(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
官能基含有アクリル系樹脂(A)と架橋剤(B)の架橋物、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)、およびエチレン性不飽和基を二つ以上含有するエチレン性不飽和化合物(D)を含む粘着剤層を含有する粘着シートであり、
官能基含有アクリル系樹脂(A)は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)を含有する単量体成分を重合してなり、単量体成分中における(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)の含有量が50〜99.99重量%であり、
エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の含有量が、粘着剤層全体に対して5〜30重量%であり、
エチレン性不飽和基を二つ以上含有するエチレン性不飽和化合物(D)の含有量が、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)100重量部に対して0.01〜30重量部であり、
エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)が、脂肪族基の炭素数が10〜18の長鎖脂肪族(メタ)アクリレート(C1−1)、脂環族(メタ)アクリレート(C1−2)、芳香族(メタ)アクリレート(C1−3)、またはこれら(メタ)アクリレートのオキシアルキレン構造変性化合物(C1−4)であることを特徴とする粘着シート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
【0013】
本発明の粘着シートは、官能基含有アクリル系樹脂(A)と架橋剤(B)の架橋物、およびエチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)を含む粘着剤層を含有する粘着シートである。
上記(A)〜(C)成分について順次説明する。
【0014】
[アクリル系樹脂(A)]
本発明で用いられる官能基含有アクリル系樹脂(A)は、単量体成分として、官能基含有モノマー(a1)を必須成分として含有し、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)、必要に応じて更にその他の共重合性モノマー(a3)を共重合成分として含有し、これらを重合してなるものである。
【0015】
上記官能基含有モノマー(a1)としては、後述の架橋剤(B)と反応することにより架橋点となりうる官能基を含有するモノマーであればよく、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー等が挙げられ、これらの中でも、効率的に架橋反応ができる点で水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーが好ましく用いられる。
【0016】
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、その他、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の1級水酸基含有モノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2−ジメチル2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマーを挙げることができる。
【0017】
上記水酸基含有モノマーの中でも、架橋剤との反応性に優れる点で2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートを使用することが特に好ましい。
【0018】
なお、本発明で使用する水酸基含有モノマーとしては、不純物であるジ(メタ)アクリレートの含有割合が、0.5%以下のものを用いることも好ましく、更に0.2%以下、殊には0.1%以下のものを使用することが好ましく、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
【0019】
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸が好ましく用いられる。
【0020】
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等が挙げられる。
【0022】
上記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートやそれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0023】
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等が挙げられる。
これら官能基含有モノマー(a1)は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
【0024】
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの場合には、アルキル基の炭素数が、通常1〜20、特には1〜12、更には1〜8、殊には4〜8であることが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
【0025】
かかる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)の中でも、共重合性、粘着物性、取り扱いやすさ及び原料入手しやすさの点で、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、更に好ましくは段差追従性に優れる点で2−エチルヘキシルアクリレートが用いられる。
本発明においては2−エチルヘキシルアクリレートを用いることが必要である。
【0026】
その他の共重合性モノマー(a3)としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α―メチルスチレン等の1つの芳香環を含有するモノマー;ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のビフェニルオキシ構造含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエーテル鎖含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、(メタ)アクリロイルモルホリン等を用いることができる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0027】
上記官能基含有モノマー(a1)の単量体成分中における含有量としては、好ましくは0.01〜70重量%、特に好ましくは0.1〜50重量%、更に好ましくは1〜35重量%、殊に好ましくは5〜20重量%であり、官能基含有モノマー(a1)の含有量が少なすぎると、凝集力が不足することにより、耐久性能が低下する傾向があり、多すぎると粘度が高くなったり、樹脂の安定性が低下する傾向がある。
【0028】
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)の単量体成分中における含有量としては
、50〜99.99重量%
、好ましくは50〜95重量%、更に好ましくは60〜90重量%であり、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)の含有量が少なすぎると、粘着剤として使用した場合の粘着力が不足する傾向にあり、多すぎると官能基含有モノマー(a1)の含有量が少なくなり、凝集力が低下する傾向にある。
【0029】
上記その他の共重合性モノマー(a3)の単量体成分中における含有量としては、好ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは0〜25重量%であり、その他共重合性モノマー(a3)が多すぎると粘着特性が低下しやすい傾向がある。
【0030】
かくして、上記官能基含有モノマー(a1)、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)、必要に応じてその他の共重合性モノマー(a3)を含有する単量体成分を重合することにより本発明の官能基含有アクリル系樹脂(A)を製造するのであるが、かかる重合にあたっては、溶液重合で製造することが、安全に、安定的に、任意のモノマー組成で官能基含有アクリル系樹脂(A)を製造できる点で好ましい。
かかる溶液重合では、例えば、有機溶媒中に、(a1)〜(a3)のモノマー成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50〜98℃で0.1〜20時間重合すればよい。
【0031】
かかる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が具体例として挙げられる。
【0032】
官能基含有アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量については、通常10万〜500万、好ましくは20万〜100万、特に好ましくは30万〜80万である。重量平均分子量が小さすぎると、耐久性能が低下する傾向があり、大きすぎると段差追従性が低下する傾向がある。
【0033】
官能基含有アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、20以下であることが好ましく、特には15以下が好ましく、更には10以下が好ましく、殊には7以下が好ましい。かかる分散度が高すぎると粘着剤層の耐久性能が低下する傾向にある。なお、分散度の下限は、製造の限界の点から、通常1.1である。
【0034】
官能基含有アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度は、−90〜10℃、特には−70〜−20℃、更には−60〜−50℃であることが好ましく、ガラス転移温度が高すぎると段差追従性が低下する傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
【0035】
尚、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10
7、分離範囲:100〜2×10
7、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法を用いることができる。また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。またガラス転移温度は下記のFoxの式より算出されるものである。
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
【0036】
また、本発明で用いるアクリル系樹脂(A)としては、活性エネルギー線照射により、アクリル系樹脂の一部分、または、アクリル系樹脂組成物中に含まれるその他硬化成分と反応しうる反応性構造部位を有するアクリル系樹脂、即ち、エチレン性不飽和基含有アクリル系樹脂を用いることが、活性エネルギー線照射後の粘着剤層をより高弾性率にできる点で好ましい。
【0037】
上記エチレン性不飽和基含有アクリル系樹脂は、分子内に官能基を有するアクリル系樹脂に、分子内にかかる官能基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させるものであり、かかるエチレン性不飽和化合物としては、前記のカルボキシル基含有不飽和モノマー、水酸基含有不飽和モノマー、グリシジル基含有不飽和モノマー、イソシアネート基含有不飽和モノマー、アミド基含有不飽和モノマー、アミノ基含有不飽和モノマー、スルホン酸基含有不飽和モノマー等が挙げられる。
【0038】
例えば、アクリル系樹脂中の官能基がカルボキシル基の場合はグリシジル基含有不飽和モノマーやイソシアネート基含有不飽和モノマーが、該官能基が水酸基の場合はイソシアネート基含有不飽和モノマーが、該官能基がグリシジル基の場合はカルボキシル基含有不飽和モノマーやアミド基含有不飽和モノマーが、該官能基がアミノ基の場合はグリシジル基含有不飽和モノマーが、それぞれ選択され用いられるが、アクリル系樹脂中の官能基が水酸基の場合で、エチレン性不飽和化合物がイソシアネート基含有不飽和化合物であることが官能基の反応性に優れる点で好ましい。
【0039】
また、本発明において、粘着シートをタッチパネル用等の透明電極やその他の電子部材、特に精密電子部材に貼り合わせて用いる情報ラベル用途や、電子部材固定用途で使用する際には、耐腐食性が求められるため、この場合は、上記官能基含有アクリル系樹脂(A)が酸性基を含有しないものであることが好ましい。
【0040】
[架橋剤(B)]
本発明で用いられる架橋剤(B)は、主として官能基含有アクリル系樹脂(A)の構成モノマーである官能基含有モノマー(a1)由来の官能基と反応することで、優れた粘着力を発揮するものであり、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。これらの中でも、基材との密着性を向上させる点や官能基含有アクリル系樹脂(A)との反応性の点で、イソシアネート系架橋剤が好適に用いられる。
【0041】
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
【0042】
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0043】
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
【0044】
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0045】
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
【0046】
上記アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
【0047】
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
【0048】
また、これらの架橋剤(B)は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
上記架橋剤(B)の含有量は、通常は、官能基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.02〜3重量部、特に好ましくは0.1〜1重量部である。架橋剤(B)が少なすぎると、凝集力が不足し、充分な耐久性が得られない傾向がみられ、多すぎると柔軟性が低下することにより段差追従性が低下する傾向がみられる。
【0050】
[エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)]
本発明で用いられるエチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)としては、エチレン性不飽和基を1つ有する(メタ)アクリル酸エステル系化合物(C1)(後述の(C2)を除く)や、窒素原子を含有したエチレン性不飽和化合物(C2)を用いることが好ましい。
【0051】
上記エチレン性不飽和基を1つ有する(メタ)アクリル酸エステル系化合物(C1)としては、長鎖脂肪族(メタ)アクリレート(C1−1)、脂環族(メタ)アクリレート(C1−2)、芳香族(メタ)アクリレート(C1−3)、および、これら(メタ)アクリレートのオキシアルキレン構造変性化合物(C1−4)等が挙げられる。
本発明においては、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)として、長鎖脂肪族(メタ)アクリレート(C1−1)、脂環族(メタ)アクリレート(C1−2)、芳香族(メタ)アクリレート(C1−3)、またはこれら(メタ)アクリレートのオキシアルキレン構造変性化合物(C1−4)を用いることが必要である。
【0052】
長鎖脂肪族(メタ)アクリレート(C1−1)としては、
脂肪族基の炭素数が10〜18の長鎖脂肪族(メタ)アクリレートが用いられ、例えば、デ
シル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0053】
脂環族(メタ)アクリレート(C1−2)としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0054】
芳香族(メタ)アクリレート(C1−3)としては、例えば、ビフェニル(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0055】
上記(C1−1)〜(C1−3)のオキシアルキレン構造変性化合物(C1−4)としては、(C1−1)のオキシアルキレン構造変性化合物として、例えば、2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、アルキレングリコールモノアルキルエステル(メタ)アクリレート、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、(C1−2)のオキシアルキレン構造変性化合物として、例えば、t-ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、(C1−3)のオキシアルキレン(アルキル)構造変性化合物として、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルテトラグリコール(メタ)アクリレート、ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(繰り返し4)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(繰り返し8)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0056】
これらエチレン性不飽和基を1つ有する(メタ)アクリル酸エステル系化合物(C1)の中でも、長鎖脂肪族(メタ)アクリレート(C1−1)、(C1−2)および(C1−3)のオキシアルキレン構造変性化合物(C1−4)を用いることが安定的に粘着力を得られる点で好ましく、特に好ましくは、イソミリスチルアクリレート、トリデシルアクリレート、イソステアリルアクリレート、フェニルジエチレングリコールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートである。
【0057】
上記窒素原子を含有したエチレン性不飽和化合物(C2)は、使用することで粘着剤の粘着力を向上させることができ、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド,ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系不飽和モノマー、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、アクリロイルモルフォリン、オキサゾリドンアクリレート等が挙げられるが、これらの中でも、(メタ)アクリルアミド系不飽和モノマーを使用することが難揮発性、粘着性能にバランスよく優れる点で好ましく、特に好ましくはブトキシメチルアクリルアミドである。
【0058】
これらの中でも、着色しにくく光学的に透明な粘着剤層が得られる点で、長鎖脂肪族アクリレート(C1−1)を用いることが好ましい。
【0059】
エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の重量平均分子量としては、150〜2,000であることが好ましく、特に好ましくは200〜1,500、更に好ましくは250〜500である。
かかる重量平均分子量が大きすぎると、粘着物性が低下する傾向があり、小さすぎると乾燥工程で揮発しやすくなる傾向がある。
【0060】
また、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)は、後述の通り活性エネルギー線及び/又は熱により硬化させることで、粘着剤層中で重合物として存在するものであるが、かかる重合物のガラス転移温度(Tg)が−80〜80℃となるようにエチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)を選択することが好ましい。
【0061】
かかるガラス転移温度としては、特に好ましくは−60〜40℃、更に好ましくは−30〜20℃、殊に好ましくは−10〜10℃であり、ガラス転移温度が高すぎると粘着性能が出にくい傾向があり、低すぎると凝集力が低下する傾向がある。
なお、ガラス転移温度は上述したFoxの式より算出されるものである。
【0062】
[粘着シート]
本発明の粘着シートは、官能基含有アクリル系樹脂(A)と架橋剤(B)の架橋物、およびエチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)(以下、「単官能性不飽和化合物(C)」と記すことがある。)を含む粘着剤層を含有する粘着シートである。
【0063】
本発明では、上記粘着剤層中において、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の含有量が、粘着剤層全体に対して5〜
30重量%であることが必要であり、好ましくは10〜
30重量%、特に好ましくは15〜
30重量%、更に好ましくは20〜30重量%である。
かかるエチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物の含有量が少なすぎると段差追従性に劣ることとなり、多すぎるとシート作成時の弾性率が低すぎて、取り扱い性に劣ることとなる。
【0064】
なお、上記エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の含有量については、粘着剤層を構成する、有機溶剤を乾燥除去した後の粘着剤組成物全体におけるエチレン性不飽和化合物(C)の含有割合として求められる。
【0065】
上記粘着剤層は、官能基含有アクリル系樹脂(A)と架橋剤(B)を架橋させた後に、単官能性不飽和化合物(C)を配合したものでもよいし、予め単官能性不飽和化合物(C)を配合し、単官能性不飽和化合物(C)の存在下で官能基含有アクリル系樹脂(A)、架橋剤(B)を架橋させたものであってもよいが、段差追従性に優れた粘着シートが得られやすい点で、単官能性不飽和化合物(C)の存在下で官能基含有アクリル系樹脂(A)、架橋剤(B)を架橋させたものであることが好ましい。
【0066】
かかる単官能性不飽和化合物(C)の存在下で官能基含有アクリル系樹脂(A)、架橋剤(B)を架橋させる場合には、官能基含有アクリル系樹脂(A)、架橋剤(B)、単官能性不飽和化合物(C)を必須成分として含有し、更に必要に応じて後述のエチレン性不飽和基を2つ以上含有するエチレン性不飽和化合物(D)、重合開始剤(E)を含有する粘着剤剤組成物を、基材シートに塗工、乾燥し、必要により養生することにより本発明の粘着シートが得られる。
【0067】
上記基材シートとしては、例えば、ポリエチレンナフタート、ポリエチレンテレフタレート、ボリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂や商品名「アートン(環状オレフィン系ポリマー;JSR社製)」、商品名「ゼオノア(環状オレフィン系ポリマー;日本ゼオン社製)」等の環状オレフィン系樹脂が挙げられる;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリイミド等の合成樹脂シート,アルミニウム、銅、鉄の金属箔,上質紙、グラシン紙等の紙,硝子繊維、天然繊維、合成繊維等からなる織物や不織布が挙げられる。これらの基材シートは、単層体として又は2種以上が積層された複層体として用いることができる。
【0068】
また、基材シートとしては、ITO電極膜やポリチオフェン等の有機系導電幕等の透明電極膜、または、電極膜付きの上記各種基材、偏光板、位相差板、楕円偏光板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、電磁波シールドフィルム、近赤外線吸収フィルム、AR(アンチリフレクション)フィルム等の光学部材を用いてもよい。
【0069】
上記粘着剤組成物の塗工方法としては、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等用いればよい。
【0070】
上記乾燥条件としては、乾燥条件については、乾燥温度が、通常50℃〜250℃、好ましくは60℃〜120℃、更に好ましくは65℃〜95である。乾燥時間は、通常10秒〜10分である。
【0071】
上記養生処理の条件としては、温度は通常室温〜70℃、時間は通常1日〜30日であり、具体的には、例えば23℃で1日〜20日間、好ましくは、23℃で3〜10日間、40℃で1日〜7日間等の条件で行なえばよい。
【0072】
また、本発明の粘着シートは、被着体貼合時に基材シートを有さない状態で使用される基材レス両面粘着シートであってもよく、例えば、離型シート上に粘着剤組成物を塗工し、乾燥することにより得られる粘着剤層を形成した後、該粘着剤層の離型シートのない側に、更に別の離型シートを貼合し、必要により養生することにより粘着剤層を形成させ得ることができる。使用方法は、一方の離型シートを剥がして被着体に貼合した後、他方の離型シートを剥がして被着体に貼合すればよい。
【0073】
本発明の粘着シートの粘着剤層の厚みは、通常、5〜300μmであることが好ましく、特に好ましくは10〜200μm、更に好ましくは15〜100μm、殊に好ましくは20〜60μmである。
かかる粘着剤層の厚みが薄すぎると段差追従性が低下する傾向があり、厚すぎると光学部材全体の厚みが増しすぎてしまう傾向がある。
【0074】
また、特に厚膜の粘着剤層を得る場合には、10μm以上の膜厚で塗工することが好ましく、特に好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上であり、かかる膜厚の上限としては、塗工時の膜厚で通常800μmである。
【0075】
なお、上記膜厚は、ミツトヨ製「ID−C112B」を用いて、粘着シート全体の厚みの測定値から、粘着剤層以外の構成部材の厚みの測定値を差し引くことにより求めた値である。
【0076】
本発明の粘着シートの粘着剤層のゲル分率については、耐久性能と粘着力の点から10〜80%であることが好ましく、特には20〜70%が好ましく、殊には30〜60%であることが好ましい。ゲル分率が低すぎると凝集力の低下により粘着シートが異物により、跡がついたり、粘着シートが垂れる傾向がある。また、ゲル分率が高すぎると凝集力の上昇により段差追従性が低下する傾向がある。
【0077】
上記ゲル分率は、架橋度(硬化度合い)の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、基材となる高分子シート(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)に粘着剤層が形成されてなる粘着シート(セパレーターを設けていないもの)を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とする。ただし、基材の重量は差し引いておく。
【0078】
かくして得られる本発明の粘着シートは、粘着剤層に官能基含有アクリル系樹脂(A)と架橋剤(B)の架橋物に加えて、単官能性不飽和化合物(C)を含有するものであるために、単官能性不飽和化合物(C)が粘着剤に可塑効果を付与することで粘着剤層の弾性率が低くなるために被着体の段差(凹凸)に対して優れた追従性を発揮することが可能となるものである。
そして、被着体を貼合した後には、粘着剤層に活性エネルギー線照射及び/又は加熱することで、粘着剤層中に含まれる単官能性不飽和化合物(C)が重合し、被着体とより強固に接着することが可能となるものである。
【0079】
上記粘着シートと被着体との貼合方法としては、例えば、上記粘着シートの粘着剤層面を被着体に貼合した後、、オートクレーブ等で加熱加圧処理(例えば、50℃・0.5MPa×30分)を行なう方法が挙げられる。
【0080】
また、本発明の粘着シートの粘着剤層には、粘着剤層に官能基含有アクリル系樹脂(A)と架橋剤(B)の架橋物と、単官能性不飽和化合物(C)以外に、エチレン性不飽和基を2つ以上含有するエチレン性不飽和化合物(D)(以下、「多官能性不飽和化合物(D)」と略すことがある。)を含有することが粘着剤層全体の凝集力を調整できる点で
必要であり、更に重合開始剤(E)を含有することが、活性エネルギー線照射時および/または加熱時の反応を安定化させることができる点で好ましい。
【0081】
上記多官能性不飽和化合物(D)としては、例えば、1分子内に2つ以上のエチレン性不飽和基を含有するエチレン性不飽和モノマー、例えば、2官能モノマー、3官能以上のモノマーや、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物を用いることができる。これらの中でも、エチレン性不飽和モノマー、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用いることが硬化速度や到達物性の安定性に優れる点で好ましい。
【0082】
上記2官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を2つ含有するモノマーであればよく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートジエステル等が挙げられる。
【0083】
上記3官能以上のモノマーとしては、エチレン性不飽和基を3つ以上含有するモノマーであればよく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0084】
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物としては、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート系化合物であり、水酸基を含有する(メタ)アクリル系化合物と多価イソシアネート系化合物(必要に応じて、ポリオール系化合物)を、公知一般の方法により反応させて得られるものを用いればよく、その重量平均分子量としては、通常300〜4000のものを用いればよい。
【0085】
多官能性不飽和化合物(D)の含有量は、官能基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜100重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜30重量部、更に好ましくは1〜20重量部、殊に好ましくは5〜15重量部である。多官能性不飽和化合物(D)の含有量が多すぎると、後硬化工程において、凝集力が上がりすぎ、硬化収縮が起こり粘着性能が低下する傾向があり、少なすぎると保持力が不十分となる傾向がある。
【0086】
また、多官能性不飽和化合物(D)の含有量は、単官能性不飽和化合物(C)100重量部に対して、0.01〜
30重量部であることが
必要であり、特に好ましくは1〜
30重量部、更に好ましくは10〜30重量部である。多官能性不飽和化合物(D)の含有量が多すぎると、後硬化工程において、凝集力が上がりすぎ、硬化収縮が起こり粘着性能が低下する傾向があり、少なすぎると保持力が不十分となる傾向がある。
【0087】
上記重合開始剤(E)としては、例えば、光重合開始剤(e1)、熱重合開始剤(e2)等の種々の重合開始剤を用いることが可能であるが、特には光重合開始剤(e1)を使用することが、ごく短時間の紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化させることが可能となる点で好ましい。
【0088】
また、上記光重合開始剤(e1)を用いるときは、活性エネルギー線照射によりアクリル系樹脂組成物を硬化させ、熱重合開始剤(e2)を用いるときは、加熱によりアクリル系樹脂組成物を硬化させるのであるが、必要に応じて、両方を併用することも好ましい。
【0089】
上記光重合開始剤(e1)、および熱重合開始剤(e2)としては、公知一般の重合開始剤を用いればよい。
【0090】
上記重合開始剤(E)の含有量については、単官能性不飽和化合物(C)100重量部(多官能性不飽和化合物(D)を使用する場合には、(C)と(D)の合計100重量部)に対して、0.01〜50重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.3〜12重量部、殊に好ましくは0.5〜3重量部である。上記重合開始剤(E)の含有量が少なすぎると、硬化性に乏しく物性が安定しなくなる傾向がみられ、多すぎてもそれ以上の効果が得られない傾向がみられる。
【0091】
本発明において、被着体を貼合せた後に粘着剤層に活性エネルギー線照射する場合には、基材シート、被着体の少なくとも一方に透明なものを用い、かかる透明な面から活性エネルギー線照射を行なえばよい。
【0092】
上記活性エネルギー線照射に際しては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。なお、電子線照射を行なう場合は、上記光重合開始剤(e1)を用いなくても硬化可能である。
【0093】
そして、上記紫外線照射を行なう時の光源としては、高圧水銀灯、無電極ランプ、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト等が用いられる。上記高圧水銀ランプの場合は、例えば、5〜3000mJ/cm
2、好ましくは50〜2000mJ/cm
2の条件で行われる。また、上記無電極ランプの場合は、例えば、2〜2000mJ/cm
2、好ましくは10〜1000mJ/cm
2の条件で行われる。そして、照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、塗工厚、その他の条件によっても異なるが、通常は、数秒〜数十秒、場合によっては数分の1秒でもよい。一方、上記電子線照射の場合には、例えば、50〜1000Kevの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜50Mradの照射量とするのがよい。
【0094】
また、上記重合開始剤(E)として、熱重合開始剤(e2)を用いる場合には加熱により重合反応を開始し、進行させる。加熱による硬化時の処理温度や処理時間は、使用する熱重合開始剤(e2)の種類によって異なるものであり、通常、開始剤の半減期より計算されるものであるが、処理温度は、通常70〜170℃であることが好ましく、処理時間は、通常0.2〜20分が好ましく、特には0.5〜10分が好ましい。
【0095】
かくして本発明の粘着シートを被着体に貼合し、活性エネルギー線照射及び/又は加熱することで粘着剤層付き積層体([被着体/粘着剤層/基材シート]、あるいは基材レス両面粘着シートとした際には[被着体/粘着剤層/被着体])を得ることができる。
【0096】
上記被着体としては、特に限定されるものではないが、例えば、ITO電極膜やポリチオフェン等の有機系導電幕等の透明電極膜、偏光板、位相差板、楕円偏光板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、電磁波シールドフィルム、近赤外線吸収フィルム、AR(アンチリフレクション)フィルム等の光学部材が挙げられる。特には段差を有する被着体であることが、本発明の追従性に優れた粘着シートの効果が顕著に発揮され好ましく、例えば、1〜100μm、特には3〜50μm、更には、5〜30μmといった段差を有する被着体であっても、良好な追従性を発揮するものである。
【0097】
本発明の粘着シートは、ガラスやITO透明電極シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の光学シート類、偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム等の光学部材貼り付け用途に有用である。更に、これら光学部材を含んでなるタッチパネル等の画像表示装置に対して好適に用いることができる。
【実施例】
【0098】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは
、重量基準を意味する。
【0099】
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂(A)溶液を調製した。なお、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度の測定に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
【0100】
なお、固形分濃度の測定に関しては、アルミ箔にアクリル系樹脂(A)溶液1〜2gを取り、ケット(赤外線乾燥機、185W、高さ5cm)で45分間加熱乾燥し、乾燥前後の重量変化を測定し、粘度の測定に関しては、JIS K5400(1990)の4.5.3回転粘度計法に準じて測定した。
【0101】
〔アクリル系樹脂(A)溶液の製造〕
[アクリル系樹脂(A−1)]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(a
2)70部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a
1)30部及び酢酸エチル80部仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部、酢酸エチル20部を加え、更に4時間反応し、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−1)溶液(重量平均分子量75万、分散度3.8、ガラス転移温度−56℃、固形分50%、粘度15,000mPa・s(25℃))を得た。
【0102】
[架橋剤(B)]
架橋剤(B−1)として以下のものを用意した。
・トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(
日本ポリウレタン社製、「コロネートL−55E」)
【0103】
[単官能性不飽和化合物(C)]
単官能性不飽和化合物(C−1)として以下のものを用意した。
・イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業製「ISTA」);引火点154℃;分子量324
【0104】
[多官能性不飽和化合物(D)]
多官能性不飽和化合物(D−1)として以下のものを用意した。
・トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)
【0105】
[重合開始剤(E)]
重合開始剤(E−1)として以下のものを用意した。
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンの1:1の混合物(チバジャパン社製、「イルガキュア500」)
【0106】
[実施例1]
上記アクリル系樹脂(A−1)100部に、架橋剤(B−1)0.5部、単官能性不飽和化合物(C−1)30部、多官能性不飽和化合物(D−1)3部、光重合開始剤(E−1)0.3部を配合し、粘着剤組成物溶液を調製した。
かかる粘着剤組成物溶液を、ポリエステル系離型シートに、乾燥後の厚みが50μmとなるように塗布し、100℃で5分間乾燥し、粘着剤組成物層を形成させた。得られた粘着剤組成物層をポリエステル系離型シートではさみ、23℃×50%R.H.の条件下で7日間エージングさせて基材レス両面粘着シートを得た。
上記で得られた基材レス両面粘着シートの粘着剤層から一方の面の離型シートを剥がし、100μmポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに押圧し、粘着剤層の膜厚が50μmの粘着シートを得た。
【0107】
[実施例2〜4、比較例1、2]
(A)〜(E)成分の配合割合を表1に記載の配合割合に変更した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0108】
まず、上記粘着シートのゲル分率、粘着力(初期粘着力)を測定した。結果は表1に記載した。
【0109】
〔ゲル分率〕
上記粘着シートを40mm×40mmに裁断した後、離型シートを剥がし、粘着剤層側を50mm×100mmのSUSメッシュシート(200メッシュ)に貼合してから、SUSメッシュシートの長手方向に対して中央部より折り返してサンプルを包み込んだ後、トルエン250gの入った密封容器にて浸漬した際の重量変化にてゲル分率(%)の測定を行なった。
【0110】
[初期粘着力]
上記粘着シートについて、幅25mm×長さ100mmに裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側をソーダガラスに23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、オートクレーブで50℃・0.5MPa×20分の加圧加熱処理を行った後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分放置し、常温で剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
【0111】
次に、上記粘着シートを各被着体と貼合し、紫外線照射を行なった後、粘着力(硬化後粘着力)、保持力、段差追従性、耐湿熱性、耐ブリスター性について測定した。結果は表1に記載した。
【0112】
[硬化後粘着力]
上記粘着シートについて、幅25mm×長さ100mmに裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側をソーダガラスに23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、オートクレーブで50℃・0.5MPa×20分の加圧加熱処理を行った後、PETフィルム側から高圧水銀UV照射装置にてピーク照度:150mW/cm
2,積算露光量:500mJ/cm
2で紫外線照射を行ない(250mJ/cm
2×2パス)、23℃×50%R.H.の条件下で30分放置した後、常温で剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
【0113】
[保持力]
上記粘着シートを、25mm×25mmになるよう裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側を研磨SUS板に貼着し、オートクレーブで50℃・0.5MPa×20分の加圧加熱処理を行った。次いで、PETフィルム側から高圧水銀UV照射装置にてピーク照度:150mW/cm
2,積算露光量:500mJ/cm
2で紫外線照射を行ない(250mJ/cm
2×2パス)、23℃×50%R.H.の条件下で30分放置した後、80℃の条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z 0237の保持力の測定法に準じてズレを評価した。評価基準は下記の通りである。
(評価)
○・・・1440分経過後でズレを生じない
△・・・1440分経過後でズレを生じる
×・・・1440分経過するまでに落下する
【0114】
[段差追従性]
ソーダガラス上に、それぞれ8μmのPETフィルム、16μmのPETフィルム、25μmのPETフィルムをセロハンテープで固定し、段差付きのガラスを作製した。粘着シートをその段差付きガラスに対し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、オートクレーブで50℃・0.5MPa×20分の加圧加熱処理を行った後、PETフィルム側から高圧水銀UV照射装置にてピーク照度:150mW/cm
2,積算露光量:500mJ/cm
2で紫外線照射を行ない(250mJ/cm
2×2パス)、23℃×50%R.H.の条件下で30分放置した後、段差への追従性を目視で評価した。評価結果は以下のとおりである。
(評価)
○・・・段差部に空気の噛みこみが確認できない。
△・・・段差部に空気の噛みこみがわずかに確認できる。
×・・・段差部に空気が噛みこみ粘着剤層が大きく浮いている。
【0115】
[耐湿熱性]
上記粘着シートを25mm×25mmになるよう裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側をスライドガラス(コーニング社製、コーニング1737)に貼り合わせた後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行ない、PETフィルム側から高圧水銀UV照射装置にてピーク照度:150mW/cm
2,積算露光量:500mJ/cm
2で紫外線照射を行ない(250mJ/cm
2×2パス)、23℃×50%R.H.の条件下で30分放置し、「スライドガラス/粘着剤層/PETフィルム」の構成を有する試験片を作製した。
該試験片を用いて、80℃、90%RH雰囲気下で120時間の耐湿熱性試験をおこない、耐湿熱性試験開始前と、耐湿熱性試験後のヘイズ値の測定し、下記の基準で評価した。
なお、ヘイズ値は、拡散透過率及び全光線透過率を、HAZE MATER NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定し、得られた拡散透過率と全光線透過率の値を下記式に代入して、ヘイズを算出した。なお、本機はJIS K7361−1に準拠している。
ヘイズ値(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
(評価)
○・・・耐湿熱性試験後のヘイズ値が3.0未満であり、耐湿熱性試験前後でヘイズ値の上昇割合が1.2倍以内。
△・・・耐湿熱性試験直後のヘイズ値が3.0未満であり、耐湿熱性試験前後でヘイズ値の上昇割合が1.2倍よりも大きい。
×・・・耐湿熱性試験直後のヘイズ値が3.0以上
【0116】
[耐ブリスター性]
上記粘着シートを25mm×25mmになるよう裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側をポリカーボネート板に貼り付け、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行ない、次いで、PETフィルム側から高圧水銀UV照射装置にてピーク照度:150mW/cm
2,積算露光量:500mJ/cm
2で紫外線照射を行ない(250mJ/cm
2×2パス)、23℃×50%R.H.の条件下で30分放置し、「ポリカーボネート板/アクリル系粘着剤層/PETフィルム」の構成を有する試験片を作製した。
その後、80℃dry雰囲気で24時間静置し、静置前後のブリスター発生程度を目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
(評価)
○…φ0.5mmを超える発泡がない。
△…φ0.5mmを超える発泡があるが、発泡発生面積が貼付面全体の1/3未満。
×…貼付面全体の1/3以上に発泡発生。
【0117】
【表1】
※表中( )内の数字は重量部を表す。また、――は配合しなかったことを表す
【0118】
実施例1〜4の50μmの厚みの粘着剤層を有する粘着シートでは、8μm、16μmの段差に対して優れた追従性を示すものであり、25μmの段差に対しても一定の追従性を示すことがわかる。更に、粘着シートをタッチパネル等の光学部材の貼合せ用途に使用する場合に要求される物性である、強粘着力、耐湿熱白化性、耐ブリスター性等にも優れるものである。
特に、実施例3および4の粘着シートは、極めて良好な段差追従性を備え、かつ、耐ブリスター性にも極めて良好なものであることがわかる。
【0119】
一方、粘着剤層中に単官能性不飽和化合物(C)を含有していない比較例1の粘着シートでは、実施例の粘着シートに比べて段差追従性、耐ブリスター性に劣るものであることがわかる。
また、粘着剤層中に架橋剤(B)、粘着剤層中に単官能性不飽和化合物(C)を含有していない比較例2の粘着シートは、粘着剤層が硬化せず弾性率が低いため段差追従性はある程度優れるものの、保持力や粘着力等の粘着物性に劣るものであることがわかる。