(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6179883
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】マルチホップ無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20170807BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20170807BHJP
H04J 3/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
H04W72/04 150
H04W72/04 131
H04W72/04 133
H04W84/18
H04J3/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-250593(P2012-250593)
(22)【出願日】2012年11月14日
(65)【公開番号】特開2014-99769(P2014-99769A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】表 昌佑
(72)【発明者】
【氏名】張 欣
(72)【発明者】
【氏名】宋 春毅
(72)【発明者】
【氏名】水谷 圭一
(72)【発明者】
【氏名】船田 龍平
(72)【発明者】
【氏名】大堂 雅之
(72)【発明者】
【氏名】原田 博司
【審査官】
田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−279011(JP,A)
【文献】
特開2008−228298(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/128757(WO,A1)
【文献】
特開2006−094229(JP,A)
【文献】
米国特許第07103371(US,B1)
【文献】
Zhang Xin et al.,Preliminary Link Budget Analysis for 802.22b [online],IEEE 802.22-12-0055-01-000b,2012年 5月15日,[retrieved on 2016.12.06], Retrieved from the Internet: <URL: https://mentor.ieee.org/802.22/dcn/12/22-12-0055-00-000b-preliminary-link-budget-analysis-for-802-22b.pptx>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
H04J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホワイトスペース帯域において時分割多重方式に基づく無線通信を行うマルチホップ無線通信システムにおいて、
1以上の通信デバイスと、上記通信デバイスとOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式による時分割多重方式に基づく無線通信を行う管理デバイスとを有するサブネットワークと、
複数の上記サブネットワークを管理する基地局とを備え、
上記各サブネットワークは、スーパーフレームを構成する連続フレーム群中の互いに異なるフレームが割り当てられて上記無線通信を行い、また上記無線通信を継続して行う場合には、その後に続く上記スーパーフレームにおいて上記各サブネットワーク毎に先のスーパーフレームにおける同一のフレームが割り当てられ、当該割り当ては、OFDMAフレームにおけるサブキャリアを分割した周波数軸の論理チャネルと時間スロットの組み合わせから構成されるサブチャネル、又は時間軸に沿って生成されるシンボルについて実行し、
上記基地局は、新たに通信の開始を望むサブネットワークを検出し、且つ上記スーパーフレームを構成する連続フレーム群中に使用可能な空きフレームが存在しない場合には、現在フレームが割り当てられている無線通信を行っているサブネットワークのうちの何れかのフレームを、新たに通信の開始を望むサブネットワークに割り当てること
を特徴とするマルチホップ無線通信システム。
【請求項2】
上記基地局は、新たに通信の開始を望むサブネットワークに割り当てるフレームを、現在フレームが割り当てられている無線通信を行っているサブネットワークにおける通信量に基づいて決定すること
を特徴とする請求項1記載のマルチホップ無線通信システム。
【請求項3】
上記基地局は、上記新たに通信の開始を望むサブネットワークが上記割り当てられたフレームを利用して無線通信を終了後、当該フレームを利用していた元のサブネットワークにこれを再度割り当てること
を特徴とする請求項1又は2記載のマルチホップ無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホワイトスペース帯域において時分割多重方式に基づく無線通信を行うマルチホップ無線通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
時分割多重(TDM: Time Division Multiplex)は、商用システムであるIEEE802.16 WiMAX,IEEE802.22 WRAN等に用いられている。このTDMとは、複数チャネルのディジタル信号や符号化された信号などを、時間をずらして配置し、順番に並べていく方式である。各通信端末は、時間的に重ならない区間を利用して通信を行うことにより、他の通信端末との間で干渉を防止しつつ無線通信を行うことが可能となる。このTDMは、単一ホップ無線通信ネットワーク、即ち、基地局(Base Station)と無線端末間の直接通信で行う方式である。
【0003】
無線ノードのみでネットワークが構成され、それらが自律的にパケットを中継することで有線ネットワークなどのインフラを介さずに通信を行うことが可能なマルチホップ無線通信ネットワーク(Multi-hop Wireless Networks)が提案されている。このマルチホップ無線通信ネットワークにTDMを適用する際には、ネットワークを分割し、複数のサブネットワークを構成し、各サブネットワーク間で通信時間を互いにずらすことで、他のネットワークに通信干渉を与えることなく通信することが可能となる。しかしながら、サブネットワークにおける通信状況により、ネットワークの通信品津や、ネットワーク収容能力(キャパシティ)の低下が生じる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】IEEE Std. 802.22-2011 "IEEE 802.22-2011(TM) Standard for Cognitive Wireless Regional Area Networks (RAN) for Operation in TV Bands"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、TDMを用いたマルチホップ無線通信ネットワークにおいて、ネットワークの状況に応じた柔軟で的確なチャネル設定を可能とし、更にはネットワーク収容能力(キャパシティ)を増加させる上で好適なマルチホップ無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上述した課題を解決するために、ホワイトスペース帯域において時分割多重方式に基づく無線通信を行うマルチホップ無線通信システムにおいて、時分割多重方式に基づく無線通信を行う1以上の通信デバイス及び管理デバイスとを有するサブネットワークと、複数のサブネットワークを管理する基地局とを備え、基地局は、新たに通信の開始を望むサブネットワークを検出し、且つスーパーフレームを構成する連続フレーム群中に使用可能な空きフレームが存在しない場合には、現在フレームが割り当てられている無線通信を行っているサブネットワークのうちの何れかのフレームを、新たに通信の開始を望むサブネットワークに割り当てるマルチホップ無線通信システムを発明した。
【0007】
本発明を適用したマルチホップ無線通信システムは、ホワイトスペース帯域において時分割多重方式に基づく無線通信を行うマルチホップ無線通信システムにおいて、1以上の通信デバイスと、上記通信デバイスと
OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式による時分割多重方式に基づく無線通信を行う管理デバイスとを有するサブネットワークと、複数の上記サブネットワークを管理する基地局とを備え、上記各サブネットワークは、スーパーフレームを構成する連続フレーム群中の互いに異なるフレームが割り当てられて上記無線通信を行い、また上記無線通信を継続して行う場合には、その後に続く上記スーパーフレームにおいて上記各サブネットワーク毎に先のスーパーフレームにおける同一のフレームが割り当てられ、
当該割り当ては、OFDMAフレームにおけるサブキャリアを分割した周波数軸の論理チャネルと時間スロットの組み合わせから構成されるサブチャネル、又は時間軸に沿って生成されるシンボルについて実行し、上記基地局は、新たに通信の開始を望むサブネットワークを検出し、且つ上記スーパーフレームを構成する連続フレーム群中に使用可能な空きフレームが存在しない場合には、現在フレームが割り当てられている無線通信を行っているサブネットワークのうちの何れかのフレームを、新たに通信の開始を望むサブネットワークに割り当てることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載のマルチホップ無線通信システムは、請求項1記載のマルチホップ無線通信システムにおいて、上記基地局は、新たに通信の開始を望むサブネットワークに割り当てるフレームを、現在フレームが割り当てられている無線通信を行っているサブネットワークにおける通信量に基づいて決定することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載のマルチホップ無線通信システムは、請求項1又は2記載の発明において、上記基地局は、上記新たに通信の開始を望むサブネットワークが上記割り当てられたフレームを利用して無線通信を終了後、当該フレームを利用していた元のサブネットワークにこれを再度割り当てることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述した構成からなる本発明では、限られた有効マルチホップフレームしかなくても、単位面積あたりのサブネットワークの収容密度を向上させることが可能となり、更には信号干渉を低減させることが可能となる。その結果、マルチホップの無線通信システムを大規模に構成することも可能となる。このため、災害時等における緊急を要する通信を行う場合には、サブネットワークの単位面積当たりの収容能力の向上が要求される場合や、サブネットワークの状況の予測が困難な場合等において、ネットワークの状況に応じた柔軟で的確なチャネル設定を可能とし、より顕著な効果を奏し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明を適用したマルチホップ無線通信システムのシステムブロック構成図である。
【
図2】管理デバイスと通信デバイスとの間でOFDMA通信を行う上で必要となるスーパーフレームフォーマットを示す図である。
【
図4】本発明を適用したマルチホップ無線通信システムにおけるフレームの割り当てのコンセプトを説明するための図である。
【
図5】本発明を適用したマルチホップ無線通信システムにおけるフレームの割り当てを示すフローチャートである。
【
図6】基地局から通信可能なネットワークを示す図である。
【
図8】本発明を適用したマルチホップ無線通信システムにおけるフレームの割り当て例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用したマルチホップ無線通信システムの実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明を適用したマルチホップ無線通信システム1のシステムブロック構成図を示している。このマルチホップ無線通信システム1は、IEEE802.16 WiMAX,IEEE802.22 WRAN等に用いられる。またマルチホップ無線通信システム1は、いわゆるホワイトスペース帯域を使用することを前提としている。
【0014】
マルチホップ無線通信システム1は、
図1に示すように基地局20と、この基地局20を中心にして形成された複数のサブネットワーク3とを備えている。ちなみに、この基地局20と複数のサブネットワーク3とにより、ネットワーク2を形成する。個々のサブネットワーク3は、通信デバイス40a、40bと、これら通信デバイス40との間でOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式に基づき、中でも時間分割多重 (TDM:Time Division Multiplex)方式に基づく無線通信を行う管理デバイス30とを有している。ちなみに、このサブネットワーク3では、OFDMA方式に限定されるものではなく、時間分割多重(TDM)に基づくものであればいかなる方式の通信にも適用可能である。また基地局20は、公衆通信網6に接続され、さらにこの公衆通信網6にはデータベース5が接続されている。
【0015】
基地局20は、複数のサブネットワーク3による無線通信を管理するための機器である。この基地局20は、複数のサブネットワーク3との間で通信を中継する無線アクセスポイントとしての役割も果たし、公衆通信網6との間でインターフェースとしての役割を果たすものである。この基地局20は、フレーム割り当て部22とを備えている。フレーム割り当て部22は、それぞれのサブネットワーク3において行われる無線通信に必要なフレームの割り当てを行う。この基地局20は、公衆通信網6を介してデータベース5から通信に必要なチャネルに関するチャネル情報を受信する。
【0016】
公衆通信網6は、データベース5と基地局20とを電話回線を介して接続されるインターネット網を始め、TA/モデムと接続されるISDN(Integrated Services Digital Network)/B(broadband)−ISDN等のように、情報の双方向送受信を可能としたネットワーク等である。また、この公衆通信網6は、携帯端末やスマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)からアクセス可能な通信網であればいかなるものであってもよい。
【0017】
データベース5は、基地局20から公衆通信網6を介して情報を受信してこれを記憶する。またデータベース5は、基地局20に対して、他の基地局20やその他の通信システムにおける通信チャネル情報等を必要に応じて送信する。
【0018】
サブネットワーク3における管理デバイス30は、サブネットワーク3内における無線通信を制御するためのデバイスであり、例えば携帯情報端末、スマートフォン、PCを始めとしたあらゆる機器で具現化される。この管理デバイス30は、いわゆるH-CPE (High-capability Consumer Premise Entity)で構成されていることが前提となっている。この管理デバイス30は、フレーム割り当て部32とを有している。また、フレーム割り当て部32は、個々の通信デバイス40による通信に必要なフレームを割り当てるための処理を行う。
【0019】
この管理デバイス30は、通信デバイス40との間でOFDMA通信を行う上で必要なOFDMAフレームが基地局20により割り当てられる。管理デバイス30は、この割り当てられたOFDMAフレームを利用して通信デバイス40とOFDMA通信を行う。
【0020】
通信デバイス40a、40bは、例えば携帯情報端末、スマートフォン、PCを始めとしたあらゆる機器で具現化される。この通信デバイス40a、40bは、L-CPE(Low-capability Consumer Premise Entity) で構成されていてもよいが、これに限定されるものではなく、より高機能なH-CPEにより構成されていてもよい。
【0021】
通信端末デバイスa、40bは、実際にOFDMAによる無線通信を行う場合には、管理デバイス30により割り当てられたOFDMAフレームを利用する。
【0022】
上述した構成からなるマルチホップ無線通信システム1において、管理デバイス30と通信デバイス40との間でOFDMA通信を行う上では、例えば
図2に示すようなスーパーフレームフォーマットを利用する。
【0023】
このスーパーフレームフォーマットでは、互いにビーコンによって区切られたスーパーフレームn−1、n、n+1、・・・が連続している。このスーパーフレームの周期は、例えば160msである。そして、個々のスーパーフレームは、さらに16個の、例えば10msの長さからなるフレーム#0〜フレーム#15に分割されている。ちなみに、フレーム0の先頭には、スーパーフレームプリアンブルや、フレームプリアンブル、FCH(Frame Control Header)等が付され、いわゆる管理情報等が記述される。また、これらフレーム#0〜フレーム#15に記述される実データは、いわゆるOFDMAフレームを構成する。
【0024】
図3は、OFDMAフレームの詳細を示している。このOFDMAフレームは、サブキャリアを分割した周波数軸の論理チャネルと、時間スロットの組み合わせから構成されるサブチャネルを各サブネットワーク3に割り当てることが可能となる。また、これとともに、時間軸に沿って生成されるシンボルも各サブネットワーク3に割り当てることが可能となる。即ち、このOFDMAフレームは、時間(t)の軸と、周波数(f)の軸の2軸で各サブネットワーク3にフレームを割り当てることが可能となる。
【0025】
ODFMAフレームは、管理情報を記述するためのフレームプリアンブルと、フレーム制御ヘッダ(FCH)と、上り回線のバースト信号の割り当て情報が記述されたUSMAPと、下り回線のバースト信号の割り当て情報が記述されたDSMAP等が時間(t)方向における先頭部分に設けられる。また、このOFDMAには、それぞれサブネットワーク3に割り当てる下り回線のデータ領域としての下りバースト#11、#12、・・・、#mから構成されるDSサブフレームと、レンジングサブチャネル、上りバースト#21、#22、・・・、#nからなるUSサブフレームとから構成される。DSサブフレームと、USサブフレームとの間には、TTG(送信/受信切換ギャップ)が設けられる。またUSサブフレームの終端にはRTG(受信/送信切換ギャップ)が設けられる。
【0026】
本発明を適用したマルチホップ無線通信システム1は、上述の如きOFDMAフレームを以下に説明する方法に基づいてTDM方式を利用し、各サブネットワーク3に割り当てる。
【0027】
各サブネットワーク3間では、互いに連続フレーム群中の互いに異なるフレームが割り当てられてOFDMAに基づく無線通信を行う。このとき、サブネットワーク3は、当該無線通信を継続して行う際には、例えば
図4に示すように、スーパーフレームを構成する連続フレーム群中において、その後に続くスーパーフレームにおいて上記各サブネットワーク毎に先のスーパーフレームにおける同一のフレームが割り当てられる。
【0028】
例えば一のサブネットワーク3に着目した場合に、スーパーフレームx−1において、フレーム#2が割り当てられているものとする。この一のサブネットワーク3が引き続き無線通信を継続する場合には、次に続くスーパーフレームxにおいてもフレーム#2が割り当てられる。その理由として、一のサブネットワーク3に対して、スーパーフレーム毎に割り当てるフレームが異なる場合には、その都度基地局20からの制御が必要となるため、通常はそのような制御を必要としないほうが効率的であるためである。
【0029】
本発明では、このようにして、サブネットワーク3毎に先のスーパーフレームにおける同一のフレームが後続するスーパーフレームにおいても割り当てられる場合において、仮に新たに通信の開始を望むサブネットワーク3が存在していた場合に、上記一のサブネットワーク3が現在使用しているフレームを割り当てる処理を行う。
図4の例では、フレーム#2を使用している一のサブネットワーク3が、自ら使用しているフレーム#2を、新たに通信の開始を望む他のサブネットワーク3に対して割り当てるための処理を行う。
【0030】
図5は、かかる割り当て処理を行うためのフローチャートである。先ずステップS11において、基地局20は、新たに通信を望むサブネットワーク3の存在の有無を識別する。その結果、新たに通信を望むサブネットワーク3の存在を基地局20が識別できた場合のみ、ステップS12へと移行する。ちなみに基地局20は、サブネットワーク3の存在を、当該各サブネットワーク3を管理する管理デバイス30の有無を、例えばその電波等を介して識別する。仮にこの基地局20によりその存在を確認できたサブネットワーク3、ひいては管理デバイス30は、何れも
図6に示すように基地局20から電波を送受信可能なネットワーク2の範囲内にあるものとする。
【0031】
ステップS12では、現時点において、新たに通信を望むサブネットワーク3が使用可能な空きフレームが存在するか否かを識別する。通常は、OFDMAフレームの全てが使用可能とされているのではなく、実際にサブネットワーク3による無線通信が可能なフレームはそのうちの一部とされている場合が多い。例えば
図7は、サブネットワーク3による無線通信が可能な有効マルチホップフレームは、フレーム#13〜#15の3フレームとされている場合の例である。基地局20は、このような有効マルチホップフレームにおいて空きフレームが存在するか否かを識別し、空きフレームが存在する場合には、ステップS14へ移行し、空きフレームが存在しない場合には、ステップS13へ移行する。
【0032】
ステップS14へ移行した場合には、新たに通信を望むサブネットワーク3に対して当該空きフレームを割り当てる。
【0033】
ステップS13へ移行した場合には、以下のフレームの割り当て処理を行う。例えば、スーパーフレームSF10〜スーパーフレームS15において、有効マルチホップフレーム(フレーム#13〜フレーム#15)に、それぞれのサブネットワーク3の管理デバイス(H−CPE)30−1〜30−3が割り当てられているものとする。
【0034】
次にスーパーフレームSF11の過程において基地局が新たにH−CPE30−5が検出され、その後に続くスーパーフレームSF12においてフレームを割り当てる場合、有効マルチホップフレーム(フレーム#13〜フレーム#15)の何れを割り当てるか、基地局20が判断を行うこととなる。かかる場合には、その時点で有効マルチホップフレーム(フレーム#13〜フレーム#15)に割り当てられているH−CPE30−1〜30−3における各通信量に基づいて判断を行うようにしてもよい。基地局20は、このH−CPE30−1〜30−3における各通信量を判別した結果、例えば、H−CPE30−2の通信量が最も低いものとする。かかる場合には、H−CPE30−2の通信を一時的に停止してもそれほど大きな障害とならないものとみなし、当該H−CPE30−2の通信を一時的に停止する。そして、このH−CPE30−2の通信を一時的に停止した結果、空くことになるフレーム#14を、次のスーパーフレームSF12において、この新たに通信を望むサブネットワーク3を管理するH−CPE30−5に割り当てる。
【0035】
次にスーパーフレームSF12の過程において基地局が新たにH−CPE30−4が検出され、その後に続くスーパーフレームSF13においてフレームを割り当てる場合、有効マルチホップフレーム(フレーム#13〜フレーム#15)の何れを割り当てるか、基地局20が判断を行うこととなる。かかる場合にも同様に、その時点で有効マルチホップフレーム(フレーム#13〜フレーム#15)に割り当てられているH−CPE30−1〜30−3における各通信量に基づいて判断を行うようにしてもよい。基地局20は、このH−CPE30−1、30−3、30−5における各通信量を判別した結果、例えば、H−CPE30−1の通信量が最も低いものとする。かかる場合には、H−CPE3012の通信を一時的に停止してもそれほど大きな障害とならないものとみなし、当該H−CPE30−1の通信を一時的に停止する。そして、このH−CPE30−1の通信を一時的に停止した結果、空くことになるフレーム#13を、次のスーパーフレームSF13において、この新たに通信を望むサブネットワーク3を管理するH−CPE30−4に割り当てる。
【0036】
基地局20は、このような処理を次々に行っていくことになる。そして、この新たに通信を望むサブネットワーク3を管理するH−CPE30−4、30−5による通信がスーパーフレームSF14において終了した場合には、次のスーパーフレームSF15において、それらが使用していたフレーム#13、#14を、元のサブネットワーク(H−CPE30−1、30、2)に再度割り当てるようにしてもよい。
【0037】
表1は、このH−CPE30−1〜30−5における、それぞれの割り当てフレーム、開始するスーパーフレームの番号、期間を示している。これら表1、
図8は何れも一例であり、上述したルールに基づくものであればいかなるプロセスに基づくものであってもよい。
【0039】
上述した方法に基づいてOFDMAフレームをサブネットワーク3に割り当てることが可能なマルチホップ無線通信システム1では、限られた有効マルチホップフレームしかなくても、単位面積あたりのサブネットワーク3の収容密度を向上させることが可能となり、更には信号干渉を低減させることが可能となる。その結果、マルチホップの無線通信システムを大規模に構成することも可能となる。このため、災害時等における緊急を要する通信を行う場合には、サブネットワーク3の単位面積当たりの収容能力の向上が要求される場合や、サブネットワーク3の状況の予測が困難な場合等において、より顕著な効果を奏し得るものである。
【符号の説明】
【0040】
1 マルチホップ無線通信システム
2 ネットワーク
3 サブネットワーク
5 データベース
6 公衆通信網
20 基地局
22 フレーム割り当て部
30 管理デバイス
40 通信デバイス