(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送電側シールド部の外周長さをWs、前記受電側シールド部の外周長さをWr、前記送電コイルと前記受電コイルとの間の最大離間距離をGmax、前記受電コイルの外周長さをLrとすると、Ws,Wr,Gmax及びLrは以下の関係式(2)を満たす請求項2に記載のワイヤレス電力伝送装置。
Wr−Ws>(2.4462×Ls−1.4193×Gmax−0.05)×Lr 式(2)
(但し、式中Ws,Wr,Gmax,Lr及びLsの単位はm、Wr−Ws>0である。)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0018】
(第1実施形態)
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明の第1実施形態の構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を示す斜視図である。
図2は、
図1におけるI−I線に沿うワイヤレス電力伝送装置の模式切断部端面図である。
【0019】
ワイヤレス電力伝送装置S1は、
図1に示されるように、送電ユニット10と、受電ユニット20を含む。送電ユニット10は、送電コイルL1と、送電側シールド部11を含む。受電側ユニット20は、受電コイルL2と、受電側シールド部21を含む。送電コイルL1と受電コイルL2は、その間に距離を空けて対向して配置され、ワイヤレスにて電力の伝送が行われる。
【0020】
送電ユニット10は、地中または地面近傍に配設される。送電コイルL1は、送電コイルL1と受電コイルL2間の離間距離と所望の電力伝送効率に基づいて、その巻数が適宜設定される。
【0021】
送電側シールド部11は、
図2に示されるように、送電コイルL1の受電コイルL2と対向する面とは反対側に配置されている。送電側シールド部11は、送電側磁性体12と、送電側磁性体12の送電コイルL1と対向する面とは反対側に配置される送電側導電体13を含む。すなわち、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向において、受電コイルL2から送電コイルL1に向かう方向で、送電コイルL1、送電側磁性体12、送電側導電体13の順で配置されている。ここで、送電側磁性体12と送電側導電体13とは、接触して配置されていてもよく、その間に空隙または絶縁体を設けていてもよい。
【0022】
送電側磁性体12は、磁性体から構成され、磁路の磁気抵抗を減らし、コイル間の磁気的な結合を高める作用を有する。磁性体としては、例えば、センダスト、MnZnフェライト、パーマロイなどが挙げられる。磁性体の透磁率及び電気抵抗は高ければ高いほど好ましく、これらの中では、特にMnZnフェライトが好ましい。
【0023】
送電側磁性体12は、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向と略直交する方向に延びる送電側磁性体基部12aと、送電側磁性体基部12aの周縁端に連結され、送電側磁性体基部12aに対して送電コイルL1の方向に傾く勾配を有し、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向に略平行な方向に延びる送電側磁性体突出部12bから構成される。送電側磁性体突出部12bの送電側磁性体基部12aに連結される縁部とは反対側の縁部は、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向に、送電コイルL1と同じ位置に位置していてもよく、高い位置(図示上方)に位置していてもよい。これら送電側磁性体基部12aと送電側磁性体突出部12bによって画定される空間に送電コイルL1が配置されることとなる。
【0024】
送電側導電体13は、導電体から構成され、電磁波を吸収する作用を有する。導電体としては、例えばアルミニウム、銅、銀などが挙げられる。導電体は、非磁性でもよく、その導電率は高ければ高いほど好ましい。
【0025】
送電側導電体13は、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向と略直交する方向に延びる送電側導電体基部13aと、送電側導電体基部13aの周縁端に連結され、送電側導電体基部13aに対して送電コイルL1の方向に傾く勾配を有し、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向に略平行な方向に延びる送電側導電体突出部13bから構成される。送電側導電体突出部13bの送電側導電体基部13aに連結される縁部とは反対側の縁部は、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向に、送電コイルL1と同じ位置に位置していてもよく、高い位置(図示上方)に位置していてもよい。これら送電側導電体基部13aと送電側導電体突出部13bによって画定される空間に送電コイルL1が配置されることとなる。
【0026】
受電コイルL2は、送電コイルL1からの電力を受電可能に構成され、好ましくは、送電コイルL1と同軸上に配設される。受電コイルL2は、送電コイルL1と受電コイルL2間の離間距離と所望の電力伝送効率に基づいて、その巻数が適宜設定される。
【0027】
受電側シールド部21は、
図2に示されるように、受電コイルL2の送電コイルL1と対向する面とは反対側に配置されている。受電側シールド部21は、受電側磁性体22と、受電側磁性体22の受電コイルL2と対向する面とは反対側に配置される受電側導電体23を含む。すなわち、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向において、送電コイルL1から受電コイルL2に向かう方向で、受電コイルL2、受電側磁性体22、受電側導電体23の順で配置されている。ここで、受電側磁性体22と受電側導電体23とは、接触して配置されていてもよく、その間に空隙または絶縁体を設けてもよい。
【0028】
受電側磁性体22は、磁性体から構成され、磁路の磁気抵抗を減らし、コイル間の磁気的な結合を高める作用を有する。磁性体としては、例えば、センダスト、MnZnフェライト、パーマロイなどが挙げられる。磁性体の透磁率及び電気抵抗は高ければ高いほど好ましく、これらの中では、特にMnZnフェライトが好ましい。
【0029】
受電側磁性体22は、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向と略直交する方向に延びる受電側磁性体基部22aと、受電側磁性体基部22aの周縁端に連結され、受電側磁性体基部22aに対して受電コイルL2の方向に傾く勾配を有し、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向に略平行な方向に延びる受電側磁性体突出部22bから構成される。受電側磁性体突出部22bの受電側磁性体基部22aに連結される縁部とは反対側の縁部は、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向に、受電コイルL2と同じ位置に位置していてもよく、低い位置(図示下方)に位置していてもよい。これら受電側磁性体基部22aと受電側磁性体突出部22bによって画定される空間に受電コイルL2が配置されることとなる。
【0030】
受電側導電体23は、導電体から構成され、電磁波を吸収する作用を有する。導電体としては、例えばアルミニウム、銅、銀などが挙げられる。導電体は、非磁性でもよく、その導電率は高ければ高いほど好ましい。
【0031】
受電側導電体23は、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向と略直交する方向に延びる受電側導電体基部23aと、受電側導電体基部23aの周縁端に連結され、受電側導電体基部23aに対して受電コイルL2の方向に傾く勾配を有し、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向に略平行な方向に延びる受電側導電体突出部23bから構成される。受電側導電体突出部23bの受電側導電体基部23aに連結される縁部とは反対側の縁部は、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向に、受電コイルL2と同じ位置に位置していてもよく、低い位置(図示下方)に位置していてもよい。これら受電側導電体基部23aと受電側導電体突出部23bによって画定される空間に受電コイルL2が配置されることとなる。
【0032】
続いて、送電ユニット10と受電ユニット20の寸法関係について詳細に説明する。本実施形態では、送電側シールド部11の外周長さは、受電側シールド部21の外周長さよりも小さくなっている。ここで、「送電側シールド部11の外周長さが受電側シールド部21の外周長さよりも小さい」とは、送電コイルL1と受電コイルL2の対向方向から見て、送電側シールド部11及び受電側シールド部21が略円形形状、略多角形形状、略楕円形形状のいずれの形状を呈している場合であっても、送電側シールド部11の中心点と受電側シールド部21の中心点が対向するように位置した状態において、送電側シールド部11の外周長さから換算された等価直径が受電側シールド部21の外周長さから換算された等価直径よりも小さい関係となる。また、送電側シールド部11の中心点と受電側シールド部21の中心点が対向するように位置した状態において、送電コイルL1と受電コイルL2との対向方向から見て、送電側シールド部11の全ての外輪郭が受電側シールド部21の全ての外輪郭よりも内側に位置している。言い換えると、送電側シールド部11の中心点と受電側シールド部21の中心点が対向するように配置されると、送電コイルL1と受電コイルL2との対向方向から見て、送電側シールド部11の全領域が受電側シールド部21に重なることとなる。
【0033】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1では、送電側シールド部11の外周長さが、受電側シールド部21の外周長さよりも小さく、且つ、送電側シールド部11の中心点と受電側シールド部21の中心点が対向するように位置した状態において、送電コイルL1と受電コイルL2との対向方向から見て、送電側シールド部11の全ての外輪郭が受電側シールド部21の全ての外輪郭よりも外側に位置している。そのため、送電コイルL1と受電コイルL2との間の距離変化や位置ずれが生じた場合であっても、不要な輻射ノイズを低減することができる。
【0034】
(第2実施形態)
続いて、
図3及び
図4を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を示す斜視図である。
図4は、
図3におけるII−II線に沿うワイヤレス電力伝送装置の模式切断部端面図である。第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S2は、送電コイルと受電コイルの寸法比、及び、送電側シールド部と受電コイルの寸法比の点において、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と異なっている。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0035】
ワイヤレス電力伝送装置S2は、
図3及び
図4に示されるように、送電ユニット100と、受電ユニット200を含む。送電ユニット100は、送電コイルL11と、送電側シールド部110を含む。受電側ユニット200は、受電コイルL12と、受電側シールド部210を含む。送電コイルL11と受電コイルL12は、その間に距離を空けて対向して配置され、ワイヤレスにて電力の伝送が行われる。
【0036】
次に、送電ユニット100と受電ユニット200の寸法関係について詳細に説明する。本実施形態では、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様に、送電側シールド部110の外周長さは、受電側シールド部210の外周長さよりも小さくなっている。但し、本実施形態では、送電コイルL11の外周長さと受電コイルL12の外周長さの関係、ならびに、送電側シールド部110の外周長さと受電コイルL12の外周長さの関係が第1実施形態と相違する。
【0037】
本実施形態では、送電コイルL11の外周長さは、受電コイルL12の外周長さよりも小さくなっている。ここで、「送電コイルL11の外周長さが受電コイルL12の外周長さよりも小さい」とは、送電コイルL11と受電コイルL12の対向方向から見て、送電コイルL11及び受電コイルL12が略円形形状、略多角形形状、略楕円形形状のいずれを呈している場合であっても、送電コイルL11の中心点と受電コイルL12の中心点が対向するように位置した状態において、送電コイルL11の外周長さから換算された等価直径が受電コイルL12の外周長さから換算された等価直径よりも小さい関係となる。また、送電コイルL11の中心点と受電コイルL12の中心点が対向するように位置した状態において、送電コイルL11と受電コイルL12との対向方向から見て、送電コイルL11の全ての外輪郭が受電コイルL12の全ての外輪郭よりも内側に位置している。
【0038】
さらに本実施形態では、送電側シールド部110の外周長さは、受電コイルL12の外周長さよりも小さくなっている。ここで、「送電側シールド部110の外周長さが受電コイルL12の外周長さよりも小さい」とは、送電コイルL11と受電コイルL12の対向方向から見て、送電側シールド部110及び受電コイルL12が略円形形状、略多角形形状、略楕円形形状のいずれを呈している場合であっても、送電側シールド部110の中心点と受電コイルL12の中心点が対向するように位置した状態において、送電側シールド部110の外周長さから換算された等価直径が受電コイルL12の外周長さから換算された等価直径よりも小さい関係となる。また、送電側シールド部110の中心点と受電コイルL12の中心点が対向するように位置した状態において、送電コイルL11と受電コイルL12との対向方向から見て、送電側シールド部110の全ての外輪郭が受電コイルL12の全ての外輪郭よりも内側に位置している。
【0039】
次に、
図5〜
図8を参照して、送電コイルL11の外周長さと受電コイルL12の外周長さの好ましい比率について詳細に説明する。
図5a〜
図5eは、送電コイルと受電コイルとの間の最大離間距離変化に対する送電コイルの外周長さと受電コイルの外周長さの比と結合係数との関係を示すグラフである。
図6a〜
図6eは、送電コイルと受電コイルとの間の最大離間距離変化に対する送電コイルの外周長さと受電コイルの外周長さの比と電力伝送効率との関係を示すグラフである。
図7は、送電コイルと受電コイルとの間の最大離間距離変化に対する、最大結合係数と、結合係数が最も高くなる場合の送電コイルの外周長さと受電コイルの外周長さの比を示すグラフである。
図8は、送電コイルの外周長さに対する送電コイルの外周長さと受電コイルの外周長さの比の傾きの大きさを示すグラフである。
【0040】
まず、送電コイルL11の外周長さをLs(m)、受電コイルL12の外周長さをLr(m)、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離をGmax(m)とする。なお、本実施形態では、送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなっているため、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrは1未満となる。
【0041】
図5aに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に結合係数kを表示している。
図5aに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを1.2mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、結合係数kが最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.45〜0.93の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。
【0042】
図5bに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に結合係数kを表示している。
図5bに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを1.6mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、結合係数kが最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.60〜0.95の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。
【0043】
図5cに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に結合係数kを表示している。
図5cに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを2.0mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、結合係数kが最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.70〜0.95の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。
【0044】
図5dに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に結合係数kを表示している。
図5dに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを2.4mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、結合係数kが最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.77〜0.98の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。
【0045】
図5eに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に結合係数kを表示している。
図5eに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを3.2mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、結合係数kが最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.84〜0.99の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。
【0046】
図6aに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に電力伝送効率η(%)を表示している。
図6aに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを1.2mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、電力伝送効率η(%)が最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.45〜0.93の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。なお、
図6aに示す例において、電力伝送効率η(%)が最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lr、言い換えると
図5aに示す例における結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことも確認できた。
【0047】
図6bに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に電力伝送効率η(%)を表示している。
図6bに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを1.6mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、電力伝送効率η(%)が最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.6〜0.95の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。なお、
図6bに示す例において、電力伝送効率η(%)が最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lr、言い換えると
図5bに示す例における結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことも確認できた。
【0048】
図6cに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に電力伝送効率η(%)を表示している。
図6cに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを2.0mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、電力伝送効率η(%)が最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.70〜0.95の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。なお、
図6cに示す例において、電力伝送効率η(%)が最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lr、言い換えると
図5cに示す例における結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことも確認できた。
【0049】
図6dに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に電力伝送効率η(%)を表示している。
図6dに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを2.4mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、電力伝送効率η(%)が最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.77〜0.98の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。なお、
図6dに示す例において、電力伝送効率η(%)が最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lr、言い換えると
図5dに示す例における結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことも確認できた。
【0050】
図6eに示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示し、縦軸に電力伝送効率η(%)を表示している。
図6eに示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを3.2.mに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させて測定した。測定結果から、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)が大きくなるにつれて、電力伝送効率η(%)が最も高くなるのは、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが0.84〜0.99の範囲、すなわち送電コイルL11の外周長さLsが受電コイルL12の外周長さLrよりも小さくなるときであることが確認できた。なお、
図6eに示す例において、電力伝送効率η(%)が最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lr、言い換えると
図5eに示す例における結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことも確認できた。
【0051】
図7に示すグラフは、横軸に送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を表示し、縦軸に結合係数kと送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表示している。
図7に示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを1.2m、1.6m、2.0m、2.4m、3.2mのそれぞれに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させた場合の最大結合係数kmaxと、結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrを表している。
図7に示されるように、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)に対して、結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrは、縦軸切片値が1で傾きが負の比例関係を示している。
【0052】
送電コイルL11の外周長さLsが1.2mの場合、結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの近似直線を求めると、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)に対する送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrは、以下の関係式(3)を満たすこととなる。なお、上述したように、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことから、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの許容範囲とする。
Ls/Lr=1−Gmax×1.82±0.05 式(3)
(但し、式中Ls,Lr,Gmaxの単位はm、Ls/Lr<1である。)
【0053】
送電コイルL11の外周長さLsが1.6mの場合、結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの近似直線を求めると、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)に対する送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrは、以下の関係式(4)を満たすこととなる。なお、上述したように、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことから、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの許容範囲とする。
Ls/Lr=1−Gmax×1.256±0.05 式(4)
(但し、式中Ls,Lr,Gmaxの単位はm、Ls/Lr<1である。)
【0054】
送電コイルL11の外周長さLsが2.0mの場合、結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの近似直線を求めると、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)に対する送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrは、以下の関係式(5)を満たすこととなる。なお、上述したように、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことから、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの許容範囲とする。
Ls/Lr=1−Gmax×0.9396±0.05 式(5)
(但し、式中Ls,Lr,Gmaxの単位はm、Ls/Lr<1である。)
【0055】
送電コイルL11の外周長さLsが2.4mの場合、結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの近似直線を求めると、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)に対する送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrは、以下の関係式(6)を満たすこととなる。なお、上述したように、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことから、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの許容範囲とする。
Ls/Lr=1−Gmax×0.7582±0.05 式(6)
(但し、式中Ls,Lr,Gmaxの単位はm、Ls/Lr<1である。)
【0056】
送電コイルL11の外周長さLsが3.2mの場合、結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの近似直線を求めると、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)に対する送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrは、以下の関係式(7)を満たすこととなる。なお、上述したように、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが±0.05程度変化しても電力伝送効率η(%)の変化が認められないことから、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの許容範囲とする。
Ls/Lr=1−Gmax×0.4436±0.05 式(7)
(但し、式中Ls,Lr,Gmaxの単位はm、Ls/Lr<1である。)
【0057】
図8に示すグラフは、横軸に送電コイルL11の外周長さLsを表示し、縦軸に送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)に対する送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの傾きの大きさAを表示している。
図8に示す例においては、送電コイルL11の外周長さLsを1.2m、1.6m、2.0m、2.4m、3.2mのそれぞれに設定し、受電コイルL12の外周長さLrを変化させるとともに、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離Gmax(m)を0.05m、0.10m、0.15m、0.20m、0.25m、0.30mに変化させた場合の結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの傾きの大きさAを表している。
図8に示されるように、送電コイルL11の外周長さLsに対する結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの傾きの大きさAは、以下の関係式(8)を満たすこととなる。
A=2.4462×Ls
−1.4193 式(8)
(但し、式中Lsの単位はmを示す。)
【0058】
したがって、上述の式(3)〜式(7)中で表される送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの傾きの大きさに、式(8)で表される結合係数kが最も高くなる送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrの傾きの大きさAを代入すると、以下の関係式(1)を満たすこととなる。
Ls/Lr=1−2.4462×Ls
−1.4193×Gmax±0.05 式(1)
(但し、式中Ls,Lr,Gmaxの単位はm、Ls/Lr<1である。)
すなわち、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが上述の式(1)を満たす場合、結合係数kが最も高くなるため、送電コイルL11と受電コイルL12との間の距離変化や位置ずれが生じた場合であっても、電力伝送効率をより一層高く維持することができる。
【0059】
続いて、
図9を参照して、送電側シールド部110と受電側シールド部210の好ましい寸法関係について詳細に説明する。
図9は、送電側シールド部110の外周長さWsと受電側シールド部210の外周長さWrの差と不要な輻射ノイズレベル(dBμV/m)との関係を示すグラフである。
【0060】
まず、送電コイルL11の外周長さをLs(m)、受電コイルL12の外周長さをLr(m)、送電側シールド部110の外周長さをWs(m)、受電側シールド部210の外周長さをWr(m)、送電コイルL11の外周長さLsと送電側シールド部110の外周長さWsの差をα(m)、受電コイルL12の外周長さLrと受電側シールド部210の外周長さWrの差をβ(m)、送電コイルL11と受電コイルL12との間の最大離間距離をGmax(m)とする。なお、本実施形態では、送電側シールド部110の外周長さWsが受電側シールド部210の外周長さWrよりも小さくなっているため、送電側シールド部110の外周長さWsと受電側シールド部210の外周長さWrの差Wr−Wsは、0よりも大きくなる。
【0061】
上述の関係より、送電側シールド部110の外周長さWsは、Ws=Ls+αとなり、受電側シールド部210の外周長さWrは、Wr=Lr+βとなる。したがって、送電側シールド部110の外周長さWsと受電側シールド部210の外周長さWrの差は以下の関係式(9)を満たすこととなる。
Wr−Ws=(Lr−Ls)+(β−α) 式(9)
(但し、式中Ws,Wr,Lr及びLsの単位はm、Wr−Ws>0である。)
ここで、送電コイルL11と受電コイルL12の間の距離変化や位置ずれが生じた場合であっても、電力伝送効率をより一層高く維持するためには、送電コイルL11の外周長さLsと受電コイルL12の外周長さLrの比Ls/Lrが上述の関係式(1)を満たす必要がある。したがって、上述の関係式(1)から送電コイルL11の外周長さLsを導いて関係式(9)に代入すると、送電側シールド部110の外周長さWsと受電側シールド部210の外周長さWrの差は以下の関係式(10)となる。
Wr−Ws=(Lr−(1−2.4462×Ls
−1.4193×Gmax±0.05)×Lr)+(β−α) 式(10)
(但し、式中Ws,Wr,Gmax,Lr,Ls,α及びβの単位はm、Wr−Ws>0である。)
【0062】
ところで、受電側シールド部210の外周長さWrを送電側シールド部110の外周長さWsよりも大きくすると不要な輻射ノイズの低減効果を向上させることができる。さらに、受電コイルL12の外周長さLrと受電側シールド部210の外周長さWrの差βを送電コイルL11の外周長さLsと送電側シールド部110の外周長さWsの差αよりも大きくする、すなわちβ>αの関係を満たすと不要な輻射ノイズを一層低減することができる。なお、送電コイルL11の送電側磁性体突出部12bによる送電コイルL11のインダクタンス低減作用と受電コイルL12の受電側磁性体突出部13bによる受電コイルL12のインダクタンス低減作用の影響を軽減するには、α,β≠0の関係を満たす必要がある。以上のことから、関係式(10)の送電側シールド部110の外周長さWsと受電側シールド部210の外周長さWrの差を大きくすれば大きくするほど不要な輻射ノイズの低減効果を向上させることができる。そして、α=βの関係のときに送電側シールド部110の外周長さWsと受電側シールド部210の外周長さWrの差が最小値となることから、送電コイルと受電コイルの間の距離変化や位置ずれが生じた場合であっても、電力伝送効率をより一層高く維持しつつ、不要な輻射ノイズをより一層低減しようとすると、送電側シールド部110の外周長さWsと受電側シールド部210の外周長さWrの差は、以下の関係式(2)を満たすこととなる。
Wr−Ws>(2.4462×Ls
−1.4193×Gmax−0.05)×Lr 式(2)
(但し、式中Ws,Wr,Gmax,Lr及びLsの単位はm、Wr−Ws>0である。)
【0063】
図9に示すグラフは、サンプル1、2の不要な輻射ノイズレベル(dBμV/m)を表すグラフである。ここで、
図9に示す例におけるサンプル1は上述の関係式(2)を満たしていないワイヤレス電力伝送装置を用い、サンプル2は上述の関係式(2)を満たすワイヤレス電力伝送装置S2を用いて不要な輻射ノイズレベルを測定した。測定結果から、サンプル1に比べて、サンプル2の方が不要な輻射ノイズレベル(dBμV/m)が低減されていることが確認できた。つまり、ワイヤレス電力伝送装置S2において、送電側シールド部110の外周長さWsと受電側シールド部210の外周長さWrの差が上述の関係式(2)を満たすことにより、不要な輻射ノイズをより一層低減できることが確認できた。
【0064】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S2では、送電側シールド部110の外周長さWsが、受電側シールド部210の外周長さWrよりも小さく、且つ、送電側シールド部110の中心点と受電側シールド部210の中心点が対向するように位置した状態において、送電コイルL11と受電コイルL12との対向方向から見て、送電側シールド部110の全ての外輪郭が受電側シールド部210の全ての外輪郭よりも外側に位置している。そのため、送電コイルL11と受電コイルL12との間の距離変化や位置ずれが生じた場合であっても、不要な輻射ノイズを低減することができる。
【0065】
本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S2においては、送電コイルL11の外周長さLsは、受電コイルL12の外周長さLrよりも小さく、且つ、送電コイルL11の中心点と受電コイルL12の中心点が対向するように位置した状態において、送電コイルL11と受電コイルL12との対向方向から見て、送電コイルL11の全ての外輪郭が受電コイルL12の全ての外輪郭よりも内側に位置している。そのため、送電コイルL11と受電コイルL12との間の距離変化や位置ずれが生じた場合であっても、電力伝送効率を高く維持することができる。
【0066】
また、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S2においては、送電側シールド部110の外周長さWsは、受電コイルL12の外周長さWrよりも小さく、且つ、送電側シールド部110の中心点と受電コイルL12の中心点が対向するように位置した状態において、送電コイルL11と受電コイルL12との対向方向から見て、送電側シールド部110の全ての外輪郭が受電コイルL12の全ての外輪郭よりも内側に位置している。そのため、送電コイルL11と受電コイルL12との間の距離変化や位置ずれが生じた場合であっても、不要な輻射ノイズを一層低減することができる。
【0067】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。また、記載した構成要素は、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一なものが含まれる。さらに、記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0068】
例えば、送電側導電体13及び受電側導電体23は、上記実施形態のものに限られない。
図10及び
図11に示されるように、送電側導電体13として、送電側導電体基部13aと送電側導電体突出部13bに加えて、送電側導電体突出部13bの周縁端に連結され、送電コイルL11から離れる方向、且つ、送電コイルL11と受電コイルL12の対向方向に対して略直交する方向に延びる送電側導電体延長部13cを備えていてもよく、受電側導電体23として、受電側導電体基部23aと受電側導電体突出部23bに加えて、受電側導電体突出部23bの周縁端に連結され、受電コイルL12から離れる方向、且つ、送電コイルL11と受電コイルL12の対向方向に対して略直交する方向に延びる受電側導電体延長部23cを備えていてもよい。この場合、送電側磁性体突出部12b及び受電側磁性体突出部22bの先端から生じる漏洩磁束が送電側導電体延長部13c及び受電側導電体延長部23cに発生する渦電流によって相殺されるため、より一層不要な輻射ノイズを低減することができる。