【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者は、以下の一般式(I)を有するペプチド:
R
1−(AA)
n−X
1−Arg−X
2−Trp−X
3−X
4−X
5−X
6(R
3)−(AA)
p−R
2
が優れたデルマトポンチン活性化剤であることを実証した。その結果、これらのペプチドは皮膚の加齢及び光加齢の抑制に好適である。
【0018】
本発明のペプチドは、以下の事実を特徴とする:
−デルマトポンチン発現を活性化する、
−I型及びIII型コラーゲン及びフィブロネクチンの発現を増大する、
−UV照射を受ける皮膚のコラーゲン及び弾性線維のフィブリル構造の分解を防止する。
【0019】
用語「デルマトポンチンを活性化する又はデルマトポンチンを活性化できるペプチド又は活性化剤」は、遺伝子発現の直接又は間接的調節によりタンパク質合成を増大することによって、又はタンパク質の安定化若しくはメッセンジャーRNA転写の安定化のようなその他の生物学的プロセスによって、細胞中に存在するデルマトポンチンの量を増大することができる一般式(I)の全てののペプチドを指す。
【0020】
皮膚という用語は、皮膚、粘膜及び皮膚付属物を形成するすべての被覆組織を指し、毛髪、睫毛及び眉毛を包含する。
【0021】
したがって、本発明の第1の目的は、一般式(I)のペプチドを提供することであり
R
1−(AA)
n−X
1−Arg−X
2−Trp−X
3−X
4−X
5−X
6(R
3)−(AA)
p−R
2
式中、
X
1は、アスパラギン酸又はアミノ酸なしを表し、
X
2は、グルタミン又はグルタミン酸を表し、
X
3は、アスパラギン又はリシン又はグルタミン又はアミノ酸なしを表し、
X
4は、フェニルアラニン又はチロシン又はアミノ酸なしを表し、
X
5は、チロシン又はアラニン又はアミノ酸なしを表し、
X
6は、システイン又はアミノ酸なしを表し、
AAは、任意のアミノ酸を表し、n及びpは0〜2の整数であり;
R
1は、遊離した、又はアシル型(R−CO−)の基で置換されたN末端アミノ酸の一級アミン官能基を表し、ここでラジカルRはアセチル型の飽和若しくは不飽和C
1〜C
30アルキル鎖、又はベンゾイル、トシル若しくはベンジルオキシカルボニル型の芳香族基のいずれかであり;
R
2は、遊離した、又はC
1〜C
30アルキル鎖から選択される基で置換されたヒドロキシル基又は−NH
2、−NHY若しくは−NYY’基(Y及びY’はC
1〜C
4アルキル鎖を表す)のいずれかを有する、C末端アミノ酸のカルボキシル官能基を表し;
R
3は、遊離した、又はメチル若しくはアセチル基で置換されているか、ジスルフィド結合によって別のシステインに共有結合している、X
6位のシステインのチオール官能基を表す。
【0022】
前記一般式(I)の配列は、3〜12個のアミノ酸残基からなり、塩の形態であることができる。
【0023】
本発明の有利な実施形態によると、ペプチドは好ましくは一般式(I)に対応し、
R
1−(AA)
n−X
1−Arg−X
2−Trp−X
3−X
4−X
5−X
6(R
3)−(AA)
p−R
2
式中、
X
1は、アスパラギン酸又はアミノ酸なしを表し、
X
2は、グルタミン又はグルタミン酸を表し、
X
3は、アスパラギン又はリシン又はグルタミン又はアミノ酸なしを表し、
X
4は、フェニルアラニン又はチロシン又はアミノ酸なしを表し、
X
5は、チロシン又はアラニン又はアミノ酸なしを表し、
X
6は、システイン又はアミノ酸なしを表し、
AAは、アルギニン、システイン、ロイシン、グリシン及びグルタミン酸を除く任意のアミノ酸を表し;n及びp=0又は1であり、nはpと異なり;
R
1は、遊離した、又はアシル型(R−CO−)の基で置換された、N末端アミノ酸の一級アミン官能基を表し、ここでラジカルRはアセチル型の飽和若しくは不飽和C
1〜C
30アルキル鎖、又はベンゾイル、トシル若しくはベンジルオキシカルボニル型の芳香族基のいずれかであり;
R
2は、遊離した、又はC
1〜C
30アルキル鎖から選択される基で置換されたヒドロキシル基又は−NH
2、−NHY若しくは−NYY’基(Y及びY’はC
1〜C
4アルキル鎖を表す)のいずれかを有する、C末端アミノ酸のカルボキシル官能基を表し;
R
3は、遊離した、又はメチル若しくはアセチル基で置換されているか、ジスルフィド結合によって別のシステインに共有結合している、X
6位のシステインのチオール官能基を表す。
【0024】
前記一般式(I)の配列は、3〜7個のアミノ酸残基からなり、塩の形態であることができる。
【0025】
本発明の特に好ましい実施形態によると、ペプチドは以下の配列を有する:
(SEQ ID NO1):Asp−Arg−Gln−Trp−NH
2
(SEQ ID NO2):Asp−Arg−Glu−Trp−NH
2
(SEQ ID NO3):Asp−Arg−Gln−Trp−Asn−Tyr−NH
2
(SEQ ID NO4):Arg−Glu−Trp−Gln−Phe−Tyr−Cys−NH
2
(SEQ ID NO5):Arg−Glu−Trp−Gln−Phe−Tyr−Cys(Cys)−(NH
2)
(SEQ ID NO6):Asp−Arg−Glu−Trp−Gln−Phe−NH
2
(SEQ ID NO7):Asp−Arg−Gln−Trp−Asn−Tyr−Ala−Cys−NH
2
(SEQ ID NO8):Asp−Arg−Gln−Trp−Asn−Tyr−Ala−Cys(Cys)−(NH
2)
(SEQ ID NO9):Asp−Arg−Glu−Trp−Gln−Phe−Tyr−Cys−NH
2
(SEQ ID NO10):Asp−Arg−Glu−Trp−Gln−Phe−Tyr−Cys(Cys)−(NH
2)
(SEQ ID NO11):Asp−Arg−Gln−Trp−Lys−Phe−NH
2
(SEQ ID NO12):Arg−Glu−Trp−Gln−Phe−Tyr−NH
2
(SEQ ID NO13):Arg−Glu−Trp−Gln−Phe−Tyr.
【0026】
特に有益な実施形態によると、ペプチドはSEQ ID NO5の配列に対応する。
【0027】
別の特に有益な実施形態によると、ペプチドはSEQ ID NO9又はSEQ ID NO10の配列に対応する。
【0028】
別のさらに有益な実施形態によると、ペプチドはSEQ ID NO12又はSEQ ID NO13の配列に対応する。
【0029】
本発明のペプチドを構成し、用語AAによって示されるアミノ酸は、異性体のL体及びD体のいずれであることもできる。好ましくは、アミノ酸はL体である。
【0030】
用語「ペプチド」は、ペプチド結合によって互いに結合した2つ以上のアミノ酸の鎖を指す。
【0031】
用語「ペプチド」は、上記のような本発明の天然若しくは合成ペプチド、又はそれがタンパク質分解又は合成のいずれによって得られるかにかかかわらず、少なくとも1つのその断片、又はその配列が全部若しくは部分的に上記のペプチドの配列からなる任意の天然若しくは合成ペプチドも指す。
【0032】
分解に対する耐性を改善するため、本発明のペプチドの保護形態を使用する必要がある場合がある。好ましくは、N末端アミノ酸の一級アミン官能基を保護するため、アシル型(R−CO−)のR
1基による置換が使用され、ここでラジカルRは、アセチル型の飽和若しくは不飽和C
1〜C
30アルキル鎖、又はベンゾイル、トシル、若しくはベンジルオキシカルボニル型の芳香族基のいずれかであり、さらにより好ましくはアセチル基である。好ましくは、C末端アミノ酸のカルボキシル官能基を保護するため、C
1〜C
30アルキル鎖型のR
2基、又はNH
2、NHY若しくはNYY基(ここでYはC
1〜C
4アルキル鎖を表す)、さらにより好ましくはNH2基による置換が使用される。
【0033】
本発明によるペプチドは、N末端若しくはC末端の終端又は両方の終端で保護されてもよい。
【0034】
本発明によるペプチドの二量体化を阻害するため、C末端システインのチオール官能基を、メチル若しくはアセチル基、又は別のシステインによって置換することができる。後者の場合、置換により2つのシステイン残基の間にジスルフィド結合が形成される。
【0035】
したがって、本発明は、本発明によるペプチド及び有利にはSEQ ID NO1〜SEQ ID NO13の配列のペプチドが保護形態又は非保護形態であり、好ましくはC末端終端で保護形態であることを特徴とする、上記の組成物に関する。
【0036】
本発明による一般式(I)のペプチドは、古典的な化学合成(固相中又は液体均質相中での)、又は構成アミノ酸からの酵素合成(Kullman et al. J. Biol.Chem.,1980,vol.225,p.8234)のいずれかによって得ることができる。
【0037】
本発明によるペプチドは、天然由来でも合成由来でもよい。好ましくは本発明によると、ペプチドは合成由来であり、化学合成によって得られる。
【0038】
本発明によると、活性化剤は単一のペプチドでもペプチドの混合物でもよい。
【0039】
本発明によるペプチドは、有利には1つ又はそれ以上の生理学的に好適な溶媒、例えば水、グリセロール、エタノール、プロパンジオール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシ化若しくはプロポキシ化ジグリコール、環状ポリオール又はこれらの溶媒のいずれかの混合物に可溶化される。
【0040】
用語「生理学的に好適な」は、選択された溶媒が毒性又は不耐性反応を生じることなく皮膚への接触に適することを意味する。
【0041】
希釈されたペプチドは、続いて滅菌濾過により滅菌される。
【0042】
この希釈段階の後、ペプチドは、リポソームのような化粧品、若しくは、医薬品用ベクター又は化粧品分野で使用されるその他のマイクロカプセルに封入若しくは収容され、又は粉末状有機ポリマー、タルク及びベントナイトのような鉱物担体上に吸着され、より一般的には、生理学的に好適なベクターに可溶化されるか又は結合される。
【0043】
本発明の第2の主題によると、一般式(I)のペプチドを薬物として使用できる。
【0044】
特に有利には、一般式(I)のペプチドを治癒剤として使用できる。
【0045】
本発明の別の目的は、本発明によるペプチドを生理学的に好適な媒体中に包含する、医薬治癒組成物を提供することである。
【0046】
本発明の特定の態様によると、前記ペプチドを、加齢又は早期光加齢に関連する皮膚科学的症状の治療、特に遅延治癒、弛緩及び皮膚委縮、日光弾性線維症並びに真皮表皮接合低下の治療に使用することができる。
【0047】
有利には、本発明のこの実施形態によると、医薬組成物は局所使用に好適と考えられ、又は皮下若しくは皮内注射に適した液体形態であってもよく、特に複数回の表層局所脂肪溶解型注射に好適である。
【0048】
本発明の第3の目的は、一般式(I)のペプチドをデルマトポンチン活性化剤として、生理学的に好適な媒体中に包含する化粧品組成物を提供することである。
【0049】
本発明の有利な実施形態によると、本発明の活性化剤は本発明の組成物中に、最終組成物の全重量を基準にして約10
−9M〜10
−3Mの濃度、好ましくは10
−8M〜10
−5 Mの濃度、さらにより好ましくは5.10
−5M〜5.10
−6Mで存在する。
この濃度範囲は、所望の分子影響、すなわち、デルマトポンチン、I型及びIII型コラーゲン及びフィブロネクチンの活性化を得るために必要な活性化剤の量を示す。
【0050】
好ましくは、本発明の組成物は、皮膚に対して生理学的に好適な媒体を包含する局所適用に好適な形態である。「生理学的に好適な」は、皮膚又はヒトの皮膚付属物との接触において、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応又はその他の副作用の危険なく、使用に好適な媒体を指す。
【0051】
「局所適用」とは、本発明による活性化剤、又はそれを含有する組成物の皮膚表面上への適用又は塗布を指す。
【0052】
これらの組成物は、特に、水性、水性アルコール又は油性の溶液;水中油型若しくは油中水型エマルション又は複数のエマルション;水性若しくは無水ゲル;コロイドの形態であってもよい。これらの組成物は、皮膚、粘膜、唇及び/又は皮膚付属物への適用に好適なクリーム、懸濁液、又は粉末の形態であることもできる。これらの組成物は多少流体であってもよく、クリーム、ローション、ミルク、漿液、ポマード、クリーム、ペースト又は泡の外観を有してもよい。さらに、スティックのような固体形態であってもよく、エアロゾル形態で皮膚に適用されてもよい。当該組成物は、ケア製品として及び/又は皮膚のメークアップ製品として使用できる。
【0053】
さらに、これらの組成物はすべて、想定される使用分野で一般的に使用される添加剤並びにその配合に必要な補助剤、例えば共溶媒(エタノール、グリセロール、ベンジルアルコール、湿潤剤等)、増粘剤、希釈剤、乳化剤、酸化防止剤、着色剤、日焼け防止剤、顔料、充填剤、防腐剤、香料、臭気吸収剤、精油、微量元素、必須脂肪酸、界面活性剤、皮膜形成ポリマー、化学又は鉱物フィルタ、水和剤又は温泉水等を包含する。例として、多糖類のような天然型の水溶性ポリマー、又はポリペプチド、メチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルセルロース型のセルロース誘導体、又は合成ポリマー、ポロキサマー、カルボマー、シロキサン、PVA又はPVP、特にISPカンパニーが販売するポリマーを挙げることができる。
【0054】
いずれの場合も、当業者は、これらの補助剤並びにその比率が、本発明の組成物が探究する有利な特性を相殺しないように選択されることを確認するであろう。これらの補助剤は、例えば、組成物の総重量の0.01〜20%の範囲の濃度で存在してもよい。本発明の組成物がエマルションであるとき、脂肪相は組成物の全重量を基準にして5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%で存在してもよい。組成物に使用される乳化剤及び共乳化剤は、考慮する分野で従来使用されるものから選択されるであろう。例えば、それらは組成物の全重量を基準にして0.3〜30重量%の範囲の比率で使用できる。
【0055】
当然、本発明の活性化剤は、単独でも他の活性化剤と共にでも使用できる。
【0056】
有利には、本発明にしたがって使用できる組成物は、さらに、皮膚の加齢の兆候の防止及び改善の分野において、本発明の活性化剤の作用を増強することを目的とした少なくとも1つのその他の活性化剤、又は考慮する組成物の特性の範囲拡大を可能にする別の活性化剤を含有する。
【0057】
非限定的に、以下の分類の成分を挙げることができる:再生剤、抗加齢剤、抗皺剤、肥厚化剤、抗フリーラジカル剤、抗糖化剤、水和剤、抗菌剤、抗真菌剤、角質溶解剤、筋弛緩剤、角質除去剤、及びトーニング剤、真皮巨大分子の合成若しくははエネルギー代謝を刺激する作用剤、皮膚分化、色素沈着若しくは色素脱失を調節する作用剤、爪若しくはは毛髪の成長を刺激する作用剤、微小循環を刺激する作用剤、日焼け防止剤又はメタプロテイナーゼ阻害剤。
【0058】
本発明の特定の実施形態において、本発明による組成物は、本発明によるペプチドとは別に、以下も包含するであろう
−少なくとも1つのシトクロムc活性化化合物、及び/又は
−少なくとも1つの水和化合物、例えばアクアポリン活性化化合物、及び/又は
−少なくとも1つのサーチュイン活性化化合物、及び/又は
−少なくとも1つの細胞付着増大化合物、及び/又は
−少なくとも1つの、マトリックスタンパク質の産生を増大する化合物、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、グリコサミノグリカン及び/又は
−少なくとも1つのプロテアーゼ活性調節化合物、及び/又は
−少なくとも1つの概日リズム調節化合物、及び/又は
−少なくとも1つのHSPタンパク質調節化合物、及び/又は
−少なくとも1つの細胞エネルギー増加化合物、及び/又は
−少なくとも1つの皮膚色素沈着調節化合物、及び/又は
−少なくとも1つのコエンザイムQ10活性化化合物、及び/又は
−少なくとも1つの、バリア機能を改善する化合物、例えばトランスグルタミナーゼ又はHMG−CoAレダクターゼ活性化化合物、及び/又は
−少なくとも1つのミトコンドリア保護化合物。
【0059】
前記化合物は、植物のペプチド加水分解物のような天然由来でもよく、又はペプチドのような合成由来でもよい。
【0060】
その機能とは関係なく、本発明の活性化剤に関連する組成物中のその他の活性化剤は非常に多様な化学構造を有してもよい。非限定的には、ペプチド、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンB群、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン(dihydroepiandrosterone))、フィトステロール、サリチル酸及びその誘導体、レチノイド、フラボノイド、糖アミン、アゾール、金属塩、植物由来のペプチド抽出物又はポリマーが挙げられる。
【0061】
本発明の第4の目的は、真皮表皮接合部の構造を強化し、真皮表皮接合部の構成成分の発現を刺激し、真皮表皮接合部の支持領域の緻密化を増大し、又はさらには基底角化細胞及び/又はメラニン細胞の真皮表皮接合部への固着を改善するための、活性化剤として一般式(I)のペプチドを包含する化粧品組成物の使用に関する。
【0062】
本発明の第5の目的は、皮膚の線維芽細胞による細胞外マトリックスのタンパク質の発現を増大するための、活性化剤として一般式(I)のペプチドを包含する化粧品組成物の使用に関する。
【0063】
本発明の有利な態様によると、当該活性化剤は、真皮の密度及び弾力性、したがって皮膚の引き締まりを増大し、フェイスラインのたるみ、ボリュームの低下、皮膚菲薄化、弛緩、小皺、深い皺及び皮膚委縮を防止又は抑制することを可能にする。
【0064】
本発明の第6の目的は、外的ストレスを受ける皮膚のコラーゲン線維及び弾性線維の分解を防止するための、活性化剤として一般式(I)のペプチドを包含する化粧品組成物の使用に関する。
【0065】
「外部ストレス」という表現は、環境によって生じうるストレスを指す。例として、汚染、UV照射、又は刺激物質のようなストレスを挙げることができる。汚染は、「外的」汚染、例えば、ディーゼル粒子、オゾン又は重金属によるもの、並びに「体内」汚染、特に塗料溶剤、接着剤、若しくは壁紙からの排出物(トルエン、スチレン、キシレン又はベンズアルデヒド等)又はタバコの煙によるものの両方を指す。
【0066】
活性化剤は、UV照射、より具体的にはUVA照射後の弾性線維の分解及び組織崩壊を制限すること及びコラーゲン線維の再構築を刺激することを可能にすることが実証されている。
【0067】
弾性線維の組織崩壊とは、日光への繰り返しの暴露による変化すべて、並びに日光弾性線維症に典型的なジストロフィー性弾性線維の蓄積を指す。肌の悪化は改善されにくく、加齢に関連する皮膚の下垂又はたるみの一因であり、主に真皮に深く振盪するUVA照射によって生じる。
【0068】
本発明の特定の実施形態は、UV照射、より具体的にはUVA照射への暴露によって引き起こされる日光弾性線維症及び/又は弾性線維の組織崩壊に関連する非審美的な兆候を防止又は抑制するための、本発明によるペプチドを包含する化粧品組成物の使用に関連する。
【0069】
本発明の第7の目的は、表皮及び真皮の再生を増大するための、活性化剤として一般式(I)のペプチドを包含する化粧品組成物の使用に関する。
【0070】
「表皮及び真皮の再生」という表現は、本発明の有利な態様により、本発明のペプチドが角化細胞及び線維芽細胞の増殖及び移動の増大を引き起こし、それによって表皮の再生の加速、より一般的には皮膚のより良い再生を促進することを意味する。
【0071】
本発明の第8の目的は、本発明の組成物が処置すべき皮膚に局所適用されることを特徴とする、皮膚の加齢及び光加齢の兆候を防止及び/又は治療することを目的とする美容ケアのための方法に関する。
【0072】
皮膚の加齢の兆候により、加齢による皮膚及び皮膚付属物の外観のすべての変化が理解される。例えば、皮膚菲薄化、たるみ、弾力性喪失及び弛緩、深い線及び皺、引き締まり及びハリの喪失、皮膚萎縮又はその他のUV照射への暴露の結果生じる皮膚の内的分解等である。
【0073】
本発明は、特に、UV照射による肌ストレスから皮膚を保護することを目的とした美容処置の方法に関する。
【0074】
特定の1つの実施形態において、該当組成物は、弾性線維の組織崩壊を防止するための日焼け前のケア処置として、日光に暴露する前に適用される。
【0075】
本発明の第2の実施形態において、該当組成物はコラーゲン及び弾性繊維が受けた損傷を修復するための日焼け後ケア処置として、日光暴露の後に適用される。
【0076】
本発明のその他の利点及び特徴は、例証及び非限定的な目的で提供される以下の実施例を見ることでより明白になるであろう。