(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図3を参照しながら説明する。
【0027】
(筐体12、前扉14)
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0028】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0029】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0030】
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0031】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0032】
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0033】
(メダルセレクタ17)
筐体12内部であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
なお、筐体12内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0034】
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0035】
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0036】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0037】
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、貯留されたクレジットメダルから投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0038】
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。なお、「演出用ボタンスイッチ42」は、本発明における「演出用操作手段」に相当する。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(
図3参照)。
【0039】
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0040】
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0041】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図3参照)。
【0042】
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0043】
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0044】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0045】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0046】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64と中回転リール66と右回転リール68との中段とを結んだ1本のみからなるものである。
【0047】
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤7(R7)、青7(B7)、バー1(BR1)、バー2(BR2)、チェリー(CH)、スイカ1(W1)、スイカ2(W2)、ベル(B1)、リプレイ(RP)、ブランク(BL)」の複数の種々の図柄61が形成されている。
【0048】
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0049】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0050】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0051】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0052】
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0053】
(制御装置100)
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段500とを備えている。
【0054】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段500との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段500への一方向の通信により行われ、サブ制御手段500からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。サブ制御手段500は、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段500の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0055】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0056】
メイン制御手段200及びサブ制御手段500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0057】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われるノーマル遊技が設けられている。このノーマル遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)遊技が設けられている。さらに、メイン制御手段200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技が設けられている(
図10参照)。これらの遊技は、メイン制御手段200により制御される。
【0058】
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている(
図11参照)。
【0059】
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
【0060】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、
図4に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技状態制御手段250、演出状態制御手段260、移行抽選手段270、特典付与手段280の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0061】
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0062】
本実施の形態では、役として、大別すると、ベル役、チェリー役、スイカ役、チャンス役などの小役(メダルの払い出しを伴う役や、演出状態の移行の契機となる役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
そして、本実施の形態では、小役のうち、チェリー役の払出枚数が「1枚」、スイカ役の払出枚数が「3枚」に設定されている。
【0063】
また、小役のうち、ベル役の払出枚数については以下の通りである。
本実施の形態では、ベル役は複数設けられており、各ベル役に対応した図柄61の組み合わせが有効ライン86上に停止表示した場合に、当該停止表示したベル役に対応したメダルの枚数が払い出されることとなっている。この際、有効ライン86上にベル(B1)の図柄61が揃っていなくとも、図柄表示窓部16においては、外観上、ベル(B1)の図柄61が揃うこととなっている。そして、外観上に揃うベル(B1)の図柄61の組み合わせは、有効ライン86上に停止表示される図柄61の組み合わせ、すなわち、各ベル役で異なることとなっている。
【0064】
ここで、本実施の形態では、ベル役として、L1st(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)正解ベルA、C,R1st(ストップスイッチ50を中第一停止又は右第一停止で操作)正解ベルA、L1st正解ベルB、C,R1st正解ベルB、L1st正解ベルC、C,R1st正解ベルC等がある。そして、これらの正解ベルの有効ライン86上に停止表示される図柄61の組み合わせは、L1st正解ベルAが「RP、CH、CH」、C,R1st正解ベルAが「B1、B1、B1」等となっており、その組み合わせが、各ベル役で異なっている。さらに、L1st正解ベルAと、C,R1st正解ベルAとでは、外観上に揃うベル(B1)の図柄61の組み合わせが異なっており、外観上に揃うベル(B1)の図柄61の組み合わせも、各ベル役で異なっている。
【0065】
そして、本実施の形態におけるベル役の払出枚数は、L1st正解ベルA、C,R1st正解ベルAが12枚、L1st正解ベルB、C,R1st正解ベルBが8枚、L1st正解ベルC、C,R1st正解ベルCが6枚等となっており、1〜12枚の範囲内となっている。
【0066】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0067】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0068】
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0069】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技用、RT遊技(RT2)用、ボーナス内部中用、ボーナス遊技用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0070】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
【0071】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0072】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
【0073】
(遊技状態制御手段250)
遊技状態制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技状態制御手段250は、
図6に示すように、大別すると、ノーマル遊技制御手段251、RT制御手段252及びボーナス遊技制御手段253の各手段を有する。
【0074】
(ノーマル遊技制御手段251)
ノーマル遊技制御手段251は、「ノーマル遊技」の進行を制御するものである。ここで、「ノーマル遊技」は、後述するRT制御手段252による「RT遊技」(リプレイタイム遊技)や、ボーナス遊技制御手段253によるボーナス遊技以外の遊技状態をいい、
図10を用いて後述する「RT0」及び「RT1」を含む。
【0075】
(RT制御手段252)
RT制御手段252は、「RT遊技」の進行を制御するものである。ここで、「RT遊技」は、
図10を用いて後述する「RT2」及び「ボーナス内部中」を含む。
【0076】
(ボーナス遊技制御手段253)
ボーナス遊技制御手段253は、
図10を用いて後述する「ボーナス遊技」を制御するものである。
「ボーナス遊技」は、「ボーナス内部中」にボーナス移行役の図柄を揃えることで移行し、いわゆる「BB」「RB」が連続作動し、所定の枚数、本実施の形態では、「BB」の場合は280枚、「RB」の場合は60枚を超えるメダルの払い出しで終了し、「RT0」に移行する。
【0077】
(演出状態制御手段260)
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。
具体的には、演出状態制御手段260は、
図7に示すように、大別すると、通常遊技制御手段261、ART制御手段268及び上乗せ遊技制御手段269の各手段を有する。
【0078】
(通常遊技制御手段261)
通常遊技制御手段261は、通常状態で行われている遊技である通常遊技を制御するものである。ここで、「通常状態」には、
図11を用いて後述するが、「通常一般状態」と、「ATチャンスゾーン」とを含む。
具体的には、通常遊技制御手段261は、通常一般遊技制御手段262及びATチャンスゾーン制御手段263を備える。
【0079】
(通常一般遊技制御手段262)
通常一般遊技制御手段262は、通常一般状態で行われている遊技である通常一般遊技(非AT)を制御するものである。
【0080】
ここで、「非AT」は、「AT」の非作動状態を意味する。「AT」は、いわゆる「アシストタイム」の略語であり、「AT」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、「AT」は、本実施の形態では、メイン制御手段200で制御され、このとき、メイン制御手段200のRT遊技制御手段252で制御される「RT状態」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT」で、かつ「AT」の状態をいう。
【0081】
このとき、本実施の形態におけるベル役は、当選したベル役の押し順が合致しないと入賞しないAT役となっている。
そのため、「AT」が作動すると、上述のように、ベル役の当選時に、当該当選したベル役に対応する押し順が報知される。そして、遊技者は、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当該当選したベル役を入賞させることができるため、「AT」が作動すると、「非AT」のときに比して、遊技者に有利となる。
【0082】
(ATチャンスゾーン制御手段263)
ATチャンスゾーン制御手段263は、ATチャンスゾーンで行われている遊技であるATチャンスゾーン遊技(非AT)を制御するものである。
また、ATチャンスゾーン制御手段263は、
図8に示すように、達成条件決定手段264、ATチャンスゾーンゲーム数更新手段265、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266及び達成段階判定手段267の各手段を有する。
【0083】
(達成条件決定手段264)
達成条件決定手段264は、ミッション演出において、ミッション演出の各段階に対応した達成条件を決定するものである。
【0084】
ミッション演出とは、期間終了条件が成立することで終了し、この期間終了条件が成立する前に特定条件が成立することで遊技者に特典が付与される演出をいう。ここで、「ミッション演出」は、本発明における「特定演出」に相当する。
本実施の形態では、ミッション演出は、少なくとも同一の特定条件が設定された、第1特定演出の一例としてのミッションAと第2特定演出の一例としてのミッションBとがある。なお、ミッション演出の種類は、ミッションAとミッションBとに限らず、これより多くてもよい。
【0085】
また、「期間終了条件」とは、始期と終期とが定められており、期間が終期を迎えた場合に成立する条件を意味する。本実施の形態では、「所定の遊技期間の終了」が本発明における「期間終了条件」に相当する。
また、「特定条件」とは、実行されるミッション演出に対応して決定された閾値を超えた場合に成立する条件である。
【0086】
また、「達成条件」とは、「特定条件」を複数の段階に分けた条件である。具体的には、本実施の形態では、特定条件が3段階の達成条件として、1段階目の第1達成条件、2段階目の第2達成条件及び3段階目の第3達成条件に分けられている。本実施の形態では、各々の段階に対応した達成条件が成立することで現在の段階から次の段階へと移行し、全ての達成条件が成立することで特定条件が成立することとなっている。
ここで、本実施の形態では、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数が、実行されるミッション演出に対応して決定された特定条件の成立に必要な閾値(以下、「特定値」とする)を超えた場合に「特定条件」が成立する。
【0087】
そして、本実施の形態では、特定値は、達成条件決定手段264により決定される第1達成条件の成立に必要な閾値(以下、「第1ATチャンスゾーンカウンタ値」とする)と、第2達成条件の成立に必要な閾値(以下、「第2ATチャンスゾーンカウンタ値」とする)と、第3達成条件の成立に必要な閾値(以下、「第3ATチャンスゾーンカウンタ値」とする)との合計値となっている。なお、「特定条件」は、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数が特定値を超えた場合に限らず、ミッション演出中における「リプレイの成立回数」や「ポイント」等が特定値を超えた場合に成立することとしてもよい。
【0088】
本実施の形態では、達成条件決定手段264は、ミッション演出の実行時に、ミッション演出の各段階に対応した達成条件を決定するための達成抽選を行っており、これによりミッション演出の各段階に対応した達成条件を決定している。
達成条件決定手段264は、第1ATチャンスゾーンカウンタ値を決定する第1達成抽選と、第2ATチャンスゾーンカウンタ値を決定する第2達成抽選と、第3ATチャンスゾーンカウンタ値を決定する第3達成抽選とを行っている。
【0089】
まず、達成条件決定手段264は、第1達成抽選により第1ATチャンスゾーンカウンタ値を決定する。次に、達成条件決定手段264は、第2達成抽選により第2ATチャンスゾーンカウンタ値を、第1達成抽選の抽選結果にかかわらず決定する。そして、達成条件決定手段264は、第3達成抽選により第3ATチャンスゾーンカウンタ値を、第1達成抽選及び第2達成抽選の抽選結果にかかわらず決定する。
【0090】
すなわち、達成条件決定手段264は、第1達成条件、第2達成条件及び第3達成条件の決定に際し、各々独立した抽選テーブルから、その他の達成条件の抽選結果にかかわらず、独立して抽選に係る達成条件を決定している(
図12参照)。
このとき、第1達成抽選は、達成条件決定手段264により、
図12(A)に示す抽選テーブルを用いて行われている。第1達成抽選では、第1ATチャンスゾーンカウンタ値が「10」、「15」、「20」、「25」、「30」の中から何れか1つが決定される。そして、第1達成抽選にて決定された第1ATチャンスゾーンカウンタ値を、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数が超えた場合に第1達成条件が成立する。
【0091】
本実施の形態の第1達成抽選では、これらの第1ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率のうち、「10」の当選確率は「5%」、「15」の当選確率は「10%」、「20」の当選確率は「20%」、「25」の当選確率は「25%」、「30」の当選確率は「40%」となっている。
なお、第1達成抽選におけるこれらの第1ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率は、前記した確率には限られない。また、第1達成抽選で抽選可能な第1ATチャンスゾーンカウンタ値は、前記した数値に限られず、たとえば、「10〜35」としてもよい。
【0092】
また、第2達成抽選は、達成条件決定手段264により、
図12(B)に示す抽選テーブルを用いて行われている。第2達成抽選では、第2ATチャンスゾーンカウンタ値が「10」、「15」、「20」、「25」、「30」の中から何れか1つが決定される。そして、第1達成条件の成立後、第2達成抽選にて決定された第2ATチャンスゾーンカウンタ値を、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数が超えた場合に第2達成条件が成立する。
【0093】
本実施の形態の第2達成抽選では、これらの第2ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率のうち、「10」の当選確率は「10%」、「15」の当選確率は「15%」、「20」の当選確率は「25%」、「25」の当選確率は「30%」、「30」の当選確率は「20%」となっている。
【0094】
なお、第2達成抽選におけるこれらの第2ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率は、前記した確率には限られないし、第1達成抽選における第1ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率と対応させてもよい。また、第2達成抽選で抽選可能な第2ATチャンスゾーンカウンタ値は、前記した数値に限られず、たとえば、「10〜35」としてもよい。さらに、第2達成抽選で抽選可能な第2ATチャンスゾーンカウンタ値は、第1達成抽選で抽選可能な第1ATチャンスゾーンカウンタ値と異なることとしてもよい。
【0095】
また、第3達成抽選は、達成条件決定手段264により、
図12(C)に示す抽選テーブルを用いて行われている。第3達成抽選では、第3ATチャンスゾーンカウンタ値が「5」、「10」、「15」、「20」、「25」の中から何れか1つが決定される。そして、第2達成条件の成立後、第3達成抽選にて決定された第3ATチャンスゾーンカウンタ値を、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数が超えた場合に第3達成条件、すなわち「特定条件」が成立する。
【0096】
本実施の形態の第3達成抽選では、これらの第3ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率のうち、「5」の当選確率は「20%」、「10」の当選確率は「30%」、「15」の当選確率は「25%」、「20」の当選確率は「10%」、「25」の当選確率は「15%」となっている。
【0097】
なお、第3達成抽選におけるこれらの第3ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率は、前記した確率には限られないし、第1達成抽選における第1ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率又は第2達成抽選における第2ATチャンスゾーンカウンタ値の当選確率と対応させてもよい。また、第3達成抽選で抽選可能な第3ATチャンスゾーンカウンタ値は、前記した数値に限られず、たとえば、「10〜35」としてもよい。さらに、第3達成抽選で抽選可能な第3ATチャンスゾーンカウンタ値は、第1達成抽選又は第2達成抽選で抽選可能な第1ATチャンスゾーンカウンタ値又は第2ATチャンスゾーンカウンタ値と同様としてもよい。
【0098】
なお、本実施の形態における達成条件決定手段264は、第1ATチャンスゾーンカウンタ値〜第3ATチャンスゾーンカウンタ値を個別の抽選テーブルを用いた抽選にて決定しているが、これに限らず、第1ATチャンスゾーンカウンタ値〜第3ATチャンスゾーンカウンタ値のデータを含んだ1つの抽選テーブルを用いた抽選にて決定してもよい。
【0099】
(ATチャンスゾーンゲーム数更新手段265)
ATチャンスゾーンゲーム数更新手段265は、ATチャンスゾーンの遊技期間の更新を行うものである。本実施の形態では、ATチャンスゾーンの遊技期間が「15ゲーム」に設定されている。なお、ATチャンスゾーンの遊技期間は15ゲームに限らず、これより多くても少なくてもよい。
【0100】
このATチャンスゾーンゲーム数更新手段265は、ATチャンスゾーンの遊技期間の更新を行うATチャンスゾーンゲーム数カウンタを備えている。ATチャンスゾーンゲーム数更新手段265は、演出状態のATチャンスゾーンへの移行を契機に、ATチャンスゾーンの遊技期間である15ゲームに対応するATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値「15」をATチャンスゾーンゲーム数カウンタに設定する。そして、ATチャンスゾーンゲーム数更新手段265は、ATチャンスゾーンの遊技期間が1ゲーム消化される毎に、ATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値を「1」減算する。ATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値が「0」、換言すると、本発明における「期間終了条件」が成立した場合には、ATチャンスゾーンが終了し、後述するAT移行抽選手段272により、達成段階に応じた当選確率にてAT抽選が行われる(
図13参照)。そして、当該AT抽選に当選しなかった場合に、通常一般状態に移行する(
図11参照)。
【0101】
なお、本実施の形態では、ATチャンスゾーンの遊技期間が15ゲームに設定されているため、全てのミッション演出が同一の終了条件となっているが、これに限らず、当該実行されるミッション演出毎にATチャンスゾーンの遊技期間を異ならせてもよい。
【0102】
(ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266)
ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、達成条件決定手段264により決定されたATチャンスゾーンカウンタ値の更新を行うものである。
このATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、第1ATチャンスゾーンカウンタ値を更新する第1ATチャンスゾーンカウンタと、第2ATチャンスゾーンカウンタ値を更新する第2ATチャンスゾーンカウンタと、第3ATチャンスゾーンカウンタ値を更新する第3ATチャンスゾーンカウンタとを備えている。
【0103】
すなわち、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、達成条件決定手段264による各達成抽選にて決定された各ATチャンスゾーンカウンタ値を対応するチャンスゾーンカウンタに設定し、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数に対応した減算を行う。
具体的には、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、達成条件決定手段264による第1達成抽選にて決定された第1ATチャンスゾーンカウンタ値を第1ATチャンスゾーンカウンタに設定する。そして、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数に対応して、第1ATチャンスゾーンカウンタ値を減算する。
【0104】
また、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、達成条件決定手段264による第2達成抽選にて決定された第2ATチャンスゾーンカウンタ値を第2ATチャンスゾーンカウンタに設定する。そして、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、第1ATチャンスゾーンカウンタ値が「0」になった後、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数に対応して、第2ATチャンスゾーンカウンタ値を減算する。
【0105】
また、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、達成条件決定手段264による第3達成抽選にて決定された第3ATチャンスゾーンカウンタ値を第3ATチャンスゾーンカウンタに設定する。そして、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266は、第2ATチャンスゾーンカウンタ値が「0」になった後、ミッション演出中におけるメダルの払出枚数に対応して、第3ATチャンスゾーンカウンタ値を減算する。
【0106】
なお、本実施の形態では、上述のように、ミッション演出中に小役が入賞したことに基づいて、当該入賞した小役の払出枚数に対応した数値がATチャンスゾーンカウンタ更新手段266により対応するATチャンスゾーンカウンタ値から減算されるが、入賞した小役の種類によっては、他の小役が入賞した場合に比べて遊技者に有利に働くことがある。
【0107】
具体的には、本実施の形態では、ミッション演出中に、小役のうちレア役であるスイカ役又はチェリー役に当選し、当該当選したスイカ役又はチェリー役が入賞した場合が、他の小役(たとえば、ベル役)が入賞した場合に比べて遊技者に有利に働くこととなる。すなわち、この場合には、スイカ役又はチェリー役の払出枚数に対応した数値がATチャンスゾーンカウンタ更新手段266により対応するATチャンスゾーンカウンタ値から減算されるが、ATチャンスゾーンゲーム数更新手段265による当該ゲームにおけるATチャンスゾーンゲーム数カウンタの更新が行われない。換言すると、レア役に当選し、当該当選したレア役が入賞した場合には、1ゲーム分、ATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値の減算が停止され、ATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値を消費せずに、ATチャンスゾーンカウンタ値を減算することができる。
【0108】
(達成段階判定手段267)
達成段階判定手段267は、ATチャンスゾーンの遊技期間が終了した時点のミッション演出の到達段階に対応した達成条件の達成段階を判定するものである。
【0109】
ここで、本実施の形態における「到達段階」とは、ATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値が「0」になるまでに更新された、各ATチャンスゾーンカウンタ値の合算値を意味する。たとえば、当該ミッション演出のATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値が「0」になるまでのメダルの払出枚数が「35枚」であったとすると、ATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値が「0」になるまでに更新された、各ATチャンスゾーンカウンタ値の合算値は、「35」であるため、当該ミッション演出の到達段階は、「35」となる。
【0110】
また、上述したように、本実施の形態のミッション演出は、3段階の達成条件が設けられており、各段階の達成条件に対応した3段階の達成段階が設けられている。具体的には、第1達成条件が成立した段階として第1達成段階があり、第2達成条件が成立した段階として第2達成段階があり、第3達成条件が成立した段階として第3達成段階がある。
そして、達成段階判定手段267は、ATチャンスゾーンの遊技期間である15ゲームが終了した時点のミッション演出の到達段階に対応した達成条件の達成段階が第1達成段階〜第3達成段階の何れの段階であるかを判定する。
【0111】
たとえば、
図12(D)に示すように、ミッション演出として、ミッションAと、ミッションAとは別の契機に行われたミッションBとを比較して説明する。
ミッションAでは、達成条件決定手段264により、第1ATチャンスゾーンカウンタ値が「10」、第2ATチャンスゾーンカウンタ値が「15」、第3ATチャンスゾーンカウンタ値が「25」に決定された。
一方、ミッションBでは、達成条件決定手段264により、第1ATチャンスゾーンカウンタ値が「30」、第2ATチャンスゾーンカウンタ値が「15」、第3ATチャンスゾーンカウンタ値が「5」に決定された。
【0112】
このとき、ミッションAとミッションBとでは、各々の第1ATチャンスゾーンカウンタ値及び第3ATチャンスゾーンカウンタ値が異なっているが、特定値が「50」で同様となっている。
そして、この状況下で、ミッションAとミッションBとが到達段階が同様の状態(たとえば、到達段階「35」)にて、各々のミッション演出が15ゲームを消化して終了したとする。
【0113】
この場合、達成段階判定手段267は、ミッションAにおける達成段階を第2達成段階と判定する(「10<35」、「10+15<35」、「10+15+25>35」)。
また、この場合、達成段階判定手段267は、ミッションBにおける達成段階を第1達成段階と判定する(「30<35」、「30+15>35」)。
【0114】
すなわち、本実施の形態では、複数のミッション演出(たとえば、「ミッションA」と「ミッションB」)の到達段階が同様であっても、それらの各ミッション演出の達成段階が異なることがある(たとえば、「ミッションA」は第2達成段階、「ミッションB」は第1達成段階)。この場合には、ミッション演出が終了したことに基づいて、当該達成した達成段階に応じて、後述する特典付与手段280の未達時特典付与手段282により特典が付与される。
【0115】
(ART制御手段268)
ART制御手段268は、ART状態で行われている遊技であるART遊技を制御するものである。
【0116】
(上乗せ遊技制御手段269)
上乗せ遊技制御手段269は、上乗せ特化ゾーンで行われている遊技である上乗せ遊技を制御するものである。
【0117】
(移行抽選手段270)
移行抽選手段270は、各演出状態へ移行するか否かを決定する抽選を行うものである。この移行抽選手段270は、
図9に示すように、通常一般状態においてATチャンスゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「ATチャンスゾーン移行抽選」とする)を行うATチャンスゾーン移行抽選手段271と、通常状態においてAT状態へ移行するか否かの抽選(以下、「AT抽選」とする)を行うAT移行抽選手段272と、ART通常状態において上乗せチャンスゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「上乗せチャンスゾーン移行抽選」とする)を行う上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273と、ART状態において上乗せ特化ゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「特化ゾーン移行抽選」とする)を行う特化ゾーン移行抽選手段274とを備えている。
【0118】
(ATチャンスゾーン移行抽選手段271)
ATチャンスゾーン移行抽選手段271は、通常一般状態においてATチャンスゾーン移行抽選を行うものである。このATチャンスゾーン移行抽選手段271が行うATチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。本実施の形態では、ATチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、ATチャンスゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、ATチャンスゾーン移行抽選の抽選契機は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0119】
(AT移行抽選手段272)
AT移行抽選手段272は、通常状態においてAT抽選を行うものである。このAT移行抽選手段272が行うAT抽選は、通常一般状態においては、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。本実施の形態では、通常一般状態において行われるAT抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、通常一般状態において行われるAT抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、通常一般状態において行われるAT抽選の抽選契機は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0120】
一方、AT移行抽選手段272が行うAT抽選は、ATチャンスゾーンにおいては、ATチャンスゾーンの終了時に行われる。そして、ATチャンスゾーンにおいて行われるAT抽選の当選確率は、ATチャンスゾーンにおけるミッション演出において、特定条件が成立した場合には、後述する特典付与手段280の到達時特典付与手段281により決定され、特定条件が成立しなかったが少なくとも1つの達成条件が成立した場合には、後述する特典付与手段280の未達時特典付与手段282により決定される。
【0121】
図13に示すように、本実施の形態では、達成条件が1つ成立、すなわち、第1達成段階を達成した場合には、後述する未達時特典付与手段282により、特典としてAT抽選の当選確率が「25%」とされる。また、達成条件が2つ成立、すなわち、第2達成段階を達成した場合には、後述する未達時特典付与手段282により、特典としてAT抽選の当選確率が「50%」とされる。また、達成条件が3つ成立、すなわち、特定条件が成立した場合には、後述する到達時特典付与手段281により、特典としてAT抽選の当選確率が「100%」とされる。
【0122】
なお、ATチャンスゾーンにおけるミッション演出にて達成条件が一つも成立しなかった場合には、未達時特典付与手段282により、AT抽選の当選確率が「1%」とされる(
図13参照)。また、到達時特典付与手段281又は未達時特典付与手段282により付与される特典としてのAT抽選の当選確率は、上記した確率に限らず、他の確率としてもよい。さらに、ATチャンスゾーンにおけるミッション演出にて達成条件が一つも成立しなかった場合には、AT抽選の当選確率を「0%」としてもよい。
【0123】
(上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273)
上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273は、ART通常状態において上乗せチャンスゾーン移行抽選を行うものである。この上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273が行う上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。本実施の形態では、上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、上乗せチャンスゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0124】
(特化ゾーン移行抽選手段274)
特化ゾーン移行抽選手段274は、ART状態において特化ゾーン移行抽選を行うものである。この特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選は、ART通常状態においては、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。本実施の形態では、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0125】
一方、特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選は、上乗せチャンスゾーンにおいては、上乗せチャンスゾーンの各遊技で行われる。そして、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選は、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選に比べて、その当選確率が高くなっている。なお、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行ってもよいし、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0126】
(特典付与手段280)
特典付与手段280は、所定の契機に、遊技者にとって有利な特典の付与を行うものである。
【0127】
ここで、本実施の形態における特典とは、「ATの付与」である。そして、この「ATの付与」はミッション演出の達成段階に応じて付与される。具体的には、ミッション演出の達成段階が「第1達成段階」であれば、AT抽選の当選確率が「25%」、「第2達成段階」であれば、AT抽選の当選確率が「50%」、「第3達成段階」であれば、AT抽選の当選確率が「100%」となっている(
図13参照)。なお、「特典」は前記のものに限られず、遊技者にとって有利となり得るものであればよい。たとえば、ATの付与に代え、又はこれに加えて、「特化ゾーンの付与」としてもよい。
【0128】
また、本実施の形態における特典付与手段280は、特定条件が成立した場合に特定条件の成立としての特典を付与する到達時特典付与手段281と、特定条件が成立しなかったが少なくとも1つの達成条件が成立した場合に達成条件の成立としての特典を付与する未達時特典付与手段282とを備えている。
【0129】
(到達時特典付与手段281)
到達時特典付与手段281は、特定条件が成立した場合に特定条件の成立としての特典を付与するものである。
【0130】
具体的には、到達時特典付与手段281は、ATチャンスゾーンゲーム数更新手段265が更新するATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値「15」が「0」になる前に、ATチャンスゾーンカウンタ更新手段266が更新する「第1ATチャンスゾーンカウンタ値」、「第2ATチャンスゾーンカウンタ値」及び「第3ATチャンスゾーンカウンタ値」が「0」なった場合に、特定条件の成立としての特典を付与する。上述したように本実施の形態における特典は「ATの付与」であり、到達時特典付与手段281は、特定条件の成立の特典として、AT抽選の当選確率を「100%」とする(
図13参照)。そして、到達時特典付与手段281によりAT抽選の当選確率が「100%」とされた後、AT移行抽選手段272によりAT抽選が行われ、AT抽選に当選する。
【0131】
(未達時特典付与手段282)
未達時特典付与手段282は、特定条件が成立しなかったが少なくとも1つの達成条件が成立した場合に達成条件の成立としての特典を付与するものである。
【0132】
具体的には、未達時特典付与手段282は、ATチャンスゾーンゲーム数更新手段265が更新するATチャンスゾーンゲーム数カウンタ値「15」が「0」になった場合に、達成段階判定手段267による当該ミッション演出の到達段階に対応した達成条件の達成段階の判定の結果、「第1達成段階」又は「第2達成段階」であると判定されたときに、少なくとも1つの達成条件の成立としての特典を付与する。上述したように本実施の形態における特典は「ATの付与」である。
【0133】
未達時特典付与手段282は、達成段階判定手段267により「第1達成段階」であると判定された場合には、第1達成条件の成立の特典として、AT抽選の当選確率を「25%」とする(
図13参照)。この場合には、未達時特典付与手段282によりAT抽選の当選確率が「25%」とされた後、AT移行抽選手段272によりAT抽選が行われ、「25%」の確率でAT抽選に当選する。
【0134】
また、未達時特典付与手段282は、達成段階判定手段267により「第2達成段階」であると判定された場合には、第2達成条件の成立の特典として、AT抽選の当選確率を「50%」とする(
図13参照)。この場合には、未達時特典付与手段282によりAT抽選の当選確率が「50%」とされた後、AT移行抽選手段272によりAT抽選が行われ、「50%」の確率でAT抽選に当選する。
これにより、未達時特典付与手段282は、複数のミッション演出の到達段階が同様であっても、それらの各ミッション演出の達成段階が異なる場合には、各ミッション演出にて異なる特典を付与することとなっている。
【0135】
なお、本実施の形態では、AT抽選の当選確率を異ならせることで、各ミッション演出にて異なる特典を付与することとしているが、各ミッション演出にて付与される異なる特典はこれに限られない。たとえば、達成段階に基づき付与されるAT状態の遊技期間の有利度合いを決定することで、各ミッション演出にて異なる特典が付与されることとしてもよい。すなわち、達成段階が少ない程、AT抽選当選時に付与されるAT状態の遊技期間を短くする等により、各ミッション演出にて異なる特典が付与されることとしてもよい。
【0136】
以下では、未達時特典付与手段282により付与される特典がミッション演出毎に異なる場合について説明する。具体的には、
図12(D)に示すミッション演出のミッションAとミッションBとを比較して説明する。
ミッションAは、達成条件決定手段264により、第1ATチャンスゾーンカウンタ値が「10」、第2ATチャンスゾーンカウンタ値が「15」、第3ATチャンスゾーンカウンタ値が「25」に決定されたパターンである。
【0137】
一方、ミッションBは、達成条件決定手段264により、第1ATチャンスゾーンカウンタ値が「30」、第2ATチャンスゾーンカウンタ値が「15」、第3ATチャンスゾーンカウンタ値が「5」に決定されたパターンである。
このとき、ミッションAとミッションBとでは、各々の第1ATチャンスゾーンカウンタ値及び第3ATチャンスゾーンカウンタ値が異なっているが、特定値が「50」で同様となっている。
【0138】
そして、この状況下で、ミッションAとミッションBとが到達段階が同様の状態(たとえば、到達段階「35」)にて、各々のミッション演出が15ゲームを消化して終了したとする。
【0139】
この場合、達成段階判定手段267は、ミッションAにおける達成段階を第2達成段階と判定する(「10<35」、「10+15<35」、「10+15+25>35」)。そして、未達時特典付与手段282は、達成段階判定手段267によるミッションAにおける達成段階の判定結果に基づいて、特典として、AT移行抽選手段272によるAT抽選の当選確率を「50%」とする(
図13参照)。そして、未達時特典付与手段282によりAT抽選の当選確率が「50%」とされた後、AT移行抽選手段272によりAT抽選が行われる。
【0140】
また、この場合、達成段階判定手段267は、ミッションBにおける達成段階を第1達成段階と判定する(「30<35」、「30+15>35」)。そして、未達時特典付与手段282は、達成段階判定手段267によるミッションBにおける達成段階の判定結果に基づいて、特典として、AT移行抽選手段272によるAT抽選の当選確率を「25%」とする(
図13参照)。そして、未達時特典付与手段282によりAT抽選の当選確率が「25%」とされた後、AT移行抽選手段272によりAT抽選が行われる。
【0141】
以上のように、本実施の形態では、複数のミッション演出の到達段階が同様であっても、それらの各ミッション演出の達成段階が異なることにより、未達時特典付与手段282により付与される特典(ATの付与)の優劣が異なることとなっている。
【0142】
(サブ制御手段500)
サブ制御手段500は、
図5に示すように、演出実行制御手段510及び報知手段515を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段500は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0143】
具体的には、サブ制御手段500は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0144】
(演出実行制御手段510)
演出実行制御手段510は、演出装置70により行われる演出を実行するためのものである。
【0145】
演出実行制御手段510は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル遊技、RT遊技、ボーナス遊技等の各遊技状態に応じた演出や、押し順を報知するための演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段510は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。また、演出実行制御手段510には、演出装置70により行われる演出を実行すべく、本実施の形態では、報知手段515が含まれている。
【0146】
(報知手段515)
報知手段515は、液晶表示装置を有する表示装置84、スピーカー72及び演出用ランプ78からなる演出装置70を制御し、種々の情報を外部へ報知するものである。
この報知手段515は、達成条件が成立したことに基づいて、当該達成条件が成立したことを遊技者に認識可能とする達成演出を報知可能となっている。
【0147】
ここで、本実施の形態における達成演出とは、
図14〜
図16に示す「達成バロメータTの消滅」である。
具体的には、
図14(A)、
図15(A)及び
図16(A)に示すように、ミッション演出の開始後〜第1達成段階の成立前までの間は、報知手段515により、達成バロメータTが「3つ」表示装置84に表示されている。そして、第1達成段階が成立した場合には、
図14(A)、
図15(A)及び
図16(A)に示す最下段の達成バロメータT1が消滅、すなわち、報知手段515により、最下段の達成バロメータT1の報知が終了される。
【0148】
その後、
図14(B)、
図15(B)及び
図16(B)に示すように、第1達成段階の成立後〜第2達成段階の成立前までの間は、報知手段515により、達成バロメータTが「2つ」表示装置84に表示されている。そして、第2達成段階が成立した場合には、
図14(B)、
図15(B)及び
図16(B)に示す下段の達成バロメータT2が消滅、すなわち、報知手段515により、下段の達成バロメータT2の報知が終了される。
【0149】
その後、
図14(C)、
図15(C)及び
図16(C)に示すように、第2達成段階の成立後〜第3達成段階の成立前までの間は、報知手段515により、達成バロメータTが「1つ」表示装置84に表示されている。そして、第3達成段階が成立した場合には、
図14(C)、
図15(C)及び
図16(C)に示す残り1つの達成バロメータT3が消滅、すなわち、報知手段515により、残り1つの達成バロメータT3の報知が終了される(
図14(D)及び
図15(D)参照)。
【0150】
また、報知手段515は、ミッション演出の実行中に、所定の情報の報知を行う契機となる報知条件が成立したことに基づいて、少なくとも現在の段階の達成条件が成立するための閾値を示す必要情報を報知可能となっている。このとき、本実施の形態における「報知条件」は、遊技者が演出用操作手段としての演出用ボタンスイッチ42の操作を行うことである。なお、「演出用操作手段」は、遊技者が操作可能なものであればよく、演出用ボタンスイッチ42には限られない。たとえば、スタートスイッチ40やストップスイッチ50を「演出用操作手段」としてもよい。
【0151】
また、本実施の形態では、報知手段515は、
図14(A’)〜(C’)及び
図15(A’)〜(C’)に示すように、演出用ボタンスイッチ42の操作に基づいて、表示装置84が表示する達成バロメータT内に、現在の段階のATチャンスゾーンカウンタ値を示す必要情報を表示させているがこれには限られない。すなわち、報知手段515は、未成立の達成条件全てのATチャンスゾーンカウンタ値を示す必要情報を表示させてもよい。
【0152】
また、報知手段515は、ミッション演出の実行中に、当該ミッション演出に関する説明情報を報知可能となっている。そして、本実施の形態では、複数の説明情報を備えており、報知手段515は、ミッション演出の実行中、複数の説明情報を順々に表示装置84に表示させている。
【0153】
このとき、本実施の形態における「説明情報」としては、
図16(A)に示す、各達成段階が成立した場合のAT抽選の当選確率と、
図16(B)に示す、ミッション演出におけるATチャンスゾーンカウンタの減算契機と、
図16(C)に示す、所定のレア役(たとえば、チェリー役)を引いた場合の態様と、
図16(D)に示す、最終ゲーム時にはATチャンスゾーンカウンタの減算が優遇される旨とがある。なお、「説明情報」は、前記したものに限らず、他の情報であってもよい。また、ミッション演出の実行中に、報知手段515により報知される「説明情報」の数は、前記した数よりも多くても少なくてもよい。
【0154】
(
図10を用いた遊技状態の説明)
次に、
図10を用いて「遊技状態」について説明する。
「遊技状態」は、メイン制御手段200により管理され、
図10に示すように、大別すると、「ノーマル遊技」、「RT遊技」及び「ボーナス遊技」がある。「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT遊技」に移行すると、再遊技役に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。
【0155】
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、「ノーマル遊技」においては「1/7.3」に設定されており、「RT遊技」では「ノーマル遊技」よりも高く、「ボーナス遊技」では「ノーマル遊技」よりも低く(RBB1,2)又は高く(RBB3〜5)設定されている。
「ノーマル遊技」は、ノーマル遊技制御手段251により制御され、「RT0」と、「RT1」とがある。
【0156】
「RT0」から「RT1」には、AT役こぼし図柄を停止表示させた時に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、図示しないが、例えば、左第一停止が不正解のベル役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄である。「RT0」では押し順ナビが実行されず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作している。そのため、例えば「左第一不正解」の役当選時にはAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0157】
「RT遊技」は、RT制御手段252により制御され、「ノーマル遊技」より再遊技役への当選確率の高い「RT2」と、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する「ボーナス内部中」(RBB1,2当選時のRT3とRBB3〜5当選時のRT4)とがある。
ここで、「ノーマル遊技」から「RT遊技」、具体的には、「RT1」から「RT2」には、RT2移行図柄を停止表示させた時に移行する。例えば、図示しないが押し順リプレイ役の押し順「正解」時に、RT2移行図柄を停止表示させた時に移行する。
【0158】
また、「RT2」においてAT役こぼし図柄や転落リプレイ図柄を停止表示させると「RT1」に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、上述したとおり、例えば、左第一停止が不正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄である。例えば、「RT2」において演出状態が
図11のAT状態であれば、押し順が報知されるが、AT状態が終了すると、押し順が報知されず、遊技者は通常の押し順すなわち、ストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、左第一停止が不正解の役に当選してもAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0159】
「ボーナス内部中」は、ボーナス内部中制御手段253により制御され、ボーナス移行役に当選すると、移行する。
「ボーナス遊技」は、ボーナス遊技制御手段254により制御され、「ボーナス内部中」に「ボーナス図柄」を揃えることで移行する。
【0160】
「ボーナス遊技」には、「RBB1」〜「RBB5」がある。ここで、「RBB1」「RBB2」はいわゆる「BB」が連続作動し、所定の枚数、例えば239枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、「RBB3」「RBB4」「RBB5」はいわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、例えば85枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、「ボーナス遊技」終了後、「RT0」に移行する。
【0161】
(
図11を用いた演出状態の説明)
図11に示すように、演出状態は、「通常状態」と、「AT状態」とがある。
【0162】
(通常状態)
「通常状態」は、後述する「AT状態」等の特殊な状態を除いた状態であり、「通常状態」としては、「通常一般状態」と、「ATチャンスゾーン」とがある。なお、「通常状態」の種類や数は、前述したものに限られない。
【0163】
(通常一般状態)
「通常一般状態」は、「通常状態」の後述する「ATチャンスゾーン」等の特殊な状態を除いた状態である。
【0164】
(ATチャンスゾーン)
「ATチャンスゾーン」は、「通常一般状態」よりもAT抽選の当選確率を高く設定することで、「AT状態」に移行しやすいように設定された状態である。
「通常一般状態」から「ATチャンスゾーン」へは、通常一般状態において、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づきATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選した場合に移行する。
【0165】
「ATチャンスゾーン」では、ATチャンスゾーンの終了時に、AT移行抽選手段272によるAT抽選が行われ、当該AT抽選に当選した場合は、後述する「AT状態」に移行する。
一方、ATチャンスゾーンの終了時に、AT移行抽選手段272により行われたAT抽選に当選しなかった場合には、「通常一般状態」に戻る。なお、このAT抽選の当選確率は、ミッション演出の達成段階に基づいて決定される(
図13参照)。
【0166】
なお、「通常状態」には、ATチャンスゾーン移行抽選に当選し「ATチャンスゾーン」への移行が確定した場合に、所定のゲーム数からなる「ATチャンスゾーン前兆状態」を設け、当該「ATチャンスゾーン前兆状態」を経てから「ATチャンスゾーン」へ移行するようにしてもよい。
【0167】
(AT状態)
「AT状態」は、「通常状態」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0168】
「AT状態」としては、「ART状態」と、「上乗せ特化ゾーン」とがある。なお、「AT状態」の種類や数は、前述したものに限られない。
【0169】
(ART状態)
「ART状態」は、「通常状態」より遊技者に有利な状態である。当該「ART状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技であるAT遊技と、RT2とが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
「通常状態」から「ART状態」へは、通常状態において、AT移行抽選手段272により行われるAT抽選に当選した場合に移行する。
【0170】
「ART状態」は、本実施の形態では、50ゲームの遊技が可能に設定されており、50ゲームを消化した後に、ART中のAT遊技を終了し、かつ、AT役こぼし目(転落リプレイ)を表示した場合に「通常状態」へ戻る。すなわち、50ゲームを消化した場合は、ART(AT+RT)のうち、AT遊技が終了するように設定されているため、ストップスイッチ50の押し順の報知が終了され、これに伴い、転落リプレイ図柄の表示を回避するストップスイッチ50の押し順が報知されなくなり、結果として、転落リプレイ図柄を表示した場合に、「通常状態」へ戻る。すなわち、転落リプレイ図柄は、ストップスイッチ50を左第一停止で操作した際に停止表示される図柄61である。AT遊技が終了しているため押し順の報知が行われず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、転落リプレイが図柄停止表示され、「通常状態」に移行する。
【0171】
また、「ART状態」は、後述する「上乗せ特化ゾーン」等の特殊な状態を除いた状態であり、「ART状態」の演出状態としては、「ART通常状態」、「上乗せチャンスゾーン」を備える。
【0172】
(ART通常状態)
「ART通常状態」は、後述する「上乗せチャンスゾーン」等の特殊な状態を除いた状態である。この「ART通常状態」では、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて、上乗せチャンスゾーン移行抽選手段285により上乗せチャンスゾーン移行抽選が行われる。また、「ART通常状態」では、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて、特化ゾーン移行抽選手段274により特化ゾーン移行抽選が行われる。なお、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率は、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率に比べて、低く設定されている。
【0173】
(上乗せチャンスゾーン)
「上乗せチャンスゾーン」は、「ART通常状態」よりも特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選の当選確率を高く設定することで、「上乗せ特化ゾーン」に移行しやすいように設定された状態である。
「ART通常状態」から「上乗せチャンスゾーン」へは、ART通常状態において、上乗せチャンスゾーン移行抽選手段285により行われる上乗せチャンスゾーン移行抽選に当選した場合に移行する。
【0174】
この「上乗せチャンスゾーン」では、各遊技で、特化ゾーン移行抽選手段274により特化ゾーン移行抽選が行われる。また、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率は、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率に比べて、高く設定されている。
そして、上乗せチャンスゾーンに滞在中に特化ゾーン移行抽選に当選しなかった場合には、上乗せチャンスゾーンの所定のゲーム数を消化した後、「ART通常状態」に戻る。
【0175】
(上乗せ特化ゾーン)
「上乗せ特化ゾーン」は、所定のゲーム数、上乗せ遊技制御手段269によりART遊技の遊技区間、本実施の形態では、ART遊技のゲーム数に上乗せするか否か、及び上乗せする場合の上乗せゲーム数を抽選により決定する演出状態である。
【0176】
「ART状態」から「上乗せ特化ゾーン」へは、ART状態において、特化ゾーン移行抽選手段274により行われる特化ゾーン移行抽選に当選した場合に移行する。
そして、上乗せ特化ゾーンの所定のゲーム数消化後、「ART通常状態」に戻る。
【0177】
(
図12、
図14〜
図16を用いた本実施の形態に係るATチャンスゾーンにおける遊技の説明)
以下、
図12、
図14〜
図16を用いて、本実施の形態に係る遊技機10のATチャンスゾーンにおける遊技について上述した内容と重複する部分は省略した上で説明する。
【0178】
図12(D)に示すように、ミッションAとミッションBとでは、各々の第1ATチャンスゾーンカウンタ値及び第3ATチャンスゾーンカウンタ値が異なっているが、特定値が「50」で同様となっている。
そして、この状況下で、ミッションAとミッションBとでは、同様の到達段階「35」にて、各々のATチャンスゾーンの遊技期間である15ゲームを消化して終了した。
【0179】
このとき、ミッションAにおける達成段階は第2達成段階であるため、ミッションAでは、未達時特典付与手段282により、特典として、AT移行抽選手段272によるAT抽選の当選確率が「50%」に設定される(
図13参照)。
【0180】
また、ミッションBにおける達成段階は第1達成段階であるため、ミッションBでは、未達時特典付与手段282により、特典として、AT移行抽選手段272によるAT抽選の当選確率が「25%」に設定される(
図13参照)。
【0181】
すなわち、本実施の形態では、複数のミッション演出の到達段階が同様であっても、それらの各ミッション演出の達成段階が異なることがある。そして、本実施の形態では、ミッション演出が終了したことに基づいて、当該達成した達成段階に応じて、未達時特典付与手段282により特典が付与される結果、上述したように、ミッションAとミッションBとでは、特典として付与されたAT抽選の当選確率が異なることとなっている。
【0182】
(ミッション演出中に行われる各種演出)
なお、上記で一例として説明したミッションAとミッションBとの項目の中では特に記載しなかったが、上記の場合でも、ミッション演出中においては、達成演出の実行、報知手段515による必要情報及び説明情報の報知が行われることとなっている。
具体的には、
図14(A)及び
図15(A)に示すように、ミッションA、ミッションBともに、ミッション演出の開始後〜第1達成段階の成立前までの間は、報知手段515により、達成バロメータTが「3つ」表示装置84に表示されることとなっている。
【0183】
ミッションAにおいては、達成段階が第2達成段階まで成立したので、まず、第1達成段階が成立したことに基づいて、
図14(A)に示す最下段の達成バロメータT1が消滅、すなわち、報知手段515により、達成演出として、最下段の達成バロメータT1の報知が終了されることとなっている。続いて、ミッションAにおいては、第2達成段階が成立したことに基づいて、
図14(B)に示す下段の達成バロメータT2が消滅、すなわち、報知手段515により、達成演出として、下段の達成バロメータT2の報知が終了されることとなっている。
【0184】
一方、ミッションBにおいては、達成段階が第1達成段階まで成立したので、第1達成段階が成立したことに基づいて、
図15(A)に示す最下段の達成バロメータT1が消滅、すなわち、報知手段515により、達成演出として、最下段の達成バロメータT1の報知が終了されることとなっている。
また、
図14(A’)〜(C’)及び
図15(A’)〜(C’)に示すように、ミッションA、ミッションBともに、報知手段515により、ミッション演出の実行中に、報知条件が成立したことに基づいて、必要情報が報知されることとなっている。
【0185】
具体的には、ミッションAにおいては、遊技者により、報知条件としての演出用ボタンスイッチ42の操作が行われたことに基づいて、ミッション演出の開始後〜第1達成段階の成立前までの間では、
図14(A’)に示すように、必要情報として「10」が表示されることとなっている。また、ミッションAにおいては、遊技者により、報知条件としての演出用ボタンスイッチ42の操作が行われたことに基づいて、第1達成段階の成立後〜第2達成段階の成立前までの間では、
図14(B’)に示すように、必要情報として「15」が表示されることとなっている。さらに、ミッションAにおいては、遊技者により、報知条件としての演出用ボタンスイッチ42の操作が行われたことに基づいて、第2達成段階の成立後〜第3達成段階の成立前までの間では、
図14(C’)に示すように、必要情報として「25」が表示されることとなっている。
【0186】
一方、ミッションBにおいては、遊技者により、報知条件としての演出用ボタンスイッチ42の操作が行われたことに基づいて、ミッション演出の開始後〜第1達成段階の成立前までの間では、
図15(A’)に示すように、必要情報として「30」が表示されることとなっている。また、ミッションBにおいては、遊技者により、報知条件としての演出用ボタンスイッチ42の操作が行われたことに基づいて、第1達成段階の成立後〜第2達成段階の成立前までの間では、
図15(B’)に示すように、必要情報として「15」が表示されることとなっている。
【0187】
また、
図16に示すように、ミッションA、ミッションBともに、報知手段515により、当該ミッション演出に関する説明情報が報知されることとなっている。なお、
図16は、一例としてミッションAにおいて報知される説明情報を示したものであるが、ミッションB等のその他のミッション演出においても
図16と同様に説明情報が報知されることとなっている。
【0188】
具体的には、ミッションA、ミッションBともに、説明情報のうち、各達成段階を成立した場合のAT抽選の当選確率として、第1達成段階が成立した場合は「25%」、第2達成段階が成立した場合は「50%」、第3達成段階が成立した場合は「確定(100%)」である旨が報知手段515により報知されることとなっている(
図16(A)参照)。
また、ミッションA、ミッションBともに、説明情報のうち、ミッション演出におけるATチャンスゾーンカウンタの減算契機として、各ゲームの払出枚数がATチャンスゾーンカウンタから減算される旨が報知手段515により報知されることとなっている(
図16(B)参照)。
【0189】
また、ミッションA、ミッションBともに、説明情報のうち、所定のレア役を引いた場合の態様として、チェリー役に当選し、当該当選したチェリー役が入賞した場合には、1ゲーム分、ATチャンスゾーンの遊技期間がホールド(一時中断)される旨が報知手段515により報知されることとなっている(
図16(C)参照)。
また、ミッションA、ミッションBともに、説明情報として、最終ゲーム時にはATチャンスゾーンカウンタが当該ATチャンスゾーンにおける他のゲーム時と比べて2倍減算される旨が報知手段515により報知されることとなっている(
図16(D)参照)。
【0190】
(本実施の形態の作用効果)
本実施の形態では、少なくとも同一の特定条件が設定された、ミッションAとミッションBとがあり、これらミッションAとミッションBとの間では、予め有利・不利との区別がなされていない。
【0191】
しかし、本実施の形態では、特定条件が成立することなくATチャンスゾーンの遊技期間である15ゲームが終了したときに、ミッションAの到達段階とミッションBの到達段階とが同様であっても、ミッションAの達成条件の達成段階とミッションBの達成条件の達成段階とが異なることにより、未達時特典付与手段282で付与される特典が異なることとなっている。
【0192】
そのため、本実施の形態によれば、予めミッション演出間に有利・不利を定め、ミッション演出間の出現率を考慮して、有利なミッション演出の出現率を低く設定する必要がない。すなわち、本実施の形態によれば、実行されたミッション演出の達成条件の達成段階に基づき未達時特典付与手段282で付与される特典が決定されるため、ミッション演出の実行前においてミッション演出間の有利・不利を定めてミッション演出間の出現率を考慮する必要がないからである。その上で、本実施の形態によれば、ミッション演出間の到達段階が同様であっても、ミッション演出間の達成条件の達成段階が異なることにより、ミッション演出間で付与される特典を異ならせることができるので、ミッション演出間で獲得可能な特典の有利度を変化させることができる。
【0193】
また、本実施の形態によれば、ミッション演出において特定条件が成立しなくとも、当該ミッション演出の達成条件の達成段階に応じて遊技者に特典を付与できるため、遊技者にミッション演出における一定の期待感を生じさせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0194】
また、本実施の形態によれば、達成条件が成立したことをミッション演出の種類にかかわらず認識することができる。そのため、本実施の形態によれば、ミッション演出に対する遊技者の理解を早めることができ、ミッション演出に対する興味を抱かせ、遊技の興趣を高めることができる。
【0195】
また、本実施の形態によれば、ミッション演出の実行中に、報知条件が成立したことに基づいて、報知手段515により少なくとも現在の段階の必要情報を報知することができる。そのため、本実施の形態によれば、必要情報が報知されるまでのミッション演出中においては、現在の段階の閾値が認識できず現在の達成条件を認識できないので、今後行われるミッション演出の遊技の進行に一喜一憂させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、本実施の形態によれば、報知手段515により少なくとも現在の段階の必要情報が報知された場合には、遊技者は現在の達成条件を認識できるので、必要情報が報知されない構成に比して、ミッション演出に対する理解を深めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0196】
また、本実施の形態によれば、遊技者が演出用操作手段としての演出用ボタンスイッチ42の操作を行うことで報知条件を成立させることができる。そのため、本実施の形態によれば、遊技者は自らの「必要情報を知りたい」という意思に基づき、演出用ボタンスイッチ42の操作を行うことで必要情報を知ることができることとなり、ミッション演出の遊技の展開に応じて自らの意思で自由に必要情報を知ることができる。
【0197】
また、本実施の形態によれば、ミッション演出の実行中に、報知手段515により説明情報を報知することができる。そのため、本実施の形態によれば、遊技者は、現在行われているミッション演出に関する説明情報を取得することができるので、説明情報が報知されない構成に比して、ミッション演出に対する理解を深めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0198】
また、本実施の形態によれば、達成条件決定手段264は、第1達成条件の閾値と、第2達成条件の閾値と、第3達成条件の閾値との決定に際し、複雑な決定方法をとる必要がない。すなわち、本実施の形態によれば、第1達成条件、第2達成条件及び第3達成条件とで独立した抽選テーブルから、その他の達成条件の抽選結果にかかわらず、独立して抽選に係る達成条件を決定しているため、複雑な抽選テーブルを設ける必要がない。さらに、本実施の形態によれば、達成条件決定手段264により、第1達成条件、第2達成条件及び第3達成条件とで独立して決定されたこれらの達成条件毎の閾値を組み合わせることで、ミッション演出における達成条件の態様を多数設けることができる。
【0199】
(第1の変形例)
(概要)
以下、本実施の形態の第1の変形例を本実施の形態と重複する部分は説明を省略して説明する。
第1の変形例では、「特定値」の決定方法が、第1ATチャンスゾーンカウンタ値と、第2ATチャンスゾーンカウンタ値と、第3ATチャンスゾーンカウンタ値との合計値を「特定値」とする本実施の形態と異なっている。
【0200】
具体的には、第1の変形例おける「特定値」は、予め設定されたものである。そして、第1の変形例おける「特定値」は、「50」に設定されている。すなわち、第1の変形例では、ミッション演出中に「50枚」のメダルを払い出すことで、ミッション演出における特定条件が成立することとなっている。なお、第1の変形例おける「特定値」は「50」に限らず、これよりも多くても少なくてもよい。
【0201】
そして、第1の変形例では、その設定された特定値「50」をミッション演出の実行時に、達成条件決定手段264により3つの閾値に割り振って、当該割り振られた3つの閾値が第1ATチャンスゾーンカウンタ値、第2ATチャンスゾーンカウンタ値及び第3ATチャンスゾーンカウンタ値として設定される。
具体的には、第1の変形例における第1達成条件に係る第1ATチャンスゾーンカウンタ値と第2達成条件に係る第2ATチャンスゾーンカウンタ値とは、達成条件決定手段264による第1達成抽選又は第2達成抽選にて決定される(
図17(A)及び(B)参照)。
【0202】
一方、第1の変形例における第3達成条件に係る第3ATチャンスゾーンカウンタ値は、抽選により決定されるものではなく、特定値から、第1達成抽選又は第2達成抽選にて決定された第1ATチャンスゾーンカウンタ値及び第2ATチャンスゾーンカウンタ値を減算することにより決定される。
具体的には、
図17(C)に示すように、第3ATチャンスゾーンカウンタ値は、達成条件決定手段264により、特定値「50」から、第1達成抽選にて決定された第1ATチャンスゾーンカウンタ値及び第2達成抽選にて決定された第2ATチャンスゾーンカウンタ値を減算して決定される。
【0203】
なお、第1の変形例では、特定値を「30」、「40」又は「50」等のように複数備え、特定値自体を抽選で選択することとしてもよい。その上で、達成条件決定手段264による第1達成抽選及び第2達成抽選にて、第1ATチャンスゾーンカウンタ値と第2ATチャンスゾーンカウンタ値とを決定し、第3ATチャンスゾーンカウンタ値を特定値から第1ATチャンスゾーンカウンタ値及び第2ATチャンスゾーンカウンタ値を減算して決定してもよい。この場合、達成条件決定手段264は、複数の特定値に対応した抽選テーブルを備えており、当該選択された特定値に対応した抽選テーブルを用いて第1達成抽選及び第2達成抽選を行うこととなっている。
【0204】
(
図17を用いた第1の変形例に係るATチャンスゾーンにおける遊技の説明)
以下、
図17を用いて、第1の変形例に係る遊技機10のATチャンスゾーンにおける遊技について説明する。
【0205】
第1の変形例では、ATチャンスゾーン移行抽選手段271が行うATチャンスゾーン移行抽選に当選した後、ATチャンスゾーン制御手段263により、ミッション選択抽選が行われることとなっている。
以下の説明では、ミッション演出として、ミッションAと、ミッションAとは別の契機に行われたミッションBとの双方を遊技したものとする。
以下、ミッションA→ミッションBの順に説明する。
【0206】
(ミッションA)
図17(D)に示すように、ミッションAでは、達成条件決定手段264による第1達成抽選にて第1ATチャンスゾーンカウンタ値が「10」、第2達成抽選にて第2ATチャンスゾーンカウンタ値が「15」に決定された。そして、ミッションAでは、達成条件決定手段264により、特定値「50」から、第1ATチャンスゾーンカウンタ値「10」及び第2ATチャンスゾーンカウンタ値「15」が減算され(50−10−15=25)、第3ATチャンスゾーンカウンタ値が「25」に決定された。
【0207】
なお、達成条件決定手段264により、第1ATチャンスゾーンカウンタ値、第2ATチャンスゾーンカウンタ値及び第3ATチャンスゾーンカウンタ値が決定された後の流れは、本実施の形態で説明した流れと同様のため、説明を省略する。
【0208】
(ミッションB)
次に、ミッションBでは、達成条件決定手段264による第1達成抽選にて第1ATチャンスゾーンカウンタ値が「25」、第2達成抽選にて第2ATチャンスゾーンカウンタ値が「15」に決定された。そして、ミッションBでは、達成条件決定手段264により、特定値「50」から、第1ATチャンスゾーンカウンタ値「25」及び第2ATチャンスゾーンカウンタ値「15」が減算され(50−25−15=10)、第3ATチャンスゾーンカウンタ値が「10」に決定された。
【0209】
なお、達成条件決定手段264により、第1ATチャンスゾーンカウンタ値、第2ATチャンスゾーンカウンタ値及び第3ATチャンスゾーンカウンタ値が決定された後の流れは、本実施の形態で説明した流れと同様のため、説明を省略する。
【0210】
(まとめ)
以上説明したように、第1の変形例においても本実施の形態と同様に、複数のミッション演出の到達段階が同様であっても、それらの各ミッション演出の達成段階が異なることがある。そのため、第1の変形例では、ミッション演出が終了したことに基づいて、当該達成した達成段階に応じて、未達時特典付与手段282により特典が付与される結果、上述したように、ミッションAとミッションBとでは、特典として付与されたAT抽選の当選確率が異なることとなっている。
【0211】
なお、第1の変形例におけるミッション演出においても、本実施の形態におけるミッション演出と同様に、ミッション演出中において、達成演出の実行、報知手段515による必要情報及び説明情報の報知が行われる。
【0212】
(第2の変形例)
(概要)
以下、本実施の形態の第2の変形例を本実施の形態及び第1の変形例と重複する部分は説明を省略して説明する。
【0213】
第2の変形例は、第1の変形例と同様に、「特定値」が予め「50」に設定されている。なお、第2の変形例における特定値は「50」に限らず、これより多くても少なくてもよい。
【0214】
また、第2の変形例では、
図18(A)に示すように、特定値が「50」で同様であるが、第1ATチャンスゾーンカウンタ値、第2ATチャンスゾーンカウンタ値及び第3ATチャンスゾーンカウンタ値の組み合わせが異なる6種類のミッション演出がミッションA〜ミッションFまで設けられている。そして、第2の変形例では、ATチャンスゾーン移行抽選手段271が行うATチャンスゾーン移行抽選に当選した後、ATチャンスゾーン制御手段263により、ミッション選択抽選が行われ、これら6種類の中から1つのミッション演出が選択される。なお、第2の変形例におけるミッション演出の種類は、6種類に限らず、これより多くても少なくてもよい。また、第2の変形例の各ミッション演出にて割り振られた第1ATチャンスゾーンカウンタ値、第2ATチャンスゾーンカウンタ値及び第3ATチャンスゾーンカウンタ値の組み合わせは、
図18(A)に示すものに限らず、特定値が「50」になるものであればよい。
【0215】
(
図18を用いた第2の変形例に係るATチャンスゾーンにおける遊技の説明)
以下、
図18を用いて、第2の変形例に係る遊技機10のATチャンスゾーンにおける遊技について説明する。
第2の変形例では、たとえば、遊技者は、ミッション演出として、ATチャンスゾーン制御手段263によるミッション選択抽選にて、ミッションAが選択され、ミッションAとは別の契機にミッションBが選択され、双方のミッション演出を遊技したものとする。
以下、ミッションA→ミッションBの順に説明する。
【0216】
(ミッションA)
図18(B)に示すように、ミッションAでは、特定値「50」が、予め、第1ATチャンスゾーンカウンタ値に「10」、第2ATチャンスゾーンカウンタ値に「15」、第3ATチャンスゾーンカウンタ値に「25」として振り分けられている。
なお、ATチャンスゾーン制御手段263によるミッション選択抽選にて、ミッションAが選択された後の流れは、本実施の形態で説明した流れと同様のため、説明を省略する。
【0217】
(ミッションB)
また、ミッションBでは、特定値「50」が、予め、第1ATチャンスゾーンカウンタ値に「30」、第2ATチャンスゾーンカウンタ値に「15」、第3ATチャンスゾーンカウンタ値に「5」として振り分けられている。
なお、ATチャンスゾーン制御手段263によるミッション選択抽選にて、ミッションBが選択された後の流れは、本実施の形態で説明した流れと同様のため、説明を省略する。
【0218】
(まとめ)
以上説明したように、第2の変形例においても本実施の形態と同様に、複数のミッション演出の到達段階が同様であっても、それらの各ミッション演出の達成段階が異なることがある。そのため、第2の変形例では、ミッション演出が終了したことに基づいて、当該達成した達成段階に応じて、未達時特典付与手段282により特典が付与される結果、上述したように、ミッションAとミッションBとでは、特典として付与されたAT抽選の当選確率が異なることとなっている。
【0219】
なお、第2の変形例におけるミッション演出においても、本実施の形態におけるミッション演出と同様に、ミッション演出中において、達成演出の実行、報知手段515による必要情報及び説明情報の報知が行われる。
【0220】
なお、以上で説明した、本実施の形態、第1の変形例及び第2の変形例では、ミッション演出をATチャンスゾーンにて行うこととしたがこれには限られない。たとえば、
図11に示す「上乗せチャンスゾーン」にてミッション演出を行うこととし、「上乗せチャンスゾーン」にて、以上で説明した構成を採用することとしてもよい。
【解決手段】第1特定演出と第2特定演出とがあり、達成条件決定手段と、未達時特典付与手段とを備え、特定演出では、特定条件が成立することなく期間終了条件が成立したときに、第1特定演出の到達段階と第2特定演出の到達段階とが同様であっても、第1特定演出の達成条件の達成段階と第2特定演出の達成条件の達成段階とが異なることにより、未達時特典付与手段で付与される特典が異なる。