特許第6179214号(P6179214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6179214
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】情報伝送システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/38 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   G06F13/38 350
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-127774(P2013-127774)
(22)【出願日】2013年6月18日
(65)【公開番号】特開2015-1960(P2015-1960A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石崎 智也
(72)【発明者】
【氏名】宇賀神 淳
(72)【発明者】
【氏名】粟田 恵徳
(72)【発明者】
【氏名】北川原 淳志
(72)【発明者】
【氏名】浜田 勉
【審査官】 圓道 浩史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−167623(JP,A)
【文献】 特開2010−129018(JP,A)
【文献】 特開2011−114490(JP,A)
【文献】 Eugin Hyun, Kwang-Su Seong,The Effective Buffer Architecture for Data Link Layer of PCI Express,International Conference on Information Tevhnology: Coding and Computing, 2004,IEEE,2004年 8月24日,P809-813,URL,ieeexplore.ieee.org/stamp.jsp?tp=&arnumber=1286569
【文献】 谷口 典之 Noriyuki TANIGUCHI,コグニティブ無線ネットワークにおけるパケット順序維持のためのパケット分配方式の検討 A Study of Packet Distribution Method for Packet Order Maintenance in Cognitive Radio Network,情報処理学会研究報告 Vol.2006 No.50 IPSJ SIG Technical Reports,日本,社団法人情報処理学会 Information Processing Society of Japan,2006年 5月18日,第2006巻、第50号,p.55-60,【ISSN】0919-6072
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
13/20−13/42
H04L 12/00−12/26
12/50−12/955
13/02−13/18
29/00−29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に設けられ各々が情報をシリアル伝送する複数の伝送路と、
前記複数の伝送路の各々に対応して設けられ、各々が複数のパケットをシリアルデータとして前記複数の伝送路を介して送信する複数の送信手段と、前記複数の伝送路の各々に対応して設けられ、各々が前記複数の伝送路を介して伝送されたパケットを受信する複数の受信手段と、を備えた情報伝送システムであって、
前記送信手段の上流側に、送信対象の情報に基づいて複数のパケットを生成する複数の生成手段と、前記複数の生成手段と前記複数の送信手段との接続状態を切り替える第1切替手段と、が配置され、
前記受信手段の下流側に、伝送された複数のパケットを受け取る複数の受取手段と、前記複数の受信手段と前記複数の受取手段との接続状態を切り替える第2切替手段と、が配置されて、
前記複数の生成手段のうち使用される2以上の生成手段で生成された複数のパケットが、2以上の伝送路で伝送されるように、前記第1切替手段が、前記複数の生成手段と前記複数の送信手段との接続状態を切り替え、
前記2以上の伝送路を介して伝送された複数のパケットが、前記複数の受取手段のうち前記使用される2以上の生成手段の各々に対応する受取手段により受け取られるように、前記第2切替手段が、前記複数の受信手段と前記複数の受取手段との接続状態を切り替える、
情報伝送システム。
【請求項2】
前記送信手段において、複数のパケットの各々に誤り訂正符号を付加して送信し、
前記受信手段において、受信した複数のパケットの各々に対し誤り検出を行い、誤りが検出されたパケットのデータを誤り訂正する
請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項3】
前記送信対象の情報が複数色の画像情報であり、1色の画像情報を2以上の伝送路で伝送する、請求項1または請求項2に記載の情報伝送システム。
【請求項4】
前記使用される2以上の生成手段が、YMCK色の一部の色に応じた第1生成手段、及び前記YMCK色の残部の色に応じた第2生成手段であり、
前記対応する受取手段が、前記一部の色に応じた第1受取手段、及び前記残部の色に応じた第2受取手段である、
請求項3に記載の情報伝送システム。
【請求項5】
前記送信対象の情報が複数色の画像情報であり、1色の画像情報を1つの伝送路で伝送する、請求項1または請求項2に記載の情報伝送システム。
【請求項6】
前記使用される2以上の生成手段が、YMCK各色に応じた4つの生成手段であり、
前記対応する受取手段が、YMCK各色に応じた4つの受取手段である、
請求項5に記載の情報伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCI Expressの物理層は、送信すべきパケットを利用可能なレーンにバイト単位で振り分けるバイト・ストライピング機構を有する。また、特許文献1には、シリアルバスを仮想チャネル単位で時分割に使い分けて複数トラフィックのパケットデータを伝送する仮想チャネル手段と、前記仮想チャネル毎にパケットデータを発行する優先度を調停するアービトレーション手段とを有するデータ転送装置において、発行するパケットデータのペイロードサイズを前記仮想チャネル毎に指定するペイロードサイズ指定手段と、前記仮想チャネル毎に指定されたペイロードサイズのパケットデータを生成して前記アービトレーション手段に出力するパケット生成手段と、を備えることを特徴とするデータ転送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-92286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、伝送対象の情報を複数の伝送路に分配してシリアル伝送する情報伝送システムにおいて、1つのパケットのデータが同じ伝送路によりシリアル伝送される情報伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、並列に設けられ各々が情報をシリアル伝送する複数の伝送路と、前記複数の伝送路の各々に対応して設けられ、各々が複数のパケットをシリアルデータとして前記複数の伝送路を介して送信する複数の送信手段と、前記複数の伝送路の各々に対応して設けられ、各々が前記複数の伝送路を介して伝送されたパケットを受信する複数の受信手段と、を備えた情報伝送システムであって、前記送信手段の上流側に、送信対象の情報に基づいて複数のパケットを生成する複数の生成手段と、前記複数の生成手段と前記複数の送信手段との接続状態を切り替える第1切替手段と、が配置され、前記受信手段の下流側に、伝送された複数のパケットを受け取る複数の受取手段と、前記複数の受信手段と前記複数の受取手段との接続状態を切り替える第2切替手段と、が配置されて、前記複数の生成手段のうち使用される2以上の生成手段で生成された複数のパケットが、2以上の伝送路で伝送されるように、前記第1切替手段が、前記複数の生成手段と前記複数の送信手段との接続状態を切り替え、前記2以上の伝送路を介して伝送された複数のパケットが、前記複数の受取手段のうち前記使用される2以上の生成手段の各々に対応する受取手段により受け取られるように、前記第2切替手段が、前記複数の受信手段と前記複数の受取手段との接続状態を切り替える、情報伝送システムである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記送信手段において、複数のパケットの各々に誤り訂正符号を付加して送信し、前記受信手段において、受信した複数のパケットの各々に対し誤り検出を行い、誤りが検出されたパケットのデータを誤り訂正する、請求項1に記載の情報伝送システムである。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記送信対象の情報が複数色の画像情報であり、1色の画像情報を2以上の伝送路で伝送する、請求項1または請求項2に記載の情報伝送システムである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記使用される2以上の生成手段が、YMCK色の一部の色に応じた第1生成手段、及び前記YMCK色の残部の色に応じた第2生成手段であり、
前記対応する受取手段が、前記一部の色に応じた第1受取手段、及び前記残部の色に応じた第2受取手段である、請求項3に記載の情報伝送システムである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記送信対象の情報が複数色の画像情報であり、1色の画像情報を1つの伝送路で伝送する、請求項1または請求項2に記載の情報伝送システムである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記使用される2以上の生成手段が、YMCK各色に応じた4つの生成手段であり、前記対応する受取手段が、YMCK各色に応じた4つの受取手段である、請求項5に記載の情報伝送システムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、伝送対象の情報を複数の伝送路に分配してシリアル伝送する情報伝送システムにおいて、1つのパケットのデータが同じ伝送路によりシリアル伝送される。また、複数の生成手段と複数の送信手段との接続状態を切り替えることができ、複数の受信手段と複数の受取手段との接続状態を切り替えることができる。
【0013】
請求項2、請求項6に記載の発明によれば、受信装置側で誤りが訂正され、誤りが検出された情報の再送が不要となる。
【0014】
請求項3、請求項4に記載の発明によれば、送信対象の画像情報の色毎に、使用する伝送路の数を増やすことで伝送速度が向上する。
【0015】
請求項5、請求項6に記載の発明によれば、送信対象の画像情報の色に応じて複数の生成手段が設けられ、送信対象の情報を伝送する際の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報伝送システムの構成の一例を示す概略図である。
図2】送信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】パケット構造の一例を示す模式図である。
図4】(A)から(C)は伝送路切替部の動作を説明するための模式図である。
図5】複数のパケットが分配される様子を示す模式図である。
図6】受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7】誤り訂正動作を説明するための模式図である。
図8】第2の実施の形態に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図9】(A)及び(B)は色毎に1つの伝送路を使用する場合の送受信動作を示す模式図である。
図10】(A)及び(B)は色毎に2つの伝送路を使用する場合の送受信動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
<第1の実施の形態>
(情報伝送システム)
まず、本発明の実施の形態に係る情報伝送システムの概略構成について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る情報伝送システムの構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、情報伝送システム10は、情報を送信する送信装置12と情報を受信する受信装置14とを備えている。
【0020】
送信装置12と受信装置14とは、並列に設けられた複数の伝送路16で接続されている。複数並列化することによりデータ伝送の高速化が図られる。図示した例では、第1伝送路16A、第2伝送路16B、第3伝送路16C、及び第4伝送路16Dの4つの伝送路で接続されている。以下、各伝送路を区別する必要がない場合は、伝送路16と総称する。
【0021】
各伝送路16は、送信装置12から受信装置14へ情報をシリアル伝送するための伝送路である。各伝送路16は、それぞれ2本の線路により構成され、差動信号が伝送される差動線路とされている。4つの伝送路は、8本の線路を束ねて外部から被覆を被せることで1本のケーブルとしてもよく、各伝送路16の各々2本の線路を束ねて4本のケーブルとしてもよい。
【0022】
(送信装置)
次に、送信装置12の構成について説明する。図2は送信装置の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、送信装置12は、インターフェイス(I/F)20、パケット生成部22、伝送路切替部24、及び複数の送信部26を備えている。送信装置12は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイなどの回路(IC:Integrated Circuit)により実装される。
【0023】
複数の送信部26の各々は、複数の伝送路16の各々に対応して設けられている。図示した例では、第1伝送路16Aに情報を送信する第1送信部26A、第2伝送路16Bに情報を送信する第2送信部26B、第3伝送路16Cに情報を送信する第3送信部26C、及び第4伝送路16Dに情報を送信する第4送信部26Dが設けられている。以下、各送信部を区別する必要がない場合は、送信部26と総称する。
【0024】
I/F20の出力側には、パケット生成部22が接続されている。パケット生成部22の出力側には、伝送路切替部24が接続されている。伝送路切替部24の出力側には、複数の送信部26の各々が切り替え可能に接続されている。例えば、回路の再構成により、複数の送信部26との接続を切り替える。或いは、スイッチ操作により、接続を切り替えてもよい。
【0025】
パケット生成部22は、I/F20から伝送対象の情報を取得して、取得した情報からパケットを生成する。後述する通り、本実施の形態では、予め定めたパケット長P、データ長Dの固定長パケットを生成する。パケット生成部22は、取得した情報をデータ長D以下の長さに分割し、分割個数に応じた複数のパケットを用意し、分割されたデータの各々を複数のパケットの各々に格納する。そして、複数のパケットの各々にヘッダを付加して、伝送路切替部24に出力する。
【0026】
伝送路切替部24は、操作部(図示せず)からの設定に基づいて、パケット生成部22と複数の送信部26との接続を切り替える。伝送路切替部24は、パケット生成部22と少なくとも1つの送信部26とを接続し、接続された送信部26にパケットを出力する。パケット生成部22と複数の送信部26とが接続された場合には、複数の送信部26にパケットが分配される。
【0027】
パケット生成部22と送信部26との接続を切り替えることで、パケット生成部22と伝送路16との接続が切り替わる。従って、伝送路切替部24は、パケット生成部22と接続された伝送路16にパケットを出力する。パケット生成部22と複数の伝送路16とが接続された場合には、複数の伝送路16にパケットが分配される。
【0028】
例えば、図4(A)に示すように、パケット生成部22と、第1送信部26A、第2送信部26B、第3送信部26C、及び第4送信部26Dの各々とを接続する。この場合は、図5に示すように、複数のパケットP1からP8は、P1→第1送信部26A、P2→第2送信部26B、P3→第3送信部26C、P4→第4送信部26D、P5→第1送信部26A、P6→第2送信部26B、P7→第3送信部26C、P8→第4送信部26Dというように、4つの送信部26の各々に順番に割り振られる。
【0029】
同様に、図4(B)に示すように、パケット生成部22と第1送信部26A及び第2送信部26Bの各々とを接続した場合は、複数のパケットは2つの送信部26(第1送信部26A及び第2送信部26B)の各々に順番に割り振られる。更に、図4(C)に示すように、パケット生成部22と第1送信部26Aとを接続した場合は、複数のパケットは第1送信部26Aにだけ出力される。
【0030】
第1送信部26A、第2送信部26B、第3送信部26C、及び第4送信部26Dの各々は、8B/10Bエンコーダ30、ECCエンコーダ32、パラレル/シリアル(P/S)変換器34、及び差動ドライバ36を備えている。8B/10Bエンコーダ30は、伝送路切替部24の出力側に接続されている。8B/10Bエンコーダ30の出力側には、ECCエンコーダ32が接続されている。ECCエンコーダ32の出力側には、P/S変換器34が接続されている。P/S変換器34の出力側には、差動ドライバ36が接続されている。
【0031】
8B/10Bエンコーダ30は、伝送路切替部24から入力されたデータに対して8B/10Bエンコードを行う。8B/10Bエンコードは、8ビットの情報に対して、10ビットのパターンを複数予め記憶しており、シリアルデータ上で1または0の均等なバランスとなるように変換するパターンを選択する。
【0032】
ECCエンコーダ32は、8B/10Bエンコーダ30でエンコードされたデータに基づいて誤り訂正符号(ECC:Error Correcting Code)を算出し、算出したECCをパケットに付加する。ECCとしては、例えば、ハミング符号、マンチェスタ符号、リードソロモン符号等を用いてもよい。
【0033】
P/S変換器34は、ECCエンコーダ32でエンコードされたデータを、シリアルのビット列に変換して差動ドライバ36に出力する。差動ドライバ36は、P/S変換器34から入力されたデジタルのビット列を電気信号に変換して伝送路16へ出力する。
【0034】
(パケット構造)
ここで、パケットの構造について説明する。
図3はパケット構造の一例を示す模式図である。図3に示すように、パケット本体は、ヘッダ部とデータ格納部とを有する。データ格納部には、伝送対象の情報のデータが格納される。本実施の形態では、パケット長Tは固定長とされる。格納されるデータのデータ長D(最大の長さ)もまた、パケット長Tに応じて予め定められた固定長である。従って、伝送対象の情報はデータ長D以下の長さに分割される。
【0035】
本実施の形態では、送信対象の情報を画像情報としてもよい。従来、画像形成装置と外部機器(コントローラ)との間の通信では、画像情報はパケット処理によりシリアル伝送されている。画像情報をシリアル伝送する場合には、パケット長T、データ長Dは固定長とされている。
【0036】
画像情報に限らず、パケット長T、データ長Dを固定長とすれば、送信するパケットにパケットの開始を示すスタートパケット(STP:Start of Packet)を付加するだけでよく、パケットの終了を示すエンドパケット(END)を付加する必要が無くなる。従って、本実施の形態では、パケット本体にSTPとECCとが付加されて伝送路16へ送出される。
【0037】
(受信装置)
次に、受信装置14の構成について説明する。図6は受信装置の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、受信装置14は、複数の受信部40、伝送路切替部42、パケット受信部44、及びI/F46を備えている。受信装置14は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイなどの回路(IC:Integrated Circuit)により実装される。
【0038】
複数の受信部40の各々は、複数の伝送路16の各々に対応して設けられている。図示した例では、第1伝送路16Aから情報を受信する第1受信部40A、第2伝送路16Bから情報を受信する第2受信部40B、第3伝送路16Cから情報を受信する第3受信部40C、及び第4伝送路16Dから情報を受信する第4受信部40Dが設けられている。以下、各受信部を区別する必要がない場合は、受信部40と総称する。
【0039】
伝送路切替部42の入力側には、複数の受信部40の各々が切り替え可能に接続されている。伝送路切替部42の出力側には、パケット受信部44が接続されている。パケット受信部44の出力側には、I/F46が接続されている。
【0040】
第1受信部40A、第2受信部40B、第3受信部40C、及び第4受信部40Dの各々は、差動レシーバ50、シリアル/パラレル(S/P)変換器52、ECCデコーダ54、及び8B/10Bデコーダ56を備えている。差動レシーバ50は、伝送路16に接続されている。差動レシーバ50の出力側には、S/P変換器52が接続されている。S/P変換器52の出力側には、ECCデコーダ54が接続されている。ECCデコーダ54の出力側には、8B/10Bデコーダ56が接続されている。8B/10Bデコーダ56の出力側には、伝送路切替部42が接続されている。
【0041】
差動レシーバ50は、伝送路16から受信される電気信号をデジタルのシリアルデータに変換する。S/P変換器52は、差動レシーバ50で変換されたシリアルデータをパラレルのビット列に変換して、ECCデコーダ54に出力する。
【0042】
ECCデコーダ54は、パケット単位でECCに基づいて誤り検出を行う。ECCデコーダ54は、図7に示すように、誤り検出を行う誤り検出部60と、誤り訂正を行う誤り訂正部62とを備えている。誤り検出部60は、パケットに付加されたECCに基づいて誤り検出を行い、誤りの位置を示す誤り位置情報を誤り訂正部62に出力する。誤り訂正部62は、誤り検出部60から誤り位置情報を取得した場合は、取得した誤り位置情報に基づいて誤り位置のデータを訂正する。これにより、送信されたパケットが復元される。8B/10Bデコーダ56は、ECCデコーダ54でデコードされたデータに対して8B/10Bデコードを行い、伝送路切替部42に出力する。
【0043】
伝送路切替部42は、操作部(図示せず)からの設定に基づいて、複数の受信部40とパケット受信部44との接続を切り替える。複数の受信部40とパケット受信部44との接続を切り替えることで、伝送路16とパケット受信部44との接続が切り替わる。また、伝送路切替部42は、接続された伝送路16から受信したパケットを、送信された順番に並べ直してパケット受信部44に出力する。
【0044】
パケット受信部44は、受信したパケットに格納されたデータを抽出し、伝送対象の情報をI/F46に出力する。
【0045】
本実施の形態では、伝送対象の情報を複数の伝送路に分配してシリアル伝送する場合でも、伝送対象の情報をパケット単位で複数の伝送路に分配するので、1つのパケットのデータが同じ伝送路によりシリアル伝送される。このため、従来のPCI Expressを用いたシリアル伝送システムに比べて、バイト・ストライピング機構及びバイト・アンストライピング機構が不要になる等、送信装置及び受信装置の構成が簡素化され、パケットデータの操作性が向上する。装置構成の簡素化は、製造コストの低減にも繋がる。
【0046】
また、本実施の形態では、パケット毎にECCを付加し、ECCに基づいて受信側で誤り訂正を行うことにしたので、再送方式を採用する従来のPCI Expressを用いたシリアル伝送システムに比べて、伝送のリアルタイム性が保証され、伝送時間の短縮により生産性が向上する。また、再送用のデータを保持しておくメモリが不要になる等、送信装置の構成が更に簡素化される。
【0047】
例えば、従来のPCI Expressを用いたシリアル伝送システムでは、パケット毎に誤り検出符号(CRC:Cyclic Redundancy Check code)が付加されている。1つのパケットのデータは、バイト・ストライピング機構により複数のレーンにバイト単位で分配される。従って、1ビットでも誤りが発生すると、全レーンについてデータの再送要求を行う必要がある。また、送信装置が再送機能を備えない場合は、複数のレーンで同時に誤りが発生すると伝送が中断(ダウン)してしまう。
【0048】
これに対し、本実施の形態では、伝送対象の情報をパケット単位で複数の伝送路に分配することに加えて、ECCに基づいて受信側で誤り訂正を行うので、1つの伝送路で誤りが発生しても、他の伝送路に影響を及ぼさない。即ち、複数の伝送路の伝送品質が独立に管理される。また、複数の伝送路で同時に誤りが発生しても、複数の伝送路の各々に対し独立に対処すれば済む。
【0049】
更に、本実施の形態では、複数の伝送路が切り替え可能に接続されており、伝送路切替部により使用する伝送路の数を増減させてもよい。例えば、使用する伝送路の数を増やすことで伝送速度が向上する。
【0050】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、送信装置12が1つのI/F20と1つのパケット生成部22とを備え、受信装置14が1つのパケット受信部44と1つのI/F46とを備える例について説明した。これに対し、第2の実施の形態では、送信装置12Aが複数のI/F20と複数のパケット生成部22とを備えると共に、受信装置14Aが複数のパケット受信部44と複数のI/F46とを備える。
【0051】
図8は第2の実施の形態に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、送信装置12Aは、複数のI/F20、複数のパケット生成部22、伝送路切替部24、及び複数の送信部26を備えている。図示した例では、複数のI/F20として、第1I/F20A、第2I/F20B、第3I/F20C、及び第4I/F20Dが設けられている。なお、第1I/F20A、第2I/F20B、第3I/F20C、及び第4I/F20Dの各々を区別する必要がない場合は、I/F20と総称する。
【0052】
また、図示した例では、複数のパケット生成部22として、第1パケット生成部22A、第2パケット生成部22B、第3パケット生成部22C、及び第4パケット生成部22Dが設けられている。なお、第1パケット生成部22A、第2パケット生成部22B、第3パケット生成部22C、及び第4パケット生成部22Dの各々を区別する必要がない場合は、パケット生成部22と総称する。
【0053】
第1パケット生成部22Aは、第1I/F20Aの出力側に接続されている。第2パケット生成部22Bは、第2I/F20Bの出力側に接続されている。第3パケット生成部22Cは、第3I/F20Cの出力側に接続されている。第4パケット生成部22Dは、第4I/F20Dの出力側に接続されている。伝送路切替部24の入力側には、複数のパケット生成部22の各々が切り替え可能に接続されている。
【0054】
第1の実施の形態との違いは、複数のI/F20と複数のパケット生成部22とが予めモジュールとして送信装置12Aに設けられており、伝送路切替部24の入力側に切り替え可能に接続されている点である。第1の実施の形態では、使用する伝送路の数(送信装置の出力端子の数)を増減させるが、第2の実施の形態では、送信対象の情報の属性に応じて、I/F20とパケット生成部22との組の数(送信装置の入力端子の数)を増減させる。
【0055】
なお、受信装置14Aの図示は省略するが、受信装置14Aは、複数の受信部40、伝送路切替部42、複数のパケット受信部44(第1パケット受信部44A、第2パケット受信部44B、第3パケット受信部44C、第4パケット受信部44D)、及び複数のI/F46(第1I/F46A、第2I/F46B、第3I/F46C、第4I/F46D)を備えるものである(図9及び図10参照)。
【0056】
上記の通り、I/F20とパケット生成部22との組の数は、送信対象の情報の属性に応じて増減させる。例えば、送信対象の情報がYMCK形式で表される画像情報である場合に、Y色、M色、C色、及びK色の各色について、I/F20とパケット生成部22との組を設けてもよい。
【0057】
図9(A)及び(B)は色毎に1つの伝送路を使用する場合の送受信動作を示す模式図である。図示した例では、第1I/F20Aと第1パケット生成部22Aとの組が設けられ、Y色に対して使用される。第2I/F20Bと第2パケット生成部22Bとの組が設けられ、M色に対して使用される。第3I/F20Cと第3パケット生成部22Cとの組が設けられ、C色に対して使用される。第4I/F20Dと第4パケット生成部22Dとの組が設けられ、K色に対して使用される。即ち、4つの組が設けられ、設けられた4つの組が全部使用される。
【0058】
伝送路切替部24は、第1パケット生成部22Aと第1送信部26A、第2パケット生成部22Bと第2送信部26B、第3パケット生成部22Cと第3送信部26C、第4パケット生成部22Dと第4送信部26Dが各々接続されるように、接続を切り替える。また、伝送路切替部42は、第1受信部40Aと第1パケット受信部44A、第2受信部40Bと第2パケット受信部44B、第3受信部40Cと第3パケット受信部44C、第4受信部40Dと第4パケット受信部44Dの各々が接続されるように接続を切り替える。
【0059】
これにより、Y色、M色、C色、及びK色の各色毎に1つの伝送路16が使用される。図示した例では、Y色の伝送には第1伝送路16Aが使用され、M色の伝送には第2伝送路16Bが使用され、C色の伝送には第3伝送路16Cが使用され、K色の伝送には第4伝送路16Dが使用される。
【0060】
図9(A)及び(B)に示すように、Y色の画像情報は、第1I/F20Aを介して第1パケット生成部22Aに出力される。第1パケット生成部22Aでは、Y色の画像情報に基づいてパケットが生成される。生成されたパケットは、伝送路切替部24、第1送信部26A、第1伝送路16A、第1受信部40A、伝送路切替部42を介して伝送され、第1パケット受信部44Aで受信される。第1パケット受信部44Aでは、パケットからY色の画像情報のデータが抽出される。抽出されたY色の画像情報は、第1I/F46Aを介して出力される。
【0061】
同様に、M色の画像情報は、第2I/F20Bから入力され、第2伝送路16Bを伝送して、第2I/F46Bから出力される。C色の画像情報は、第3I/F20Cから入力され、第3伝送路16Cを伝送して、第3I/F46Cから出力される。K色の画像情報は、第4I/F20Dから入力され、第4伝送路16Dを伝送して、第4I/F46Dから出力される。
【0062】
また、色毎に複数の伝送路を使用してもよい。図10(A)及び(B)は色毎に2つの伝送路を使用する場合の送受信動作を示す模式図である。4つの組が設けられる点は図9(A)及び(B)に示す例と同じである。図10(A)及び(B)に示す例では、第1I/F20Aと第1パケット生成部22Aとの組が、Y色(又はC色)に対して使用される。第2I/F20Bと第2パケット生成部22Bとの組が、M色(又はK色)に対して使用される。即ち、設けられた4つの組のうち2つの組が使用される。換言すれば、残り2つの組は使用されない。受信装置14A側についても同様に、対応する2つの組が使用される。
【0063】
伝送路切替部24は、第1パケット生成部22Aと第1送信部26A及び第2送信部26B、第2パケット生成部22Bと第3送信部26C及び第4送信部26Dが各々接続されるように、接続を切り替える。また、伝送路切替部42は、第1受信部40A及び第2受信部40Bと第1パケット受信部44A、第3受信部40C及び第4受信部40Dと第2パケット受信部44Bが各々接続されるように、接続を切り替える。
【0064】
これにより、Y色、M色、C色、及びK色の色毎に2つの伝送路16が使用される。図示した例では、Y色(又はC色)の伝送には第1伝送路16A及び第2伝送路16Bが使用され、M色(又はK色)の伝送には第3伝送路16C及び第4伝送路16Dが使用される。
【0065】
図10(A)及び(B)に示すように、Y色の画像情報は、第1I/F20Aを介して第1パケット生成部22Aに出力される。第1パケット生成部22Aでは、Y色の画像情報に基づいてパケットが生成される。生成されたパケットは、伝送路切替部24により第1送信部26A及び第2送信部26Bに分配される。
【0066】
第1送信部26Aに分配されたパケットは、第1伝送路16A、第1受信部40A、伝送路切替部42を介して伝送され、第1パケット受信部44Aで受信される。第2送信部26Bに分配されたパケットは、第2伝送路16B、第2受信部40B、伝送路切替部42を介して伝送され、第1パケット受信部44Aで受信される。第1パケット受信部44Aでは、パケットからY色の画像情報のデータが抽出される。抽出されたY色の画像情報は、第1I/F46Aを介して出力される。
【0067】
同様に、M色の画像情報は、第2I/F20Bから入力され、第3伝送路16C及び第4伝送路16Dの一方を伝送して、第2I/F46Bから出力される。
【0068】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果が得られることに加え、送信対象の情報の属性に応じて複数の生成手段がモジュールとして設けられており、複数の生成手段から使用される生成手段が選択される。即ち、モジュールを変更せずに、送信対象の情報の属性に応じて送信装置の入力端子の数が増減される。例えば、Y色、M色、C色、及びK色の4色の画像情報の場合には、4つの生成手段が設けられ、色毎に生成手段が使用される。これにより、送信対象の情報を伝送する際の操作性が向上する。
【0069】
また、第2の実施の形態では、送信対象の情報の属性毎に使用される伝送路が増減される。例えば、1色の画像情報を1つの伝送路で伝送する、1色の画像情報を2つの伝送路で伝送するか等、1色の画像情報をいくつの伝送路で伝送するかが選択される。
【0070】
1色の画像情報に使用される伝送路の数が多いほど、高速化・大容量化が図られる。一方、1色の画像情報に使用される伝送路の数が少ないほど、製造コストが低減される。
【0071】
なお、上記の実施の形態で説明した情報伝送システムの構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。例えば、送信装置と受信装置とを有する情報伝送システムとして説明したが、送信手段と受信手段とを兼ね備える送受信装置としてもよく、送受信装置間でシリアル伝送を行う情報伝送システムとしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 情報伝送システム
12 送信装置
12A 送信装置
14 受信装置
14A 受信装置
16 伝送路
20 I/F
22 パケット生成部
24 伝送路切替部
26 送信部
30 8B/10Bエンコーダ
32 ECCエンコーダ
34 P/S変換器
36 差動ドライバ
40 受信部
42 伝送路切替部
44 パケット受信部
46 I/F
50 差動レシーバ
52 S/P変換器
54 ECCデコーダ
56 8B/10Bデコーダ
60 誤り検出部
62 誤り訂正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10