特許第6179114号(P6179114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6179114補助電源装置およびこの装置を備える電動パワーステアリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6179114
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】補助電源装置およびこの装置を備える電動パワーステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20170807BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20170807BHJP
   B62D 6/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H02M3/155 H
   H02M3/155 G
   H02M3/155 F
   B62D5/04
   B62D6/00
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-18359(P2013-18359)
(22)【出願日】2013年2月1日
(65)【公開番号】特開2014-150672(P2014-150672A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2016年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】杉山 豊樹
(72)【発明者】
【氏名】東 真康
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−166679(JP,A)
【文献】 特開2008−251612(JP,A)
【文献】 特開2009−274548(JP,A)
【文献】 特開平11−018319(JP,A)
【文献】 特開2010−202134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00−3/44
B62D 5/04
B62D 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータに電力を供給する主電源に接続されて前記電動モータに放電することが可能な補助電源と、
前記主電源の電圧を昇圧して前記補助電源に印加する昇圧回路とを備え、
前記補助電源の端子間電圧が前記昇圧回路の昇圧電圧よりも大きい状態において前記主電源から前記補助電源への電力の供給が開始されるとき、前記昇圧回路の昇圧電圧を前記補助電源の端子間電圧以上に昇圧して前記補助電源への電力の供給を開始する補助電源装置。
【請求項2】
操舵トルクに基づいてアシストトルクを生じさせる前記電動モータと、
請求項に記載の補助電源装置と、
前記補助電源装置の動作を制御する制御装置とを備える電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
前記制御装置は、車両の走行速度が車速閾値以下のとき、前記主電源から前記補助電源に第1基準電流を供給し、前記車両の走行速度が前記車速閾値よりも大きいとき、前記主電源から前記補助電源に前記第1基準電流よりも小さい第2基準電流を供給する
請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記電動パワーステアリング装置の消費電力が前記主電源から前記補助電源への充電および前記補助電源から前記電動モータへの放電の切り替えの基準値となる充放電閾値未満において前記主電源から前記補助電源に電力を供給するとき、前記電動パワーステアリング装置の消費電力と前記充放電閾値との差に基づいて前記主電源から前記補助電源に供給する電流の大きさを変更する
請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助電源を有する補助電源装置、およびこの補助電源装置を備える電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動パワーステアリング装置は、主電源に接続された補助電源と、主電源の電圧を昇圧する昇圧回路とを有する。この電動パワーステアリング装置は、主電源により補助電源を充電するとき、昇圧回路の昇圧電圧を補助電源に印加する。なお、特許文献1は、従来の電動パワーステアリング装置の構成の一例を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−166679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電動パワーステアリング装置においては、昇圧回路の制御において、補助電源の充電開始時における昇圧回路の昇圧電圧とキャパシタの端子間電圧との関係について特に考慮されていない。このため、補助電源の充電開始時においてキャパシタの端子間電圧が昇圧回路の昇圧電圧よりも大きいとき、キャパシタから昇圧回路に電流が逆流する場合がある。
【0005】
本発明は、このような背景を踏まえて創作されたものであり、補助電源の充電開始時において主電源から補助電源に適切に電流を供給することが可能な補助電源装置、およびこの補助電源装置を備える電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本手段は「電動モータに電力を供給する主電源に接続されて前記電動モータに放電することが可能な補助電源と、前記主電源の電圧を昇圧して前記補助電源に印加する昇圧回路とを備え、前記補助電源の端子間電圧が前記昇圧回路の昇圧電圧よりも大きい状態において前記主電源から前記補助電源への電力の供給が開始されるとき、前記昇圧回路の昇圧電圧を前記補助電源の端子間電圧以上に昇圧して前記補助電源への電力の供給を開始する補助電源装置」を有する。
【0007】
上記補助電源装置においては、主電源から補助電源への電力の供給が開始されるときに補助電源の端子間電圧と昇圧回路が補助電源に印加する電圧との電圧差を小さくすることが可能となる。このため、主電源から補助電源への電力の供給が開始されるときに補助電源から主電源に電流が逆流することが抑制される。したがって、主電源から補助電源への電力の供給を開始するときに主電源から補助電源に適切に電流を供給することができる。
【0012】
上記手段の一形態は「操舵トルクに基づいてアシストトルクを生じさせる前記電動モータと、前記補助電源装置と、前記補助電源装置の動作を制御する制御装置とを備える電動パワーステアリング装置」を有する。
【0013】
上記手段の一形態は「前記制御装置は、車両の走行速度が車速閾値以下のとき、前記主電源から前記補助電源に第1基準電流を供給し、前記車両の走行速度が前記車速閾値よりも大きいとき、前記主電源から前記補助電源に前記第1基準電流よりも小さい第2基準電流を供給する電動パワーステアリング装置」を有する。
【0014】
電動パワーステアリング装置により操舵をアシストするとき、車両の走行速度が小さくなるにつれてアシストトルクが大きくなることが好ましい。このため、車両の走行速度が車速閾値以下のときのアシストトルクは、車両の走行速度が車速閾値よりも大きいときのアシストトルクよりも大きいことが好ましい。したがって、車両の走行速度が車速閾値以下のときの電動モータの消費電力は、車両の走行速度が車速閾値以下のときの電動モータの消費電力よりも多くなる。
【0015】
電動モータの消費電力が多くなる場合、補助電源が電動モータに放電することが主電源の負荷の低減の観点から好ましい。このため、電動モータの消費電力が多くなる場合、補助電源が十分な蓄電量を有していることが好ましい。したがって、電動モータの消費電力が多くなるときに補助電源が十分な蓄電量を有していない場合、補助電源は速やかに充電されることが好ましい。
【0016】
また、電動モータの消費電力が少ない場合、補助電源が電動モータに放電する必要はない。このため、電動モータの消費電力が少ないときに補助電源が十分な蓄電量を有していない場合、補助電源は速やかに充電される必要はない。
【0017】
そこで、本電動パワーステアリング装置は、車両の走行速度が車速閾値以下のとき、補助電源に第1基準電流を供給し、車両の走行速度が車速閾値よりも大きいとき、補助電源に第1基準電流よりも小さい第2基準電流を供給する。したがって、電動モータの消費電力が多い場合には、電動モータの消費電力が少ない場合よりも補助電源が速やかに充電される。
【0018】
上記手段の一形態は「前記制御装置は、前記電動パワーステアリング装置の消費電力が前記主電源から前記補助電源への充電および前記補助電源から前記電動モータへの放電の切り替えの基準値となる充放電閾値未満において前記主電源から前記補助電源に電力を供給するとき、前記電動パワーステアリング装置の消費電力と前記充放電閾値との差に基づいて前記主電源から前記補助電源に供給する電流の大きさを変更する電動パワーステアリング装置」を有する。
【0019】
上記電動パワーステアリング装置においては、電動パワーステアリング装置の消費電力が大きい場合、主電源から補助電源に供給する電流の大きさを小さくする。これにより、電動パワーステアリング装置の消費電力と主電源から補助電源に供給する電力との合計が充放電閾値よりも大きくなることが抑制される。また、電動パワーステアリング装置の消費電力が小さい場合、主電源から補助電源に供給する電流の大きさを大きくする。これにより、補助電源が速やかに充電される。
【発明の効果】
【0020】
本電動パワーステアリング装置および本補助電源装置は、補助電源の充電開始時において主電源から補助電源に適切に電流を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態の電動パワーステアリング装置の構成を示す構成図。
図2】第1実施形態の電動パワーステアリング装置の回路構成を示す回路図。
図3】第1実施形態の電動パワーステアリング装置のグラフであり、EPS要求電力の推移を示すグラフ。
図4】第1実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置が実行する電源制御の処理手順を示すフローチャート。
図5】第1実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置が実行する充電制御の処理手順を示すフローチャート。
図6】第1実施形態の電動パワーステアリング装置のマップであり、キャパシタ電圧と初期DUTY比との関係を示すマップ。
図7】第1実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置が実行する初期値設定制御の処理手順を示すフローチャート。
図8】第1実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置が実行する充電モード選択制御の処理手順を示すフローチャート。
図9】第2実施形態の電動パワーステアリング装置のグラフであり、EPS消費電力の推移を示すグラフ。
図10】第2実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置が実行する充電電流可変制御の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
図1を参照して、電動パワーステアリング装置(以下、「EPS1」)の構成について説明する。
【0023】
EPS1は、EPS本体10、アシスト装置20、制御装置30、補助電源装置40、およびトルクセンサ50を有する。EPS1においては、主電源4および車速センサ5が制御装置30に電気的に接続されている。EPS1は、主電源4となるバッテリおよび補助電源装置40から制御装置30を介してアシスト装置20に電力が供給される構成を有する。EPS1は、アシスト装置20により操舵部品2の操作をアシストする。なお、操舵部品2として、例えばステアリングホイールが用いられている。
【0024】
EPS本体10は、コラムシャフト11、インターミディエイトシャフト12、ピニオンシャフト13、ラックシャフト14、ラックアンドピニオン機構15、および2個のタイロッド16を有する。EPS本体10は、操舵部品2の回転にともないコラムシャフト11、インターミディエイトシャフト12、およびピニオンシャフト13を一体に回転させる。EPS本体10は、ピニオンシャフト13の回転によりラックシャフト14を往復動させることにより車輪3の転舵角を変化させる。
【0025】
ラックアンドピニオン機構15は、ピニオンシャフト13のピニオンギヤ13Aおよびラックシャフト14のラックギヤ14Aが互いに噛み合わせられた構成を有する。ラックアンドピニオン機構15は、ピニオンギヤ13Aおよびラックギヤ14Aの噛み合いによりピニオンシャフト13の回転をラックシャフト14の往復動に変換する。
【0026】
アシスト装置20は、3相ブラシレスモータとしての電動モータ21およびウォームギヤとしての減速機構22を有する。アシスト装置20は、減速機構22を介して電動モータ21の回転をコラムシャフト11に伝達することによりコラムシャフト11を回転させる力(以下、「アシストトルクTA」)をコラムシャフト11に付与する。このようにEPS1は、コラムアシスト型の構成を有する。
【0027】
トルクセンサ50は、車載通信ネットワークを通じてトルク信号を制御装置30に送信する。
車速センサ5は、車載通信ネットワークを通じて車速信号を制御装置30に送信する。
【0028】
制御装置30は、トルクセンサ50のトルク信号に基づいてコラムシャフト11の中間部分に接続されたトーションバー11Aのねじれ、すなわち操舵部品2の操作にともないコラムシャフト11に付与されたトルク(以下、「操舵トルクτ」)の大きさおよび方向を算出する。制御装置30は、車速センサ5の車速信号に基づいて車両の走行速度(以下、「車速VS」)を算出する。制御装置30は、電動モータ21の動作を制御することにより操舵をアシストするアシスト制御と、補助電源装置40の動作を制御することにより主電源4の電力および補助電源装置40の電力を制御する電源制御とを実行する。
【0029】
図2を参照して、制御装置30および補助電源装置40の構成について説明する。
制御装置30は、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン31」)、モータ駆動回路34、電流センサ35、および電圧センサ36を有する。制御装置30は、モータ駆動回路34に印加される電圧(以下、「モータ駆動電圧VMD」)を制御する。
【0030】
電流センサ35は、電動モータ21に供給される実電流(以下、「モータ電流IM」)の大きさに応じた信号をマイコン31のモータ制御部33に送信する。
電圧センサ36は、補助電源装置40とモータ駆動回路34との間の電圧、すなわちモータ駆動電圧VMDの大きさに応じた信号をマイコン31の電源管理部32に送信する。
【0031】
マイコン31は、電源管理部32およびモータ制御部33を有する。マイコン31は、電源管理部32において補助電源装置40の充放電の動作を制御する。マイコン31は、モータ制御部33においてモータ駆動回路34の動作を制御する。
【0032】
電源管理部32は、補助電源装置40のリレー41、昇圧回路43、および充放電回路44の動作を制御する。電源管理部32は、リレー41の動作を制御するためのリレー信号SRをリレー41に出力する。電源管理部32は、昇圧回路43の動作を制御するための昇圧信号SB1,SB2を昇圧回路43に出力する。電源管理部32は、充放電回路44の動作を制御するための充放電信号SCD1,SCD2を充放電回路44に出力する。
【0033】
モータ制御部33は、アシスト制御を実行するためのモータ制御信号SMを生成する。詳細には、モータ制御部33は、操舵トルクτおよび車速VSに基づいて目標アシストトルクを演算する。モータ制御部33は、モータ電流IMが目標アシストトルクに対応する電流指令値に一致するように電流フィードバック制御を実行することによりモータ制御信号SMを生成する。そしてモータ制御部33は、モータ制御信号SMをモータ駆動回路34に出力する。なお、目標アシストトルクは、操舵トルクτの絶対値が大きくなるにつれて、または車速VSの絶対値が小さくなるにつれて大きくなる。
【0034】
モータ駆動回路34は、電動モータ21の各相に対して2個のスイッチング素子(MOSFET)が直列に接続された周知の構成を有する。モータ駆動回路34においては、モータ制御部33のモータ制御信号SMに基づいてモータ駆動回路34の各相の2個のスイッチング素子のオン状態およびオフ状態が交互に切り替えられる。モータ駆動回路34は、各スイッチング素子のオン状態およびオフ状態の切り替えによりモータ駆動電圧VMDをPWM駆動として電動モータ21に印加する。
【0035】
補助電源装置40は、主電源4とは個別に形成されている。補助電源装置40は、主電源4と直列に接続されている。補助電源装置40は、リレー41、電流センサ42、昇圧回路43、充放電回路44、および補助電源としてのキャパシタ45を有する。補助電源装置40は、キャパシタ45により制御装置30を介して電動モータ21へ放電する。
【0036】
リレー41は、主電源4と昇圧回路43との間に配置されている。リレー41は、主電源4によりモータ駆動回路34に電力が供給されるオン状態と、主電源4によりモータ駆動回路34に電力が供給されないオフ状態とを切り替える。
【0037】
電流センサ42は、リレー41と昇圧回路43との間に配置されている。電流センサ42は、主電源4の出力電流(以下、「バッテリ電流IB」)の大きさに応じた信号を電源管理部32に出力する。
【0038】
昇圧回路43は、主電源4の電圧に基づく出力電圧、すなわち主電源4と補助電源装置40との接続点P1における出力電圧(以下、「出力電圧V1」)を昇圧してキャパシタ45の出力端子である接続点P2に印加することによりキャパシタ45を充電可能にしている。
【0039】
昇圧回路43は、一対のスイッチング素子43A,43Bおよび昇圧コイル43Cを有する。昇圧回路43は、昇圧コイル43Cの一端が直列に接続された一対のスイッチング素子43A,43Bの接続点P3に接続される構成を有する。昇圧回路43は、昇圧コイル43Cの他端において出力電圧V1が印加される。
【0040】
一対のスイッチング素子43A,43Bは、MOSFETが用いられている。上段側のスイッチング素子43Aは、一端においてキャパシタ45の出力端子(接続点P2)に接続されている。スイッチング素子43Aは、他端において下段側のスイッチング素子43Bに接続されている。下段側のスイッチング素子43Bは、一端において接地されている。各スイッチング素子43A,43Bは、電源管理部32の昇圧信号SB1,SB2に基づいてオン状態およびオフ状態を切り替える。
【0041】
スイッチング素子43A,43Bは、電源管理部32により同時にオン状態とならないように動作が制御されている。スイッチング素子43Aは、オン状態のとき、昇圧コイル43Cからキャパシタ45への給電が可能な状態となる。スイッチング素子43Aは、オフ状態のとき、昇圧コイル43Cからキャパシタ45への給電が不能な状態となる。スイッチング素子43Bは、オン状態のとき、昇圧コイル43Cが接地される。スイッチング素子43Bは、オフ状態のとき、昇圧コイル43Cが接地されない。
【0042】
充放電回路44は、昇圧回路43と直列に接続されている。充放電回路44は、一対のスイッチング素子44A,44Bが直列に接続された構成を有する。充放電回路44は、各スイッチング素子44A,44Bの接続点P4においてモータ駆動回路34と接続されている。
【0043】
一対のスイッチング素子44A,44Bは、MOSFETが用いられている。上段側のスイッチング素子44Aは、一端においてキャパシタ45の出力端子(接続点P2)に接続されている。スイッチング素子44Aは、他端において下段側のスイッチング素子44Bに接続されている。下段側のスイッチング素子44Bは、一端において電流センサ42およびリレー41を介して主電源4に電気的に接続されている。
【0044】
各スイッチング素子44A,44Bは、電源管理部32の充放電信号SCD1,SCD2に基づいて導通状態であるオン状態および非導通状態であるオフ状態を周期的に切り替える。スイッチング素子44Aは、オン状態のとき、キャパシタ45からモータ駆動回路34(電動モータ21)への放電が可能な状態となる。スイッチング素子44Aは、オフ状態のとき、キャパシタ45からモータ駆動回路34(電動モータ21)への放電が不能な状態となる。スイッチング素子44Bは、オン状態のとき、主電源4からスイッチング素子44Bを介してモータ駆動回路34(電動モータ21)への給電が可能な状態となる。スイッチング素子44Bは、オフ状態のとき、主電源4からスイッチング素子44Bを介してモータ駆動回路34(電動モータ21)への給電が不能な状態となる。
【0045】
キャパシタ45は、昇圧回路43および充放電回路44の間において、昇圧回路43および充放電回路44と並列に接続されている。キャパシタ45は、一端において接続点P2に接続されている。キャパシタ45は、他端において電流センサ42およびスイッチング素子44Bの間の接続点P5に接続されている。キャパシタ45としては、電気二重層コンデンサが用いられている。
【0046】
キャパシタ45は、マイコン31と電気的に接続されている。キャパシタ45の端子間電圧(以下、「キャパシタ電圧V2」)は、マイコン31のA/D変換を用いて測定される。キャパシタ電圧V2は、マイコン31により常時モニタされている。
【0047】
昇圧回路43の動作について説明する。
昇圧回路43は、下段側のスイッチング素子43Bがオン状態からオフ状態に切り替えられることにより生じる昇圧電圧V3をキャパシタ45の出力端子(接続点P2)に印加する。具体的には、昇圧回路43においては、スイッチング素子43Bがオン状態により導通して昇圧コイル43Cの一端を接地する。そして、昇圧回路43は、スイッチング素子43Bがオフ状態からオン状態に切り替えられたことにより昇圧コイル43Cに生じる誘起電圧を出力電圧V1に重畳して出力する。なお、上段側のスイッチング素子43Aは、キャパシタ45側から昇圧回路43側への電流の回り込み(逆流)を防止する機能を有する。
【0048】
充放電回路44の動作について説明する。
充放電回路44は、各スイッチング素子44A,44Bのオン状態およびオフ状態の組合せに基づいて、主電源4からモータ駆動回路34に電力を供給する第1電源形態、および主電源4およびキャパシタ45からモータ駆動回路34に電力を供給する第2電源形態を切り替える。なお、各スイッチング素子44A,44Bは、電源管理部32により同時にオン状態にならないように動作が制御される。
【0049】
第1電源形態は、上段側のスイッチング素子44Aがオフ状態かつ下段側のスイッチング素子43Bがオン状態となる。第1電源形態においては、主電源4のバッテリ電流IBがキャパシタ45に供給されかつ下段側のスイッチング素子44Bを介してモータ駆動回路34に供給される。第1電源形態においては、上段側のスイッチング素子44Aがオフ状態のため、キャパシタ45からモータ駆動回路34に放電されない。
【0050】
第2電源形態は、上段側のスイッチング素子44Aがオン状態かつ下段側のスイッチング素子44Bがオフ状態となる。第2電源形態は、主電源4およびキャパシタ45が互いに直列に接続された状態となる。第2電源形態においては、主電源4によるモータ駆動回路34への給電に加え、キャパシタ45がモータ駆動回路34に放電される。
【0051】
また、第2電源形態においては、スイッチング素子44Aの1周期におけるオン状態の比率であるDUTY比およびスイッチング素子44Bの1周期におけるオン状態の比率であるDUTY比のそれぞれが0%および100%以外の値も採用される。各スイッチング素子44A,44BのDUTY比が変更されることによりモータ駆動電圧VMDが変更される。具体的には、スイッチング素子44AのDUTY比が大きくなるにつれてモータ駆動電圧VMDが大きくなる。スイッチング素子44AのDUTY比が100%のとき、モータ駆動電圧VMDが最大値となる。スイッチング素子44AのDUTY比が50%のとき、モータ駆動電圧VMDが最大値の半分の値となる。また、スイッチング素子44BのDUTY比は、スイッチング素子44AのDUTY比が大きくなるにつれて小さくなる。
【0052】
図3および図4を参照して、電源制御の内容について説明する。なお、図3および図4を参照する以下の説明において、符号が付されたEPS1に関する各構成要素は、図1または図2に記載された各構成要素を示す。
【0053】
また、「電源電力PS」は、EPS1のアシスト制御により主電源4が補助電源装置40に供給する実電力を示す。電源電力PSは、バッテリ電流IBに基づいて算出される。また、「充放電閾値KE」は、主電源4からキャパシタ45への充電およびキャパシタ45からモータ駆動回路34(電動モータ21)への放電の切り替えの基準値を示す。充放電閾値KEは、試験等により予め設定される。
【0054】
図3において、EPS1のアシスト制御により主電源4に要求される電力(以下、「EPS要求電力」)は、充放電閾値KE以上となる期間(以下、「放電期間」)と充放電閾値KE未満の期間に区分される。
【0055】
電源電力PSは、EPS要求電力が充放電閾値KE未満の期間において、充放電閾値KE未満となる。電源電力PSは、放電期間において、充放電閾値KE以上となる。電源電力PSは、例えば時刻t11,t12,t13から充放電回路44が第1電源形態から第2電源形態に切り替えられるまでの期間において充放電閾値KEよりも大きくなる。なお、電源電力PSが充放電閾値KE以上となる場合として車両の車庫入れ時または駐車時において運転者が操舵部品2の据切り操舵を実行することが挙げられる。
【0056】
電源制御は、電源電力PSおよび充放電閾値KEの比較に基づいてキャパシタ45の動作を制御する。キャパシタ45は、放電期間においてモータ駆動回路34に放電する。キャパシタ45は、充放電閾値KE未満の期間かつキャパシタ45が満充電ではない期間(以下、「充電期間」)において主電源4により充電される。
【0057】
電源制御は、図4に示される処理が所定時間毎に繰り返し実行されている。
制御装置30は、ステップS11において、電源電力PSが充放電閾値KE以上か否かを判定する。制御装置30は、ステップS11において肯定判定のとき、ステップS14において充放電回路44を第2電源形態に設定する。このため、EPS要求電力は、電源電力PSに加え、充放電閾値KEを超えるEPS要求電力の電力量をキャパシタ45の放電により補われる。したがって、電源電力PSが充放電閾値KE以上のときにおいて、放電制御により電源電力PS(バッテリ電流IB)が充放電閾値KEにおいてピークカットされる。このため、主電源4の負荷が小さくなる。
【0058】
一方、制御装置30は、ステップS11において否定判定のとき、ステップS12において充放電回路44を第1電源形態に設定する。このため、EPS要求電力は、電源電力PSにより供給される。
【0059】
そして、制御装置30は、ステップS13においてキャパシタ45が満充電か否かを判定する。制御装置30は、ステップS13において肯定判定のとき、キャパシタ45を充電する必要がないと判断する。そして制御装置30は、一旦処理を終了する。一方、制御装置30は、ステップS13において否定判定のとき、キャパシタ45を充電する必要があると判断する。そして制御装置30は、ステップS20においてキャパシタ45を充電するための充電制御を実行する。制御装置30は、充電制御においてキャパシタ45を満充電にする。このように制御装置30は、電源制御により補助電源装置40の動作として、キャパシタ45を充電する形態、キャパシタ45を充電しない形態、およびキャパシタ45をモータ駆動回路34に放電する形態を切り替えている。
【0060】
次に、図5図8を参照して、充電制御の詳細な内容について説明する。なお、図5図8を参照する以下の説明において、符号が付されたEPS1に関する各構成要素は、図1または図2に記載された各構成要素を示す。
【0061】
図5に示されるように、充電制御は、初期値設定制御(ステップS30)および充電モード選択制御(ステップS40)を有する。充電制御は、初期値設定制御を実行した後に充電モード選択制御を実行する。充電制御は、所定時間毎に繰り返し実行される。充電制御は、初期値設定制御において、充電制御の初回周期における昇圧回路43の動作を設定する。充電制御は、充電モード選択制御において車両の状況に基づいて充電モードを選択する。
【0062】
初期値設定制御の詳細について説明する。
制御装置30は、初期値設定制御において昇圧回路43の動作として充電制御の初回周期におけるスイッチング素子43Aの1周期におけるオン状態の比率であるDUTY比およびスイッチング素子43Bの1周期におけるオン状態の比率であるDUTY比を設定する。
【0063】
詳細には、制御装置30は、初期値設定制御において、充電制御の初回周期のとき、昇圧回路43の昇圧電圧V3がキャパシタ電圧V2に一致するように各スイッチング素子43A,43BのDUTY比を設定する。なお、以降では、充電制御の初回周期におけるスイッチング素子43BのDUTY比を「初期DUTY比」とする。
【0064】
図6に示されるように、制御装置30においては、キャパシタ電圧V2と初期DUTY比との関係を示すマップMPが予め記憶されている。制御装置30は、充電制御の初回周期のとき、キャパシタ電圧V2を取得して、マップMPに基づいてキャパシタ電圧V2に応じた初期DUTY比を算出する。
【0065】
マップMPの詳細な内容について説明する。
マップMPは、充電制御の初回周期のときのキャパシタ電圧V2が出力電圧V1以下のとき、初期DUTY比として0%に設定されている。マップMPは、充電制御の初回周期のときのキャパシタ電圧V2が出力電圧V1よりも大きいとき、キャパシタ電圧V2が大きくなるにつれて初期DUTY比が大きく設定されている。マップMPは、充電制御の初回周期のときのキャパシタ電圧V2が出力電圧V1以上のとき、昇圧回路43の昇圧電圧V3がキャパシタ電圧V2と一致するように初期DUTY比が設定されている。
【0066】
初期値設定制御は、図7に示される処理が実行される。
すなわち、制御装置30は、ステップS31において充電制御が初回周期か否かを判定する。ステップS31は、フラグFに基づいて判定される。詳細には、図4の電源制御の処理においてステップS20の充電制御となるとき、すなわちステップS13において否定判定されるときにフラグFが「1」に設定される。そして、充電制御の処理において初回周期が経過したときにフラグFが「0」に変更される。フラグFは、「0」に変更された後、充電制御が実行される期間にわたり「0」が維持される。そして、フラグFは、充電制御が終了したとき、「1」に変更可能な状態となる。制御装置30は、フラグFが「1」のときに充電制御が初回周期であると判定する。一方、制御装置30は、フラグFが「0」のとき、充電制御が初回周期ではないと判定する。
【0067】
制御装置30は、ステップS31において肯定判定のとき、ステップS32においてキャパシタ電圧V2を取得する。そして、制御装置30は、ステップS33においてマップMPを用いてキャパシタ電圧V2に応じた初期DUTY比を算出する。そして、制御装置30は、ステップS34において昇圧回路43の各スイッチング素子43A,43BのDUTY比が初期DUTY比に一致するように各スイッチング素子43A,43Bの動作を制御する。
【0068】
次に、充電モード選択制御の詳細な内容について説明する。
制御装置30は、充電制御において定電流充電を実行する。制御装置30は、充電モードとして、急速充電モードおよび通常充電モードを有する。制御装置30は、急速充電モードのとき、主電源4からキャパシタ45に供給する電流(以下、「充電電流IC」)を第1基準電流ICK1に設定する。制御装置30は、通常充電モードのとき、充電電流ICを第1基準電流ICK1よりも小さい第2基準電流ICK2に設定する。このため、急速充電モードは、通常充電モードよりも短時間でキャパシタ45を満充電にする。
【0069】
制御装置30は、車両の状況として、車両が停止または車速VSが極低速の場合、および車速VSが極低速よりも高い場合、すなわち車両が通常走行の場合のいずれかを判定する。そして、制御装置30は、車両の状況に応じて急速充電モードおよび通常充電モードを切り替える。
【0070】
充電モード選択制御は、図8に示される処理が実行される。
すなわち、制御装置30は、ステップS41において、車速VSが車速閾値VK以下か否かを判定する。なお、車速閾値VKは、極低速と判定される車速VSの上限値に相当する。車速閾値VKは、試験等により予め設定されている。
【0071】
制御装置30は、ステップS41において肯定判定のとき、すなわち車両が停止または車速VSが極低速の場合と判断したとき、ステップS42において充電モードを急速充電モードに設定する。一方、制御装置30は、ステップS41において否定判定のとき、すなわち車両が通常走行の場合と判断したとき、ステップS43において充電モードを通常充電モードに設定する。
【0072】
制御装置30は、ステップS42およびステップS43において設定された充電モードに基づいて、ステップS44において電流フィードバック制御を実行する。そして、制御装置30は、ステップS45において充電チョッパ制御を実行する。
【0073】
詳細には、制御装置30は、バッテリ電流IBからモータ駆動回路34に供給される電流を減算することにより実充電電流ICRを算出する。制御装置30は、充電モードが急速充電モードのとき、第1基準電流ICK1と実充電電流ICRとの偏差に基づくPID制御を実行する。これにより、制御装置30は、実充電電流ICRが第1基準電流ICK1に一致するように目標充電電流ICGが設定される。そして制御装置30は、目標充電電流ICGに基づいて昇圧回路43の各スイッチング素子43A,43BのDUTY比を算出する。一方、制御装置30は、充電モードが通常充電モードのとき、第2基準電流ICK2と実充電電流ICRとの偏差に基づくPID制御を実行する。これにより、制御装置30は、実充電電流ICRが第2基準電流ICK2に一致するように目標充電電流ICGが設定される。そして制御装置30は、目標充電電流ICGに基づいて昇圧回路43の各スイッチング素子43A,43BのDUTY比を算出する。
【0074】
そして、制御装置30は、充電チョッパ制御として、ステップS42およびステップS43において算出された昇圧回路43の各スイッチング素子43A,43BのDUTY比に基づいて各スイッチング素子43A,43Bを動作する。
【0075】
本実施形態のEPS1の作用について説明する。なお、以下の説明において符号が付されたEPS1に関する各構成要件は、図1および図2に記載された各構成要件を示す。
EPS1は、以下の第1〜第3の機能を有する。第1の機能は、キャパシタ45の充電開始時においてキャパシタ45から昇圧回路43に電流が逆流することを抑制する機能を有する。第2の機能は、キャパシタ45の充電開始時において主電源4から昇圧回路43に大電流が流れることを抑制する機能を有する。第3の機能は、車両の状況に応じて充電電流ICの大きさを変更する機能を有する。
【0076】
第1の機能の詳細について説明する。なお、「第1仮想EPS」は、充電制御の初回周期の昇圧回路43のスイッチング素子43BのDUTY比を0%に設定する制御を実行する。
【0077】
第1仮想EPSは、充電制御の初回周期において昇圧回路43の昇圧電圧V3が出力電圧V1と等しい。このため、キャパシタ電圧V2が昇圧電圧V3よりも大きい場合、キャパシタ45から昇圧回路43に電流が逆流してしまう。
【0078】
本実施形態のEPS1は、初期値設定制御により充電制御の初回周期においてキャパシタ電圧V2が出力電圧V1以上のとき、キャパシタ電圧V2が大きくなるにつれて初期DUTY比が大きくなる。このため、充電制御の初回周期においてキャパシタ電圧V2と昇圧回路43の昇圧電圧V3との電圧差が小さくなる。特に本実施形態のEPS1は、充電制御の初回周期においてキャパシタ電圧V2と昇圧回路43の昇圧電圧V3とが等しくなる。これにより、キャパシタ45から昇圧回路43に電流が逆流することが抑制される。
【0079】
第2の機能の詳細について説明する。なお、「第2仮想EPS」は、充電制御の初回周期の昇圧回路43のスイッチング素子43BのDUTY比を50%に設定する制御を実行する。
【0080】
第2仮想EPSは、充電制御の初回周期において昇圧回路43の昇圧電圧V3が最大値となる。このため、キャパシタ電圧V2が出力電圧V1以下の場合、昇圧電圧V3とキャパシタ電圧V2との電圧差が大きくなる。これにより、主電源4から昇圧回路43に大電流が流れてしまう。
【0081】
本実施形態のEPS1は、初期値設定制御により充電制御の初回周期においてキャパシタ電圧V2が出力電圧V1以下のとき、初期DUTY比を0%に設定する。このため、充電制御の初回周期において昇圧電圧V3とキャパシタ電圧V2との電圧差が第2仮想EPSよりも小さくなる。これにより、主電源4から昇圧回路43に大電流が流れることが抑制される。
【0082】
第3の機能の詳細について説明する。
車両が停止または車速VSが極低速のとき、ステアリング操作による電動モータ21の消費電力が大きい。一方、車速VSが小さいとき、ステアリング操作による電動モータ21の消費電力が小さい。このため、車両が停止または車速VSが極低速のとき、キャパシタ45がモータ駆動回路34に放電する可能性が高くなる。一方、車速VSが大きいとき、キャパシタ45から放電する可能性が低くなる。
【0083】
このため、車両が停止または車速VSが極低速のとき、キャパシタ45は十分な蓄電量があることが好ましい。このため、車両が停止または車速VSが極低速のときにキャパシタ45の蓄電量が少ないときには、キャパシタ45を速やかに充電することが好ましい。
【0084】
一方、車速VSが大きいとき、キャパシタ45は十分な蓄電量が必ずしも必要ではない。このため、車速VSが大きいときにキャパシタ45の蓄電量が少ないときには、キャパシタ45を速やかに充電する必要はない。
【0085】
ところで、キャパシタ45を速やかに充電する場合、充電電流ICが大きくなるため、主電源4および補助電源装置40を互いに接続するハーネス(図示略)の電流損失が大きくなる。この電流損失を抑制するため、キャパシタ45を速やかに充電する必要がない場合には、充電電流ICを小さくすることが好ましい。
【0086】
そこで、本実施形態のEPS1は、充電モード選択制御において車速VSに応じて充電電流ICの大きさを変更する。詳細には、充電モード選択制御において、車速VSが車速閾値VK以下のとき、充電電流ICを第1基準電流ICK1に設定する。また車速VSが車速閾値VKよりも大きいとき、充電電流ICを第1基準電流ICK1よりも小さい第2基準電流ICK2に設定する。このため、車速VSが車速閾値VK以下のとき、充電電流ICが大きくなるため、キャパシタ45が速やかに充電される。また、車速VSが車速閾値VKよりも大きいとき、充電電流ICが小さくなるため、電流損失が低減される。
【0087】
本実施形態のEPS1は以下の効果を奏する。
(1)制御装置30は、充電制御において初期値設定制御を有する。この構成によれば、充電制御の初回周期においてキャパシタ電圧V2が出力電圧V1以上のとき、キャパシタ電圧V2が大きくなるにつれて昇圧回路43の昇圧電圧V3が大きい値となるように設定する。このため、キャパシタ電圧V2および昇圧電圧V3の電圧差が小さくなる。したがって、キャパシタ45から昇圧回路43に電流が逆流することが抑制される。
【0088】
(2)制御装置30は、初期値設定制御において昇圧回路43の昇圧電圧V3をキャパシタ電圧V2に一致させる。この構成によれば、充電制御の初回周期において昇圧電圧V3およびキャパシタ電圧V2の電圧差が「0」となる。したがって、キャパシタ45から昇圧回路43に電流が逆流することが抑制される効果がより高くなる。
【0089】
(3)制御装置30は、初期値設定制御においてキャパシタ電圧V2が出力電圧V1以下のとき、昇圧電圧V3が出力電圧V1と等しくする。この構成によれば、充電制御の初回周期においてキャパシタ電圧V2と昇圧電圧V3との電圧差が小さくなる。したがって、キャパシタ電圧V2と昇圧電圧V3との電圧差に起因して主電源4から昇圧回路43に大電流が流れることが抑制される。
【0090】
(4)制御装置30は、充電制御において充電モード選択制御を有する。この構成によれば、車両の状況に応じて急速充電モードおよび通常充電モードが切り替えられる。したがって、常に急速充電モードによりキャパシタ45が充電されると仮定した構成と比較して、主電源4および補助電源装置40の間のハーネスの電流損失が低減される。また、常に普通充電モードによりキャパシタ45が充電されると仮定した構成と比較して、キャパシタ45が速やかに充電される。したがって、キャパシタ45が十分に充電される前にキャパシタ45が放電される状況の発生が低減される。
【0091】
(第2実施形態)
図9および図10は、第2実施形態のEPS1を示す。EPS1は、第1実施形態のEPS1との主要な相違点として、次の相違点を有する。すなわち、充電制御は、充電モード選択制御に代えて充電電流可変制御を有する。以下では、第1実施形態のEPS1と異なる点の詳細を説明し、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0092】
充電制御は、初期値設定制御を実行した後、充電電流可変制御を実行する。充電電流可変制御は、定電流充電とは異なり、バッテリ電流IBおよび充放電閾値KEに基づいて充電電流ICを可変に制御する。
【0093】
図9および図10を参照して、充電電流可変制御による充電電流ICの制御の内容について説明する。なお、図9のグラフは、図3のグラフの車両の状況とは異なる車両の状況におけるEPS消費電力の推移を示している。
【0094】
また、「EPS消費電力」はアシスト制御によりEPS1が消費する電力を示す。EPS消費電力は、モータ駆動電圧VMDおよびモータ電流IMに基づいて算出される。なお、EPS消費電力は「電動パワーステアリング装置の消費電力」に相当する。
【0095】
電源電力PSが充放電閾値KE以上のとき、キャパシタ45が放電するため、キャパシタ45の充電時においては電源電力PSが充放電閾値KE未満であることが好ましい。このため、電源電力PSが充放電閾値KE未満に収まる範囲内での充電電力の最大値(以下、「充電可能電力」)は、充放電閾値KEからEPS消費電力を減算した値として算出される。
【0096】
図9に示されるように、例えば時刻t21から時刻t22までの期間における充電可能電力よりも時刻t23から時刻t24までの期間の充電可能電力が大きくなる。このため、時刻t23から時刻t24までの期間における目標充電電流ICGは、時刻t21から時刻t22までの期間における目標充電電流ICGよりも大きくすることが許容される。
【0097】
制御装置30は、充電電流可変制御として図10の処理を実行する。
すなわち、制御装置30は、ステップS51において目標充電電流ICGを算出する。詳細には、制御装置30は、充放電閾値KEからEPS消費電力を減算した値を充電可能電力として算出する。そして制御装置30は、充電可能電力から出力電圧V1を除算した値を目標充電電流ICGとして算出する。
【0098】
次に、制御装置30は、ステップS52において実充電電流ICRを取得する。詳細には、制御装置30は、バッテリ電流IBからモータ電流IMを減算した値を実充電電流ICRとして算出する。
【0099】
次に、制御装置30は、ステップS53において電流フィードバック制御を実行する。そして、制御装置30は、ステップS54において充電チョッパ制御を実行する。なお、充電チョッパ制御は、第1実施形態の充電チョッパ制御と同様の制御を実行する。
【0100】
電流フィードバック制御は、目標充電電流ICGおよび実充電電流ICRの偏差に基づくPID制御を実行する。これにより、実充電電流ICRが目標充電電流ICGに一致するように昇圧回路43の各スイッチング素子43A,43BのDUTY比を算出する。
【0101】
図9を参照して、本実施形態のEPS1の作用について説明する。なお、「第3仮想EPS」は、定電流充電による充電制御を実行する構成を示す。
第3仮想EPSにおいては、充電可能電力が算出されないため、例えば時刻t21から時刻t22までの期間において充電制御を実行したとき、充電電流ICが大きい場合には充電電流ICに起因して電源電力PSが充放電閾値KE以上となるおそれがある。これにより、第3仮想EPSは、時刻t21から時刻t22までの期間において電源電力PSが充放電閾値KE以上となることによりキャパシタ45が放電する。このため、第3仮想EPSは、時刻t21から時刻t22までの期間においてキャパシタ45を充電することができないおそれがある。
【0102】
また、第3仮想EPSにおいては、例えば時刻t23から時刻t24までの期間において充電制御を実行したとき、充電電流ICが小さい場合にはキャパシタ45が速やかに充電されないため、時刻t24においてキャパシタ45が十分に充電されないおそれがある。これにより、第3仮想EPSは、キャパシタ45が放電するとき、キャパシタ45の蓄電量が不足して主電源4のピークカットが十分に実行できないおそれがある。
【0103】
これに対して、本実施形態のEPS1は、充電電流可変制御により充電可能電力を算出する。そしてEPS1は、充電可能電力に基づいて目標充電電流ICGを算出する。このため、時刻t21から時刻t22までの期間においてキャパシタ45の充電時に電源電力PSが充放電閾値KE以上となることが抑制される。したがって、時刻t21から時刻t22までの期間においてもキャパシタ45を充電することが可能となる。また、時刻t23から時刻t24までの期間においてキャパシタ45の充電時に目標充電電流ICGが大きくなるため、キャパシタ45が速やかに充電される。したがって、キャパシタ45を十分に充電することが可能となる。
【0104】
本実施形態のEPS1は、第1実施形態のEPS1の(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(5)充電電流可変制御は、EPS電力および充放電閾値KEに基づいて目標充電電流ICGを算出する。この構成によれば、充電可能電力が小さい場合においてキャパシタ45の充電時に電源電力PSが充放電閾値KEを超えることが抑制される。また充電可能電力が大きい場合においてキャパシタ45の充電時にキャパシタ45を十分に充電することができる。したがって、キャパシタ45に充電電流ICを適切に供給することができる。
【0105】
(その他の実施形態)
本電動パワーステアリング装置および本補助電源装置は、上記各実施形態とは別の実施形態を含む。以下、本電動パワーステアリング装置および本補助電源装置のその他の実施形態としての上記各実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
【0106】
・第1実施形態の制御装置30は、充電制御として充電モード選択制御を有する。ただし、充電制御の内容は第1実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置30は、充電制御として充電モード選択制御を有していない。変形例の制御装置30は、初期値設定制御の後、実充電電流ICRが予め設定された充電電流ICに一致するように電流フィードバック制御が実行される。なお、第2実施形態の制御装置30についても同様に変更することができる。
【0107】
・第1実施形態の制御装置30は、充電モード選択制御の車速VSが車速閾値VK以下か否か(ステップS41)に基づいて急速充電モードおよび通常充電モードを選択する。ただし、各充電モードの選択は第1実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置30は、ステップS41の内容に代えて、操舵トルクτがトルク閾値τK以上か否かに基づいて急速充電モードおよび通常充電モードを選択する。操舵トルクτがトルク閾値τK以上のとき、急速充電モードを選択する。操舵トルクτがトルク閾値τK未満のとき、通常充電モードを選択する。なお、トルク閾値τKは、試験等により予め設定される。要するに、制御装置30は、電源電力PSが充放電閾値KE以上になると予測されることに基づいて急速充電モードを選択する構成であればよい。また制御装置30は、電源電力PSが充放電閾値KE未満になると予測されることに基づいて普通充電モードを選択する構成であればよい。
【0108】
・第2実施形態の制御装置30は、EPS消費電力と充放電閾値KEとの差に基づいて目標充電電流ICGが変更される。ただし、目標充電電流ICGは第2実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置30は、EPS消費電力と充放電閾値KEとの差の大きさが第1閾値未満のとき、目標充電電流ICGとして第1目標充電電流ICG1を設定する。また変形例の制御装置30は、EPS消費電力と充放電閾値KEとの差の大きさが第1閾値以上のとき、目標充電電流ICGとして第1目標充電電流ICG1よりも大きい第2目標充電電流ICG2を設定する。なお、変形例の制御装置30は、複数の閾値を用いて3種類以上の目標充電電流を設定することもできる。
【0109】
・第1および第2実施形態の制御装置30は、電源制御においてキャパシタ45が満充電か否か(ステップS13)に基づいて充電制御を実行するか否かを判定する。ただし、充電制御を実行するか否かの判定は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置30は、電源制御においてステップS13の内容に代えて、キャパシタ電圧V2が満充電よりも低い所定の電圧閾値以上か否かに基づいて充電制御を実行するか否かを判定する。変形例の制御装置30は、キャパシタ電圧V2が電圧閾値以上のとき、充電制御を実行しない。変形例の制御装置30は、キャパシタ電圧V2が電圧閾値未満のとき、充電制御を実行する。
【0110】
・第1および第2実施形態の制御装置30は、初期値設定制御においてキャパシタ電圧V2が出力電圧V1以下のとき、初期DUTY比を0%に設定している。ただし、キャパシタ電圧V2が出力電圧V1以下のときの初期DUTY比の値は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置30は、初期値設定制御においてキャパシタ電圧V2が出力電圧V1と等しいとき、初期DUTY比を0%よりも大きい値に設定する。そして変形例の制御装置30は、初期値設定制御においてキャパシタ電圧V2が出力電圧V1未満のとき、キャパシタ電圧V2が小さくなるにつれて初期DUTY比が小さくなるように設定する。
【0111】
・第1および第2実施形態の制御装置30は、初期値設定制御においてキャパシタ電圧V2が出力電圧V1と等しいとき、初期DUTY比を0%に設定している。ただし、キャパシタ電圧V2および出力電圧V1と初期DUTY比との関係は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置30は、キャパシタ電圧V2が出力電圧V1未満かつキャパシタ電圧V2と出力電圧V1との差の絶対値が電圧差閾値以上のとき、初期DUTY比を0%に設定する。なお、電圧差閾値は、出力電圧V1およびキャパシタ電圧V2の電圧差に起因して昇圧回路43に大電流が流れることを抑制することが可能な値の上限値である。電圧差閾値は、試験等により予め設定される。
【0112】
・第1および第2実施形態のマップMPは、キャパシタ電圧V2と初期DUTY比との関係を示している。ただし、マップMPの内容は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例のマップMPは、初期DUTY比と、キャパシタ電圧V2および出力電圧V1の電圧差との関係を示す。変形例のマップMPにおいては、キャパシタ電圧V2が出力電圧V1以上のとき、キャパシタ電圧V2から出力電圧V1を減算した値が大きくなるにつれて初期DUTY比が大きくなるように設定される。変形例のマップMPにおいては、キャパシタ電圧V2が出力電圧V1以下のとき、キャパシタ電圧V2から出力電圧V1を減算した値が「0」以下のとき、初期DUTY比を0%に設定する。
【0113】
・上記変形例のマップMPにおいて、キャパシタ電圧V2が出力電圧V1以下のとき、キャパシタ電圧V2から出力電圧V1を減算した値が小さくなるにつれて初期DUTY比が小さくなるように設定することもできる。
【0114】
・第1および第2実施形態の制御装置30は、初期値設定制御において昇圧回路43の昇圧電圧V3がキャパシタ電圧V2に一致するように初期DUTY比を設定している。ただし、初期DUTY比の設定は上記各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置30は、初期値設定制御において昇圧回路43の昇圧電圧V3がキャパシタ電圧V2を含む所定の範囲内となるように初期DUTY比を設定する。なお、所定の範囲とは、主電源4から昇圧回路43に大電流が流れることによりスイッチング素子43Aが故障することを防止することが可能な昇圧電圧V3およびキャパシタ電圧V2の電圧差の上限値である。また、別の変形例の制御装置30は、初期値設定制御において昇圧電圧V3がキャパシタ電圧V2よりも大きくなるように初期DUTY比を設定する。
【0115】
・第1および第2実施形態の補助電源装置40は、キャパシタ45を有する。ただし、補助電源装置40の構成は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の補助電源装置40は、キャパシタ45に代えて、リチウムイオン電池等の二次電池を有する。
【0116】
・第1および第2実施形態のキャパシタ45は、電気二重層コンデンサが用いられている。ただし、キャパシタ45の種類は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例のキャパシタ45は、電気二重層コンデンサに代えて、リチウムイオンキャパシタが用いられる。
【0117】
・第1および第2実施形態の昇圧回路43は、スイッチング素子43A,43BとしてMOSFETが用いられている。ただし、スイッチング素子43A,43Bの種類は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の昇圧回路43は、スイッチング素子43A,43BとしてIGBTが用いられる。要するに、スイッチング素子43A,43BはDUTY比を変更することが可能な構成であれば、MOSFET以外の構成であってもよい。
【0118】
・第1および第2実施形態の電動モータ21は、3相ブラシレスモータの構成を有する。ただし、電動モータ21の構成は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の電動モータ21はブラシ付きモータの構成を有する。
【0119】
・第1および第2実施形態の補助電源装置40において、複数個のキャパシタ45を有してもよい。
・第1実施形態の補助電源装置40は、EPS1に適用されている。ただし、補助電源装置40の適用範囲はEPS1に限られない。例えば、変形例の補助電源装置40は、工作機械に適用される。
【0120】
・第1および第2実施形態のEPS1は、コラムアシスト型の構成を有する。ただし、EPS1の構成は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例のEPS1は、ピニオンアシスト型、デュアルピニオンアシスト型、ラック同軸型、またはラックパラレル型の構成を有する。また、別の変形例のEPS1は、ステアバイワイヤ型の構成を有する。
【0121】
次に、上記各実施形態から把握することができる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記制御装置は、前記補助電源の端子間電圧が前記主電源の電圧以下において前記主電源から前記補助電源への電力の供給を開始するとき、前記補助電源の端子間電圧が小さくなるにつれて前記昇圧回路が前記補助電源に印加する電圧を小さくする請求項1または2に記載の補助電源装置。
【0122】
上記補助電源装置においては、主電源から補助電源への電力の供給を開始するときに補助電源の端子間電圧と昇圧回路が補助電源に印加する電圧との電圧差が小さくなる。このため、主電源から補助電源への電力の供給が開始されるときに主電源から昇圧回路に大電流が流れることが抑制される。したがって、主電源から補助電源への電力の供給を開始するときに主電源から補助電源に適切に電流を供給することができる。
【0123】
(ロ)前記制御装置は、アシスト制御により前記電動パワーステアリング装置により消費される前記主電源の電力である電源電力が前記主電源から前記補助電源への充電および前記補助電源から前記電動モータへの放電の切り替えの基準値となる充放電閾値以上になると予測されるとき、前記主電源から前記補助電源に第1基準電流を供給し、前記電源電力が前記充放電閾値未満となると予測されるとき、前記主電源から前記補助電源に前記第1基準電流よりも小さい第2基準電流を供給する請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
【0124】
電源電力が充放電閾値以上の場合、補助電源が電動モータに放電することが主電源の負荷の低減の観点から好ましい。このため、電源電力が充放電閾値以上の場合、補助電源が十分な蓄電量を有していることが好ましい。したがって、電源電力が充放電閾値以上のときに補助電源が十分な蓄電量を有していない場合、補助電源は速やかに充電されることが好ましい。
【0125】
また、電源電力が充放電閾値未満の場合、補助電源が電動モータに放電する必要はない。このため、電源電力が充放電閾値未満のときに補助電源が十分な蓄電量を有していない場合、補助電源は速やかに充電される必要はない。
【0126】
そこで、本電動パワーステアリング装置は、電源電力が充放電閾値以上になると予測されるとき、補助電源に第1基準電流を供給し、電源電力が充放電閾値未満と予測されるとき、補助電源に第1基準電流よりも小さい第2基準電流を供給する。したがって、電源電力が充放電閾値以上と予測されるときには、補助電源が速やかに充電される。
【符号の説明】
【0127】
1…EPS(電動パワーステアリング装置)、4…主電源、21…電動モータ、30…制御装置、40…補助電源装置、43…昇圧回路、43A…スイッチング素子、43B…スイッチング素子、45…キャパシタ(補助電源)、V1…出力電圧(主電源の電圧)、V2…キャパシタ電圧(補助電源の端子間電圧)、V3…昇圧電圧(昇圧回路が補助電源に印加する電圧)、TA…アシストトルク、τ…操舵トルク、VS…車速(車両の走行速度)、VK…車速閾値、IC…充電電流(主電源から補助電源に供給する電流)、ICK1…第1基準電流、ICK2…第2基準電流、KE…充放電閾値。
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