特許第6178752号(P6178752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178752
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/64 20060101AFI20170731BHJP
   B23B 21/00 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   B23Q1/64 C
   B23B21/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-84865(P2014-84865)
(22)【出願日】2014年4月16日
(65)【公開番号】特開2015-202555(P2015-202555A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】391029819
【氏名又は名称】株式会社オーエム製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】清水 達雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 多喜夫
(72)【発明者】
【氏名】仲窪 広文
(72)【発明者】
【氏名】後藤 昭博
【審査官】 永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−206936(JP,A)
【文献】 米国特許第04561815(US,A)
【文献】 特開2011−112625(JP,A)
【文献】 実開昭53−116891(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/00−1/76
B23B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターニングテーブルと、該ターニングテーブルの上方に左右方向となるX軸方向に延設されたクロスレールと、該クロスレールに沿って移動自在に設けられた刃物台と、該刃物台に上下方向となるZ軸方向に移動自在に設けられ、下端部に前記ターニングテーブルに芯出して固定されたワークを加工する工具を着脱自在に取り付ける工具取付部が設けられたラムと、該ラムに設けられている前記工具取付部を前記X軸方向と直交する前後方向となるY軸方向に移動調整するY軸移動調整機構とを具備する立型の工作機械において、前記刃物台は、前記クロスレールに設けられた固定部側となる刃物台取付部と、該刃物台取付部に対して前記Y軸方向に移動自在に設けられた移動部側となる刃物台本体部とで構成されるとともに、該刃物台本体部に前記工具取付部が設けられた前記ラムが前記Z軸方向に移動自在に設けられている構成とされ、前記Y軸移動調整機構は、前記刃物台取付部に前記Z軸方向に向けて設けられる固定部側スライドガイド部と、該固定部側スライドガイド部に対向配設され前記刃物台本体部にZ軸方向に向けて設けられる移動部側スライドガイド部と、前記固定部側スライドガイド部と前記移動部側スライドガイド部との間に前記Z軸方向に往復スライド自在に設けられるスライドブロックとで構成されるとともに、前記固定部側スライドガイド部と前記移動部側スライドガイド部の少なくとも一方が前記Y軸方向に傾斜状態に設けられていて、前記スライドブロックの前記Z軸方向へのスライドにより、前記Y軸方向に傾斜状態に設けられた前記固定部側スライドガイド部又は前記移動部側スライドガイド部に前記Y軸方向への押圧力が生じて前記固定部側スライドガイド部に対して前記移動部側スライドガイド部が前記Y軸方向に移動する構成とされ、前記スライドブロックの前記Z軸方向へのスライドによる前記移動部側スライドガイド部の前記Y軸方向への移動により、該移動部側スライドガイド部が設けられた前記刃物台本体部が前記Y軸方向に移動し、該刃物台本体部の前記Y軸方向への移動により該刃物台本体部に設けられた前記ラムが前記Y軸方向に移動し、該ラムの前記Y軸方向への移動により該ラムに設けられた前記工具取付部が前記Y軸方向に移動調整される構成とされていることを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記ラムは、主軸を具備する構成とされ、この主軸に前記工具としての回転工具を連結自在に取り付ける前記工具取付部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の工作機械。
【請求項3】
前記Y軸移動調整機構は、前記スライドブロックが、スライド駆動装置により直動スライドする直動スライド体として構成され、前記固定部側スライドガイド部及び前記移動部側スライドガイド部が、ボールがボールリテーナにより保持されボール循環部内に移動自在に収納されたボールリテーナ循環装置を介して前記直動スライド体がスライド自在に係合する固定部側スライドガイド体及び移動部側スライドガイド体として構成されるとともに、この固定部側スライドガイド体又は前記移動部側スライドガイド体の少なくとも一前記Y軸方向に傾斜状態に設けられて、前記直動スライド体のスライドによって前記Y軸方向へ前記刃物台の前記刃物台本体部前記Y軸方向に微調整移動するように構成されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項4】
前記工具取付部に前記工具として旋削工具を設けて、前記ワークを旋削加工した後、前記旋削工具に替えて回転工具を設けてミーリング加工する際に、旋削加工時にはターニングテーブルの中心が熱変位していたがこの旋削加工後に冷えて再び熱変位により主軸位置が芯ズレした分に対応する所定ストロークだけ、前記刃物台を前記クロスレールに沿ってX軸方向に移動調整すると共に、前記Y軸移動調整機構の前記スライドブロックを移動調整して、前記X軸方向及び前記Y軸方向に前記工具取付部を移動調整するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立型ターニングセンターなどの工作機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、旋盤やフライス盤,更には複雑な曲面加工が高能率に加工でき、立・横・斜めの穴明け,ねじ切りなどのミーリング加工をもワンチャッキングで且つ標準工具で加工が可能であるターニング機能及びミーリング機能を有する複合加工機などが用いられているが、一般的には、ターニングテーブルに対して立設したコラムに、このコラムに設けたガイドレールに沿ってクロスレールを上下動自在に設け、このクロスレールに沿って刃物台を左右動自在に設け、この刃物台に主軸と連結することも可能な工具取付部を設けるか、あるいは主軸を有するラムを設け、このラムの下端部に主軸と連結することも可能な工具取付部を設けた構成とし、ターニング機能(旋削工具による旋削加工機能)及びミーリング機能(回転工具によるミーリング加工機能)を有する立型ターニングセンターが多用されている。
【0003】
このような立型ターニングセンターは、旋削加工を行う場合には、ワークを芯出し固定したターニングテーブルを回転させ、工具取付部に旋削工具をチャック固定し、この旋削工具をX軸方向,Z軸方向に移動制御してワークに切り込み旋削加工し、ミーリング加工を行う場合には、旋削工具に替えて回転工具を主軸に連結して主軸と共に回転自在に工具取付部にチャックし、ターニングテーブルを割出しつつ、回転工具をX軸方向,Z軸方向に移動制御し、ワークをミーリング加工する構成としている。
【0004】
しかしながら、このような立型ターニングセンターでは、予め主軸の中心とターニングテーブルの回転中心とを一致させておき、旋削加工とミーリング加工とを順次行うが、ガイドレールやクロスレールの磨耗などにより主軸中心とテーブル中心とが一度ズレてしまうと、簡単に修正することはできず、オーバーホール等を行って主軸合せを再度行わなければならない。
【0005】
更にこのような磨耗だけでなく、旋削加工時のターニングテーブルの回転駆動系のギアやベアリングなどに生じる熱や旋削加工熱によりワークの変形なども伴ってターニングテーブルの中心位置が熱変位し主軸に対してズレた状態で旋削加工を行い、その後ターニングテーブルの回転を止め、割出しして所定位置をミーリング加工する場合には、再び冷えることでターニングテーブルの中心位置が旋削加工時に比して再び変位するために、ミーリング加工時には旋削加工中心に対して主軸位置がこのような熱変位によってズレる場合がある。
【0006】
従って、旋削加工時の熱変形度合が大きく冷えた後のミーリング加工時でのこの主軸の芯ズレが許容範囲を超えた場合、この芯ズレを補正しないまま(主軸合せを行わないまま)旋削加工とミーリング加工とを行うと、この夫々の加工時のテーブルの回転数の違いによる熱変位の違いによって生じる主軸の芯ズレにより加工精度が劣ってしまう問題があった(図6(1)参照)。
【0007】
一般的にこのような立型ターニングセンターの刃物台は、前述のようにクロスレールに沿ってX軸方向に移動自在であり、また、このクロスレールやラムの上下移動によりZ軸方向にも主軸は移動可能ではあるが、Y軸方向には移動調整できない構成である。
【0008】
即ち、X軸方向に移動調整できてもY軸方向に移動調整できる構成ではないため、前記主軸の芯ズレを逐次補正することはできない。
【0009】
また、例えば既存の複合5軸加工機などのように、ターニングテーブルを設けるベース(コラムベッド)の左右にコラムを立設する構造において、このベースに対してコラムをY軸方向に移動自在に設けて、主軸位置をY軸方向にも移動自在に設ける構成とすることもできるが、このようにコラムをY軸方向に移動自在に構成することは、かなりのコスト高となる上、この移動精度を上げることは難しく、前述のような主軸の芯ズレを逐次補正することに利用することは難しい。
【0010】
また、クロスレールの片側にクサビ(ギブ)を差し入れ、この出し入れによりクロスレールを片持状態でY軸方向に前後移動調整する構成も提案されてはいるが、やはりコスト高となるだけでなく、重量も大きいことから、Y軸方向への移動調整はスムーズに行えず、精度良く移動調整できないため、前述のような主軸の芯ズレ補正を行う構成としては実用性に乏しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−206936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題を解決し、旋削加工時とミーリング加工時とで、ターニングテーブルの中心(ワーク加工中心)に対して主軸中心位置がズレることを、簡易な構成で精度良く補正できる立型ターニングセンターなどの工作機械を提供するものであって、旋削加工後のターニングテーブルの中心(ワーク旋削加工中心)に対して、ミーリング加工時に相対的に位置ズレている(芯ズレている)主軸中心位置(回転工具中心位置)を、刃物台の移動によりX軸方向及び刃物台に設けたY軸移動調整機構によりY軸方向に移動調整して主軸中心位置を補正し主軸位置合せできる工作機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0014】
ターニングテーブル1と、該ターニングテーブル1の上方に左右方向となるX軸方向に延設されたクロスレール2と、該クロスレール2に沿って移動自在に設けられた刃物台3と、該刃物台3に上下方向となるZ軸方向に移動自在に設けられ、下端部に前記ターニングテーブル1に芯出して固定されたワーク4を加工する工具5を着脱自在に取り付ける工具取付部6が設けられたラム12と、該ラム12に設けられている前記工具取付部6を前記X軸方向と直交する前後方向となるY軸方向に移動調整するY軸移動調整機構Aとを具備する立型の工作機械において、前記刃物台3は、前記クロスレール2に設けられた固定部側9となる刃物台取付部9と、該刃物台取付部9に対して前記Y軸方向に移動自在に設けられた移動部側10となる刃物台本体部10とで構成されるとともに、該刃物台本体部10に前記工具取付部6が設けられた前記ラム12が前記Z軸方向に移動自在に設けられている構成とされ、前記Y軸移動調整機構Aは、前記刃物台取付部9に前記Z軸方向に向けて設けられる固定部側スライドガイド部7Aと、該固定部側スライドガイド部7Aに対向配設され前記刃物台本体部10にZ軸方向に向けて設けられる移動部側スライドガイド部7Bと、前記固定部側スライドガイド部7Aと前記移動部側スライドガイド部7Bとの間に前記Z軸方向に往復スライド自在に設けられるスライドブロック8とで構成されるとともに、前記固定部側スライドガイド部7Aと前記移動部側スライドガイド部7Bの少なくとも一方が前記Y軸方向に傾斜状態に設けられていて、前記スライドブロック8の前記Z軸方向へのスライドにより、前記Y軸方向に傾斜状態に設けられた前記固定部側スライドガイド部7A又は前記移動部側スライドガイド部7Bに前記Y軸方向への押圧力が生じて前記固定部側スライドガイド部7Aに対して前記移動部側スライドガイド部7Bが前記Y軸方向に移動する構成とされ、前記スライドブロック8の前記Z軸方向へのスライドによる前記移動部側スライドガイド部7Bの前記Y軸方向への移動により、該移動部側スライドガイド部7Bが設けられた前記刃物台本体部10が前記Y軸方向に移動し、該刃物台本体部10の前記Y軸方向への移動により該刃物台本体部10に設けられた前記ラム12が前記Y軸方向に移動し、該ラム12の前記Y軸方向への移動により該ラム12に設けられた前記工具取付部6が前記Y軸方向に移動調整される構成とされていることを特徴とする工作機械に係るものである。
【0015】
また、前記ラム12は、主軸11を具備する構成とされ、この主軸11に前記工具5としての回転工具5Bを連結自在に取り付ける前記工具取付部6が設けられていることを特徴とする請求項1記載の工作機械に係るものである。
【0016】
また、前記Y軸移動調整機構Aは、前記スライドブロック8が、スライド駆動装置13により直動スライドする直動スライド体8として構成され、前記固定部側スライドガイド部7A及び前記移動部側スライドガイド部7Bが、ボールがボールリテーナにより保持されボール循環部内に移動自在に収納されたボールリテーナ循環装置を介して前記直動スライド体8がスライド自在に係合する固定部側スライドガイド体7A及び移動部側スライドガイド体7Bとして構成されるとともに、この固定部側スライドガイド体7A又は前記移動部側スライドガイド体7Bの少なくとも一前記Y軸方向に傾斜状態に設けられて、前記直動スライド体8のスライドによって前記Y軸方向へ前記刃物台3の前記刃物台本体部10前記Y軸方向に微調整移動するように構成されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の工作機械に係るものである。
【0017】
また、前記工具取付部6に前記工具5として旋削工具5Aを設けて、前記ワーク4を旋削加工した後、前記旋削工具5Aに替えて回転工具5Bを設けてミーリング加工する際に、旋削加工時にはターニングテーブル1の中心が熱変位していたがこの旋削加工後に冷えて再び熱変位により主軸位置が芯ズレした分に対応する所定ストロークだけ、前記刃物台3を前記クロスレール2に沿ってX軸方向に移動調整すると共に、前記Y軸移動調整機構Aの前記スライドブロック8を移動調整して、前記X軸方向及び前記Y軸方向に前記工具取付部6を移動調整するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、旋削加工時とミーリング加工時とで、ターニングテーブルの中心(ワーク加工中心)に対して主軸中心位置がズレることを、簡易な構成で精度良く補正できる立型ターニングセンターなどの工作機械となるものであって、旋削加工後のターニングテーブルの中心(ワーク旋削加工中心)に対して、ミーリング加工時に相対的に位置ズレている(芯ズレている)主軸中心位置(回転工具中心位置)を、刃物台の移動によりX軸方向及び刃物台に設けたY軸移動調整機構によりY軸方向に移動調整して主軸中心位置を補正し主軸位置合せできる工作機械となる。
【0019】
また、請求項2〜4記載の発明においては、一層本発明を容易に実現でき、一層実用性に優れた工作機械となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施例の概略構成図である。
図2】本実施例の要部の説明正面図である。
図3】本実施例の要部の下側から見た説明断面図である。
図4】本実施例の要部の拡大作動説明側面図である。
図5】本実施例の要部の説明側面図である。
図6】本実施例の主軸合せについての説明図である。
図7】本実施例の主軸合せに際しての芯ズレ検知についての説明図(自転するカメラの撮影画像)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0022】
例えば、立型ターニングセンターにおいては、刃物台3の左右動(X軸),クロスレール2の上下動やラム12の上下動(Z軸),ターニングテーブル1の割出し(C軸)の3軸で移動制御する構成であるが、ターニングテーブル1中心(ワークの旋削加工済の加工中心)と主軸中心(回転工具中心)との熱変位による位置ズレ(芯ズレ)を補正するために、主軸11を、X軸方向及び刃物台3に設けたY軸移動調整機構AによりY軸方向にも移動調整できる構成としている。
【0023】
このY軸移動調整機構Aをコラム16やクロスレール2に設けることは、装置構成がやっかいとなったり、精度の高い移動調整機構とすることは容易でないため、従来、旋削加工時のターニングテーブル1の駆動系のギアやベアリングに生じる熱やワークでの加工熱によるターニングテーブル1の中心位置の熱変位によるズレに基づく主軸11の芯ズレを補正する主軸合せを逐次精度良く行うことは困難であったが、本発明は、この問題を解決するため、クロスレール2に沿ってX軸方向に移動自在な刃物台3に、簡易な構成で動きがスムーズであり、精度の高いY軸方向の移動調整も可能となるY軸移動調整機構Aを設けている。
【0024】
具体的には、このY軸移動調整機構Aは、固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間にスライドブロック8を往復スライド自在に構成し、固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bの少なくとも一方を傾斜状態にして、前記刃物台3のクロスレール2取付側の固定部側9と工具取付部6を設ける側の移動部側10とに介在状態に設けて、前記スライドブロック8を前記固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間でスライドさせることで、前記傾斜状態に設けた固定部側スライドガイド部7A又は移動部側スライドガイド部7BによってY軸方向への押圧力が生じて前記固定部側9に対して前記移動部側10がY軸方向に移動し、この移動部側10に設けた前記工具取付部6の位置(主軸11の位置)がY軸方向に移動するように構成している。
【0025】
従って、簡易な構成で動きがスムーズで精度良く主軸の位置合せが行えることとなる。
【0026】
また、例えば、前記クロスレール2に移動自在に設けた前記固定部側9となる刃物台取付部9と、この刃物台取付部9に前記Y軸移動調整機構Aを介してY軸方向に移動自在に設けた前記移動部側10となる刃物台本体部10とから構成し、この刃物台3の固定部側9と移動部側10とに介在するこのY軸移動調整機構Aとして市販のLMガイドなどを用いる。
【0027】
即ち、例えば、前記スライドブロック8は、スライド駆動装置13により直動スライドさせる直動スライド体8とし、前記固定部側スライドガイド部7A及び移動部側スライドガイド部7Bは、ボールがボールリテーナにより保持されボール循環部内に移動自在に収納されたボールリテーナ循環装置を介して前記直動スライド体8がスライド自在に係合する固定部側スライドガイド体7A及び移動部側スライドガイド体7Bとし、少なくとも対向する前記固定部側スライドガイド体7Aと移動部側スライドガイド体7Bの一方を前記Y軸方向に傾斜状態に設けて、前記直動スライド体8のスライドによってY軸方向へ前記刃物台3の移動部側10をY軸方向に微調整移動するように前記Y軸移動調整機構Aを構成して、刃物台3に設けるだけの簡易な構成でY軸方向に主軸11を精度良く移動調整できることとなる。
【0028】
従って、例えば旋削加工を行った後に、ワーク4を割出ししてミーリング加工を行う場合、旋削加工時は、ターニングテーブル1の回転によりその駆動系のギアやベアリングに生じる熱やワーク4と旋削工具5Aとの接触摩擦による加工熱などにより、ワーク4と共にターニングテーブル1の回転中心が熱変形によって位置ズレた状態で加工されるが、その後、ミーリング加工を行う場合は、ターニングテーブル1やワーク4は冷えて再び変形するために、このミーリング加工時において、テーブル中心、即ち旋削加工時のワーク加工中心と主軸11はこの熱変位により位置ズレる場合があり、これを前述のようにX軸方向及びY軸方向に移動調整してこの芯ズレ分を補正する。
【0029】
即ち、ターニングテーブル1を割出し主軸位置を移動制御して所定位置にミーリング加工を行う際、既に旋削加工されているワーク4の旋削加工中心と主軸位置とのズレを検知し、この芯ズレ分(補正分)を刃物台3の移動によってX軸方向及び前記Y軸移動調整機構AによってY軸方向に、主軸11を移動調整して主軸11の位置合せを行ってから、工具取付部6にチャックし主軸11と共に回転自在に連結した回転工具5Bを移動制御してミーリング加工を行う。
【0030】
このように旋削加工後に逐次刃物台3の移動及び刃物台3に設けたY軸移動調整機構Aにより主軸(回転工具)中心の位置合せを行うことが簡単にして精度良く行えることになり、旋削加工とミーリング加工とを併用してもターニングテーブル1の回転数の違いによる熱変位によっての加工誤差が生じない優れた工作機械となる。
【実施例】
【0031】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0032】
本実施例は、立型ターニングセンターに本発明を適用したもので、ベースにターニングテーブル1を設けると共に、左右にコラム16を設け、このコラム16に上下方向にガイドレール17を設け、このガイドレール17に沿って上下動自在にしてコラム16間にクロスレール2を設けて、このクロスレール2をターニングテーブル1の上方に設け、このクロスレール2に沿って左右動自在に刃物台3を設け、この刃物台3に前記ターニングテーブル1に芯出して固定したワーク4を加工する工具5を着脱自在に設ける工具取付部6を設けた構成としている。
【0033】
本実施例は、このX軸方向に設けた前記クロスレール2とこのX軸方向と直交するY軸方向に前記工具取付部6を移動調整するY軸移動調整機構Aを前記刃物台3に設け、このY軸移動調整機構Aは、固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間にスライドブロック8を往復スライド自在に構成し、固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bの少なくとも一方を傾斜状態にして前記刃物台3の固定部側9と移動部側10とに介在状態に設けて、前記スライドブロック8を前記固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間でスライドさせることで、前記傾斜状態に設けた固定部側スライドガイド部7A又は移動部側スライドガイド部7BによってY軸方向への押圧力が生じて前記固定部側9に対して前記移動部側10がY軸方向に移動し、この移動部側10に設けた前記工具取付部6の位置がY軸方向に移動するように構成している。
【0034】
本実施例のこのY軸移動調整機構Aは、具体的には、コンパクトに設計でき、また更にスムーズに精度良くY軸方向に移動調整できるように、前記X軸方向及び前記Y軸方向と直交するZ軸方向に設ける前記固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間に前記スライドブロック8を前記Z軸方向に往復スライド自在に構成し、固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bの少なくとも一方をY軸方向に傾斜状態に設けて、前記刃物台3の前記クロスレール2の取付部側となる固定部側9と、この固定部側9に対して前記Y軸方向に移動自在に設けた前記移動部側10とに介在状態に設け、前記スライドブロック8を前記固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間でZ軸方向にスライドさせることで、前記Y軸方向に傾斜した前記固定部側スライドガイド部7A又は移動部側スライドガイド部7BによってY軸方向への押圧力が生じて前記固定部側9に対して前記移動部側10がY軸方向に移動し、この移動部側10に設けた前記工具取付部6の位置がY軸方向に移動するように構成している。
【0035】
更に説明すると、前記刃物台3は、前記クロスレール2に移動自在に設けた前記固定部側9となる刃物台取付部9と、Y軸方向に移動自在に設けた前記移動部側10となる刃物台本体部10とから構成し、この刃物台本体部10にZ軸方向に移動自在なラム12を設け、このラム12の下端部にこのラム12を設けた主軸11と連結可能に回転工具5Bを取り付ける工具取付部6を設けている。
【0036】
尚、この刃物台3の刃物台取付部9は、クロスレール2に沿って直接左右動(X軸方向に移動)自在に設けても良いが、このクロスレール2に左右動自在に設けた縦レール部を設け、この縦レール部に上下動自在に設け、この刃物台3自体もZ軸方向に移動調整できるように構成しても良い。
【0037】
本実施例では、この刃物台取付部9に、Z軸方向に沿って真直ぐな固定部側スライドガイド部7Aを設け、刃物台本体部10には、Z軸方向に沿って移動部側スライドガイド部7Bを設けるが、これをY軸方向にやや傾斜状態に設け、固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間がZ軸方向に、具体的には下方向って幅狭となるように設けると共に、この固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間に両辺がスライド自在に係合するように、下方に行くほど幅狭い前記スライドブロック8を上下往復動自在に係合し、このスライドブロック8を下方へスライド駆動することで固定部側スライドガイド部7Aと移動部側スライドガイド部7Bとの間が押し拡げられて、前記刃物台取付部9に対して刃物台本体部10がY軸方向、具体的には前方へ移動するように構成している。
【0038】
また、本実施例のこの刃物台取付部9と刃物台本体部10との間に介在するY軸移動調整機構Aは、刃物台3の左右に設けるが、市販のLMガイドを用いている。即ち、前記スライドブロック8は、スライド駆動装置13により直動スライド駆動する直動スライド体8とし、スライド駆動装置13によりボールネジ18を回転させ、これに螺合する螺合連結部19を介して前記直動スライド体8をボールネジ18に沿って直動スライド駆動するように構成している。
【0039】
前記固定部側スライドガイド部7A及び移動部側スライドガイド部7Bは、ボールがボールリテーナにより保持されボール循環部内に移動自在に収納されたボールリテーナ循環装置を介して前記直動スライド体8の両辺が夫々スライド自在に係合する固定部側スライドガイド体7A及び移動部側スライドガイド体7Bとし、前述のように対向する一方の前記固定部側スライドガイド体7A又は移動部側スライドガイド体7Bを前記Y軸方向に傾斜状態に設けて、これに応じた形状とした直動スライド体8の直動スライドによってY軸方向へ前記刃物台3の移動部側10をY軸方向に微調整移動するように前記Y軸移動調整機構Aを構成している。
【0040】
従って、本実施例では、前記工具取付部6に前記工具5として旋削工具5Aを設けて、前記ワーク4を旋削加工した後、前記旋削工具5Aに替えて回転工具5Bを設けてミーリング加工する際に、旋削加工時は、ターニングテーブル1の回転によりその駆動系ギアやベアリングに生じる熱やワーク4と旋削工具5Aと接触摩擦による加工熱などによりターニングテーブル1の中心が熱変位していた状態で旋削加工し、この旋削加工後に冷えて再び変形し、このワーク4の旋削加工中心(例えばワーク4の旋削加工円形凹部のワーク旋削加工中心)に対して主軸位置が熱変位により芯ズレしている場合には、この芯ズレた分に対応する所定ストロークだけ、前記刃物台3を前記クロスレール2に沿ってX軸方向に移動調整すると共に、前記スライドブロック8を移動調整して、前記X軸方向及び前記Y軸方向に前記工具取付部6を移動調整するように前記Y軸移動調整機構Aを構成している。
【0041】
次に前記主軸11の位置ズレ(芯ズレ)を検知して主軸合せを行う主軸位置合せ方法について説明する。
【0042】
例えば、工具取付部6に主軸中心が一致するように所定径のテストバーを取り付け、ターニングテーブル1又はワーク4上に、中心方向に向けて水平突出した突没自在な検査部先端の検査子をテストバーの外周面に弾圧当接するケージを設け、ターニングテーブル1を回転させてケージの振れを見ることで主軸11の位置ズレ(芯ズレ)を検知することができる。
【0043】
芯ズレが生じていなければ、テストバーの外径は一定だからケージは振れないが、芯ズレしていればターニングテーブル1の回転と共にケージバーの回りを周回するケージの検査子はこの芯ズレのため出入りしケージが振れることになるため芯ズレを検知でき、この振れが最小となるようにX軸方向に主軸11を移動調整し、更に振れが最小あるいは理論的にはゼロとなるようにY軸方向にも主軸11を移動調整して主軸11の芯ズレを補正することができる。
【0044】
また、この芯ズレを更に容易にして確実に検知でき、またその芯ズレ補正の自動化も容易になる新たな芯ズレ検知及び芯ズレ補正方法について、以下説明する。
【0045】
即ち、本実施例では、工具取付部6に取り付けて主軸11と共に回転する回転工具5Bの位置を調整する工作機械における主軸位置合せ方法について説明すると、前記工具取付部6に前記主軸11中心とカメラ14中心とが一致するようにカメラ14を取り付けて、ターニングテーブル1に固定したワーク4又はターニングテーブル1自体又は前記ターニングテーブル1若しくは前記ワーク4に設けた撮影物を撮影対象として撮影する構成とし、このカメラ14を前記主軸11の回転により自転させながら撮影した前記カメラ14の撮影画像を取得し、この撮影画像の前記カメラ自転による前記撮影対象の揺れ動若しくは偏心動などの芯ズレにより生じる芯ズレ画像動作の有無を自動検知若しくは目視検知して前記主軸11の芯ズレを検知し、この芯ズレ検知に基づいて前記主軸11の位置を移動調整する主軸位置合せ方法を用いる。
【0046】
具体的には、本実施例のカメラ14は、回転工具5Bと同じアタッチメント部にCCDカメラ14を設けた構成(芯ズレ測定用カメラ)とし、このアタッチメント部を工具取付部6にチャックしカメラ14を下向きにして工具と変換自在に取り付ける構成としている。
【0047】
更に説明すると、前述のようにこのカメラ14は真下(主軸方向)を向いて撮影するようにカメラ14の上部に前記アタッチメント部を設けるが、カメラ軸芯微調整用のXY方向微調整ベース装置20を介してXY方向にカメラ14を微調整し主軸11中心とカメラ14の撮影中心とを合致させてカメラ14を下向きにして工具取付部6に取り付ける。
【0048】
また、このカメラ14は、ターニングテーブル1に固定したワーク4又はターニングテーブル1自体又は前記ターニングテーブル1若しくは前記ワーク4に設けた撮影物を撮影対象として撮影する構成としている。
【0049】
具体的には、前述のようにこのカメラ14の撮影対象はターニングテーブル1やワーク4に判別視認し易い撮影物を特別に設けても良いが、単にターニングテーブル1の円形エッジやワーク4の旋削加工円形凹部の円形エッジを撮影対象としている。
【0050】
そして、このカメラ14を前記主軸11の回転により自転させながら撮影した前記カメラ14の撮影画像を取得し、この撮影画像の前記カメラ自転による前記撮影対象の揺れ動若しくは偏心動などの芯ズレにより生じる芯ズレ画像動作の有無を自動検知若しくは目視検知して前記主軸11の芯ズレを検知する。
【0051】
具体的には、前記カメラ14を主軸11により自転させて前記撮影対象の撮影画像を動画として取得し、この撮影画像の前記撮影対象の芯ズレ画像動作の有無を自動検知して、前記ターニングテーブル1中心と前記主軸11中心との芯ズレを検知し、この芯ズレ検知に基づいて前記主軸11の位置を移動調整して芯合せを行うようにしている。
【0052】
具体的には、本実施例では、前記ターニングテーブル1を回転させて前記撮影対象を回転させながら、前記カメラ14を主軸11により自転させて撮影すると共に、このターニングテーブル1の回転と前記主軸11によるカメラ14による自転とを同期させながら撮影して、前記撮影対象の撮影画像の動画が回転せずに静止画となるようにし、更に前記芯ズレ画像動作なく完全な(この動作もない)静止画となったことを自動検知若しくは目視検知した際に、前記ターニングテーブル1中心と前記主軸11中心とが一致したと判断すると共に、前記芯ズレ画像動作もない静止画となるように前記主軸11の位置を移動調整して芯合せを行うようにしている。
【0053】
即ち、撮影対象を回転させるターニングテーブル1と、カメラ14の自転(主軸回転)とが同期していると、芯ズレが生じていなければ静止画となる。しかし、芯ズレが生じていると、例えば撮影対象のターニングテーブル1のエッジやワーク4のエッジ、あるいは旋削加工円形凹部の円形エッジ以外は、静止画となっていても、これらは芯ズレによる偏心動をしているために、この偏心動、即ち芯ズレ画像動作が瞬時に把握できる。
【0054】
即ち、画像処理判断によってこの芯ズレ画像動作の有無が容易に判断できる。従って、このように同期させてカメラ14を回転させて撮影すれば、一層容易に主軸11の芯ズレを自動判別あるいは目視判別できることとなる。
【0055】
また、このように本実施例では、カメラ14による撮影画像を取り込んで芯ズレを検知する芯ズレ自動判別装置によって自動判別するように構成しているが、前述のように本実施例では、この芯ズレ自動判別装置には芯ズレ画像動作があるか否かを自動判別する手段を組み込んだ判別装置としている。
【0056】
即ち、画像処理による芯ズレ画像動作の有無が容易にして的確に判断できるように、撮影対象(判別対象)として、ターニングテーブル1の回転中心を中心とした円形線、具体的には、本実施例ではターニングテーブル1の円形エッジあるいはワーク4に加工済の旋削加工円形凹部の旋削加工円形エッジとし、この円形エッジが偏心動しているか否かを自動検知する自動判別装置としている。
【0057】
このような撮影対象の偏心動を自動判別することで、たとえ前述のようにターニングテーブル1とカメラ14とが同期して回転していなくても(単にカメラ14だけ回転していても)、芯ズレが生じていれば偏心動し、芯ズレを生じていなければ円形エッジが偏心することなく回転している動画となり、判別が容易となる。
【0058】
また、この点本実施例では、更にこの偏心動の有無の判断が一層瞬時に容易に判別できるように、ターニングテーブル1とカメラ14とを同期させて回転させ、芯ズレが生じていなければ完全な静止画となるようにし、芯ズレが生じている場合は回転していない(静止している)円形エッジが偏心動し、この偏心動の有無を検知するようにしている。
【0059】
即ち、本実施例では静止画となっているか否かを自動判別する手段を組み込んだ判別装置とし、完全な静止画とならず、例えば旋削加工円形凹部の旋削加工円形エッジが静止しておらずカメラ撮影中心に対して偏心動(揺れ動)するなどの芯ズレ画像動作が生じていると検知すれば芯ズレありと検知し、X軸方向及びY軸方向に主軸11(カメラ14)を移動調整し、この芯ズレ動作が小さくなるように調整し、この芯ズレ画像動作もなく、完全に本実施例では、静止画となったと判別した際に、芯ズレなしと判断し、移動調整を終了し、補正を完了する構成としている。
【0060】
また、本実施例では、前述のようにターニングセンターにおいて、旋削加工を行った後に、ワーク4を割出ししてミーリング加工を行う場合、旋削加工時はターニングテーブル1の回転によりその駆動系のギアやベアリングに生じる熱やワーク4と旋削工具5Aとの接触摩擦による加工熱などにより、ワーク4と共にターニングテーブル1の回転中心が熱変形によって位置ズレた状態で加工されるが、その後、ミーリング加工を行う場合は、ターニングテーブル1やワーク4は冷えて再び変形するために、このミーリング加工時において、テーブル中心、即ち旋削加工時のワーク加工中心と主軸11はこの熱変位により位置ズレる場合がある。
【0061】
そのためターニングセンターに、前記カメラ14(芯ズレ測定用カメラ)を備えておき、回転工具5Bに替えてこのカメラ14を工具取付部6に取り付け、旋削加工後ミーリング加工を行う前に、逐次主軸11の芯ズレを前述のように検知して、この検知に基づいてX軸方向及びY軸方向に移動調整してこの芯ズレ分を補正する本実施例の主軸合せを行う。
【0062】
即ち、ターニングテーブル1を割出し主軸位置を移動制御して所定位置にミーリング加工を行う際、既に旋削加工されているワーク4の旋削加工中心と主軸位置とのズレを検知し、この芯ズレ分(補正分)を刃物台3の移動によってX軸方向及びY軸移動調整機構AによってY軸方向に、主軸11を移動調整して主軸11の位置合せを行ってから、工具取付部6に主軸11と共に回転自在に回転工具5Bをチャックし、この回転工具5Bを移動制御してミーリング加工を行うようにしている。
【0063】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0064】
A Y軸移動調整機構
1 ターニングテーブル
2 クロスレール
3 刃物台
4 ワーク
5 工具
5A 旋削工具
5B 回転工具
6 工具取付部
7A 固定部側スライドガイド部(固定部側スライドガイド体)
7B 移動部側スライドガイド部(移動部側スライドガイド体)
8 スライドブロック(直動スライド体)
9 固定部側(刃物台取付部)
10 移動部側(刃物台本体部)
11 主軸
12 ラム
13 スライド駆動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7