特許第6179574号(P6179574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6179574グリブリドおよび他の薬剤の静脈内投与方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6179574
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】グリブリドおよび他の薬剤の静脈内投与方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/64 20060101AFI20170807BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20170807BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20170807BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20170807BHJP
   A61P 7/08 20060101ALI20170807BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20170807BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   A61K31/64ZMD
   A61P9/00
   A61P9/10
   A61P25/28
   A61P9/10 103
   A61P7/08
   A61P7/04
   A61P9/06
【請求項の数】30
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-212868(P2015-212868)
(22)【出願日】2015年10月29日
(62)【分割の表示】特願2013-520785(P2013-520785)の分割
【原出願日】2011年7月18日
(65)【公開番号】特開2016-20393(P2016-20393A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2015年10月29日
(31)【優先権主張番号】61/365,689
(32)【優先日】2010年7月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517234262
【氏名又は名称】バイオジェン チェサピーク エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン マーティン ジェイコブソン
【審査官】 磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−513447(JP,A)
【文献】 特表2008−513478(JP,A)
【文献】 特表2009−527579(JP,A)
【文献】 特表2000−512266(JP,A)
【文献】 Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism, 1987, 65(5), p.896-900
【文献】 Shock (Augusta, Ga.),1996年,5(6),391-394
【文献】 麻酔, 1999, Vol.48, p.1083-1090
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/64
A61P 7/04
A61P 7/08
A61P 9/00
A61P 9/06
A61P 9/10
A61P 25/28
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置を必要とする被験者において、脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血、心室性不整脈、虚血損傷または低酸素/虚血を処置するための、第1の量のグリブリドと第2の量のグリブリドとを含む組み合わせ物であって、
該第1の量のグリブリドは、処置を必要とする該被験者に対して静脈内投与され;
該第2の量のグリブリドは、該被験者に対して静脈内投与されることを特徴とし、
ここで、該第1の量は、約125μg〜約150μgであり、そして、
該第1の量は、約3分以内に投与されることを特徴とし、かつ
該第2の量は、約20時間もより長い期間にわたって、約15μg/hr〜約300μg/hrの速度で投与されることを特徴とする、組み合わせ物。
【請求項2】
前記第2の量は、前記第1の量の投与後に投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項3】
前記期間が約30時間よりも長い、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項4】
前記期間が約40時間よりも長い、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項5】
前記期間が約50時間よりも長い、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項6】
前記期間が約60時間よりも長い、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項7】
前記期間が約70時間よりも長い、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項8】
前記期間が約72時間よりも長い、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項9】
前記期間が約4日よりも長い、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項10】
前記期間が約5日よりも長い、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項11】
前記第2の量のグリブリドが、第1の持続注入速度の後に第2の持続注入速度を含む、2以上の持続注入速度を用いて投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項12】
前記第1の持続注入速度が、前記第2の持続注入速度よりも速い、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項13】
前記第1の持続注入速度が約15μg/hr〜約300μg/hrであり、前記第2の持続注入速度が約15μg/hr〜約300μg/hrである、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項14】
前記第1の持続注入速度が約150μg/hr〜約175μg/hrである、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項15】
前記第2の持続注入速度が約100μg/hr〜約125μg/hrである、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項16】
前記第1の持続注入速度が、約1時間〜約10時間の期間にわたって投与されることを特徴とする、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項17】
前記第2の持続注入速度が約66時間の期間にわたって投与され、前記第1の持続注入と前記第2の連続注入の合計が、計約72時間の期間となる、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項18】
請求項11に記載の組み合わせ物であって、ここで:
前記第1の量が約130μgであり;
前記第2の量が、前記第1の量を投与した後に投与され;
前記第1の持続注入速度が約163μg/hrであり、かつ、該第1の持続注入速度が、約6時間の期間にわたって投与されることを特徴とし、そして
前記第2の持続注入速度が約112μg/hrであり、かつ、該第2の持続注入速度が、約66時間の期間にわたって投与されることを特徴とする、
組み合わせ物。
【請求項19】
前記処置が脳卒中のための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項20】
前記脳卒中が虚血性脳卒中である、請求項19に記載の組み合わせ物。
【請求項21】
前記脳卒中が出血性脳卒中である、請求項19に記載の組み合わせ物。
【請求項22】
前記処置が外傷性脳損傷のための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項23】
前記処置が脊髄損傷のための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項24】
前記処置が心筋梗塞のための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項25】
前記処置が虚血性ショックのための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項26】
前記処置が出血性ショックのための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項27】
前記処置が臓器虚血のための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項28】
前記処置が心室性不整脈のための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項29】
前記処置が虚血損傷のための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項30】
前記処置が低酸素/虚血のための処置である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、被験者への薬剤の静脈内投与方法を含む、医学的処置方法の分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
グリブリド(例えばグリベンクラミドとしても公知である)は、糖尿病の処置に使用されるスルホニルウレア薬剤である。グリブリドの系統名は、5−クロロ−N−(4−[N−(シクロヘキシルカルバモイル)スルファモイル]フェネチル)−2−メトキシベンズアミドである。グリブリドは、スルホニルウレア受容体1(SUR1)に優先的に結合して影響を与えるが、より高い濃度においてはスルホニルウレア受容体2(SUR2)にも結合して影響を与える。
【0003】
グリブリドは、急性脳卒中(acute stroke)(虚血性および出血性)、外傷性脳損傷(TBI)、脊髄損傷(SCI)、心筋梗塞(MI)、ショック(出血性ショックを含む)、臓器虚血、および心室性不整脈の治療として示唆されている。
【0004】
静脈内グリブリドの薬物動態学的パラメーターは、多くの刊行物において記載されている(表1を参照のこと)。本明細書中で議論される全ての特許および刊行物は、本明細書中においてその全体が参考として援用される。
【0005】
【表1-1】
【0006】
これらおよび他の研究における、静脈内(「i.v.」または「IV」)グリブリド投与量(dose)は、大部分の研究において数分以内に送達されたが、いくつかの研究は、1時間またはそれより長い持続注入を含んでいた。Garrelら(1987)は、1mgのi.v.ボーラス投与量を、その後、0.3mg/hを17時間にわたって、IDDM(インスリン依存性糖尿病)を有する6人の患者に投与した;合計投与量は6.1mgのグリブリドであった。それに加えて、Groopら(1987)は、16人の正常被験者に、合計2.1mgを4時間かけて投与し、そしてNeugebauerら(1985)は、10人の正常被験者に、合計2mgのi.v.グリブリドを1時間かけて投与した。
【0007】
ボーラス注入(すなわち、3分以下の注入)の投与量は、1mgと2.4mgとの間の範囲であった(Rydbergら、1994)。
【0008】
上記で記載した研究の投与の投与量および持続時間を、表2に示す。
【0009】
【表2-1】
【0010】
いくつかの研究に関して、最高グリブリド血漿中濃度が提供され、そして200から436ng/mLの範囲であった(Rogersら、1982;Groopら、1987;Bankら、2000;Joenssonら、2000)。ボーラス投与量を受けて、その後、持続i.v.注入を受けた、Groopら(1987)による研究の被験者らは、そのボーラスの投与後に240ng/mLの平均グリブリドCmaxに達し、そして220分間の持続注入の間にわたって88〜93ng/mLの定常状態濃度に達した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】McEwen, J., Lawrence, J.R., Ings, R.M.J., Pidgen, A.W., Robinson, J.D., and Walker, S.E. 1982. Characterisation of glibenclamide half−life in man: acute concentration−effect relationships. Clinical Science. 63:28.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
グリブリドまたは他の薬剤の投与方法が開示される。本明細書中で開示される新規方法は、グリブリドまたは他の薬剤を、1時間より長い時間をかけて、および好ましくは何時間もの時間(例えば約72時間または約96時間または約120時間)をかけて、被験者へ投与する方法を含み、そして特に被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の静脈内投与方法を含む。本明細書中で開示される方法は、例えば急性脳卒中(虚血性および出血性)、外傷性脳損傷(TBI)、脊髄損傷(SCI)、心筋梗塞(MI)、ショック(出血性ショックを含む)、臓器虚血、および心室性不整脈のための処置を必要とする被験者を処置するために有用であり得る。標的とされたグリブリド血漿中レベルを、より迅速に、および信頼性高く達成および維持し得るので、これらおよび他の適応症において、静脈内グリブリドの使用が好ましい。本明細書中で開示される方法は、薬剤投与の開始後、グリブリドまたは他の薬剤の治療レベルの迅速な達成を提供し、そしてまた長時間、例えば約72時間または約96時間または約120時間にわたって、グリブリドまたは他の薬剤の治療レベルの維持を提供する。それに加えて、本明細書中で開示される方法は、薬剤治療レベルの迅速な達成、長時間の薬剤治療レベルの維持を提供し、そしてさらに過剰なレベルの薬剤を回避し、そしてそのために可能性のある薬剤副作用を回避する。
【0013】
グリブリドまたは他の薬剤を被験者へ投与する方法の実施形態は、グリブリドまたは他の薬剤のボーラスの静脈内投与、その後の(そのボーラス投与完了の実質的にすぐ後に、またはボーラス投与の完了後に少し時間をおいてのいずれかの)グリブリドまたは他の薬剤の持続注入を含む。グリブリドまたは他の薬剤を被験者へ投与する方法のさらなる実施形態は、グリブリドまたは他の薬剤の第1のボーラスの静脈内投与、その後の(そのボーラス投与完了の実質的にすぐ後に、またはそのボーラス投与完了後に少し時間をおいてのいずれかの)グリブリドまたは他の薬剤の持続注入、その後のグリブリドまたは他の薬剤の第2のボーラスを含む。さらなる実施形態において、第2の注入を第2のボーラスの後に行い得る。またさらなる実施形態において、複数のボーラス(blouses)および複数の注入を被験者に投与し得る。
【0014】
実施形態によっては、被験者へのグリブリドの投与は、被験者に対して1時間よりも長い時間に及ぶ;特定の実施形態において、被験者へのグリブリドの投与方法は、被験者へのグリブリドの静脈内投与方法であり、ここでその投与は1時間よりも長い時間に及ぶ。例えば、実施形態によっては、グリブリドまたは他の薬剤の投与は、約72時間よりも長い時間に及ぶ。他の実施形態において、グリブリドまたは他の薬剤の投与は、約10時間よりも長い時間、または約20時間よりも長い時間、または約30時間よりも長い時間、または約40時間よりも長い時間、または約50時間よりも長い時間、または約60時間よりも長い時間、または約70時間よりも長い時間に及ぶ。
【0015】
その投与方法は、被験者に対するボーラス注射でのグリブリドの投与を含み、ここでそのボーラス注射は、その患者に約3分以下の時間にわたって投与される;そしてここでそのボーラス投与の後にグリブリドの持続注入を行う。実施形態によっては、そのボーラスの実質的にすぐ後に持続注入を開始する(例えば、その持続注入を、そのボーラス投与の完了後、1時間未満、または30分未満、または10分未満、または5分未満、または3分未満、または2分未満、または1分未満で開始する)。
【0016】
さらなる実施形態において、その投与方法は、被験者に対するボーラス注射でのグリブリドの投与を含み、ここでそのボーラス注射は、その患者に約3分以下の時間にわたって投与される;そしてここでそのボーラス投与の後にグリブリドまたは他の薬剤の持続注入、およびグリブリドまたは他の薬剤の1またはそれより多くのさらなるボーラス注射が行われる。実施形態によっては、第2のボーラス注射を、その持続注入の完了の実質的にすぐ後に投与する(例えば、その第2のボーラス投与を、その持続注入の完了後、1時間未満、または30分未満、または10分未満、または5分未満、または3分未満、または2分未満、または1分未満で開始する)。第2の持続注入を、第2のボーラス注射の完了の実質的にすぐ後に開始し得るか、または第2の持続注入を、第1の持続注入の完了後、長期の期間の後に開始し得る。実施形態によっては、第3のボーラス注射を、第2の持続注入の完了後に開始し得、そしてその第2の持続注入の完了の実質的にすぐ後に開始し得る、またはその第2の持続注入の完了後、長期の期間の後に開始し得るかのいずれかである。同様に、第4、または第5、または他のさらなるボーラス注射、および/またはさらなる持続注入を、実質的にすぐ、または長期の期間の後、のいずれかで投与し得る。
【0017】
さらなる実施形態において、グリブリドまたは他の薬剤の複数のボーラス注射を、間に入るグリブリドまたは他の薬剤の持続注入無しに、被験者に投与し得る。それに加えて、またさらなる実施形態において、グリブリドまたは他の薬剤の複数の持続注入を、間に入るグリブリドまたは他の薬剤のボーラス注射無しに、被験者に投与し得る。そのような複数のボーラス注射、または持続注入、またはその組み合わせを、前の注射もしくは注入の実質的にすぐ後に投与し得るか、または前の注射もしくは注入の後、長期間の後に投与し得る。
【0018】
持続注入は、長期間にわたるグリブリドまたは他の薬剤の投与を提供し、ここで長期間は、分で測定される(例えば2〜3(a few)分または数(several)分または多くの(many)分数)か、または時間で測定される(例えば2〜3時間または数時間または多くの時間数)か、または日で測定される(例えば2〜3日または数日または多くの日数)期間であり得る。
【0019】
本明細書中で開示された方法の実施形態において、グリブリドまたは他の薬剤の濃度は、持続注入によって投与される製剤におけるグリブリドまたは他の薬剤の濃度より、ボーラス注射によって投与される製剤においてより高い。
【0020】
出願人は、ヒト被験者におけるグリブリドの血中レベルが、典型的にはグリブリド投与の開始から数時間後(例えば、被験者へのグリブリドの持続注入がその後行われる、グリブリドのボーラス注射の開始後)にピークレベルに達することを本明細書中で開示する。
【0021】
特定の実施形態において、出願人は、グリブリド投与の開始から数時間後に起こる、グリブリド血漿中レベルの低下を克服するために適切な、3段階の投与レジメンを本明細書中で開示する。実施形態によっては、そのような3段階の投与レジメンは、以下のものを含む:
(a)ボーラス、その後の第2のボーラス、その後の持続注入
(b)ボーラス、その後の速度1でのA時間にわたる注入、その後の速度2での残りの投与期間にわたる注入、ここで速度1>速度2であり、そしてAは1〜20時間の範囲である。(「速度1」は、典型的には例えば1時間あたりのマイクログラム数(μg/hr)として測定される、グリブリドまたは他の薬剤の投与の第1の速度を指し、そして「速度2」は、第2の速度を指す。)
さらなる実施形態において、グリブリドまたは他の薬剤の投与は、投与レジメンの4つまたはそれより多くの段階によって提供され、ここで複数のボーラスおよび/または複数の注入速度を使用し得る。そのような実施形態において、投与の複数の速度および持続時間も提供される(例えば、速度1、速度2、速度3、速度4等;および期間A、B、C等)。
【0022】
例えば、速度1は、約15μg/hrと約200〜300μg/hrとの間(例えば約16.7μg/hrと250μg/hrとの間)で変動し得る、そして速度2は、約15μg/hrと約200〜300μg/hrとの間(例えば16.7と250μg/hrとの間)で変動し得る。例えば、期間Aは、約1から約10時間、または約1から約20時間まで変動し得る。被験者に送達されるグリブリドまたは他の薬剤の合計量は、ボーラス注射によって送達された量と持続注入の間に送達される量との合計である。持続注入の間に患者に投与されるグリブリドまたは他の薬剤の量は、速度に期間を掛けること(例えば速度1×期間A)によって計算される。実施形態によっては、1日投与量(24時間にわたる投与量、例えばグリブリド投与の最初の24時間の投与量)を、以下のように決定し得る:第1のボーラス+速度1×A+速度2×(24−A)。実施形態によっては、第1の24時間の投与量は、約6mg未満、または約5mg未満、または約4mg未満であり、そして好ましくは約3.5〜4mg未満、または約3.13mg未満、または約3mg未満であり得る。
【0023】
従って、実施形態によっては、1日あたりの被験者に投与されるグリブリドの合計量は、1日あたり、約10mg未満、またはより好ましくは約8mg未満、またはより好ましくは約6mg未満、およびまたさらにより好ましくは約5mg未満、またはさらにより好ましくは約4mg未満、またはさらにより好ましくは約3mg未満のグリブリドであることが好ましい。
【0024】
さらなる実施形態において、約125〜150μg、例えば約130μgのグリブリドのボーラスを、被験者に投与し、その後、約150〜175μg/hr、例えば約163μg/hrのグリブリドを、約6時間にわたって持続注入し、そして次いで約100〜125μg/hr、例えば約112μg/hrのグリブリドのさらなる持続注入を、約50〜75時間、例えば約72時間の合計投与期間に関しては約66時間にわたって投与する。従って、この実施形態において、1日目、2日目、および3日目のグリブリドの合計1日投与量は、約3〜4mg、2.5〜3mg、および2.5〜3mg;例えばそれぞれ約3mg、2.5mg、および2.5mg;またはそれぞれ約3.12mg、2.69mg、および2.69mgであり得る。
【0025】
またさらなる実施形態において、グリブリドまたは他の薬剤のボーラスを投与し、そしてそのボーラスの後にグリブリドまたは他の薬剤の持続注入を行い、そして次いでさらなるボーラスまたはさらなる複数のボーラスを投与し、それはグリブリドまたは他の薬剤の初期の血漿中レベルを、望ましいレベルまで上げるために有効である。例えば、本明細書中で開示された方法のそのような実施形態は、125〜150μg(例えば約130μg)のグリブリドのボーラス、その後に100〜125μg/hr(例えば約112μg/hr)のグリブリドの持続注入、加えて1、2、または3時間目に投与される125〜150μg(例えば約130μg)の第2のグリブリドのボーラスの投与を含む。実施形態によっては、さらなるボーラスも投与し得る。
【0026】
さらなる実施形態において、出願人は、以下のものを含む、被験者に対するグリブリドまたは他の薬剤の投与方法を本明細書中で開示する:(a)グリブリドまたは他の薬剤のボーラス投与;(b)グリブリドまたは他の薬剤の当該ボーラス投与後の、グリブリドまたは他の薬剤の第1の持続注入投与、ここで当該第1の持続注入において、グリブリドまたは他の薬剤を第1の投与速度で、第1の投与期間にわたって投与する;および(c)グリブリドまたは他の薬剤の当該第1の持続注入後の、グリブリドまたは他の薬剤の第2の持続注入投与、ここで当該第2の持続注入において、グリブリドまたは他の薬剤を、第2の投与速度で第2の投与期間にわたって投与する;それにより、当該被験者の血中に所望の期間にわたって実質的に定常レベルのグリブリドまたは他の薬剤を提供するために有効な、グリブリドまたは他の薬剤が被験者に投与される。このさらなる実施形態の特定の例において、そのボーラスは、約125〜150μg、例えば約130μgのグリブリドのボーラスであり、そしてそのボーラスの後に約150〜175μg/hr、例えば約163μg/hrのグリブリドの持続注入を約6時間にわたって行う;そして次いで約72時間のグリブリド投与の合計期間に関しては、約100〜125μg/hr、例えば約112μg/hrのグリブリドのさらなる持続注入を、約66時間にわたって被験者に投与する。従って、1日目、2日目、および3日目のグリブリドの合計1日投与量は、それぞれ約3mg、2.5mg、および2.5mgである;またはそれぞれ約3.12mg、2.69mg、および2.69mgである。
【0027】
グリブリドまたは他の薬剤の投与を、被験者の体重、または年齢、または性別、または身長、または体表面積、またはこれらのうち1つまたはそれより多くの組み合わせの関数として決定し得、そしてその速度およびボーラスを、1つまたはそれより多くのこれらの尺度または投与方法の関数として表し得る。
【0028】
本明細書中で開示された方法は、迅速に導入され、そして長期間(例えば約72時間までの間)維持される、かなり定常的な量のグリブリドを必要とする被験者を処置することに利点を提供する。例えば、被験者が脳卒中、または外傷性脳損傷もしくは脊髄損傷を患っている場合、治療レベルのグリブリドの迅速な達成が、成功裏の治療結果のために重要であり得る;それに加えて、そのような治療レベルの維持が、同様に成功裏の治療結果のために重要であり得る;しかし、その被験者にとって高すぎる持続したレベルのグリブリドを防止することも重要であり得る(例えば、低血糖、SUR2受容体に対するグリブリドの広範囲な作用、または他の合併症を回避するために)。本明細書中で開示される実験結果および方法は、グリブリドの治療レベルを迅速にかつ長期間にわたって達成および維持するための方法を提供し、そして過剰なレベルのグリブリドを回避するための方法を提供し、そしてそれゆえ、グリブリド処置を必要とする被験者に有用かつ有利な処置を提供する。そのような処置を必要とする被験者は、例えば急性脳卒中(虚血性および出血性)を患う被験者、外傷性脳損傷(TBI)を患う被験者、脊髄損傷(SCI)を患う被験者、心筋梗塞(MI)を患う被験者、ショック(出血性ショックを含む)を患う被験者、臓器虚血を患う被験者、および心室性不整脈を患う被験者を包含し得る。
【0029】
グリブリドに加えて、他の薬剤を、本明細書中で開示された方法に従って被験者に投与し得ることが理解される。そのような他の薬剤の投与は、その他の薬剤が、本明細書中で開示されたような、グリブリドのものと同様の薬物動態学的プロファイルを有するか、またはグリブリドの薬物動態学的性質のいくつかを共有する場合、特に有利であり得る。
【0030】
出願人らは、ポリ塩化ビニル(PVC)と接触して置かれたグリブリド溶液においてはグリブリドの濃度が低下することを見出したので、出願人らは、グリブリド溶液がPVCと接触するのを避けることが好ましいことを見出した。出願人らは、PVCと接触して置かれたグリブリド溶液中におけるグリブリドの濃度のそのような低下を最小限にするための方法を発明し、そしてグリブリド溶液とPVCとの接触を回避するグリブリドの投与方法を発明した。例えば、出願人は、ポリエチレン製のバッグ、チュービング、およびフィルター、またはポリエチレンでコーティングされたバッグおよびチュービングの使用が、PVCを含むバッグ、チュービング、およびフィルターの使用よりも、グリブリド溶液の投与のために好ましいことを見出した。
【0031】
出願人らは、グリブリドの投与において、例えば、グリブリド治療溶液の、そのような治療溶液を必要とする患者への投与において使用する容器またはデバイスを調製する方法を本明細書中で開示し、本明細書中に提供する。容器、チューブ、および/またはフィルターの調製のような、容器またはデバイスを調製するそのような方法は、容器、チューブ、フィルターを、グリブリドフラッシング溶液と接触させることを含む。そのような方法は、例えば容器、チューブ、および/またはフィルターを、グリブリドの投与において使用する前に、当該グリブリドフラッシング溶液でフラッシングすることを含み得る;そのフラッシングは、少なくとも約50mL、または少なくとも約70mL、またはそれより多くのグリブリドフラッシング溶液でフラッシングすることを含み得る。グリブリドフラッシング溶液は、少なくとも約2μg/mLのグリブリド、または約2μg/mLから約8μg/mLのグリブリド、または約5から6μg/mLのグリブリド、またはより高い濃度のグリブリドのグリブリド濃度を有し得る。そのような方法は、当該グリブリド治療溶液と接触し得るポリ塩化ビニル(PVC)表面を有し得る、バッグ、チューブ、およびフィルターを包含する容器およびデバイスの使用を含む。
【0032】
出願人らは、グリブリド治療溶液を投与する方法を本明細書中で開示し、ここで容器、チューブ、および/またはフィルターを、当該グリブリド治療溶液の投与においてその容器、チューブ、またはフィルターを使用する前に、グリブリドフラッシング溶液に接触させる(例えばフラッシングする)。そのフラッシングは、少なくとも50mL、または約70mL、またはそれより多くのグリブリドフラッシング溶液によるフラッシングであり得る。そのグリブリドフラッシング溶液は、少なくとも約2μg/mL、または約2から約8μg/mL、またはそれより多くのグリブリドのグリブリド濃度を有し得る。グリブリド治療溶液の投与のために使用する容器、チューブ、および/またはフィルターの表面は、グリブリド治療溶液とPVCとの接触を回避するために、好ましくはポリ塩化ビニル(PVC)以外の1つまたはそれより多くの材料から、例えばポリエチレンから作製される。
【0033】
出願人らはさらに、グリブリド治療溶液の投与方法を提供し、ここで高濃度のグリブリド溶液(例えば少なくとも約10μg/mLのグリブリド)をろ過し、そして次いで希釈してグリブリド治療溶液(典型的にはその高濃度グリブリド溶液より低いグリブリド濃度の)を生じ、そして例えばポリエチレンのような、ポリ塩化ビニル(PVC)以外の1つまたはそれより多くの材料から作製された送達手段を用いてグリブリド治療溶液を投与する。高濃度グリブリド溶液は、約0.5mg/mLのグリブリドと約1mg/mLのグリブリドとの間のグリブリド濃度を有し得、そして少なくとも約1mg/mLのグリブリドのグリブリド濃度を有し得る。そのグリブリド治療溶液を、ろ過の後、および投与の前に保存し得る;実施形態によっては、そのろ過したグリブリド治療溶液を、当該グリブリド治療溶液と接触した内部表面を有する容器内で保存し、ここで当該容器の内部表面は、例えばポリエチレンのような、ポリ塩化ビニル(PVC)以外の1つまたはそれより多くの材料から作製されている。
【0034】
グリブリド溶液のような、本明細書中で議論され、そして限定されないが、グリブリド治療溶液、グリブリドフラッシング溶液、高濃度グリブリド溶液、および他の溶液を包含する溶液を、ろ過し得ること、そしてそのようなろ過は、好ましくは患者への投与に適切な無菌溶液を提供するために有効な滅菌ろ過であることが理解される。そのような滅菌ろ過としては、例えば滅菌0.2ミクロンフィルター、または滅菌ろ過溶液を提供するために使用するのに適切な他の滅菌フィルターを通したろ過が挙げられ得る。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、該方法は、
(a)グリブリドまたは他の薬剤の第1のボーラス投与;
(b)該第1のボーラス後のグリブリドまたは他の薬剤の第2のボーラス投与、および(c)グリブリドまたは他の薬剤の該第2のボーラス投与後のグリブリドまたは他の薬剤の持続注入投与
を包含し、それにより、被験者の血中に所望の期間にわたって実質的に定常レベルのグリブリドまたは他の薬剤を提供するのに有効なグリブリドまたは他の薬剤が該被験者に投与される、方法。
(項目2)
被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、該方法は、
(a)グリブリドまたは他の薬剤のボーラス投与;
(b)グリブリドまたは他の薬剤の該ボーラス投与後のグリブリドまたは他の薬剤の第1の持続注入投与であって、ここで、該第1の持続注入において、グリブリドまたは他の薬剤が、第1の投与速度で第1の期間にわたって投与される、投与;および
(c)グリブリドまたは他の薬剤の該第1の持続注入後のグリブリドまたは他の薬剤の第2の持続注入投与であって、ここで、該第2の持続注入において、グリブリドまたは他の薬剤が、第2の投与速度で第2の期間にわたって投与される、投与;
を包含し、それにより、被験者の血中に所望の期間にわたって実質的に定常レベルのグリブリドまたは他の薬剤を提供するのに有効なグリブリドまたは他の薬剤が該被験者に投与される、方法。
(項目3)
被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、該方法は、
(a)グリブリドまたは他の薬剤のボーラス投与;
(b)グリブリドまたは他の薬剤の該ボーラス投与後のグリブリドまたは他の薬剤の第1の持続注入投与であって、ここで、該第1の持続注入において、グリブリドまたは他の薬剤が、第1の投与速度で第1の期間にわたって投与される、投与;および
(c)グリブリドまたは他の薬剤の該第1の持続注入後のグリブリドまたは他の薬剤の第2の持続注入投与であって、ここで、該第2の持続注入において、グリブリドまたは他の薬剤が、第2の投与速度で第2の期間にわたって投与される、投与;
(d)グリブリドまたは他の薬剤の該第2の持続注入後のグリブリドまたは他の薬剤の第3の持続注入投与であって、ここで、該第3の持続注入において、グリブリドまたは他の薬剤が、第3の投与速度で第3の期間にわたって投与される、投与;
を包含し、それにより、被験者の血中に所望の期間にわたって実質的に定常レベルのグリブリドまたは他の薬剤を提供するのに有効なグリブリドまたは他の薬剤が該被験者に投与される、方法。
(項目4)
項目1、2または3のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、グリブリドまたは他の薬剤のさらなるボーラス投与をさらに包含する、方法。
(項目5)
項目1、2、3または4のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、グリブリドまたは他の薬剤のさらなる持続注入投与をさらに包含し、さらなる注入速度およびさらなる期間をさらに包含する、方法。
(項目6)
項目1、2、3、4または5のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、グリブリドまたは他の薬剤のさらなるボーラス投与、ならびにさらなる注入速度およびさらなる期間でのグリブリドまたは他の薬剤のさらなる持続注入投与をさらに包含する、方法。
(項目7)
項目3、4、5または6のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、前記投与速度が、約15μg/hrと約300μg/hrとの間にある、方法。
(項目8)
項目3、4、5または6のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、前記期間が、約1時間〜約72時間の間にある、方法。
(項目9)
項目1〜8のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、投与中に投与されるグリブリドまたは他の薬剤の量が1日あたり約10mg未満である、方法。
(項目10)
項目1〜8のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、投与中に投与されるグリブリドまたは他の薬剤の量が1日あたり約6mg未満である、方法。
(項目11)
項目1〜8のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、投与中に投与されるグリブリドまたは他の薬剤の量が1日あたり約3.5mg未満である、方法。
(項目12)
項目1〜8のいずれかに記載の被験者へのグリブリドまたは他の薬剤の投与方法であって、投与中に投与されるグリブリドまたは他の薬剤の量が1日あたり約3mg未満である、方法。
(項目13)
項目2に記載の方法であって、前記第1の投与速度が、前記第2の投与速度よりも速い、方法。
(項目14)
項目2に記載の方法であって、前記第1の投与速度が、前記第2の投与速度よりも速く、前記第1の期間が、約1時間〜約10時間の間の期間である、方法。
(項目15)
項目13または14に記載の方法であって、前記第2の期間が、約1時間〜約10時間の間の期間である、方法。
(項目16)
項目2に記載の方法であって、前記ボーラス投与が、約125μg〜約150μgのグリブリドのボーラス投与を包含する、方法。
(項目17)
項目16に記載の方法であって、前記ボーラス投与の後に、約6時間の期間にわたって約150μg/hr〜約175μg/hrのグリブリドの持続注入が行われる、方法。
(項目18)
項目17に記載の方法であって、前記持続注入が、第1の持続注入であり、該第1の持続注入の後に、約100μg/hr〜約125μg/hrのグリブリドの第2の持続注入が行われる、方法。
(項目19)
項目18に記載の方法であって、前記第2の持続注入が、約66時間の期間にわたって投与されることにより、前記第1の持続注入の期間と該第2の持続注入の期間との合計が計約72時間となる、方法。
(項目20)
項目19に記載の方法であって、1日目、2日目および3日目のグリブリドの合計1日投与量が、それぞれ約3mg、2.5mgおよび2.5mgである、方法。
(項目21)
急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、処置の必要な被験者へのグリブリドの投与を包含し、該投与が、
(a)グリブリドの第1のボーラス投与;
(b)該第1のボーラス後のグリブリドの第2のボーラス投与、および
(c)グリブリドの該第2のボーラス投与後のグリブリドの持続注入投与
を包含し、それにより、処置の必要な被験者において急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置するのに有効な、被験者の血中に所望の期間にわたって実質的に定常レベルのグリブリドまたは他の薬剤を提供するのに有効な、グリブリドが該被験者に投与される、方法。
(項目22)
急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、処置の必要な被験者へのグリブリドの投与を包含し、該投与が、
(a)グリブリドのボーラス投与;
(b)グリブリドの該ボーラス投与後のグリブリドの第1の持続注入投与であって、ここで、該第1の持続注入において、グリブリドが、第1の投与速度で第1の期間にわたって投与される、投与;および(c)グリブリドの該第1の持続注入後のグリブリドの第2の持続注入投与であって、ここで、該第2の持続注入において、グリブリドが、第2の投与速度で第2の期間にわたって投与される、投与;
を包含し、それにより、処置の必要な被験者において急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置するのに有効な、被験者の血中に所望の期間にわたって実質的に定常レベルのグリブリドを提供するのに有効な、グリブリドが該被験者に投与される、方法。
(項目23)
急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、処置の必要な被験者へのグリブリドの投与を包含し、該投与が、
(a)グリブリドのボーラス投与;
(b)グリブリドの該ボーラス投与後のグリブリドの第1の持続注入投与であって、ここで、該第1の持続注入において、グリブリドが、第1の投与速度で第1の期間にわたって投与される、投与;および
(c)グリブリドの該第1の持続注入後のグリブリドの第2の持続注入投与であって、ここで、該第2の持続注入において、グリブリドが、第2の投与速度で第2の期間にわたって投与される、投与;
(d)グリブリドの該第2の持続注入後のグリブリドの第3の持続注入投与であって、ここで、該第3の持続注入において、グリブリドが、第3の投与速度で第3の期間にわたって投与される、投与;
を包含し、それにより、処置の必要な被験者において急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置するのに有効な、被験者の血中に所望の期間にわたって実質的に定常レベルのグリブリドを提供するのに有効な、グリブリドが該被験者に投与される、方法。
(項目24)
項目21、22または23のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、グリブリドのさらなるボーラス投与をさらに包含する、方法。
(項目25)
項目21、22または23のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、グリブリドのさらなる持続注入投与をさらに包含し、さらなる注入速度およびさらなる期間をさらに包含する、方法。
(項目26)
項目21〜25のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、グリブリドまたは他の薬剤のさらなるボーラス投与、ならびにさらなる注入速度およびさらなる期間でのグリブリドのさらなる持続注入投与の両方をさらに包含する、方法。
(項目27)
項目21〜26のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、前記投与速度が、約15μg/hrと約300μg/hrとの間にある、方法。
(項目28)
項目21〜27のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、前記期間が、約1時間〜約72時間の間にある、方法。
(項目29)
項目21〜28のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、投与中に投与されるグリブリドの量が1日あたり約10mg未満である、方法。
(項目30)
項目21〜29のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、投与中に投与されるグリブリドの量が1日あたり約6mg未満である、方法。
(項目31)
項目21〜30のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、投与中に投与されるグリブリドの量が1日あたり約3.5mg未満である、方法。
(項目32)
項目21〜31のいずれかに記載の、急性脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心筋梗塞、ショック、臓器虚血または心室性不整脈を処置する方法であって、投与中に投与されるグリブリドの量が1日あたり約3mg未満である、方法。
(項目33)
項目22に記載の方法であって、前記第1の投与速度が、前記第2の投与速度よりも速い、方法。
(項目34)
項目22に記載の方法であって、前記第1の投与速度が、前記第2の投与速度よりも速く、前記第1の期間が、約1時間〜約10時間の間の期間である、方法。
(項目35)
項目33または34に記載の方法であって、前記第2の期間が、約1時間〜約10時間の間の期間である、方法。
(項目36)
項目22に記載の方法であって、前記ボーラス投与が、約125μg〜約150μgのグリブリドのボーラス投与を包含する、方法。
(項目37)
項目36に記載の方法であって、前記ボーラス投与の後に、約6時間の期間にわたって約150μg/hr〜約175μg/hrのグリブリドの持続注入が行われる、方法。
(項目38)
項目37に記載の方法であって、前記持続注入が、第1の持続注入であり、該第1の持続注入の後に、約100μg/hr〜約125μg/hrのグリブリドの第2の持続注入が行われる、方法。
(項目39)
項目38に記載の方法であって、前記第2の持続注入が、約66時間の期間にわたって投与されることにより、前記第1の持続注入の期間と該第2の持続注入の期間との合計が計約72時間となる、方法。
(項目40)
項目39に記載の方法であって、1日目、2日目および3日目のグリブリドの合計1日投与量が、それぞれ約3mg、2.5mgおよび2.5mgである、方法。
(項目41)
グリブリド治療溶液の投与において使用するための容器、チューブ、および/またはフィルターを調製する方法であって、該容器、チューブ、またはフィルターとグリブリドフラッシング溶液とを接触させる工程を包含する、方法。
(項目42)
項目41に記載の方法であって、前記接触させる工程が、前記容器、チューブ、および/またはフィルターを前記グリブリドフラッシング溶液でフラッシングすることを包含する、方法。
(項目43)
項目42に記載の方法であって、前記フラッシングすることが、少なくとも50mLの前記グリブリドフラッシング溶液でフラッシングすることを包含する、方法。
(項目44)
項目41または42に記載の方法であって、前記グリブリドフラッシング溶液が少なくとも約2μg/mLグリブリドのグリブリド濃度を有する、方法。
(項目45)
項目41〜44のいずれかに記載の方法であって、前記容器、チューブ、またはフィルターが、前記グリブリド治療溶液と接触し得るポリ塩化ビニル(PVC)表面を備える、方法。
(項目46)
グリブリド治療溶液の投与方法であって、該グリブリド治療溶液の投与が、容器、チューブ、および/またはフィルターの使用を包含し、該方法が、該グリブリド治療溶液の投与前に該容器、チューブ、および/またはフィルターをグリブリドフラッシング溶液と接触させる工程を包含する、方法。
(項目47)
項目46に記載の方法であって、前記接触させる工程が、前記容器、チューブ、および/またはフィルターを前記グリブリドフラッシング溶液でフラッシングすることを包含する、方法。
(項目48)
項目47に記載の方法であって、前記フラッシングすることが、少なくとも約50mLの前記グリブリドフラッシング溶液でフラッシングすることを包含する、方法。
(項目49)
項目46または47に記載の方法であって、前記グリブリドフラッシング溶液が、少なくとも約2μg/mLグリブリドのグリブリド濃度を有する、方法。
(項目50)
グリブリド治療溶液の投与方法であって、該グリブリド治療溶液と、該グリブリド治療溶液の投与のための容器、チューブ、および/またはフィルターの表面との接触を包含し、該容器、チューブ、および/またはフィルターの該表面は、ポリ塩化ビニル(PVC)以外の1つまたはそれより多くの材料から作製されており、それにより、該グリブリド治療溶液の該投与は、該グリブリド治療溶液とPVCとの接触を含まない、方法。
(項目51)
項目50に記載の方法であって、前記容器、チューブ、および/またはフィルターの前記表面がポリエチレンを含む、方法。
(項目52)
グリブリド治療溶液の投与方法であって、少なくとも約10μg/mLグリブリドのグリブリド濃度を有する高濃度グリブリド溶液を濾過する工程、該高濃度グリブリド溶液を希釈してグリブリド治療溶液を提供する工程、およびポリ塩化ビニル(PVC)以外の1以上の材料から作製された送達手段を使用して該グリブリド治療溶液を投与する工程を包含する、方法。
(項目53)
項目52に記載の方法であって、前記送達手段が、前記グリブリド治療溶液と接触させるための管腔内部表面を有するチュービングを備え、該管腔内部表面がポリエチレン表面である、方法。
(項目54)
項目52に記載の方法であって、前記投与が、前記グリブリド治療溶液と接触する内部表面を有する容器内での該グリブリド治療溶液の保存を包含し、該容器内部表面が、ポリ塩化ビニル(PVC)以外の1以上の材料から作製されている、方法。
(項目55)
項目54に記載の方法であって、前記容器内部表面が、ポリエチレンを含む、方法。
(項目56)
項目52に記載の方法であって、前記高濃度グリブリド溶液が、約0.5mg/mLグリブリドと約1mg/mLグリブリドとの間のグリブリド濃度を有する、方法。
(項目57)
項目52に記載の方法であって、前記高濃度グリブリド溶液が、少なくとも約1mg/mLグリブリドのグリブリド濃度を有する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】0.4mg/日のグリブリドについての平均血漿中グリブリド濃度。
図2】3mg/日のグリブリドについての平均血漿中グリブリド濃度。
図3】6mg/日のグリブリドについての平均血漿中グリブリド濃度。
図4】10mg/日のグリブリドについての平均血漿中グリブリド濃度。
図5】プラセボ(0mg/日のグリブリド)、0.4mg/日のグリブリド、および3mg/日のグリブリドについての、血中グルコースレベル中央値。
【発明を実施するための形態】
【0036】
発明の詳細な説明
定義
本明細書中で使用する用語は、当業者によって理解され、そして当業者によって許容される方式で理解されるべきである。用語をさらに説明および定義するために、さらなる定義を本明細書中で提供する。
【0037】
本明細書中で使用する場合、「患者」、「ボランティア」、「被験者」等は、単数または複数に関わらず、ヒトの患者、ボランティア、被験者等を指す。
【0038】
本明細書中で使用する場合、「ALT」はアクロニム(頭字語)であり、そしてアラニントランスアミナーゼを意味する。
【0039】
本明細書中で使用する場合、「AST」はアクロニム(頭字語)であり、そしてアスパラギン酸トランスアミナーゼを意味する。
【0040】
本明細書中で使用する場合、「投与量」という用語およびその文法的な同等物は、被験者に投与されるグリブリドの量を指す。投与量を、グリブリドのグラム数に関して、または被験者に投与された希釈物の重量/体積に関して(例えば1ミリリットル当たりのミリグラム数:mg/mL;1ミリリットルあたりのマイクログラム数:μg/mL;1ミリリットルあたりのナノグラム数:ng/mL;等)記載し得る。そのグリブリドは、注射用滅菌水、または他の適切な水のような水;食塩水;糖溶液;または任意の薬学的に許容可能な溶液中にあり得、これらは任意の他の薬学的に許容可能な薬剤、賦形剤、浸透圧調節物質(osmoticant)、希釈剤、緩衝剤、保存剤、または注射用液において使用するために適切な他の化合物もしくは添加物を含み得る。
【0041】
本明細書中で使用する場合、「Cmax」という用語は、血中のグリブリドの最高濃度を示す。
【0042】
本明細書中で使用する場合、「AUC」という用語は、曲線下面積(ある時間区間にわたる薬剤の血漿中濃度の積分)を示し、そしてその薬剤の投与によって被験者が曝露された、グリブリドまたは他の薬剤の合計量の尺度として使用される。
【0043】
本明細書中で使用する場合、「クリアランス」という用語は、被験者の血液からの、グリブリドまたは他の薬剤の喪失を指す。クリアランスは、その薬剤が完全に除去された血漿の(理論的な)体積/単位時間という分数(fraction)を指す。クリアランスを、例えば1時間あたりのリットル数(L/h)、1分あたりのミリリットル数(mL/分)で測定し得る。
【0044】
本明細書中で使用する場合、「V」という用語は、当業者に公知の用語である、分布体積を指し、それはグリブリドのような薬剤が、もしその薬剤が均質に(すなわちその体積全体で同じ濃度で)分布したとしたときの、被験者の体内に分布する体積(または潜在的な体積)を指す。分布体積は、典型的にはリットル数または1キログラムあたりのリットル数(LまたはL/kg)で測定される。
【0045】
本明細書中で使用する場合、「ベータ」という用語は、グリブリドのような薬剤の、被験者の血液および組織への、または被験者の血液および組織からの、輸送速度の尺度を提供する。
【0046】
本明細書中で使用する場合、「t」または「tzero」は、最初の時間を指し、それからさらなる時間の測定がされる。例えば、グリブリドまたは他の薬剤を被験者に投与する場合、時間tは、投与を開始する時間である。この最初の時間、時間tは、投与がボーラス投与、持続注入、ボーラス投与とその後の持続注入、薬剤を投与しないかもしくは異なる量の薬剤を投与する期間を有する投与、またはこれらの組み合わせに関わらず、投与を開始する時間である。
【0047】
本明細書中で使用する場合、「t1/2」という用語は、典型的には時間(h)、分(min)、または秒(s)で測定される、被験者に投与された薬剤の半減期を指す。例えば、(グリブリドまたは他の薬剤が投与された被験者の血中の)グリブリドまたは他の薬剤のレベル(例えば濃度)が、以前の値の半分に低下する時間が、その被験者のt1/2である。
【0048】
本明細書中で使用する場合、「tmax」という用語は、被験者に投与された薬剤のレベル(典型的には血中の濃度)が、その最高レベルに達する時間を指す。例えば、(グリブリドまたは他の薬剤が投与された被験者の血中の)グリブリドまたは他の薬剤のレベル(例えば濃度)が、最初の投与後その最高値に達する時間が、その被験者のtmaxである。
【0049】
本明細書中で使用する場合、「ボーラス」という用語は、比較的短い期間存続する単回注射におけるグリブリドまたは他の薬剤の投与を指す。本明細書中で使用する場合、ボーラスは約3分間以下の期間にわたって存続する。ボーラス注射は、比較的高い投与量または濃度の薬剤の注射であり得る。
【0050】
本明細書中で使用する場合、「持続」(continuous)という用語は、長期間にわたって存続する注射におけるグリブリドまたは他の薬剤の投与を指す。持続注射は、中程度の投与量もしくは濃度の薬剤の注射、または比較的低い投与量もしくは濃度の薬剤の注射であり得る。「注入」という用語は、しばしば、持続注射と共に使用される;本明細書中で使用する場合、「持続注射」および「持続注入」はどちらも、長期間をかけた、患者に対するグリブリドのような薬剤の静脈内投与を等しく指す。
【0051】
本明細書中で使用する場合、「長期間」(extended period of time)は、1分間または2分間または3分間よりも長い期間を指す。例えば、長期間は、約10分間、または約20分間、または約30分間、または約40分間、または約50分間、またはそれよりも長い期間であり得る。さらなる例において、長期間は、約1時間、または約2時間、または約3時間、または約4時間、または約5時間、または約6時間、または約7時間、または約8時間、または約9時間、またはそれよりも長い期間であり得る。さらなる例において、長期間は、約10時間、または約12時間、または約15時間、または約20時間、または約25時間、または約30時間、または約40時間、または約44時間、または約48時間、またはそれより長い期間であり得る。長期間はまた、約1日間、または約2日間、または約3日間、または約4日間、または約5日間、またはそれより長い期間であり得ることが理解される。
【0052】
本明細書中で使用する場合、「実質的にすぐ」は、以前の事象または期間の後、約1時間未満、または30分間未満、または10分間未満、または5分間未満、または3分間未満、または2分間未満、または1分間未満である時間を指す。
【0053】
本明細書中で使用する場合、「プラセボ」という用語は、表面上は薬学的に活性な成分を欠く、または特定の研究において特定の目的の薬学的成分を欠く医薬品製剤を指す。本明細書中で開示される実験において、「プラセボ」は、グリブリドを欠くこと以外は試験被験者に与えられた製剤と同一である製剤(例えばマンニトールおよびNaOHを含むが、グリブリドを含まない)を指す。一般的に、プラセボは不活性な化合物、そしてそれが薬学的に活性な成分を欠く限り(それが比較される薬学的成分に関して決定した場合)、医薬において見出され得る任意の薬学的に許容可能な化合物を含み得る。
【0054】
本明細書中で使用する場合、「BG」という用語は、血中グルコースを指す。
【0055】
本明細書中で使用する場合、「PRN」という用語は、必要に応じて処方することを意味する。
【0056】
以下において、期間を時間(例えばH10は10時間目、または処置の開始後10時間を示す)または日(例えばD2は2日目、または処置開始後2日目を示す)として示し得る。
【0057】
本明細書中で使用される「D5W」という用語は、100ミリリットル(mL)の水あたり5グラム(g)のデキストロースを含む水を示す。
【0058】
「RP−1127」は、グリブリドまたはグリブリド製剤を指す。
【0059】
出願人は、患者に対するグリブリドの投与およびプラセボの投与を含む実験を行った。これらの実験の結果を、以下の実施例において開示する。
【実施例】
【0060】
グリブリドの保存および投与
第1相試験
我々は、グリブリド濃度が、ポリ塩化ビニル(PVC)との接触によって低下することを、使用中の安定性試験によって決定した。例えば、グリブリドを含む溶液をPVCチュービングに通した場合、またはPVCバッグ中で保存した場合、グリブリド濃度は低下する。例えば我々は、10μg/mLより低いグリブリド濃度で、グリブリドを含む溶液をPVCバッグで保存した場合、グリブリド濃度が低下することを決定した。1つの可能性のある説明は、グリブリドがPVCに吸着することである。10μg/mLのグリブリドにおいて、我々は、許容可能な量のグリブリドの喪失で(例えばおそらくPVCへの吸着による喪失)、標準的なPVCバッグを使用することができた(しかしPVCチュービングはそうではなかった)。
【0061】
我々はさらに、0.2ミクロンのインラインフィルターを通すことのような、フィルターを通すことによって、グリブリドを含む溶液中のグリブリド濃度が低下することを見い出した。
【0062】
従って、例えば持続注入のための適用におけるヒト実験において、グリブリドを、グリブリドの濃度が約10%以下しか低下されないことを確実にするためにデザインされた、前もって決定したフラッシングプロトコール(下記を参照のこと)によってフラッシングしたインラインフィルターを有する低吸着ポリエチレン(PE)内張りチュービングを通して投与した。より低い投与量、すなわち0.4mg/日、3mg/日、および6mg/日(ここでグリブリド濃度は10μg/mL未満であった)に関して、我々はPVCを含まないバッグを使用した。10mg/日の投与量(ここでグリブリド濃度は10μg/mLであった)に関して、我々はPVCバッグを使用した。
【0063】
全ての濃度におけるボーラス注射に関して、我々は、注射のために使用する前に、投与するグリブリド溶液(約2〜3μg/mLから約50〜75μg/mLの範囲、例えば約2.5μg/mLから約60μg/mL(例えば2.48μg/mLから約62.00μg/mL)の範囲)でフラッシングした、PALL Pharmassure 0.2ミクロンフィルターHP1002(Pall Life Sciences、600 South Wagner Road、Ann Arbor、MI 48103)を使用した。
【0064】
具体的に:
・使用したPVCを含まないバッグは、B Braun EXCEL L8000(B.Braun Medical Inc.,824 Twelfth Avenue、Bethlehem、PA 18018)であった。
・使用したPVCバッグは、Viaflex 1,000mL 2B1324X(Baxter、One Baxter Parkway、Deerfield、IL 60015−4625)であった。
・0.2ミクロンの低タンパク質結合フィルターを有する、Carefusion 20350E(CareFusion Corporation、3750 Torrey View Court、San Diego、CA 92130)低吸着拡張セットに取り付けた、Carefusion 2260−0500(CareFusion Corporation、3750 Torrey View Court、San Diego、CA 92130)低吸着投与セットを、10μg/mLの濃度でグリブリドを投与するために使用した。
・内蔵型0.2ミクロンフィルターを有する、Carefusion10010454(CareFusion Corporation、3750 Torrey View Court、San Diego、CA 92130)低吸着投与セットを、約10μg/mLより低い濃度でグリブリドを投与するために使用した。
・上記の製品と適合性のAlaris Pumpユニット(CareFusion Corporation、3750 Torrey View Court、San Diego、CA 92130)を使用した。
【0065】
【表1-2】
【0066】
一連の全ての構成要素の通過でのグリブリドの約10%未満の減少を確認するために、全ての構成要素およびフラッシングプロトコールを、前もって広範囲に試験した。グリブリドフラッシング溶液は、少なくとも約2μg/mL、または約2〜8μg/mL、または約5〜6μg/mL、または約10μg/mL、またはそれより高いグリブリド濃度を有する。
【0067】
全ての場合において、使用したカテーテルは、BD Nexivaカテーテル(BD、1 Becton Drive、Franklin Lakes、NJ USA 07417)であった;そのカテーテルはフラッシングも試験もしなかった。
【0068】
第2相試験
急性疾患の処置において、患者が処置を待っている間に、投与の前にフィルターおよびチュービングを甚だしくフラッシングして時間を費やすことは、典型的ではなく、望ましくもない。従って、急性脳卒中、脊髄損傷、脳外傷、または他の脳もしくは神経系の損傷、またはMIもしくは心室性不整脈のような臨床的状況において、時間はしばしば重要であるので、薬局がチュービングをフラッシングしている間、薬剤の患者への投与を遅らせることは、望ましい選択肢ではない。さらに、緊急または非常の状況においては、薬局は薬剤を調製するための単純な一連の指示を有することが好ましい。
【0069】
従って、後に利用するためにバッグおよびチュービングの保存の前に甚だしくフラッシングすることが可能であり得るが、そのような状況におけるグリブリドの安定性は決定されておらず、そして無菌性および他の目的のために、臨床医は、グリブリドでフラッシングした後長期間保存されたバッグおよびチュービングよりも、新しいバッグおよびチュービングを好むかもしれず、そして薬局はその全てのチュービングおよびバッグを、グリブリドによって前処理することなく、全ての薬剤に使用できるようにしておくことを好むかもしれないので、そのような戦略は好ましくない。
【0070】
我々は、濃縮した再構成グリブリド材料(1mg/mL)を、フィルターへの過剰なグリブリドの喪失無しに、0.2ミクロンのフィルター(例えばMillex 0.22μm Durapore PVDFフィルターSLGV033RSまたはSLGVM33RS(Millipore、290 Concord Road、Billerica、MA 01821)、またはPALL 0.2ミクロンフィルター、HP1002)でろ過することが可能および実用的であるかどうかを決定するために、前臨床実験を行った。これらの実験において、そのろ過した材料を、PVCを含まないバッグ(例えばB Braun EXCEL L8000)中に希釈した。このプロトコールにおいて、PVCを含まないバッグ中のろ過したグリブリド溶液は、フィルター無しのポリエチレン内張りチュービング(例えばCarefusion 2260−0500またはCarefusion C20014)を通して、または実質的にPVCを含まない、すなわち短い部分のPVCしか有さないポリエチレン内張りチュービング、例えばHospira 11993−78(275 North Field Drive,Lake Forest、Illinois 60045)を通して患者に投与する準備ができている。グリブリド投与の前に、任意で約50mLから約75mL(例えば約70mL)のグリブリドフラッシング溶液(少なくとも約2μg/mL、または約2〜8μg/mL、または約5〜6μg/mL、または約10μg/mL、またはそれより高いグリブリド濃度)の1回のフラッシングでそのチュービングをフラッシングし得ることに注意する。
【0071】
グリブリドを、そのような手順で2人の患者に投与した。1つの場合において、SLGVM33RSシリンジフィルターおよび6×C20014拡張セットを取り付けた2260−0500投与セットを使用した。他の場合において、SLGV033RSシリンジフィルターおよび6×C20014拡張セットを取り付けたHospira 11993−78投与セットを使用した。
【0072】
前臨床試験は、グリブリド溶液からのグリブリドの喪失を抑制するために、この手順が有効であることを示す。
【0073】
我々は、ろ過過程がグリブリド濃度を有意に減少させないように、十分高いグリブリド濃度(例えば、少なくとも約10μg/mL、好ましくは約0.5mg/mLと約1mg/mLとの間、そしてさらにより好ましくは約1mg/mLまたはそれより高い)を含むグリブリド溶液をろ過し、そして次いでその溶液を、PVCを含まないバッグに希釈して、標準的な静脈内(IV)ポンプを通した投与を可能にするために十分な体積の溶液を提供し、次いでその溶液を、フィルター無しのポリエチレン内張り投与セット(または短いPVC部分を有し、ほとんどがポリエチレンで内張りされたセット)を通して投与する方法が、グリブリド処置を必要とする患者への投与のために、臨床的に有効な濃度のグリブリドを提供するために有効であることを見出した。グリブリド処置を必要とする患者は、急性脳卒中(虚血性および出血性)のような脳卒中を患う患者、外傷性脳損傷(TBI)を患う患者、脊髄損傷(SCI)を患う患者、心筋梗塞(MI)を患う患者、ショック(出血性ショックを含む)を患う患者、臓器虚血を患う患者、心室性不整脈を患う患者、虚血損傷を患う患者、低酸素/虚血を患う患者;ならびに他の損傷を患う患者、他の病状を患う患者、および他の障害を患う患者を包含する。
【0074】
BD VialonTM材料を含むBDカテーテルを、両方の患者に使用した(BD、1 Becton Drive、Franklin Lakes、NJ USA 07417);そのカテーテルはフラッシングも試験もしなかった。
【0075】
薬物動態学的データ
健康なボランティアを、「正常な男性および女性のボランティアにおける、RP−1127(注射用グリブリド)の増加する投与量の安全性、耐容性、および薬物動態を評価するための第1相無作為化二重盲検プラセボ対照試験」(試験101)と題したRP−1127の第1相試験に登録した。この試験の主な目的は、ボーラス投与量とその後の3日間の持続注入維持投与量として投与された、異なる投与量レベルのRP−1127の安全性および耐容性を評価することであった。2次的な目的は、RP−1127の薬物動態およびRP−1127への薬力学的応答を評価することであった。グリブリドおよびその2つの主な活性代謝産物(M1およびM2)の血漿中濃度を測定した。
【0076】
合計26人の患者が薬剤(8人が17.3μgのボーラス+0.4mg/日、16人が130μgのボーラス+3.0mg/日、1人が260μgのボーラス+6.0mg/日、および1人が433μgのボーラス+10.0mg/日)、および8人がプラセボという5グループの患者に投与した。薬力学的情報を得るためと、安全性の理由の両方のために、試験中を通して血中グルコースを測定した。投与レジメンは、2分かけたボーラスとその後の72時間の持続注入であった。
【0077】
【表2-2】
【0078】
全ての血漿中濃度データを、注入中および注入後の薬剤の挙動を同時に組み込んで、非線形回帰によって分析した。結果を表3に示す。
【0079】
RP−1127の薬物動態学的パラメーターは、投与量、体重、身長、体表面積、性別、および年齢と独立であった。
【0080】
【表3】
【0081】
表2に見られるように、RP−1127の薬物動態は、表1に示したivグリブリドの他の製剤のものと全般的に一致した。しかし、最初のボーラス負荷投与量の後、血漿中グリブリド濃度の低下が存在し、投与の開始から中央値1.25〜1.5時間で最低に達した。その後血漿中グリブリドレベルは増加し、そしてボーラス投与の後約8〜20時間で定常状態に達した。注入の残りの時間については定常状態が維持された。
【0082】
図1は、0.4mg/日のグリブリドを受けた患者において測定した、平均血漿中グリブリド濃度を示す。
【0083】
0.4mg/日における平均定常状態グリブリド濃度(Css)は、3.8ng/mLであり、そして最高グリブリド濃度(Cmax)は7.2ng/mLであり、それは72時間目に発生した。処置の中止から1時間以内に、平均グリブリド血漿中レベルは、54%(4.4ng/mLから2.0ng/mLへ)低下した。グリブリド血漿中レベルは、50%の患者において76時間目までに、そして100%の患者において96時間目までに、検出限界(0.5ng/mL)未満となった。
【0084】
図2は、3mg/日のグリブリドを受けた患者において測定した平均血漿中グリブリド濃度を示す。
【0085】
3mg/日の投与量に関して、平均Cssは25.3ng/mLであり、そしてCmax(全ての個々の被験者の)は50.7ng/mLであり、それは48時間目に1人の患者において発生した。投与の中止から1時間以内に、平均グリブリド血漿中レベルは、57%(27.3ng/mLから11.9ng/mLへ)低下した。グリブリド血漿中レベルは、50%の患者において84時間目までに、そして100%の患者において96時間目までに、検出限界未満となった。
【0086】
図3は、6mg/日のグリブリドを受けた患者において測定した、平均血漿中グリブリド濃度を示す。この薬剤の低血糖効果に起因して、約32時間目に投与を早期中止した。
【0087】
図4は、10mg/日のグリブリドを受けた患者において測定した、平均血漿中グリブリド濃度を示す。薬剤の低血糖効果に起因して、約24時間目に投与を早期中止した。
【0088】
血中グルコース/低血糖データ
図5は、プラセボ(グリブリド無し)を受けた患者、0.4mg/日のグリブリドを受けた患者、および3mg/日のグリブリドを受けた患者における、血中グルコースレベル中央値を示す。見られるように、0.4mg/日の投与量は、BGに対して非常に小さいが目に見える効果を有し、そして3.0mg/日の投与量は、低血糖(長期のBG<70mg/dL、または低血糖の徴候/症状、例えば身震い、不安、神経過敏、動悸、頻脈、発汗、熱感、冷感、冷湿、瞳孔の散大、しびれ感「ぴりぴりしたしびれ(pins and needles)」、空腹、悪心、嘔吐、腹部不快感、頭痛、判断力障害、疲労、脱力、感情鈍麻、嗜眠、混乱、健忘症、めまい、せん妄、かすみ目(blurred vision)、複視、話しづらい、不明瞭発語、およびより重篤な場合は痙攣および昏睡)無しに、より明白な効果を有していた。
【0089】
H0からH8まで、250μgのボーラス+6mg/日の静脈内グリブリドを受けた1人の被験者は、血中グルコースレベルの緩やかな低下を経験したが、これらは70mg/dLより上を維持した。約H8とH12との間、血中グルコースレベルはさらに低く低下し、そして59から72mg/dLの範囲であった。約H13.3において、その被験者
は、発汗(sweating)(発汗(diaphoresis))および空腹の形で断続的に低血糖の徴候を示した。これらの症状は、15分間続いた。H14およびH15における血中グルコースの測定値は、正常範囲内であったが、約H16からH29まで、血中グルコースは49および134mg/dLの間で変動した。この期間中、被験者を食物PRNで処置したが、断続的な低血糖の症状を経験し、そして時々身震い、トンネル状視野を伴うめまい(lighthead)、および冷湿を感じた。被験者は、昼食を食べる間「身震い」を感じ、そして発汗していたので、約H29に、被験者をIVデキストロース(10%)で、100cc/時間の速度で治療し、その後血中グルコースは、64〜123mg/dLの範囲に維持された。持続した低血糖の臨床徴候の結果として、試験薬剤の投与をH32に中断した。D10速度をHR34において50cc/hrに低下させ、そして約HR36においてIV D5Wに置換した。IV D5WをH48まで続け、その時に患者は約7時間一貫して正常血糖であった。
【0090】
被験者402が2日目に口およびIVにより消費したカロリーの合計は、4309であった。Kcalのパーセンテージ:タンパク質=11%;炭水化物=66%;脂肪=23%。
【0091】
この事象の間、被験者は低血糖の古典的な症状を有していたが、常に覚醒しており、見当識があり、そして会話能力があった(conversant)。被験者はまた、提供された全ての食物および液体を消費できた。
【0092】
その薬剤の低血糖効果に起因して、約32時間で投与を早期中止した。
【0093】
H12において、BGは<70mg/dL(68mg/dL)であり、そしてグリブリド血漿中レベルは64ng/mLであった。
【0094】
433μgのボーラス+10mg/日のグリブリドを受けた被験者は、H1からH8までに、63mg/dL〜81mg/dLの範囲の血中グルコースレベルを経験し、それはH12〜H22の間に52〜53mg/dLの範囲に低下した。被験者を、この時間の間中、以下のものによりPRNで処置した:グルコースゲル、ヨーグルト、リンゴジュース、ベーグルおよびピーナツバター。22時間において、朝の血清グルコースは50mg/dLより低く、この時点で投与を中断した。この事象の間、被験者は低血糖の古典的な症状を有していたが、常に覚醒しており、見当識があり、そして会話能力があった(conversant)。被験者はまた、提供された全ての食物および液体を消費できた。
【0095】
この薬剤の低血糖効果に起因して、約24時間で投与を早期中止した。
【0096】
H2において、BGは70mg/dLより低く、そしてグリブリド血漿中レベルは57.94ng/mLであった。
【0097】
考察
出願人は、本明細書中で開示される結果は、グリブリドを数時間よりも長い期間にわたって投与した、およびグリブリドの血漿中レベルを記録した実験の結果を初めて提供すると考える。Garrelら(1987)は、1mgのi.v.ボーラス投与量とその後の17時間の0.3mg/hをI型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))を有する6人の被験者に投与した;合計投与量は6.1mgのグリブリドであった。しかし、PK分析は行われなかった。
【0098】
従って、誰も以前には、本明細書中で記載されたグリブリドによる効果を観察も記載もしたことがないと考えられる。
【0099】
出願人は、重症の低血糖が、持続注入として送達された6mg/日のグリブリドおよび10mg/日のグリブリド(250μg/hrおよび17μg/hr)で起こったことに注意する。約50ng/mLより高い、およびおそらく約58〜64ng/mLまたはそれより高い範囲のグリブリドレベルが、臨床的に関連のある、および/または処置に抵抗性である低血糖を引き起こすのに十分であるようである。グリブリド投与を維持しながら、高投与量(6および10mg/日)での持続注入によって引き起こされた低血糖を処置することは驚くほど困難であった。
【0100】
例えば、急性脳卒中(虚血性および出血性)を患う被験者、外傷性脳損傷(TBI)を患う被験者、脊髄損傷(SCI)を患う被験者、心筋梗塞(MI)を患う被験者、ショック(出血性ショックを含む)を患う被験者、臓器虚血を患う被験者、および心室性不整脈を患う被験者を治療する場合、低血糖を回避することが好ましい。よって、約50ng/mL未満の血漿中グリブリドレベルが、より高い濃度が引き起こし得る有害な副作用(例えば低血糖)のほとんどまたは全てを回避しながら、グリブリドの治療的利点を提供する好ましい血漿中レベルである。好ましくは、約10ng/mLから約20ng/mL、または約20ng/mLから約30ng/mL、または約25ng/mLのグリブリドレベルを標的とするべきであり、そうすることによって、少なくとも短い期間にわたって、グリブリドの血流中における広い濃度範囲(ピーク時約50ng/mLまで)を期待し得ることが理解されるべきである。
【0101】
注意する重要なポイントは、静脈内グリブリドが投与される可能性が高い急性の病状、例えば急性脳卒中(虚血性および出血性)、外傷性脳損傷(TBI)、脊髄損傷(SCI)、心筋梗塞(MI)、ショック、臓器虚血、および心室性不整脈において、損傷、細胞死、または他の細胞、組織、もしくは臓器の損傷が最大である時間窓は、おそらく約0から4、または約0から6、または約0〜12、または約0〜24時間であるようであることである。従って、望ましいグリブリド血漿中レベルを迅速に達成することが非常に重要である。さらに、これらの適応症において、低血糖は負の影響を有し得、従って長期の、または臨床的に有意な低血糖を引き起こさない静脈内グリブリドの投与量で患者を処置することが好ましい。
【0102】
さらに、経口およびivグルコースで低血糖を処置することにおいて経験した困難は、グリブリドの投与量を低血糖の範囲まで増加させ、そして次いでグルコースで同時に処置するというコンセプトはうまくいかないかもしれないことを示す。炭水化物「負荷」は、血清ALTおよびASTの実質的な上昇を引き起こし得ることが、しばらく前から公知であり、それは一般的に食事の変化から1週間以内に明らかになる(Irwiら、1969、Porikosら、1983、Purkinsら、2003、Kechagieasら、2008)。炭水化物によって誘導されるアミノトランスフェラーゼの上昇は、(おそらく肝臓におけるトリグリセリドの合成の増加から生じる)血清トリグリセリドの実質的な増加と頻繁に関連する。肝細胞におけるグリコーゲンの沈着も、血清アミノトランスフェラーゼの上昇と関連し、そしてこれはうまくコントロールされていない糖尿病において記載された(Sayukら、2007、Chatilaら、1996)。肝臓におけるグリコーゲンの沈着は、かなり迅速に起こり得、そして従って、少なくとも部分的には、炭水化物負荷によって観察されたアミノトランスフェラーゼの上昇を説明し得る。グリブリドの高インスリン性効果が、肝臓による炭水化物の取り込みおよびグリコーゲンへの変換を増悪する可能性もある。
【0103】
上記の理論的根拠において概略を述べた我々の試験からの証拠、すなわちインスリン放出の有意な増加と並行した大量の炭水化物の持続投与は、ALTおよびASTの一過性の上昇を引き起こすという証拠が存在する−これは6mg/日のグリブリドを受けた被験者が経験し、その被験者を24時間かけて4309カロリーで治療し、そしてこの3分の2は炭水化物の形であった。これはアミノトランスフェラーゼの上昇を示した、以前の健康なボランティアの試験で採用された1日の炭水化物摂取をはるかに超えた、極めて実質的な炭水化物負荷である。
【0104】
炭水化物の負荷によって引き起こされる、これらの型のALTおよびAST上昇は、正常な健常患者において危険であるとは考えられないが、特に急性の病状を患う人のような不安定な患者においては好ましくなく、そして回避するべきである。
【0105】
【表4-1】
【0106】
【表4-2】
図1
図2
図3
図4
図5