(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プラントを監視するためのヒューマンマシンインタフェース装置(HMI装置)と前記プラントを制御する制御装置との間で信号を送受信するために用いられる、前記HMI装置の監視画面に表示される用品と前記制御装置との対応関係を定めたインタフェース情報を生成する設計支援装置であって、
互いに切替可能なHMIエンジニア用情報設計部とコントローラエンジニア用情報設計部と、を備え、
前記HMIエンジニア用情報設計部は、
少なくとも画面番号、用品番号、用品種別、制御装置番号が入力されたプラント制御管理仕様情報を作成可能な仕様情報作成手段と、
実行指示に応じて、前記プラント制御管理仕様情報中の画面番号、用品番号、用品種別、制御装置番号に基づいて、インタフェース情報を生成する第1インタフェース情報生成手段と、
前記プラント制御管理仕様情報に、前記第1インタフェース情報生成手段により生成されたインタフェース情報を関連付けて登録する第1仕様情報登録手段と、
第1切替指示に応じて、前記第1仕様情報登録手段により登録されたプラント制御管理仕様情報を前記コントローラエンジニア用情報設計部に送信し、解除指示が入力されるまで前記仕様情報作成手段の実行を禁止する第1切替手段と、を有し、
前記コントローラエンジニア用情報設計部は、
前記HMIエンジニア用情報設計部から受信した既存のプラント制御管理仕様情報から画面番号リストと、用品番号リストと、制御装置番号リストと、インタフェース情報リストとを抽出する既存仕様情報抽出手段と、
前記画面番号リストと、前記制御装置番号リストと、前記HMI装置の監視画面に追加可能な用品群を予め定めた用品種別リストとを含む追加用品登録画面を表示する追加用品登録画面表示手段と、
前記追加用品登録画面で選択された、前記画面番号リスト中の画面番号と、前記用品種別リスト中の用品種別と、前記制御装置番号リスト中の制御装置番号とを一時記憶する選択データ一時記憶手段と、
実行指示に応じて、前記選択データ一時記憶手段に一時記憶された画面番号、用品種別、制御装置番号と、前記用品番号リストに含まれていない新規の用品番号とに基づいて、前記インタフェース情報リストに含まれていない新規のインタフェース情報を生成する第2インタフェース情報生成手段と、
前記選択データ一時記憶手段に一時記憶された画面番号、用品種別、制御装置番号と、前記新規の用品番号と、前記第2インタフェース情報生成手段により生成されたインタフェース情報とを関連付けて、前記既存のプラント制御管理仕様情報に追加登録する第2仕様情報登録手段と、
第2切替指示に応じて、前記第2仕様情報登録手段により追加登録されたプラント制御管理仕様情報と前記解除指示とを前記HMIエンジニア用情報設計部に送信する第2切替手段と、
前記選択データ一時記憶手段によりデータが一時記憶された後、前記実行指示がなされるまでの間は、前記第2切替手段の実行を禁止する第2切替禁止手段と、を有すること、
を特徴とする設計支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0028】
実施の形態1.
[制御監視システムの全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る設計支援装置が適用された制御監視システム10の構成を示す概念構成図である。
【0029】
図1に示すように、実施の形態1に係る設計支援装置1が適用された制御監視システム10は、設計支援装置1と、HMI(Human Machine Interface)装置2と、1つ以上の制御装置3とを備える。HMI装置2と制御装置3とは、伝送装置としてのネットワーク4を介して接続されている。
【0030】
HMI装置2は、内部に記憶したタグ変数情報と監視画面情報とに基づいて、監視画面を表示すると共に、利用者による監視画面の操作に基づいて操作信号を生成し、この生成された操作信号を制御装置3へネットワーク4を介して送信する。また、HMI装置2は、制御装置3からネットワーク4を介して受信した表示信号に基づいて、監視画面上に表示用品を表示する。なお、監視画面とは、利用者が制御対象であるプラントを監視するために用いられる画面と、利用者が制御対象であるプラントを操作するために用いられる画面とを含むものである。
【0031】
制御装置3は、HMI装置2からネットワーク4を介して受信した操作信号に基づいて、各種プラント機器(図示しない)を制御する。また、制御装置3は、HMI装置2の監視画面上に表示用品を表示するための表示信号を生成し、この生成された表示信号をHMI装置2へネットワーク4を介して送信する。
【0032】
設計支援装置1は、HMIエンジニアやコントローラエンジニアに用いられて、HMI装置2と制御装置3との間で信号(操作信号および表示信号)を送受信するための情報であるプラント制御管理仕様情報(インタフェース情報を含む)、タグ変数情報およびコントローラ変数情報を生成する。
【0033】
設計支援装置1は、HMIエンジニアの操作により、HMIエンジニアが新規作成又は編集したプラント制御管理仕様情報の基礎的情報に基づいてインタフェース情報、タグ変数情報およびコントローラ変数情報を自動生成する。また、設計支援装置1は、HMI装置2の監視画面上に用品を追加する要求仕様の変更があった場合に、コントローラエンジニアが、既存のプラント制御管理仕様情報の範囲内において選択形式で追加用品を定義することで、その追加用品をプラント制御管理仕様情報に追加登録できる。さらに、追加登録されたプラント制御管理仕様情報に基づいて、タグ変数情報およびコントローラ変数情報を自動生成する。
【0034】
また、設計支援装置1は、記憶媒体5にタグ変数情報および監視画面情報を記憶し、HMI装置2が、この記憶媒体5に記憶されたタグ変数情報および監視画面情報を読み出すことにより、HMI装置2は、監視画面を生成すると共に、制御装置3との間で操作信号および表示信号を適切に送受信する。
【0035】
また、設計支援装置1は、記憶媒体5にコントローラ変数情報を記憶し、制御装置3が、この記憶媒体5に記憶されたコントローラ変数情報を読み出し、これに従って所定の送受信プログラムを実行することにより、HMI装置2との間で適切に操作信号および表示信号を送受信する。
【0036】
なお、設計支援装置1は、記憶媒体5によりタグ変数情報、監視画面情報およびコントローラ変数情報を制御装置3およびHMI装置2へ供給するが、これらの情報を記憶する記憶媒体5には、光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等を用いればよい。また、設計支援装置1とHMI装置2の間や、設計支援装置1と制御装置3との間をネットワークで接続し、このネットワークを介してこれらの情報を制御装置3およびHMI装置2へ供給するようにしてもよい。
【0037】
[HMI装置2の構成]
図2は、本発明の実施の形態1に係る設計支援装置1が適用された制御監視システム10に備えられたHMI装置2の構成を示す構成図である。
【0038】
図2に示すように、HMI装置2は、CPU211と、第1のメモリ212と、ネットワークインタフェース部213と、記憶媒体インタフェース部214と、入力部215と、出力部216と、ハードディスク217とを備える。
【0039】
第1のメモリ212は、揮発性半導体等で構成され、その機能上、操作信号記憶手段212aと、表示信号記憶手段212bとを備えている。
【0040】
操作信号記憶手段212aは、CPU211から供給された操作信号をCPU211により指示されたメモリアドレスに記憶する。
【0041】
表示信号記憶手段212bは、ネットワーク4を介してネットワークインタフェース部213から供給された表示信号をCPU211により指示されたメモリアドレスに記憶する。
【0042】
ネットワークインタフェース部213は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、このネットワークインタフェース部213によりネットワーク4に接続することによって、ネットワーク4に接続された制御装置3との間で操作信号および表示信号を送受信する。
【0043】
記憶媒体インタフェース部214は、記憶媒体5が接続されると、この接続された記憶媒体5に記憶されたタグ変数情報や監視画面情報等の各種情報を読み出し、CPU211に供給する。
【0044】
入力部215は、マウスやキーボード等の入力装置を備えており、利用者の操作により入力信号を生成しCPU211へ供給する。
【0045】
出力部216は、液晶ディスプレイ等の画像出力装置を備えており、CPU211から供給された出力信号に基づいて、監視画面等を表示する。
【0046】
ハードディスク217は、その機能上、タグ変数情報記憶手段217aと、監視画面情報記憶手段217bと、プログラム記憶手段217cとを備える。
【0047】
タグ変数情報記憶手段217aは、操作信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、表示信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とを関連付けてタグ変数情報として記憶する。
【0048】
監視画面情報記憶手段217bは、出力部216に表示させるための監視画面情報を記憶する。
【0049】
プログラム記憶手段217cは、オペレーションシステムの他、出力部216に監視画面を表示させるための監視操作プログラム等各種プログラムを記憶する。
【0050】
CPU211は、HMI装置2の中枢的な制御を行う。また、CPU211は、ハードディスク217のプログラム記憶手段217cに記憶された監視操作プログラムを実行することにより、監視画面情報記憶手段217bに記憶された監視画面情報に基づいて監視画面を出力部216に表示する。そして、CPU211は、入力部215から供給された入力信号に基づいて操作信号を生成し、タグ変数情報記憶手段217aに記憶されたタグ変数情報のメモリアドレスに基づいて、第1のメモリ212の操作信号記憶手段212aに記憶させる。さらに、CPU211は、操作信号記憶手段212aに記憶された操作信号をネットワークインタフェース部213を介して制御装置3へ送信する。
【0051】
また、CPU211は、ネットワークインタフェース部213により制御装置3から受信した表示信号を、タグ変数情報記憶手段217aに記憶されたタグ変数情報のメモリアドレスに基づいて、第1のメモリ212の表示信号記憶手段212bに記憶させる。そして、CPU211は、表示信号記憶手段212bに記憶された表示信号に基づいて、出力部216に監視画面上の表示用品を表示させる。
【0052】
図3は、本発明の実施の形態1において、出力部216に表示された監視画面の一例を示した図である。
【0053】
図3に示すように、出力部216に表示された監視画面は、ヒータやポンプ等のプラント機器の操作端に対応する用品を表示する領域を示す表示枠が表示されており、それぞれの操作端には、操作端の名称131や操作表示項目132が表示されている。
【0054】
また、監視画面上には、様々な用品151が配置されており、利用者が、入力部215から、用品151を押下操作すると、入力部215がこの押下操作された用品151に応じた操作信号を生成し、CPU211へ供給する。
【0055】
[制御装置3の構成]
図4は、本発明の実施の形態1に係る設計支援装置1が適用された制御監視システム10に備えられた制御装置3の構成を示す構成図である。
【0056】
図4に示すように、制御装置3は、CPU311と、第2のメモリ312と、ネットワークインタフェース部313と、記憶媒体インタフェース部314と、入出力インタフェース部315と、ハードディスク316とを備える。
【0057】
第2のメモリ312は、揮発性半導体等で構成され、その機能上、操作信号記憶手段312aと、表示信号記憶手段312bとを備えている。
【0058】
操作信号記憶手段312aは、ネットワーク4を介してネットワークインタフェース部313から供給された操作信号を、CPU311により指示されたメモリアドレスに記憶する。
【0059】
表示信号記憶手段312bは、CPU311から供給された表示信号をCPU311により支持されたメモリアドレスに記憶する。
【0060】
ネットワークインタフェース部313は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、このネットワークインタフェース部313によりネットワーク4に接続することによって、ネットワーク4に接続されたHMI装置2との間で操作信号および表示信号を送受信する。
【0061】
記憶媒体インタフェース部314は、記憶媒体5が接続されると、この接続された記憶媒体5に記憶されたコントローラ変数情報等の各種情報を読み出し、CPU311に供給する。
【0062】
入出力インタフェース部315は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、この入出力インタフェース部315により各種プラント機器に接続することによって、例えば、圧力計や温度計の指示値等各種プロセス値がプラント機器から供給され、また、CPU311から供給される電磁弁の開閉信号や温度計の制御設定値等の各種制御信号をプラント機器へ供給する。
【0063】
ハードディスク316は、その機能上、プログラム記憶手段316aと、コントローラ変数情報記憶手段316bとを備える。
【0064】
プログラム記憶手段316aは、オペレーションシステムの他、プラント機器(図示しない)を制御するための制御プログラムや、ネットワーク4を介してHMI装置2と操作信号および表示信号を送受信するためのインタフェースプログラム等の各種プログラムを記憶する。
【0065】
コントローラ変数情報記憶手段316bは、インタフェースプログラムを実行する際に用いられる変数の一覧であるコントローラ変数情報を記憶する。コントローラ変数情報は、操作信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、表示信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とを関連付けた情報を含む。
【0066】
CPU311は、制御装置3の中枢的な制御を行う。また、CPU311は、ハードディスク316のプログラム記憶手段316aに記憶された制御プログラムを実行することにより、各種プラント機器(図示しない)を制御するための各種制御信号を生成し、この生成した各種制御信号を入出力インタフェース部315を介してプラント機器へ送信する。
【0067】
さらに、CPU311は、HMI装置2の監視画面上に用品を表示するための表示信号を生成し、コントローラ変数情報記憶手段316bに記憶されたコントローラ変数情報のメモリアドレスに基づいて、第2のメモリ312の表示信号記憶手段312bに記憶させる。さらに、CPU311は、表示信号記憶手段312bに記憶された表示信号をネットワークインタフェース部313を介してHMI装置2へ送信する。
【0068】
また、CPU311は、記憶媒体インタフェース部314から供給されたコントローラ変数情報をコントローラ変数情報記憶手段316bに記憶させる。
【0069】
[設計支援装置1の構成]
図5は、本発明の実施の形態1に係る設計支援装置1の構成を示す構成図である。
【0070】
図5に示すように、設計支援装置1は、CPU11と、メモリ12と、記憶媒体インタフェース部14と、入力部15と、出力部16と、ハードディスク17と、プラント制御管理仕様情報データベース18とを備える。
【0071】
メモリ12は、揮発性半導体等で構成され、CPU11の命令に従って、適宜オペレーションプログラムや設計支援プログラム等の各種プログラムや、これらのプログラムを実行する上で必要な各種データを記憶する。
【0072】
記憶媒体インタフェース部14は、接続された記憶媒体5に、タグ変数情報、監視画面情報、コントローラ変数情報等の各種データを記憶する。
【0073】
入力部15は、マウスやキーボード等の入力装置を備えており、利用者(HMIエンジニア、コントローラエンジニア)の操作により入力信号を生成してCPU11へ供給する。
【0074】
出力部16は、液晶ディスプレイ等の画像出力装置を備え、CPU11から供給された出力信号に基づいて、HMIエンジニア用の設計支援画面(
図7)や、コントローラエンジニア用の設計支援画面(
図8、追加用品登録画面80)を表示する。
【0075】
ハードディスク17は、オペレーションプログラムや設計支援プログラム等の各種プログラムを記憶する。また、ハードディスク17は、その機能上、プラント制御管理仕様情報記憶手段17aと、監視画面情報記憶手段17bと、タグ変数情報記憶手段17cと、コントローラ変数情報記憶手段17dとを備える。
【0076】
プラント制御管理仕様情報記憶手段17aは、後述するCPU11の仕様情報作成手段111a、第1仕様情報登録手段111c、第2仕様情報登録手段112fにより生成されたプラント制御管理仕様情報を一時記憶する。
【0077】
ここで、プラント制御管理仕様情報に含まれる要素について説明する。
図6は、プラント制御管理仕様情報の一例を示す概念図である。
【0078】
図6に示す例では、プラント制御管理仕様情報に、画面番号601、用品番号602、用品種別(603、604、606〜612からなる)、コメント605、制御装置番号613、送受信アドレス614、信号名称(615、616)が含まれている。なお、
図6では省略されているが、プラント制御管理仕様情報の要素には、監視画面上における用品の位置情報、用品の属性情報も含まれる。属性情報には、例えば用品に含まれる操作ボタンの色やボタンに表示させるための表示名称等も含まれる。
【0079】
図6において、画面番号601は、HMI装置2に表示される監視画面の番号である。用品番号602は、監視画面上の用品(表示用品および操作用品)固有の番号である。用品種別(603、604、606〜612からなる)は、用品の種類を一意に識別するものである。コメント605は、用品の説明(例えば用品の名称)である。制御装置番号613は、制御装置3を特定する番号である。送受信アドレス614および信号名称(615、616)は、後述するインタフェース情報である。インタフェース情報は、より具体的には、操作信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、操作信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、表示信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、表示信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスとを含む送受信アドレス情報と、信号名称(操作信号のタグ名称および表示信号のタグ名称)とが関連付けられた情報である。上述した要素が関連付けられた情報によりプラント制御管理仕様情報の1レコードが構成される。プラント制御管理仕様情報の各レコードは、監視画面の画面番号、用品固有の用品番号、用品種別の3つのデータの組み合わせをキーとして特定できる。
【0080】
監視画面情報記憶手段17bは、上述した画面番号と、用品番号と、用品種別と、位置情報と、属性情報と、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とが、HMI装置2が読込可能なファイル形式へ変換された監視画面情報を記憶する。監視画面情報は、HMIエンジニアにより予め用意される。
【0081】
タグ変数情報記憶手段17cは、操作信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、表示信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とが、HMI装置2が読み込み可能なファイル形式へ変換されたタグ変数情報を記憶する。
【0082】
コントローラ変数情報記憶手段17dは、操作信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、表示信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とが、制御装置3が読み込み可能なファイル形式へ変換されたコントローラ変数情報を記憶する。
【0083】
プラント制御管理仕様情報データベース18は、後述するCPU11の仕様情報作成手段111a、第1仕様情報登録手段111c、第2仕様情報登録手段112fにより生成されたプラント制御管理仕様情報をプラント毎に記憶する。
【0084】
CPU11は、設計支援装置1の中枢的な制御を行う。CPU11は、その機能上、共通設計部113と、互いに切替可能なHMIエンジニア用情報設計部111と、コントローラエンジニア用情報設計部112とを備えている。
【0085】
[[設計支援装置1のHMIエンジニア用情報設計部111の構成]]
HMIエンジニア用情報設計部111の各構成について説明する。HMIエンジニア用情報設計部111は、仕様情報作成手段111aと、第1インタフェース情報生成手段111bと、第1仕様情報登録手段111cと、第1切替手段111dとを備えている。
【0086】
仕様情報作成手段111aは、少なくとも上述した画面番号、用品番号、用品種別、制御装置番号が入力されたプラント制御管理仕様情報を作成し、プラント制御管理仕様情報記憶手段17a、プラント制御管理仕様情報データベース18に記憶させる。
【0087】
仕様情報作成手段111aは、例えば、HMIエンジニアの操作により、監視画面情報記憶手段17bに記憶された監視画面情報に基づいて、上述した画面番号と用品番号と用品種別と位置情報と属性情報と制御装置番号とを関連付けたプラント制御管理仕様情報を作成する。また、仕様情報作成手段111aは、表計算ソフト等であって、HMIエンジニアによりプラント制御管理仕様情報を作成・編集可能なものであってもよい。プラント制御管理仕様情報は、プラント制御管理仕様情報記憶手段17a、作成・編集されたプラント制御管理仕様情報データベース18に記憶される。
【0088】
第1インタフェース情報生成手段111bは、実行指示に応じて、仕様情報作成手段111aにより作成・編集されたプラント制御管理仕様情報中の画面番号、用品番号、用品種別、制御装置番号に基づいて、インタフェース情報を生成する。
【0089】
具体的に説明する。実行指示はHMIエンジニアの画面操作により出される。
図7は、HMIエンジニア用の設計支援画面である。
図7の欄701から1つのプラント制御管理仕様情報を選択し、EXECUTEボタン703が押下されることで実行指示が出される。第1インタフェース情報生成手段111bは、実行指示に応じて、プラント制御管理仕様情報に含まれる画面番号、用品番号、用品種別、制御装置番号に基づいて、送受信アドレスと信号名称とを生成し、これらを関連付けてインタフェース情報を生成する。生成される送受信アドレスは、第1のメモリ212において操作信号を記憶するメモリアドレス、第2のメモリ312において操作信号を記憶するメモリアドレス、第1のメモリ212において表示信号を記憶するメモリアドレス、第2のメモリ312において表示信号を記憶するメモリアドレスである。生成される信号名称は、操作信号のタグ名称と表示信号のタグ名称である。タグ名称は、画面番号と用品番号と用品種別とを組み合わせて一意に定めた名称である。
【0090】
第1仕様情報登録手段111cは、仕様情報作成手段111aにより作成されたプラント制御管理仕様情報に、第1インタフェース情報生成手段111bにより生成されたインタフェース情報を関連付けて、プラント制御管理仕様情報データベース18に登録する。
【0091】
第1切替手段111dは、第1切替指示に応じて、プラント制御管理仕様情報データベース18に登録されたプラント制御管理使用情報をコントローラエンジニア用情報設計部112に送信する共に、解除指示が入力されるまで仕様情報作成手段111aの実行を禁止する。この第1切替指示は、HMIエンジニア用の設計支援画面(
図7)上の欄701から1つのプラント制御管理仕様情報が選択され、切替ボタン702が押下されることで出される。
【0092】
また、第1切替手段111dは、コントローラエンジニア用情報設計部112から送信されるプラント制御管理仕様情報を受信して、プラント制御管理仕様情報データベース18に登録されているプラント制御管理使用情報を上書き保存する。また、解除指示を受信して、仕様情報作成手段111aの実行禁止を解除する。
【0093】
[[設計支援装置1のコントローラエンジニア用情報設計部112の構成]]
上述したコントローラエンジニア用情報設計部112の各構成について説明する。コントローラエンジニア用情報設計部112は、既存仕様情報抽出手段112aと、追加用品登録画面表示手段112bと、選択データ一時記憶手段112cと、用品追加指示表示手段112dと、第2インタフェース情報生成手段112eと、第2仕様情報登録手段112fと、第2切替手段112gと、第2切替禁止手段112hとを備えている。
【0094】
既存仕様情報抽出手段112aは、HMIエンジニア用情報設計部111から受信した既存のプラント制御管理仕様情報から、画面番号をリスト化した画面番号リストと、画面番号毎に用品番号を集めた用品番号リストと、制御装置番号をリスト化した制御装置番号リストと、インタフェース情報リスト(信号の送受信アドレスや名称をリスト化した送受信アドレスリストおよび信号名称リスト)とを抽出する。
【0095】
追加用品登録画面表示手段112bは、少なくとも画面番号リストと、制御装置番号リストと、HMI装置2の監視画面上に新たに追加可能な用品群を予め定めた用品種別リストとを表示させる出力信号を出力する。出力部16は、この信号に基づいて追加用品登録画面80を表示する。
【0096】
図8は、本発明の実施の形態1に係る設計支援装置1に表示される追加用品登録画面80の模式図である。
【0097】
画面番号選択部801は、画面番号リスト内の画面番号を選択可能に表示する。用品種別選択部802は、当該プラントに追加しうる用品の用品種別リストを選択可能に表示する。コメント入力部803は、追加用品の説明を入力可能なテキストボックスを表示する。制御装置番号選択部804は、制御装置番号リスト内の制御装置番号を選択可能に表示する。
【0098】
用品種別選択部802は、「PART TYPE」欄、「DATA TYPE」欄、「DS/NI INFORMATION」欄、「TS/TX INFORMATION」欄を備える。
【0099】
「PART TYPE」欄は、PL(プッシュランプ)、SL(シグナルランプ)、DS(デジタルスイッチ)、NI(ニューメリックインジケータ)、TS(テキストスイッチ)、TX(テキスト)のいずれか1つを選択可能に表示する。PLについては、更にPL1、PL2(二者択一ボタン)、PL3(三者択一ボタン)のいずれか1つを選択可能である。
【0100】
「DATA TYPE」欄は、SL、DS、NIのいずれか1つが選択された場合に更に選択可能になる欄であり、BIT、INT、DINT、REALのデータサイズのいずれか1つを選択可能に表示する。
【0101】
「DS/NI INFORMATION」欄は、DS、NIのいずれか1つが選択された場合に更に入力可能になる欄であり、HIGH LIMIT(上限値)、LOW LIMIT(下限値)、UNIT(単位)をそれぞれ入力可能に表示する。
【0102】
「TS/TX INFORMATION」欄は、TS、TXのいずれか1つが選択された場合に更に入力可能になる欄であり、CHARACTER LENGTH(文字長)を選択可能に表示する。
【0103】
図5の選択データ一時記憶手段112cは、利用者(主にコントローラエンジニア)が追加用品登録画面80に入力した入力情報を一時記憶する。具体的には、選択データ一時記憶手段112cは、追加用品登録画面80で選択された、画面番号リスト中の画面番号と、用品種別リスト中の用品種別と、制御装置番号リスト中の制御装置番号とをメモリまたはプラント制御管理仕様情報記憶手段17aに一時記憶する。選択データ一時記憶手段112cは、
図8のENTERボタン805が押下されることで実行される。
【0104】
用品追加指示表示手段112dは、選択データ一時記憶手段112cにより一時記憶された入力情報の一覧を表示させる出力信号を出力部16に出力する。出力部16は、この出力信号に基づいて入力情報確認画面を表示する。入力情報確認画面には、
図8の追加用品登録画面80から入力された入力情報が追加用品毎に表示される。
【0105】
図5の第2インタフェース情報生成手段112eは、実行指示に応じて、選択データ一時記憶手段112cに一時記憶された画面番号、用品種別、制御装置番号と、用品番号リストに含まれていない新規の用品番号とに基づいて、インタフェース情報リストに含まれていない新規のインタフェース情報を生成する。
【0106】
詳細に説明する。利用者(主にコントローラエンジニア)に
図8のEXECUTEボタン806が押下されることで実行指示が出される。実行指示に応じて、まず第2インタフェース情報生成手段112eは、追加用品の用品番号として、固有の用品番号を生成する。具体的には、既存仕様情報抽出手段112aにより監視画面毎に抽出された用品番号リストに基づいて、用品番号リストに含まれていない新たな用品番号を生成する。
【0107】
次に、第2インタフェース情報生成手段112eは、追加用品と制御装置との間で表示信号と操作信号を送受信するための送受信アドレスとして、固有の送受信アドレスを生成する。具体的には、既存仕様情報抽出手段112aにより抽出された送受信アドレスリストと、選択データ一時記憶手段112cにより取り込まれた制御装置番号とに基づいて、送受信アドレスリストに含まれていない新たな送受信アドレスを生成する。送受信アドレスは、上述したように、操作信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、操作信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、表示信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、表示信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスとを含む。
【0108】
最後に、第2インタフェース情報生成手段112eは、追加用品に関する固有の信号名称(操作信号のタグ名称および表示信号のタグ名称)を生成し、この信号名称と送受信アドレスとを関連付けたインタフェース情報を生成する。
【0109】
なお、上述した固有の信号名称は、選択データ一時記憶手段112cに一時記憶された画面番号および用品種別と、上述した新たな用品番号とを組み合わせて生成される。具体例を挙げて説明する。
図6の信号名称615には、信号名称の一例として「G2_61PL_PL1」が示されている。「G2」は画面番号、「61」は用品番号、「PL_PL1」は用品種別に基づく。なお、この例では、「PL_PL1」は2つのプッシュランプを有するPL2のうち1番目のプッシュランプを示している。このように、画面番号と用品番号と用品種別の組み合わせにより、追加用品に固有の信号名称を生成することができる。
【0110】
第2仕様情報登録手段112fは、選択データ一時記憶手段112cに一時記憶された画面番号、用品種別と制御装置番号と、第2インタフェース情報生成手段112eにより生成された新規の用品番号およびインタフェース情報とを関連付けて、既存のプラント制御管理仕様情報に追加登録する。追加登録されたプラント制御管理仕様情報は、プラント制御管理仕様情報記憶手段17aに記憶される。
【0111】
第2切替手段112gは、第2切替指示に応じて、第2仕様情報登録手段112fにより追加登録されたプラント制御管理仕様情報と解除指示とをHMIエンジニア用情報設計部111に送信する。なお、第2切替指示は、利用者が追加用品登録画面80(
図8)の切替ボタン807を押下することで出される。
【0112】
第2切替禁止手段112hは、選択データ一時記憶手段112cによりデータが一時記憶された後から実行指示がなされるまでの間、第2切替手段112gの実行を禁止する。例えば、選択データ一時記憶手段112cによりデータが一時記憶された後、実行指示がなされるまでの間は、切替ボタン807が押下されても、第2切替指示を出さないことで、第2切替手段112gの実行を禁止する。
【0113】
[[設計支援装置1の共通設計部113の構成]]
上述した共通設計部113の各構成について説明する。共通設計部113は、タグ変数情報生成手段113aと、コントローラ変数情報生成手段113bとを備えている。
【0114】
タグ変数情報生成手段113aは、HMIエンジニア用情報設計部111またはコントローラエンジニア用情報設計部112により作成されたプラント制御管理仕様情報から、操作信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、表示信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とを抽出し、これら抽出された情報を関連付けて、HMI装置2が読み込み可能なファイル形式へ変換してタグ変数情報として生成する。タグ変数情報は、タグ変数情報記憶手段17cに記憶され、記憶媒体5を介してHMI装置2に反映される。
【0115】
コントローラ変数情報生成手段113bは、HMIエンジニア用情報設計部111またはコントローラエンジニア用情報設計部112により作成されたプラント制御管理仕様情報から、操作信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、表示信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とを抽出し、これら抽出された情報を関連付けて、制御装置3が読み込み可能なファイル形式へ変換してコントローラ変数情報として生成する。コントローラ変数情報は、コントローラ変数情報記憶手段17dに記憶され、記憶媒体5を介して制御装置3に反映される。
【0116】
[設定支援装置1における切替処理の流れ]
図9は、本発明の実施の形態1のシステムにおける、利用者(HMIエンジニアとコントローラエンジニア)がHMIエンジニア用情報設計部111による処理とコントローラエンジニア用情報設計部112による処理とを切り替える切替処理の流れについて説明するための図である。
【0117】
HMIエンジニアは、設計支援装置1のHMIエンジニア用情報設計部111を用いてプラント制御管理仕様情報を新規作成し、あるいは既存のプラント制御管理仕様情報を編集し、プラント制御管理仕様情報データベース18に登録する。また、コントローラエンジニアは、HMI装置2の監視画面上に用品を追加する要求仕様の変更があった場合に、HMIエンジニアによるプラント制御管理仕様情報の作成を待たずに、コントローラエンジニア用情報設計部112を用いて、既存のプラント制御管理仕様情報の範囲内で追加可能な用品を定義し、プラント制御管理仕様情報に追加登録する。
【0118】
まず、ステップ901において、利用者は、HMIエンジニア用の設計支援画面(
図7)上の欄701から1つのプラント制御管理仕様情報を選択し、切替ボタン702を押下する。切替ボタン702が押下されることで、HMIエンジニア用情報設計部111の第1切替手段111dに第1切替指示が出される。
【0119】
ステップ902において、第1切替手段111dは、第1切替指示に応じて、プラント制御管理仕様情報データベース18に登録されたプラント制御管理使用情報をコントローラエンジニア用情報設計部112に送信する共に、解除指示が入力されるまで仕様情報作成手段111aの実行を禁止する。
【0120】
ステップ903において、既存仕様情報抽出手段112aは、HMIエンジニア用情報設計部111から受信した既存のプラント制御管理仕様情報から、画面番号をリスト化した画面番号リストと、画面番号毎に用品番号を集めた用品番号リストと、制御装置番号をリスト化した制御装置番号リストと、インタフェース情報リストとを抽出する。
【0121】
ステップ904において、追加用品登録画面表示手段112bは、少なくとも画面番号リストと、制御装置番号リストと、HMI装置2の監視画面上に新たに追加可能な用品群を予め定めた用品種別リストとを表示させる出力信号を出力する。出力部16は、この信号に基づいて追加用品登録画面80(
図8)を表示する。
【0122】
ステップ905において、利用者(コントローラエンジニア)は、追加用品登録画面80(
図8)から追加したい用品の情報を入力する。入力情報には、画面番号リストから選択する画面番号、制御装置番号リストから選択する制御装置番号、用品種別リストから選択する用品種別、コメント等が含まれる。利用者は、追加用品登録画面80から1つの用品の情報を入力する毎に、
図8のENTERボタン805を押下する。
【0123】
ステップ906において、選択データ一時記憶手段112cは、利用者(コントローラエンジニア)が追加用品登録画面80に入力した入力情報を一時記憶する。具体的には、選択データ一時記憶手段112cは、追加用品登録画面80で選択された、画面番号リスト中の画面番号と、用品種別リスト中の用品種別と、制御装置番号リスト中の制御装置番号とをメモリまたはプラント制御管理仕様情報記憶手段17aに一時記憶する。選択データ一時記憶手段112cは、
図8のENTERボタン805が押下されることで実行される。
【0124】
ステップ907において、利用者(コントローラエンジニア)は、追加用品の追加登録を実行する指示を入力する。具体的には、利用者は、追加用品登録画面80のEXECUTEボタン806を押下する。EXECUTEボタン806が押下されることで実行指示が出される。
【0125】
第2インタフェース情報生成手段112eは、実行指示を受けて、ステップ908〜ステップ910の各処理を実行する。
【0126】
まず、ステップ908において、第2インタフェース情報生成手段112eは、追加用品の用品番号として、固有の用品番号を生成する。具体的には、ステップ903において監視画面毎に抽出された用品番号リストに基づいて、用品番号リストに含まれていない新たな用品番号を生成する。
【0127】
次に、ステップ909において、第2インタフェース情報生成手段112eは、追加用品と制御装置との間で表示信号と操作信号を送受信するための送受信アドレスとして、固有の送受信アドレスを生成する。具体的には、ステップ903において抽出された送受信アドレスリストと、ステップ906において取り込まれた制御装置番号とに基づいて、送受信アドレスリストに含まれていない新たな送受信アドレスを生成する。送受信アドレスは、上述したように、操作信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、操作信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、表示信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、表示信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスとを含む。
【0128】
最後に、ステップ910において、第2インタフェース情報生成手段112eは、追加用品に関する固有の信号名称(操作信号のタグ名称および表示信号のタグ名称)を生成し、この信号名称とステップ909において生成された送受信アドレスとを関連付けたインタフェース情報を生成する。
【0129】
ステップ911において、第2仕様情報登録手段112fは、ステップ906において一時記憶された画面番号と用品種別と制御装置番号と、ステップ908において生成された用品番号と、ステップ909において生成されたインタフェース情報とを関連付けて、既存のプラント制御管理仕様情報に追加登録する。追加登録されたプラント制御管理仕様情報は、プラント制御管理仕様情報記憶手段17aに記憶される。
【0130】
ステップ912において、利用者は、追加用品登録画面80で切替ボタン807を押下する。切替ボタン807が押下されることで、コントローラエンジニア用情報設計部112の第2切替禁止手段112hが実行される。
【0131】
ステップ913において、第2切替禁止手段112hによる判定処理が行われる。ステップ911において追加用品がプラント制御管理使用情報に追加登録された後に、切替ボタン807が押下された場合には、ステップ914の処理を実行する。一方、ステップ906において追加用品が一時記憶された後からステップ911において追加用品がプラント制御管理使用情報に追加登録されるまでの間に、切替ボタンが押下された場合には、切替処理をキャンセルする。これは、追加用品が未だ設計途中であると判断されるからである。
【0132】
ステップ914において、第2切替指示が出され、第2切替手段112gは、ステップ911において追加登録されたプラント制御管理仕様情報と、解除指示とをHMIエンジニア用情報設計部111に送信する。HMIエンジニア用情報設計部111は、プラント制御管理仕様情報を受信して、プラント制御管理仕様情報データベース18に登録されているプラント制御管理使用情報を上書き保存する。また、HMIエンジニア用情報設計部111は、解除指示を受信して、仕様情報作成手段111aの実行禁止を解除する。
【0133】
なお、ステップ915およびステップ916は、ステップ911後に実行される。ステップ911後、コントローラエンジニア用情報設計部112から共通設計部113にタグ変数情報ファイルの自動生成指令と、コントローラ変数情報ファイルの自動生成指示が出される。
【0134】
ステップ915において、タグ変数情報生成手段113aは、ステップ911において記憶されたプラント制御管理仕様情報から、操作信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、表示信号の第1のメモリ212におけるメモリアドレスと、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とを抽出し、これら抽出された情報を関連付けて、HMI装置2が読み込み可能なファイル形式へ変換してタグ変数情報として生成する。タグ変数情報は、タグ変数情報記憶手段17cに記憶され、記憶媒体5を介してHMI装置2に反映される。
【0135】
ステップ916において、コントローラ変数情報生成手段113bは、ステップ911において記憶されたプラント制御管理仕様情報から、操作信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、表示信号の第2のメモリ312におけるメモリアドレスと、操作信号のタグ名称と、表示信号のタグ名称とを抽出し、これら抽出された情報を関連付けて、制御装置3が読み込み可能なファイル形式へ変換してコントローラ変数情報として生成する。コントローラ変数情報は、コントローラ変数情報記憶手段17dに記憶され、記憶媒体5を介して制御装置3に反映される。
【0136】
(効果)
以上説明したように、実施の形態1に係る設計支援装置1によれば、HMIエンジニアはHMIエンジニア用情報設計部111を、コントローラエンジニアはコントローラエンジニア用情報設計部112を用いてインタフェース情報、タグ変数情報、コントローラ変数情報を自動生成できる。特に、コントローラエンジニア用情報設計部112によれば、HMI装置2に関する専門知識を有さないコントローラエンジニアであっても、既存のプラント制御管理仕様情報に基づいて、追加用品と制御装置との間の対応関係を定めるインタフェース情報、タグ変数情報、コントローラ変数情報を自動生成できる。
【0137】
また、実施の形態1に係る設計支援装置1によれば、HMIエンジニア用情報設計部111とコントローラエンジニア用情報設計部112との間で、一方がプラント制御管理仕様情報を占有管理することで、定義、登録される情報の混色、消失を回避できる。そのため、プラント制御管理仕様情報の整合性を確保することができる。ケアレスミスの削減による品質向上、設計手順の簡素化・効率化によるコスト削減が期待できる。
【0138】
実施の形態2.
[制御監視システムの全体構成]
次に、
図10、
図11を参照して本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは
図1〜
図4および
図10に示す構成において、
図11に示す利用者の操作および設定支援装置1の処理を実施させることで実現することができる。
【0139】
[設定支援装置1の構成]
上述した実施の形態1では、HMIエンジニア用の設計支援画面(
図7)で切替ボタン702が押下された場合の切替処理について説明した。この切替処理は、HMIエンジニア用情報設計部111においてプラント制御管理仕様情報にインタフェース情報が含まれ、各用品の情報が完全な形で定義されていることを前提としている。
【0140】
しかしながら、HMIエンジニアによるプラント制御管理仕様情報の作成作業が途中であり、プラント制御管理仕様情報にインタフェース情報が関連付けられていない設計途中の未完成データが含まれている場合もある。例えば、プラント制御管理仕様情報として画面番号、用品番号、用品種別、制御装置番号の一部が入力されていない場合や、すべて入力されているものの、HMIエンジニア用の設計支援画面(
図7)でEXECUTE703が押下されていない場合である。
【0141】
実施の形態2に係る設計支援装置1は、このような設計途中でHMIエンジニアの情報設計作業が中断されている場合に、コントローラエンジニアによる追加用品の追加登録、および、追加登録後にHMIエンジニアによる情報設計作業の継続を、情報の混色や消失が生じることなく実現するものである。
【0142】
図10は、本発明の実施の形態2に係る設計支援装置1の構成を示す構成図である。
【0143】
図10に示すように、実施の形態2に係る設計支援装置1は、コントローラエンジニア用情報設計部112に未完成データ除外手段112iと未完成データ再登録手段112jが加えられている点を除き、
図5の設計支援装置1と同様である。そのため、
図10において、
図5と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0144】
未完成データ除外手段112iは、HMIエンジニア用情報設計部111から受信した既存のプラント制御管理仕様情報から、インタフェース情報が関連付けられていない未完成データ(レコード)を除外する。これに伴い、既存仕様情報抽出手段112aは、未完成データ除外手段112iにより未完成データが除外された後のプラント制御管理仕様情報から画面番号リストと、用品番号リストと、制御装置番号リストと、インタフェース情報リストとを抽出する。
【0145】
未完成データ再登録手段112jは、第2仕様情報登録手段112fにより追加登録されたプラント制御管理仕様情報に、未完成データを再登録する。これに伴い、第2切替手段112gは、第2切替指示に応じて、未完成データ再登録手段112jにより未完成データが再登録されたプラント制御管理仕様情報と、解除指示とを、HMIエンジニア用情報設計部111に送信する。
【0146】
[設定支援装置1における切替処理の流れ]
図11は、本発明の実施の形態2のシステムにおける、利用者(HMIエンジニアとコントローラエンジニア)がHMIエンジニア用情報設計部111による処理とコントローラエンジニア用情報設計部112による処理とを切り替える切替処理の流れについて説明するための図である。
【0147】
図11において、上述した
図5の各操作および処理(ステップ901〜ステップ916)については、同様であるためその説明を簡略又は省略する。
【0148】
ステップ1101において、未完成データ除外手段112iは、HMIエンジニア用情報設計部111から受信した既存のプラント制御管理仕様情報から未完成データを除外する。具体的には、プラント制御管理仕様情報の各用品にインタフェース情報が関連付いていない場合には、
図6のDB COMPLETED欄617に未完了を示すチェックを入れる。その後のステップ903では、既存仕様情報抽出手段112aは、プラント制御管理仕様情報中の未完了を示すチェックが入っていないレコード群から画面番号リストと、用品番号リストと、制御装置番号リストと、インタフェース情報リストとを抽出する。
【0149】
ステップ1102において、未完成データ再登録手段112jは、ステップ911において追加登録されたプラント制御管理仕様情報に、未完成データを再登録する。具体的には、
図6のDB COMPLETED欄617に入っている未完了を示すチェックを削除する。その後のステップ914では、第2切替指示が出され、第2切替手段112gは、未完成データが再登録されたプラント制御管理仕様情報と、解除指示とをHMIエンジニア用情報設計部111に送信する。HMIエンジニア用情報設計部111は、プラント制御管理仕様情報を受信して、プラント制御管理仕様情報データベース18に登録されているプラント制御管理使用情報を上書き保存する。また、HMIエンジニア用情報設計部111は、解除指示を受信して、仕様情報作成手段111aの実行禁止を解除する。
【0150】
(効果)
以上説明したように、実施の形態2に係る設計支援装置1によれば、HMIエンジニアによるプラント制御管理仕様情報の作成作業が途中であり、プラント制御管理仕様情報にインタフェース情報が関連付けられていない設計途中の未完成データが含まれている場合においても、コントローラエンジニアによる追加用品の追加登録、および、追加登録後にHMIエンジニアによる情報設計作業の継続を、情報の混色や消失が生じることなく実現することができる。
【符号の説明】
【0151】
1 設計支援装置、 2 HMI装置、 3 制御装置、 4 ネットワーク、
5 記憶媒体、 10 制御監視システム、 12 メモリ、
14 記憶媒体インタフェース部、 15 入力部、 16 出力部、
17 ハードディスク、 17a プラント制御管理仕様情報記憶手段、
17b 監視画面情報記憶手段、 17c タグ変数情報記憶手段、
17d コントローラ変数情報記憶手段、
18 プラント制御管理仕様情報データベース、 80 追加用品登録画面、
111 HMIエンジニア用情報設計部、 111a 仕様情報作成手段、
111b 第1インタフェース情報生成手段、 111c 第1仕様情報登録手段、
111d 第1切替手段、 112 コントローラエンジニア用情報設計部、
112a 既存仕様情報抽出手段、 112b 追加用品登録画面表示手段、
112c 選択データ一時記憶手段、 112d 用品追加指示表示手段、
112e 第2インタフェース情報生成手段、 112f 第2仕様情報登録手段、
112g 第2切替手段、 112h 第2切替禁止手段、
112i 未完成データ除外手段、 112j 未完成データ再登録手段、
113 共通設計部、 113a タグ変数情報生成手段、
113b コントローラ変数情報生成手段、 131 操作端の名称、
132 操作表示項目、 151 用品、 212 第1のメモリ、
212a 操作信号記憶手段、 212b 表示信号記憶手段、
213 ネットワークインタフェース部、 214 記憶媒体インタフェース部、
215 入力部、 216 出力部、 217 ハードディスク、
217a タグ変数情報記憶手段、 217b 監視画面情報記憶手段、
217c プログラム記憶手段、 312 第2のメモリ、
312a 操作信号記憶手段、 312b 表示信号記憶手段、
313 ネットワークインタフェース部、 314 記憶媒体インタフェース部、
315 入出力インタフェース部、 316 ハードディスク、
316a プログラム記憶手段、 316b コントローラ変数情報記憶手段、
601 画面番号、 602 用品番号、605 コメント、 613 制御装置番号、
614 送受信アドレス、 615 信号名称、 702 切替ボタン、
703 EXECUTEボタン、 801 画面番号選択部、
802 用品種別選択部、 803 コメント入力部、 804 制御装置番号選択部、
805 ENTERボタン、 806 EXECUTEボタン、 807 切替ボタン