【課題を解決するための手段】
【0008】
特定の個人の感情に関する情報が、時間にわたり、履歴記録に登録される。該特定の個人の行動に関する他の情報も、上記履歴記録に登録される。上記特定の個人の感情に関する情報及び該特定の個人の行動に関する他の情報は、上記履歴記録に互いに時間的関係を付けて登録される。この場合、該履歴記録は、この特定の個人の、行動及び該行動に関連する感情の時系列を表す日誌として働く。当該特定の個人は、例えば読み出し及び/又は編集するために該日誌に対するアクセス権を有し、該日誌又は該日誌の一部に対するアクセス権(例えば、読み出しアクセス権)を1以上の選択された他の人に付与することができる。該特定の個人の日誌は、将来の行動に関する推奨案(recommendations)を発生するための推奨システムに対する入力として働くこともできる。該推奨システムは推奨案を上記特定の個人自身に、及び/又は当該仮想共同体における、感情プロフィールが該特定の個人の感情プロフィールに似ている他の個人に供給することができる。上記推奨案は、特定の将来の行動に賛成する助言又は他の特定の将来の行動に反対する助言を含むことができる。
【0009】
特定の行動の例は、音楽ホールにおけるコンサート、劇場における演劇又はショー、映画館における映画、スポーツイベント、フリーマーケット、抗議行進等の特定のイベントに参加すること;特定の本を読むこと又は自宅で再生される特定のDVDに記録された映画若しくはドキュメンタリを観ること、庭いじりをすること、犬を散歩させること、ハイキングをすること、サイクリングに行くこと、旅行をすること、食事をすること、友達又はその人の80代の代母(人の友達も)を訪問すること、うたた寝すること、自宅のソファに座って人生、世界及び全てを考えること等である。
【0010】
更に特定的には、本発明はデータネットワーク上でサービスを提供する方法に関するものである。該方法において、ユーザは、特定の期間に関連されると共に該特定の期間における当該ユーザの生理的状態を表す生体センサデータを発生するように構成された生体センサによりモニタされている。該方法は、データネットワークを介して上記生体センサデータを受信するステップと;該生体センサデータに特定の期間において該ユーザにより呈される感情状態を関連付けるステップと;該感情状態を表すと共に上記特定の期間に関連付けられた感情データを履歴記録(履歴ログ)に記録するステップと;上記特定の期間において生じるユーザの行動を表す行動データを決定するステップと;上記行動を表すと共に上記特定の期間に関連付けられた行動データを上記履歴記録に記録するステップとを有する。
【0011】
従って、この特定のユーザに対して、このユーザの感情の展開を該ユーザの行動との時間的関係で表す履歴記録が作成される。このように該履歴記録は、ユーザの行動に関する情報が記録されると共に、特定の期間毎のユーザの感情状態に関する情報が注釈として使用された日誌として使用することができる。完全を期すために、ここでは、ユーザは特定の期間毎に1以上の行動に関わることができることを付言しておく。例えば、当該特定の期間における行動の第1のものはオフィスにおける(退屈な)会議に出席することを含む一方、同一の特定の期間における第2の行動は該会議の間にラップトップからEメールを送信すること、該会議の間に良い小説を読むこと又は該会議の間にバンジョーの弾き方を覚えることさえ含む。
【0012】
ユーザの感情状態の前後関係内での該ユーザの行動の分析は、行動と感情状態との間の相関の点で該ユーザに固有のパターンを明らかにし得る。例えば、履歴記録は、ユーザが例えば小説を読む、料理を作る、犬を散歩させる等の特定の行動に関わっている場合、該ユーザ(彼/彼女)は該特定の行動に先行するユーザの行動とは無関係に典型的に寛いだ気分にあることを示す。前記生体センサデータがリアルタイムに、即ち実質的に当該生体センサにより発生される際に、受信されていると仮定すると、当該サービスは、当該ユーザが所定長より長い期間にわたり悪い(ネガティブな)気分又はネガティブな感情状態にあると判定された場合に該ユーザに対して上記のような特定の行動を推奨することができる。他の例として、複数のユーザに対して履歴記録が維持されると共に、相性の良いユーザプロフィールのユーザに対して維持された履歴記録はクラスタ化される。或る人が当該サービスに加入し、特定のクラスタのユーザプロフィールと相性の良い特定の加入者プロフィールを有していると仮定する。この場合、当該サービスは、上記加入する人に対し、特定のクラスタの履歴記録において積極的な(ポジティブな)感情状態に関連された行動を分析することに基づいて推奨案を発生することができる。例えば、特定のクラスタは、特定のクラスタのモニタされているユーザのうちの特定の美術展覧会に出席したか又は特定の小説を読んだユーザが、該特定の美術展覧会に出席している間に及び出席から幾らかの時間の後に、又は特定の小説を読んでいる間にポジティブな感情状態にあったことを明らかにする。この場合、当該サービスは、当該加入者が明らかに何らかの元気づけが必要とする時点で、上記特定の美術展示会若しくは同様の美術展示会に出席し又は上記特定の小説若しくは類似の小説を読むという推奨案を作成し、当該加入者に該推奨案を送る。
【0013】
前記生体センサデータは、特定の期間におけるユーザの生理学的状態を表す。
【0014】
該生体センサデータは、実質的に実行時に又はリアルタイムで、即ち、例えば各特定期間の終了時において生体センサデータが発生されるやいなや、当該生体センサから当該サービスの供給者(サービスプロバイダ)のサーバへアップロードされ得る。第1シナリオ例では、生体センサは、該生体センサの動作使用時にユーザにより携帯されるネットワーク対応データ通信装置を備え、斯かる通信装置に収容され、又は斯かる通信装置に接続される。例えば、該ネットワーク対応データ通信装置は、携帯電話、スマートフォン又はネットワーク対応パーソナルデジタルアシスタント(PDA)を含む。第2のシナリオ例では、ユーザの自宅環境、ユーザの車、ユーザの職場等のユーザの環境が、1以上の生理学的パラメータの現在値を遠隔的に捕捉するよう構成された生体センサシステムを備える。該生体センサシステムは、個々のユーザを識別するように構成されると共に、データネットワークを介して生体センサデータをリアルタイムにアップロードするためのネットワークインターフェースを有する。
【0015】
他の例として、一連の複数の期間に対して発生された生体センサデータは、当該生体センサ自体に、当該生体センサに接続された例えば固体メモリ等のメモリ装置に、又は当該生体センサに収容され、斯かる生体センサを収容し若しくは斯かる生体センサに接続されたネットワーク対応データ通信装置に蓄積することができる。この場合、蓄積された生体センサデータは、後に1以上のバッチでアップロードすることができる。
【0016】
同様に、共に特定の期間に関連するユーザの感情状態及び/又はユーザの行動は、該特定の期間の間に、又は該特定の期間の実質的に終了時に決定することができる。他の例として、特定の期間に関係する感情状態及び行動は後に、即ち遡って決定することもできる。関係のある事柄は、ユーザの感情状態に関する情報及びユーザの行動に関する他の情報をユーザの感情状態との時間的関係で、例えば時間順に記憶する履歴記録が作成され、ユーザの感情的に注釈を付けられた生活の記述書として役立つということである。この記述書は、次いで、先に触れたように及び後に更に詳細に説明するように、ユーザの個人的日誌として、又は推奨システムに対する入力として使用することができる。
【0017】
本発明の方法の一実施態様において、前記生体センサデータに感情状態を関連付けるステップは、特定の期間に関連されると共にデータネットワークを介してユーザにより送出される第1前後関係データを受信するステップであって、該第1前後関係データがユーザにより解釈された感情状態を表すものであるステップと、該第1前後関係データを感情データに含めるステップとを有する。
【0018】
上記特定の期間の間におけるユーザの感情状態は、上記データネットワークを介してユーザから受信される上記第1前後関係データにより表される。
【0019】
上記第1前後関係データは、上記特定の期間の間において若しくは該期間の終了時の近くで発生されたもの、又は後に発生されるものであり得る。同様に、第1前後関係データは、実質的に上記特定の期間の間に、例えば該特定の期間の間に及び/又は該特定の期間の終了の数分後に、ユーザにより送出することができる。他の例として、特定の期間に関連される第1前後関係データは、大幅に遅く受信することもできる。
【0020】
例えば、特定の期間に当てはまり得る第1前後関係データは、異なる期間のシーケンスを表す異なる第1前後関係データのバッチにおいて受信される。上記の異なる第1前後関係データは、ユーザのデータ記録装置において、ユーザが蓄積(accumulate)された第1前後関係データを当該サービス提供者のサーバにアップロードする機会が生じるまで、蓄積され記憶される。他の例として、ユーザは第1前後関係データを、過去の特定の期間における彼/彼女の感情状態の回顧的注釈として遡って送信する。この遡及的注釈は、例えば当該サービス提供者が前記生体センサデータを履歴記録に記録すると共に、ユーザにとり都合が良いなら又は都合がよい時に該ユーザに第1前後関係データを注釈として追加させるように、該ユーザに該履歴記録に対するアクセス権を付与することにより可能にされる。
【0021】
上記第1前後関係データは、ユーザにより蓄積(compile)されたものとすることができ、例えば個人的テキストメッセージ、ユーザのカメラにより撮影された又はインターネット上のウェブページから選択された写真又はビデオクリップ等の形態をとることができる。第1前後関係データは、前記特定の期間の間に若しくは該期間の終了時の近くで、又は回顧的な感情の注釈として大幅に後でアップロードされる。
【0022】
ユーザにより蓄積される代わりに、ユーザにより送信される第1前後関係データは事前フォーマッティングされ、例えばユーザインターフェース(例えばグラフィックユーザインターフェース又は音声入力ユーザインターフェース)を介してアクセス可能なメニュで選択可能な複数の所定のオプションのうちの特定の1つを有する。上記ユーザインターフェースは、前記生体センサの動作使用の間においてユーザにより携帯されるネットワーク対応データ通信装置の一部を形成することができる。また、該ユーザインターフェースは、例えばユーザの自宅のPC若しくはラップトップPC又はユーザのスマートフォン等の該ユーザの他のネットワーク対応データ処理装置の一部を形成することもできる。即ち、上記ユーザインターフェースは、上記生体センサと協働すると共に生体センサデータをサービス提供者にアップロードするネットワーク対応通信装置とは無関係な装置の一部を形成することができる。例えば、上記ユーザインターフェースは複数の所定の選択可能なオプションのメニュに対するアクセス権を付与し、これらオプションのうちの各々の特定の1つは例えば“怒っている”、“幸福である”、“興奮している”、“悲しい”、“心配である”等の特定の感情状態を表す。ユーザに対するオプションの表示は、全てのユーザに対して一様であるか、又は特定のユーザに対して個性化され得る。しかしながら、上記オプションのうちの特定の1つに関連される特定の感情状態は、全てのユーザに対して一様とし、全てのユーザに対して共通となるような感情状態に関する基準系を有するようにする。
【0023】
従って、第1前後関係データはユーザにより又はユーザの制御の下で発生され、ユーザの感情状態の該ユーザによる解釈を形成する。代わりに又は該第1前後関係データとの組み合わせで、ユーザの感情状態は生体センサデータ自体から推測することができる。この前後関係内において、人の感情状態を決定することは、この人の生理学的状態を示す生理学的パラメータの値しか考慮されない場合には困難であることに注意すべきである。典型的に、生理学的パラメータの値は感情の強さは示すが、必ずしも感情価を示すものではない。“感情価”なる表現は心理学分野において感情のタイプを特徴付けるために使用される。正の価を持つ感情の例は、幸福、満足、親切さ等である。負の価を持つ感情の例は、怒り、恐れ、苛立ち、悲しみ等である。これに関しては、例えばMed. Biol. Eng. Comput., 2004, 42, pp 419-427のK. H. Kim他による“Emotion recognition system using short-term monitoring of physiological signals”又はProc. IEEE RO-MAN 2006, The 15th IEEE International Symposium on Robot and Human Interactive 15 Communication, Hatfield, U.K., Sept 8, 2006, pp 269-276, IEEEのOlivier Villon他による“A User-Modeling Approach to Build User's Psycho-Physiological Maps of Emotions using Bio-Sensors”を参照されたい。従って、上記に紹介された第1前後関係データは感情状態の識別を容易にさせ得る。
【0024】
本発明の方法の他の実施態様において、前記特定の期間におけるユーザの行動を表す前記行動データを決定するステップは、i)前記特定の期間におけるユーザの地理的位置を表す地理データを、前記データネットワークを介して受信すると共に、上記地理的位置及び特定の期間の制御の下で行動を決定するステップ;ii)ユーザの電子カレンダへの記入(エントリ)を表すものであって前記特定の期間に関係するカレンダデータを、前記データネットワークを介して受信すると共に、該カレンダデータの制御の下で行動を決定するステップ; iii)前記特定の期間においてユーザが1以上の電子データ通信セッションに積極的に参加したことを表す該ユーザの通信履歴を、前記データネットワークを介して受信するか又は決定するステップ;iv)前記データネットワークを介してユーザにより送出されると共に前記特定の期間に関連する第2前後関係データ(ユーザにより解釈された行動を表す)を、該データネットワークを介して受信するステップ;及びv)ユーザが前記特定の期間において電子コンテンツ情報を使用(消費)したことを示す該ユーザの履歴を決定するステップ;のうちの少なくとも1つを有する。
【0025】
当該行動は、特定の期間に関係する電子カレンダへのユーザの記入から推測することができる。例えば、ユーザの電子カレンダは、仕事上の会議、出張旅行、公のイベントへの参加、誕生日パーティ、歯医者の予約、休暇のスケジュール等に関する記入を有する。これら記入の各々は、当該カレンダに示される日の時間帯にスケジュールされた対応する行動として解釈することができる。電子カレンダは、例えばユーザの携帯電話、スマートフォン又はPC等の、ユーザのネットワーク対応装置で動作するソフトウェアアプリケーションである。該ユーザのネットワーク対応装置は、当該電子カレンダを当該サービス提供者のサーバに維持される電子カレンダのコピーと自動的に同期するように構成されているものとすることができる。
【0026】
当該行動は、特定の期間におけるユーザの地理的位置から推定することができる。この場合、上記地理的位置及び特定の期間は、例えば特定の地理的区域における公開イベントの予め決められたスケジュールと、及び/又は前述したユーザの電子カレンダの1以上の記入と相関がとられ得る。代わりに、又は加えて、上記地理的位置は例えばスポーツ競技場、公園、動物園、湖等の特定の機関又は組織の施設を示すことができ、このことから、ユーザがスポーツイベント又はスポーツ訓練セッションに参加している、散策又は犬の散歩のために外出している、動物園を訪問している、ボートに乗っていること等を、各々、推測することができる。
【0027】
特定の期間におけるユーザの地理的位置は、ユーザのネットワーク対応データ通信装置のユーザインターフェースを介しての明示的なユーザ入力に基づいて決定し、該ユーザのネットワーク対応データ通信装置から前記データネットワークを介して送出することができる。例えば、ユーザは特定の期間において又はその後に当該サービスの提供者に、当該特定の期間における彼/彼女の所在の指示情報、例えば“アムステルダム”、“ヘルシンキの暗黒物質に関する会議”、“ロンドンに向かうユーロスターに乗車中”又は“代母の誕生日パーティ”等を送出することができる。“ロンドンに向かうユーロスターに乗車中”なる明示的なユーザ入力は、ユーザがロンドン、パリ及びブリュッセルを結ぶ高速鉄道サービスを使用して列車で旅行していることを意味する。その日の時間及びユーロスターのスケジュールも分かる場合、当該列車に乗車して旅行している間のユーザの地理的位置は、概ね高信頼度で決定することができる。更に、この場合における行動の1つは、列車による旅行となる。代母の誕生日パーティ”なる明示的なユーザ入力は、ユーザの代母の住所として地理的位置を(例えば、該ユーザの電子アドレス帳を介して)、及びパーティに出席するという行動を推定するのに役立つ。
【0028】
ユーザの地理的位置は、例えば生体センサに接続されたユーザのネットワーク対応移動通信装置の地理的位置を決定することを介して、リアルタイムに決定することもできる。例えば、上記ネットワーク対応移動通信装置が携帯電話を有する場合、該携帯電話の地理的位置は当該携帯電話ネットワークにおける基地局により決定することができる。この場合、当該携帯電話ネットワークは地理的位置を表すデータを当該携帯電話の識別情報と一緒に当該データネットワーク上のサービス提供者の所定のアドレスにアップロードすることができ、該サービス提供者において前記生体センサデータと組み合わされるようにする。他の例として、上記移動通信装置の地理的位置は、特定の公開イベントをカバーすると共に該移動通信装置の現在の環境を形成する地理的領域に設置された1以上の専用のビーコンから該移動通信装置により受信される1以上の信号により決定される。この場合、該移動通信装置は、受信された信号を表すデータを生体センサデータと一緒にアップロードすることができる。更に他の例として、上記移動通信装置はGPS受信器等の電子ナビゲーション支援器を収容するか又は斯かる支援器に接続される。この場合、上記移動通信装置は、受信されたGPSデータを表すデータを生体センサデータと一緒にアップロードすることができる。GPS受信器は、地球上を軌道飛行する4つ以上の衛星に対する妨害されない視線を必要とするので、通常、屋内では動作しない。斯かる視線が妨害されたことをGPS受信器が検出した場合、当該移動通信装置は最後に有効に取得された地理的位置を、ユーザの特定の行動に関連付けることができる特定の建物の入口と照合するように試みることができ、ユーザが該建物に意識的に入ったと仮定する。当該移動通信装置は、汎用の又は当該ユーザの要求のために仕立てられた、地理的位置を建物に関連付けることが可能な搭載データベースを有することができる。例えば、当該建物がファーストフードレストランと識別された場合、ユーザはファーストフードの食事をしようとしていると仮定することができ;当該建物が劇場と識別された場合、ユーザは公演芸術のイベントに参加しようとしていると仮定することができ;当該建物がデパートと識別された場合、ユーザはショッピングをしようとしていると仮定することができ;当該建物が大学の所有物と識別され、且つ、ユーザが学生である場合、該ユーザは学生が大学においてなすべきとされていることを行うために該建物に入ったと仮定することができる、等々である。
【0029】
1以上のデータ通信セッションへのユーザの積極的な参加に関する該ユーザの通信履歴も、特定の期間における行動を決定するために使用することができる。この点において、斯様なデータ通信セッションの例は、電話若しくはビデオ電話を掛け又は受けること、Eメールを送信し又は受信すること、ショートテキストメッセージ(ショートメッセージサービスメッセージ、即ちSMSメッセージ、オンラインチャット等)を送信し又は受信すること、マルチメディアコンテンツを含むメッセージ(マルチメディアメッセージサービスのメッセージ、即ちMMSメッセージ)を送信又は受信すること、リアルタイムテキスト(RTT)に関わること、ツイッタ等の簡易ブログサービスにテキストに基づく掲示を送信し又は読むこと、電子ファイルをダウンロード又はアップロードすること、ストリーミングメディアを送信又は受信すること、ウェブサイトを閲覧すること、又はウェブページを更新すること等である。例えば、当該ユーザの携帯電話を考察する。当該携帯電話は、発呼及び受呼の履歴を、各受呼者又は各発呼者の各電話番号、各通話の開始時刻及び/又は終了時刻等と一緒に維持し又は維持するように構成することができる。他の例として、例えばインターネット接続を備えたPC又はスマートフォン等の当該ユーザのネットワーク対応データ通信装置を考察する。このようなネットワーク対応データ通信装置は、送信されたEメール及び受信されたEメールの履歴を、送信又は受信した日の時刻、受信者の又は送信者の識別情報、件名のヘッダに示された当該Eメールの話題等と一緒に維持し又は維持するように構成することができる。このようなネットワーク対応通信装置は、アップロード又はダウンロードされ、ストリーミングされ、閲覧された電子ファイルの履歴を発信元又は宛先の識別情報、ファイル形式、ファイルの題名等と一緒に維持し又は維持するように構成することもできる。従って、ユーザのデータ通信装置は、当該ユーザの1以上のデータ通信セッションへの積極的な参加に関する情報を含む該ユーザの通信履歴を維持するように構成され又は構成することができる。“積極的な参加”なるフィーチャにおける“積極的な”なる修飾語は、ユーザが当該データ通信セッションに及び交換される電子コンテンツに精神的に晒されるように当該データ通信セッションに知っていながら参加しているという意味を伝えることを意味する。ユーザが進行しているデータ通信セッションに気が付かないままであった場合、一方におけるユーザの感情又は生理学的状態と、他方における当該データ通信セッションの特徴との間の因果関係を推定することは可能ではないであろう。当該データ通信セッションの特徴は、交換された電子コンテンツの意味的側面により、例えば当該ユーザが通信している当事者、当該電子コンテンツにおいて言及された1以上の話題、当該データ通信セッションの間におけるユーザの地理的位置及び当日の時刻等により決定することができる。
【0030】
従って、ユーザの通信履歴は、前記行動データに含めるための“通信”なる行動の固有な詳細を提供し、当該行動を一層詳細に指定することができるようにする。斯かる通信履歴は、ユーザのデータ通信装置から本発明におけるサービスの提供者のサーバにアップロードすることができる。他の例として、本発明におけるサービスの提供者が通信履歴を決定する。例えば、本発明におけるサービスは、ユーザの通信サービス提供者又はユーザのインターネットサービス提供者のサービスパッケージの一部を形成し、その結果として、本発明におけるサービスの提供者はユーザのデータ通信装置に維持される該ユーザの通信に関する情報の少なくとも幾らかに対するアクセス権を有する。しかしながら、通常は、ユーザの通信サービス提供者及びユーザのインターネットサービス提供者は、ユーザと他の当事者との間で通信される意味内容を調べることは許されない。
【0031】
ユーザの行動は、前記データネットワークを介してユーザにより送出されると共に前記特定の期間に関連される第2前後関係データに基づいて決定することもできる。該第2前後関係データは、ユーザにより解釈された行動を表す。ユーザは、特定の期間に関係する第2前後関係データを、該特定の期間において例えばユーザのスマートフォンを介して、又はその後に例えば当日の終わりに若しくは当該ユーザにとり都合の良い時に該ユーザの自宅のPCから送出することができる。
【0032】
第1前後関係データに関連して前述したように、第2前後関係データはユーザにより蓄積されたものとすることができると共に、例えば個人的テキストメッセージ、ユーザのカメラにより撮影され又はインターネット上のウェブページから選択された写真又はビデオクリップ、ユーザが設計したアイコン等の形をとることができる。第2前後関係データは、特定の期間において又は遡及的にアップロードされる。ユーザにより蓄積される代わりに、ユーザにより提供される第2前後関係データは、予めフォーマッティングされると共に、例えばグラフィックユーザインターフェース又は音声入力ユーザインターフェース等のユーザインターフェースを介してアクセス可能なメニュ内で選択することができる複数の予め決められたオプションのうちの特定の1つを有する。上記ユーザインターフェースは、前記生体センサの動作使用の間においてユーザにより携帯されるネットワーク対応データ通信装置の一部を形成することができる。また、該ユーザインターフェースは、例えばユーザの自宅のPC若しくはラップトップPC又はユーザのスマートフォン等の該ユーザの他のネットワーク対応データ処理装置の一部を形成することもできる。例えば、上記ユーザインターフェースは複数の所定の選択可能なオプションのメニュに対してアクセスさせ、これらオプションのうちの各々の特定の1つは例えば“仕事”、“旅行”、“趣味”、“スポーツ”、“寛ぎ”、“食事”、“勉強”、“ピアノの演奏”等の特定の行動を表す。ユーザに対する上記オプションの表示は、全てのユーザに対して一様であるか、又は特定のユーザ毎に個性化され得る。しかしながら、上記オプションのうちの特定の1つに関連される特定の行動は、全てのユーザに対して共通である行動に関する基準系を有するように、全てのユーザに対して一様と見なされる。従って、第2前後関係データは、ユーザにより又はユーザの制御の下で発生され、ユーザによる該ユーザの行動の解釈を形成する。
【0033】
ユーザの行動は、該ユーザが特定の期間において電子コンテンツ情報を使用(消費)したことを示す該ユーザの履歴に基づいて決定することもできる。例えば、ユーザの家庭用娯楽(ホームエンターテイメント)ネットワークは、ワールドワイドウェブを閲覧するためのPC、事前に記録された電子コンテンツ情報(例えば、映画、ドキュメンタリ等のビデオファイル及び音楽のオーディオファイル等)を再生するための再生装置(DVDプレーヤ、MP3プレーヤ等)、並びにTV放送を受信するTV受信機を有する。ダウンロードされるウェブページ、インターネットを介してストリーミングされ又はDVDプレーヤ、CDプレーヤ若しくはMP3プレーヤで再生される電子コンテンツ情報は、全て、ユーザにより使用される電子コンテンツ情報の事例である。ホームネットワークに接続されて、該ネットワークは当該ユーザにより時間にわたって消費された電子コンテンツ情報の履歴を維持するよう構成することができる。従って、当該ユーザの行動の詳細(即ち、このユーザにより消費された電子コンテンツ情報の詳細)を、消費された電子コンテンツ情報のジャンル、タイトル、話題的側面、並びに該電子コンテンツ情報が消費された期間等の消費履歴から抽出することができる。該消費履歴は、当該サービスの提供者にアップロードすることができる。ユーザはタイムスタンプを付された生体センサデータを発生する携帯生体センサを装着していることができ、該生体センサデータは当該サービス提供者において受信された上記消費履歴に登録された期間と相関させることができる。代わりに、又は加えて、ホームエンターテイメントシステムは、電子コンテンツ情報を消費している間のユーザをキャプチャするためのビデオカメラ、及び該ユーザの感情状態を決定するためにコンピュータ上で動作するパターン認識ソフトウェアを有する。このようなソフトウェアは、現状技術において既知である。このようなソフトウェア及びコンピュータ視覚システムに関する背景技術に関しては、例えばGeorgia Institute of Technology, Graphics, Visualization and Usability Center, Technical Report # GIT-GVU-98-23, August 1998のIrfan A. Essaによる“Coding, Analysis, Interpretation, and Recognition of Facial Expressions”{該文献の要約版はIEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol. 19 (7), July, 1997に見られる};及び2011 IEEE International Conference on Automatic Face & Gesture Recognition (FG 2011), Santa Barbara, USA, March 2011のAbdinav Dhall他による“Emotion Recognition Using PHOG and LPQ features”を参照されたい。この場合、上記ホームエンターテイメントネットワークは上記カメラによりキャプチャされた画像からユーザを識別し、これら画像から該ユーザの感情状態を決定し、これら感情状態をタイムスタンプが付されると共に当該サービス提供者にアップロードされるようにし、かくして、種々の感情状態が、前記履歴記録(履歴ログ)において、消費された電子コンテンツと相関されるようにするよう構成することができる。
【0034】
本発明の方法の一実施態様は、前記データネットワークを介して上記履歴記録に対するアクセスのリクエストを受信するステップ、該リクエストが認可されるか否かを決定するステップ、該リクエストが認可されることに依存して、上記データネットワークを介してアクセスを提供するステップを有する。
【0035】
この実施態様において、ユーザの履歴記録は個人的な日誌又は日記として使用される。ユーザは他の人が該ユーザの履歴記憶にアクセスすることを認可することができる。該認可は、上記他の人が当該履歴記録全体にアクセスすることを許可するように構成されたものであり得る。他の例として、上記認可は、上記他の人に対して当該履歴記録の1以上の特定の部分(例えば、1以上の特定の期間に関係する感情データ及び行動データを表す部分、又は1以上の所定の行動を表す行動データを伴う部分等)にアクセスすることのみを許可するように構成されたものであり得る。上記認可は種々の方法で実施することができる。
【0036】
例えば、ユーザはデータネットワークを介しての該ユーザの履歴記録に対するアクセスを認可するために他の人に対しアクセスコード又はログインコードを供給している。誰が、何時、該履歴記録に実際にアクセスしたかを追跡することができるように、異なる人には異なるアクセスコードを付与することができる。認可される異なる人毎の異なるアクセスコードは、アクセス条件を設けることも可能にする。第1の認可された人には、完全な履歴記録にアクセスするための永久的認可を付与することができる。第2の認可された人には、当該履歴記録のうちの特定の部分(例えば記録された1以上の所定のタイプの行動により特徴付けられた、週の日若しくは日の時刻等の時間的側面により特徴付けられた、又はユーザの感情状態のタイプ若しくは価により特徴付けられた等)のみにアクセスするための永久的認可を付与することができる。第3の人には、記録された1以上の事前に指定された行動に関してのみの、当該履歴記録に対する一時的アクセス権が付与される。
【0037】
他の例として、上記認可は1回限りの使用のためのアクセスコードを伴う当該ユーザからの、例えばEメール又はSMSによる、招待状を受信することにより実施される。
【0038】
本発明の方法の他の実施態様は、将来の行動に関する推奨案を、前記履歴記録に記録された以前の感情データであって、1以上の以前の期間に関連する当該ユーザの1以上の以前の感情状態を表す感情データ、及び上記履歴記録に記録された以前の行動データであって、上記1以上の以前の期間に関連する当該ユーザの1以上の以前の行動を表す行動データのうちの少なくとも一方の制御の下で発生するステップを有する。
【0039】
上記他の実施態様において、ユーザの履歴記録は推奨サービスにより動作される推奨システム(リコメンダシステム)に対する入力として使用される。推奨システムは、当業技術において既知であり、当該推奨システムによりアドレス指定された人にとり関心のありそうなコンテンツ情報の品目(例えば、本、映画、音楽、TV番組、ウェブページ等)又は社会的若しくは共同体的事項(例えば、特定の人々、特定の公開イベント等)を推奨するように構成される。典型的な推奨システムは、人のプロフィールを基準と照合して、該人により未だ考慮されていない事項に関する該人の好みを予測する。個々のユーザの履歴記録は、このユーザの行動及び斯かる行動との時間的関係での該ユーザの感情状態に関しての該ユーザの生活様式の進展に関する情報を提供する。推奨システムは、このユーザに対し、Eメール、SMS又は事前に記録された音声メール等を介して当該履歴記録で検出されたパターンに基づいて行動を推奨することができる。例えば、ユーザの感情状態は典型的にはユーザが特定の行動に関わり始める際に負の感情価(誘発性)から正の感情価へ変化したか、又はポジティブな感情状態の強さは、典型的に、ユーザが特定の行動に関わり始める際に増加した。本発明のサービスが、ユーザの現在及び一番最近の感情状態においてネガティブな感情に向かう傾向を識別した場合、当該推奨システムは該ユーザに対して上記特定の行動に関わるように提案することができる。他の例として、行動の現在のパターンが履歴記録に記録された行動の過去のパターンに類似すると共に、該過去のパターンの結果としてユーザが最終的にネガティブな感情状態を呈することとなった場合、当該推奨システムは穏やかな警告を発し、現在のパターンから脱却するための他の行動を特定することができる。
【0040】
本発明の方法の他の実施態様において、推奨案はユーザのプロフィールと他の人の他のプロフィールとの組み合わせ制御の下で発生される。
【0041】
上記他の実施態様において、1以上のユーザの履歴記録は当該推奨サービスに加入している1以上の他の人に対する基準として役立ち得る。当該加入者は、必要ではないが、前述したように生理的状態が生体センサによりモニタされている特定のユーザであり得る。基準プロフィールは、1以上のユーザにより事前に明かされた関心、好み又は嫌悪に基づいて作成される。代わりに、又は加えて、基準プロフィールは、1以上の履歴記録に記録された感情状態に時間的に対応する行動パターンの類似性に基づいて作成される。加入者のプロフィールは、上記基準プロフィールと同様のものになるように形成される。加入者プロフィールは、例えば、当該加入者により事前に宣言された関心、好み又は嫌悪に基づいて形成される。推奨サービスは、履歴記録を、即ち基準プロフィールにおけるユーザの行動パターン及び関連する感情状態を分析する。次いで、該推奨サービスは加入者に対して1以上の推奨案を送出して、当該基準プロフィールによれば該加入者をポジティブな感情状態を呈するようにさせそうな1以上の行動を該加入者に対し推奨することができる。上記推奨案は加入者に対して例えば1日に1回電子的に(例えば、Eメール、SMS、事前に記録された音声メッセージ等により)提供することができる。代わりに、又は加えて、推奨案は加入者に対して、当該サービスが最近の映画を観る若しくは最近出版された小説を読む、又は最近の公演芸術イベントに参加する等の、履歴記録に最近記録された1以上の新しい行動を特定した場合に供給することができる。該1以上の新しい行動は、この加入者に対する基準と考えられるユーザのポジティブな感情状態に関連するものとして記録されたものである。
【0042】
本発明の方法の他の実施態様において、複数の他のユーザの各々は、対応する他の特定の期間に関連すると共に該対応する他の特定の期間における他のユーザの他の生理学的状態を表す他の生体センサデータを発生するように構成された他の生体センサによりモニタされている。該方法は、前記データネットワークを介して上記他の生体センサデータを受信するステップと、該他の生体センサデータに、上記対応する他の特定の期間において当該他のユーザにより呈される他の感情状態を関連付けるステップと、対応する他の履歴記録に、上記他の感情状態を表すと共に上記対応する他の特定の期間に関連された他の感情データを記録するステップと、上記対応する他の期間において生じる当該他のユーザの他の行動を表す他の行動データを決定するステップと、上記対応する他の履歴記録に、上記対応する他の特定に期間に関連する上記他の行動データを記録するステップと、を有する。また、該方法は、上記行動及び上記他の行動が好相性であるかを決定するために、上記履歴記録及び上記対応する他の履歴記録を分析するステップと、上記行動及び上記他の行動が好相性である場合に、上記感情状態及び上記他の感情状態が好相性であるかを決定するために上記履歴記録及び上記対応する他の履歴記録を分析するステップと、上記感情状態及び上記他の感情状態が好相性である場合に、上記ユーザ及び当該他のユーザに好相性なプロフィールを有することを通知するステップとを有する。
【0043】
本方法の上記実施態様において、上記履歴記録のうちの各特定の1つは、特定のユーザの感情状態の履歴と時間的に関係する該特定のユーザの行動の履歴に関しての、該特定のユーザのプロフィールとして働く。この場合、該特定のプロフィールは、この特定のユーザの特定の行動に対する又は該特定のユーザの或る時間的順序の行動に対する該特定のユーザの感情的反応と考えられる。この実施態様の方法は、異なるユーザのプロフィールの間の類似性を見付けるように試みる。異なるユーザが好相性な行動に対して又は好相性な行動の順序に対して同様の感情的反応を有することが分かった場合、該方法は、これらの異なるユーザに感情の好相性性を通知し、互いに連絡し合うことができるようにする。従って、本方法の該実施態様は気の合う人を見付けるためのツールとして役立つ。例えば、2人のユーザのプロフィールが特定のジャンルの映画又は特定の配役の映画を観る際にポジティブな感情状態を生じることを示す場合、これらのユーザが、例えばEメール若しくは簡易ブログを介して、これらの映画に関して互いに連絡したい、又は直接会って新しい映画を一緒に観たいことさえ有りそうである。
【0044】
また、本発明はネットワーク対応装置にも関するもので、該ネットワーク対応装置は、データネットワークとデータを通信するためのネットワークインターフェースと、生体センサから、特定の期間における当該ネットワーク対応装置のユーザの生理学的状態を表す生体センサデータを受信するための第1ノードと、第2ノード、第3ノード及び第4ノードのうちの少なくとも1つとを有する。上記第2ノードは、特定の期間におけるユーザの地理的位置を表す地理データをナビゲーション支援器から受信するためのものであり、上記第3ノードは電子カレンダから特定の期間に関するものであってユーザの電子カレンダへの記入を表すカレンダデータを受信するためのものであり、上記第4ノードは特定の期間においてユーザが1以上の電子データ通信セッション(オプションとして、当該ネットワーク対応装置を介して実施された)に積極的に参加したことを表す該ユーザの通信履歴を受信するためのものである。該ネットワーク対応装置はユーザインターフェースを更に有し、このユーザインターフェースは、該ユーザインターフェースとの第1のユーザ対話に応答して、ユーザにより解釈された特定の期間における該ユーザの感情状態を表す第1前後関係データを発生すると共に、該ユーザインターフェースとの第2のユーザ対話に応答して、ユーザにより解釈された特定の期間における該ユーザの行動を表す第2前後関係データを発生するように構成される。該ネットワーク対応装置は、上記データネットワーク上の所定のアドレスに、上記生体センサデータ、並びに上記地理データ、上記カレンダデータ、上記通信履歴、上記第1前後関係データ及び上記第2前後関係データのうちの少なくとも1つをアップロードするように構成される。
【0045】
従って、本発明のネットワーク対応装置は、データを収集すると共に該データをデータネットワーク上のサーバにアップロードして、該サーバがユーザの日誌又は日記を蓄積し、及び/又は前述したような推奨サービスで使用するための基準プロフィールを蓄積するように構成される。本発明のネットワーク対応装置は、上述した本発明の機能を提供するために、なかでも適切な制御ソフトウェアをインストールすると共に生体センサに接続することにより構成されたスマートフォン又は携帯電話により実施化することができる。他の例として、該ネットワーク対応装置は、ユーザのデータ処理装置及び機器の集合体により形成され、これらの特定の各々は前記地理データ、通信履歴又は電子カレンダ等の特定の種類の情報を発生及び維持する。データ処理装置及び機器の該集合体は、一方から他方へ、及び最終的にはネットワークインターフェースを介して前記データネットワーク上のサービス提供者のサーバへ情報を伝送し又は交換するネットワークを形成することができる。
【0046】
本発明は、個人用(パーソナル)電子装置に関するものでもある。該個人用電子装置は、生体センサから、特定の期間におけるネットワーク対応装置のユーザの生理学的状態を表す生体センサデータを受信するための第1ノードと、第2ノード、第3ノード及び第4ノードのうちの少なくとも1つとを有する。上記第2ノードは、特定の期間におけるユーザの地理的位置を表す地理データをナビゲーション支援器から受信するためのものであり、上記第3ノードは電子カレンダから特定の期間に関するものであってユーザの電子カレンダへの記入を表すカレンダデータを受信するためのものであり、上記第4ノードは特定の期間において当該個人用電子装置を介して実施された1以上の電子データ通信セッションにユーザが積極的に参加したことを表す該ユーザの通信履歴を受信するためのものである。該個人用電子装置はユーザインターフェースを更に有し、このユーザインターフェースは、該ユーザインターフェースとの第1のユーザ対話に応答して、ユーザにより解釈された特定の期間における該ユーザの感情状態を表す第1前後関係データを発生すると共に、該ユーザインターフェースとの第2のユーザ対話に応答して、ユーザにより解釈された特定の期間における該ユーザの行動を表す第2前後関係データを発生するように構成される。該個人用電子装置は、データ記憶部も有する。該個人用電子装置は、上記データ記憶部に上記生体センサデータ、並びに上記地理データ、上記カレンダデータ、上記通信履歴、上記第1前後関係データ及び上記第2前後関係データのうちの少なくとも1つを記録することにより履歴記録を維持するように構成される。
【0047】
上記個人用電子装置は、前述したネットワーク対応装置のデータ収集機能と、データネットワーク上のサーバにより実行されるものとして前述した記録機能とを組み合わせる。このように、この個人用電子装置は個人的データをプライバシの理由で該個人用電子装置に維持し、従って、該個人用電子装置においてアクセス可能な当該ユーザの日誌として働く。該個人用電子装置は、必要ではないが、ネットワークインターフェースを備えたデータ通信装置とすることができる。例えば、なかでも適切な制御ソフトウェアをインストールすると共に生体センサに接続することによってスマートフォン又は携帯電話を構成し、上述した個人用電子装置の機能を提供することができる。
【0048】
上記個人用電子装置の一実施態様は、将来の動作に関する推奨案を、前記履歴記録に記録された以前の感情データであって、1以上の以前の期間に関連する当該ユーザの1以上の以前の感情状態を表す以前の感情データと、上記履歴記録に記録された以前の行動データであって、上記1以上の以前の期間に関連する当該ユーザの1以上の以前の行動を表す以前の行動データとの組み合わせ制御の下で発生するよう構成される。
【0049】
上記実施態様において、該個人用電子装置は、例えば適切な制御ソフトウェアをインストールすることにより、ユーザの行動パターン及び該ユーザの付随する感情状態を分析するよう構成される。感情状態における正(ポジティブ)から負(ネガティブ)への傾向を検出すると、該個人用電子装置は、最近の行動及び最近の感情状態を過去における感情のパターンと比較し、感情の流れを変えるための推奨案に対するポインタ(指針)を導出することができる。
【0050】
一実施態様において、上記個人用電子装置は、ユーザが電子コンテンツ情報を使用することができるように、表示モニタ及び/又はスピーカ若しくはイヤホンを有する。電子コンテンツ情報の使用例(消費例)は、前述したように、ワールドワイドウェブを閲覧すること、ビデオファイル又はオーディオファイルを再生すること、インターネットを介してストリーミングされるビデオ又はオーディオを受信すること、簡易ブログを編集すること等である。該個人用電子装置は、このユーザの行動データを、該ユーザが電子コンテンツ情報を消費した履歴を維持することにより記録するよう構成される。該個人用電子装置は、生体センサデータを消費された電子コンテンツ情報と時間的に関係づけ、当該個人用電子装置にとりローカルな履歴記録を形成するよう構成される。代わりに、又は加えて、該個人用電子装置はカメラの形態の特定の生体センサ、及び該カメラにより捕捉された画像からユーザを識別すると共に該ユーザの感情状態を決定するパターン認識ソフトウェアを有することもできる。
【0051】
本発明は、添付図面を参照することにより例示として後に更に詳細に説明される。尚、各図において、同様の又は対応する特徴部は同一の符号により示されている。