特許第6180149号(P6180149)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180149
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】端末装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20170807BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-67676(P2013-67676)
(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-191665(P2014-191665A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2016年1月8日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 広樹
(72)【発明者】
【氏名】今野 淳
(72)【発明者】
【氏名】小谷 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】藤野 明夫
【審査官】 杉浦 孝光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−178794(JP,A)
【文献】 特開2003−032764(JP,A)
【文献】 特開2005−258855(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0255004(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−90/00
G06F 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離ネットワークを介して、サーバへの送信を許可されていない、電子機器の利用状態の情報を含む第1情報および前記サーバへの送信を許可された第2情報を前記電子機器から取得する取得部と、
前記電子機器の障害に関する情報を含む前記第2情報を、遠距離ネットワークを介して前記サーバに送信する送信部と、
前記第2情報の前記電子機器の障害に関する複数の対応方法に関する情報を含む第3情報を前記サーバから受信する受信部と、
前記第1情報および前記第3情報を分析して、前記複数の対応方法の優先順位を特定する分析部と、
前記取得部、前記送信部、前記受信部の処理の履歴情報を生成し、生成した前記履歴情報を、前記サーバに送信する履歴送信部と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記端末装置は、情報を記憶する記憶装置としてRAM(Random Access Memory)を有することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
端末装置が、近距離ネットワークを介して、サーバへの送信を許可されていない第1情報および前記サーバへの送信を許可された第2情報を電子機器から取得し、
前記端末装置が、前記第2情報を、遠距離ネットワークを介して前記サーバに送信し、
前記サーバが、前記第2情報に対応する第3情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、前記サーバから前記第3情報を受信し、
前記端末装置が、前記第1情報、前記第2情報、第3情報に対する処理の履歴情報を生成し、生成した履歴情報を前記サーバに送信し、
前記サーバが、前記履歴情報をハッシュ化して他のサーバに送信する
各処理を実行することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客電子機器に対して保守作業を実施する場合には、保守作業員が保守ノウハウの格納された保守端末を携帯して顧客先において当該ネットワークに接続して顧客電子機器のRAS情報を取得し、保守作業を実施する。近年では、保守センターが顧客電子機器のRAS情報等各種情報をネットワーク経由で受信し、受信した情報と保守センター内の保守ノウハウをもとに、保守作業を実施する場合もある。
【0003】
この方法によれば顧客電子機器の詳細情報と保守センター内の膨大な保守ノウハウを突き合わせることができ、的確な保守作業が実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−321955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術を適用しようとすると顧客側からセキュリティの問題で接続を許可されないケースが多い。本発明は顧客のセキュリティを確保しつつ、ネットワーク経由で保守端末と保守センターを接続することにより適切な保守作業を実現しようとするものである。
【0006】
1つの側面では、上記に鑑みてなされたものであって、顧客のセキュリティを確保しつつ、ネットワーク経由で保守端末と保守センターを接続することにより適切な保守作業を実現できる端末装置および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、端末装置は、取得部と、送信部と、受信部と、履歴送信部とを有する。取得部は、近距離ネットワークを介して、サーバへの送信を許可されていない第1情報およびサーバへの送信を許可された第2情報を電子機器から取得する。送信部は、第2情報を、遠距離ネットワークを介してサーバに送信する。受信部は、第2情報に対応する第3情報を前記サーバから受信する。履歴送信部は、取得部、送信部、受信部の処理の履歴情報を生成し、生成した履歴情報を、サーバに送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の1実施態様によれば、顧客のセキュリティを確保しつつ、ネットワーク経由で保守端末と保守センターを接続することにより適切な保守作業を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施例に係るシステムの構成を示す図である。
図2図2は、本実施例に係る保守端末の構成を示す図である。
図3図3は、保守ナレッジ情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4図4は、交換順位情報の一例を示す図(1)である。
図5図5は、交換順位情報の一例を示す図(2)である。
図6図6は、交換順位情報を表示する表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、作業完了情報を表示する表示画面の一例を示す図である。
図8図8は、本実施例に係る保守サーバの構成を示す図である。
図9図9は、被疑部品判定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図10図10は、保守端末の処理手順を示すフローチャート(1)である。
図11図11は、保守端末の処理手順を示すフローチャート(2)である。
図12図12は、保守サーバの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する端末装置および制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0011】
例えば、保守作業を行う場合には、RAS情報を電子機器からネットワークを介して入手し、保守端末に内蔵されている診断機能によって障害情報を判断する。しかしながら保守作業員にとってRAS情報のみでは的確な判断が下せない。また、保守端末に内蔵される診断機能は限定されているため、保守センター内に蓄積された保守ノウハウを参照したい場合がある。この二つを実現するためには顧客電子機器内の運用情報を前記ネットワークによって入手し、また、保守センターとネットワークによって接続して保守センター内の保守ナレッジを入手する必要がある。この場合、顧客からみると保守端末を経由して顧客電子機器と保守センターがネットワークで接続されているようにみえる。ここにセキュリティ上の顧客の疑義が発生する。その疑義の内容は保守端末を経由して顧客の運用情報が保守センターに流れる。もう一点は保守センター内から何らかの操作が顧客電子機器に行われる可能性がある。しかし、上記にみたように保守作業において必要なのは、顧客電子機器から保守端末が情報を入手、かつ、保守センターから保守端末が情報を入手するの二点のみである。よって、顧客に対して保守端末経由で顧客電子機器と保守センターが接続されているようにみえてもその内実が保守端末から顧客電子機器にも保守センターにも情報送出が行われないことが保証されれば上記接続が許諾される可能性がある。
【0012】
さらには保守センターとしては保守ナレッジ蓄積のために顧客電子機器のRAS情報は蓄積したい。また、保守作業の履歴も蓄積したい。また、当然保守センターの保守ナレッジに対する問い合わせの電文は保守端末から保守センターに送出される。上記3種の限定された情報については例外として保守端末から保守センターへの情報の送出が許諾される必要がある。そのためには、保守端末から保守センターに送出される情報が上記3種の情報に限定されることを保証する必要がある。
【0013】
上記の点に鑑みて、本実施例に示すシステムでは、顧客のセキュリティを確保しつつ、ネットワーク経由で保守端末と保守センターを接続することにより適切な保守作業を実現可能とする。
【0014】
本実施例に係るシステムの構成について説明する。図1は、本実施例に係るシステムの運用概要を示す図である。図1に示すように、このシステムは、顧客システム10と、保守端末100と、保守センター300とを有する。顧客システム10は、社内LAN(Local Area Network)、無線等のネットワークを介して、保守端末100に接続される。また、保守端末100および保守センター300は、社外のネットワーク50を介して相互に接続される。保守センター300は、保守サーバ200を有する。また、保守センター300は、EMA(環境管理)局400にネットワークを介して接続される。
【0015】
顧客システム10は、電子機器20を有する。電子機器20は、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ、プリンタ、ネットワーク機器、外部ストレージ、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、ステレオコンポ、医療機器または工作機器等に対応する。
【0016】
電子機器20は、エージェントプログラムを有している。例えば、電子機器20は、保守端末100に接続されると、エージェントプログラムを実行してエージェント(agent)を起動する。エージェントは、運用情報とRAS情報を取得し、保守端末100に送信する。
【0017】
運用情報は、社外のネットワーク50を介して保守センター300への送信が許可されていない情報である。運用情報の内容は、顧客の業務にかかる情報や履歴、また医療機器等にあっては、医療にかかる情報、体温、血圧、服薬、医療行為等である。
【0018】
RAS(Reliability Availability Serviceability)情報とは、ハードウェア、ソフトウェアの障害の予兆検知のために、また、障害発生時の対応を迅速かつ的確に行うために当該ハードウェアやソフトウェアの動作の履歴を取得蓄積した情報等である。例えば、ハードウェアの軽微なエラー発生時のエラーコード、ハードウェアが自動修復した軽微な障害の履歴等である。この情報は顧客の業務情報を含まないので、RAS情報は、社外のネットワーク50を介して保守センター300への送信が許可されている情報である。その他にも、RAS情報には、エラーの発生した電子機器を特定する情報、エラーの発生した日時などを含んでいても良い。このRAS情報は顧客業務に依存しないので保守センター内に汎用的に保守ナレッジとして蓄積可能である。
【0019】
保守端末100は、顧客システム10から取得する運用情報およびRAS情報と、保守センター300から得られる最新の保守ナレッジ情報を基にして、顧客の業務状況に応じた適切な保守を行う装置である。
【0020】
例えば、保守ナレッジ情報には、RAS情報に対応する複数種類の障害被疑部品の情報が含まれる。障害対応にあたる保守員が携帯する保守端末100は、当該電子機器から取得した運用情報(この運用情報は保守端末内にとどまり保守センターには送られない)と、当該電子機器から取得した当該電子機器のRAS情報と、当該電子機器のRAS情報を保守センターが受信することにより保守センター側が必要と判定し、保守端末に送信した保守センター内の保守ナレッジ情報との3つの情報によって適切な障害被疑部品を特定する。なお、保守端末100は、保守作業が完了した時点で保守端末100内に記録されている障害対処履歴情報を保守センターに送信する。保守センターは障害対処履歴情報を保守ナレッジに蓄積する。また、作業完了情報も併せて保守センターに送信する。そののち、保守端末100は端末内のデータの初期化を行い、顧客システム10から取得した運用情報とRAS情報と保守ナレッジおよび障害対処履歴等の記憶部の情報を消去する。なお、これは例示であって定期保守時等においても同様の保守作業を行う。
【0021】
保守センター300は、保守端末100から送信されるRAS情報と障害対処履歴等を保守センター内の保守ナレッジに蓄積し、保守作業実施ごとに最新化を図る。また、当然のことながら、適宜送られてくる技術情報に基づくナレッジの最新化も行う。また、保守センター300は、保守端末100から送られてくる保守端末100と電子機器20との間のすべての通信内容を含む通信履歴と、保守端末100と保守サーバ200との間のすべての通信内容を含む通信履歴を保存するとともに、それぞれの通信履歴のハッシュ値を計算して保守サーバ200内に保存して、または保存せずに、それぞれのハッシュ値をEMA局400に送信する。このハッシュ値には通信履歴に関する属性情報、例えば通信機器対の名称、通信機器ID、通信時刻等が付随してもよい。EMA局400は、保守センター300から送付されてきたハッシュ値をその属性情報とともに保存する。また、このハッシュ値とそれに付随する属性情報は電子署名を付してもよい。なお、このハッシュ値の算出にあたっては、適宜ポリシーを定め、そのポリシーにしたがって実行する。
【0022】
EMA局400は、特許第4818664号公報に開示される環境管理局に類するものである。EMA局400は、図2で示される保守端末を構成するTPMチップに類するものを局内に含む。EMA局400は、例えば、電子機器20等の顧客の機器に組み込まれているソフトウェアやハードウェアの正規品情報を管理し、必要に応じ保守端末や保守センター等の監査を行う機能を有する。なお、保守端末や保守センター等の認証にかかる行為は従来技術であるPKIシステムに従う。その際に、署名鍵管理等については、IETF RFC5792/5793に開示されているTCG技術を応用してもよい。
【0023】
ところで、図1に示した保守端末100および保守センター300の保守サーバ200、EMA局400は、例えば、TCG(Trusted Computing Group)技術を利用して、セキュアにデータ通信を実行することを前提とする。
【0024】
本実施例で利用するTCG技術の一例について説明する。インターネットに接続される端末、デバイスは常にセキュリティの脅威に曝され、ウィルス、スパイウェア、その他悪質なスクリプト、不正アクセス等により、プラットフォームを構成するソフトウェア構造に予期せぬ改変が加えられる場合がある。このようなリスクに対して、TCGでは、プラットフォームの信頼性を保障することにより、安全なコンピューティング環境を実現する。ここで、プラットフォームとは、ハードウェア、OS、アプリケーション等を示す。
【0025】
例えば、ソフトウェアの改竄という脅威に対して、従来のソフトウェアのみに依存するセキュリティ対策には限界がある。このため、TCGでは、TPM(Trusted Platform Module)チップをプラットフォームに埋め込み、かかるTPMチップを信頼のルートとして、改竄が極めて困難な、信頼できるコンピューティング環境を構築している。また、TPMチップを利用することで、ハードウェアベースのデータ・証明書の保護、安全な暗号処理環境を実現できる。
【0026】
次に、TPMチップについて説明する。TPMチップは、電子機器にバインドされるバードウェアのチップであり、耐タンパー性を持つ。TPMチップは電子機器から取り外しができないように、電子機器の主要な構成パーツに物理的にバインドされる。例えば、電子機器の構成パーツは、マザーボード等に対応する。TPMチップは、実装される機能、メモリ領域、プロセッサ・パワーを極力抑えて設計されているため、低コストで製造でき、様々な電子機器やプラットフォームに適用できる。
【0027】
例えば、TPMの機能には、RSA(Rivest Shamir Adleman)秘密鍵の生成・保管する機能、RSA秘密鍵による署名、暗号化、復号する機能が含まれる。RSAでは、秘密鍵と公開鍵とのペアを作成する。また、TPMの機能には、SHA−1(Secure Hash Algorithm 1)のハッシュ演算する機能、電子機器の環境情報を保持する機能が含まれる。TPMは、バインドされた電子機器が起動した時点で、BIOS、OSloader、OSカーネルへのブートプロセスにおけるソフトウェアコードを計測し、計測したソフトウェアコードをハッシュ化して、TPM内部のレジスタに登録する。また、TPMは、バインドされた電子機器のハードウェアの情報を収集し、ハードウェアの情報をハッシュ化して、TPM内部のレジスタに登録する。
【0028】
TCG技術では、上位のアプリケーションやライブラリからハードウェア・デバイスであるTPMチップを利用するためソフトウェア・スタックとソフトウェアインターフェースを規定する。このソフトウェア・スタックはTSS(TCG Software Stack)と呼ばれ、リソースが制限されるTPMチップの機能を保管するソフトウェアモジュールから構成されている。電子機器のアプリケーションは、TSSの提供するインタフェースを利用して、上述したTPMチップの機能にアクセスすることができる。TPMチップは、顧客システム側のTPMチップでハッシュ値を採取する際のルールをハッシュ化及び署名付与して管理することで、ハッシュ値採取の正当性を担保するものである。しかも、TPMチップは、必要に応じて、現時点でのルール及び署名をチェックすることで、ルールの非改竄性を証明する。その結果、TPMチップは、TPMチップ側で非改竄性が証明されたルールを参照しながら運用することでハッシュ値を採取する際のルールに改竄がないことを保証する。
【0029】
次に、図1に示した保守端末100の構成について説明する。図2は、本実施例に係る保守端末の構成を示す図である。図2に示すように、この保守端末100は、通信部110、入力部120、表示部130、インタフェース部140、TPMチップ150、記憶部160、制御部170を有する。各部110〜170は、バス180によって相互に接続される。
【0030】
通信部110は、社外のネットワーク50を介して他の装置とデータ通信を行う処理部である。例えば、通信部110は、ネットワーク50を介して、保守サーバ200とデータをやり取りする。また、通信部110は、社内のネットワークを介して、顧客システム10とデータ通信を行う。後述する制御部170は、通信部110を介して、電子機器20a、保守サーバ200とデータをやり取りする。
【0031】
入力部120は、各種の情報を保守端末100に入力する入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウス、タッチパネルなどに対応する。表示部130は、制御部170から出力される各種の情報を表示する表示装置である。例えば、表示部130は、液晶ディスプレイやタッチパネル等に対応する。インタフェース部140は、各種の外部装置と接続するインタフェースである。
【0032】
TPMチップ150は、上述したTCG技術に準拠するTPMチップである。例えば、TPMチップ150は、後述する制御部170が保守サーバ200に送信する情報に、TPMチップ150に格納された秘密鍵によって電子署名を付与する。
【0033】
記憶部160は、運用情報161、RAS情報162、保守ナレッジ情報163、交換順位情報164、障害対処履歴情報165を記憶する記憶装置である。例えば、記憶部160は、RAM(Random Access Memory)に対応する。すなわち、電源供給が停止されると、記憶部160に記憶された情報は消去される。
【0034】
記憶部160は、情報エリア160a、保守エリア160b、分析エリア160cを有する。情報エリア160aには、保守サーバ200に送信することが許可されていない情報が格納される。例えば、情報エリア160aには、運用情報161が格納される。保守エリア160bには、保守サーバ200に送信することが許可されている情報が格納される。例えば、保守エリア160bには、RAS情報162が格納される。また、保守エリア160bには、交換順位情報164および障害対処履歴情報165が格納される。
【0035】
分析エリア160cは、後述する分析部175が作業を行う作業領域である。例えば、分析エリア160cには、保守ナレッジ情報163が格納される。また、情報エリア160aの運用情報161は読み出されて分析エリア160cに格納される。保守エリア160bのRAS情報162は読み出されて分析エリア160cに格納される。
【0036】
運用情報161は、顧客システム10の電子機器20から取得する情報である。上記のように、運用情報161は、業務ログ、機器構成、ソフト構成、IPアドレス等の構成情報等を含む。また、業務ログは、例えば、顧客システム10の各電子機器20の稼働実績の履歴を含む情報である。この業務ログは、社外のネットワーク50を介して保守センター300への送信が許可されていない情報である。
【0037】
RAS情報162は、顧客システム10の電子機器20から取得する情報である。RAS情報162は、上記のように、ハードウェア、ソフトウェアの障害の予兆検知のために、また、障害発生時の対応を迅速かつ的確に行うために当該ハードウェアやソフトウェアの動作の履歴を取得蓄積した情報である。
【0038】
保守ナレッジ情報163は、RAS情報に対応する複数の障害被疑部品の情報が含まれる。図3は、保守ナレッジ情報のデータ構造の一例を示す図である。図3に示す例では、この保守ナレッジ情報163は、被疑部品と、被疑確率と、交換時間とを対応付ける。被疑部品は、障害を引き起こした可能性のある部品を一意に特定する情報である。被疑確率は、障害を引き起こした部品であることを示す確からしさを示す値であり、数値が高い部品ほど、より障害を引き起こした可能性が高いことを示す。交換時間は、該当する部品を交換するのに要する時間を示す。
【0039】
図3において、例えば、被疑部品「部品A」は、被疑部品である可能性が「50%」であり、部品Aを交換するのに要する時間が「60分」となる。
【0040】
交換順位情報163は、被疑部品の交換順位を示す情報である。交換順位情報の具体的な説明は後述する。
【0041】
障害対処履歴情報165は、保守端末100が実行した処理の履歴の情報を含む。例えば、障害対処履歴情報165には、送受信したデータの方向やデータの実体、情報の種別、情報の出所、情報の行き先、情報を処理したタイミング、作業者の情報が含まれる。すなわち、後述する制御部170が実行する処理の履歴が全て、障害対処履歴情報165に含まれることとなる。制御部170に関する詳しい説明は後述する。
【0042】
次に、制御部170について説明する。制御部170は、取得部171、格納処理部172、送信部173、受信部174、分析部175、履歴生成部176、判定部177、初期化部178を有する。制御部170は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部170は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
【0043】
取得部171は、電子機器20aのエージェントとデータ通信を実行して、エージェントから運用情報およびRAS情報を取得する処理部である。取得部171は、運用情報およびRAS情報を、格納処理部172に出力する。
【0044】
格納処理部172は、運用情報を記憶部160の情報エリア160aに格納し、RAS情報を記憶部160の保守エリア160bに格納する。情報エリア160aに格納された運用情報を、運用情報161と表記する。保守エリア160bに格納されたRAS情報をRAS情報162と表記する。
【0045】
送信部173は、保守エリア160bに格納されたRAS情報162を、保守サーバ200に送信する処理部である。送信部173は、TPMチップ150に電子署名付与の依頼を行うことで、RAS情報162に電子署名を付与し、RAS情報162を保守サーバ200に送信する。送信部173は、保守サーバ200のTPMチップの秘密鍵と対になる公開鍵を用いて、RAS情報162を暗号化し、保守サーバ200にRAS情報を送信しても良い。
【0046】
受信部174は、保守サーバ200から、RAS情報162に対応する保守ナレッジ情報163を受信する処理部である。受信部174は、受信した保守ナレッジ情報を、記憶部160の分析エリア160cに格納する。分析エリア160cに格納された保守ナレッジ情報を、保守ナレッジ情報163と表記する。
【0047】
保守サーバ200から送信される保守ナレッジ情報には、保守サーバ200のTPMチップによって生成された電子署名が付与されている。受信部174は、保守サーバ200のTPMチップの秘密鍵と対になる公開鍵と、保守ナレッジ情報163と、保守ナレッジ情報163に付与された電子署名を基にして、保守ナレッジ情報163が適切であるか否かを判定する。受信部174は、保守ナレッジ情報163が適切である場合に、保守ナレッジ情報163を、分析エリア160cに格納する。
【0048】
また、受信部174は、保守ナレッジ情報163が暗号化されている場合には、TPMチップ150に保守ナレッジ情報163の復号を要求し、復号された保守ナレッジ情報163を、分析エリア160cに格納する。
【0049】
分析部175は、情報エリア160aの運用情報161を分析エリア160cに移動する。分析部175は、保守エリア160bのRAS情報162を分析エリア160cに移動する。そして、分析部175は、運用情報161、RAS情報162、保守ナレッジ情報163を基にして、障害被疑部品の最適な交換順位を判定する。
【0050】
ここで、分析部175が、被疑部品の最適な交換順序を判定する処理の一例について説明する。まず、分析部175は、運用情報161を基にして、各時刻の各電子機器20の平均稼働率を求める。分析部175は、求めた各時刻の各電子機器20の平均稼働率を参照し、平均稼働率が閾値以上となる時刻を特定する。以下の説明において、現在時刻よりも後の時刻であり、現時時刻に最も近い平均稼働率が閾値以上となる時刻を目標時刻と表記する。
【0051】
続いて、分析部175は、現在時刻と目標時刻との差を算出する。以下の説明では、現在時刻と目標時刻との差を、差分時間と表記する。分析部175は、保守ナレッジ情報163に含まれる各被疑部品の交換時間をそれぞれ合計した合計時間と、差分時間との関係から、最適な交換順序を判定する。なお、分析部175は、RAS情報162を基にして、被疑部品のうち、障害の発生していない被疑部品を取り除いた上で、下記の処理を実行する。例えば、被疑部品のうち、エラーコードが発生していない被疑部品は、障害が発生した部品ではないため、分析部175は、被疑部品から取り除く。
【0052】
合計時間が差分時間よりも大きい場合について説明する。この場合、分析部175は、交換時間の少ない被疑部品を優先させて、交換順位を判定し、交換順位情報を生成する。例えば、保守ナレッジ情報163を図3に示すものとすると、分析部175は、図4に示す交換順位情報164を生成する。図4は、交換順位情報の一例を示す図(1)である。図4に示すように、交換順位情報164は、交換時間が最も少ない被疑部品「部品B」が交換順位「1位」となり、次いで、被疑部品「部品C」が「2位」、被疑部品「部品A」が「3位」となる。
【0053】
合計時間が差分時間以上の場合について説明する。この場合、分析部175は、被疑確率の高い被疑部品を優先させて、交換順位を判定し、交換順位情報を生成する。例えば、保守ナレッジ情報163を、図3に示すものとすると、分析部175は、図5に示す交換順位情報を生成する。図5は、交換順位情報の一例を示す図(2)である。図5に示すように、交換順位情報164は、日日確率が最も高い被疑部品「部品A」が交換順位「1位」となり、ついで、被疑部品「部品B」が「2位」、被疑部品「部品C」が「3位」となる。
【0054】
分析部175は、生成した交換順位情報164を表示部130に表示させる。図6は、交換順位情報を表示する表示画面の一例を示す図である。分析部175は、目標時刻の情報も合わせて表示部130に表示させても良い。例えば、図6の補足情報が、目標時刻に対応する。また、分析部175は、交換順位情報を、保守エリア160bに格納する。
【0055】
履歴生成部176は、取得部171、格納処理部172、送信部173、受信部174、分析部175の処理を監視し、各部171〜175が実行した処理の履歴を、障害対処履歴情報165として生成する処理部である。例えば、履歴生成部176は、受信部171が受信した、運用情報161、RAS情報162の実体、各情報を受信した時刻、各情報の出所、各情報に対して処理を行った時刻の情報を、障害対処履歴情報165に残す。また、履歴生成部176は、送信部173が送信したRAS情報162の実体、RAS情報162を送信した時刻、RAS情報162の出所、RAS情報162に対して処理を行った時刻の情報を、障害対処履歴情報165に残す。また、履歴生成部176は、受信部175が受信した保守ナレッジ情報163の実体、保守ナレッジ情報163を送信した時刻、保守ナレッジ情報163の出所、保守ナレッジ情報163に対して処理を行った時刻の情報を、障害対処履歴情報165に残す。履歴生成部176は、障害対処履歴情報165を、保守エリア160bに格納する。なお、保守作業員の情報は、入力部120を介して取得するものとする。
【0056】
判定部177は、保守作業が完了したか否かを判定する処理部である。例えば、判定部177は、入力部120を介して、保守作業員から、交換作業が完了した旨の情報を取得した場合に、電子機器20aとデータ通信を行って、顧客システム10が正常に動作しているか否かの情報を取得する。
【0057】
判定部177は、顧客システム10が正常に動作している場合には、保守情報を生成し、生成した保守情報を、保守サーバ300に送信する。保守情報には、交換順位情報164、障害対処履歴情報165が含まれる。また、保守情報は、TPMチップ150によって電子署名が付与される。判定部177は、保守情報を保守サーバ200に送信した後に、初期化依頼を、初期化部178に出力する。
【0058】
初期化部178は、判定部177から初期化依頼を受け付けた場合に、記憶部160の情報エリア160a、保守エリア160b、分析エリア160cに格納された情報を全て消去する。初期化部178は、初期化が完了した旨を示す初期化完了情報を、保守サーバ200に送信する。初期化完了情報は、TPMチップ150によって電子署名が付与される。
【0059】
初期化部178は、初期化完了情報を送信した後、保守サーバ200から、作業完了報告情報を受信した場合には、受信した作業完了報告情報を、表示部130に表示させる。図7は、作業完了情報を表示する表示画面の一例を示す図である。
【0060】
次に、図1に示した保守センター300に含まれる保守サーバ200の構成について説明する。図8は、本実施例に係る保守サーバの構成を示す図である。図8に示すように、この保守サーバ200は、通信部210、入力部220、表示部230、インタフェース部240、TPMチップ250、記憶部260、制御部270を有する。各部210〜270は、バス280によって相互に接続される。
【0061】
通信部210は、社外のネットワーク50を介して他の装置とデータ通信を行う処理部である。例えば、通信部210は、ネットワーク50を介して、保守端末100とデータをやり取りする。後述する制御部270は、通信部210を介して、保守端末100とデータをやり取りする。
【0062】
入力部220は、各種の情報を保守サーバ200に入力する入力装置である。例えば、入力部220は、キーボードやマウス、タッチパネルなどに対応する。表示部230は、制御部270から出力される各種の情報を表示する表示装置である。例えば、表示部230は、液晶ディスプレイやタッチパネル等に対応する。インタフェース部240は、各種の外部装置と接続するインタフェースである。
【0063】
TPMチップ250は、上述したTCG技術に準拠するTPMチップである。例えば、TPMチップ250は、後述する制御部270が保守端末100に送信する情報に、TPMチップ250に格納された秘密鍵によって電子署名を付与する。また、TPMチップ250は、制御部170によって情報の復号を要求された場合には、TPMチップ250の秘密鍵を用いて、情報を復号する。
【0064】
記憶部260は、保守ナレッジ260aを記憶する記憶装置である。保守ナレッジ260aは、被疑部品判定テーブル261と、保守情報テーブル262と、初期化完了情報テーブル263を有する。例えば、記憶部260は、ハードディスク装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子などの記憶装置に対応する。
【0065】
被疑部品判定テーブル261は、各種のRAS情報と障害の原因となる被疑部品の情報とを対応付けたテーブルである。図9は、被疑部品判定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図9に示すように、この被疑部品判定テーブル261は、RAS情報、被疑部品、被疑確率、交換時間を対応付ける。このうちRAS情報は、障害等を一意に特定する情報である。被疑部品、被疑確率、交換時間に関する説明は、図3に示した被疑部品、被疑確率、交換時間に関する説明と同様である。
【0066】
例えば、図9に示す例では、RAS情報が「RAS情報X1」である場合には、係る障害を引き起こした可能性のある被疑部品は「部品A、部品B、部品C」であることが示されている。また、被疑部品「部品A、部品B、部品C」の被疑確率はそれぞれ「50%、30%、20%」であり、交換時間はそれぞれ「60分、5分、10分」である。
【0067】
保守情報テーブル262は、保守端末100から受信する保守情報を格納するテーブルである。保守情報には、上記のように、交換順位情報164、障害対処履歴情報165が含まれる。初期化完了情報テーブル263は、保守端末100から受信する初期化完了情報を格納するテーブルである。
【0068】
制御部270は、管理部271を有する。制御部270は、例えば、ASICや、FPGAなどの集積装置に対応する。また、制御部270は、例えば、CPU等の電子回路に対応する。
【0069】
管理部271は、保守端末100からRAS情報、保守情報、初期化完了情報を受信し、各種の処理を実行する処理部である。以下では、管理部271が、RAS情報、保守情報、初期化完了情報を受信した場合の処理について順に説明する。なお、情報が暗号化されている場合には、管理部271は、TPMチップ250に復号を依頼するものとする。また、管理部271は、情報に電子署名が付与されている場合には、保守端末100のTPMチップと対になる公開鍵を用いて、電子署名が適切であるか否かを判定し、適切である場合に、下記の処理を実行するものとする。
【0070】
管理部271が、保守端末100からRAS情報を受信した場合の処理について説明する。管理部271は、RAS情報と、被疑部品判定テーブル261とを比較して、RAS情報に対応する被疑部品、被疑確率、交換時間を含む保守ナレッジ情報を生成する。管理部271は、保守ナレッジ情報を、保守端末100に送信する。
【0071】
管理部271は、TPMチップ250に電子署名付与の依頼を行うことで、保守ナレッジ情報に電子署名を付与し、保守ナレッジ情報を保守端末100に送信する。また、管理部271は、保守端末100のTPMチップの秘密鍵と対になる公開鍵を用いて、保守ナレッジ情報を暗号化し、保守端末100に送信しても良い。
【0072】
管理部271が、保守端末100から保守情報を受信した場合の処理について説明する。管理部271は、保守情報を、保守情報テーブル262に格納する。管理部271は、保守情報の内容に応じて、被疑部品判定テーブル261を更新しても良い。
【0073】
管理部271が、初期化完了情報を受信した場合の処理について説明する。管理部271は、初期化完了情報を受信した場合には、初期化完了情報を、初期化完了情報テーブル263に格納する。管理271は、完了報告書情報を生成し、完了報告書情報を、保守端末100に送信する。
【0074】
管理部271は、TPMチップ250に電子署名付与の依頼を行うことで、完了報告書情報に電子署名を付与し、完了報告書情報を保守端末100に送信する。また、管理部271は、保守端末100のTPMチップ150の秘密鍵と対になる公開鍵を用いて、完了報告書情報を暗号化し、保守端末100に送信しても良い。
【0075】
更に、管理部271は、保守情報に含まれる障害対処履歴情報を、ハッシュ化して、EMA局400に送信する。管理部271は、例えば、TPMチップ250にハッシュ化を依頼する。ハッシュ化した障害対処履歴情報に、TPM250の電子署名を付与しても良い。EMA局400に送信された、ハッシュ化された障害対処履歴情報は、EMA局400に保管される。
【0076】
次に、本実施例に係る保守端末100および保守サーバ200の処理手順について説明する。図10および図11は、保守端末の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、保守端末100は、保守端末100と顧客システム10の電子機器20とが接続された場合に(ステップS101)、電子機器20のエージェントプログラムを起動させる(ステップS102)。
【0077】
保守端末100は、エージェントを経由して運用情報およびRAS情報を取得する(ステップS103)。保守端末100は、運用情報を、情報エリア160aに格納し、RAS情報を保守エリア160bに格納する(ステップS104)。保守端末100は、TPMチップ150による電子署名を付与したRAS情報を保守サーバ200に送信する(ステップS105)。
【0078】
保守端末100は、保守ナレッジ情報を受信し、分析エリア160cに保存する(ステップS106)。保守端末100は、情報エリア160aの運用情報161および保守エリア160bのRAS情報162を、分析エリア160cに移動させる(ステップS107)。保守端末100は、交換順位情報を生成し(ステップS108)、図11のステップS109に移行する。
【0079】
図11の説明に移行する。保守端末100は、交換順位情報を表示する(ステップS109)。保守端末100は、交換作業完了を受付(ステップS110)、顧客システム10が正常に動作するか否かを判定する(ステップS111)。保守端末100は、顧客システム10が正常に動作しない場合には(ステップS111,No)、エラーを出力し(ステップS112)、ステップS110に移行する。
【0080】
保守端末100は、顧客システム10が正常に動作した場合には(ステップS111,Yes)、TPMチップ150による電子署名を付与した保守情報を保守サーバ200に送信する(ステップS113)。例えば、保守情報には、交換順位情報164、障害対処履歴情報165が含まれる。保守端末100は、初期化を行い(ステップS114)、TPMチップ150による電子署名を付与した初期化完了情報を保守サーバ200に送信する(ステップS115)。保守端末100は、保守サーバ200から、完了報告書情報を受信し、表示する(ステップS116)。
【0081】
図12は、保守センターの処理手順を示すフローチャートである。図12に示すように、保守端末100からRAS情報を受信し(ステップS201)、RAS情報に対応する保守ナレッジ情報を保守端末100に送信する(ステップS202)。
【0082】
保守サーバ200は、保守端末100から保守情報を受信し、保守情報を保存する(ステップS203)。保守サーバ200は、保守端末100から初期化完了情報を受信し、初期化完了情報を保存する(ステップS204)。保守サーバ200は、完了報告書情報を保守端末100に送信する(ステップS205)。
【0083】
次に、本実施例に係る保守端末100の効果について説明する。保守端末100は、近距離ネットワークを介して、保守センター300への送信を許可されていない運用情報および保守センター300への送信を許可されたRAS情報を電子機器20から取得する。保守端末100は、RAS情報を、ネットワーク50を介して保守センター300に送信する。保守端末100は、RAS情報に対応する保守ナレッジ情報を保守センター300から受信する。そして、保守端末100は、制御部170の処理履歴を障害対処履歴情報165として残し、障害対処履歴情報を、保守センター300に送信する。保守センター側では、保守端末100から送られてくる保守端末100と電子機器20との間のすべての通信内容を含む通信履歴と、保守端末100と保守サーバー200との間のすべての通信内容を含む通信履歴を保存するとともに、それぞれの通信履歴のハッシュ値を計算して保守サーバー内に保存して、または保存せずに、それぞれのハッシュ値をEMA局400に送信する。このハッシュ値には通信履歴に関する属性情報、例えば通信機器対の名称、通信機器ID、通信時刻等が付随してもよい。EMA局400は、保守センター300から送付されてきたハッシュ値をその属性情報とともに保存する。また、このハッシュ値とそれに付随する属性情報は電子署名を付してもよい。保守センターは通信履歴を改ざんした場合、そのハッシュ値がEMA局に保存されているハッシュ値と異なるものになるため、改ざんが検知されてしまう。したがって、保守センター側が少なくとも故意に通信履歴を改ざんすることはない。これによって、顧客がセキュリティ上の疑義を抱くことなく、保守端末100が取得した顧客電子機器のRAS情報等各種情報と、保守センター内の膨大な保守ノウハウをもとに、的確な保守作業を実施することができる。
【0084】
また、保守端末100は社内のネットワークを介して、電子機器20から運用情報およびRAS情報を取得し、情報エリア160aに運用情報を格納し、保守エリア160bにRAS情報を格納する。保守端末100は、保守エリア160bのRAS情報を、保守サーバ200に送信し、保守サーバ200からRAS情報に対応する保守ナレッジ情報を受信する。このため、保守端末100は、保守サーバ200から得られた保守ナレッジ情報を利用して、適切な保守作業を実行するための情報を保守作業員に通知することができる。
【0085】
また、保守端末100は、運用情報および保守ナレッジ情報を基にして、交換順位情報を生成し、表示部130に表示させるので、顧客の業務状況によって、顧客装置に対して作業を行える時間が限られている場合であっても、最適な被疑部品の交換順位を提案することができる。例えば、顧客システム10の利用ピーク時が迫っている場合などでも、保守作業員のスキルによらず、一定品質以上の保守サービスを提供することができる。
【0086】
また、保守端末100は、記憶部160としてRAMを用いる。このため、保守端末100の電源を落とすことで、記憶部160に記憶された顧客の情報を消去することができ、情報漏洩を防止することができる。
【符号の説明】
【0087】
10 顧客システム
50 ネットワーク
100 保守端末
200 保守サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12