【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)誘発ネクロトーシスを抑制する一連のヘテロ環式誘導体を特徴としている。本発明は更に、ネクロスタチン類を主成分とする医薬組成物を特徴としている。本発明の化合物及び組成物はまた、ネクロトーシスが実質的な役割を果たすと思われる障害を治療するために使用することができる。
【0009】
第一の態様において、本発明は、下記式による構造:
【化1】
【0010】
〔式中、
それぞれのR
H1、R
H2、R
H3、R
H4、R
H5、R
H10、R
H17、X
H2、Z
H1、Z
H2及びnは式(I)のために定義されるとおりであり、
X
H2は、O、S又はNR
H9から独立して選択され;
それぞれのR
H1、R
H2、R
H3、R
H4及びR
H5は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
2-6アルケニル、任意に置換されていてよいC
2-6アルキニル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)R
H12、−C(=O)OR
H12、−C(=O)NR
H12R
H13、−C(=S)R
H12、−C(=S)NR
H12R
H13、−C(=NR
H14)R
H12、−C(−NR
H14)NR
H12R
H13若しくは−[Z
H1−(CR
H15R
H16)
n−{C(=X
H2)}
o−Z
H2−R
17]から独立して選択されるか、又はR
H1及びR
H3は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのZ
H1及びZ
H2は、単結合、O、S又はNR
H11から独立して選択され;
それぞれのR
H9、R
H10、R
H11、R
H12、R
H13、R
H14、R
H15、R
H16及びR
H17は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
nは、0〜6の整数であり;そして
oは、0又は1であり;そして
ここで、R
H1がHであり、R
H2がH又はCO
2Meであり、R
H3がHであり、R
H4が非置換のフェニル、又はメトキシ、クロロ若しくはフェニルから選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されたフェニルであり、R
H5がCNであり、R
H10がHであり、Z
H1がSであり、nが1であり、X
H2がOであり、そしてZ
H2がNHである場合には、R
H17は、H、メチル、メトキシ、非置換の2−チアゾリル、非置換のフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、2−エトシキフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−フルオロフェニル又は2,4,6−トリメチルフェニルではない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0011】
幾つかの実施形態において、化合物は、式(I-B)による構造
【化2】
【0012】
〔式中、
それぞれのR
H1及びR
H3は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)R
H12、−C(=O)OR
H12若しくは−C(=O)NR
H12R
H13から独立して選択されるか、又はR
H1及びR
H3は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのR
H4及びR
H17は、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
R
H5は、H、CN、−C(=O)OR
H12又は−C(=O)NR
H12R
H13から独立して選択され;
それぞれのR
H10、R
H11、R
H12及びR
H13は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
Z
H1は、単結合又はSから選択され;
Z
H2は、単結合又はNR
H11から選択され;
X
H2は、O又はSである〕を有し;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0013】
他の実施形態において、化合物は、下記の構造:
【化3】
【0014】
を有し、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0015】
幾つかの実施形態において、R
H1及びR
H3はHである。
【0016】
幾つかの実施形態において、R
H5はCNである。
【0017】
幾つかの実施形態において、R
H10はHである。
【0018】
幾つかの実施形態において、Z
H1はSである。
【0019】
幾つかの実施形態において、Z
H2はNHである。
【0020】
幾つかの実施形態において、R
H4は非置換のフェニル、又は1、2、3、4若しくは5個の置換基を有するフェニルである。更なる実施形態において、フェニルは、F、Cl又はOR
H18から選択される1、2又は3個の置換基を含み、ここで、それぞれのR
H18は、H又は任意に置換されていてよいC
1-6アルキルから独立して選択される。一定の実施形態において、フェニルは、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、2−メトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は3,4−ジメトキシフェニルである。
【0021】
幾つかの実施形態において、R
H17は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。一定の実施形態において、ヘテロアリールは、フラン、チオフェン、ピロール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール若しくは1,2,5−オキサジアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、プリン、ピラジン、プテリジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、インドール、1,2,4,5−テトラジン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン及びベンゾイミダゾールから選択される。
【0022】
第二の態様において、本発明は、下記式による構造
【化4】
【0023】
〔式中、
それぞれのR
A1、R
A3及びR
A4は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
2-6アルケニル、任意に置換されていてよいC
2-6アルキニル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR
A1及びR
A4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
G
A2は、存在しないか、又は−(CR
A11R
A12)
n−であり;
X
A3は、存在しないか、又はO、S若しくはNR
A8であり;
それぞれのR
A8及びR
A13は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−COR
A14、−CO
2R
A14又は−CONR
A14R
A15から独立して選択され;
それぞれのR
A9、R
A10、R
A11及びR
A12は、H、ハロゲン、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
2-6アルケニル、任意に置換されていてよいC
2-6アルキニル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのR
A7、R
A14及びR
A15は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのm及びnは、独立して、1、2又は3であり;そして
ここで、R
A1及びR
A4の一方がHであり、そして他方がH又はCO
2Etから選択され、そしてR
A3が非置換のフェニルである場合には、G
A2−X
A3−R
A7は、NHC
6H
5、NH(p−C
6H
4F)、NH(p−C
6H
4OH)、NH(p−C
6H
4OMe)、NH(3−OH−4−Cl−C
6H
4)、−CH
2(O−p−C
6H
4Me)、−CH
2(4−エチルピペラジニル)、−CH
2S(2−フェニルテトラゾリル)、−CH
2S(4−クロロフェニル)、−CH
2S(2−ベンゾチアゾリル)、−CH
2S(2−(N−メチルイミダゾリル))、−CH
2S(4,6−ジメチルキナゾリニル)、アダマンチル又は任意に置換されていてよいオキシラニルではなく;そして
ここで、R
A1及びR
A4がそれぞれHであり、そしてR
A3が4−メトキシフェニルである場合には、G
A2−X
A3−R
A7は、任意に置換されていてよいオキシラニルではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0024】
幾つかの実施形態において、R
A1及び
RA4はHである。
【0025】
幾つかの実施形態において、R
A3は非置換のフェニルである。
【0026】
幾つかの実施形態において、R
A3は1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである。
【0027】
幾つかの実施形態において、G
A2は存在しない。
【0028】
一定の実施形態において、X
A3は存在せず、そしてR
A7は任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0029】
他の実施形態において、X
A3はNR
A8であり、そしてR
A7は、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0030】
幾つかの実施形態において、G
A2はCH
2である。
【0031】
幾つかの実施形態において、X
A3はSであり、そしてR
A7は任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0032】
幾つかの実施形態において、X
A3は存在せず、そしてR
A7は任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0033】
第三の態様において、本発明は、下記式による構造
【化5】
【0034】
〔式中、
それぞれのR
A1、R
A2、R
A4及びR
A6は、H、−C(=O)−X
A3−R
A7、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
2-6アルケニル、任意に置換されていてよいC
2-6アルキニル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR
A1及びR
A4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのX
A3は、独立して、存在しないか、−O−又は−NR
A8−であり;
それぞれのR
A8は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−COR
A14、−CO
2R
A14又は−CONR
A14R
A15から独立して選択され;
それぞれのR
A7、R
A14及びR
A15は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、R
A1及びR
A4が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し、そしてR
A2がHである場合には、R
A6は4−クロロフェニル、4−メトキシフェニル又は4−(NHCO
2tBu)フェニルではなく;そして
ここで、R
A1がHであり、R
A4がH又はCO
2Etであり、R
A2が非置換のフェニルである場合には、R
A6は−C(=O)−(非置換のフェニル)又は−C(=O)−(4−メチルフェニル)ではなく;そして
ここで、R
A1がHであり、R
A4が−C(=O)−(非置換のフェニル)であり、R
A2が4−クロロフェニルである場合には、R
A6はCO
2Etではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0035】
幾つかの実施形態において、R
A5はHであり;それぞれのR
A1、R
A2、R
A4びR
A6は、H、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)−X
A3−R
A7から独立して選択されるか、又はR
A1及びR
A4は一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;それぞれのR
A7は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのX
A3は、独立して、存在しないか、−O−又は−NR
A8−であり、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0036】
一定の実施形態において、R
A1及びR
A4は一緒になって炭素−炭素二重結合を形成する。
【0037】
他の実施形態において、R
A6は任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0038】
幾つかの実施形態において、R
A6は4位に置換基を有するフェニル基である。
【0039】
一定の実施形態において、R
A1及びR
A4はそれぞれHであり、R
A2は任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであり、そしてR
A6は−C(=O)−X
A3−R
A7である。
【0040】
他の実施形態において、R
A2は非置換のフェニルである。
【0041】
第四の態様において、本発明は、下記式による構造
【化6】
【0042】
〔式中、
R
B1は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、−C(=O)R
B18、−C(=O)OR
B18又は−C(=O)NR
B18R
B19から独立して選択され;
R
B2は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
2-6アルケニル又は任意に置換されていてよいC
2-6アルキニルから選択され;
それぞれのR
B3及びR
B4は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキルから独立して選択されるか、又はR
B3及びR
B4は、一緒になって−(CH
2)
n−(CR
B13=CR
B14)
o−(CH
2)
p−の構造を有する架橋基を形成し;
それぞれのn、o及びpは、独立して、0又は1であり;
それぞれのR
B5、R
B6、R
B7、R
B8、R
B9、R
B10、R
B11及びR
B12は、H、ハロゲン、−CN、−NO
2、−N
3、−R
B13、−OR
B13、−SR
B13、−NR
B13R
B14、−C(=O)R
B15、−C(=O)OR
B15、−C(=O)NR
B15R
B16、−OC(=O)R
B15、−OC(=O)OR
B15、−OC(=O)NR
B15R
B16、−NR
B15C(=O)R
B15、−NR
B15C(=O)OR
B16、−NR
B15C(=O)NR
B16R
B17、−C(=S)R
B15、−C(=S)NR
B15R
B16、−NR
B15C(=S)R
B16、−NR
B15C(=S)NR
B16R
B17、−C(=NR
B13)NR
B15R
B16、−NR
B15C(=NR
B13)R
B16、−NR
B15C(=NR
B13)NR
B16R
B17から独立して選択され;
それぞれのR
B13及びR
B14は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)R
B18、−C(=O)OR
B18又は−C(=O)NR
B18R
B19から独立して選択され;
それぞれのR
B15、R
B16、R
B17、R
B18及びR
B19は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
ここで、それぞれのn、o及びpが0である場合には、R
B3及びR
B4は一緒になって単結合を形成し、そして
ここで、R
B5、R
B6、R
B7、R
B8、R
B9、R
B10、R
B11及びR
B12がそれぞれHであり、R
B2がエチル、エテニル、2−ハロエテニル、エチニル、ハロエチニル、プロピニル又は−C≡C−C(OH)(CH
3)
2である場合、そしてR
B3及びR
B4がそれぞれHであるか、又は一緒になって結合、−CH
2CH
2−若しくは−CH=CH−を形成する場合には、R
B1はHまたはCH
3ではなく;
R
B5、R
B6、R
B7、R
B8、R
B10及びR
B11がそれぞれHであり、R
B9又はR
B12の少なくとも一方がフルオロであり、R
B2がエチニルである場合、そしてR
B3及びR
B4が一緒になって−CH
2CH
2−を形成する場合には、R
B1はHではなく;
ここで、R
B5、R
B7、R
B9及びR
B11がHであり、そしてR
B6、R
B8、R
B10及びR
B12の一つ又は二つがハロゲン、ニトロ又はメチルである場合には、R
B1はHではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0043】
幾つかの実施形態において、R
B1はHである。
【0044】
幾つかの実施形態において、R
B2はC
1-3アルキルである。
【0045】
幾つかの実施形態において、R
B2はC
1-3アルケニルである。
【0046】
幾つかの実施形態において、R
B2はエチニルである。
【0047】
幾つかの実施形態において、R
B3及びR
B3はそれぞれHである。
【0048】
一定の実施形態において、化合物は、下記の構造
【化7】
【0049】
〔式中、
R
B2は、エチル、エテニル又はエチニルであり、そしてそれぞれのR
B9、R
B10、R
B11及びR
B12は、H及びハロゲンから独立して選択される〕を有し、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。幾つかの実施形態において、R
B10又はR
B12はフルオロである。
【0050】
幾つかの実施形態において、化合物は、下記の構造:
【化8】
【0051】
〔式中、
R
B2は、エチル、エテニル又はエチニルであり、そしてそれぞれのR
B9、R
B10、R
B11及びR
B12は、H及びハロゲンから独立して選択される〕を有し、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0052】
第五の態様において、本発明は、下記式による構造
【化9】
【0053】
〔式中、
それぞれのR
C1、R
C2及びR
C3は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、−Y−R
C7から独立して選択されるか、又はR
C1及びR
C2は、一緒になって(=O)又は(=S)基を形成するか、又はR
C1及びR
C3は、一緒になって炭素−窒素二重結合を形成し;
R
C4は、H、ハロゲン、−CN、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール又は−C(=O)ZR
C8から独立して選択され;
それぞれのR
C5及びR
C6は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキルから独立して選択されるか、又はR
C5及びR
C6は、一緒になって任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールを形成し;
それぞれのR
C7、R
C8、R
C9、R
C10、R
C11及びR
C12は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
Xは、−CR
C11=CR
C12−、O、S又はNR
C9であり;
Yは、独立して、単結合、(CR
C8R
C9)
n、O、S又はNR
C10であり;そして
Zは、単結合、O、S又はNR
C10であり;
nは、0〜4の整数であり、そして
ここで、XがSであり、R
C1及びR
C2が一緒になって(=O)基を形成し、R
C4がHであり、そしてR
C5及びR
C6が一緒になって非置換のヘテロペンチルを形成する場合には、R
C3は−CH
2−R
C7ではなく、ここで、R
C7は非置換のフェニル、非置換のナフチル、非置換の8−キノリル、非置換の2−オキソキノリル、又はF、OMe、Me、CN若しくはClから選択される1若しくは2個の置換基を有するフェニルであり;そして
ここで、XがSであり、R
C1及びR
C2が一緒になって(=O)基を形成し、R
C4がHであり、そしてR
C5及びR
C6がそれぞれCH
3である場合には、R
C3は−CH
2−R
C7ではなく、ここで、R
C7は非置換のフェニルであり;そして
ここで、XがCH=CHであり、R
C1及びR
C2が一緒になって(=O)基を形成し、R
C4がHであり、そしてR
C5及びR
C6がHである場合には、R
C3は−CH
2(4−ハロフェニル)ではない〕を有し;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0054】
幾つかの実施形態において、R
C5及びR
C6は任意に置換されていてよいC
1-6アルキルである。
【0055】
他の実施形態において、化合物は、下記式による構造:
【化10】
【0056】
〔式中、X、R
C1、R
C2、R
C3及びR
C4は式(IV)のために定義されるとおりであり、そしてnは0〜3の整数である〕を有し、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0057】
幾つかの実施形態において、R
C1及びR
C2は一緒になって(=O)基を形成する。
【0058】
他の実施形態において、XはSである。
【0059】
幾つかの実施形態において、nは1である。
【0060】
一定の実施形態において、R
C3は−Y−R
C7である。
【0061】
他の実施形態において、R
C3は、−(CH
2)−任意に置換されていてよいアリール)である。
【0062】
第六の態様において、本発明は、下記式による構造
【化11】
【0063】
〔式中、
それぞれのY
D1及びY
D2は、−C(=O)−又は−C(=S)
2−から独立して選択され;
Aは、0、1、2、3又は4個の追加の置換基を有するフェニルであり;
R
D2及びR
D3は、H、ハロゲン、CN、NC、N
3、NO
2、−COR
D13、−CO
2R
D13、−CONR
D13R
D14、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのR
D5、R
D9、R
D10、R
D13及びR
D14は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR
D9及びR
D10は、一緒になってヘテロシクリルを形成し;そして
ここで、R
D2、R
D3及びR
D5がHであり、Y
D1が−C(=O)−であり、Y
D2が−(SO
2)−であり、そしてR
D9及びR
D10がそれぞれエチルであるか、又はR
D9がメチルであり、そしてR
D10がCH
2(2−テトラヒドロフラン)であり、そしてAが0個の追加の置換基を有するフェニルである場合には、Y
D1及びY
D2は互いにパラ位にはない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体特徴としている。
【0064】
幾つかの実施形態において、Y
D1及びY
D2は互いにオルト又はメタ位にある。
【0065】
他の実施形態において、Y
D1及びY
D2は互いにパラ位にある。
【0066】
幾つかの実施形態において、化合物は、下記式による構造
【化12】
【0067】
〔式中、
それぞれのR
D2、R
D3、R
D17、R
D18、R
D19及びR
D20は、H、ハロゲン、CN、NC、N
3、NO
2、−COR
D13、−CO
2R
D13、−CONR
D13R
D14、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのR
D9及びR
D10は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル若しくは任意に置換されていてよいアリールから独立して選択されるか、又はR
D9及びR
D10は、一緒になってヘテロシクリルを形成する〕を有し;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体特徴である。
【0068】
幾つかの実施形態において、R
D17、R
D18、R
D19及びR
D20はHである。
【0069】
幾つかの実施形態において、R
D2及びR
D3はHである。
【0070】
他の実施形態において、R
D9及びR
D10はそれぞれ任意に置換されていてよいC
1-6アルキルである。
【0071】
第七の態様において、本発明は、下記式による構造
【化13】
【0072】
〔式中、
それぞれのZ
E2及びZ
E3は、単結合、−(CR
E6R
E7)
n−、−C(=O)−から独立して選択されるか、又はR
E1及びZ
E2−R
E2は、一緒になって二重結合を形成し;
それぞれのR
E1、R
E2及びR
E4は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
R
E3は、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
それぞれのR
E6及びR
E7は、H又は任意に置換されていてよいC
1-6アルキルから独立して選択され;そして
それぞれのR
E6及びR
E7は、H又は任意に置換されていてよいC
1-6アルキルから独立して選択され;そして
それぞれのnは、1〜6の整数であり;そして
ここで、R
E1及びR
E4がHであり、Z
E2及びZ
E3がそれぞれCH
2であり、そしてR
E2が非置換の3−インドリルである場合には、R
E3は4−クロロフェニル又はCH
2CH
2O(p−C
6H
4F)ではない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体特徴としている。
【0073】
幾つかの実施形態において、化合物は、下記式による構造
【化14】
【0074】
〔式中、
R
E3は、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであり;そして
R
9は、H、ハロゲン、CN、NO
2、OR
13、NR
13R
14、COR
15、CO
2R
15又は任意に置換されていてよいC
1-6アルキルであり;
それぞれのR
13及びR
14は、H、COR
16、CO
2R
16、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのR
15及びR
16は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される〕を有し;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0075】
幾つかの実施形態において、R
E3は任意に置換されていてよいアリールである。
【0076】
幾つかの実施形態において、R
E3は非置換のC
3-10シクロアルキル、非置換のヘテロシクリル、非置換のアリール又は非置換のヘテロアリールである。
【0077】
他の実施形態において、R
E3は置換されたC
3-10シクロアルキル、置換されたヘテロシクリル、置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールである。他の実施形態において、置換されたC
3-10シクロアルキル、置換されたヘテロシクリル、置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールは、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−N
3、−OR'、−NR'・C(=O)R"、−C(=O)NRR'、−NRR'、−OC(=O)NR'R"、−NRC(=O)OR'、−OH及び−NCからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基を含み、ここで、それぞれのR及びR'は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される。
【0078】
更に他の実施形態において、R
E3は置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールである。幾つかの実施形態において、R
E3は置換されたフェニルである。幾つかの実施形態において、置換されたフェニルは少なくとも1個のハロゲンで置換されている。他の実施形態において、置換されたフェニルは、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−N
3、−OR'、−NR'C(=O)R"、−C(=O)NRR'、−NRR'、−OC(=O)NR'R"、−NRC(=O)OR'、−OH及び−NCからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で置換されており、ここで、それぞれのR又はR'は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される。
【0079】
幾つかの実施形態において、式(VI)において星印で示される立体中心は(R)立体配置を有する。他の実施形態において、星印で示される立体中心は(S)立体配置を有する。
【0080】
本明細書に記載される実施形態の何れにおいても、−Z
E3及びR
E3の一方又は両方は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI);ニトロ(−NO
2)、シアノ(−CN)、アシルオキシ(−OC(=O)NR')、アシル(−C(=O)R')、カルボン酸(−CO
2H)、カルボン酸エステル(−CO
2R')、スルホネート(−S(=O)
2OR)、スルホンアミド(−S(=O)
2NRR'又は−NRS(=O)
2R')又はスルホニル(−S(=O)
2R)〔ここで、それぞれのR及びR'は、本明細書に記載されるとおり、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される〕からなる群から選択される置換基を含まない。
【0081】
第八の態様において、本発明は、下記式による構造
【化15】
【0082】
〔式中、
Z
F1は、単結合、−(CH
2)−、−C(=O)−又は−S(=O)
2−から選択され;
R
F1は、H、OR
F14、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
R
F2及びR
F4は、それぞれHであるか、又はR
F2及びR
F4は、一緒になって炭素−二重結合を形成し;
それぞれのR
F6、R
F7、R
F8及びR
F9は、H、ハロゲン、CN、NC、N
3、NO
2、OR
F12、SR
F12、NR
F12R
F13、−COR
F12、−CO
2R
F12、−CONR
F12R
F13、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのR
F12、R
F13及びR
F14は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、R
F2、R
F4、R
F6、R
F7、R
F8及びR
F9がそれぞれHであり、そしてZ
F1が−C(=O)−である場合には、R
F1は、−(非置換の1,4−ベンゾジオキサン)又は−CH
2−O−(非置換のフェニル)又は−CH(CH
3)O(o−トリル)ではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0083】
幾つかの実施形態において、R
F2及びR
F4はそれぞれHである。
【0084】
他の実施形態において、R
F6、R
F7、R
F8及びR
F9はHである。
【0085】
一定の実施形態において、Z
F1は−C(=O)−である。更なる実施形態において、
R
F1は任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0086】
第九の態様において、本発明は、下記式による構造
【化16】
【0087】
〔式中、
それぞれのR
G1、R
G2、R
G5及びR
G6は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいC
3-10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR
G1及びR
G2、又はR
G5及びR
G6は、一緒になって任意に置換されていてよいシクロアルキル若しくはヘテロシクリルを形成し;そして
ここで、R
G1が非置換のフェニルであり、そしてR
G2がHである場合には、R
G5及びR
G6は一緒になって非置換のシクロペンチルを形成しない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0088】
幾つかの実施形態において、R
G1又はR
G5は、0、1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである。一定の実施形態において、R
G1は非置換のフェニルである。
【0089】
幾つかの実施形態において、R
G2又はR
G6は、0、1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである。
【0090】
他の実施形態において、R
G1及びR
G2、又はR
G5及びR
G6は、一緒になって任意に置換されていてよいシクロアルキルを形成する。一定の実施形態において、シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0091】
第十の態様において、本発明は、医薬上許容される賦形剤、並びに式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を含む医薬組成物を特徴としている。
【0092】
第十一の態様において、本発明は、被験者の症状を治療する方法であって、該方法が、式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れかである化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を、該被験者にネクロトーシスを減少させるのに十分な投与量で投与する段階を含む方法を特徴としている。
【0093】
幾つかの実施形態において、症状は、中枢若しくは抹消神経系の神経変性疾患、網膜神経細胞死の結果、心筋の細胞死の結果、免疫系の細胞の細胞死の結果;脳卒中、肝疾患、腎疾患、腎不全に関連する細胞死の結果;心臓、腸間膜、網膜、肝臓若しくは脳の虚血性傷害、臓器貯蔵中の虚血性傷害、頭部外傷、敗血性ショック、冠状動脈性心疾患、心筋症、心筋梗塞、無血管性骨壊死、鎌状赤血球病、筋肉疲労、胃腸病、結核、糖尿病、血管の変化、筋ジストロフィー、移植片対宿主疾患、ウイルス感染、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、又は細胞の増殖、分化若しくは細胞内信号伝達の変化が原因要素である、任意の症状である。
【0094】
幾つかの実施形態において、症状は中枢又は抹消神経系の神経変性疾患である。
【0095】
幾つかの実施形態において、症状は肝若しくは脳の虚血性傷害、又は臓器貯蔵中の虚血性傷害、頭部外傷、敗血性ショック又は冠状動脈性心疾患である。
【0096】
幾つかの実施形態において、症状は脳卒中である。
【0097】
幾つかの実施形態において、症状は心筋梗塞である。
【0098】
第十二の態様において、本発明は、ネクロトーシスを減少させる方法であって、該方法が、細胞を、式(I)〜(VIII)の任意の化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体と接触させることを含む方法を特徴としている。
【0099】
第十三の態様において、本発明は、
(a) 式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を含む医薬上許容される医薬組成物;並びに
(b) (a)の医薬組成物を使用して被験者の症状を治療するための指示
を含むキットを特徴としている。
【0100】
本発明の組成物、方法及びキットの何れにおいても、化合物は、下記の群:
【化17】
【0101】
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体から選択することができる。
【0102】
「C
1-4アルカリール(alkaryl)」とは、炭素鎖の任意の位置に、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールを有するC
1-4アルキル基を意味する。C
1-4アルキル基は、線状又は分枝状であってよく、そしてまた、本明細書に記載されるように、例えば1、2、3、4、5又は6個の追加の置換基で置換されていてもよい。
【0103】
「アルコキシ」とは、−O(任意に置換されていてよいC
1-6アルキル)の構造を有する基を意味し、ここで、任意に置換されていてよいC
1-6アルキルは、分枝状、線状又は環状であってよい。C
1-6アルキルは置換されていてよく、又は非置換であってもよい。置換されたC
1-6アルキルは、任意の位置に、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。典型的なアルコキシ基は、メトキシ、エトシキ、プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ等を包含するが、それらに限定されない。
【0104】
「C
2-6アルケニル」又は「アルケニル」とは、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する、任意に置換されていてよい不飽和C
2-6炭化水素基を意味する。典型的なC
2-6アルケニル基は、−CH=CH(エテニル)、プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等を包含するが、それらに限定されない。C
2-6アルケニルは線状又は分枝状であってよく、そして非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたC
2-6アルケニルは、任意の位置に、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。
【0105】
「C
1-6アルキル」又は「アルキル」とは、任意に置換されていてよい、C
1-6飽和炭化水素基を意味する。アルキル基は、線状、分枝状又は環状(「シクロアルキル」)であってよい。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル等であって、1個以上の置換基を有していてよいものを包含するが、それらに限定されない。置換されたアルキル基は、任意の位置に、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。典型的な置換されたアルキル基は、任意に置換されていてよいC
1-4アルカリール基を包含するが、それらに限定されない。
【0106】
「C
2-6アルキニル」又は「アルキニル」とは、1個以上の炭素−炭素三重結合を有する、任意に置換されていてよい不飽和C
2-6炭化水素基を意味する。典型的なC
2-6アルキニルは、エチニル、1−プロピニル等を包含するが、それらに限定されない。
【0107】
「アミノ」とは、−NR'R"の構造を有する基を意味し、ここで、それぞれのR'及びR"は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR'及びR"は一緒になって任意に置換されていてよいヘテロシクリルを形成する。R'がHでなく、又はR"がHでない場合には、R'及びR"は非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5若しくは6個の置換基で置換されていてもよい。
【0108】
「アリール」とは、共役において[4n+2]個のπ電子を有する、任意に置換されていてよいC
6-14環状基を意味し、そしてここで、nは1、2又は3である。アリールの非限定的な例は、ヘテロアリール、そして例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン及びフェナントレンを包含する。アリールはまた、二環式及び三環式の環系であって、非芳香族の飽和又は部分不飽和炭素環(例えば、シクロアルキル又はシクロアルケニル)がベンゼン又はナフタレン等の芳香族環に縮合しているものを包含する。非芳香族環に縮合した典型的なアリールは、インダニル、テトラヒドロナフチルを包含する。本明細書で定義される何れのアリールも非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたアリールは、環の任意の位置で、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で任意に置換されていてよい。
【0109】
「アリールオキシ」とは、−O(任意に置換されていてよいアリール)の構造を有する基を意味し、ここで、アリールは本明細書で定義されるとおりである。
【0110】
「アジド」とは、−N
3の構造を有する基を意味する。
【0111】
「カルバメート」又は「カルバモイル」とは、−OCONR'R"又は−NR'CO
2R"の構造を有する基を意味し、ここで、それぞれのR'及びR"は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR'及びR"は一緒になって任意に置換されていてよいヘテロシクリルを形成する。R'がHではないか、又はR"がHではない場合には、R'及びR"は非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0112】
「カルボネート」とは、−OCO
2R'の構造を有する基を意味し、ここで、R'は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。R'がHではない場合には、Rは非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0113】
「カルボキサミド」又は「アミド」とは、−CONR'R"又は−NR'C(=O)R"の構造を有する基を意味し、ここで、それぞれのR'及びR"は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR'及びR"は一緒になって任意に置換されていてよいヘテロシクリルを形成する。R'がHではないか、又はR"がHではない場合には、R'及びR"は非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0114】
「カルボン酸基」とは、−CO
2R'の構造を有する基を意味し、ここで、R'は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。R'がHではない場合には、Rは非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0115】
「シアノ」とは、−CNの構造を有する基を意味する。
【0116】
「C
3-10シクロアルキル」又は「シクロアルキル」とは、任意に置換されていてよい、飽和又は部分不飽和の3〜10員の単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)の炭化水素環系を意味する。シクロアルキルが多環系である場合には、構成要素のシクロアルキル環は、一緒に縮合してスピロ環構造を形成してよく、又は多環系シクロアルキルは、架橋したシクロアルキル(例えば、アダマンチル又はノルボルナニル)であってもよい。典型的なシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを包含する。シクロアルキルは非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたシクロアルキルは、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。
【0117】
「シクロアルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する、非芳香族の、任意に置換されていてよい3〜10員の単環式又は多環式炭化水素環系を意味する。例えば、シクロアルケニルは1又は2個の炭素−炭素二重結合を有していてよい。シクロアルケニルは非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたシクロアルケニルは、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。典型的なシクロアルケニルは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シクロヘキサジエニル等を包含するが、それらに限定されない。
【0118】
本明細書で用いられる、物質の「有効量」又は「治療有効量」とは、有益な又は望ましい結果、例えば臨床結果をもたらすのに十分な量を意味し、そしてそれ故、有効量はそれが適用される状況に依存する。例えば、ネクロトーシスの抑制剤である物質を投与する状況では、ある物質の有効量は、例えば、その物質を投与しないで得られる反応と比べてネクロトーシスの減少を達成するのに十分な量である。
【0119】
「エステル」とは、−OCOR'から選択される構造を有する基を意味し、このときR'はH、場合により置換されてもよいC
1-6アルキル、場合により置換されてもよいシクロアルキル、場合により置換されてもよいヘテロシクリル、場合により置換されてもよいアリール、または場合により置換されてもよいヘテロアリールから選択される。R'がHでない場合には、Rは非置換であってもよく、または1、2、3、4、5、もしくは6個の置換基で置換されていてもよい。
【0120】
「ハロゲン」又は「ハロ」とは、フッ素(−F)、塩素(−Cl)、臭素(−Br)又はヨウ素(−I)を意味する。
【0121】
「ヘテロアリール」とは、環状骨格に1、2又は3個のヘテロ原子を有するアリール基を意味する。典型的なヘテロアリールは、フラン、チオフェン、ピロール、チアジアゾール(例えば、1,2,3−チアジアゾール又は1,2,4−チアジアゾール)、オキサジアゾール(例えば、1,2,3−オキサジアゾール又は1,2,5−オキサアジアゾール)、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール(例えば、1,2,4−トリアゾール又は1,2,3−トリアゾール)、ベンゾトリアゾール、ピリジン類、ピリミジン類、ピラジン類、キノリン、イソキノリン、プリン、ピラジン、プテリジン、トリアジン(例えば、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン又は1,3,5−トリアジン)、インドール類、1,2,4,5−テトラジン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン及びベンゾイミダゾールを包含するが、それらに限定されない。ヘテロアリールは非置換であってよく、又は1、2、3、4、5若しくは6個の置換基で置換されていてもよい。
【0122】
「ヘテロ環式」又は「ヘテロシクリル」とは、非芳香族環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル又はヘテロシクリル)に縮合しているアリール(例えば、フェニル又はナフチル)又はヘテロアリール基を含んでいてよい3〜8原子の大きさの単環及び多環系(例えば、二環及び三環系)を包含する、任意に置換されていてよい、非芳香族の、部分不飽和又は完全飽和の、3〜10員の環系であって、環系が少なくとも1個のヘテロ原子を含有するものを意味する。ヘテロ環は、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するものを包含し、ここで、酸素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてよく、そして窒素ヘテロ原子は、任意に第四級化又は置換されていてよい。一定の実施形態において、ヘテロ環式という用語は、少なくとも1個の環原子がO、S及びNから選択され(ここで、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてよい)、そして残りの環原子が炭素である、非芳香族の5、6又は7員の単環を指し、この基は任意の環原子を介して分子の残余に連結している。ヘテロ環が多環式である場合には、構成要素の環は一緒に縮合してスピロ環構造を形成してよく、又は多環式ヘテロ環は架橋ヘテロ環(例えば、キヌクリジル)であってもよい。典型的なヘテロ環は、アジリジニル、アゼチジニル、1,3−ジアザチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェニル、ジチオラニル、テトラヒドロチオピラニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラノニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、クロメニル、2H−クロメン−2−オンイル、クロマニル、ジオキサニル(1,3−ジオキサニル又は1,4−ジオキサニル)、1,4−ベンゾジオキサニル、オキサジニル、オキサチオラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、キヌクリジニル、そしてまた、上記の典型的なヘテロ環の誘導体であって、ヘテロ環がアリール(例えば、ベンゼン環)又はヘテロアリール(例えば、ピリジン又はピリミジン)基に縮合しているものを包含するが、それらに限定されない。本明細書に記載されるヘテロ環式基の何れも非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたヘテロ環は、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有していてよい。
【0123】
「ケトン」又は「アシル」とは、−COR'の構造を有する基を意味し、ここで、R'は、H、任意に置換されていてよいC
1-6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択される。R'がHではない場合には、Rは非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0124】
「ニトロ」とは、−NO
2の構造を有する基を意味する。
【0125】
本明細書で用いられる「医薬上許容される賦形剤」とは、本明細書に記載される化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁又は溶解できるビヒクル)であり、そして患者において無毒性かつ非炎症性であるという性質を有するものである。賦形剤は、例えば:粘着防止剤、酸化防止剤、結合剤、被覆剤、圧縮補助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤若しくは被覆剤、矯味矯臭剤、芳香剤、流動促進剤(流動向上剤)、滑沢剤、保存剤、印刷インキ、吸着剤、懸濁化剤若しくは分散化剤、甘味料又は水和物水を包含することができる。典型的な賦形剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、前ゼラチン化澱粉、プロピルパラベン、レチニルパルミテート、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、ソルビトール、澱粉(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、蔗糖、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC及びキシリトールを包含するが、それらに限定されない。
【0126】
本明細書で用いられる「医薬上許容される塩」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒト及び動物の組織と接触させる使用に適しており、そして合理的なベネフィット/リスク比にふさわしい塩を示す。医薬上許容される塩は当技術分野でよく知られている。例えば、S. M. Berge et al は、医薬上許容される塩を J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66:1-19 に詳細に記載している。塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製中にその場で、又は遊離塩基の基と適切な有機酸との反応により別々に製造することができる。代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、酪酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、スレアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、バレリアン酸塩などを包含する。代表的なアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩を包含し、並びに塩は無毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム及びアミン陽イオンの塩、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどの塩を包含するが、それらに限定されない。
【0127】
本明細書で用いられる「医薬上許容される溶媒和物」という用語は、固体状態において残留溶剤分子と非共有結合性会合を保持している化合物を指す。例えば、溶媒和物は、有機溶剤、水又はそれらの混合物を含む溶液から結晶化、再結晶又は沈殿により製造することができる。溶媒和物は、再結晶後に結晶格子に溶剤分子を含む化合物を包含するが、それらに限定されない。溶媒和の分子化学量論は、例えば1:1の溶剤:化合物から10:1の溶剤:化合物まで変化できる。これらの比は会合した溶剤分子の混合物を含むこともある。典型的には、本発明の化合物と溶媒和物を形成できる溶剤の非限定的な例は、水(例えば一、二及び三水和物)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'−ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMEU)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−(1H)−ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2−ピロリドン、安息香酸ベンジル、又はそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0128】
「医薬上許容される組成物」という用語は、医薬上許容される賦形剤と共に製剤され、そして哺乳動物における疾患を治療するための治療計画の一部として政府規制当局の承認を受けて製造又は販売される、本発明の化合物を含有する組成物を意味する。DMSOから構成される賦形剤は明確に除外される。医薬組成物は、例えば、経口投与のためには単位投与剤形で(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ジェルキャップ又はシロップ);局所投与のために(例えば、クリーム、ゲル、ローション又は軟膏として);静脈内注射のために(例えば微粒子状塞栓物を含まず、そして静脈内使用に適する溶剤系中の滅菌溶液);又は本明細書に記載される他の任意の製剤のために製剤することができる。
【0129】
「立体異性体」とは、化合物のジアステレオマー、エナンチオマー又はエピマーを意味する。化合物のキラル中心は、S立体配置又はR立体配置を有することができる。化合物のジアステレオマーは、キラル中心の幾つか(しかし全部ではない)が反対の立体配置を有する立体異性体、並びに置換基が空間的に別様に配向している化合物(例えば、トランス対シス)を包含する。
【0130】
ある基が置換されている場合には、その基は1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてよい。任意による置換基は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン;アジド(−N
3)、ニトロ(−NO
2)、シアノ(−CN)、アシルオキシ(−OC(=O)R')、アシル(−C(=O)R')、アルコキシ(−OR')、アミド(−NR'C(=O)R"又は−C(=O)NRR')、アミノ(−NRR')、カルボン酸(−CO
2H)、カルボン酸エステル(−CO
2R')、カルバモイル(−OC(=O)NR'R"又は−NRC(=O)OR')、ヒドロキシ(−OH)、イソシアノ(−NC)、スルホネート(−S(=O)
2OR)、スルホンアミド(−S(=O)
2NRR'又は−NRS(=O)
2R')、又はスルホニル(−S(=O)
2R)〔ここで、それぞれのR又はR'は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される。置換された基は、例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9個の置換基を有していてよい。幾つかの実施形態において、ある基のそれぞれの水素は、置換基(例えば、−CF
3若しくは−CF
2CF
3等のパーハロアルキル基又は−C
6F
5等のパーハロアリール)で置き換えられていてよい。他の実施形態において、置換基はそれ自体、その置換基の水素を別の置換基、例えば本明細書に記載されるもので置き換えることにより、更に置換されていてよい。置換基は、本明細書で定義されるように、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で更に置換されていてよい。例えば、低級C
1-6アルキル又はアリール置換基(例えば、ヘテロアリール、フェニル又はナフチル)は、本明細書に記載されるように、1、2、3、4、5又は6個の置換基で更に置換されていてよい。