(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般に、電子楽器は、押し込み操作される操作子装置(例えば、発音する音高を指定する鍵、音色を選択する押しボタンなど)を備えている。例えば下記特許文献1に示されているように、ユーザによって操作される操作子本体部と操作子本体部を付勢するラバードームを有する操作子装置は知られている。ラバードームは合成ゴムにより一体的に形成されており、操作子本体部が押し込み操作されると弾性変形し、その弾性力による反力を操作子本体部に付与する。ラバードームは、操作子本体部に当接して押圧される被押圧部と、被押圧部の下側(被押圧部から見て操作子本体部とは反対側)にてドーム状に形成され、被押圧部が押圧されると弾性変形するドーム部とを有している。被押圧部における操作子本体部との当接面には、凹部が形成されている。すなわち、被押圧部はカップ状に形成されている。これにより、ラバードームの各部の肉厚をできるだけ一定にしてその成形性を向上させるとともに、ラバードームの耐久性を向上させることができる。
【0003】
また、特許文献1では、ラバードームの内側面に導電部が設けられ、操作子本体部が押し込み操作されてラバードームが変形したとき、導電部が回路基板に設けられた固定接点を短絡させるように構成されている。
【発明の概要】
【0005】
しかし、被押圧部がカップ状に形成されていると、被押圧部が押圧されたとき、被押圧部の上端部(操作子本体部との当接部)が変形し易い。とくに、
図13に示すように、被押圧部が傾斜するように押圧される場合には、傾斜方向(図示矢印方向)への変形が大きくなり易い。このように、ドーム部だけでなく被押圧部も変形するため、所望の反力特性(すなわち、操作子本体部の押し込み量(ストローク)に対するラバードームの反力の特性)を有する操作子装置(ラバードーム)を設計することが困難である。また、所望のタイミング(押し込み量)でスイッチのオンオフ状態が変化するように操作子装置(ラバードーム)を設計することが困難である。すなわち、操作子装置の開発にあたり、被押圧部及びドーム部の形状、肉厚などをそれぞれ調整する必要があるので、操作子装置の開発に多大な工数がかかる。
【0006】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、開発工数を削減できる操作子装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、押し込み操作される操作子本体部(20,110)と、操作子本体部の押し込み方向側に設けられた支持部材(30,50,120,140)と、操作子本体部と支持部材との間に設けられ、弾性材により内部に空間を有するようにドーム状に形成された付勢部材(40,150)であって、前記押し込み方向とは反対方向へ操作子本体部を付勢する付勢部材と、を備え、付勢部材は、操作子本体部に当接し、操作子本体部によって押圧される当接面を有する被押圧部(41,151)であって、前記当接面に凹部(42,152,153)が形成されていて、操作子本体部側から見て円環状を呈する被押圧部と、被押圧部及び支持部材の間にてドーム状に形成され、操作子本体部が押し込み操作されたとき弾性変形して、前記押し込み方向とは反対方向への付勢力を、被押圧部を介して操作子本体部に付与するドーム部(43,154)と、を有し、
前記凹部の内周面における異なる部位間に設けられ、前記押し込み方向に平行な板状のリブ(R1〜R8)が形成されている電子楽器の操作子装置(10,100)としたことにある。
【0008】
この場合、支持部材における操作子本体に対向する面に固定接点(51,141,142)が設けられ、ドーム部が弾性変形したときに固定接点に当接する可動接点部(60,152a,153a)がドーム部の内側面に設けられているとよい。
【0009】
上記のように構成した電子楽器の操作子装置によれば、付勢部材の被押圧部の凹部内にリブが形成されているので、操作子本体部により被押圧部が押圧されたときに被押圧部が変形することを抑制できる。したがって、所望の反力特性を得るため(すなわち、操作子本体部を押し込み操作したときの感触を良好にするため)に、主としてドーム部の形状、肉厚などに注目して設計すればよいので、操作子装置の開発工数を削減できる。また、付勢部材がスイッチとしての機能をも有する場合には、所望のタイミング(押し込み量)でスイッチのオンオフ状態を変化させるために、主としてドーム部の形状、肉厚などに注目して設計すればよいので、操作子装置の開発工数を削減できる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、被押圧部は、操作子本体部によって押圧されて所定の回動軸(P,C)周りに回動し、操作子本体部側から見たリブの延設方向と前記回動軸方向との間の角度(θ)が45°よりも小さいことにある。
【0011】
被押圧部が操作子本体部によって押圧されて所定の回動軸周りに回動するように構成される場合、被押圧部の上面と操作子本体部との間に、回動軸の延設方向に垂直な方向に摩擦力が作用することがある。本発明によれば、前記操作子本体部側から見た前記リブの延設方向と前記回動軸方向との間の角度が45°よりも小さいので、被押圧部における前記回動軸方向の剛性を向上させるとともに、回動軸の延設方向に垂直な方向への前記被押圧部の若干の変形が許容される。これにより、前記摩擦力に対する被押圧部の剛性をある程度確保するとともに、耐久性が低下することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子楽器の操作パネル部を切断して側方から見た断面図である。
【
図5】ラバードームが押圧された状態を示す断面図である。
【
図6】本発明の変形例に係るラバードームの平面図である。
【
図7】本発明の他の変形例に係るラバードームの平面図である。
【
図8】本発明のさらに他の変形例に係るラバードームの平面図である。
【
図10】スイッチ機能を備えたラバードームの断面図である。
【
図11】本発明の変形例に係る鍵装置を切断して側方から見た断面図である。
【
図13】従来の操作子装置のラバードームが押圧された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態においては、
図1に示すように、電子楽器の操作パネル部に設けられる押ボタン装置10について説明する。押ボタン装置10は、発音させる音色を選択する際、自動演奏を開始・停止させる際などに、同図における矢印方向に押し込み操作される。なお、
図1は、この電子楽器の操作パネル部を切断して側方から見た図であり、同図における左右方向がこの電子楽器の前後方向に対応し、同図における上下方向がこの電子楽器の高さ方向に対応する。また、
図1の紙面に垂直な方向がこの電子楽器の左右方向に対応する。
【0014】
押しボタン装置10は、押し込み操作されるキートップ20、キートップ20の下方に設けられ、キートップ20を支持するフレーム30、及びフレーム30の上面に配置され、キートップ20を上方へ付勢するラバードーム40を備える。
【0015】
キートップ20は、ベース部21、キートップ本体部22及びストッパ部23を備えている。これらのベース部21、キートップ本体部22及びストッパ部23は、合成樹脂材の射出成型により一体的に形成されている。ベース部21は、前後方向に延設されている。ベース部21の後端部には、左右方向に貫通する孔21aが形成されている。キートップ本体部22は、ベース部21の前端部から上方に突出するように形成されている。ストッパ部23は、ベース部21の前端部から下方へ延設された垂直部23aと垂直部23aの下端から後方へ水平に延設された水平部23bを備える。
【0016】
フレーム30は、金属板を曲げ加工して形成される。フレーム30は、左右方向に延設された上板部31と上板部31の前端及び後端からそれぞれ下方へ延設された前板部32及び後板部33を備える。前板部32及び後板部33の下端が電子楽器の本体部を構成するフレームFRに支持される。上板部31の後端部には、キートップ20を支持する支持部31aが形成されている。支持部31aは、上板部31の上面から上方へ突出するように形成されている。支持部31aは、キートップ20のベース部21の後端部を左右方向から挟み込むように形成された2枚の板状部からなる。この板状部は、対向する他方の板状部側に突出する突出部Pをそれぞれ備えている。この突出部Pがベース部21の孔21aに嵌合することにより、キートップ20が突出部Pを回動軸として回動可能に支持される。すなわち、キートップ20は、ユーザにより押し込み操作されると、左右方向に延びる回動軸まわりに回動する。
【0017】
また、フレーム30の前端部(上板部31の前端部から前板部32の上端部に亘る部分)には、開口部H1が設けられている。キートップ20がフレーム30に組み付けられた状態では、ストッパ部23の垂直部23aが開口部H1内に位置しており、水平部23bがフレーム30とフレームFRで囲まれた空間に進入している。上板部31の下面には、開口部H1の後端に沿って、ゴム、フエルトなどの衝撃吸収材によって形成されたストッパSTが組み付けられている。詳しくは後述するように、キートップ20は、その前端部がラバードーム40によって上方へ付勢されるが、キートップ20が上方へ付勢されたとき水平部23bの上面がストッパSTに当接する。これにより、キートップ20の前端部の上方への変位が規制される。
【0018】
また、この電子楽器の操作パネル部の外郭を構成するパネル面部Sは金属板により構成されている。パネル面部Sの中間部であって、キートップ20がフレーム30に組み付けられた状態でベース部21の前端部の上方に位置する部分には開口部H2(上下方向に貫通する孔)が設けられており、キートップ本体部22は、この開口部H2を通ってパネル面部Sよりも上方へ突出している。つまり、キートップ本体部22の上面がパネル面部Sの上面よりも少し上方に位置している。
【0019】
ラバードーム40は、合成ゴム、シリコンなどの弾性部材によって一体成型される。
図2乃至
図4に示すように、ラバードーム40は、キートップ20の下面に当接して押圧される被押圧部41を有する。被押圧部41は、上方(キートップ20側)から見て円環状を呈するように形成されている。被押圧部41の底は閉じている。すなわち、被押圧部41の上面の中央部には凹部42が形成されている。言い換えれば、被押圧部41はカップ状に形成されている。凹部42の内部にはリブR1及びリブR2が形成されている。リブR1及びリブR2は、前後方向に間隔をおいて設けられており、上方から見て左右方向にそれぞれ延びるように形成されている。すなわち、リブR1及びリブR2は、凹部42の内周壁部のうち右側に位置する部分から左側に位置する部分に亘って延びるように形成されている。凹部42の中心からリブR1までの距離と、凹部42の中心からリブR2までの距離は等しい。
【0020】
被押圧部41の下方にはドーム部43が形成されている。ドーム部43は、被押圧部41の周縁部のうち被押圧部41の下端よりも少し上方に位置する部分から下方へ広がるドーム状に形成されている。言い換えれば、ドーム部43の頂上部から上方へ突出するようにして被押圧部41が形成されている。ドーム部43の下端にはフランジ部43aが形成されている。フランジ部43aの下面には、下方に延びる図示しない突起部が形成されている。フレーム30の上板部31には図示しない貫通孔が形成されており、この貫通孔に、フランジ部43aの突起部が嵌め込まれる。これにより、ラバードーム40がフレーム30に固定される。
【0021】
また、被押圧部41の下端面から下方(すなわち、ドーム部43の内側)へ向かってストッパ部44が延設されている。ストッパ部44は、下方(すなわち、フレーム30側)から見て円環状を呈するように形成されている。
【0022】
なお、
図1においては、キートップ20が押し込み操作されたことを検出する検出装置は図示されていないが、前記検出装置としては、タクトスイッチ、光センサなどの既知の装置を採用することができる。
【0023】
キートップ20が押し込み操作されていない状態では、
図4に示すように、ラバードーム40のドーム部43はほとんど変形しておらず、キートップ20の前端部がラバードーム40によって上方へ押し上げられ、水平部23bの上面がストッパSTに当接した状態で静止している。一方、キートップ20が押し込み操作されると、キートップ20は、突出部Pを回動軸として回動する。すなわち、キートップ20の前端側が下方へ変位する。これに伴い、被押圧部41は、
図5に示すように、ドーム部43を弾性変形させながら、下方へ変位する。上記のように、キートップ20が突出部Pを回動軸として回動するため、被押圧部41も突出部Pを回動軸として回動する。そのため、ドーム部43の前端側が後端側よりも下方へ沈み込むように変形する。そして、ストッパ部44の下端面がフレーム30の上板部31の上面に当接してキートップ20の前端部の下方への変位が規制される。キートップ20の押し込み操作が解除されると、被押圧部41を介してキートップ20の前端部に付与されるドーム部43の弾性力により、キートップ20の前端部が上方へ押し上げられ、元の状態(
図4)に戻る。
【0024】
上記のように構成した押しボタン装置10によれば、ラバードーム40の被押圧部41の凹部42内にリブR1及びリブR2が形成されているので、キートップ20により被押圧部41が押圧されたときに被押圧部41が変形することを抑制できる。また、本実施形態では、キートップ20が突出部Pを回動軸として回動するため、キートップ20が回動したとき、被押圧部41の上面にはキートップ20の下面から前後方向に摩擦力が作用する。被押圧部41に凹部42を設けることなく円柱状に形成すれば被押圧部41の変形を防止できるが、この場合、耐久性が低下する傾向にある。そこで、本実施形態では、リブR1及びリブR2を左右方向に延設することにより、被押圧部41の左右方向の剛性を向上させるとともに、前後方向への若干の変形を許容している。これにより、前記摩擦力に対する被押圧部41の剛性をある程度確保するとともに、耐久性が低下することを抑制することができる。したがって、所望の反力特性を得るため(すなわち、キートップ20を押し込み操作したときの感触を良好にするため)に、主としてドーム部43の形状、肉厚などに注目して設計すればよいので、押しボタン装置10の開発工数を削減できる。
【0025】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0026】
例えば、上記実施形態では、凹部42内に2つのリブが平行に配置されているが、リブの数及びリブの延設方向は、上記実施形態に限られない。例えば、
図6に示すように、リブR1とリブR2の中央部がリブR3によって連結されていてもよい。また、例えば、
図7に示すように、リブR4及びリブR5をそれぞれの中間部にて交差するように延設してもよい。ただし、この場合、各リブの延設方向とキートップ20の回動軸方向との間の角度θを45°よりも小さくする。また、
図8及び
図9に示すように、凹部42は、その底部の中央部がさらに下方へ沈み込むように形成されたストッパ部42aを有していてもよい、このストッパ部42aがストッパ部44と同様に、キートップ20の前端部の下方への変位を規制するストッパとして機能する。同図の例では、ストッパ部42aの内部にてリブR6が左右方向に延設されている。なお、同図に示すように、ストッパ部42aの底面が閉じられていてもよいし、開放されていてもよい。上記のように、キートップ20が回動したときに被押圧部41に作用する摩擦力の方向(前後方向)に比べて、前記摩擦力の方向に垂直な方向(左右方向)の剛性が高くなるようにリブを設ければよい。なお、キートップ20が被押圧部41の上面に対して垂直な方向に移動するように構成されている場合には、前記摩擦力の影響を考慮する必要が無いので、リブの延設方向はいずれの方向であってもよい。
【0027】
また、
図10に示すように、ラバードーム40がスイッチ機能を有するように構成してもよい。同図の例では、離間した2つの電極からなる固定接点51が形成された回路基板50が、上板部31の上面に組み付けられている。そして、ストッパ部44の下端面には、導電ゴム、金属板などで形成された導電性部材60が組み付けられている。
図9に示すようにストッパ部の底面が閉じている場合には、その底面に導電性塗料を塗布してもよい。キートップ20が押し込み操作されてストッパ部44が下方へ変位すると、導電性部材60が固定接点51を構成する2つの電極に接触し、両者を短絡させる。
【0028】
また、本発明は、
図11に示すような電子楽器の鍵装置100としても実施可能である。鍵装置100は、前後方向に延設された鍵110と、鍵110を支持するフレーム120を備える。鍵110は、射出成型により形成され、キートップ20と同様に、その後端部がフレーム120に設けられた支持部121に支持されている。すなわち、支持部121に設けられた左右方向に延びる回動軸周りに回動可能に支持されている。また、鍵110の下方には、ハンマー130がフレーム120に支持されている。ハンマー130は、その前端部にて鍵110に係合しており、鍵110の回動に連動して、左右方向に延びる回動軸まわりに回動する。鍵110及びハンマー130が、本発明の操作子本体部に相当する。ハンマー130の前端部の下方に位置するフレーム120の前端部には、
図9を用いて説明した例における回路基板50と同様の回路基板140が組み付けられている。ただし、回路基板50とは異なり、回路基板140には、第1固定接点141及び第2固定接点142が前後方向に間隔をおいて形成されている。第2固定接点142は第1固定接点141よりも後方に形成されている。回路基板140の上面には、第1固定接点141及び第2固定接点142を覆うようにして、ラバードーム150が組み付けられている。
【0029】
ラバードーム150は、
図12に拡大して示すように、
図9を用いて説明した2つのラバードームを一体化した部材に相当する。具体的には、ラバードーム150は、ハンマー130の下面に設けられた押圧部131に当接して押圧される被押圧部151を備える。被押圧部151の後端側は前端側よりも上方に位置している。すなわち、前後方向中央部付近から後端側へ向かうに従って、被押圧部151の上面が徐々に高くなるように傾斜している。被押圧部151には、凹部42と同様の凹部152及び凹部153が形成されている。凹部152及び凹部153は、前後方向に間隔をおいて形成されている。凹部152及び凹部153の前後方向の間隔は、第1固定接点141と第2固定接点142の間隔と同等である。また、凹部152及び凹部153は、
図9におけるストッパ部42aと同様のストッパ部152a及びストッパ部153aをそれぞれ有する。ストッパ部152aの下面は、ストッパ部153aの下面よりも下方に位置している。ストッパ部152a及びストッパ部153aの内部には、リブR6と同様のリブR7及びリブR8がそれぞれ左右方向に延設されている。ストッパ部153aの下面、及びストッパ部152aの下面には、導電性塗料が塗布されている。また、ラバードーム150は、被押圧部151の周縁部から下方へ広がるドーム状に形成されたドーム部154を備える。
【0030】
上記のように、被押圧部151の上面は、その後端側へ向かうに従って高くなるように傾斜しており、回路基板140がフレームに組み付けられた状態では、被押圧部151の上面の後端側が前端側に比べて押圧部131に近接している。したがって、鍵110が押鍵され、ハンマー130が回動すると、押圧部131が被押圧部151の上面における後端側の部分に先に当接して、被押圧部151が押圧される。これにより、被押圧部151は、ドーム部154を弾性変形させながら、ドーム部154の前端部にて左右方向に延びる軸線C周りに回動する。ストッパ部152aの下面は、ストッパ部153aの下面よりも下方に位置しているので、鍵110が押鍵され、ハンマー130が回動すると、まず、ストッパ部152aの下面が第1固定接点141に当接し、第1固定接点141が短絡する。そして、鍵110の押鍵深さがさらに増加すると、ストッパ部153aの下面が第2固定接点142に当接し、第2固定接点142が短絡する。このように、第1固定接点141が短絡するタイミングと第2固定接点142が短絡するタイミングの差を用いて、鍵110の押鍵強さを検出することができる。
【0031】
上記のように構成した鍵装置100によれば、ストッパ部152a及びストッパ部153aの内部に、リブR7及びリブR8がそれぞれ左右方向に延設されているので、被押圧部151が押圧されたときに、被押圧部151が変形することを抑制できる。したがって、ラバードーム150を設計するにあたり、第1固定接点が短絡するタイミング(押鍵深さ)と第2固定接点が短絡するタイミング(押鍵深さ)を調整し易い。そのため、鍵装置100の開発工数を削減できる。