(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記転倒防止スタンドは、前記脚部結合体下部を軸として、前記弾性バネによるバネ弾性力に逆らって前記脚部結合体の長孔に沿って移動しながら、前記転倒防止スタンド先端を脚部方向に回動させることができる請求項2記載の転倒防止機器。
前記床面状態解除手段は、前記転倒防止スタンドが床面の位置の状態で前記転倒防止スタンド近傍の前記脚部の方向側で、該転倒防止スタンドの左右側面から延出して設けられている解除レバー、または、前記脚部結合体上部に設けられた解除ボタンであることを特徴とする請求項1記載の転倒防止機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の黒板用スタンドは、補助スタンド111をベース部105の先端から延出して床面に接する転倒防止位置とベース部105上方の移動許容位置とに選択的に回動させるためには、使用者が手動により、ロックピン119を長孔118から突出させて長孔118の長手方向にスライドさせる必要があり、使用勝手の悪いという問題があった。また、補助スタンド111が転倒防止位置に回動しているときはロックピン119が溝123に係合しているため、ベース部105の先端から延出している部分に何らかのものが衝突すると、補助スタンド111が破損してしまうことになるとともに、被衝突物にも損傷を与えるという問題があった。さらに、補助スタンド111が黒板用スタンドに一体として設けられているので、常に補助スタンド111が装備された状態で使用せざるを得ず、使用に際し補助スタンド111がズボンや足などに引っ掛かり邪魔になる場合もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、使用者が無理な姿勢を強いることなく容易に操作を行なうことができるともに、ものが衝突しても破損、損傷する危険性が低い転倒防止スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、上部媒体を支持する脚部に取り付けられ、上部媒体が転倒しないように支持する転倒防止機器であって、脚部の
前方端部に
取り付けられた脚部結合体と、脚部結合体の
前方端部近傍
の結合部で脚部結合体と結合し、結合部を軸として、床面の位置から脚部上方の位置まで回動可能で、床面の位置のときには脚部結合体の先端から延出する転倒防止スタンドと、転倒防止スタンド上部に設けられ、
脚部結合体下部に係止されることにより転倒防止スタンド
が床面の位置の維持状態
になる係止部と、
脚部結合体の上部または側部に設けられ、押圧されることにより係止部
が脚部結合体下部に係止しない状態に
なり、転倒防止スタンドの床面の位置の維持状態
が解除
される床面状態解除手段と、を有し、床面状態解除手段は、使用者の足により
押圧されることにより、転倒防止スタンドの床面の位置の維持状態
が解除
されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、使用者が床面状態解除手段を足で
押圧して、転倒防止スタンドの床面の位置の維持状態が解除されるので、使用者が無理な姿勢を強いることなく容易に操作を行なうことができる。
【0008】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る転倒防止機器であって、転倒防止スタンドに脚部の方向のバネ弾性力を付与する弾性バネと、を有し、脚部結合体は、転倒防止スタンドとの結合部に脚部方向の長孔が形成され、床面状態解除手段が
押圧されることにより、弾性バネによるバネ弾性力に逆らって、転倒防止スタンドが脚部結合体の長孔に沿って脚部の方向と逆方向に移動し、係止部による脚部結合体と転倒防止スタンドの係止が解かれることにより、転倒防止スタンドの床面の位置の維持状態が解除されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1の態様に係る転倒防止機器であって、脚部結合体は、脚部の端部に着脱自在に取り付けられることを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、脚部結合体が脚部の端部と着脱自在に取り付けられているので、より安全性を高める必要があるときに転倒防止機器を取り付け、転倒防止機器が必要でないときには取る外すことができる。これにより、転倒防止機器が必要でないときに転倒防止機器に引っ掛けるなどの危険性をなくすことができるとともに、上部媒体セットを転倒防止機器なしで販売すること、すなわち、転倒防止機器をオプション製品として販売することもできる。
【0011】
本発明のうち第4の態様に係るものは、第2の態様に係る転倒防止機器であって、転倒防止スタンドは、脚部結合体下部を軸として、弾性バネによるバネ弾性力に逆らって脚部結合体の長孔に沿って移動しながら、転倒防止スタンド先端を脚部方向に回動させることができる。
【0012】
本発明によれば、脚部結合体下部を軸として弾性バネによるバネ弾性力に逆らって転倒防止スタンド先端を脚部方向に回動させることができるので、転倒防止スタンドにものが衝突しても破損、損傷する危険性を低くすることができる。
【0013】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1の態様に係る転倒防止機器であって、係止部は、転倒防止スタンドに一体的に構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明のうち第6の態様に係るものは、第1の態様に係る転倒防止機器であって、床面状態解除手段は、転倒防止スタンドが床面の位置の状態で転倒防止スタンド近傍の脚部の方向側で、転倒防止スタンドの左右側面から延出して設けられている解除レバー、または、脚部結合体上部に設けられた解除ボタンであることを特徴とするものである。
【0015】
本発明によれば、床面状態解除手段が、転倒防止スタンドが床面の位置の状態で転倒防止スタンド近傍の脚部の方向側で、転倒防止スタンドの左右側面から延出して設けられている解除レバー、または、脚部結合体上部に設けられた解除ボタンであるので、使用者は足により解除レバーまたは解除ボタンを容易に操作することができる。
【0016】
本発明のうち第7の態様に係るものは、第3の態様に係る転倒防止機器であって、脚部と脚部結合体の間に着脱自在に取り付けられる脚部接続体を、さらに有し、脚部端部の形状が異なっていても脚部結合体を脚部接続体を介して脚部に取り付けることができるものである。
【0017】
本発明によれば、脚部と脚部結合体の間に脚部接続体を取り付けることにより、脚部の端部形状が異なっていても、脚部の端部形状に適合して脚部結合体を脚部接続体を介して脚部に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の転倒防止機器によれば、使用者が無理な姿勢を強いることなく容易に操作を行なうことができるともに、ものが衝突しても破損、損傷する危険性が低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態における転倒防止機器が取り付けられたディスプレイスタンドを示す図である。
【
図3】(a)同転倒防止機器の右側面図である。(b)同転倒防止機器の上面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における転倒防止機器の分解図である。
【
図5】(a)
図2のA-A断面斜視図である。(b)本発明の第1実施形態における上部脚部結合体の下部斜視図である。
【
図6】(a)転倒防止スタンドが床面の位置にある転倒防止機器を示す右側面図である。(b)
図6(a)の転倒防止機器の内部構造を示す図である。
【
図7】(a)転倒防止スタンドが脚部上方の位置にある転倒防止機器を示す右側面図である。(b)
図7(a)の転倒防止機器の内部構造を示す図である。
【
図8】転倒防止スタンドが前方から外力が受けた状態を示す図である。
【
図9】(a)転倒防止機器を脚部に取り付けようとしている状態を示す下方斜視図である。(b)転倒防止機器を脚部に取り付けようとしている状態を示す上方斜視図である。
【
図10】本発明の第2実施形態における転倒防止機器の上部斜視図である。
【
図11】(a)同転倒防止機器の右側面図である。(b)同転倒防止機器の上面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態における転倒防止機器の分解図である。
【
図13】(a)
図10のA-A断面斜視図である。(b)本発明の第2実施形態における転倒防止機器の上部脚部結合体の下部斜視図である。(c)同転倒防止機器の解除ボタンの下部斜視図である。
【
図14】(a)転倒防止スタンドが床面の位置にある転倒防止機器を示す右側面図である。(b)同転倒防止機器の内部構造を示す図である。
【
図15】(a)転倒防止スタンドが床面の位置にある場合の解除ボタンの回転軸押圧部と回転軸の配置を示す図である。(b)転倒防止スタンドが床面の位置にある場合の移動部材の移動部材上部傾斜部と解除ボタンの解除ボタン後部凸部の配置を示す図である。
【
図16】(a)転倒防止スタンドが床面の位置の維持状態の解除後の解除ボタンの回転軸押圧部と回転軸の配置を示す図である。(b)転倒防止スタンドが床面の位置の維持状態の解除後の移動部材の移動部材上部傾斜部と解除ボタンの解除ボタン中部凸部の配置を示す図である。
【
図17】(a)転倒防止スタンドが床面の位置の解除状態が維持された転倒防止機器を示す右側面図である。(b)同転倒防止機器の内部構造を示す図である。
【
図18】(a)転倒防止スタンドが脚部上方の位置にある転倒防止機器を示す右側面図である。(b)同転倒防止機器の内部構造を示す図である。
【
図19】本発明の変形例1の脚部接続体を用いて脚部に取り付けられる転倒防止機器を示す図である。
【
図20】従来の補助スタンドがベース部上方の移動許容位置にある黒板用スタンドを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明の転倒防止機器の第1実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、
図1は本発明の第1実施形態における転倒防止機器が取り付けられたディスプレイスタンドを示す図である。
【0021】
転倒防止機器1は、ディスプレイ3を支持する脚部2に取り付けられ、ディスプレイ3が転倒しないように支持するための機器である。
図1に示すように、ディスプレイ3は、支柱4の上部に懸架されている。そして、支柱4の端部には脚パイプ5が取り付けられ、脚パイプ5の両端部に脚部2が取り付けられている。ここで、本実施形態では、支柱4と脚パイプ5を脚部2と別部材として説明しているが、これに限らず、支柱4と脚パイプ5もディスプレイ3を支持するものであるので、支柱4と脚パイプ5も含めて脚部2としてもよい。また、脚部2の前後略両端部にはキャスター6が設けられている。このキャスター6により、ディスプレイスタンドを前後左右に移動させることができる。なお、本実施形態では、脚部2に支持されている対象をディスプレイ3としたが、これに限らず、ホワイトボード、黒板などの他の上部媒体であってもよい。
【0022】
次に、転倒防止機器1について
図2および
図3を参照にしながら説明する。ここで、
図2は本発明の第1実施形態における転倒防止機器の上部斜視図であり、
図3(a)は同転倒防止機器の右側面図であり、
図3(b)は同転倒防止機器の上面図である。
【0023】
図2に示すように、転倒防止機器1は、脚部結合体7と、転倒防止スタンド8と、解除レバー9(床面状態解除手段)と、係止部10を有している。
【0024】
脚部結合体7は、プラスチック製で、脚部2の前方端部に取り付けられる部材である。この脚部結合体7の脚部2側には、断面四角形状をした結合体凸部11が形成され、その結合体凸部11には後述するキャスター螺子29が挿入される凸部キャスター螺子挿入孔12が形成されている。なお、本実施形態では、脚部結合体7をプラスチック製としたが、これに限らず、金属であってもよい。脚部結合体7の具体的構造については後述する。
【0025】
転倒防止スタンド8は、スチール製で、脚部結合体7の結合部13で脚部結合体7と結合している(
図3(a)参照)。そして、結合部13を軸として、床面の位置から脚部2上方の位置まで回動させることができる。ここで、本実施形態では、転倒防止スタンド8が床面の位置にあるときでも、転倒防止スタンド8が床面と接することなく、少し浮いている。また、転倒防止スタンド8の先端にはプラスチック部材14が取り付けられている(
図3(a)参照)。このプラスチック部材14により、床面が傷付くことを防止することができる。なお、本実施形態では、床面の位置にあるときは転倒防止スタンド8が床面から少し浮いているとして説明したが、これに限らず、転倒防止スタンド8が床面と接するようにしてもよい。ここで、床面の位置とは、転倒防止スタンド8が床面方向に位置する場合のその位置のことである。
【0026】
解除レバー9は、転倒防止スタンド8の床面の位置の維持状態を解除するために操作するレバーである。解除レバー9は、転倒防止スタンド8が床面の位置にあるときに、転倒防止スタンド8近傍の脚部2側で、転倒防止スタンド8の左右側面から延出して設けられている。解除レバー9がこの位置に設けられているので、使用者は、解除レバー9を足で操作することができる。
【0027】
係止部10は、転倒防止スタンド8を床面の位置に維持させるための部材である。係止部10は、転倒防止スタンド8の上部に一体的に設けられている。この係止部10が脚部結合体7の下部に係止されることにより、転倒防止スタンド8を床面の位置の状態に維持させることができる。なお、本実施形態では、係止部10を転倒防止スタンド8の上部に一体的に設けたが、必ずしも係止部10を転倒防止スタンド8と一体的に設ける必要はなく、脚部結合体7の下部と係止するものあれば転倒防止スタンド8と別体に設けたものであってもよい。
【0028】
次に、転倒防止機器1の組立手順について
図4および
図5を参照にしながら説明する。ここで、
図4は本発明の第1実施形態における転倒防止機器の分解図であり、
図5(a)は
図2のA-A断面斜視図であり、
図5(b)は本発明の第1実施形態における上部脚部結合体の下部斜視図である。
【0029】
脚部結合体7は、転倒防止スタンド8との結合部13に脚部2方向の長孔15が形成されている(
図4参照)。そして、脚部結合体7の下部脚部結合体7aの移動部材挿入孔16に移動部材17を挟み込むとともに、上部脚部結合体7bのナット係止具18(
図5(b)参照)にナット19を挿入し、下部脚部結合体7aの上部から脚部結合体7の上部脚部結合体7bを結合させる(
図5(a)参照)。このように、上部脚部結合体7bのナット係止具18がナット19を保持しながら、下部脚部結合体7aと上部脚部結合体7bを結合させることができる。なお、下部脚部結合体7aと上部脚部結合体7bとを結合させるときには、弾性バネ20の一端が移動部材17上部の移動部材バネ係止孔21に取り付けられ、他端が下部脚部結合体7aの脚部結合体バネ係止孔22に取り付けられている。そして、移動部材17の移動部材支持孔30に脚部結合体7の長孔15から両端内部に雌ネジが形成された回転軸26が挿入され、脚部結合体7の左右両端が解除レバー支持部23上部と転倒防止スタンド8上部により挟み込まれ、その挟み込まれた状態で、転倒防止スタンド8上部のスタンド支持孔24から、解除レバー支持部23上部のレバー支持孔25、脚部結合体7の長孔15を介して、雄ネジが形成された留め具27が回転軸26に挿入され螺合される。これにより、転倒防止スタンド8と解除レバー9(解除レバー支持部23含む)を結合部13で脚部結合体7に結合させることができる(
図4参照)。なお、本実施形態では、解除レバー支持部23を解除レバー9と別構成として説明しているが、これに限らず、解除レバー支持部23を含めて解除レバー9としてもよい。また、上述の脚部結合体7と転倒防止スタンド8の結合部13とは、脚部結合体7の長孔15の留め具27の位置のことである。
【0030】
次に、転倒防止スタンド8が床面の位置にある転倒防止機器1について
図6を参照にしながら説明する。ここで、
図6(a)は転倒防止スタンドが床面の位置にある転倒防止機器を示す右側面図であり、
図6(b)は
図6(a)の転倒防止機器の内部構造を示す図である。
【0031】
転倒防止機器1の転倒防止スタンド8が床面の位置にあるときは、転倒防止スタンド8が脚部結合体7の先端から延出している。また、転倒防止機器1の転倒防止スタンド8が床面の位置にあるとき、特に、転倒防止スタンド8の先端が床面と接することなく、少し浮いているときは、そのまま転倒防止機器1を備えたディスプレイスタンド(図示略)を移動させることができる。また、この状態で、転倒防止機器1を備えたディスプレイスタンド(図示略)に外力が働き傾くと、転倒防止機器1の転倒防止スタンド8が床面と接することとなるので、転倒を防止することができる。また、転倒防止スタンド8が床面に接するときにはプラスチック部材14がまず床面に接するので、床面が傷付くことを防止することができる。転倒防止機器1の転倒防止スタンド8が床面の位置にあるときは、転倒防止スタンド8上部の係止部10が脚部結合体7下部と係止されているとともに、転倒防止スタンド8が脚部2方向の弾性バネ20のバネ弾性力を受けている。これにより、転倒防止スタンド8の床面の位置の状態を維持させることができる。この弾性バネ20と係止部10により床面状態維持手段を構成している。ここで、床面状態維持手段は、転倒防止スタンド8を床面の位置の状態に維持するための手段である。また、本実施形態では、弾性バネ20と係止部10により床面状態維持手段を構成させたが、これに限らず、他の部材を含んでもよい。
【0032】
転倒防止スタンド8が床面の位置の状態にあるときに、使用者が足で解除レバー9を奥方向に操作(押圧)することにより転倒防止スタンド8の床面の位置の維持状態を解除することができる。そして、解除レバー9により転倒防止スタンド8の床面の位置の維持状態が解除された後は、転倒防止スタンド8を足に引っ掛けて脚部2上方の位置に移動させることができる。具体的には、使用者により解除レバー9が押圧されると、弾性バネ20によるバネ弾性力に逆らって、転倒防止スタンド8が脚部結合体7の長孔15に沿って前方側(脚部2の方向と逆方向)に移動するとともに、係止部10が移動部材17の下部により前方に押圧されることにより、係止部10が脚部結合体7の前方に移動する。これにより、係止部10による脚部結合体7と転倒防止スタンド8の係止が解かれ、転倒防止スタンド8の床面の位置の維持状態が解除される。ここで、
図7(a)は転倒防止スタンドが脚部上方の位置にある転倒防止機器を示す右側面図であり、
図7(b)は
図7(a)の転倒防止機器の内部構造を示す図である。
【0033】
このように、使用者が解除レバー9を足で操作して、転倒防止スタンド8の床面の位置の維持状態を解除し、転倒防止スタンド8を脚部2上方の位置にすることができるので、使用者が無理な姿勢を強いることなく容易に操作を行なうことができる。
【0034】
転倒防止スタンド8が脚部2上方の位置の状態では、転倒防止スタンド8と脚部結合体7の結合部13が長孔15の前方側に位置した状態となり、移動部材17下部先端が脚部結合体7より少し前方側に位置している。この状態では、弾性バネ20が伸びた状態となり、移動部材17後方端部が下部脚部結合体7aの移動部材挿入孔16の後端部に係止されている(
図7(b)参照)。これにより、転倒防止スタンド8の脚部2上方の位置の状態が維持される。
【0035】
次に、転倒防止スタンド8が床面の位置の状態にあるときに、転倒防止スタンド8が前方から外力が受けた場合について
図8を参照にしながら説明する。ここで、
図8は転倒防止スタンド8が前方から外力が受けた状態を示す図である。
【0036】
転倒防止スタンド8が床面の位置の状態にあるときに、転倒防止スタンド8が前方から外力が受けると、転倒防止スタンド8は、弾性バネ20によるバネ弾性力に逆らって転倒防止スタンド8と脚部結合体7との結合部13が脚部結合体7の長孔15に沿って脚部2の方向と逆方向に移動するとともに、脚部結合体下部Aを軸として、転倒防止スタンド8先端が脚部2方向に回動する。
【0037】
このように、脚部結合体下部Aを軸として弾性バネ20によるバネ弾性力に逆らって転倒防止スタンド8先端が脚部2方向に回動するので、転倒防止スタンド8にものが衝突しても破損、損傷する危険性を低くすることができる。
【0038】
次に、転倒防止機器1をディスプレイスタンドの脚部2に取り付ける手順について説明する。ここで、
図9(a)は転倒防止機器を脚部に取り付けようとしている状態を示す下方斜視図であり、
図9(b)は転倒防止機器を脚部に取り付けようとしている状態を示す上方斜視図である。
【0039】
転倒防止機器1をディスプレイスタンドの脚部2に取り付けるには、転倒防止機器1の結合体凸部11を脚部2の先端部から挿入する。ここで、この挿入の際には脚部2の先端下部に脚部キャスター螺子挿入孔28が形成されている。そして、キャスター6のキャスター螺子29が脚部キャスター螺子挿入孔28を介して凸部キャスター螺子挿入孔12に挿入され、その凸部キャスター螺子挿入孔12上部のナット19とキャスター螺子29が螺合される。これにより、転倒防止機器1がディスプレイスタンドの脚部2に取り付けられる。なお、ディスプレイスタンドの脚部2は通常断面が下部開口のコの字形状、もしくはロの字形状で形成されているので、コの字形状の脚部2の場合は、
図9に示すように脚部キャスター螺子挿入孔28が形成された脚部下部取付板32を脚部2下部端部に取付け、ロの字形状の脚部2の場合は、脚部2下部の板に脚部キャスター螺子挿入孔28を形成させる。このように、結合体凸部11の端部を脚部2端部内に挿入することにより、脚部結合体7は、脚部2の端部に着脱自在に取り付けられる。なお、本実施形態では、結合体凸部11の端部を脚部2端部内に挿入させて、脚部結合体7を脚部2の端部と着脱自在に取り付けるようにしたが、これに限らず、脚部結合体7を脚部2と一体的に構成させ、着脱できないようにしてもよい。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の転倒防止機器の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。ここで、本発明の第2実施形態と第1実施形態の異なるところは、第1実施形態の転倒防止機器1では、使用者が足で解除レバー9を操作することにより、転倒防止スタンド8の床面の位置の維持状態を解除するようにしたが、第2実施形態では、使用者が足で解除ボタン42を操作することにより、転倒防止スタンド43の床面の位置の維持状態を解除するようにしたところが異なる。なお、第2実施形態においては、第1実施形態と異なるところを中心に説明する。また、第2実施形態では、第1実施形態と同一構成については、同一符号を用い、同一作用効果を奏するものとし説明は省略する。また、第2実施形態の転倒防止機器41についても、
図1で説明したように、ディスプレイ3を支持する脚部2に取り付けられ、ディスプレイ3が転倒しないように支持するために用いられる。ここで、第2実施形態の転倒防止機器41についても、第1実施形態の転倒防止機器1と同様、
図1に示すようにディスプレイスタンドの脚部2に取り付けられる。
【0041】
次に、転倒防止機器41について
図10および
図11を参照にしながら説明する。ここで、
図10は本発明の第2実施形態における転倒防止機器の上部斜視図であり、
図11(a)は同転倒防止機器の右側面図であり、
図11(b)は同転倒防止機器の上面図である。
【0042】
図10に示すように、転倒防止機器41は、脚部結合体44と、転倒防止スタンド43と、解除ボタン42(床面状態解除手段)と、係止部45を有している。
【0043】
脚部結合体44は、上部に解除ボタン挿入孔46が形成されている。この解除ボタン挿入孔46内に解除ボタン42が配されている。その他については、第1実施形態の脚部結合体7とほぼ同一であるので、説明は省略する。
【0044】
転倒防止スタンド43は、第1実施形態の転倒防止スタンド8と多少異なるところもあるが、第1実施形態の転倒防止スタンド43と実質的にほぼ同一構成であるので、説明は省略する。
【0045】
解除ボタン42は、転倒防止スタンド43の床面の位置の維持状態を解除するために操作するボタンである。この解除ボタン42を押圧することにより、転倒防止スタンド43が床面の位置の維持状態を解除することができる。また、解除ボタン42が脚部結合体44上部の解除ボタン挿入孔46に設けられているので、使用者は、解除ボタン42を足で操作することができる。
【0046】
係止部45は、転倒防止スタンド43を床面の位置に維持させるための部材である。係止部45は、転倒防止スタンド43の上部に一体的に設けられている。なお、第2実施形態の係止部45は、強度補強のため、第1実施形態の係止部10より、横幅が長く形成されている。その他については、第1実施形態の係止部10とほぼ同一であるので、説明は省略する。
【0047】
次に、転倒防止機器41の組立手順を
図12および
図13に示す。ここで、
図12は本発明の第2実施形態における転倒防止機器の分解図であり、
図13(a)は
図10のB-B断面斜視図であり、
図13(b)は本発明の第2実施形態における転倒防止機器の上部脚部結合体の下部斜視図であり、
図13(c)は同転倒防止機器の解除ボタンの下部斜視図である。
【0048】
脚部結合体44は、第1実施形態同様、転倒防止スタンド43との結合部13に脚部2方向の長孔15が形成されている(
図12参照)。そして、脚部結合体44の下部脚部結合体44aの移動部材挿入孔16に移動部材51を挟み込むとともに、上部脚部結合体44bのナット係止具18(
図13(b)参照)にナット19を挿入し、下部脚部結合体44aの上部から上部脚部結合体44bを結合させる(
図13(a)参照)。このように、上部脚部結合体44bのナット係止具18がナット19を保持しながら、下部脚部結合体44aと上部脚部結合体44bを結合させることができる。なお、下部脚部結合体44aと上部脚部結合体44bとを結合させるときには、弾性バネ20の一端が移動部材51上部の移動部材バネ係止孔21に取り付けられ、他端が下部脚部結合体44aの脚部結合体バネ係止孔22に取り付けられている。そして、移動部材51の移動部材支持孔30に脚部結合体44の長孔15から両端内部に雌ネジが形成された回転軸26が挿入され、そして、脚部結合体44の左右両端が転倒防止スタンド43上部により挟み込まれた状態で、転倒防止スタンド43上部のスタンド支持孔24から、脚部結合体44の長孔15を介して、雄ネジが形成された留め具27が回転軸26に挿入され螺合される。これにより、転倒防止スタンド43を結合部13で脚部結合体44に結合させることができる(
図13参照)。
【0049】
移動部材51の後方上部には移動部材上部傾斜部48が形成され、解除ボタン42内の中部には解除ボタン中部凸部47が形成されている。そして、転倒防止スタンド43の床面の位置の解除状態が維持されているときには、解除ボタン中部凸部47が移動部材上部傾斜部48に係合されている(
図16(b)参照)。なお、移動部材上部傾斜部48および解除ボタン中部凸部47の詳細については後述する。ここで、第2実施形態では、解除ボタン42を操作することにより転倒防止スタンド43の床面の位置の維持状態を解除するようにしているので、解除レバー9(解除レバー支持部23含む)は設けられていない。
【0050】
解除ボタン42の前方底側面に回転軸係止凹部52が形成され、解除ボタン42の後方底側面には回転軸26を押圧する回転軸押圧部53が形成されている(
図13(c)参照)。この回転軸押圧部53は後向下方傾斜面形状をしている。そして、転倒防止スタンド43の床面の位置の解除状態が維持されているときには、回転軸係止凹部52に回転軸26が係合されている(
図16(a)参照)。なお、回転軸係止凹部52および回転軸押圧部53の詳細については後述する。
【0051】
次に、転倒防止スタンド43が床面の位置にある転倒防止機器41について
図14および
図15を参照にしながら説明する。ここで、
図14(a)は転倒防止スタンドが床面の位置にある転倒防止機器を示す右側面図であり、
図14(b)は同転倒防止機器の内部構造を示す図である。
図15(a)は転倒防止スタンドが床面の位置にある場合の解除ボタンの回転軸押圧部と回転軸の配置を示す図であり、
図15(b)は転倒防止スタンドが床面の位置にある場合の移動部材の移動部材上部傾斜部と解除ボタンの解除ボタン後部凸部の配置を示す図である。
【0052】
転倒防止機器41の転倒防止スタンド43が床面の位置にあるときは、第1実施形態同様、転倒防止スタンド43が脚部結合体44の先端から延出している。また、転倒防止機器41の転倒防止スタンド43が床面の位置にあるときは、第1実施形態同様、転倒防止スタンド43上部の係止部45が脚部結合体44下部と係止されているとともに、転倒防止スタンド43が脚部2方向の弾性バネ20のバネ弾性力を受けている。これにより、転倒防止スタンド43の床面の位置の状態を維持させることができる。この弾性バネ20と係止部45により床面状態維持手段を構成している。ここで、床面状態維持手段は、転倒防止スタンド43を床面の位置の状態に維持するための手段である。また、本実施形態では、弾性バネ20と係止部45により床面状態維持手段を構成させたが、これに限らず、他の部材を含んでもよい。
【0053】
転倒防止スタンド43が床面の位置にあるときは、移動部材51が長孔15の後方側(脚部2の方向)に位置している。この状態では、解除ボタン42の解除ボタン中部凸部47と移動部材51の移動部材上部傾斜部48は係合されず、解除ボタン42の解除ボタン後部凸部49と移動部材51の移動部材上部傾斜部48が係合されている。また、回転軸係止凹部52と回転軸26も係合されていない(
図15(b)参照)。
【0054】
次に、転倒防止スタンド43の床面の位置の維持状態が解除される転倒防止機器41について
図16を参照にしながら説明する。ここで、
図16(a)は転倒防止スタンドが床面の位置の維持状態の解除後の解除ボタンの回転軸押圧部と回転軸の配置を示す図であり、
図16(b)は転倒防止スタンドが床面の位置の維持状態の解除後の移動部材の移動部材上部傾斜部と解除ボタンの解除ボタン中部凸部の配置を示す図である。
【0055】
転倒防止スタンドが床面の位置が維持されている状態から、使用者が足で解除ボタン42を下方に操作(押圧)することにより転倒防止スタンド43の床面の位置の維持状態が解除される。具体的には、解除ボタン42が下方に操作(押圧)されることにより、解除ボタン42の後方底側面の回転軸押圧部53が回転軸26を押圧するとともに、解除ボタン42内後部の解除ボタン後部凸部49が移動部材51の移動部材上部傾斜部48を押圧した後に、解除ボタン42内中部の解除ボタン中部凸部47により移動部材51の移動部材上部傾斜部48が押圧される。このように押圧されることにより、移動部材51が前方側に移動するとともに移動部材51に回転軸26を中心とした回転力が与えられる。ここで、解除ボタン42の解除ボタン中部凸部47が移動部材51の移動部材上部傾斜部48を押圧しているときは、解除ボタン42の解除ボタン後部凸部49は移動部材51の移動部材上部傾斜部48と接触していない。このように、回転軸押圧部53は後向下方傾斜面形状をしているので回転軸26はその傾斜面に沿って前方側に移動し、また、移動部材51後方の移動部材上部傾斜部48も後向下方傾斜面形状をしているので移動部材51も前方側に移動するとともに回転軸26を中心として回転する。以上のように、弾性バネ20によるバネ弾性力に逆らって、回転軸26と連結する転倒防止スタンド43が脚部結合体44の長孔15に沿って前方側(脚部2の方向と逆方向)に移動するとともに、係止部45が移動部材51の下部により前方に押圧され、係止部45が脚部結合体44の前方に移動することとなる。そして、移動部材17後方端部が下部脚部結合体44aの移動部材挿入孔16の後端部に係止されることにより、転倒防止スタンド43の床面の位置の解除状態を維持させることができる。また、転倒防止スタンド43の床面の位置の解除状態を維持されているときには、解除ボタン42の解除ボタン後部凸部49が移動部材51の後方上部の移動部材上部傾斜部48と係合されず、回転軸26が解除ボタン42の回転軸係止凹部52と係合している(
図16(b)参照)。このように、係止部45による脚部結合体44と転倒防止スタンド43の係止が解かれ、転倒防止スタンド43の床面の位置の維持状態が解除される。ここで、
図17(a)は転倒防止スタンドが床面の位置の解除状態が維持された転倒防止機器を示す右側面図であり、
図17(b)は同転倒防止機器の内部構造を示す図である。そして、解除ボタン42により転倒防止スタンド43の床面の位置の維持状態が解除された後は、転倒防止スタンド43を足に引っ掛けて脚部2上方の位置に移動させることができる。ここで、
図18(a)は転倒防止スタンドが脚部上方の位置にある転倒防止機器を示す右側面図であり、
図18(b)は同転倒防止機器の内部構造を示す図である。
【0056】
このように、使用者が解除ボタン42を足で操作して、転倒防止スタンド43の床面の位置の維持状態を解除し、転倒防止スタンド43を脚部2上方の位置にすることができるので、使用者が無理な姿勢を強いることなく容易に操作を行なうことができる。その他については、第1実施形態とほぼ同一であるので、説明は省略する。
【0057】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0058】
次に、変形例について説明する。
(変形例1)
上記第2実施形態では、脚部2と脚部結合体7を重ね合わせて接合させたが、変形例1では、脚部2と脚部結合体7の間に脚部接続体33を着脱自在に取り付け、脚部2と脚部結合体7の間に脚部接続体33を挟んで接合させたところが異なる。なお、上述の異なるところ以外については、変形例1と本実施形態は同じであるので、異なるところを中心に説明する。また、変形例1では、説明の便宜上、第2実施形態の図面を用いて説明するが、変形例1は第1実施形態についても適用される。
【0059】
脚部接続体33を用いて転倒防止機器1をディスプレイスタンドの脚部2に取り付ける手順について説明する。ここで、
図19は、本発明の変形例1の脚部接続体を用いて脚部に取り付けられる転倒防止機器を示す図である。
【0060】
図19に示すように、脚部接続体33は、脚部2と脚部結合体7の間に着脱自在に取り付けられる部材である。脚部接続体33は、断面が上部開口のコの字形状で形成され、底辺に接続体キャスター螺子挿入孔34が形成されている。
【0061】
脚部接続体33を用いて転倒防止機器1をディスプレイスタンドの脚部2に取り付ける際には、まず転倒防止機器1の結合体凸部11に形成された凸部キャスター螺子挿入孔12と脚部接続体33の接続体キャスター螺子挿入孔34を合せて、脚部接続体33上部から結合体凸部11を重ね合わせ、その状態で脚部2の先端部から結合体凸部11が挿入される。そして、キャスター6のキャスター螺子29が脚部キャスター螺子挿入孔28から、接続体キャスター螺子挿入孔34を介して、凸部キャスター螺子挿入孔12に挿入され、凸部キャスター螺子挿入孔12上部のナット19とキャスター螺子29が螺合される。これにより、脚部接続体33を用いて転倒防止機器1がディスプレイスタンドの脚部2に取り付けられる。なお、変形例1では、脚部接続体33の断面を上部開口のコの字形状としたが、これに限らず、断面ロの字形状で形成してもよい。
【0062】
このように、脚部2と脚部結合体7間に脚部接続体33取り付けることにより、脚部2の端部形状が異なっていても、各種の脚部2の端部形状に適合させて転倒防止機器1が脚部接続体33を介して脚部2に取り付けられる。また、結合体凸部11の横幅や縦幅を小さくすることにより、横幅や縦幅の小さい脚部2であっても、その脚部2に適合させて転倒防止機器1を取り付けられる。