特許第6180178号(P6180178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180178
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】紫外線照射水処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/32 20060101AFI20170807BHJP
   C02F 1/72 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   C02F1/32
   C02F1/72 101
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-101161(P2013-101161)
(22)【出願日】2013年5月13日
(65)【公開番号】特開2014-221445(P2014-221445A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2016年5月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】504190548
【氏名又は名称】国立大学法人埼玉大学
(73)【特許権者】
【識別番号】390014074
【氏名又は名称】前澤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 憲彦
(72)【発明者】
【氏名】松本 公寿
【審査官】 高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−081227(JP,A)
【文献】 特開2010−117527(JP,A)
【文献】 特開2004−082023(JP,A)
【文献】 特開2006−263609(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0284540(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/20 − 1/26、
1/30 − 1/38、
1/70 − 1/78
A61L 2/00 − 2/28、
11/00 − 12/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理水に紫外線を照射する紫外線照射水処理装置において、円筒形の処理槽の中心にLED取付部材を軸線方向に設け、該LED取付部材の外面に処理槽の半径方向に向けて紫外線を照射する複数の紫外線LEDを設けるとともに、処理槽の周方向及び軸線方向に隣接する紫外線LED同士の間のLED取付部材の外面にLED放熱部をそれぞれ設け、前記LED取付部材の外面に複数の放熱フィンを処理槽の半径方向に突設したことを特徴とする紫外線照射水処理装置。
【請求項2】
前記複数の放熱フィンは、前記LED取付部材における周方向に隣接する前記紫外線LED同士の間に設けた前記LED放熱部に突設されていることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射水処理装置。
【請求項3】
処理水に紫外線を照射する紫外線照射水処理装置において、円筒形の処理槽の内部に、処理槽の中心から半径方向に向かって複数の仕切板を配置して前記処理槽の内部を周方向に複数の流路に区画するとともに、各仕切板の一方の面に、処理槽の周方向において同一方向に向かって紫外線を照射する状態で複数の紫外線LEDをそれぞれ設けたことを特徴とする紫外線照射水処理装置。
【請求項4】
処理水に紫外線を照射する紫外線照射水処理装置において、処理槽の内部を仕切板にて2分して2つの流路に区画し、前記仕切板の両面に、複数の紫外線LEDを設けるとともに複数の放熱フィンを突設したことを特徴とする紫外線照射水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射水処理装置に関し、詳しくは、浄水処理や下水処理等において、紫外線を用いて水中の微生物の殺菌や有機物の酸化を行う紫外線照射水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紫外線を照射して、水に含まれる微生物や病原性原虫の殺菌や消毒をする紫外線照射水処理装置が開発されており、この紫外線照射水処理装置として、処理水が流通する処理槽の水路内に、紫外線光源を設置して紫外線照射を行うものが知られている。紫外線光源として、近年は、紫外線LEDが注目されている。紫外線LEDを用いた紫外線照射水処理装置では、紫外線LEDの温度上昇を抑えて紫外線LEDの長寿命化を図るため、複数の紫外線LEDの配置を工夫したり、紫外線LEDを冷却するための冷却流体通路を設けたりするようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−115715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された紫外線照射水処理装置では、紫外線を照射する水処理用の流路とは別に冷却流体通路を設けているため、紫外線照射水処理装置における処理槽が大型化することがあり、また、冷却流体通路に流通させる冷却流体を用意しなければならず、冷却流体を流通させるためのエネルギーが必要になることもあった。
【0005】
そこで本発明は、紫外線LEDを使用して効率よく紫外線処理を行うことができる紫外線照射水処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の紫外線照射水処理装置の第1の構成は、処理水に紫外線を照射する紫外線照射水処理装置において、円筒形の処理槽の中心にLED取付部材を軸線方向に設け、該LED取付部材の外面に処理槽の半径方向に向けて紫外線を照射する複数の紫外線LEDを設けるとともに、処理槽の周方向及び軸線方向に隣接する紫外線LED同士の間のLED取付部材の外周面にLED放熱部をそれぞれ設け前記LED取付部材の外周面に複数の放熱フィンを処理槽の半径方向に突設したことを特徴とし、さらに、前記複数の放熱フィンは、前記LED取付部材における周方向に隣接する前記紫外線LED同士の間に設けた前記LED放熱部に突設されていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の紫外線照射水処理装置の第2の構成は、処理水に紫外線を照射する紫外線照射水処理装置において、円筒形の処理槽の内部に、処理槽の中心から半径方向に向かって複数の仕切板を配置して前記処理槽の内部を周方向に複数の流路に区画するとともに、各仕切板の一方の面に、処理槽の周方向において同一方向に向かって紫外線を照射する状態で複数の紫外線LEDをそれぞれ設けたことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の紫外線照射水処理装置の第3の構成は、処理水に紫外線を照射する紫外線照射水処理装置において、処理槽の内部を仕切板にて2分して2つの流路に区画し、前記仕切板の両面に、複数の紫外線LEDを設けるとともに複数の放熱フィンを突設したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の紫外線照射水処理装置の第1の構成によれば、隣接する紫外線LED同士の間に放熱部を設けることにより、紫外線LEDの熱を放熱部から放熱できるので、紫外線LEDの温度上昇を抑えることができる。また、第2の構成によれば、半径方向に配置した複数の仕切板の一方の面に紫外線LEDをそれぞれ設けることにより、他方の面を被処理水によって冷却できるので、紫外線LEDの温度上昇を抑えることができる。さらに、LED取付部材や仕切板に放熱フィンを設けることにより、放熱フィンからの放熱によってLED取付部材や仕切板に設けた紫外線LEDの温度上昇を抑えることができる。
【0010】
このようにして紫外線LEDの温度上昇を抑えることにより、紫外線LEDの長寿命化を図れる。また、冷却流体通路を設けなくてもよいことから、処理槽の小型化や簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1参考例を示す処理槽の断面図である。
図2】同じくLED取付部材への紫外線LEDの配置状態を示す斜視図である。
図3】同じくLED取付部材への紫外線LEDの配置状態を示す説明図である。
図4】本発明の紫外線照射水処理装置の第形態例を示す処理槽の断面図である。
図5】本発明の紫外線照射水処理装置の第形態例を示す処理槽の断面図である。
図6】本発明の紫外線照射水処理装置の第形態例を示す処理槽の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図3は、参考例を示している。本参考例に示す紫外線照射水処理装置は、図示しない被処理水の流入部と処理水の流出部とを備えた円筒形の処理槽11の中心に、軸線方向に円柱状又は円筒状のLED取付部材12を設けるとともに、該LED取付部材12の外周面に、複数の紫外線LED13を設けている。紫外線LED13は、図1乃至図3に矢印で示すように、LED取付部材12を中心として処理槽11の半径方向に向けて紫外線UVを照射する状態で設けられており、処理槽11の周方向及び軸線方向に隣接する紫外線LED13同士の間には、LED放熱部14がそれぞれ設けられている。
【0013】
すなわち、図2及び図3に示すように、LED取付部材12は、軸線方向に複数のLED取付部12a,12b,12c,…が連なった構造を有しており、任意の位置のLED取付部12aに取り付けられた紫外線LED13a,13aは、このLED取付部12aで周方向に隣接する紫外線LED13a同士の間にLED放熱部14aがそれぞれ設けられており、該LED取付部12aに隣接するLED取付部12bに取り付けられた紫外線LED13b,13bは、LED取付部12bで周方向に隣接する紫外線LED13b同士の間にLED放熱部14bそれぞれが設けられている。
【0014】
さらに、LED取付部12aに取り付けられた紫外線LED13aに対して軸線方向に隣接する位置には、該LED取付部12aに隣接するLED取付部12bに設けられたLED放熱部14bが配置されており、一つの紫外線LEDの周囲には、他の紫外線LEDが隣接せず、LED放熱部がそれぞれ隣接するように形成されている。
【0015】
したがって、図3(A)に示すように、LED取付部12aに取り付けられた紫外線LED13aの照射方向は、図において上方を0度としたときに、0度、90度、180度及び270度の4方向となっており、LED取付部12aに隣接するLED取付部12bに取り付けられた紫外線LED13aの照射方向は、図3(B)に示すように、45度、135度、225度及び315度の4方向となっている。これにより、図3に想像線で示す紫外線UVの照射範囲Aが全方向にわたる状態になる。
【0016】
このように、各紫外線LED13a,13b,…を配置することにより、隣接するLED放熱部14a,14b,…からの放熱によって紫外線LED13a,13b,…の温度上昇を抑えることができるとともに、処理槽11内の全体にわたって紫外線を満遍なく照射することができ、被処理水の紫外線処理を確実に行うことができる。
【0017】
図4は、本発明の紫外線照射水処理装置の第形態例を示している。なお、以下の説明において、前記参考例に示した紫外線照射水処理装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0018】
本形態例に示す紫外線照射水処理装置は、前記参考例と同様に、円筒形の処理槽11の中心に設けたLED取付部材12の外周面に複数の紫外線LED13を設けるとともに、LED取付部材12における周方向に隣接する紫外線LED13同士の間から、あるいは、前記第1形態例と同様に、周方向に隣接する紫外線LED13同士の間に設けたLED放熱部14から、処理槽11の半径方向に複数の放熱フィン15を突設したものである。
【0019】
前記放熱フィン15の形状は、紫外線LED13の配置状態に応じて任意に設定することができ、処理槽11の軸線方向の長さは、LED取付部材12の全長にわたる長さを有するものであってもよく、一つのLED取付部の軸線方向長さに応じた長さであってもよい。また、突出長さも任意であり、厚さも任意である。
【0020】
このような放熱フィン15を設けることにより、被処理水との接触面積が大きくなって放熱効果を向上させることができる。さらに、放熱フィン15の全体を螺旋状にねじりを加えることにより、流路が長くなって、被処理水と紫外線との接触時間を長くできるとともに、被処理水の撹拌作用による接触効率の向上が期待できる。
【0021】
図5は、本発明の紫外線照射水処理装置の第2形態例を示している。本形態例に示す紫外線照射水処理装置は、円筒形の処理槽11の内部に、処理槽11の中心から半径方向に向かって8枚の仕切板21,21を配置し、処理槽11の内部を周方向に区画して被処理水流路22,22を8流路形成するとともに、各仕切板21の一方の面21aに、処理槽11の周方向において同一方向に向かって紫外線を照射する状態で複数の紫外線LED13をそれぞれ設けたものである。
【0022】
このように、処理槽11の内部を周方向に区画する仕切板21の一方の面21aに紫外線LED13を設けることにより、一方の面21aに設けた紫外線LED13から各被処理水流路22内を流れる処理水に紫外線を照射することができるとともに、仕切板21の他方の面21b側の被処理水流路22内を流れる被処理水によって仕切板21を冷却することができるので、紫外線LED13の温度上昇を抑えることができる。
【0023】
なお、仕切板21の設置枚数は、処理槽11の大きさなどの条件に応じて適宜設定することができる。また、仕切板21に通孔を設けて被処理水が隣接する流路22に流動できるようにしてもよく、捻りを加えたり、波板で形成したりしてもよい。これにより、被処理水との接触面積が大きくなって、放熱効果を向上させることができる。さらに、放熱フィン15の全体を螺旋状にねじりを加えることにより、流路が長くなって、被処理水と紫外線との接触時間を長くできるとともに、被処理水の撹拌作用による接触効率の向上が期待できる。
【0024】
図6は、本発明の紫外線照射水処理装置の第形態例を示している。本形態例に示す紫外線照射水処理装置は、処理槽11の内部に仕切り部材31を設け、該仕切り部材31の両面に紫外線LED13をそれぞれ設けるとともに、仕切り部材31から複数の放熱フィン32を突設したものである。このように、紫外線LED13を設けた仕切り部材31に放熱フィン32を設けることにより、仕切り部材31及び放熱フィン32を介して紫外線LED13を被処理水にて冷却することができるので、紫外線LED13の温度上昇を抑えることができる。
【0025】
なお、本形態例においても、仕切り部材31の設置数や放熱フィン32の形状は、処理槽11の大きさや形状などに応じて適宜設定することができ、放熱フィン32に通孔を設けたり、捻りを加えたり波形に形成したりすることもできる。これにより、被処理水との接触面積が大きくなって、放熱効果が向上する。さらに、放熱フィン15の全体を螺旋状にねじりを加えることにより、流路が長くなって、被処理水と紫外線との接触時間を長くできるとともに、被処理水の撹拌作用による接触効率の向上が期待できる。これにより、非処理水との接触面積が大きくなって、放熱効果を向上させることができる。さらに、仕切部材31及び放熱フィン32の全体を螺旋状にねじりを加えることにより、流路が長くなって、被処理水と紫外線との接触時間を長くできるとともに、被処理水の撹拌作用による接触効率の向上が期待できる。また、仕切り部材31の内部に冷却水用通路が設けられていても差し支えない。
【符号の説明】
【0026】
11…処理槽、12…LED取付部材、12a,12b,12c…LED取付部、13,13a,13b…紫外線LED、14,14a,14b…LED放熱部、15…放熱フィン、21…仕切板、22…被処理水流路、21a…一方の面、21b…他方の面、31…仕切り部材、32…放熱フィン
図1
図2
図3
図4
図5
図6