(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6179192
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】濃縮溶液の製造方法及び溶液濃縮用容器
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20170807BHJP
B01D 1/14 20060101ALI20170807BHJP
C01B 17/88 20060101ALI20170807BHJP
B65D 23/00 20060101ALN20170807BHJP
【FI】
G01N1/10 E
B01D1/14 Z
C01B17/88 Z
!B65D23/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-110703(P2013-110703)
(22)【出願日】2013年5月27日
(65)【公開番号】特開2014-228513(P2014-228513A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000206
【氏名又は名称】宇部興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134566
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 和俊
(72)【発明者】
【氏名】山中 英治
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 幸治
(72)【発明者】
【氏名】桜井 弘之
(72)【発明者】
【氏名】宮地 ちひろ
(72)【発明者】
【氏名】島野 哲郎
【審査官】
赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−160653(JP,A)
【文献】
特開2012−181092(JP,A)
【文献】
特開昭58−142244(JP,A)
【文献】
特開2009−098064(JP,A)
【文献】
特開2011−020026(JP,A)
【文献】
実公昭48−013646(JP,Y1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0067740(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00−1/28
C01B 17/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液が貯留される溶液貯留部と、前記溶液貯留部よりも上方に設けられた導入口及び排出口とを有する容器の前記溶液貯留部に溶液を入れる工程と、
前記溶液から蒸気を発生させながら、前記導入口から気体を導入し、前記蒸気を前記気体と共に前記排出口から排出させることにより前記溶液を濃縮し、濃縮溶液を得る濃縮工程と、
を備え、
前記濃縮工程において、前記容器内を正圧とし、
前記導入口の前記溶液貯留部側の端部と前記排出口の前記溶液貯留部側の端部とは、同一直線上に位置しないように設けられており、
上下方向において、前記導入口の前記溶液貯留部側の端部は、下方に向かって延びている一方、前記排出口の前記溶液貯留部側の端部は、上方に向かって延びており、
前記導入口は、前記導入口の前記溶液貯留部側の端部の延長線上に前記溶液貯留部が位置しないように、斜め下方に向かって延びるように設けられている、濃縮溶液の製造方法。
【請求項2】
前記導入口の流路面積は、前記排出口の流路面積よりも小さい、請求項1に記載の濃縮溶液の製造方法。
【請求項3】
前記容器内に導入される前記気体の単位時間あたりの体積が、単位時間あたりに発生する前記蒸気の体積よりも少ない、請求項1又は2に記載の濃縮溶液の製造方法。
【請求項4】
前記濃縮工程において、前記溶液を加熱することにより前記蒸気を発生させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の濃縮溶液の製造方法。
【請求項5】
前記溶液が、水を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の濃縮溶液の製造方法。
【請求項6】
前記溶液が濃硫酸である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の濃縮溶液の製造方法。
【請求項7】
溶液を濃縮するための容器であって、
溶液が貯留される溶液貯留部と、
前記溶液貯留部よりも上方に設けられており、気体を導入するための導入口と、
溶液貯留部よりも上方に設けられており、前記気体と共に、前記溶液から発生した蒸気が排出される排出口と、
を備え、
前記導入口の前記溶液貯留部側の端部と前記排出口の前記溶液貯留部側の端部とは、同一直線上に位置しないように設けられており、
上下方向において、前記導入口の前記溶液貯留部側の端部は、下方に向かって延びている一方、前記排出口の前記溶液貯留部側の端部は、上方に向かって延びており、
前記導入口は、前記導入口の前記溶液貯留部側の端部の延長線上に前記溶液貯留部が位置しないように、斜め下方に向かって延びるように設けられている、溶液濃縮用容器。
【請求項8】
前記導入口の流路面積は、前記排出口の流路面積よりも小さい、請求項7に記載の溶液濃縮用容器。
【請求項9】
前記溶液貯留部と、前記導入口とが設けられた容器本体と、
前記排出口が設けられた蓋部と、
を備え、
前記容器本体は、
前記溶液貯留部と、前記導入口とが設けられた第1の部分と、
前記第1の部分から上方に向かって延び、前記溶液貯留部に接続された開口を有する第2の部分と、
を有し、
前記開口と前記排出口とが接続されるように、前記第2の部分と前記蓋部とが固定されている、請求項7又は8に記載の溶液濃縮用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮溶液の製造方法及び溶液濃縮用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスなどに使用される高純度溶液に含まれる不純物の濃度を高精度に測定したいという要望がある。
【0003】
特許文献1には、不純物濃度測定用のサンプルを製造するために溶液を濃縮する方法として、以下の方法が記載されている。溶液試料を入れた試料容器を、吸気口と排気口とを有する濃縮槽内に配置する。その状態で、吸気口から濃縮槽内に清浄な気体を連続的に送り込みながら、濃縮槽の外側から溶液試料を加熱して溶液試料から発生した蒸気を送入した気体と共に排気口から排気する。これにより、溶液試料を濃縮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−111226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法では、吸気口から排気口へと向かう気体の気流に溶液試料から発生した蒸気が巻き込まれる。これにより、蒸気が気体と共に排気される。このため、特許文献1に記載の方法では、吸気口及び排気口を同一直線上に配置し、濃縮槽が負圧になるように気体の送入及び排気を行う必要がある。
【0006】
特許文献1に記載の方法では、溶液試料の攪拌等を行わないため、溶液試料が液体の状態で飛散しにくい。よって、溶液試料に含まれている溶質が試料容器内に留まりやすい。このため、試料容器中の溶質の量が変化しにくい。従って、特許文献1に記載の方法を用いることにより、溶液試料中の不純物濃度を高精度に測定し得る。
【0007】
しかしながら、不純物濃度のより高精度な測定を行うために、溶液をさらに好適に濃縮し得る方法が求められている。例えば、不純物の混入をより効果的に抑制しつつ、溶液を濃縮し得る方法が求められている。
【0008】
本発明の主な目的は、溶液を好適に濃縮し得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る濃縮溶液の製造方法では、溶液が貯留される溶液貯留部と、溶液貯留部よりも上方に設けられた導入口及び排出口とを有する容器の溶液貯留部に溶液を入れる。溶液から蒸気を発生させながら、導入口から気体を導入し、蒸気を気体と共に排出口から排出させることにより溶液を濃縮し、濃縮溶液を得る濃縮工程を行う。濃縮工程において、容器内を正圧とする。
【0010】
本発明に係る溶液濃縮用容器は、溶液を濃縮するための容器である。本発明に係る溶液濃縮用容器は、溶液貯留部と、気体を導入するための導入口と、排出口とを備える。溶液貯留部には、溶液が貯留される。導入口は、溶液貯留部よりも上方に設けられている。排出口は、溶液貯留部よりも上方に設けられている。排出口からは、気体と共に、溶液から発生した蒸気が排出される。導入口の溶液貯留部側の端部と排出口の溶液貯留部側の端部とは、同一直線上に位置しないように設けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、溶液を好適に濃縮し得る方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態における溶液濃縮用容器の略図的断面図である。
【
図2】第1の実施形態における溶液濃縮用容器の略図的正面図である。
【
図3】第1の実施形態における溶液濃縮用容器の略図的分解斜視図である。
【
図4】第2の実施形態における溶液濃縮用容器の略図的正面図である。
【
図5】第3の実施形態における溶液濃縮用容器の略図的正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0014】
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものである。図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における溶液濃縮用容器の略図的断面図である。
図2は、第1の実施形態における溶液濃縮用容器の略図的正面図である。
図3は、第1の実施形態における溶液濃縮用容器の略図的分解斜視図である。
【0016】
本実施形態では、
図1〜
図3に示す溶液濃縮用容器1を用いて、濃縮溶液を製造する方法について説明する。まず、溶液濃縮用容器1の構成について説明する。なお、本明細書において、方向は、溶液濃縮用容器1を水平な平坦面に配置したときに方向である。
【0017】
(溶液濃縮用容器1)
溶液濃縮用容器1は、溶液を濃縮するための容器である。
【0018】
溶液濃縮用容器1の材質は、濃縮しようとする溶液に対して高い耐性を有するものである限りにおいて特に限定されない。溶液濃縮用容器1は、例えば、石英などにより構成することができる。溶液濃縮用容器1は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0019】
溶液濃縮用容器1は、容器本体10と、蓋部20とを有する。
【0020】
容器本体10は、第1の部分10aと、第2の部分10bとを有する。
【0021】
第1の部分10aは、底壁部11と、側壁部12と、頂壁部13とを有する。底壁部11は、中央部が最も低く、外側に向かって高くなるように設けられている。具体的には、底壁部11は、逆円錐状に設けられている。底壁部11の底面からは、複数の脚部40が下方に向かって延びている。複数の脚部40は、側壁部12の中心軸を中心とする円に沿って等間隔に配置されている。これら複数の脚部40によって容器本体10が支持されている。脚部40の本数は、3〜6本程度であることが好ましい。本実施形態では、5本の脚部40が設けられている。
【0022】
底壁部11の外縁部には、側壁部12が接続されている。側壁部12は、略円筒状に設けられている。側壁部12は、底壁部11から上方に向かって延びている。なお、側壁部12は、上方に向かって幅広となるように設けられていてもよいし、幅狭となるように設けられていてもよい。
【0023】
側壁部12の上端部には、頂壁部13が接続されている。本実施形態では、頂壁部13は、略水平となるように設けられている。但し、本発明は、この構成に限定されない。頂壁部13は、例えば、中央側に向かって高くなるように設けられていてもよいし、中央側に向かって低くなるように設けられていてもよい。頂壁部13は、例えば、略平板状に設けられていてもよいし、曲板状に設けられていてもよい。
【0024】
図1に示されるように、頂壁部13の中央部には、開口13aが設けられている。頂壁部13の内側端部には、第2の部分10bが接続されている。第2の部分10bは、頂壁部13の内側端部から上方に向かって延びている。第2の部分10bは、略円筒状に設けられている。詳細には、第2の部分10bの外径は、上方に向かって漸減している。
【0025】
容器本体10の底部には、濃縮しようとする溶液30が貯留される溶液貯留部14が設けられている。溶液貯留部14は、底壁部11と側壁部12とにより構成されていてもよいし、底壁部11のみによって構成されていてもよい。溶液貯留部14の体積は、通常、容器本体10の体積の5%〜15%程度である。
【0026】
容器本体10の溶液貯留部14よりも上方に位置する部分には、導入管15が接続されている。具体的には、本実施形態では、導入管15は、頂壁部13に接続されている。より具体的には、導入管15は、頂壁部13の側壁部12との接続部に接続されている。もっとも、導入管15は、容器本体10の他の部分に接続されていてもよい。例えば、導入管15は、側壁部12に接続されていてもよい。
【0027】
導入管15は、導入口15aを有する。導入口15aは、溶液貯留部14を含む、容器本体10の内部空間に接続されている。導入口15aは、導入口15aの溶液貯留部14側の端部15a1の延長線上に溶液貯留部14が位置しないように、斜め下方に向かって延びるように設けられている。すなわち、導入口15aは、導入口15aの溶液貯留部14側の端部15a1の中心軸Cの延長線上に溶液貯留部14が位置しないように、斜め下方に向かって延びるように設けられている。もっとも、導入口15aの溶液貯留部14側の端部15a1は、例えば、水平に延びるように設けられていてもよい。本実施形態では、導入口15aは、直線状に設けられているが、曲線状に設けられていてもよい。
【0028】
第2の部分10bは、蓋部20に挿入されて固定されている。蓋部20は、第2の部分10bが嵌合挿入されるように設けられている。蓋部20は、蓋部本体21と、排出管22とを有する。蓋部本体21は、略円筒状に設けられている。蓋部本体21の内径は、下方に向かって漸増している。蓋部本体21の内径は、第2の部分10bの外径と略同一である。第2の部分10bは、蓋部本体21に嵌合挿入されて固定されている。
【0029】
蓋部本体21の上端部には、排出管22が接続されている。排出管22は、基端部22aと、屈曲部22bと、先端部22cとを有する。基端部22aは、蓋部本体21に接続されている。基端部22aは、蓋部本体21から上方に延びている。基端部22aの上端部と、先端部22cの一方側の端部とは、屈曲部22bによって接続されている。先端部22cは、屈曲部22b側から斜め下方に向かって延びている。
【0030】
排出管22は、排出口22dを有する。排出口22dは、溶液貯留部14よりも上方に設けられている。排出口22dは、容器本体10の内部空間と接続されている。排出口22dの溶液貯留部14側の端部22d1と、導入口15aの溶液貯留部14側の端部15a1とは、同一直線上に位置しないように設けられている。
【0031】
(濃縮溶液の製造方法)
次に、溶液濃縮用容器1を用いた濃縮溶液の製造方法について説明する。
【0032】
まず、溶液濃縮用容器1の溶液貯留部14に、濃縮しようとする溶液30を入れる。具体的には、蓋部20を容器本体10から取り外した状態で、第2の部分10bから溶液30を溶液貯留部14に流し込む。
【0033】
溶液30の種類は、特に限定されない。溶液30は、水を含んでいてもよい。溶液30は、水溶液であってもよいし、有機溶液であってもよい。溶液30は、例えば、濃硫酸、濃硝酸などであってもよい。
【0034】
次に、溶液30から蒸気を発生させながら、導入口15aから気体を導入し、溶液30から発生した蒸気を、導入した気体と共に、排出口22dから排出させる。これにより、溶液30を濃縮し、濃縮溶液を得る。
【0035】
溶液30から蒸気を発生させる方法は、特に限定されない。例えば、溶液30を加熱することにより溶液30から蒸気を発生させてもよい。
【0036】
導入口15aから導入される気体は、清浄な気体であることが好ましい。好ましい気体の具体例としては、例えば、窒素やアルゴンなどの不活性ガス等が挙げられる。
【0037】
ところで、高い濃縮効率を実現する観点からは、特許文献1に記載のように、吸気口と排気口とを同一直線上に設け、吸気口から排気口へと向かう気体の気流に溶液試料から発生した蒸気を巻き込ませて排気させることが好ましい。しかしながら、この場合は、容器内が負圧となる。このため、容器外から容器内に異物が流入する虞がある。異物が流入すると、溶液を好適に濃縮できない。例えば、濃硫酸中に含まれる金属濃度を測定するために、濃硫酸を濃縮する場合に、濃縮工程において、金属製の異物が流入すると、金属濃度を正確に測定することができない。
【0038】
そこで、本実施形態では、排出口22dの溶液貯留部14側の端部22d1と、導入口15aの溶液貯留部14側の端部15a1とを、同一直線上に位置しないように設け、濃縮工程において、溶液濃縮用容器1の内部を正圧とする。このようにすることにより、外部から溶液濃縮用容器1内への異物の混入を抑制することができる。
【0039】
さらに、濃縮工程において、溶液濃縮用容器1内を正圧とすることにより、溶液30の突沸を抑制することができる。このため、突沸することにより、溶質が溶液濃縮用容器1の内壁面に付着することを抑制することができる。
【0040】
従って、本実施形態の方法によれば、溶液30を好適に濃縮することができる。本実施形態の方法により製造された濃縮溶液を用いることにより、例えば、溶液30に含まれていた不純物などの濃度を高精度に測定することができる。従って、本実施形態の溶液濃縮用容器1及びそれを用いた濃縮溶液の製造方法は、溶液の濃度分析、濃度分析用濃縮溶液の製造、溶液の濃度調整、水溶性化合物の水性媒体からの取得等に有用である。
【0041】
溶液30内への不純物の混入をより効果的に抑制する観点からは、導入口15aが、導入口15aの溶液貯留部14側の端部15a1の延長線上に溶液貯留部14が位置しないように設けられていることが好ましい。導入口15aから導入された気体によって、溶液30の液面変動が生じにくくなるためである。
【0042】
同様に、導入口15aから導入する気体の単位時間あたりの量を少なくすることが好ましい。具体的には、溶液濃縮用容器1に導入される気体の単位時間あたりの体積は、単位時間あたりに発生する蒸気の体積よりも少ないことが好ましい。溶液濃縮用容器1に導入される気体の単位時間あたりの体積は、単位時間あたりに発生する蒸気の体積の10倍以下であることが好ましく、6倍以下であることがより好ましい。溶液濃縮用容器1に導入される気体の単位時間あたりの体積は、単位時間あたりに発生する蒸気の体積の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。溶液濃縮用容器1に導入される気体の流量は、例えば、10L/時間〜40L/時間程度であることが好ましく、20L/時間〜30L/時間程度であることがより好ましい。
【0043】
なお、溶液30の突沸の問題は、溶液30が水を含む場合に生じる問題である。従って、本実施形態の方法は、水を含む溶液30を濃縮する場合に特に有効である。
【0044】
以下、本発明の好ましい実施形態の他の例について説明する。以下の説明において、上記第1の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。
【0045】
(第2及び第3の実施形態)
図4は、第2の実施形態における溶液濃縮用容器1aの略図的正面図である。
図5は、第3の実施形態における溶液濃縮用容器1bの略図的正面図である。溶液濃縮用容器1a、1bは、それぞれ、第1の実施形態における溶液濃縮用容器1と、蓋部20が拡径部23を有する点で異なる。拡径部23は、蓋部本体21と排出管22との間に配されている。拡径部23の内径は、第2の部分10bの内径よりも大きい。
【0046】
また、溶液濃縮用容器1bでは、容器本体10に温度計等を挿入するための溶液貯留部14に至る管部19が設けられている。
【符号の説明】
【0047】
1、1a、1b…溶液濃縮用容器
10…容器本体
10a…第1の部分
10b…第2の部分
11…底壁部
12…側壁部
13…頂壁部
13a…開口
14…溶液貯留部
15…導入管
15a…導入口
15a1…端部
19…管部
20…蓋部
21…蓋部本体
22…排出管
22a…基端部
22b…屈曲部
22c…先端部
22d…排出口
22d1…端部
23…拡径部
30…溶液
40…脚部