特許第6178954号(P6178954)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6178954
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20170731BHJP
【FI】
   B65F1/00 R
   B65F1/00 M
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-145764(P2016-145764)
(22)【出願日】2016年6月27日
【審査請求日】2016年8月29日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516222875
【氏名又は名称】野口 拓馬
(74)【法定代理人】
【識別番号】516222864
【氏名又は名称】野口 千春
(72)【発明者】
【氏名】野口 拓馬
【審査官】 青木 正博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−183504(JP,A)
【文献】 特開平06−183501(JP,A)
【文献】 実開昭62−132001(JP,U)
【文献】 実開昭58−183341(JP,U)
【文献】 特開2002−293401(JP,A)
【文献】 実開平07−000909(JP,U)
【文献】 実開昭62−183601(JP,U)
【文献】 特開平09−309602(JP,A)
【文献】 実開昭61−145702(JP,U)
【文献】 実開昭61−011605(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00− 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製のゴミ箱において、ゴミ箱の上端部に紙からなる折り込み蓋を一体的に設け、ゴミ箱の底部分は第1の紙で形成され、ゴミ箱の底部壁部分を前記第1の紙より薄い第2の紙、前記第1の紙、前記第2の紙の順に紙を重ね合わせ形成し、上部口付近には前記第2の紙及び、前記第2の紙より薄い第3の紙を折り込み蓋として形成すると共に、中間壁部分には前記第2の紙を間隔を隔てて配置することで空部分を形成することを特徴とするゴミ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ箱に関し、レジ袋などを使うことがないエコを図ったゴミに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のゴミ箱は、プラスチックなどの素材からケース状に作られ、そこにビニール袋やレジ袋といったものを入れて使用するものだった。
また、ビニール袋のゴミがいっぱいになった時にゴミ箱から袋を取り出し、また装着するということが大変だった。この問題の解決として(例えば、特許文献1参照)紙容器のゴミ箱を20〜30枚に重ね、ゴミがいっぱいになれば1枚1枚紙容器を取り出し捨てるタイプのものがある。
しかしながら、紙容器のゴミ箱いっぱいにゴミを入れてしまうと捨てる時に結ぶことが出来なくなってしまう。また、紙容器のゴミ箱の枚数が残り少なくなってきた時、硬さのあるゴミやかさばるゴミを入れたときに、紙容器のゴミ箱の底の部分が膨れ上がり、取り出しが困難になる可能性がある。更に紙容器のゴミ箱を取り出すときの持ち手が狭いため、スムーズに取り出しを行うことが出来ない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−079031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なゴミ箱はビニール袋を用いて使用するため、ビニール袋の消費が多くなり、環境に悪いと言う問題点とゴミ袋が一杯になった都度、ゴミ箱から袋を取り外し、装着する手間がある。
【0005】
また、紙容器のゴミ箱の枚数が残り少なくなってきた時にゴミ箱の下部が膨れ上がり、取り出しが困難になる危険性もある。
【0006】
更に、紙容器のゴミ箱いっぱいにゴミを入れてしまうと縛ることが出来ず、ビニールと違い紙は伸ばすことが出来ないため、無理に縛ろうとしても破れてしまう危険性がある。また、紙容器のゴミ箱を重ねた場合、取り出し口の紙の面積が狭いため、スムーズに紙容器のゴミ箱を取り出すことが困難である。
本発明はこれらを解決、軽減するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
再生紙でゴミ箱本体を作り、紙容器にする。その時に紙容器を紙コップのように積み重ねることにより、ゴミを処分する都度ビニール袋を装着する手間を省くことが出来る。
また、これによりビニール袋の消費を最小限に抑え、環境保護に繋がることを可能となった。
【0008】
紙の素材の種類としては、薄紙、普通紙、厚紙の計三種を使用する。これを普通紙、厚紙、普通紙の順で下部の壁に重ね合わせ強度を上げ、膨れ上がることがなくなった。また上部には厚紙を挟まず普通紙、普通紙で重ねたため下部より強度がなく紙容器のゴミ箱を縛り処分する際にかさばることがなくコンパクトに潰すことが出来る構造とした。なお、薄紙、普通紙、厚紙は具体的な数値で示すものではなく、3者の相対的な厚さを示す。
【0009】
上部口を普通紙、薄紙、普通紙の順で重ね合わせ薄紙のみを長めに取り(例えばゴミ箱の高さが10cmとして、普通紙と普通紙に挟む薄紙のみ15cm)
上部口からはみ出た余分な薄紙を外側に織り込み更にそれを上部口と重なるように山折りにする。この余分な薄紙を縛り口として紙容器のゴミ箱を取り出すとき上部口と重なっている薄紙を持ち持ち上げる。これにより山折になっている部分が広がり縛り口となる。また、取り出すときは薄紙を引っ張るためスムーズに取り出しが可能で尚且つ柔らかい紙のため、安易に縛ることが可能な構造とした。
【発明の効果】
【0010】
これまでは、ゴミ箱にビニール袋を入れて取り付けていたが、ゴミ箱自体を捨てられるように再生紙でゴミ箱の形をした紙容器を作り、更にそれを積み重ねる構造のため、ビニール袋を使用しない環境に良いゴミ箱となり、ゴミを処分する都度ビニール袋を装着する手間を省くことを可能とした。
【0011】
また、下部を普通紙、厚紙、普通紙で重ね合わせ3構造としたため下部の強度を確保出来たことにより、積み重ねている紙用紙のゴミ箱の残り枚数が少なくなったとしてもゴミによって下部が膨れ上がることを無くすことを可能とした。
【0012】
更に、上部には厚紙が挟まっていないため紙容器のゴミ箱をコンパクトに潰すことを可能とした。
【0013】
また、上部口は普通紙、薄紙、普通紙で重ね合わせた3層構造とし、上部口から余分に出た薄紙を縛り口とし、外側に織り込み更に上部口と重なるように山折りした構造により、持ち手が山折りした薄紙となり取り出しがスムーズに行え、同時に山折りした余分な薄紙の部分が広がりそのまま縛ることを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の全体図である。
図2】本発明の4分の1を切り取り、中の構造を表した図である。
図3】本発明を重ねたときの全体の図である。
図4】本発明の断面平面図の薄紙を外側に折りたたんだ時の図面である
図5】折り込み蓋部を巻回して形成した図面である。
図6】本発明を断面平面図にし、紙容器に用いる紙の構造を拡大した図また折り曲げてある薄紙を広げた時の図面である。
図7】本発明の上部縛り口を延伸し縛った時の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のゴミ箱6は厚紙1、普通紙2、薄紙3の計3種を用いて製作されているゴミ箱であり、厚紙1を用いて、かさばるゴミ、硬いゴミによる紙容器本体部の損傷を防ぐことを可能とし、更に薄紙3を縛り口として使用するため、ビニール袋とは違いゴミを捨てる都度ビニール袋を取り替える必要もなく簡単に縛ることが出来るものである。
また、ゴミ箱には大、中、小様々な大きさの種類があるため、具体的な数値は表現しないこととし、必要に応じて設定するものとする。
【0016】
ゴミ箱6の底部7が厚紙1で形成され、胴部8下部壁部分が普通紙2及び厚紙1と普通紙2を重ね合わせ形成し、胴部8中間壁部分は普通紙2及び普通紙2を重ね合わせ形成し、内部に空部分4を形成し、胴部8上部口付近は普通紙2及び薄紙3と普通紙2を重ね合わせ形成される。
薄紙3によって形成される折り込み蓋9の使用法については後述する。
【0017】
折り込み蓋9は、ゴミ箱6上部を覆うことの出来る長さであり、ゴミ箱6外壁に折り込まれ形成されているため、薄紙3で形成された折り込み蓋9を延伸させることにより、ゴミ箱6の縛り口として縛ることが可能である。
【0018】
図2の薄紙3のようにゴミ箱6上部口からゴミ箱6外壁に折りたたまれ、更に山折とされ形成された折り込み蓋9を有しており、ゴミ箱6上部いっぱいまでゴミを入れたとしてもゴミ箱6上部口からゴミ箱6外壁に折り込まれ形成された折り込み蓋9があるため、延伸させることによって縛り口となり、ゴミ箱6に入れたゴミの量を考えずに縛ることを可能とした。
【0019】
また、図3のようにゴミ箱6が複数重なって形成されているため、ゴミがいっぱいになり処分時にゴミ箱6を持ち上げ使用するため、下に新たなゴミ箱6が出現し、ビニール袋の装着を必要としない環境保護に繋がることが出来ると思われる。
【0020】
更に、処分時ゴミ箱6を持ち上げ時、薄紙3で形成された折り込み蓋9を持ち手とするため、ゴミの重さを利用することにより折り込み蓋9が自然と延伸することを可能とし、使用者自ら折り込み蓋9を延伸させる必要が無くなる。
【0021】
更に、従来のゴミ箱と違い、ビニール袋を使用しないため、ゴミ捨ての都度ビニール袋の装着を必要とせず、使用者の手間を省くことが可能と共に、ビニール袋の消費を抑えることが可能である。
【0022】
図4のように、ゴミ箱6胴部8下部壁部分が普通紙2及び厚紙1と普通紙2の順で重ね合わせ形成した胴部8のため胴部8中間壁部分及び上部壁部分より強度が高く、硬いゴミなどによるゴミ箱6胴部8下部壁部分が膨れ上がるなどの損傷を防ぐことを可能とした。
【0023】
また、ゴミ箱6胴部8中間壁部分が普通紙2及び普通紙2を重ね合わせ形成したことによって、胴部8中間壁部分内部に空部分4を設けることにより、胴部8下部壁部分より強度が低く、折り込み蓋9を縛り口として使用した後、使用者自らゴミ箱6を押し潰すことによりコンパクトになり、ゴミ箱6処分時かさばることを無くした。
【0024】
更に、ゴミ箱6胴部8下部壁部分を普通紙2及び厚紙1の二枚構造とすることも可能とし、胴部8中間壁部分を普通紙2のみで形成し、よりコンパクトにすることも可能である。
【0025】
また、胴部8上部口付近も同様に、普通紙2及び薄紙3の二枚構造にすることも可能である。
【0026】
更に、ゴミ箱6底部7を厚紙1で形成することにより、ゴミを投下時底部7に穴が開いてしまうなどの損傷を防ぐことを可能とした。
【0027】
また、薄紙3で形成された折り込み蓋9はゴミ箱6上部口からゴミ箱6上部口外壁に折り込み、更に山折りすることによりゴミ箱6上部口外壁と一体的にされた縛り口とする。
【0028】
図5のように折り込み蓋9はゴミ箱6上部口外壁に折り込むだけでは無く、ロール状に巻回することも可能である。
【0029】
更に、図6のように薄紙を広げた部分5はゴミ箱6上部口付近の普通紙2及び普通紙2に薄紙3が挟まれ形成され、薄紙を広げた部分5はゴミ箱6胴部8上部を覆うことが可能な長さとする。
【0030】
図7のように紙の性質である形の維持を利用し、薄紙を広げた部分5を手で紙を回転させ縛り輪ゴムやテープ類を使用せずとも上部口を閉ざすことが出来る。そのため紙のみを使用しゴミを包むことが出来るため、自然と環境保護に繋がることが出来ると思われる。
【0031】
ゴミ箱6に用いられる紙は、環境保護の観点から再生紙を使用することが望ましい。
【0032】
本発明のゴミ箱6のデザイン性については男性、女性関係なしに使用することを可能とするため、図3のようにゴミ箱6を積み重ねた1枚1枚の紙容器ゴミ箱の色を変え、カラフル色とする。例えば赤、黄色、緑、ピンクなどのようにゴミ箱1枚1枚の色全てを一色に統一せず、様々な色を用いることでインテリアとして置くことも出来、男女関係なしに使用することが可能である。
【0033】
更に、厚紙1と普通紙2及び薄紙3を防水加工にすることで油ものや、水によるゴミ箱6の底部7と、胴部8の破損を防ぐことを可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0034】
ゴミ箱はどの家庭、企業にも必ずあるほどの日常生活の必需品であり、そのためゴミ箱に装着する多くのビニール袋が消費されている。そして今現在地球温暖化は国際問題とされるまでの深刻な状況の中、本発明は新たなエコ商品として大きく貢献できる。また、本発明のそのまま捨てられるゴミ箱の販売ブース設置として、スーパーや大型ショッピングモールなど、多くの人が訪れるような場所に新たな日常品のエコグッズとして提供できる。
近年のエコグッズは使用者が意識したり、本来の商品より手間を掛けなければならなかったが、本発明は意識せずともエコに参加でき、さらに本来のゴミ箱に必要な袋を装着する手間も省くことが出来るため、新たなエコ商品として周囲から認められる可能性を多く秘めていると思われる。
【符号の説明】
【0035】
1 厚紙
2 普通紙
3 薄紙
4 空部分
5 薄紙を広げた部分
6 ゴミ箱
7 底部
8 胴部
9 折り込み蓋
【要約】
【課題】 従来のゴミ箱にはゴミを処分する都度、ビニール袋を装着しなければならないが手間が掛かってしまう。この手間を解消し、ビニール袋を使用しない新たなエコな商品を提供する。
【解決手段】 厚紙、普通紙、薄紙計3種の再生紙で構成された紙容器型のゴミ箱であり、それらを紙コップ状に重ねることで袋の装着を必要とせず、また再生紙のため、自然とエコに繋がることが出来る。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7