特許第6180100号(P6180100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180100
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】回転流体圧シリンダ装置
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/30 20060101AFI20170807BHJP
   F15B 15/14 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   B23B31/30 A
   F15B15/14 335Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-253901(P2012-253901)
(22)【出願日】2012年11月20日
(65)【公開番号】特開2014-100765(P2014-100765A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154901
【氏名又は名称】株式会社北川鉄工所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀治
【審査官】 永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−112178(JP,A)
【文献】 実開昭54−163292(JP,U)
【文献】 特開2006−170347(JP,A)
【文献】 特公昭47−050074(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/30
F15B 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力媒体により軸方向に移動するピストンを内蔵するシリンダ本体と、
該シリンダ本体に密封した圧力媒体の圧力低下を緩和するエラストマー部材を備え、
該エラストマー部材が、前記圧力媒体を吸収せず、かつ、前記圧力媒体の圧力変化によって圧縮または復元することで弾性変形可能に前記シリンダ本体の流体圧室内に設けられた凹部に内嵌して固定的に配備したことを特徴とするチャッキング用回転流体シリンダ装置。
【請求項2】
前記凹部は密封された流体圧室のピストン側又はシリンダ本体側の少なくともいずれかに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のチャッキング用回転流体シリンダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば工作機械の主軸に内蔵されたチャックシリンダ装置に関するもので、圧力流体の漏出や温度変化により圧力変化をきたしたりすることを緩和する蓄圧手段を回転体内に内蔵したシリンダ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主軸に油圧チャックを設けた工作機械においては、チャック開閉用のチャックシリンダを主軸の後端に設け、回転継手を介してチャックシリンダに油圧を供給排出する構造が採用される。
チャックは回転中であっても、ワーク把持力を維持する必要がある為、チャックシリンダの油圧はチャックの開閉動作が行われた後も継続して維持されなければならない。
従って通常構造のチャックシリンダにおいては、主軸回転中も回転継手を介して油圧を継続的に供給し続ける必要がある。
ところが前述したように、通常構造のチャックシリンダでは、主軸回転中もチャックシリンダに継続して油圧をしなければならず、従って回転継手の摺動部から常時圧力媒体である作動油が漏出することとなる。
【0003】
一方、近年は加工能率と加工精度の向上の要請から、主軸の回転数は高速化する傾向にあり、主軸が高速になるとチャックの爪に働く遠心力が増大して、チャックシリンダの推力を大きくする必要が生じる。
また、チャックシリンダの径も小さくしたいという要求が生ずるため、チャックシリンダの油圧を高くしなければならなくなる。
作動油の圧力が高くなれば、回転継手の摺動面からの作動油の漏出量も増加し、また摺動面におけるケーシング側の部材とロータ側の部材との表面速度差も速くなり、その動力損失が問題となるばかりでなく、主軸ケーシングを熱変形させ、工作機械の精度を低下させるという問題が発生する。
【0004】
この問題を避けるために、特開昭60−9957号公報に開示されたシリンダ装置は、チャックシリンダの流体圧室の圧力を保持するための逆止弁と蓄圧器とをチャックシリンダのシリンダ部材に設け、かつ流体圧室の圧力低下を検出する検出装置を設けている。
また、チャックシリンダへの油圧の供給を止めても、一定時間チャックシリンダの流体圧室の圧力すなわちチャックの把握力が所望値以上に保持されるようにしている。
さらに、回転継手への作動油の供給を少なくとも間歇的に休止できるようにして、回転継手の摺動面からの漏出を減少させるようにした装置が提唱されている。
【0005】
そして上記装置では、チャックシリンダのシリンダ部材の端面に対向して、主軸方向に摺動しかつシリンダ部材の上記端面に向けて付勢されたリング状の摺動板を設けるとともに、チャックシリンダの流体圧室の圧力によって付勢された検出ピストンで前記摺動板側に向けて付勢される複数の押動杆をシリンダ部材側から前記摺動板に対向させ、この押動杆が配置された円周と摺動板を挟んで対向する静止位置の1箇所に近接センサのごとき検出器を設けて、チャックシリンダの油圧が低下すると摺動板が検出器から離れるのを検出することにより、チャックシリンダの流体圧室の圧力が低下したことを検知し、当該流体圧室への作動油の補給動作を行わせる構造が従来技術として知られている。
【0006】
また、特開平6−226517号公報に開示されたシリンダ装置は、シリンダ装置内の流体圧を保持する逆止弁と蓄圧器とをチャックシリンダ装置のピストンに軸対称に内蔵した構造としている。
シリンダ装置のピストン軸まわりに軸対称に配置された軸方向孔が8つ設けられており、各蓄圧器はその孔の内6つに内装されている。蓄圧器はピストン軸方向のシリンダ孔とその両端をピストンの両側の流体圧室にそれぞれ連通する流体孔と、シリンダ孔の両側に位置するフリーピストンと、フリーピストンをシリンダ孔の端部に向けて付勢しているバネとで形成されている。
ピストンに設けた軸方向孔の残りの2つには、逆止弁が内装されており、またその回転継手側の孔端には、シリンダボディの回転継手壁面からピストンに向けてピストン軸方向に立設した回り止めスリーブが摺動自在かつ液封状態で嵌装されている構造が従来技術として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭60−99507号公報
【特許文献2】特開平6−226517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特開昭60−9957号公報に開示されたシリンダ装置の従来技術は、チャックシリンダの流体圧室から蓄圧器に至る流路が複雑になるという問題や、反回転継手側の流体圧室への流路をチャックシリンダを回り込むように設けなければならないために、シリンダ部材が大径となるという問題や、回転体に多数の流路を設けるために、装置の軸方向の長さが長くなる等の問題があった。
【0009】
また、特開平6−226517号公報に開示されたシリンダ装置の従来技術は、ピストンに設けた孔にフリーピストンが嵌装されているが、高速回転中は遠心力によってフリーピストンが孔の外壁に押し付けられ、押し付けられることによってバネの伸縮ができず、蓄圧器の機能を有することが難しい問題がある。
【0010】
また、蓄圧容量が大きくなるほど圧力が低下した場合であっても、長時間にわたり安定して圧力を維持することは可能であるが、蓄圧容量を大きくするとなると蓄圧器の個数を増やすか、蓄圧器自体を大きくするしか方法がない。
【0011】
蓄圧器の個数を増やした場合、個数分の部品点数が増える。また、ピストンに蓄圧器用の孔を個数分増やすことにもなり、ピストンの強度が失われてしまう可能性もある。
【0012】
一方、蓄圧器自体を大きくした場合、ピストンの軸方向の長さが長くなる等の問題もある。さらに、フリーピストンに取付けられているシールが磨耗すると、蓄圧器が機能しなくなる問題がある。磨耗したシールの交換をするには、シリンダ本体を分解する必要があり、メンテナンス作業時間が多大となる問題がある。
【0013】
そこで、本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、従来型のシリンダ装置に比べて十分にコンパクトに構成することができ、蓄圧器の部品点数も少なく、高い加工精度を要さず低コストであって、特に長時間にわたり圧力を封じ込め、周囲温度の変化に対しても安定した圧力を維持できる省エネルギー化のシリンダ装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明に係るチャッキング用回転流体シリンダ装置は、圧力媒体により軸方向に移動するピストンを内蔵するシリンダ本体と、該シリンダ本体に密封した圧力媒体の圧力低下を緩和するエラストマー部材を備え、該エラストマー部材が、圧力媒体を吸収せず、かつ、圧力媒体の圧力変化によって圧縮または復元することで弾性変形可能にシリンダ本体の流体圧室内に設けられた凹部に内嵌して固定的に配備している。
【0015】
前記凹部は密封された流体圧室のピストン側又はシリンダ本体側の少なくともいずれかに設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明による回転流体圧シリンダ装置は、蓄圧手段に弾性変形が可能な弾性体を用いている。ここでいう弾性体は、液体を吸収せず、かつ、周囲の圧力変化によって弾性変形が可能な弾性体を指すもので、特定の方向からの外力のみに応動して弾性変形する弾性体、例えば、スプリングのようなものや、液体を吸収する多孔質のスポンジのようなものは含まない。
【0018】
蓄圧手段を固定的に配備し、ピストンの作動部に至る流体圧室内の液体の温度の低下等によって、液体の体積が減少した場合には、弾性体の弾性変形による膨張で液体の体積の減少分を補完して流体圧室内に封じ込められている液体の圧力の低下を抑制する。
【0019】
一方、ピストンの作動部に至る流体圧室路内の液体の温度の上昇によって液体の体積が増大した場合には、弾性体の弾性変形による更なる圧縮で液体の体積の増大分を弾性体に吸収させ、流体圧室内に封じ込められている液体の圧力の上昇を抑制して液体の圧力を略一定の状態に保持するようにした。
【0020】
よって、従来型のピストンを加圧するためのスプリングといった複雑な構造(蓄圧器)を必要とせず、弾性体と該弾性体の脱落防止用の金属プレートを使用する蓄圧手段となり、シリンダ装置の小型化と部品点数の減少や製造コストの低減化が達成される。
【0021】
また、弾性体の形状は自由にできるため、様々なシリンダのサイズに合わせて弾性体の形状を変化させることができるし、スペース的に厳しいところには細切れの弾性体を複数個所定の場所に入れることでも、効果を出すことができる。また、弾性体は、シリンダ側とピストン側のどちら側にも入れることができ、状況にあわせて、蓄圧手段を利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例に係るチャックシリンダ内のピストンが前進時の断面図を示す。
図2】本発明の実施例に係るチャックシリンダ内のピストンが後進時の断面図を示す。
図3】本発明の実施例に係る図1のA−A断面図を示す。
図4】本発明の実施例に係る図3の蓄圧手段形状のバリエーションを示す。
図5】本発明の実施例に係る弾性体の圧縮状態例を示す。
図6】本発明の実施例に係る図1の蓄圧手段のバリエーションを示す。
図7】本発明の実施例に係る図1の蓄圧手段のバリエーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の実施例に係るチャックシリンダ内のピストンが前進時の断面図を示したものである。図3は本発明の実施例に係る図1のA−A断面図を示したものである。図4は本発明の実施例に係る図3の蓄圧手段形状のバリエーションを示したものである。図5は本発明の実施例に係る弾性体の圧縮状態例を示したものである。
【0024】
図1に示すように、旋盤の主軸後端に設けたチャックシリンダには、シリンダ本体1と、圧力媒体である作動油の供給を停止してもシリンダ内部の作動油は密封状態となり、この密封状態を保持させるための圧力保持機構2A、2Bと、密封した作動油が万一漏出して圧力低下をきたしたりすることを緩和する蓄圧手段3と、作動油により内圧がたつことによって軸方向に移動可能なピストン4と、このピストン4により左右二室に分割される流体圧室5A、5Bから構成されている。
【0025】
前記シリンダ本体1には、作動油が流体圧室5A、5Bに供給または、前記流体圧室5A、5Bから排出可能な油路6A、6Bを形成すべく削孔されている。
前記油路6Aの出入口は、前記流体圧室5A側に形成されており、前記油路6Bの出入口は、前記流体圧室5B側に形成されている。
【0026】
前記ピストン4は、円筒形状であって、円筒形状外周部に半径方向外方へ肉厚を有したつば部4aで形成されている。このつば部4aがシリンダ本体1内の内壁にあたることで、最大ストローク量を制限している。
また、前記油路6A、6B経由の作動油がつば部4aに押圧されることによりピストン4が軸方向に移動可能となる。
さらに、つば部4aは流体圧室5A、5Bの左右二室の間切りも兼ねている。
【0027】
前記蓄圧手段3は、弾性体3aと前記弾性体3aの脱落防止用の止め具3bから構成されている。
本実施例では前記弾性体3aは、前記つば部4aの流体圧室5A、5B側に位置する左右の端面に凹部を形成し、前記凹部に各々内嵌されている。
【0028】
止め具3bは金属製のドーナツ形状の円形プレートであって、前記弾性体3aが脱落しないようにつば部4の凹部近傍に係止されている。また、止め具3bの大きさは弾性体3aを全面覆う大きさではなく、作動油が弾性体を押圧可能な領域分を残した大きさで形成されている。
また、止め具3bの金属製のプレートは、樹脂製のプレートなど、作動油に常時浸かっている状態であっても影響のない素材であれば金属製のプレートには限らない。
また、止め具3bのプレートの形状はドーナツ形状に限らず、弾性体が脱落しない形状であれば、小さなプレートを等配にして脱落しないように防止しても構わない。
【0029】
図6は、本発明の実施例に係る図1の蓄圧手段のバリエーションを示したものである。
本実施例では蓄圧手段3はピストン4のつば部4a内に配置しているが、蓄圧手段3の配置場所は、ピストン4のつば部4aの位置に限らず、図6に示すように各々の流体圧室5A、5Bのシリンダ本体1側の壁面に凹部を形成して配置しても構わない。
【0030】
また、本実施例では弾性体3aは、図3に示すようにドーナツ形状の溝に格納されるように形成されているが、弾性体3aの形状としては、例えば、円柱体、円筒体、球体、環状体等が適する。また、図4に示すように複数個の弾性体3aを略等配で配置しても構わない。また、図4では弾性体3aの断面形状は円形で配置しているが、円形に限らず、矩形や略方形、略円形であっても構わず、スペースの兼ね合いや蓄圧容量によって自在に変更可能である。
【0031】
ここでいう弾性体3aは、液体を吸収せず、かつ、周囲の圧力変化によって弾性変形が可能な弾性体を指すもので、特定の方向からの外力のみに応動して弾性変形する弾性体、例えば、スプリングのようなものや、液体を吸収する多孔質のスポンジのようなものは含まない。
また、本実施例では前記弾性体3aに材質としてエラストマーを用いている。エラストマーの一般的な特性として、使用油圧力の範囲で弾性変形すること、経年変化による劣化が少ないこと、作動油等の液体に対して耐久性が優れていること、繰り返し使用しても永久歪が少ないこと等が挙げられ、何れもシリンダ内部の圧力変動を抑制するための弾性体として設置するに適した特徴である。
【0032】
また、流体圧室5A、5Bは作動油が油路6A、6Bを経由して密封される室であって、密封時は通常1〜3.5MPaの圧で封入されている。
【0033】
次に上記実施例装置のピストン4が軸方向に対して後進する動作について説明する。図5は本発明の実施例に係る弾性体の圧縮状態例を示したものである。図1に示すように、ピストン4が軸方向に対して前進している状態で、図示しない切替弁によってシリンダの圧力保持機構2Aから作動油が油路6Aを経由して流体圧室5Aに供給されると、ピストン4は押圧され、軸方向に対して後端側に移動する。ピストン4が移動停止した状態で、流体圧室5Aの内圧がたつと、同時に弾性体3aも圧縮され、図5に示すような弾性変形が行われる。
【0034】
流体圧室5Aの内圧が規定圧に到達すると、作動油の供給がとまる。同時に圧力保持機構2によって流体圧室5Aの内圧は保持された状態となり、この状態で主軸に搭載されたシリンダ本体1は高速回転が可能となる。また、圧の供給源をたつことにより、従来の作動油を流しっぱなしにしてた手法が省けるため、省エネ効果にもなっていると共に作動油のせん断もないため、発熱しにくいシリンダとなっている。
【0035】
この状態で、シリンダ本体1が高速回転し続けると、流体圧室5Aと5Bとの間はシール構造で区切っているため、シールの特性上、微小な量の作動油が隣の流体圧室5Bに漏れていってしまう。
通常、流体圧室5B内の作動油が減ると、流体圧室5B内の圧力は低下するが、圧力が低下するとエラストマーが膨張し、正確には復元することによって、エラストマーが復元しきるまでは圧力を略一定の状態に保持することが可能となる。
【0036】
また、エラストマーの配置場所は、シリンダ本体1の高速回転時は遠心力の影響により、ピストン4の円筒の半径方向より半径方向外方へいくにつれて、圧力勾配の影響をうけるため、できるだけピストン4の円筒側にエラストマーを設置する方が好ましい。
【0037】
本実施例では、ピストン4の円筒の半径方向外方に向けてつば部4aの略半分までを弾性体設置箇所としている。図7は本発明の実施例に係る図1の蓄圧手段のバリエーションを示したものである。図7で示すように、エラストマーの配置はピストン4の円筒側に深く格納しても構わない。
【0038】
次にピストン4が軸方向に対して前進する動作について説明する。図2は本発明の実施例に係るチャックシリンダ内のピストンが後進時の断面図を示したものである。図2に示すように、圧力保持機構2Aを解除した状態で、油路6Bを経由して作動油を流体圧室5B側へ供給していくと、流体圧室5A側に密封されていた作動油は、ピストン4が軸方向に対して前進する押圧によって、油路6Aを経由して排出されていく。ピストン4は流体圧室5Aの側面にあたることで停止となる。
【0039】
その状態で作動油を供給し、規定圧になったところで、作動油の供給をとめ、圧力保持機構2Bによって密封状態にする。この時、前述同様弾性体3aは圧縮された状態となっている。
次に圧力保持機構2Bを解除すると、作動油は排出可能となり、前述のピストン4の軸方向に対して後進する動作(図1)にもどり、この繰り返し動作をすることととなる。
【符号の説明】
【0040】
1 シリンダ本体
2A 圧力保持機構
2B 圧力保持機構
3 蓄圧手段
3a 弾性体
3b 止め具
4 ピストン
4a つば部
5A 流体圧室
5B 流体圧室
6A 油路
6B 油路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7