特許第6178999号(P6178999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日東工業株式会社の特許一覧

特許6178999電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造
<>
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000002
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000003
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000004
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000005
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000006
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000007
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000008
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000009
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000010
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000011
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000012
  • 特許6178999-電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178999
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   H05K7/18 C
   H05K7/18 D
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-210695(P2013-210695)
(22)【出願日】2013年10月8日
(65)【公開番号】特開2015-76461(P2015-76461A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】高津 祐司
(72)【発明者】
【氏名】茶之木 大輔
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−280770(JP,A)
【文献】 特表2006−523016(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0448545(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00 〜 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に隣接して配置された支柱フレーム間を連結金具で連結した電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造であって、
これらの支柱フレーム間には略全長にわたってパッキンが設けられ、
連結金具はこのパッキンを支柱フレームの略全長にわたってキャビネットの外側から覆い、隠蔽した構造であることを特徴とする電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造。
【請求項2】
キャビネットが屋根部と、屋根部から垂下された垂下辺とを備えたものであり、連結金具の上端を垂下辺の下端よりも上側としたことを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造。
【請求項3】
連結金具は、パッキンを支柱フレームの外側に押圧するものであることを特徴とする請求項2記載の電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造。
【請求項4】
連結金具は、垂直辺の左右にこの垂直辺に対して鈍角をなす傾斜辺を有し、これらの傾斜辺を支柱フレームの外側に形成された傾斜部に固定したことを特徴とする請求項3記載の電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造。
【請求項5】
支柱フレームはその傾斜部の端部に凸部を有し、パッキンをこの凸部と連結金具の垂直辺とによって押圧したことを特徴とする請求項4記載の電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造。
【請求項6】
連結金具は、一方の支柱フレームの外側に接する外側辺と、他方の支柱フレームの内側に接する内側辺とを備えたものであることを特徴とする請求項3記載の電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造。
【請求項7】
連結金具の外側辺は、垂直辺とこの垂直辺に対して鈍角をなす傾斜辺とを有し、この傾斜辺を支柱フレームの外側に形成された傾斜部に固定するとともに、支柱フレームの傾斜部の端部に形成された凸部と前記垂直辺との間でパッキンを押圧したことを特徴とする請求項6記載の電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム式キャビネットの隣接する支柱フレーム間を連結する電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレーム式キャビネットの隣接する支柱フレーム間を連結する構造としては、特許文献1に示すように、支柱フレームの内側に断面L字状の連結金具をそれぞれ取付け、これらの連結金具間をボルトで固定したり、平板状の連結金具の左右に支柱フレームをそれぞれボルト固定する構造が一般的である。しかしこのような構造は連結金具の部品点数が多くなったり、連結強度が低いという問題があった。
【0003】
また、連結部に防水性や防塵性が求められる場合には、支柱フレーム間にパッキンを貼り付けるのが一般的であるが、このパッキンの端部はキャビネットの外側に露出することとなるため劣化しやすいうえ、見栄えが悪いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−78266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、支柱フレーム間の連結部の強度を高めるとともに、パッキンの劣化を抑制する電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、左右に隣接して配置された支柱フレーム間を連結金具で連結した電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造であって、これらの支柱フレーム間には略全長にわたってパッキンが設けられ、連結金具はこのパッキンを支柱フレームの略全長にわたってキャビネットの外側から覆い、隠蔽した構造であることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明は請求項1の発明において、キャビネットが屋根部と、屋根部から垂下された垂下辺とを備えたものであり、連結金具の上端を垂下辺の下端よりも上側としたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明は請求項2の発明において、連結金具は、パッキンを支柱フレームの外側に押圧するものであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明は請求項3の発明において、連結金具は、垂直辺の左右にこの垂直辺に対して鈍角をなす傾斜辺を有し、これらの傾斜辺を支柱フレームの外側に形成された傾斜部に固定したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明は請求項4の発明において、支柱フレームはその傾斜部の端部に凸部を有し、パッキンをこの凸部と連結金具の垂直辺とによって押圧したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の発明は請求項3の発明において、連結金具は、一方の支柱フレームの外側に接する外側辺と、他方の支柱フレームの内側に接する内側辺とを備えたものであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7の発明は請求項6の発明において、連結金具の外側辺は、垂直辺とこの垂直辺に対して鈍角をなす傾斜辺とを有し、この傾斜辺を支柱フレームの外側に形成された傾斜部に固定するとともに、支柱フレームの傾斜部の端部に形成された凸部と前記垂直辺との間でパッキンを押圧したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電気機器収納用キャビネットのフレーム連結構造は、連結金具を支柱フレームの略全長にわたって形成したので、連結強度が高まるとともに、防水性能も向上する。また、連結金具によってパッキンがキャビネットの外側から覆われるので、パッキンの劣化を抑制することが可能であるうえ、見栄えも良くなる。
【0014】
請求項2のように、連結金具の上端位置を屋根部から垂下された垂下辺の下端よりも上側としておけば、連結金具の上端から雨水が浸入することを防止することができ、防水性能を高めることができる。
【0015】
請求項3のように、連結金具がパッキンを支柱フレームの外側に押圧する構造としておけば、支柱フレーム間の防水性能を向上させることができる。
【0016】
請求項4のように、連結金具の左右の傾斜辺を支柱フレームの外側に形成された傾斜部に固定した構造とすれば、連結時に支柱フレームどうしを引き付ける力が生じ、連結作業性を高めることができる。また支柱フレームの内側の面にオプション機器等を取付けることが可能となる。
【0017】
請求項5のように、支柱フレームはその傾斜部の端部に凸部を有し、パッキンをこの凸部と連結金具の垂直辺とによって押圧した構造とすれば、防水効果を高くすることができると同時に、凸部と連結金具の垂直辺との間にパッキンの収納空間を形成することができ、パッキンを押圧し過ぎることがないので、パッキンの切断や損傷を防止することができる。
【0018】
請求項6のように、連結金具が一方の支柱フレームの外側に接する外側辺と、他方の支柱フレームの内側に接する内側辺とを備えた構造とすれば、連結金具の強度を確保することができるとともに、フレームの耐震強度も高めることができる。
【0019】
請求項7の構造とすれば、一方の支柱フレームの外側に形成された傾斜部に蝶番を取付けた場合にも、連結金具の取付けが可能となる。また連結金具の外側の傾斜辺を支柱フレームの傾斜部に固定することで、連結時に引き付け力が生じ、連結作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】フレーム式キャビネットの全体斜視図である。
図2】第1の実施形態を示す要部の分解斜視図である。
図3】第1の実施形態を示す要部の斜視図である。
図4】第1の実施形態を示す水平断面図である。
図5】第1の実施形態の変形例を示す水平断面図である。
図6】第2の実施形態を示す要部の分解斜視図である。
図7】第2の実施形態を示す要部の斜視図である。
図8】第2の実施形態を示す水平断面図である。
図9】第2の実施形態の変形例を示す水平断面図である。
図10】第3の実施形態を示す水平断面図である。
図11】キャビネット全体の分解斜視図である。
図12】屋根の下部の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明のフレーム連結構造が用いられた電気機器収納用のフレーム式キャビネットの全体斜視図である。このフレーム式キャビネットは、4つのコーナー枠体1と2つの四角枠体2とによって、箱体状のフレーム枠体を構成している。これらのコーナー枠体1も四角枠体2も、上部水平フレーム3、下部水平フレーム4、支柱フレーム5などのフレーム辺を組み合わせて構成されている。これらのコーナー枠体1の隣接する支柱フレーム5どうしを連結したり、コーナー枠体1と四角枠体2の隣接する支柱フレーム5どうしを連結したり、フレーム式キャビネットどうしを連結するために、以下に説明する連結金具6が用いられている。
【0022】
図2図5は、本発明の第1の実施形態を示すものである。支柱フレーム5は図4に示すように、断面が中空の直角二等辺三角形状のものであり、キャビネットの外側に向けて配置される傾斜部7の両端に、水切り用の凸部8が形成されている。連結金具6は金属板を折り曲げて形成されたものであり、図4に示されるように、中央の垂直辺9の左右両側に、傾斜部7に当接するように垂直辺9に対して鈍角をなす傾斜辺10を有する。これらの傾斜辺10を支柱フレーム5の傾斜部7にボルト11により固定し、左右の支柱フレーム5、5どうしをキャビネットの外側から連結する。この実施形態では支柱フレーム5の傾斜部7は45°の傾斜角を持つため、連結金具6の傾斜辺10は傾斜部7に当接する為に、垂直辺9をキャビネットの外側方向に45°折り曲げて(垂直辺9に対してキャビネットの外側方向に135°の角度で)形成されている。連結金具6は図1に示されるように、支柱フレーム5の略全長にわたる高さを有する。
【0023】
図4に示すように、連結金具6の垂直辺9と、支柱フレーム5との間には、パッキン12が設けられている。連結金具6の傾斜辺10を支柱フレーム5の傾斜部7に固定することで、支柱フレーム5どうしを引き付ける力と、パッキン12を支柱フレーム5の水切り用の凸部8に押圧する力が生じるため、連結作業性が向上すると同時に、防水性を向上させることができる。パッキン12は支柱フレーム5の略全長にわたって取付けられているが、連結金具6も支柱フレーム5の略全長にわたるため、連結強度が高まる。またパッキン12は連結金具6によって覆われ、キャビネットの外側に露出しないように隠蔽されるため、パッキンの劣化を防止することができる。また見栄えもよい。
【0024】
さらに図4のように、パッキン12を支柱フレーム5の凸部8と連結金具6の垂直辺9とによって押圧する構造とすれば、凸部8と連結金具6との間にパッキン12の収納空間を形成することができ、パッキン12が過度に押圧されることがないので、パッキン12の切断や損傷が防止される。
【0025】
なお図5に示すように、パッキン12を隣接する支柱フレーム5、5の凸部8、8間に配置することもできる。この場合にも連結金具6の傾斜辺10を支柱フレーム5の傾斜部7に固定する際に支柱フレーム5どうしを引き付ける力は発生するので、パッキン12を支柱フレーム5、5で押圧することができ、しかも連結金具6がパッキン12を覆うことができる。
【0026】
図6図9は本発明の第2の実施形態を示すものである。上記した第1の実施形態では左右の支柱フレーム5の傾斜部7に連結金具6の傾斜辺10を取付けたが、片側の支柱フレーム5の外側に扉支持用の蝶番金具13を取付ける場合には、連結金具6の傾斜辺10が邪魔になる可能性がある。このため第2の実施形態では図8に示すように、連結金具14を、一方の支柱フレーム5の外側に接する外側辺15と、他方の支柱フレーム5の内側に接する内側辺16とを備えた構造とした。ここで、支柱フレーム5の外側とは、支柱フレーム5のキャビネット外側に面する部分を意味し、支柱フレーム5の内側とは、支柱フレーム5のキャビネット内側に面する部分を意味する。
【0027】
具体的には、連結金具14の外側辺15は、垂直辺17とこの垂直辺17に対して鈍角をなす傾斜辺10とを有し、この傾斜辺10を支柱フレーム5の外側に形成された傾斜部7に固定する。一方、内側辺16は垂直辺17の端部を折り曲げ辺18を介してクランク状に折り曲げて形成されたもので、他方の支柱フレーム5の内側にパッキン21を介してボルト19で固定される。
【0028】
図8に示されるように、一方の支柱フレーム5の傾斜部7の端部に形成された凸部8と、垂直辺17との間にパッキン12が配置され、これらの凸部8と垂直辺17とによって押圧される。このように連結金具14の片側を支柱フレーム5の内側に接する内側辺16とすれば、その支柱フレーム5の傾斜部7に蝶番金具13等を取付けることができる。
【0029】
なお支柱フレーム5と連結金具14間に空間がないところにパッキン21を取り付ける場合は、図9に示すように、内側辺16に凹部23を形成してその内部にパッキン21を収納してもよい。さらにこの内側のパッキン21は、折り曲げ辺18に沿ってL字状に取付けることもできる。この第2の実施形態においても、パッキン12、パッキン21及び連結金具14は、支柱フレーム5の略全長にわたって延びている。
【0030】
図10は本発明の第3の実施形態を示すものである。この実施形態では断面が四角形状の支柱フレーム24が用いられており、それらの間を連結金具25によって連結している。この連結金具25は、外側辺26と内側辺27との間を、直角に折り曲げられた折り曲げ辺28によって連結した構造であり、外側辺26は一方の支柱フレーム24の外側にボルト固定され、内側辺27は他方の支柱フレーム24の内側にボルト固定されている。また外側辺26と支柱フレーム24との間、及び内側辺27と支柱フレーム24との間にはそれぞれパッキン29が配置されている。前記した実施形態と同様に、これらのパッキン29は連結金具25によって覆われている。このように、支柱フレーム24の構造も変更可能である。
【0031】
図11は上記のように構成されたフレーム式キャビネットに屋根部30、扉31、側板32等を取付けた状態を示す分解斜視図である。屋根部30の下部には、図12に示すように垂下辺33が取り付けられており、連結金具6の上端を垂下辺33の下端よりも上側としてある。これによって雨水が連結金具6の上端から浸入することが防止される。
【0032】
以上に説明したように、本発明の連結金具6によれば支柱フレーム24間の連結部の強度を高めることができ、またパッキンがキャビネットの外側に露出することによるパッキンの劣化を防止することができる。また、連結金具6はフレーム式キャビネット内の支柱フレーム24どうしの連結にも、フレーム式キャビネットどうしの支柱フレーム24の連結にも使用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 コーナー枠体
2 四角枠体
3 上部水平フレーム
4 下部水平フレーム
5 支柱フレーム
6 連結金具
7 傾斜部
8 凸部
9 垂直辺
10 傾斜辺
11 ボルト
12 パッキン
13 蝶番金具
14 連結金具
15 外側辺
16 内側辺
17 垂直辺
18 折り曲げ辺
19 ボルト
21 パッキン
23 凹部
24 支柱フレーム
25 連結金具
26 外側辺
27 内側辺
28 折り曲げ辺
29 パッキン
30 屋根部
31 扉
32 側板
33 垂下辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12