特許第6179138号(P6179138)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6179138
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20170807BHJP
   F21W 101/12 20060101ALN20170807BHJP
   F21W 101/14 20060101ALN20170807BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170807BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20170807BHJP
【FI】
   F21S8/10 371
   F21S8/10 352
   F21W101:12
   F21W101:14
   F21Y115:10
   F21Y115:15
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-50005(P2013-50005)
(22)【出願日】2013年3月13日
(65)【公開番号】特開2014-175284(P2014-175284A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 真理子
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−155903(JP,A)
【文献】 特開2010−199053(JP,A)
【文献】 特表2002−513508(JP,A)
【文献】 特開2006−072874(JP,A)
【文献】 特開2012−209049(JP,A)
【文献】 特開2010−251013(JP,A)
【文献】 特開2009−117270(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0033441(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体型光源と、レンズ部材と、を備え、
前記レンズ部材は、
前記レンズ部材の光軸方向に対して直交する前記レンズ部材の厚み方向と、前記光軸方向及び前記厚み方向に対して直交する延設方向とに延設されている出射面と、
前記半導体型光源の中央部から放射される光を前記出射面側に向けて入射させる第1入射面と、
前記第1入射面の両側であって、前記出射面の前記延設方向側に配置されていて、前記半導体型光源の側部から放射される光を前記厚み方向に対して直交する平面と平行な平行光として入射させる第2入射面と、
前記第2入射面から入射した前記平行光を前記出射面側に反射させる1つもしくは複数の反射面と、
を有する、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第2入射面は、前記厚み方向における一端から他端にかけて前記半導体型光源側に突出した凸曲線を前記光軸方向に延設してなる屈折面である、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第2入射面は、前記半導体型光源を焦点とし、前記厚み方向における一端から他端にかけて延びる双曲線を、前記光軸方向に、前記レンズ部材の成形金型の抜き勾配分傾斜させながら延設してなる屈折面である、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
1つもしくは複数の前記反射面は、直線もしくは曲線を、前記厚み方向に延設してなる反射面である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第1入射面は、前記半導体型光源を焦点とする双曲線を、前記双曲線の主軸を回転軸として回転させてなる回転双曲面の屈折面である、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記第1入射面には、前記半導体型光源の中央部から放射される光を前記出射面側に向けて拡散入射させる拡散部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体型光源と、レンズ部材と、を備える車両用灯具であって、たとえば、テールランプ、ストップランプ、テール・ストップランプ、クリアランスランプ、ターンシグナルランプ、リアフォグランプ、デイタイムランニングランプなどの車両用灯具に関するものである。特に、この発明は、出射面がレンズ部材の光軸に対して直交する方向に延設されていて、発光面が長方形形状などの長尺形状をなす車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、光源と、導光体と、を備え、導光体が、前面に左右方向へ長尺に形成された出射面と、後面に設けた第1入射面および第2入射面と、第1反射面および第2反射面および第3反射面と、を有するものである。光源からの光は、第1入射面から平行光として導光体中に入射し、その平行入射光が第1反射面で左右に反射され、その反射光が第2反射面で前に反射され、その反射光が出射面から前方に出射する。また、光源からの光は、第2入射面から導光体中に入射し、その入射光が第3反射面で前に反射され、その反射光が出射面から前方に出射する。これにより、出射面がライン状に発光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−22943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の車両用灯具は、第2入射面から導光体中に入射した入射光が導光体の上面や下面から外部に出射する(外に抜ける)場合がある。この場合においては、光源からの光が損失することとなる。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用灯具では、光源からの光が損失する場合がある、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、半導体型光源と、レンズ部材と、を備え、レンズ部材が、レンズ部材の光軸方向に対して直交するレンズ部材の厚み方向と、光軸方向及び厚み方向に対して直交する延設方向とに延設されている出射面と、半導体型光源の中央部から放射される光を出射面側に向けて入射させる第1入射面と、第1入射面の両側であって、出射面の延設方向側に配置されていて、半導体型光源の側部から放射される光を厚み方向に対して直交する平面と平行な平行光として入射させる第2入射面と、第2入射面から入射した平行光を出射面側に反射させる1つもしくは複数の反射面と、を有する、ことを特徴とする。
【0007】
この発明(請求項2にかかる発明)は、第2入射面が、厚み方向における一端から他端にかけて半導体型光源側に突出した凸曲線を光軸方向に延設してなる屈折面である、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項3にかかる発明)は、第2入射面が、半導体型光源を焦点とし、厚み方向における一端から他端にかけて延びる双曲線を、光軸方向に、レンズ部材の成形金型の抜き勾配分傾斜させながら延設してなる屈折面である、ことを特徴とする。
【0009】
この発明(請求項4にかかる発明)は、1つもしくは複数の反射面が、直線もしくは曲線を、厚み方向に延設してなる反射面である、ことを特徴とする。
【0010】
この発明(請求項5にかかる発明)は、第1入射面が、半導体型光源を焦点とする双曲線を、双曲線の主軸を回転軸として回転させてなる回転双曲面の屈折面である、ことを特徴とする。
【0011】
この発明(請求項6にかかる発明)は、第1入射面には、半導体型光源の中央部から放射される光を出射面側に向けて拡散入射させる拡散部が設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明の車両用灯具は、第2入射面が半導体型光源からの光を平行光としてレンズ部材中に入射させるので、第2入射面からレンズ部材中に入射した入射光がレンズ部材の上面や下面から外部に出射する(外に抜ける)場合がない。この結果、半導体型光源からの光が損失する場合がない。すなわち、半導体型光源からの光を有効利用することができ、長方形形状などの長尺形状の発光面が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態1を示す半導体型光源およびレンズ部材の説明図である。
図2図2は、レンズ部材の出射面、第1入射面、第2入射面、反射面を示す説明図である。
図3図3は、レンズ部材の第2入射面がレンズ部材の成形金型の抜き勾配分傾斜している状態を示す説明図である。
図4図4は、レンズ部材における光路を示す説明図である。
図5図5は、レンズ部材における光路を示す一部拡大説明図である。
図6図6は、長尺形状の出射面(発光面)が発光している状態を示す説明図である。
図7図7は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態2を示す光路の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。なお、特許請求の範囲の記載において、「平行」は「平行もしくはほぼ平行」を、「直交」は「直交もしくはほぼ直交」を、それぞれ定義する。
【0015】
(実施形態1の構成の説明)
図1図6は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態1を示す。図1(A)は、半導体型光源およびレンズ部材を示す平面説明図である。図1(B)は、図1(A)におけるB矢視図(半導体型光源およびレンズ部材を示す背面説明図)である。図1(C)は、図1(A)におけるC矢視図(半導体型光源およびレンズ部材を示す側面説明図)である。図4(A)は、半導体型光源およびレンズ部材の一部を示す平面光路説明図である。図4(B)は、図4(A)におけるB矢視図(半導体型光源およびレンズ部材の一部を示す背面光路説明図)である。図4(C)は、図4(A)におけるC矢視図(半導体型光源およびレンズ部材の一部を示す側面光路説明図)である。
【0016】
以下、この実施形態1における車両用灯具の構成について説明する。この実施形態1の車両用灯具は、灯室(図示せず)を区画するランプハウジング(図示せず)およびランプレンズ(図示せず)と、灯室内に配置されている半導体型光源1およびレンズ部材2と、を備えるものである。
【0017】
前記半導体型光源1および前記レンズ部材2は、この例では、テールランプのランプユニットを構成する。前記半導体型光源1および前記レンズ部材2のテールランプのランプユニットは、前記灯室内に、1ユニットもしくは複数ユニット配置されている。1ユニットの場合は、1個の前記半導体型光源1と1個の前記レンズ部材2とから構成されている。複数ユニットの場合は、複数個の前記半導体型光源1と複数個の前記レンズ部材2とから構成されている。この複数ユニットの場合の前記レンズ部材2は、独立した複数個であってもよいし、連続した1個であってもよい。また、前記半導体型光源1および前記レンズ部材2のテールランプのランプユニットは、その他の機能のランプユニットと共にリヤコンビネーションランプを構成する。前記リヤコンビネーションランプは、車両(図示せず)の後部の左右両側に搭載されている。
【0018】
(半導体型光源1の説明)
前記半導体型光源1は、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記半導体型光源1は、発光チップ(LEDチップ)11を封止樹脂部材で封止したパッケージ構造をなす。前記半導体型光源1は、基板(図示せず)に実装されている。前記基板は、取付部材など(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。前記半導体型光源1は、前記基板を介して給電される。図4に示すように、前記半導体型光源1の前記発光チップ11からの光L1、L2が広角にほぼ半球状(前記発光チップ11を点(角の頂点)とする立体角が約180°)に放射される。
【0019】
(レンズ部材2の説明)
前記レンズ部材2は、図1(A)に示すように、平面視の形状(車両の上方から車両の下方を見た形状、矢印X方向と反対方向に見た形状)が前記半導体型光源1を中心もしくはほぼ中心とするほぼ扇形状をなす。また、前記レンズ部材2は、図6に示すように、正面視の形状(車両の後方から車両の後部を見た形状)が長方形形状(長尺形状)をなす。さらに、前記レンズ部材2は、図1(B)、(C)に示すように、上下方向(矢印Xは、上方向)が板厚方向である板形状をなす。
【0020】
前記レンズ部材2は、この例では、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの透明樹脂材からなる。前記レンズ部材2は、取付部材など(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。すなわち、前記半導体型光源1と前記レンズ部材2とは、相対取付位置が維持されている状態で前記ランプハウジングに取り付けられている。
【0021】
前記レンズ部材2は、出射面20と、第1入射面21と、第2入射面22と、第1反射面231と、第2反射面232と、第3反射面233と、第1段差面241と、第2段差面242と、第3段差面243と、を有するものである。
【0022】
前記出射面20は、この例では、図6に示すように、長方形形状(長尺形状)をなすものである。前記出射面20は、光(L3、L5)を測定スクリーン(図示せず)に対して垂直もしくはほぼ垂直に出射させる平面である。前記出射面20は、前記レンズ部材2の正面に設けられている。
【0023】
前記第1入射面21は、前記半導体型光源1の前記発光チップ11の中央部(前記発光チップ11を点(角の頂点)とする立体角が約70°〜80°の中央部)から放射される光L1を平行光もしくはほぼ平行光(以下、単に「平行光」と称する)L3として入射させる面である。前記平行入射光L3は、前記レンズ部材2の光軸Zと平行もしくはほぼ平行である。前記第1入射面21は、前記レンズ部材2の前記半導体型光源1と対向する面(背面)の中央部に設けられている。すなわち、前記第1入射面21は、前記半導体型光源1の中央部と対応して設けられている。
【0024】
前記第1入射面21は、前記半導体型光源1の前記発光チップ11もしくはその近傍を焦点F1とする双曲線を、前記双曲線の主軸(前記レンズ部材2の光軸Z)を回転軸として回転させてなる回転双曲面の屈折面である。
【0025】
前記第2入射面22は、前記半導体型光源1の前記発光チップ11の側部(前記発光チップ11を点(角の頂点)とする立体角が約70°〜80°から約180°までの間の側部)から放射される光L2を平行光もしくはほぼ平行光(以下、単に「平行光」と称する)L4として入射させる面である。前記平行入射光L4は、前記光軸Zと平行もしくはほぼ平行である。前記第2入射面22は、前記レンズ部材2の前記半導体型光源1と対向する面(背面)の側部に設けられている。すなわち、前記第2入射面22は、中央部の前記第1入射面21の左右両側部であって、前記半導体型光源1の側部と対応して設けられている。
【0026】
前記第2入射面22は、前記半導体型光源1の前記発光チップ11もしくはその近傍を焦点F2とする双曲線を、前記光軸Z方向に、前記レンズ部材2の成形金型(図示せず)の抜き勾配θ°分傾斜させながら延設してなる屈折面である。図3において、Z1は、前記光軸Zと平行な線であって、前記第2入射面22の前記抜き勾配θ°を示す寸法線である。前記成形金型の抜き方向は、前記光軸Zの矢印方向と反対の方向である。
【0027】
前記第1反射面231および前記第2反射面232および前記第3反射面233は、前記第2入射面22から入射した前記平行入射光L4を前記光軸Zと平行もしくはほぼ平行な平行反射光もしくはほぼ平行反射光(以下、単に「平行反射光」と称する)L5として全反射させる面である。前記第1反射面231および前記第2反射面232および前記第3反射面233は、曲線を、前記光軸Zおよび前記出射面20の延設方向(左右方向)に対して直交する方向(上下方向、前記レンズ部材2の板厚方向)に延設してなる反射面である。前記第1反射面231および前記第2反射面232および前記第3反射面233は、前記第2入射面22の左右両側部であって、前記レンズ部材2の左右両側面に設けられている。
【0028】
前記第1段差面241は、前記第2入射面22と前記第1反射面231との間に設けられている。前記第1段差面241は、前記第2入射面22から入射した前記平行入射光L4を、何にも遮られずに前記第1反射面231で反射させる面である。
【0029】
前記第2段差面242は、前記第1反射面231と前記第2反射面232との間に設けられている。前記第2段差面242は、前記第2入射面22から入射した前記平行入射光L4を、前記第1反射面231で遮られずに前記第2反射面232で反射させる面である。
【0030】
前記第3段差面243は、前記第2反射面232と前記第3反射面233との間に設けられている。前記第3段差面243は、前記第2入射面22から入射した前記平行入射光L4を、前記第2反射面232で遮られずに前記第3反射面233で反射させる面である。
【0031】
前記第1段差面241および前記第2段差面242および前記第3段差面243は、前記出射面20を左右方向に延設させるための面である。
【0032】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1における車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0033】
半導体型光源1の発光チップ11を点灯する。すると、半導体型光源1の発光チップ11の中央部から放射される光L1は、レンズ部材2の第1入射面21からレンズ部材2中にレンズ部材2の光軸Zに平行な平行入射光L3として入射する。一方、半導体型光源1の発光チップ11の側部から放射される光L2は、レンズ部材2の第2入射面22からレンズ部材2中に平行入射光L4として入射する。
【0034】
第1入射面21からレンズ部材2中に入射した平行入射光L3は、レンズ部材2の出射面20の中央部から、測定スクリーンに対して垂直な、かつ、レンズ部材2の光軸Zに平行な平行出射光として外部に出射する。
【0035】
一方、第2入射面22からレンズ部材2中に入射した平行入射光L4は、レンズ部材2の第1反射面231および第2反射面232および第3反射面233で、レンズ部材2の光軸Zに平行な平行反射光L5として全反射する。その平行反射光L5は、レンズ部材2の出射面20の左右両側部から、測定スクリーンに対して垂直な、かつ、レンズ部材2の光軸Zに平行な平行出射光として外部に出射する。
【0036】
この結果、長方形形状(長尺形状)の出射面20が、図6中の点々にて示すように、ほぼ長方形形状(長尺形状)にかつほぼ均一に発光する。なお、半導体型光源1およびレンズ部材2のテールランプのランプユニットが複数ユニット配置されている場合においては、複数の出射面20を左右方向に延設すると、ライン状の発光面が得られる。ライン状の発光面の形状は、直線形状、L字形状、V字形状など任意の形状をなす。
【0037】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1における車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0038】
この実施形態1における車両用灯具は、第2入射面22が半導体型光源1からの光L2を平行入射光L4としてレンズ部材2中に入射させるので、第2入射面22からレンズ部材2中に入射した平行入射光L4がレンズ部材2の上面や下面から外部に出射する(外に抜ける)場合がない。この結果、半導体型光源1からの光L2が損失する場合がない。すなわち、半導体型光源1からの光L2を有効利用することができ、出射面20の長方形形状などの長尺形状の発光面が確実に得られる。
【0039】
この実施形態1における車両用灯具は、第2入射面22が、半導体型光源1側に突出した凸曲線を光軸Z方向に延設してなる屈折面である。すなわち、第2入射面22が、半導体型光源1を焦点F2とする双曲線を、光軸Z方向に、レンズ部材2の成形金型の抜き勾配分傾斜させながら延設してなる屈折面である。このために、半導体型光源1からの光L2を平行入射光L4として第2入射面22からレンズ部材2中に確実に入射させることができる。これにより、第2入射面22からレンズ部材2中に入射した平行入射光L4がレンズ部材2の上面や下面から外部に出射する(外に抜ける)場合がさらにない。この結果、半導体型光源1からの光L2が損失する場合がさらにない。すなわち、半導体型光源1からの光L2をさらに有効利用することができ、出射面20の長方形形状などの長尺形状の発光面がさらに確実に得られる。
【0040】
この実施形態1における車両用灯具は、第1反射面231および第2反射面232および第3反射面233が、曲線を、光軸Zおよび出射面20の延設方向(左右方向)に対して直交する方向(上下方向、レンズ部材2の板厚方向)に延設してなる反射面である。このために、第2入射面22からレンズ部材2中に入射した平行入射光L4を出射面20側に確実に反射させることができる。これにより、出射面20の長方形形状などの長尺形状の発光面がさらに確実に得られる。
【0041】
この実施形態1における車両用灯具は、第1入射面21が、半導体型光源1の発光チップ11もしくはその近傍を焦点F1とする双曲線を、双曲線の主軸(レンズ部材2の光軸Z)を回転軸として回転させてなる回転双曲面の屈折面である。このために、半導体型光源1からの光L1を平行入射光L3として第1入射面21からレンズ部材2中に確実に入射させることができる。これにより、第1入射面21からレンズ部材2中に入射した平行入射光L3がレンズ部材2の上面や下面から外部に出射する(外に抜ける)場合がさらにない。この結果、半導体型光源1からの光L1が損失する場合がさらにない。すなわち、半導体型光源1からの光L1をさらに有効利用することができ、出射面20の長方形形状などの長尺形状の発光面がさらに確実に得られる。
【0042】
(実施形態2の構成の説明)
図7は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態2を示す。図中、図1図6と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施形態2における車両用灯具の構成について説明する。
【0043】
この実施形態2における車両用灯具は、第1入射面21に、半導体型光源1の中央部から放射される光L1を出射面20側に向けて拡散入射させる拡散部25を設けるものである。前記拡散部25は、この例では、前記半導体型光源1側に突出した凸曲面を複数本上下方向に設けてなるものである。すなわち、前記拡散部25は、複数本の縦シリンドリカル(かまぼこ)プリズムである。
【0044】
(実施形態2の作用、効果の説明)
この実施形態2における車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1における車両用灯具とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0045】
特に、この実施形態2における車両用灯具は、第1入射面21に、半導体型光源1の中央部から放射される光L1を出射面20側に向けて拡散入射させる拡散部25を設けるものである。このために、半導体型光源1からの光L1がレンズ部材2の第1入射面21の拡散部25からレンズ部材2中に拡散されながら(特に、左右方向に拡散されながら)入射する。これにより、第1入射面21の拡散部25からレンズ部材2中に拡散されながら(特に、左右方向に拡散されながら)入射した拡散入射光L6は、出射面20から拡散されながら(特に、左右方向に拡散されながら)出射する。
【0046】
以上から、第1入射面21からレンズ部材2中に拡散入射した拡散入射光L6がレンズ部材2の上面や下面から外部に出射する(外に抜ける)場合がさらにない。この結果、半導体型光源1からの光L1が損失する場合がさらにない。すなわち、半導体型光源1からの光L1をさらに有効利用することができ、出射面20の長方形形状などの長尺形状の発光面がさらに確実に得られる。しかも、拡散入射光L6により、出射面20がさらに均一に発光する。
【0047】
(実施形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2においては、リヤコンビネーションランプのテールランプについて説明するものである。ところが、この発明においては、リヤコンビネーションランプのテールランプ以外の車両用灯具、たとえば、リヤコンビネーションランプのストップランプ、テール・ストップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、あるいは、フロントコンビネーションランプのクリアランスランプ、ターンシグナルランプ、デイタイムランニングランプなどにも適用することができる。
【0048】
また、前記の実施形態1、2においては、3つの反射面231、232、233を有するものである。ところが、この発明においては、反射面として、1つ、2つ、もしくは4つ以上であっても良い。
【0049】
さらに、前記の実施形態1、2においては、第2入射面22が、発光チップ11もしくはその近傍を焦点F2とする双曲線を、光軸Z方向に、レンズ部材2の成形金型の抜き勾配θ°分傾斜させながら延設してなる屈折面である。ところが、この発明においては、第2入射面として、半導体型光源1側に突出した凸曲線を光軸Z方向に延設してなる屈折面、あるいは、その他の面であっても良い。
【0050】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、反射面231、232、233が、曲線を、光軸Zおよび出射面20の延設方向(左右方向)に対して直交する方向(上下方向、レンズ部材2の板厚方向)に延設してなる反射面である。ところが、この発明においては、反射面として、直線を、光軸Zおよび出射面20の延設方向(左右方向)に対して直交する方向(上下方向、レンズ部材2の板厚方向)に延設してなる反射面、その他の反射面であっても良い。
【0051】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、第1入射面21が、半導体型光源1の発光チップ11もしくはその近傍を焦点F1とする双曲線を、双曲線の主軸(レンズ部材2の光軸Z)を回転軸として回転させてなる回転双曲面の屈折面である。ところが、この発明においては、第1入射面として、その他の面であっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 半導体型光源
11 発光チップ
2 レンズ部材
20 出射面
21 第1入射面
22 第2入射面
231 第1反射面
232 第2反射面
233 第3反射面
241 第1段差面
242 第2段差面
243 第3段差面
25 拡散部
F1 第1入射面の双曲線の焦点
F2 第2入射面の双曲線の焦点
L1、L2 半導体型光源からの光
L3、L4 平行入射光
L5 平行反射光
L6 拡散入射光
X 上方向
Z レンズ部材の光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7