特許第6178889号(P6178889)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178889
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】排気ガスターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20170731BHJP
   F16C 35/02 20060101ALI20170731BHJP
   F16C 27/06 20060101ALI20170731BHJP
   F16C 23/04 20060101ALI20170731BHJP
   F16C 17/18 20060101ALI20170731BHJP
   F16C 17/02 20060101ALN20170731BHJP
【FI】
   F02B39/00 J
   F16C35/02 C
   F16C27/06 A
   F16C23/04 Z
   F16C17/18
   !F16C17/02 Z
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-32453(P2016-32453)
(22)【出願日】2016年2月23日
(62)【分割の表示】特願2013-537806(P2013-537806)の分割
【原出願日】2011年11月3日
(65)【公開番号】特開2016-153651(P2016-153651A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2016年3月24日
(31)【優先権主張番号】102011016714.5
(32)【優先日】2011年4月11日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102010050840.3
(32)【優先日】2010年11月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・コナー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・レネット
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・ホルンバッハ
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−133530(JP,A)
【文献】 特開昭63−263221(JP,A)
【文献】 特開平04−228826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
F16C 17/02
F16C 17/18
F16C 23/04
F16C 27/06
F16C 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサハウジング(4)内のコンプレッサホイール(3)を有するコンプレッサ(2)を有し、
タービンハウジング(7)内のタービンホイール(6)を有するタービン(5)を有し、
ロータシャフト(10)用の静的軸受ブッシュ(9)を受け入れかつ前記コンプレッサ側に軸受ハウジングカバー(11)を有する軸受ハウジング(8)を有し、
軸受ブッシュの回転防止手段(12)であって、
前記軸受ハウジング(8)に支持された少なくとも1つの突出部(13、14、15)を有し、そして、
前記軸受ブッシュ(9)の2つの溝(16、17)の少なくとも一方に係合する、回転防止手段(12)を有する、
排気ガスターボチャージャ(1)において、
前記溝(16、17)が、前記軸受ブッシュ(9)の外側の円周領域(18)に直径方向に対向して配置され、かつ、前記軸受ブッシュ(9)の一方の端部領域(19)に配置され、
前記回転防止手段(12)が受入れ凹部(20)を有し、前記受入れ凹部(20)に、前記溝(16、17)が設けられた前記軸受ブッシュ(9)の端部領域(19)が係合し、
前記軸受ブッシュ(9)の周りに配置される軸受スリーブ(31)が前記軸受ハウジング(8)に固定され、前記軸受ハウジング(8)に押入されることと、前記回転防止手段(12)の前記少なくとも1つの突出部(13)が前記軸受スリーブ(31)に係合し、
前記回転防止手段(12)がばねクリップとして設計されることを特徴とする、排気ガスターボチャージャ。
【請求項2】
前記溝(16、17)の幅(B16、B17が、前記受入れ凹部(20)を画定する、前記主な領域(21)の壁部領域(23、25)の材料厚さ(MS)よりも大きい、請求項1に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項3】
前記回転防止手段(12)が金属薄板部分として形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項4】
前記回転防止手段(12)が、前記回転防止手段(12)の少なくとも1つの突出部(13、14、15)によって、前記軸受ハウジング(8)と、前記軸受ハウジング(8)に配置された軸方向軸受(26)との間に固定して締め付けられることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの突出部(13、14、15)が前記軸受ハウジング(8)の関連の凹部(27)に係合することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項6】
前記ばねクリップ(12)が突出部(13)を有し、前記突出部の端部領域(32、33)に2つのクリップ脚部(34、35)が隣接し、前記クリップ脚部(34、35)が前記突出部(13)と共に受入れ凹部(20)を画定することを特徴とする、請求項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項7】
前記クリップ脚部(34、35)が前記受入れ凹部(20)の方向に内側に曲がっていることを特徴とする、請求項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項8】
前記静的軸受ブッシュ(9)が平坦な軸受ブッシュとして設計されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項9】
完全な組立状態で、前記クリップ(12)の前記突出部(13)及び前記端部領域(32、33)が、前記軸受スリーブ(31)のウェブ(39)の周りに係合することを特徴とする、請求項6〜のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項10】
前記回転防止手段(12)がディスクセグメントとして設計されることを特徴とする、請求項1記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項11】
前記ディスクセグメントが半月形状であるか又は半円構造であることを特徴とする、請求項10に記載の排気ガスターボチャージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の排気ガスターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
汎用排気ガスターボチャージャが、欧州特許出願公開第0440917A1号明細書から公知である。前記排気ガスターボチャージャは静的軸受ブッシュを有する。軸受ブッシュは、その端面に、ロックリングとして設計された回転防止手段のビードと相互作用する2つの溝を有する。前記ロックリングは、ビードのみならず軸受ハウジングの凹部に係合する舌部も有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記装置により回転防止作用が十分に得られるが、同時に、軸方向及び半径方向の軸受ブッシュの移動の自由も制限される。
【0004】
したがって、本発明の目的は、排気ガスターボチャージャの回転防止手段により軸受ブッシュの回転を防止することができるが、軸方向及び半径方向の軸受ブッシュの移動の自由の制限が回避される、請求項1の前提部に規定されたタイプの排気ガスターボチャージャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0006】
上述の目的の達成の他に、本発明による設計により、排気ガスターボチャージャの捕捉されたオイルの外部ダンパがその機能に関して悪影響を及ぼさない利点も得られる。さらに、連続音の問題に関して排気ガスターボチャージャの軸受ハウジングの内側平軸受を最適化することが可能である。このことは、例えば、異なる潤滑膜を形成できるように軸受面を非対称に設計することによって可能となる。本発明による排気ガスターボチャージャの音の問題を最適化するための他の措置も、また可能である。
【0007】
従属請求項は、本発明の有利な改良形態に関する。
【0008】
本発明による回転防止手段は、例えば関連の凹部に係合することによって、軸受ハウジングの少なくとも1つの突出部、好ましくは3つの突出部を介して支持されるように配置される。この場合、このことにより、第一に、排気ガスターボチャージャの組立中に誤りのない取付けが保証される利点が達成される。同時に、本発明による回転防止手段は、軸受ハウジングの軸方向軸受と軸受ハウジングとの間に1つ又は複数の突出部によって固定して締め付けられる。したがって、例えばロックリングなどの追加の締結要素を省略することが可能である。回転防止手段は、主な領域に、軸受ブッシュの端部領域を挿入することができる受入れ凹部を有し、このため、前記軸受ブッシュは、互いに反対側に配置されかつ受入れ凹部を境界付ける回転防止手段の2つの壁部領域を溝に挿入できるように、直径方向に対向して配置された2つの溝を有する。
【0009】
互いに直径方向に対向して配置された溝及び回転防止手段の受入れ凹部の前記配置の結果、第一に、軸受ブッシュ用の回転防止作用を実現することが可能になり、第二に、軸方向及び半径方向の前記軸受ブッシュの可動性の制限を回避することが可能になるが、この理由は、軸受ブッシュの溝を、溝に係合する回転防止手段の壁部領域の金属薄板の厚さよりも広くなるように形成することが可能であるからである。このようにして、ロータに必要な軸方向の遊びを含めて、軸方向の移動の自由を保証することができる。
【0010】
この場合、軸受ハウジングの軸方向軸受の機能は好ましくは影響を受けずに、さらに、軸方向軸受に作用する軸方向力の変化を回避することが可能である。
【0011】
半径方向の軸受ブッシュの移動の自由も、同様に記載した設計によって制限されない。
【0012】
本発明のさらなる詳細、利点及び特徴は、添付図面に基づき例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】排気ガスターボチャージャの基本構成要素を説明するための本発明による排気ガスターボチャージャの著しく単純化した概略図である。
図2】本発明による排気ガスターボチャージャの軸受ブッシュの斜視図である。
図3】排気ガスターボチャージャの回転防止手段の斜視図である。
図4】回転防止手段が配置される軸受ハウジングの一部の断面図である。
図5】軸受ブッシュが軸受ハウジングに取り付けられ、回転防止手段が軸受ブッシュに配置された軸受ハウジングのコンプレッサの方向からの斜視図である。
図6】軸受ハウジング、軸受ブッシュ及び回転防止手段の図5に対応するタービンの方向からの図面である。
図7】第2の実施形態を説明するための本発明による排気ガスターボチャージャの軸受ハウジング及び軸受ブッシュの長手方向断面図である。
図8図7による配置の端部断面図である。
図9】本発明による排気ガスターボチャージャのばねクリップとして設計された回転防止手段の図面である。
図10】斜視図の軸受スリーブ及び軸受ブッシュのばねクリップの別の図面である。
図11】斜視図の軸受スリーブ及び軸受ブッシュのばねクリップの別の図面である。
図12】斜視図の軸受スリーブ及び軸受ブッシュのばねクリップの別の図面である。
図13】ばねクリップを取り付ける前の、ばねクリップを備えた軸受スリーブ及び軸受ブッシュの断面図である。
図14】ばねクリップを使用して組み立てられた、軸受スリーブ及び軸受ブッシュから構成されたユニットの図面である。
図15】ばねクリップを使用して組み立てられた、軸受スリーブ及び軸受ブッシュから構成されたユニットの図面である。
図16】予め組み立てられた構造ユニットとして、ばねクリップが取り付けられた軸受スリーブ及び軸受ブッシュの斜視図である。
図17図16によるブッシュ軸受スリーブ装置が据え付けられた軸受ハウジングの断面斜視図である。
図18】軸受スリーブ及び軸受ブッシュを有する構造ユニットの図16に対応する図面である。
図19図18による構造ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、コンプレッサハウジング4にコンプレッサホイール3を有するコンプレッサ2を有する本発明による排気ガスターボチャージャ1の著しく単純化した概略図である。
【0015】
排気ガスターボチャージャ1はまた、タービンハウジング7にタービンホイール6を有するタービン5を有する。
【0016】
コンプレッサハウジング4とタービンハウジング7との間に、軸受ハウジング8が配置され、この軸受ハウジングは、ロータシャフト10用の静的軸受ブッシュ9を収容し、かつ図4の説明の通り、コンプレッサ側面に軸受ハウジングカバー11を有する。
【0017】
本発明による排気ガスターボチャージャ1は、このような軸受の他のすべての構成要素も有することが自明であるが、本発明の原理を説明する上で、その説明は不要である。
【0018】
図2は、ロータシャフト10を取り付けるための軸受ハウジング8に取り付けられる軸受ブッシュ9の斜視図を示している。
【0019】
軸受ブッシュ9は、一方の端部領域19に2つの溝16と17を有し、これらは、互いに反対側に配置されかつ端部領域19の外側円周領域18に配置される。溝16と17は、結果として、図2から理解できる通り、外側に開放する。
【0020】
軸受ブッシュはまた、その外周に、反対側端部領域29に支持領域28などの支持領域を有し、この支持領域によって、軸受ブッシュ9が、組立状態で、軸受ハウジングの内孔に支持される。このことは、図4図5及び図6の説明から特に理解できるが、本願の原理を説明する上で重要ではない。
【0021】
図3は、軸受ブッシュ9用の排気ガスターボチャージャ1の回転防止手段12を示している。回転防止手段12は、ボウル状にドーム形である中央の主な領域21を有し、この領域の中央に受入れ凹部20が配置される。受入れ凹部20は、互いに反対側に配置されかつ直線的に延びる2つの壁部領域23と25によって境界付けられる。受入れ凹部20はまた、壁部領域23と25を互いに接続する僅かにドーム形の壁部領域24によって境界付けられる。したがって、これにより、図3に見ることができる受入れ凹部20の設計が得られ、この開口部は片側で開放し、したがって挿入領域30を有し、図5及び図6の説明から特に理解できるように、この挿入領域に軸受ブッシュ9を挿入することができる。
【0022】
回転防止手段12はまた、外縁で主な領域21に隣接する縁部領域22を有し、縁部領域22は、主な領域21の周りに延び、かつ実施例では3つの突出部13、14と15が設けられる。実施例では、突出部13、14と15は、図3から詳細にわかる通り、均一な間隔で縁部領域22に分布して配置されて、縁部領域22から半径方向外側に延在する。
【0023】
軸受ハウジング8における軸受ブッシュ9の取り付け状態において、図4図6の説明に示されているように、軸受ブッシュ9の端部領域19は、特に図5の説明から理解できるように、互いに反対側に位置する受入れ凹部20の壁部領域23と25が溝16と17に係合するように受入れ凹部20に挿入される。前記説明において、溝16と17は点線によって示されている。
【0024】
同様に、図5の説明から、回転防止手段12の取り付け状態で、突出部13、14と15が軸受ハウジング8に支持されることも分かる。図5に選択した斜視図のため、長円と境を接する軸受ハウジング8の当該領域における突出部13の支持部を見ることができる。このため、突出部13は、軸受ハウジング8の凹部27に係合する。1つ以上の突出部を設ける場合、すなわち、実施例では、突出部14と15、対応する凹部が同様に軸受ハウジングに設けられるが、これらは図4図6に選択した図示のため見えない。
【0025】
壁部領域23と25が係合する溝16と17を設けるため、軸受ブッシュ9の軸方向の可動性を維持することが可能であるが、この理由は、溝16と17の幅B16とB17それぞれを、壁部領域23と25の材料厚さMS(図3参照)よりも大きく選択することができるからである。したがって、回転防止手段12は、第一に、確実に、軸受ハウジング8における軸受ブッシュ9の回転を防止することができるが、第二に、半径方向及び軸方向の両方の可動性を保証する。
【0026】
図7は、本発明による排気ガスターボチャージャの第2の実施形態を示しており、この場合、軸受ハウジング8の長手方向断面が示されており、軸受スリーブ31が静的構成要素を構成するように、軸受ハウジングの軸受ハウジング孔36に軸受ブッシュ31が挿入され、好ましくは押入される。
【0027】
図7図9の並置から理解できるように、この実施形態では、ばねクリップの形態の回転防止手段12が設けられ、前記ばねクリップは突出部13を有し、この突出部は、この実施形態において軸受ハウジング8の回転防止手段12の間接的な支持が達成されるように軸受スリーブ31に係合する。
【0028】
図8及び図9の並置から特に理解できるように、ばねクリップ12は、このために、突出部13の端部領域32と33に隣接する2つクリップ脚部34と35を有する。この場合、クリップ脚部34と35は、受入れ凹部20の方向に内側方向に凹状に湾曲しており、これに対し、図9から明らかなように、突出部13は受入れ凹部20から外側方向に凸状にドーム形になっている。
【0029】
前記設計及び適切な材料のため、ばねクリップ12は弾性特性を有し、軸受ブッシュの溝16と17に弾性的に係合することができる。
【0030】
この場合、図8は、3つの矢印KFLで、ばねクリップ12が軸受スリーブ31と接触する接触面を示している。矢印RSPは、より大きな量の半径方向の遊びがこの実施形態で実現されることを示している。
【0031】
好ましくは軸方向の小さな遊びのため、ばねクリップは、矢印BAX図9に示した位置において軸方向に機械加工することが可能である。
【0032】
図10図12の並置から、この実施形態でばねクリップとして設計された、軸受スリーブ31及び軸受ブッシュ9の回転防止手段12の構成要素を再び見ることが可能である。各々、図10図12に個々の部品として示した、前記構成要素部品12、31と9は、既に説明したように、図16の完全な組立状態で示されているように、互いに差し込み合うことによって組み立てられて、予め組み立てられた構造ユニットを形成することができる。
【0033】
このことは、特に図13図15によって説明される。
【0034】
図13は、軸受スリーブ31、この軸受スリーブに配置された軸受ブッシュ9、及びまだ取り付けられていなかったクリップ又は回転防止手段12の断面を示している。図13の断面は、正確に溝16と17を通って延び、これらの溝は、図13に示したように、直径方向に対向して配置される2つのウェブ41と42が形成されるように軸受ブッシュ9の壁部材料を通り抜けて延在する。
【0035】
軸受スリーブ31の材料を通り抜けて延在する対応する溝は、溝37と38であり、この場合再び、ウェブ39と40から構成されたウェブ配置は軸受スリーブ31の上に実現され、前記ウェブ39と40は、図13に示したように関連のウェブ41と42に面して位置する。
【0036】
図13の矢印Mは、ばねクリップ12の取付方向を表している。矢印Mに対応する取付運動の継続中に、クリップ脚部34と35が引き続き溝37と38内に掛止するように、および前記掛止動作の過程で、軸受ブッシュ9の溝17と16内にも掛止するように、溝への挿入中に、前記ばねクリップのクリップ脚部34と35がウェブ39によって僅かに押し離される。このことから、軸受ブッシュ9が、クリップ12を取り付ける過程で、その正確な端部位置内に配置されることが明らかである。
【0037】
図14の矢印RFで表されているように、このことにより、半径方向に可撓性の固定が行われ、この場合、突出部13及び端部領域32と33はウェブ39の周りに係合する。
【0038】
対照的に、軸方向において、軸方向に剛性の固定は、矢印AFで図15に表されている通り、ばねクリップ12によって達成される。上に既述したように、ばねクリップ12による軸受スリーブ31内の軸受ブッシュ9の前記取り付けにより、図16に完全な組立状態で示されている、予め組み立てられた構造ユニットが得られる。
【0039】
図17も、同様に、軸受ハウジング8内の前記予め組み立てられたユニットの完全な組立状態を示している。このため、図16に示した予め組み立てられたユニットは、軸受ハウジング8の取付孔に挿入され、外側軸受スリーブ31は、好ましくは押入することによって、軸受ハウジング8又はその軸受ハウジング孔に固定される。このことにより、軸受スリーブ31を設ける結果、軸受ハウジング8における軸受ブッシュ9の上述の間接的な支持が達成される。
【0040】
図18及び図19は、同様に、軸受ブッシュ9、軸受スリーブ31及び回転防止手段12を備える予め組み立てられた取付ユニット45の別の実施形態を示している。図18及び図19に示した実施形態では、軸受ブッシュ9は、このために、上述の実施形態の2つの溝16と17の一方であり得る溝44を有する。
【0041】
したがって、軸受スリーブ31は相応して配置された溝43を有し、この場合、図18及び図19の並置から理解できるように、回転防止手段12を最初に軸受スリーブ31の外側の溝43内に、次に軸受ブッシュ9の溝44内に挿入することによって、軸受ブッシュ9と軸受スリーブ31との間の回転ロック作用が同様に得られる。
【0042】
図18の説明から理解できるように、回転ロック手段12は、半月形状又は半円の輪郭を有するディスクセグメントとして設計される。
【0043】
各々の場合に、図18及び図19に示した特に好ましい実施形態において、1つのみの溝が軸受ブッシュ及び軸受スリーブの両方に設けられるが、少なくとも軸受ブッシュ9を、先行実施形態に示したバージョンに使用してもよく、すなわち、直径方向に対向して配置された2つの溝を有してもよい。
【0044】
上述の開示に加えて、ここに、本発明のさらなる開示のために図1図8の説明がさらに参照される。
【符号の説明】
【0045】
1 排気ガスターボチャージャ
2 コンプレッサ
3 コンプレッサホイール
4 コンプレッサハウジング
5 タービン
6 タービンホイール
7 タービンハウジング
8 軸受ハウジング
9 軸受ブッシュ
10 ロータシャフト
11 軸受ハウジングカバー
12 軸受ブッシュの回転防止手段
13−15 回転防止手段の突出部
16、17 溝
18 外側の円周領域
19 端部領域
20 受入れ凹部
21 主な領域
22 縁部領域
23−25 壁部領域
26 軸方向軸受
27 軸受ハウジング8の凹部
28 支持領域
29 第2の端部領域
30 挿入領域
31 軸受スリーブ
32、33 端部領域
34、35 クリップ脚部
36 軸受ハウジング孔
37、38 軸受スリーブ31の溝
39、40 軸受スリーブ31のウェブ
41、42 軸受ブッシュ9のウェブ
43、44 溝
45 ユニット
16、B17 各々溝16と17の幅
AX 軸方向に機械加工された部分
FL 接触面
MS 壁部領域23、25の材料厚さ
ST 半径方向の遊び
AF 軸方向の固定(図14図15に矢印で表示)
RF 半径方向の固定(図14図15に矢印で表示)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19