(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[液状化粧料組成物]
本発明で用いる成分(A)のポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル(以下、本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルともいう)は、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有し、HLB10〜13のものである。
本発明において、HLB値は、親水性−親油性のバランス(Hydrophile Lipophile Balance)を示す指標であり、本発明においては小田及び寺村らによる次式をいて算出した値を用いている。
【0011】
上記炭素数は、本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルを構成するアルキル基又はアルケニル基の炭素数を示し、保存安定性、皮脂拭き取り性及びテカリ抑制効果を高める観点から、炭素数10〜16が好ましく、炭素数12〜14がより好ましい。
同様の観点から、アルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
また、本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLBは、皮脂拭き取り性及びテカリ抑制効果を高める観点から、11〜13が好ましく、12〜13がより好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(炭素数12、HLB10〜13)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル(炭素数14、HLB10〜13)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(炭素数16、HLB10〜13)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(炭素数18、HLB10〜13)等が挙げられ、皮脂拭き取り性とテカリ抑制効果の観点から、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが好適なものとして挙げられる。
本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキサイドの付加モル数は、皮脂拭き取り性とテカリ抑制効果の観点から、3〜9が好ましく、4〜8がより好ましく、5〜7が更に好ましい。
【0012】
成分(A)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、保存安定性及び使用感を高める観点から、液状化粧料組成物中に0.01質量%以上であり、0.013質量%以上が好ましく、0.015質量%以上がより好ましく、0.017質量%以上がさらに好ましく、1質量%以下であり、0.7質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましい。また、成分(A)の含有量は、液状化粧料組成物中に0.01〜1質量%であり、0.013〜0.7質量%が好ましく、0.015〜0.5質量%がより好ましく、0.017〜0.3質量%が更に好ましい。
【0013】
成分(B)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、成分(A)及び(C)との相互作用により、保存安定性を高め、テカリ抑制効果を高めることができる。
成分(B)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びその誘導体を含むもので、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性を高め、テカリ抑制効果を高める観点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレートが好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましい。
【0014】
また、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイドの付加モル数は、保存安定性とテカリ抑制効果を高める観点から、25〜80が好ましく、30〜75がより好ましく、35〜70が更に好ましく、40〜68がより更に好ましく、42〜65が更に好ましい。
より具体的には、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油が好ましく、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油がより好ましい。
また、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のHLBは、保存安定性とテカリ抑制効果を高める観点から、10〜16が好ましく、11〜16がより好ましく、12〜15が更に好ましく、12.5〜14.5がより更に好ましい。
【0015】
成分(B)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、使用感とテカリ抑制効果を高める観点から、液状化粧料組成物中に0.01質量%以上であり、0.02質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、1質量%以下であり、0.8質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、液状化粧料組成物中に0.01〜1質量%であり、0.02〜0.8質量%が好ましく、0.03〜0.7質量%がより好ましい。
【0016】
本発明において、成分(A)及び(B)の質量比((A)/(B))は、皮脂拭き取り性を高め、テカリ抑制効果を高める観点から、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましく、0.18以上がより更に好ましく、0.2以上が更に好ましく、1以下が好ましく、0.95以下がより好ましく、0.9以下が更に好ましく、0.8以下がより更に好ましく、0.6以下が更に好ましい。また、成分(A)及び(B)の質量比((A)/(B))は、0.01〜1が好ましく、0.1〜0.95がより好ましく、0.15〜0.9が更に好ましく、0.18〜0.8がより更に好ましく、0.2〜0.6が更に好ましい。
【0017】
成分(C)のポリエチレングリコールは、25℃で液状のものである。ここで、25℃で液状とは、25℃での粘度が10,000mPa・s以下のものをいう。25℃で液状であるポリエチレングリコールを使用することで、成分(A)及び(B)との相互作用により、べたつきのない使用感とテカリ抑制効果を得ることができる。粘度は、後述の実施例記載の方法で測定される。
成分(C)のポリエチレングリコールは、25℃で液状であるが、べたつきのない使用感を得る観点、皮脂ふき取り性を高める観点、及びテカリ抑制効果を高める観点から、その粘度は、30℃において、1〜5000mPa・sであるのが好ましく、10〜1000mPa・sがより好ましく、40〜500mPa・sが更に好ましく、60〜100mPa・sがより更に好ましい。
同様の観点から、その数平均分子量(Mn)は、200〜600であるのが好ましく、200〜500がより好ましく、300〜500が更に好ましい。数平均分子量(Mn)は、後述の実施例記載の方法で測定される。
【0018】
成分(C)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、使用感とテカリ抑制効果の観点から、液状化粧料組成物中に0.1質量%以上であり、0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより、好ましく5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、液状化粧料組成物中に0.1〜5質量%であり、0.15〜3質量%が好ましく、0.2〜1質量%がより好ましい。
【0019】
成分(C)に対する、成分(A)と成分(B)との合計含有量との質量比[(A)+(B)]/(C)は、皮脂拭き取り性を高め、テカリ抑制効果を高める観点から、0.01以上が好ましく、0.015以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、8以下が好ましく、7以下がより好ましく、4以下が更に好ましく、3以下がより更に好ましい。また、成分(C)に対する、成分(A)と成分(B)との合計含有量との質量比[(A)+(B)]/(C)は、0.01〜8が好ましく、0.015〜7がより好ましく、0.02〜4が更に好ましく、0.02〜3がより更に好ましい。
【0020】
成分(D)の水は、イオン交換水や蒸留水等を用いることができる。成分(D)は、他の成分の残部をなし、含有量は、液状化粧料組成物中に50質量%以上であるのが好ましく、60〜95質量%がより好ましい。
【0021】
本発明の液状化粧料組成物は、更に、(E)炭素数1以上5以下のアルコール、すなわち低級アルコールを含有することが好ましい。成分(E)の低級アルコールは、成分(A)、(B)及び(C)の溶解を助け、液状化粧料組成物中での成分(A)、(B)及び(C)の溶解又は分散性を向上させることができる。さらに、成分(E)を含有することにより、本発明のシート状化粧料を肌に作用させた際、成分(E)が揮発する過程で、成分(A)、成分(B)及び(C)を表面に均一に付着させることができる。この結果、べたつきを抑制できると共に、使用時の清涼感を高めることができる。同様の観点から、(E)炭素数1以上5以下のアルコールにおける炭素数は2〜4が好ましく、具体的にはエタノールが好ましい。
【0022】
成分(E)の低級アルコールの含有量は、成分(A)の溶解性や、本発明のシート状化粧料の使用によるかさつき感や刺激感を与えない観点、保存安定性、更に高温での保存安定性を高める観点から、液状化粧料組成物中に1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、13質量%以上が更に好ましく、15質量%以上がより更に好ましく、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましく、28質量%以下がより更に好ましい。また、成分(E)の含有量は、液状化粧料組成物中に1〜40質量%であるのが好ましく、10〜35質量%がより好ましく、13〜30質量%が更に好ましく、15〜28質量%がより更に好ましい。
【0023】
また、本発明の液状化粧料組成物は、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の界面活性剤、油性成分、粉体、保湿剤、抗炎症剤、美白剤、UVケア剤、殺菌剤、制汗剤、清涼剤、酸化防止剤、香料等を含有することができる。
本発明の液状化粧料組成物は通常の方法により製造することができる。具体的には、例えば、成分(A)、(B)、(C)、(D)、及び他の成分を、混合器に、それぞれ独立に、あるいは同時に添加し、混合することにより得ることができる。
【0024】
[シート状化粧料]
本発明のシート状化粧料は、上記液状化粧料組成物をシート状基材に含浸させることにより得ることができる。
液状化粧料組成物をシート状基材に含浸させる方法は、制限されない。例えば、スプレーやエアーガン等を用いて液状化粧料組成物をシート基材に噴霧して含浸させる方法や、スリット型のノズル等を用いて液状化粧料組成物を直接シート基材に塗布して含浸させる方法などがある。
本発明のシート状化粧料において、液状化粧料組成物の含浸率は、使用感を高め、塗布時の感触を良好にする観点から、シート状基材100質量部に対し、20〜500質量部が好ましく、50〜400質量部がより好ましい。
【0025】
本発明で用いるシート状基材としては、天然繊維又は合成繊維およびこれらを混紡した不織布又は織布の何れをも使用することができる。具体的には、例えば、リヨセル、キュプラ、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、コットン及びこれらを混綿したものの不織布又は織布、更に湿式及び乾式パルプシート、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等)で強化したパルプシート等が挙げられる。パルプ、コットンと熱可塑性樹脂の割合において、パルプ、コットンが全体に占める質量比は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。
【0026】
これらの基材は、繊維間隔がなるべく密なほどシート表面に粉体が集合するので好ましい。また、製造時の加工のしやすさ等から、パルプ、コットンが基材として、より好ましい。また、パルプやコットンであれば、液状化粧料組成物の保持性に優れているので好ましい。パルプについては、やわらかさと強度を両立するために薄いパルプを重ね合わせて用いることが好ましく、更に熱可塑性樹脂で強化したパルプは、エンボス処理により適度な厚み(嵩高さ)を付与でき、かつ肌を濡らしすぎないので好ましい。更に、ヒートシールにより複数枚のシートを部分的に貼り合わせることで、柔らかく、拭きごたえのある厚みのあるシートにより良好な使用感を提供できる。
シートの坪量は、液状化粧料組成物の保持性や、清拭時の感触が良好である観点から、20〜200g/m
2が好ましい。シートの厚みは、拭きごたえがあり、清拭時に良好な使用感を与える点から、0.15〜1.30mm(押圧 20gf/cm
2荷重のダイアルゲージによる測定)が好ましい。
【0027】
本発明のシート状化粧料は、肌に塗布して使用され、好ましくは頭皮以外の肌、より好ましくは、顔、頭以外の身体、手足等を拭くことにより、汗や皮脂汚れを取り除いて清潔にし、テカリを抑制することができ、さらに、肌を清浄し、肌を快適に保つことができるものである。
【0028】
本発明のシート状化粧料は、例えば、顔面に用いた場合、皮脂を効果的に除去すると共に、粉体や保湿剤を配合した場合、これらを残留させて肌を快適に保つだけでなく、テカリ抑制効果を更に向上させることができる。また、制汗剤、殺菌剤を配合した場合、肌を清浄にした上でこれらの有効成分を肌に長時間残留させるため、持続的な制汗やデオドラント効果が期待できる。
上述した実施形態に関し、本発明は、さらに以下の組成物を開示する。
【0029】
<1>下記成分(A)〜(D):
(A)HLB10〜13であり、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル又は炭素数10〜18のアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルケニルエーテル 0.01〜1質量%、
(B)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.01〜1質量%、
(C)25℃で液状であるポリオキシエチレングリコール 0.1〜5質量%、
(D)水
を含有するシート用液状化粧料組成物。
【0030】
<2>成分(A)において、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が、好ましくは、炭素数10〜16であって、炭素数12〜14がより好ましい前記<1>記載の液状化粧料組成物。
<3>成分(A)が、好ましくは、HLB11〜13であって、HLB12〜13がより好ましい前記<1>又は<2>記載の液状化粧料組成物。
<4>成分(A)が、好ましくは、炭素数10〜16のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルである前記<1>〜<3>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<5>成分(A)のエチレンオキサイドの付加モル数が、好ましくは、3〜9であって、4〜8が好ましく、5〜7が更に好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<6>成分(A)の含有量が、好ましくは、液状化粧料組成物中に0.013質量%以上であって、より好ましくは0.015質量%以上であって、更に好ましくは0.017質量%以上であって、0.7質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
【0031】
<7>成分(B)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、好ましくは、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸であって、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレートがより好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が更に好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<8>成分(B)のエチレンオキサイドの付加モル数が、好ましくは、25〜80であって、30〜75がより好ましく、35〜70が更に好ましく、40〜68がより更に好ましく、42〜65が更に好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<9>成分(B)が、好ましくは、HLB10〜15であって、HLB11〜16がより好ましく、HLB12〜15が更に好ましく、HLB12.5〜14.5がより更に好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<10>成分(B)の含有量が、好ましくは、液状化粧料組成物中に0.02質量%以上であって、0.03質量%以上がより好ましく、0.8質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
【0032】
<11>成分(A)及び(B)の質量比((A)/(B))が、好ましくは、0.01以上であって、0.1以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましく、0.18以上がより更に好ましく、0.2以上が更に好ましく、1以下が好ましく、0.95以下がより好ましく、0.9以下が更に好ましく、0.8以下がより更に好ましく、0.6以下が更に好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<12>成分(C)のポリエチレングリコールの粘度が、30℃において、好ましくは、1〜5000mPa・sであって、10〜1000mPa・sがより好ましく、40〜500mPa・sが更に好ましく、60〜100mPa・sがより更に好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<13>成分(C)のポリエチレングリコールの数平均分子量(Mw)が、好ましくは、200〜600であって、200〜500がより好ましく、300〜500が更に好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<14>成分(C)の含有量が、好ましくは、液状化粧料組成物中に0.15質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
【0033】
<15>成分(C)に対する、成分(A)と成分(B)との合計含有量との質量比[(A)+(B)]/(C)が、好ましくは、0.01以上であって、0.015以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、8以下が好ましく、7以下がより好ましく、4以下が更に好ましく、3以下がより更に好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<16>成分(D)の含有量が、好ましくは、液状化粧料組成物中に50質量%以上であって、60〜95質量%がより好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<17>更に、(E)炭素数1以上5以下のアルコール、より好ましくはエタノールを含有する前記<1>〜<16>のいずれか1記載の液状化粧料組成物。
<18>成分(E)の炭素数1以上5以下のアルコールの含有量が、好ましくは、液状化粧料組成物中に1質量%以上であって、10質量%以上がより好ましく、13質量%以上が更に好ましく、15質量%以上がより更に好ましく、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましく、28質量%以下がより更に好ましい前記<17>記載の液状化粧料組成物。
【0034】
<19>前記<1>〜<18>のいずれか1記載の液状化粧料組成物をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料。
<20>液状化粧料組成物の含浸率が、好ましくは、シート状基材100質量部に対し、20〜500質量部であって、50〜400質量部がより好ましい前記<19>記載のシート状化粧料。
<21>前記<19>又は<20>記載のシート状化粧料を肌に、好ましくは頭皮以外の肌に、より好ましくは、顔、頭以外の身体、手足のいずれかに塗布するシート状化粧料の使用方法。
<22>前記<1>〜<18>のいずれか1記載の液状化粧料組成物の皮脂拭き取り性を高めるための使用。
<23>前記<1>〜<18>のいずれか1記載の液状化粧料組成物の肌のテカリ抑制を高めるための使用。
<24>前記<1>〜<18>のいずれか1記載の液状化粧料組成物の皮脂拭き肌の清浄を高めるための使用。
【実施例】
【0035】
(数平均子量の測定)
ポリエチレングリコールの数平均分子量(Mn)は、以下のように測定する。
(測定装置・条件)
東ソー社製、一体型GPC装置、
装置:HLC−8220GPC、
検出器:RI(示差屈折計)、
カラム:TSK−gel G5000HxL(7.8×300mm)×1、
G4000HxL(7.8×300mm)×1、
G3000HxL(7.8×300mm)×1、
G2000HxL(7.8×300mm)×1、
移動相:THF(テトラヒドロフラン)、
流速:1.0mL/min、
設定温度:40℃、
注入量:100μL(試料濃度:0.4%)、
ポリスチレン(※)換算による数平均分子量を測定。
※ポリスチレン:東ソー社製、TSK標準ポリスチレン
【0036】
(粘度の測定)
ポリエチレングリコールの粘度は、以下のように測定する。
粘度は、30℃にて24時間保持した後、以下の条件にて測定する。
測定装置:B型粘度計(東機産業社製、形式:TVB−10)、
測定温度:30℃、
ローター:M2、
回転数:100rpm、
測定時間:1分間
【0037】
実施例1〜13、比較例1〜6
表1及び表2に示す組成の液状化粧料組成物及びシート状化粧料を製造し、使用性、安定性、テカリ抑制効果及び皮脂拭き取り性を評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
【0038】
(製造方法)
成分(A)、(B)、(C)及び(D)を混合する。そこに成分(E)を加え、撹拌して均一にして、液状化粧料組成物を得た。
【0039】
(評価方法)
(1)使用感:
男性パネル5名により、洗顔後、各液状化粧料組成物0.5gを全顔に塗布した直後の「肌なじみの良さ」及び「べたつきのなさ」を、以下の基準で官能評価した。結果を5名の平均値で示した。
(5段階評価)
5点:非常に良い。
4点:良い。
3点:やや良い。
2点:悪い。
1点:とても悪い。
【0040】
(2)保存安定性:
ガラス瓶(直径4cm、高さ10cm、容積100mL)に、各液状化粧料組成物80mLを入れ、密封して、高温条件下(温度50℃、相対湿度10%)、低温条件下(温度−10℃、相対湿度15%)でそれぞれ1か月保持した。1か月後の各液状化粧料組成物の状態を、以下の基準で、目視にて評価した。
5:油滴の分離は観察されない。
4:底部に約1mm未満の油滴の分離が観察される。
3:底部に約1mm以上、3mm未満の油滴の分離が観察される。
2:底部に約3mm以上、5mm未満の油滴の分離が観察される。
1:底部に約5mm以上の油滴の分離が観察される。
【0041】
(3)テカリ抑制効果:
(3−1)皮脂拡散性:
ポリエチレンシートを貼ったスライドガラス(7.6×2.6×1mm)に、各液状化粧料組成物を30μL塗布し、乾燥させた。その後、トウガラシ色素(ハイオレンジLH)を1質量%含むモデル皮脂を10μL滴下し、1時間後、モデル皮脂の拡散性を評価した。評価は、滴下1時間後に撮影した写真における拡散したモデル皮脂の面積を、下記の5段階で行った。ここで、面積が大きいことは、皮脂拡散性が高いことを示す。皮脂が拡散することにより、皮膚表面の凹凸(皮丘・皮溝)がより顕著に表れ、反射強度が抑制される結果、テカリ抑制に対して効果があることを意味する。
(5段階評価)
5点:1.6cm
2以上。
4点:1.4cm
2以上1.6cm
2未満。
3点:1.2cm
2以上1.4cm
2未満。
2点:1.0cm
2以上1.2cm
2未満。
1点:1.0cm
2未満。
【0042】
(3−2)目視評価:
洗顔後の男性の顔に、各液状化粧料組成物を1.2g塗布し、3時間後のテカリ具合を、専門パネル5名により、次の基準により、目視により評価した。結果を5名の合計の点数で示した。
(評価基準)
2:テカリを感じない。
1:ややテカリを感じる。
0:テカリを強く感じる。
【0043】
(4)皮脂拭き取り性(シート化粧料):
下記組成の液状化粧料組成物4.4gを、コットンリンターからなるシート(坪量38g/m
2、質量1.1g)に含浸させ、シート状化粧料を得た(含浸率400%)。
人工皮革にカーボンブラック(0.2質量%)を混ぜたモデル皮脂を0.2g塗布し、各シート状化粧料で一定荷重(500g)をかけて一定速度(2.4cm/g)で清拭した。清拭後の明度(L値)を色彩色差計で測定し、以下の基準で示した。L値が大きいほど、皮脂拭き取り性に優れることを示す。
(5段階評価)
5点:81以上。
4点:79以上81未満。
3点:77以上79未満。
2点:75以上77未満。
1点:75未満。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
実施例14
下記組成の液状化粧料組成物4gを、100%コットン不織布(坪量50g/m
2、質量2g)上にスプレーで噴霧することにより含浸させ、シート状化粧料を得た(含浸率200%)。
得られたシート状化粧料は、高い皮脂拭き取り性を有し、拭き取り後の顔のテカリが抑制された。
【0047】
<液状化粧料組成物>
ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル(HLB12.1)
*1 0.02(質量%)
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(HLB14)
*2 0.05
ポリエチレングリコール(数平均分子量(Mn)400)
*3 0.50
アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体 0.20
炭酸ナトリウム 0.02
メチルパラベン 0.20
香料 0.08
エタノール 25.0
精製水 バランス
合計 100.00
*1)エマノーン108、花王社製
*2)エマノーンCH−60(K)、花王社製
*3)PEG400、日油社製
【0048】
実施例15
下記組成の液状化粧料組成物4.4gを、コットンリンターからなるシート(坪量38g/m
2、質量1.1g)に含浸させ、シート状化粧料を得た(含浸率400%)。
得られたシート状化粧料は、高い皮脂拭き取り性を有し、拭き取り後の顔のテカリが抑制された。
【0049】
<液状化粧料組成物>
ポリオキシエチレン(8)オレイルエーテル(HLB10.0)
*4 0.02(質量%)
ポリエチレングリコール(数平均分子量(Mn)200)
*5 0.50
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油(HLB12.5)
*6 0.05
イソノナン酸イソノニル 0.50
イソプロピルメチルフェノール 0.10
アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体 0.15
香料 0.05
トリエタノールアミン 0.15
エチルパラベン 0.10
エタノール 16.0
精製水 バランス
合計 100.00
*4)エマルゲン409PV、花王社製
*5)PEG200、日油社製
*6)エマノーンCH−40(K)、花王社製