特許第6178807号(P6178807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーエルイーディーワークス ゲーエムベーハーの特許一覧

特許6178807負荷素子が分散させられたセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子
<>
  • 特許6178807-負荷素子が分散させられたセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子 図000002
  • 特許6178807-負荷素子が分散させられたセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子 図000003
  • 特許6178807-負荷素子が分散させられたセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子 図000004
  • 特許6178807-負荷素子が分散させられたセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子 図000005
  • 特許6178807-負荷素子が分散させられたセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子 図000006
  • 特許6178807-負荷素子が分散させられたセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178807
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】負荷素子が分散させられたセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20170731BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20170731BHJP
   F21V 29/10 20150101ALI20170731BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20170731BHJP
【FI】
   F21V23/00 200
   H05B33/14 A
   F21V29/10
   F21Y115:20
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-560480(P2014-560480)
(86)(22)【出願日】2013年3月1日
(65)【公表番号】特表2015-512134(P2015-512134A)
(43)【公表日】2015年4月23日
(86)【国際出願番号】IB2013051653
(87)【国際公開番号】WO2013132401
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2016年2月25日
(31)【優先権主張番号】61/608,157
(32)【優先日】2012年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316005362
【氏名又は名称】オーエルイーディーワークス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OLEDWorks GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンテ ディルク
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0049725(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0194287(US,A1)
【文献】 特開2011−065754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21V 29/10
H01L 51/50
F21Y 115/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエレクトロルミネセンスセグメントと、
複数の負荷要素と、
前記エレクトロルミネセンスセグメント及び前記負荷要素が装着された、共通の担体基板と、
前記エレクトロルミネセンスセグメントと前記負荷要素とを接続し、所定の熱放散を提供するための、相互接続構造と、
前記エレクトロルミネセンスセグメントを、前記負荷要素により生成されるホットスポットから熱的に分離するための、分離構造と、
有するエレクトロルミネセンス素子であって
前記相互接続構造及び前記分離構造は、前記共通の担体基板上のホットスポットにおける局所的な電力損失が最小化され、前記エレクトロルミネセンスセグメントの発光層における付加的な熱負荷が前記エレクトロルミネセンス素子の自己加熱に対して対称となるように、所定の熱放散及び熱分離を組み合わせるように構成された、エレクトロルミネセンス素子。
【請求項2】
前記負荷要素は抵抗要素であり、少なくとも1つの前記抵抗要素と少なくとも1つの前記エレクトロルミネセンスセグメントとは電気的に直列に接続されて対を形成し、前記エレクトロルミネセンス素子は複数の前記対を有し、前記対は前記エレクトロルミネセンス素子が接続された電源から直接に動作可能であるように構成された、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項3】
前記相互接続構造は、全ての前記対を接続することにより前記対間の熱的な結合を提供し、前記抵抗要素により生成された熱に対しての熱放散器として機能するように構成された、請求項2に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項4】
前記分離構造は、前記エレクトロルミネセンスセグメントと前記共通の担体基板との間に配置された分離パッドを有し、前記エレクトロルミネセンスセグメントの電極配線は、前記相互接続構造に接続された、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項5】
前記負荷要素は、前記共通の担体基板において、前記エレクトロルミネセンスセグメントとは反対側の面に配置された、請求項4に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項6】
前記分離構造は、前記共通の担体基板の複数の穴を有し、前記穴により、前記エレクトロルミネセンスセグメントが熱的に分離される、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項7】
前記分離構造は、前記エレクトロルミネセンスセグメントと前記共通の担体基板との間に挟持された複数のガラス蓋を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項8】
前記ガラス蓋と前記エレクトロルミネセンスセグメントとの間にそれぞれ空洞が配置された、請求項に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項9】
前記負荷要素は、コンデンサと抵抗との組み合わせを有する、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項10】
前記負荷要素は、コンデンサと電流源との組み合わせを有し、前記電流源は、抵抗、トランジスタ及びダイオードの回路により形成された、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネセンス素子の分野に関し、更に詳細には、有機発光ダイオード(OLED)素子に関し、またセグメント化された照明素子の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネセンス素子は、電流が通されたときに光を発することが可能なエレクトロルミネセンス材料を有する。エレクトロルミネセンス素子のために用いられる材料は、発光高分子又は小型の有機分子であっても良い。有機素子は、例えばOLEDであっても良い。エレクトロルミネセンス素子を活性化させるため、電極により、該エレクトロルミネセンス素子に電流が流される。
【0003】
より具体的には、OLEDのようなエレクトロルミネセンス素子は、電極間に配置されたエレクトロルミネセンス素子を有する。適切な電圧を印加すると、陽極から陰極へと、エレクトロルミネセンス素子を通り電流が流れる。エレクトロルミネセンス素子のなかの正孔及び電子の放射結合により、光が生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な照明のため有機エレクトロルミネセンス材料を用いるエレクトロルミネセンス素子は、2乃至5Vの範囲内の順方向電圧を持つ。斯かる低い電圧は、汎用的な交流(AC)電源(即ち主電源)での直接の駆動のために不適切なものとしてしまう。該問題の解決方法のひとつは、電子回路の必要とされる抵抗を達成するために必要とされる数のOLED素子を直列に接続することである。斯かる種類の回路の問題点は、OLEDピーク電流が平均値よりもかなり高くなってしまい、そのため電源電流の高調波が整流制限を超えてしまい得、OLEDの平均及びピーク電流値が電源電圧変動内で大きく変化してしまう点である。
【0005】
他のとり得る解決方法は、電源から直接にOLED素子を動作させるために必要とされる安定器回路又は負荷回路として知られる電気回路である。安定器又は負荷回路は、公共グリッドのAC電圧を、規定の明るさでOLED光源を駆動するのに適切な形態に変換する。従来の交流OLED素子は従って、高価な電子駆動回路なしで、セグメント化されたOLEDと、電源から直接にOLEDを動作させるための電気的な安定器又は負荷として動作する分散させられた薄膜抵抗構造とを有し得る。
【0006】
しかしながら、斯かる従来のセグメント化されたエレクトロルミネセンス素子は、電力分散の点で非常に柔軟であるわけではなく、最良の電気的な性能のために特に設計されたものである。標準的な構成要素(即ちOLED及び抵抗)又は単純な薄膜構造として組み込まれることができない安定器回路のみを用いることが望ましい場合もある。
【0007】
本発明の目的は、担体基板又は印刷回路基板に装着された安定器又は負荷要素又は素子のアレイと組み合わせられた、標準的なOLEDタイル又はセグメントのアレイに基づくものであり得るエレクトロルミネセンス素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス素子により達成される。
【0009】
即ち、相互接続構造及び離隔構造を提供し、これら構造を、共通の担体構造におけるホットスポットにおいて局所的な電力損失が最小化されるように、及び光源素子の自己加熱に対してエレクトロルミネセンスセグメントの発光層における付加的な熱負荷が対称化されるように、所定の熱放散と熱分離とを組み合わせるように配置することにより、共通の担体基板又は担体板の正孔領域に亘って電力損失が均一に分散させられることができる。それ故、安定器又は負荷要素における局所的な電力は最小化されることができ、それにより、回路基板において標準的なエレクトロルミネセンス要素及び安定器又は負荷要素が用いられることができる。
【0010】
第1の態様によれば、 前記負荷要素は抵抗要素であっても良く、少なくとも1つの前記抵抗要素と少なくとも1つの前記エレクトロルミネセンスセグメントとは電気的に直列に接続されて対を形成しても良く、前記エレクトロルミネセンス素子は複数の前記対を有し、前記対は前記エレクトロルミネセンス素子が接続された電源から直接に動作可能であるように構成される。斯かる対は、共通の担体基板に亘って等しい温度分散を確実にした。
【0011】
上述の第1の態様と組み合わせられても良い第2の態様によれば、前記相互接続構造は、全ての前記対を接続することにより前記対間の熱的な結合を提供し、前記抵抗要素により生成された熱に対しての熱放散器として機能するように構成されても良い。これにより、相互接続構造は、共通の担体基板の領域に亘って、均一な態様で、電力損失を分散させるために利用されることができる。
【0012】
上述の第1及び第2の態様のいずれかと組み合わせられても良い第3の態様によれば、前記分離構造は、前記エレクトロルミネセンスセグメントと前記共通の担体基板との間に配置された分離パッドを有しても良く、前記エレクトロルミネセンスセグメントの電極配線は、前記相互接続構造に接続されても良い。第3の態様の特定の例においては、負荷要素は、エレクトロルミネセンスセグメントに対して、共通の担体基板の反対側の面に備えられても良い。低い熱伝導率を持つ分離パッド(例えば発泡パッド等)を介してエレクトロルミネセンスセグメントを装着することにより、該エレクトロルミネセンスセグメントは共通の担体基板から熱的に分離され得る。該共通の担体基板の反対の面、即ちエレクトロルミネセンスセグメントの反対側に、負荷要素(例えば抵抗又は抵抗を持つ回路)が配置された場合には、該負荷要素とエレクトロルミネセンスセグメントの発光層との間の最大の熱抵抗が実現されることができる。
【0013】
上述の第1乃至第3の態様のいずれかと組み合わせられても良い第4の態様によれば、前記分離構造が、共通の担体基板における複数の穴又は凹部を有しても良く、これによりエレクトロルミネセンスセグメントが熱的に分離されても良い。該穴又は凹部はエレクトロルミネセンスセグメントよりも大きいため、該セグメントは熱的に分離され、負荷要素はエレクトロルミネセンスセグメントとより近くに配置されることができる。
【0014】
上述の第1乃至第3の態様のいずれかと組み合わせられても良い第5の態様によれば、前記分離構造が、前記エレクトロルミネセンスセグメントと前記共通の担体基板との間に挟持された複数のガラス蓋を有しても良い。該第5の態様の特定の例においては、該ガラス蓋とエレクトロルミネセンスセグメントとの間に、対応する空洞が備えられても良い。この選択肢は、エレクトロルミネセンスセグメントが装着された共通の担体基板の同じ側に負荷要素を装着することを可能とし、これにより該エレクトロルミネセンス素子の厚さが低減されることができる。該空洞を備えることにより、熱抵抗が更に増大させられることができ、これにより該エレクトロルミネセンスセグメントが負荷要素から適切に離隔されることができる。加えて、上述した分離パッドが、エレクトロルミネセンスセグメント、ガラス蓋及び任意の空洞の間に配置され、より優れた熱的な分離を提供しても良い。
【0015】
以上の全ての態様において、負荷要素は抵抗要素であっても良いし、コンデンサと抵抗との組み合わせを有しても良いし、又はコンデンサと電流源との組み合わせを有しても良く、該電流源は抵抗、トランジスタ及びダイオードの回路により形成されても良い。
【0016】
本発明の実施例は、請求項1に従属する請求項のいずれの組み合わせであっても良いことは、理解されるべきである。
【0017】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】主電源に接続された典型的なエレクトロルミネセンス素子の模式的な回路図を示す。
図2】第1の実施例によるエレクトロルミネセンス素子の側面図及び背面側の平面図を示す。
図3】第2の実施例によるエレクトロルミネセンス素子の側面図及び背面側の平面図を示す。
図4】第3の実施例によるエレクトロルミネセンス素子の側面図及び背面側の平面図を示す。
図5(A)】第2の実施例の前面側の平面図における熱分散を示す。
図5(B)】第2の実施例の背面側の平面図における熱分散を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施例においては、本発明は、安定器要素R乃至Rにおける局所的な電力を最小化するため、基板領域全体に亘って均一に電力損失が分散させられるように、担体基板(印刷回路基板(PCB))に装着された負荷要素又は安定器要素R乃至Rのアレイと組み合わせられた、標準的なOLEDセグメント又はタイルD乃至Dに基づく、OLED照明素子に基づいて説明される。回避不可能に残るホットスポット(例えば安定器要素R乃至Rにより生成される)及びLEDタイルD乃至Dは、OLED発光層における付加的な熱負荷がOLED素子の自己加熱に対して可能な限り対称となるように、相互接続構造によって熱的に結合される。このことは、相互接続構造の適切に設計された熱放散と、OLEDタイルD乃至D及び安定器要素R乃至Rの熱的な分離とを組み合わせることにより、達成される。斯くして、PCBにおける相互接続構造は、望ましい熱放散を実現するように機能するが、ホットスポットからOLEDタイルD乃至Dを熱的に分離するための別の選択肢も利用可能である。以下の第1乃至第3の実施例においては、OLEDタイルD乃至Dを発泡パッド又はその他の分離パッド上に装着することにより、又はOLEDタイルD乃至DをPCB切断穴に装着することにより、又はガラス蓋及び任意の空洞を備えたOLEDタイルD乃至Dを用いることにより、実現される。
【0020】
以下の実施例は、必ずしも抵抗R乃至Rの群のみではなく、いずれの安定器又は負荷回路と組み合わせて利用されても良いことに留意されたい。安定器又は負荷回路を形成するため、抵抗、コンデンサ、ダイオード等のような電気的な構成要素のいずれの組み合わせもが利用されることができる。
【0021】
図1は、直列接続された負荷要素又は安定器要素R乃至RとOLEDタイルD乃至Dとを有する、典型的なOLED素子の電気接続の模式的な回路図を示す。電圧源20から供給される電源電圧は、ブリッジ整流回路10により整流され、OLEDタイルD乃至D及び安定器要素R乃至Rの直列接続に印加される。本例においては、OLEDタイルD乃至Dの数と安定器要素R乃至Rの数とは等しい。安定器要素R1乃至Rnの抵抗値は、選択されたOLEDタイルD乃至Dの電流−電圧特性(IV曲線)に依存して、結果の平均電流が所望の目標値に対応すると同時に、最大ピーク電流値が超過されないように、選択されても良い。
【0022】
OLEDタイルD乃至Dは例えば、透明な基板状のガラスに堆積させられた機能有機層の積層を囲む電極の対を有する、底部発光照明素子により形成されても良い。電極及び有機層は最終的に、任意に空洞を持つ1枚以上の保護薄膜層又はガラス蓋により封入されても良い。電流は、基板上の陽極及び陰極電極層に接合された接触ストリップを介して、OLEDタイルD乃至Dへと供給されても良い。
【0023】
第1乃至第3の実施例による以下のOLED素子においては、共通の担体基板(例えばPCB)30上に複数のOLEDタイルD乃至Dが装着される。典型的には、該PCB30は、一方の側に積層された銅箔を持つエポキシ材料状のFR4からつくられたものであっても良い。更に、全ての実施例において、前面F及び背面Bが示されている。更に、矢印は光Lの発光の方向を示し得る。
【0024】
図2は、第1の実施例によるOLED素子の構成を、断面側面図(図2の上側)及び前面における平面図(図2の下側)で示し、該実施例においては、OLEDタイルD乃至Dが発泡パッド60を介してPCB30に装着される。陽極及び陰極接触ストリップ50、52は、PCB30における穴を通して供給され、PCB30の背面にはんだ付けされる。同じく背面には、表面実装型素子(SMD)抵抗R乃至Rのアレイがはんだ付けされる。PCB銅領域又は相互接続構造40の構造化は、OLEDタイルD乃至DとR乃至Rとの全ての対が、(図1に示されるように)電気的に直列に接続されるように為される。更に、銅相互接続構造40は、熱放射及び熱放散を改善するため、結果の表面が可能な限り大きくなるように設計される。この手法により、従来の薄膜構成により抵抗が実現される理想的な場合に非常に近くなる、最適な熱的設計が実現されることができる。
【0025】
第1の実施例においては、低い熱伝導率を持つ分離パッドとしての発泡パッド60を介してOLEDタイルD乃至D及びPCB30を装着することにより、抵抗R乃至RとOLED発光層との間に最大の熱抵抗が実現されるようにOLEDタイルD乃至Dの反対側のPCB30の背面に抵抗R乃至R(ホットスポットを生成する)を配置することにより、及び、PCB30の領域全体に亘って均一に分散した対にOLEDタイルD乃至Dと抵抗R乃至Rとをグループ化することにより、OLEDタイルD乃至DをPCB30から熱的に分離させることによって結果の熱的分散が最適化される。これにより、最適な熱分散が実現されることができる。
【0026】
第1の実施例によるOLED素子の実用的な実装は、2枚のPCB基板上に分散された32個のOLEDタイル及び32個のSMD抵抗群を有しても良い。該基板の前面は16個のOLEDタイルを有し、該基板の背面は電気相互接続構造及びSMD抵抗を備えても良い。各OLEDタイルについて、望ましい熱放散のため、4個のSMD抵抗からなる群が、相互接続線にはんだ付けされても良い。SMD抵抗群は背面において小さなホットスポットを生成するという事実にかかわらず、これらスポットは対応するOLEDタイルの発光側において可視となる。OLEDタイルの温度上昇は、背面におけるSMD抵抗がない場合に比べて、3℃のみである。更に、温度分布の均一性も略変化せず、そのため光分散における影響も人間の眼には見えない。
【0027】
図3は、第2の実施例によるOLED素子の構成を、断面側面図(図3の上側)及び前面における平面図(図3の下側)で示す。第2の実施例においては、PCB30は、穴70に配置されるように装着されたOLEDタイルD乃至Dの横方向の広がりよりも数パーセント大きな穴70を有する。典型的には、OLEDタイルD乃至Dを適所に固定するため、OLED電極を接続するために用いられる装着ストリップ80が利用される。穴70がOLEDタイルDよりも大きいという事実のため、OLEDタイルDは熱的に分離される。対応する安定器要素又は抵抗Rは例えば、OLEDタイルDの近くに完全に封入された基板の切欠き部に隣接して配置されても良い。ここでもまた、PCB30は、電気的な直列接続及び抵抗損失の熱放散を可能とする、金属の相互接続構造85を有する。
【0028】
第2の実施例の構成は、最小の厚さのOLED素子を可能とする。更に、薄膜封入OLED素子に特定に適している。また、高い明るさの用途のための付加的な背面冷却を可能とする。
【0029】
図4は、第3の実施例によるOLED素子の構成を、断面側面図(上側)及び前面における平面図(下側)で示し、本実施例においては、OLEDタイルD乃至Dが装着された同じPCB30の側に、抵抗R乃至Rが配置されている。図2の第1の実施例と比べると、図3の実施例と同様に、このことは照明装置の厚さを減少させることを可能とする。該装着方法は、蓋ガラス90により封入され任意の空洞92を有するOLED素子に、特に適している。空洞92は、それだけで通常は安定器抵抗RからOLEDタイルDを熱的に分離するのに十分な、比較的高い熱抵抗を提供するように構成される。安定器抵抗Rの存在のためここでは平坦ではないPCB30の表面における容易な装着を可能とするため、付加的な発泡パッド94が備えられても良い。他の実施例と同様に、接続及び熱放散のために相互接続構造95が備えられ、LEDタイルD乃至Dの陽極50及び陰極52に接続する。
【0030】
図5A及び5Bは、図2の第1の実施例の上述した実装例のそれぞれの熱分散を示す。より具体的には、図5A及び5Bは、OLED素子が230Vの電源に接続されている間の、温度分布の赤外(IR)画像を示す。25Wの入力電力にもかかわらず、前面及び背面には重大なホットスポットがみられない。温度範囲は、前面において34乃至46℃、背面において36乃至45℃である。このことは、提案されるOLED配置により、効率的な熱分散が得られ、高価な金属コアPCB及び/又はアルミニウム熱放散器を回避できることを示している。
【0031】
以上の説明は、電源電圧での動作のための安定器要素として抵抗要素のみを有する特定のOLED素子を参照したが、同じ原理は、安定器回路(コンデンサ、抵抗、電流源、スイッチモード電源等から成る)を備えたいずれのエレクトロルミネセンス素子にも、該回路が第1乃至第3の実施例に関連して以上に説明されたようなアナログの態様で電気的及び熱的に分散されることができる限り、適用されることができることに、留意されたい。
【0032】
要約すると、安定器要素における局所的な電力を最小化するため、基板領域全体に亘って均一に電力損失が分散させられるように、担体基板に装着された負荷要素又は安定器要素のアレイと組み合わせられた、標準的なエレクトロルミネセンスタイルのアレイに基づく、エレクトロルミネセンス照明素子が説明された。回避不可能に残るホットスポット及びエレクトロルミネセンスタイルは、エレクトロルミネセンス発光層における付加的な熱負荷がエレクトロルミネセンス素子の自己加熱に対して可能な限り対称となるように熱的に結合される。このことは、適切に設計された熱放散と、エレクトロルミネセンス及び安定器要素の熱的な分離とを組み合わせることにより、達成される。熱放散は、担体基板における適切に設計された相互接続構造により実現される。エレクトロルミネセンスタイルをホットスポットから熱的に分離するための種々の選択肢が提案される。
【0033】
本発明は図面及び以上の記述において説明され記載されたが、斯かる説明及び記載は説明するものであって限定するものではないとみなされるべきであり、本発明は開示された実施例に限定されるものではない。
【0034】
図面、説明及び添付される請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する他の変形が理解され実行され得る。請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。
【0035】
請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B