在の待機時間からどの程度変更すべきか判断可能となる。
【0125】
次に、待機時間変更部11eが、ユーザによる待機時間の変更入力の操作を受け付ける(ステップS404)。変更入力の操作の受け付けは、タッチパネル13aに所定のボタンを表示しておくことで、当該ボタンへのタッチ操作の有無により判断すればよい。また、ユーザによる当該ボタンへのタッチ操作に応じ、ディスプレイ13に表示させた待機時間を変更することが好ましい。ユーザは設定している待機時間を参照しつつ変更入力の操作ができ、ユーザによる待機時間の設定操作を容易にするからである。
【0126】
図13は、このような待機時間の変更入力受け付け画面の例を示す。携帯端末1のディスプレイ13に、現在設定されている待機時間TIが表示される。ユーザは、待機時間TIの変更ボタン13ab及び13acにタッチすることで、表示されている待機時間TIを参照しつつディスプレイ13上で変更させ、所望の待機時間に変更することができる。
【0127】
図12を再度参照する。待機時間変更部11eは、ユーザによる待機時間の変更入力が完了すると、待機時間データ14aを更新する(ステップS405)。すなわち、待機時間変更部11eは、記憶部14の待機時間データ14aをユーザにより変更された待機時間データで上書きを行う。待機時間変更部11eにより待機時間データ14aの更新が行われると、本処理は終了する。
【0128】
以上のように、第2の実施の形態は、ユーザによる待機時間の変更を可能とした。ユーザにより待機時間の変更を可能とすることで、ユーザの所望する間隔で、電子装置にコマンドを送信して実行させることができる。これにより、ユーザの所望の間隔で車載機器2の画面が更新されるので、ユーザは画面の遷移をより認識しやすくなり、車載機器2の操作の習熟がより容易となる。
【0129】
<3.第3の実施の形態>
<3−1.概要>
次に、第3の実施の形態について説明する。前述の第1の実施の形態では、待機時間の経過毎に、操作コマンドを携帯端末1から車載機器2へ送信した。これに対し、第3の実施の形態は、ユーザによる操作毎に、操作コマンドを携帯端末1から車載機器2へ送信する。これにより、ユーザは、所望するタイミングで操作コマンドの送信、すなわち操作画面の遷移を行うことができる。したがって、ユーザは、特に習熟を望む画面において十分な時間を費やして画面を吟味、分析でき、車載機器2の操作能力の向上を図ることができる。第3の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の構成及び処理を含むため、以下、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0130】
<3−2.構成>
まず、第3の実施の形態における携帯端末1の構成について説明する。図14は、第3の実施の形態の携帯端末1の構成を示す。第1の実施の形態との主な相違点は、携帯端末1が指示入力部16を備える点である。その他の構成は、第1の実施の形態と同様に構成され、また同様に機能する。
【0131】
指示入力部16は、ユーザにより押下され、機械的に作動する押しボタンである。指示入力部16は、ユーザにより押下されると、入力信号を制御部11に送信する。ユーザは、指示入力部16を押下することで、携帯端末1に対し操作コマンドを送信すべき指示を入力できる。なお、指示入力部16は、タッチパネル13aのタッチボタンで構成してもよい。この場合、機械的な押しボタン(ハードウェア型スイッチ)を省略できる。
【0132】
<3−3.処理>
次に、第3の実施の形態における処理手順を説明する。図15は、第3の実施の形態の処理手順を示す。なお、第1の実施の形態との主な相違点は、携帯端末1がステップS114の代わりにステップS114aの処理を実行する点である。その他の処理は、第1の実施の形態と同様に実行され、また同様に機能する。
【0133】
ステップS113において、コマンド送信部11cは、操作手順にかかる全ての操作コマンドが送信されていないと判断すると(ステップS113でNo)、ユーザから操作コマンドを送信すべき指示があるか否か判断する(ステップS114a)。すなわち、コマンド送信部11cは、指示入力部16から制御部11へ入力信号が送信されているか否か判断する。
【0134】
コマンド送信部11cは、ユーザから操作コマンドを送信すべき指示がないと判断すると(ステップS114aでNo)、操作コマンドの送信指示があるか否かを再度判断し、以後、送信指示があるまで繰り返し判断を行う。すなわち、携帯端末1は送信指示の待機状態となる。
【0135】
一方、コマンド送信部11cは、ユーザから操作コマンドを送信すべき指示があると判断すると(ステップS114aでYes)、操作コマンドを送信する。この際、コマンド送信部11cは、一連の操作コマンドのうち最先に実行されるべき操作コマンドを一つ送信する。すなわち、コマンド送信部11cは、指示入力部16へユーザの指示が入力される毎に、操作マニュアルに従った操作手順の順序に従い、複数のコマンドのうちの一のコマンドを車載機器2へ送信する。なお、以後の処理は、第1の実施の形態における処理手順について説明した通りである。
【0136】
以上のように、第3の実施の形態は、ユーザによる操作毎に、操作コマンドを携帯端末1から車載機器2へ送信する。これにより、ユーザの所望するタイミングで、電子装置にコマンドを送信して実行させることができる。すなわち、ユーザは、所望するタイミングで操作画面の変更を行うことができるので、特に習熟を望む画面において十分な時間を費やして画面を吟味、分析でき、車載機器2の操作能力の向上を図ることができる。
【0137】
また、第3の実施の形態は、例えば、車載機器2の販売店や自動車ディーラー等において、顧客に対し車載機器2の操作説明を行う際に効果的である。操作説明に対する顧客の理解を確認したうえで、操作コマンドを送信して操作画面の変更を行うことができるからである。
【0138】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は上記実施の形態に限定されることはない。様々な変形が可能である。以下、このような変形例を説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜組み合わせ可能である。
【0139】
上記実施の形態では、携帯端末1が、サーバ3からコンテンツを取得し、車載機器2へ操作コマンドを送信した。これに対し、本変形例は、ユーザとサーバ3とが通信を行い、サーバ3が適切な操作コマンドを選択して送信する。図16は、このような変形例を示す。
【0140】
本変形例では、サーバ3にオペレータOPを駐在させ、オペレータOPがネットワーク4を介して携帯端末1のユーザと通話を行う。オペレータOPは、ユーザとの通話を通じ、ユーザの所望する操作内容を把握する。そして、適切な操作コマンドを選択し、携帯端末1に送信する。言わば、オペレータOPによる車載機器2の遠隔操作である。
【0141】
携帯端末1は、操作コマンドを受信すると、受信した操作コマンドを車載機器2へ送信する。車載機器2が受信した操作コマンドを実行すると、ユーザの所望する画面がディスプレイ24に表示される。この場合、ユーザは携帯端末1のディスプレイ13で操作マニュアルを参照する必要がなく、またタッチパネルを操作する手間もない。なお、車載機器2が操作コマンドの受信手段を備え、サーバ3から携帯端末1を介さず直接操作コマンドを受信してもよい。
【0142】
他の変形例を説明する。上記実施の形態では、携帯端末1が複数のコマンドを間欠的に車載機器2に送信した。しかし、複数の操作コマンドをまとめて送信してもよい。この場合、操作コマンドを受信した車載機器2が操作コマンドを間欠的に実行すればよい。
【0143】
また、上記実施の形態では、ユーザ操作に応じて段階的に操作画面を表示し、所定の操作手順に従った複数のユーザ操作を受け付けた場合に、所定の機能のための操作画面(「LEDスイッチ照明の設定画面」)を表示した。しかし、所定の機能のための操作画面の表示に代えて、所定の機能を実現してもよい。ユーザの選択の必要のない機能については、所定の機能のための操作画面を表示せず、所定の機能の実現することが簡便である。所定の機能の実現とは、例えば、ナビゲーション機能において自宅を目的地に指定してナビゲーションを実行することである。自宅を目的地に指定する操作においては、目的地が定まっている以上、操作画面を表示する必要はない。
【0144】
また、上記実施の形態では、携帯端末1がサーバ3から操作マニュアル及び操作コマンドを含むコンテンツを受信し、車載機器2へ送信した。しかし、車載機器2が予めコンテンツを記憶してもよい。この場合、ユーザが車載機器2を操作して操作マニュアルを表示させる。車載機器2は、操作コマンドを操作手順に従って順次実行し、ユーザの所望する操作画面まで段階的に表示すればよい。
【0145】
また、上記実施の形態では、操作マニュアルを表示して、ユーザが指示を入力したが、ユーザが音声で所望する画面の名称を入力してもよい。この場合、携帯端末1がマイクロフォンを備え、音声解析の機能を備えればよい。
【0146】
また、上記実施の形態では、車載機器2を車両に搭載される機器として説明した。しかし、車載機器2は、車両に搭載されない機器でもよい。例えば、パーソナルコンピュータや、テレビ、電子レンジ等の家庭用電子機器である。要するに、タッチパネルを備え、所望の画面を表示するまでに複数の操作を要するものであればよい。
【0147】
また、上記実施の形態では、ユーザが入力操作を行うものとしてタッチパネルを用いて説明した。しかし、必ずしもタッチパネルを利用する必要はない。すなわち、マウス等の画面上のポインタや、リモコン等の赤外線ポインタ等、ポインティングデバイスで操作するものであればよい。要するに、ディスプレイの特定領域を指定し、階層化された画面を段階的に更新して制御するものであればよい。
【0148】
また、上記実施の形態では、携帯端末1と車載機器2とを別体の装置として説明した。しかし、携帯端末1と車載機器2とを一体の装置として構成してもよい。
【0149】
また、上記実施の形態では、車載機器2の操作マニュアル及び操作コマンドを携帯端末1へ送信したが、車載機器2に接続されている機器の操作マニュアル等を携帯端末1へ送信してもよい。この場合、サーバ3へ送信される機種データ25aは、車載機器2に接続されている機器の種別を示すデータである。
【0150】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によりソフトウェアとして各機能が実現されると説明した。しかし、機能の一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0151】
1 携帯端末
2 車載機器
3 サーバ
4 ネットワーク
10 通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16