特許第6180361号(P6180361)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180361
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/06 20060101AFI20170807BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20170807BHJP
   B65H 31/02 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   B65H43/06
   G03G15/00 550
   B65H31/02
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-89275(P2014-89275)
(22)【出願日】2014年4月23日
(65)【公開番号】特開2015-205772(P2015-205772A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】小野 智久
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−315178(JP,A)
【文献】 特開2005−035691(JP,A)
【文献】 特開平03−166165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00− 7/20
B65H 31/00−34/40
B65H 43/00−43/08
G03G 13/00
G03G 15/00
G03G 21/16−21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが排出されるシート排出口と、
前記シート排出口側を回動支点として筐体の内部を開放する開姿勢と前記筐体の内部を閉塞するとともに排出されたシートをシート載置面上に載置可能な閉姿勢との間で回動可能に設けられたシートトレイと、
前記シートトレイ上のシートの積載量に応じて回動するアクチュエータと、
前記アクチュエータの回動位置が予め定められた検出位置に到達したことを検出する検出部と、を備え、
前記アクチュエータは、
前記シート排出口の上側に設けられた第1回動軸と、
前記第1回動軸に連結され、前記第1回動軸を中心に回動可能な基端部と、
前記第1回動軸と前記基端部とを予め定められた回動方向へ一体に回動可能に連結する連結機構と、
前記第1回動軸から前記シートトレイ側へ向けて延出され、前記第1回動軸と一体に回動可能であり、前記シート載置面に積載されたシートの積載量に応じて回動する接触子と、
前記第1回動軸に垂直な方向へ延出され、前記基端部の回動に応じて回動可能であり、前記検出位置で前記検出部によって検出される被検出子と、を備え、
前記連結機構は、前記被検出子が前記検出位置を超えた停止位置に到達するまで前記第1回動軸と前記基端部とを一体にして前記回動方向へ回動させ、前記被検出子が前記停止位置に到達すると前記停止位置で前記被検出子を停止させた状態で前記第1回動軸のみを前記回動方向へ回動させるように、前記第1回動軸と前記基端部とを連結するものであり、
前記連結機構は、前記第1回動軸の外周面に設けられ前記第1回動軸に垂直な方向へ突出する突出部と、前記基端部の外周面に設けられ前記基端部が回動するときに前記突出部に当接する当接部と、を有し、
前記当接部には、前記被検出子の自重によって前記検出位置から前記停止位置へ前記被検出子が回動する第1回動向きの第1力が加えられ、
前記突出部には、前記接触子の自重によって前記第1回動向きとは反対の第2回動向きへ前記第1力よりも大きい第2力が加えられており、
自重による前記接触子の回動が停止された停止状態において、前記当接部から前記突出部に前記第1回動向きの前記第1力を受けた状態で、前記接触子は前記停止状態を維持する画像形成装置。
【請求項2】
前記連結機構は、前記接触子及び前記被検出子が所定の角度を維持した状態で前記第1回動軸と前記基端部とを一体にして前記回動方向へ回動させ、前記被検出子が前記停止位置に到達すると前記第1回動軸のみを前記回動方向へ回動させて前記接触子と前記被検出子との前記所定の角度を変化させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シートトレイは、前記閉姿勢において前記シート排出口からシートが排出される排出方向へ延出され、
前記検出位置は、前記基端部よりも前記排出方向の上流側に定められ、
前記被検出子は、前記シート排出口に至るシート排出路から前記第1回動軸の軸方向の外側に隔てられた領域であって前記基端部から前記排出方向の上流側に配置され、前記検出位置を含む範囲内を回動可能であり、
前記連結機構は、前記接触子の回動に応じて前記被検出子が前記停止位置に到達するまで前記当接部が前記第1回動向き側から前記突出部に当接し、前記被検出子が前記停止位置に到達すると前記当接部が前記突出部から離間し、前記接触子のみを前記第1回動向きへ回動可能にする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記被検出子に当接して前記被検出子を前記停止位置で前記第1回動向きの回動を停止するストッパー部材を更に備える請求項1〜3の何れかに記載の又は4に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1回動向きの前記第1力と前記第2回動向きの前記第2力とを合成した前記第2回動向きの第3力よりも弱い前記第1回動向きの第4力を前記接触子に付与する付勢部材を更に備えた請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1回動軸と前記被検出子との間に設けられ、前記第1回動軸の回動力を前記被検出子に伝達して、前記被検出子を前記第1回動軸と連動させる伝達機構を更に備え、
前記伝達機構は、
前記基端部から前記第1回動軸に垂直な方向へ延出され、前記第1回動向き側の外側面に凹状に湾曲した湾曲部を有する第1アームと、
前記基端部の下方に設けられた第2回動軸と、
一端が前記第2回動軸を中心に回動可能に設けられ、他端が前記第2回動軸から前記湾曲部へ向けて延出されて前記湾曲部に当接する第2アームと、
前記被検出子が前記停止位置に到達するまで前記第1回動軸及び前記基端部を一体に回動可能なように、前記第1回動軸と前記基端部との間に弾性部材を介して前記第1回動軸と前記基端部とを所定の角度に保つように弾性的に支持する弾性支持部と、
を有し、
前記被検出子は、前記第2回動軸から前記第2アームとは異なる方向へ延出されて前記検出位置で前記検出部に検出されるものであり、
前記伝達機構は、前記連結機構が前記第1回動軸と前記基端部とを一体に回動可能にするときに、前記第1回動軸の回動に伴って前記第1アームを回動し、その回動により前記湾曲部が前記第2アームの延出端を前記第1回動向きへ移動させるとともに前記第2回動軸を中心に前記第2アームを回動させて前記被検出子の延出端を前記停止位置側へ移動させる請求項1〜の何れかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、装置本体の上面に対して開閉可能に付設されたシートトレイを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のシートに連続してカラー印刷することが可能な画像形成装置には、内部に感光体や現像装置等の各種の画像形成用の機器が装着された箱形の装置本体と、この装置本体の上面開口を塞ぐ上部カバーを兼ねたシートトレイが設けられたものがある。前記シートトレイは、一方向へ延びる支持軸の回りに回動可能に支持されており、装置本体の上面開口に対して閉姿勢と開姿勢との間で姿勢変更可能に設けられている。前記支持軸は、装置本体からシートが排出される排出部の近傍に設けられている。また、前記支持軸の近傍には、前記排紙部から排紙されて前記シートトレイに積載されたシートの枚数が予め設定された上限枚数に達した満杯状態を検出するための検出機構が設けられたものがある。例えば、従来、シートトレイに積載されたシートの枚数に応じて、アクチュエータが回動することによって、シートトレイに積載されたシートが満杯状態か否かを検出する検出機構が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
なお、給紙カセットに積載されたシート残量を検知するアクチュエータが破損しないように構成された給紙装置の技術が開示されているが、排紙機構に適用されるものではない(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−64851号公報
【特許文献2】特開2011−201681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記画像形成装置において、装置本体に装着された複数のトナー容器を交換する際に、前記シートトレイは、開姿勢に変更される。前記画像形成装置が従来のアクチュエータを備えている場合、前記シートトレイの回動に伴って、アクチュエータも回動する。その際に、前記シートトレイに複数枚のシートが積載されていると、最上位のシートがアクチュエータに当接してアクチュエータを押し動かす場合がある。この場合、許容範囲を超えてアクチュエータが回動されることによって、アクチュエータが破損するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、シートトレイに積載されたシートを検出するためのアクチュエータが許容範囲を超えて回動されてもアクチュエータの破損を防止することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、シート排出口、シートトレイ、アクチュエータ、及び検出部を備える。前記アクチュエータは、第1回動軸、基端部、連結機構、接触子、及び被検出子を有する。前記シート排出口は、シートが排出される。前記シートトレイは、前記シート排出口側を回動支点として筐体の内部を開放する開姿勢と前記筐体の内部を閉塞するとともに排出されたシートをシート載置面上に載置可能な閉姿勢との間で回動可能に設けられている。前記アクチュエータは、前記シートトレイ上のシートの積載量に応じて回動する。前記検出部は、前記アクチュエータの回動位置が予め定められた検出位置に到達したことを検出する。前記第1回動軸は、前記シート排出口の上側に設けられている。前記基端部は、前記第1回動軸に連結され、前記第1回動軸を中心に回動可能である。前記連結機構は、前記第1回動軸と前記基端部とを予め定められた回動方向へ一体に回動可能に連結する。前記接触子は、前記第1回動軸から前記シートトレイ側へ向けて延出され、前記第1回動軸と一体に回動可能であり、前記シート載置面に積載されたシートの積載量に応じて回動する。前記被検出子は、前記第1回動軸に垂直な方向へ延出され、前記基端部の回動に応じて回動可能であり、前記検出位置で前記検出部によって検出される。また、前記連結機構は、前記被検出子が前記検出位置を超えた停止位置に到達するまで前記第1回動軸と前記基端部とを一体にして前記回動方向へ回動させ、前記被検出子が前記停止位置に到達すると前記停止位置で前記被検出子を停止させた状態で前記第1回動軸のみを前記回動方向へ回動させるように、前記第1回動軸と前記基端部とを連結する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シートトレイに積載されたシートを検出するためのアクチュエータが許容範囲を超えて回動されてもアクチュエータの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る複合機の構成を示す図である。
図2図2は、複合機のカバーが開いた状態を示す図である。
図3図3は、シートトレイにシートがされた場合に、複合機のカバーを開閉した状態を示す図である。
図4図4は、アクチュエータの構成を示す図である。
図5図5は、アクチュエータの回動状態を示す模式図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る3部材からなるアクチュエータの構成を示す斜視図である。
図7図7は、3部材からなるアクチュエータの構成を示す図である。
図8図8は、3部材からなるアクチュエータの回動状態を示す模式図である。
図9図9は、第1実施形態の第1変形例のバネが設けられたアクチュエータの構成を示す図である。
図10図10は、第1実施形態の第2変形例のアクチュエータの連結機構の構成を示す図である。
図11図11は、第1実施形態の第3変形例のアクチュエータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態は、本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[第1実施形態]
[画像形成装置10]
図1に示される、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10(本発明の画像形成装置の一例)の概略構成について説明する。なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能に設置された設置状態(図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向8と定義する。また、前記設置状態において図1に示される面を正面(前面)として前後方向7(図1の紙面に垂直な方向)を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向9を定義する。
【0012】
画像形成装置10は、制御部2、複数の画像形成ユニット4、中間転写ベルト5、光走査装置13、二次転写ローラー20、定着装置16、シートトレイ18(本発明のシートトレイの一例)、給紙カセット17、操作表示部25、及び搬送経路26(本発明のシート搬出路の一例)などを備えるカラープリンターである。そして、画像形成装置10は、入力される画像データに基づいてシートSにモノクロ画像又はカラー画像を形成する。シートSは、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料である。また、本発明に係る画像形成装置の他の例として、ファクシミリー、コピー機、及び複合機などがある。なお、操作表示部25は、制御部2からの制御指示に従って各種の情報を表示し、ユーザー操作に応じて制御部2に各種の情報を入力するタッチパネルなどである。
【0013】
画像形成ユニット4(4C,4M,4Y,4K)各々は、感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置14、一次転写ローラー15、及びクリーニング装置(不図示)などを備える電子写真方式の画像形成ユニットである。画像形成ユニット4は、中間転写ベルト5の走行方向(水平方向)に沿って並設されており、所謂タンデム方式の画像形成ユニットを構成している。具体的に、画像形成ユニット4CではC(シアン)、画像形成ユニット4MではM(マゼンタ)、画像形成ユニット4YではY(イエロー)、画像形成ユニット4KではK(ブラック)に対応するトナー像が形成される。中間転写ベルト5の走行方向(矢印Y19方向)の下流側から順に、シアン用の画像形成ユニット4C、マゼンタ用の画像形成ユニット4M、イエロー用の画像形成ユニット4Y、ブラック用の画像形成ユニット4Kがその順番で一列に配置されている。
【0014】
中間転写ベルト5は、画像形成ユニット4各々の感光体ドラム11に形成された各色のトナー像が中間転写される中間転写部材である。中間転写ベルト5は、駆動ローラー6A及び従動ローラー6Bによって回転駆動可能に支持されている。駆動ローラー6A及び従動ローラー6Bによって支持されることにより、中間転写ベルト5は、その表面が各感光体ドラム11の表面に接しながら走行(回転)可能になる。そして、中間転写ベルト5は、その表面が感光体ドラム11と一次転写ローラー15との間を通過する際に、各感光体ドラム11からトナー像が順に重ね合わせて転写される。光走査装置13には、各色のレーザー光を照射するレーザー光源、レーザー光を走査するポリゴンミラー、走査されたレーザー光を照射するミラー13C,13M,13Y,13K等を備えている。光走査装置13は、入力される各色の画像データに基づいてレーザー光を画像形成ユニット4各々の感光体ドラム11に照射することにより感光体ドラム11各々に静電潜像を形成する。
【0015】
このように構成された画像形成装置10では、給紙カセット17から搬送経路26に沿って供給されるシートSに以下の手順でカラー画像が形成されて、画像形成後のシートSがシートトレイ18に排出される。なお、搬送経路26には、給紙カセット17に積載されたシートSを二次転写ローラー20及び定着装置16を経てシートトレイ18に搬送する各種搬送ローラーが設けられている。
【0016】
まず、画像形成ユニット4各々では、帯電装置12により感光体ドラム11が所定の電位に一様に帯電される。次に、光走査装置13により感光体ドラム11各々の表面に画像データに基づくレーザー光が照射されることにより、感光体ドラム11各々の表面に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム11各々の静電潜像は現像装置14各々によって各色のトナー像として現像(可視像化)される。なお、現像装置14各々には、各色に対応する着脱可能なトナーコンテナ3(3C,3M,3Y,3K)からトナー(現像剤)が補給される。
【0017】
続いて、画像形成ユニット4各々の感光体ドラム11に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラー15各々によって中間転写ベルト5に順に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト5に画像データに基づくカラー像が形成される。次に、中間転写ベルト5上のカラー像は、二次転写ローラー20により、給紙カセット17から搬送経路26を経て搬送されるシートSに転写される。カラー像が転写されたシートSは、図示しない搬送手段によって定着装置16に搬送される。定着装置16は、高温に加熱された加熱ローラー16Aと、この加熱ローラー16Aに対向配置された加圧ローラー16Bとを有する。定着装置16に搬送されたシートSは、加熱ローラー16Aと加圧ローラー16Bとによって挟持されつつ搬送される。これにより、カラー像がシートSに溶着される。その後、シートSはシートトレイ18に排出される。なお、感光体ドラム11各々の表面に残存したトナーは前記クリーニング装置各々で除去される。
【0018】
また、画像形成装置10には、画像形成ユニット4C,4M,4Yの感光体ドラム11及び一次転写ローラー15と中間転写ベルト5とを接触及び離間させる離接機構(不図示)が設けられている。そして、画像形成装置10においてモノクロ画像が印刷される場合には、前記離接機構により画像形成ユニット4C,4M,4Yの感光体ドラム11及び一次転写ローラー15と中間転写ベルト5とが離間される。これにより、画像形成ユニット4Kから中間転写ベルト5にブラックのトナー像のみが転写されて、中間転写ベルト5からシートSにモノクロの画像が転写される。
【0019】
画像形成装置10の筐体10Aは、全体として略直方体形状の筐体である。筐体10Aの内には、画像形成装置10を構成する各部が配設されている。筐体10Aの上部には、筐体10Aの上部カバーを兼ねたシートトレイ18が設けられている。筐体10Aの上部には、上部収容室10Eが設けられている。上部収容室10Eには、操作表示部25、制御部2、及び搬送経路26のシート排出機構が収容されている。また、上部収容室10Eの側壁面10Bには、搬送経路26の終端に当たるシート排出口27(本発明のシート排出口の一例)が形成されている。シート排出口27は、筐体10Aのシートトレイ18の幅方向(前後方向7に)に対応して幅広の開口である。シートトレイ18は、後述する閉姿勢において、シート排出口27からシートSが排出される排出方向9Aに延出されている。画像が形成されたシートSは、シート排出口27からシートトレイ18に排出され、シートトレイ18のシート載置面18A上に載置される。なお、搬送経路26は、給紙カセット17からシート排出口27に至るまでの経路である。
【0020】
図1に示される画像形成装置10は、アクチュエータ30(本発明のアクチュエータの一例)、検出部31(本発明の検出部の一例)、及びストッパー部24(本発明のストッパー部材の一例)を備えている。アクチュエータ30は、シートトレイ18に積載されるシートSの積載量に応じて回動する(矢印Y31)。検出部31は、アクチュエータ30の回動位置が予め定められた検出位置32(本発明の検出位置の一例)に到達したことを検出する。ストッパー部24は、アクチュエータ30に当接してアクチュエータ30の回動を規制する。なお、シートトレイ18、ストッパー部24、アクチュエータ30、及び検出部31の詳細については後述する。
【0021】
制御部2は、画像形成装置10を統括制御するものである。制御部2は、CPU、ROM、RAM、EEPROMなどを主な構成要素とするマイクロコンピュータとして構成されている。制御部2は、画像形成装置10の内部において、各画像形成ユニット4、二次転写ローラー20、定着装置16、及び駆動ローラー6Aなどに接続されており、これらの構成要素を制御する。また、制御部2は、画像形成ユニット4を構成する各要素、具体的には、帯電装置12、光走査装置13、現像装置14、一次転写ローラー15、及び前記クリーニング装置などに接続されている。
【0022】
このように、画像形成装置10は、複数の画像形成ユニット4(4C,4M,4Y,4K)によって各色のトナー像を走行中の中間転写ベルト5上に重ねて転写することにより、カラー像を中間転写ベルト5の表面に形成させる。さらに、画像形成装置10は、形成されたカラー像を二次転写ローラー20によって中間転写ベルト5からシートSへ転写することにより、シートS上にカラー画像を形成させる。なお、中間転写ベルト5を搬送ベルトとして用い、その搬送ベルト上に搬送されるシートSにカラー像が直接に重ね合わせて転写される構成や、中間転写ベルト5に代えてローラー状の中間転写部材を用いることも他の実施例として考えられる。
【0023】
[トナーコンテナ3の交換とシートトレイ18の開閉]
各トナーコンテナ3は、画像形成ユニット4で現像する色に応じて、マゼンタ用のトナーコンテナ3M、シアン用のトナーコンテナ3C、イエロー用のトナーコンテナ3Y、及びブラック用のトナーコンテナ3Kがある。図2に示されるように、中間転写ベルト5の走行方向(矢印Y19方向)に沿って並設されている各画像形成ユニット4に対応して、各トナーコンテナ3も画像形成装置10の筐体10Aの上部に並設される。各トナーコンテナ3は、画像形成装置10に対して着脱自在な交換部品である。
【0024】
シートトレイ18は、画像形成装置10の筐体10Aの上部カバーを兼ねており、開閉される。シートトレイ18は、筐体10Aに対して閉じられた閉姿勢(図1に示される姿勢)においてシート排出口27から排出方向9Aに延出されている。シートトレイ18は、シート排出口27の近傍側が低く排出方向9Aへ離れるにつれて高くなるように緩やかに傾斜している。シートトレイ18は、シート排出口27側に設けられたカバー回動部23を回動支点として筐体10Aの内部を開放する開姿勢と筐体10Aの内部を閉塞する前記閉姿勢との間で回動可能に設けられている。ここで、前記開姿勢は、前記閉姿勢から図2に示される全開姿勢までに取り得る姿勢である。トナーコンテナ3を交換するために、シートトレイ18が回動可能な方向へ回動されて前記開姿勢にされると、筐体10Aの上部側に装着された各トナーコンテナ3の上部が露出する。各色のトナーコンテナ3に収容されたトナーが無くなると、ユーザーは、画像形成装置10のシートトレイ18を前記開姿勢にして、トナーが無くなったトナーコンテナ3を上方から交換することができる。
【0025】
一般的に、カバー回動部23に最も近いブラック用のトナーコンテナ3Kを交換する際に、ユーザーは、交換スペースを十分に確保するために、シートトレイ18を大きく開放する(矢印Y1)。その際に、回動されるシートトレイ18は、筐体10Aの上部に設けられた上部収容室10Eの側壁面10Bに当接するまで回動可能である。以下、シートトレイ18が側壁面10Bに当接する位置を許容限界位置と称する。なお、前記許容限界位置は、シートトレイ18が前記全開姿勢(図2に示される姿勢)まで回動されたときのシートトレイ18の回動位置である。シートトレイ18が前記許容限界位置まで回動されると、シートトレイ18のシート載置面18Aがアクチュエータ30に当接する。この場合、アクチュエータ30はシート載置面18Aに押されて同じ方向に回動される(矢印Y32)。そのため、アクチュエータ30は、検出位置32を超えて回動可能に形成されている。ところで、図3(A)及び図3(B)に示されるように、シートSが載置された状態でシートトレイ18が前記開姿勢にされる場合がある。この場合、シートSが筐体10Aに覆い被さってアクチュエータ30を過度に回動させてしまい(矢印Y32)、ストッパー部24に当接して回動が停止してからも回動方向へ力が加えられることによって、アクチュエータ30が破損することがある。本第1実施形態では、以下に説明するように、このような破損が生じないようにアクチュエータ30が構成されている。
【0026】
[アクチュエータ30及び検出部31]
図4及び図5に示されるように、アクチュエータ30は、第1回転子40及び第2回転子50を備える。なお、図4(A)は、アクチュエータ30の構成を示す斜視図である。図4(B)は、回動軸42及び突出部43の構成を示す断面図である。図4(C)は、円筒部52及び当接部53の構成を示す断面図である。
【0027】
図4(A)に示されるように、第1回転子40は、接触子41(本発明の接触子の一例)、回動軸42(本発明の第1回動軸の一例)、及び突出部43(本発明の突出部の一例)を備える。回動軸42は、アクチュエータ30を回動可能に支持し、シート排出口27の上側に配設されている(図1参照)。回動軸42は、前後方向7に細長い円柱状の形状である。回動軸42の端部のうち、前後方向7の前側が端部42Aであり、後側が端部42Bである。回動軸42は、回動可能なように筐体10Aに二箇所で支持されている。支持される二箇所は、回動軸42の接触子41と端部42Aとの間の第1支持位置と、回動軸42の接触子41と端部42Bとの間の第2支持位置とである。
【0028】
接触子41は、回動軸42からシートトレイ18側へ延出されており、回動軸42と一体に形成されている。また、接触子41は、シートトレイ18のシート載置面18Aに対して接離する方向へ回動軸42と一体に回動可能である。ここで接離する方向とは、接触子41がシート載置面18Aに接近する向き(矢印Y2)又はシート載置面18Aから離反する向き(矢印Y1)である。シートトレイ18にシートSが載置されていない場合、接触子41はシートトレイ18に接触する。シート排出口27から排出されたシートSがシートトレイ18に載置されると、接触子41は、載置されたシートSの積載量に応じてシートトレイ18から離れる向きへ回動する。回動軸42は、接触子41の回動に基づいて、同方向へ同じ回動量だけ回動する。このように、接触子41は、回動軸42に回動可能に支持されている。そのため、シートトレイ18が前記閉姿勢の場合に、接触子41は、シートトレイ18に積載される最上位のシートSに接触して、積載されるシートSの積載量に応じて上下方向8へ回動する。シートトレイ18が前記開姿勢の場合に、接触子41は、シートトレイ18のシート載置面18Aに当接して、シートトレイ18が回動される方向と同じ方向へ回動される。
【0029】
図4(B)は、図4(A)における切断面IVB―IVBの断面図の回動軸42である。図4(B)に示されるように、突出部43は、回動軸42の外周面に垂直な方向へ突出して設けられている。突出部43は、回動軸42と一体に形成されている。そのため、突出部43は、接触子41の回動に基づいて、同方向へ同じ回動量だけ回動する。また、突出部43が設けられた位置は、回動軸42に接触子41が設けられた位置と回動軸42の端部42Aとの間であり、前記第1支持位置よりも前後方向7の前側である。
【0030】
図4(A)に示されるように、第2回転子50は、遮光片51(本発明の被検出子の一例)、円筒部52(本発明の基端部の一例)、及び当接部53(本発明の当接部の一例)を備える。図4(C)は、図4(A)における切断面IVB―IVBの断面図の円筒部52である。円筒部52は、前後方向7に細長く、図4(C)に示されるように、上下方向8及び左右方向9の断面の形状が筒状である。円筒部52は、円筒部52の軸中心と回動軸42の軸中心とが一致するように、回動軸42が挿通されて、回動軸42の挿通された部分を覆うように連結されている。円筒部52は、回動軸42を中心に回動可能である。円筒部52は、シートトレイ18が前記閉姿勢の場合に、接触子41の回動に伴って、所定の角度を維持した状態で、回動軸42と予め定められた回動方向へ一体に回動する。また、円筒部52は、シートトレイ18が前記開姿勢の場合に、遮光片51が前記ストッパー部24に到達すると、回動軸42のみが前記回動方向へ回動されて、前記所定の角度が変化する。図4(A)に示されるように、当接部53は、円筒部52の外周面に設けられ、回動軸42に沿って前後方向7の後側へ延び出た形状であり、回動する突出部43に当接する。突出部43が当接部53に連結する位置は、遮光片51よりも前後方向7の後側であり、接触子41よりも前後方向7の前側である。
【0031】
遮光片51は、円筒部52と一体に形成されている。遮光片51は、円筒部52から回動軸42に垂直な方向へ延出されており、円筒部52の回動に応じて回動可能であり、検出位置32で検出部31によって検出される。遮光片51は、搬送経路26から回動軸42の軸方向(前後方向7の前方)の外側に隔てられた領域であって、円筒部52から排出方向9Aの上流側に配置されている。遮光片51は、搬送経路26の外側の領域に配置されているため、搬送経路26に交差しない。遮光片51が延出される方向は、シートトレイ18にシートSが載置されていない場合に、円筒部52から排出方向9Aの上流側へ傾斜した方向である。遮光片51が予め定められた停止位置に到達するまで、円筒部52から遮光片51が延出する方向と回動軸42から接触子41が延出する方向との間の前記所定の角度は、約120度である。遮光片51の前後方向7の前側面の形状は、延出端側が円筒部52側の端部よりも幅広く扇形状に形成されている。また、フォトセンサーの受光部が設けられた検出位置32は、円筒部52から排出方向9Aの上流側に定められており、遮光片51が回動可能な範囲内である。遮光片51の扇形形状の前記延出端側が、シート載置面18Aに積載されたシートSの積載量に伴い、検出位置32に到達すると検出部31によって検出される。シート排出口27からシートSが排出されるとき、排出方向9Aに排出されるシートSに接触する接触子41は排出方向9A(左右方向9)に揺動する。遮光片51の延出方向と接触子41の延出方向との間の前記所定の角度が約120度であるため、接触子41の揺動は向きを変えられて遮光片51に伝えられ、遮光片51が上下方向8に揺動するように回動する。遮光片51の端部が扇形状であるため、遮光片51が検出位置32を超えて回動しても遮光状態を維持することができる。
【0032】
検出部31は、図示しないフォトセンサーの発光部及び受光部から構成されている。検出部31が遮光片51の前記延出端側を検出する検出位置32は、前記シートトレイ18が前記閉姿勢の場合に、シート載置面18Aに積載されたシートSの積載量が満杯を示す位置に定められている。遮光片51が前記発光部及び前記受光部の間に位置して、前記発光部から出射された光を遮光する。検出位置32に設けられた前記受光部は、入力された光量が予め定められた閾値以上か未満かを示す信号を制御部2に出力する。遮光片51は、シートトレイ18のシート載置面18Aに載置されたシートSの積載量に応じて上下方向8へ回動する。そのため、接触子41の回動に伴って回動する遮光片51の前記延出端が満杯時の検出位置32に到達すると、遮光片51は、前記発光部からの光を遮断する。受光量が前記閾値未満になった前記受光部は、前記閾値未満を示す信号を制御部2に出力する。制御部2は、前記受光部からの信号によって、シートトレイ18のシートSの積載量が満杯であることを検出する。なお、前記受光部の位置は、遮光片51が予め定められた検出位置32に到達したことを検出可能であればよい。例えば、前記受光部の検出位置32は、シートSの積載量が半分の位置、積載量が三分の一の位置などでもよい。
【0033】
突出部43及び当接部53によって、連結機構33(本発明の連結機構の一例)が構成されている。図4(A)に示されるように、当接部53には、遮光片51の自重によって検出位置32から前記停止位置へ回動する第1回動向き(矢印Y1)の力が加わる。突出部43には、接触子41の自重によって接触子41がシート載置面18A側に向かう、前記第1回動向きとは回動方向が反対である第2回動向き(矢印Y2)の力が加わる。突出部43が当接部53よりも前記第1回動向きの回動方向下流側に設けられているため、当接部53が前記第1回動向き側から突出部43に当接する。図4(B)に示される突出部43の前記第2回動向き側の面43Aと、図4(C)に示される当接部53の前記第1回動向き側の面53Aとが当接する。接触子41の自重が遮光片51の自重よりも重いため、接触子41の自重により前記第2回動向きへ加えられる第2力が遮光片51の自重により前記第1回動向きへ加えられる第1力よりも大きい。シートトレイ18が前記閉姿勢において、接触子41の自重による前記第2力は、遮光片51の自重による前記第1力の影響を考慮しなくても良い程度に大きい。そのため、自重による接触子41の回動が停止された停止状態において、当接部53から突出部43に前記第1回動向きの前記第1力を受けた状態で、接触子41は前記停止状態を維持する。そのため、接触子41の回動により突出部43が回動されると、当接部53は、遮光片51の自重によって突出部43に当接するまで回動する。このように、遮光片51の回動は、接触子41の回動に依存する。言い換えると、連結機構33は、接触子41及び遮光片51が前記所定の角度を維持した状態で回動軸42と円筒部52とを一体にして前記第1回動向き又は前記第2回動向きへ回動させる。連結機構33は、接触子41の回動に応じて遮光片51が検出位置32を超えた前記停止位置に到達するまで回動軸42と円筒部52とを一体にして前記第1回動向き又は前記第2回動向きへ回動させる。具体的には、シートトレイ18が前記閉姿勢の場合に、接触子41は、シート載置面18A上に載置されたシートSの積載量に応じて回動する。これに伴い、突出部43の位置も前記第2回動向きに移動する。遮光片51が前記停止位置に到達して、他の力が加わるまで、遮光片51は、接触子41に伴って回動する。
【0034】
ストッパー部24は、筐体10Aに設けられており、前記停止位置まで回動された遮光片51に当接して、遮光片51を前記停止位置から前記第1回動向きへの回動を停止する部材である。ストッパー部24の位置は、シートSが載置されていないシートトレイ18が前記開姿勢にされて前記許容限界位置まで回動されても遮光片51がストッパー部24に当接しない位置である。一方、ストッパー部24の位置は、予め定められた量のシートSが載置されたシートトレイ18が前記開姿勢にされて限界まで回動されると遮光片51がストッパー部24に当接する位置である。当接によりストッパー部24から遮光片51に加えられる前記第2回動向きの力は、遮光片51と一体に形成された当接部53にもかかる。そのため、遮光片51が前記停止位置に到達すると突出部43の前記第2回動向き側の面43Aが当接部53の前記第1回動向き側の面53Aから離間し、接触子41のみが前記第1回動向きへ回動可能になる。
【0035】
[アクチュエータ30の動作と連結機構33]
図5(A)乃至図5(F)を参照しながら、アクチュエータ30の動作と連結機構33の状態について説明する。なお、図5(A)乃至図5(F)は、アクチュエータ30の動作状態を示す図である。なお、図5(C)乃至図5(E)は、シートトレイ18が前記開姿勢にされた場合のアクチュエータ30の動作と連結機構33の状態を示している。図5(A)に示されるように、自重による接触子41の前記第2回動向き(矢印Y2)の第2力が、自重による遮光片51の前記第1回動向き(矢印Y1)の第1力よりも強い。突出部43は、接触子41の自重により前記第2回動向きの力を受け、当接部53を前記第2回動向きへ押す。一方、当接部53は、遮光片51の自重により前記第1回動向きの力を受け、突出部43を前記第1回動向きへ押す。このように、連結機構33を構成する当接部53と突出部43とは、相互に反対方向の力が加えられ、突出部43と当接部53とが連結して、回動軸42及び円筒部52が一体に回動する。回動軸42及び円筒部52の回動は、自重が大きい接触子41の回動に依存する。接触子41の回動力により突出部43が回動されると、遮光片51は、当接部53が突出部43に当接するまで回動される。そのため、シートトレイ18が前記閉姿勢の場合に、接触子41及び遮光片51の前記所定の角度を維持した状態で、シートトレイ18のシートSの積載量に応じて遮光片51が回動する。接触子41がシート載置面18Aから離反する前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動すると、連結された遮光片51は同じ方向へ回動する。逆に、接触子41がシート載置面18Aに接触する前記第2回動向き(矢印Y2)へ回動すると、連結された遮光片51も同じ方向へ回動する。このように、接触子41及び遮光片51等から構成されるアクチュエータ30は、シートトレイ18に積載されるシートSの積載量に応じて回動する。
【0036】
また、図5(B)に示されるように、シートトレイ18に積載されるシートSの積載量が増えると、接触子41はこれに応じて前記第1回動向きへ回動する(矢印Y1)。連結された遮光片51も前記第1回動向きへ回動する(矢印Y1)。積載されたシートSの積載量が満杯になると、接触子41はこれに応じて満杯時の位置まで回動する。連結された遮光片51も予め定められた満杯時の検出位置32にある検出部31の前記受光部を遮光する。前記受光部から所定量以下の光量しか検出できない検出部31は、シートトレイ18が満杯であることを示す信号を制御部2に出力する。
【0037】
次に、図5(C)に示されるように、シートトレイ18が前記開姿勢にされると、接触子41は、シート載置面18Aに当接して前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動する。接触子41の回動に伴って、遮光片51も前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動する。シートトレイ18にシートSが積載された状態でシートトレイ18が限界まで回動されると、接触子41は、シートSの積載量の分だけ余計に前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動される。これに伴い、遮光片51も前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動される。仮に、シートトレイ18に積載されたシートSの積載量が予め定められた積載量以上の場合、遮光片51は、検出位置32を超えた前記停止位置に設けられたストッパー部24に到達するまで回動される。遮光片51がストッパー部24に当接することによって、当接部53は、遮光片51から前記第2回動向き(矢印Y2)の新たな力が加わる。突出部43から当接部53にかかる接触子41の自重による前記第2回動向き(矢印Y2)の第2力に、遮光片51の当接による新たな力が加わって、当接部53にかかる遮光片51の自重による前記第1回動向き(矢印Y1)の第1力よりも大きくなる。そのため、遮光片51が前記停止位置に到達すると、前記停止位置で遮光片51を停止させた状態で回動軸42のみが前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動されて、接触子41と遮光片51との前記所定の角度が変化される。このように、連結機構33は、遮光片51が検出位置32を超えたストッパー部24の位置に到達するまで、回動軸42と円筒部52とを一体にして前記第1回動向き(矢印Y1)及び前記第2回動向き(矢印Y2)とを連結する。また、連結機構33は、遮光片51が検出位置32を超えたストッパー部24の位置に到達すると前記停止位置で遮光片51を停止させた状態で回動軸42のみを前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動させるように、回動軸42と円筒部52とを連結する。
【0038】
図5(D)に示されるように、シートトレイ18が前記全開姿勢にされた場合、遮光片51は、ストッパー部24に当接して、それ以上の前記第1回動向き(矢印Y1)への回動が停止される。一方、接触子41は、シートトレイ18の回動に伴って、シートトレイ18の許容限界位置まで前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動される。仮に、シートトレイ18に積載されたシートSの積載量が予め定められた積載量以上の場合、接触子41は、前記許容限界位置まで前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動される。この場合、連結機構33は、回動軸42のみを前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動させて接触子41と遮光片51との前記所定の角度を変化させる。そのため、シートトレイ18に予め定められた積載量以上のシートSが積載されたとしても、アクチュエータ30を構成する接触子41、連結機構33、及び遮光片51等に想定外の力が加わらない。言い換えると、アクチュエータ30がストッパー部24に当接して想定外の力がアクチュエータ30に加わることにより、アクチュエータ30が破損する恐れがない。
【0039】
図5(E)に示されるように、シートトレイ18が前記開姿勢から前記閉姿勢にされて前記第2回動向き(矢印Y2)へ回動される際に、接触子41は自重により前記第2回動向き(矢印Y2)へ回動される。接触子41の前記第2回動向き(矢印Y2)への回動に伴い、当接部53が突出部43に当接して、遮光片51とストッパー部24との当接が解除される。連結機構33には、接触子41の自重による突出部43から当接部53にかかる前記第2回動向き(矢印Y2)の前記第2力と、遮光片51の自重による当接部53から突出部43にかかる前記第1回動向き(矢印Y1)の前記第1力とのみがかかる状態になる。前記第2力の方が前記第1力よりも大きい。そのため、突出部43と当接部53とが前記所定の角度を維持した状態で、接触子41の回動に伴って一体に回動可能になる。接触子41と遮光片51とが連結されて同じ前記第2回動向き(矢印Y2)へ回動される。そのため、ストッパー部24が設けられた前記停止位置から遮光片51が上下方向8の上方向へ移動させられる。
【0040】
図5(F)に示されるように、シートトレイ18が前記閉姿勢にされると、連結機構33に連結された接触子41と遮光片51とは、前記所定の角度を維持しつつ一体に同方向へ回動する。シートトレイ18にシートSが積載されないと接触子41及び遮光片51は、前記第2回動向き(矢印Y2)へ回動する。シートトレイ18にシートSが積載されると、シートSの積載量に応じて接触子41及び遮光片51は、前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動する。このように、連結機構33は、接触子41及び遮光片51が前記所定の角度を維持した状態で回動軸42と円筒部52とを一体にして前記第1回動向き(矢印Y1)及び前記第2回動向き(矢印Y2)へ回動させる。連結機構33は、遮光片51が前記停止位置に到達すると回動軸42のみを前記第1回動向き(矢印Y1)へ回動させて接触子41と遮光片51との前記所定の角度を変化させる。これにより、連結機構33は、アクチュエータ30の接触子41が過度に回動されても、破損されることを防止する。また、連結機構33は、接触子41及び遮光片51が前記所定の角度を維持した状態で一体に回動可能にすることによって、シートトレイ18に積載されたシートSの積載量が満杯になったときに、常に遮光片51が検出位置32に回動されるようにすることができる。
【0041】
[第1実施形態の効果]
以上説明したように、本発明の第1実施形態の画像形成装置10によれば、シートトレイ18に積載されたシートSを検出するためのアクチュエータ30が許容範囲を超えて回動されても破損を防止することができる。また、アクチュエータ30の構成を第1回転子40と第2回転子50との2部材を自重により連結させる簡易な構成で実現することが可能である。
【0042】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。前述の第1実施形態の説明では、アクチュエータ30が第1回転子40及び第2回転子50との2部材によって構成される場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。第1回転子40の回動力が遮光片51に直接伝達されるものでなく、他部材を介して間接的に伝達されるものでもよい。例えば、第2回転子50の代わりに、円筒部52及び当接部53が形成された第1部材61と、遮光片51が形成された第2部材62とを備えるものでもよい。特に、検出部31及び検出位置32等をカバー回動部23の近傍に配設するスペースが不十分な場合に有用である。本発明の第2実施形態では、第1回転子40の回動力が前記他部材を介して間接的に遮光片51に間接的に伝達される伝達機構60を備える必要がある。以下、本発明の第2実施形態の説明では、本発明の第1実施形態と異なる部分だけ説明して、共通する部分の構成の説明は省略する。
【0043】
[アクチュエータ30Aの構成]
図6(A)は、第2実施形態にかかるアクチュエータ30Aの正面側の斜視図であり、図6(B)は背面側の斜視図である。図7は、アクチュエータ30Aの側面図である。図6及び図7に示されるように、アクチュエータ30Aは、第1回転子40、第1部材61、第2部材62、及びねじりコイルバネ35(本発明の弾性支持部の一例)、を備える。
【0044】
第1回転子40は、3つの接触子41、回動軸42、及び突出部43を備える。接触子41を3つにすることによって、接触子41の自重によりシートSにかかる力を分散して、シートSが受けるダメージを軽減する。
【0045】
第1部材61は、円筒部52、当接部53、及び第1アーム61A(本発明の第1アームの一例)を備える。第1アーム61Aは、円筒部52から回動軸42に垂直な方向へ延出されており、湾曲部63(本発明の湾曲部の一例)が形成されている。湾曲部63は、第1アーム61Aの前記第1回動向き(矢印Y21参照)の外側面に凹状に湾曲した部分である。湾曲部63は、第1アーム61Aの円筒部52とは反対側の端部の近傍から円筒部52の方に向かった部分に形成されている。
【0046】
第2部材62は、湾曲当接部64、第2アーム65(本発明の第2アームの一例)、遮光片51(本発明の被検出子の一例)、及び連結軸部66(本発明の第2回動軸の一例)を備える。前後方向7の前面側図の第2部材62の形状は、略L字型である。連結軸部66は、回動軸42及び円筒部52の上下方向8の下方に設けられており、連結軸部66を中心に第2部材62は回動可能に設けられている。第2アーム65は、一端が連結軸部66から第1部材61の湾曲部63へ向けて延出されている。第2アーム65は、他方の延出端に第1部材61の湾曲部63に当接する湾曲当接部64が形成されている。湾曲当接部64は、前後方向7に向かって延びる円柱状の形状である。遮光片51は、連結軸部66によって第2アーム65に連結されており、連結軸部66から第2アーム65とは異なる方向へ延出されている。遮光片51の延出端51Aは、検出位置32で検出部31に検出される被検出部が形成されている。
【0047】
図6(B)に示されるように、ねじりコイルバネ35は、回動軸42と円筒部52との間に設けられている。ねじりコイルバネ35は、連結機構33とともに、回動軸42と円筒部52とのなす角度を前記所定の角度に保つように支持するものである。ねじりコイルバネ35は、第1バネアーム35A、第2バネアーム35B、及び巻本体35Cから構成されている。第1バネアーム35Aは、第1部材61の外側面に設けられた係止部61Cに係止されている。第1バネアーム35Aは、円筒部52及び第1部材61に弾性力を伝え、逆に円筒部52及び第1部材61から回動力が伝えられる。第2バネアーム35Bは、回動軸42から径方向へ突出した係止部42Cに係止されている。第2バネアーム35Bは、回動軸42に弾性力を伝え、逆に回動軸42から回動力が伝えられる。巻本体35Cは、内径が回動軸42よりも大きく、硬鋼線又はピアノ線が所定の巻き数及び所定のピッチで巻かれている。また、ねじりコイルバネ35は、巻本体35Cが回動軸42を挿通するように設けられており、その中心軸は、回動軸42及び円筒部52と同一軸上に設けられている。仮に、回動軸42と円筒部52とのなす角度が前記所定の角度よりも広げられると、第1バネアーム35Aと第2バネアーム35Bとのなす角度も前記所定の角度よりも広げられ、ねじりコイルバネ35が変形される。この場合、ねじりコイルバネ35の復元力によって、第1バネアーム35Aと第2バネアーム35Bとのなす角度が前記所定の角度に保つ力が働く。このように、ねじりコイルバネ35は、遮光片51が前記停止位置に到達するまで、回動軸42及び円筒部52を一体に回動可能なように配置されている。ねじりコイルバネ35は、回動軸42と円筒部52との間に巻本体35Cを介して回動軸42と円筒部52とのなす角度を前記所定の角度に保つように弾性的に支持する。ねじりコイルバネ35の弾性力によって、接触子41、第1部材61、及び第2部材62の力のバランスを調整して、連結される部材相互の前記所定の角度を一定に保つ。例えば、シートトレイ18が前記全開姿勢にされた場合に、遮光片51の延出端51Aがストッパー部24に当接して、第1部材61及び第2部材62の回動が防止されて、シートトレイ18から力が加えられた接触子41のみが回動される。シートトレイ18が前記閉姿勢にされて、接触子41を回動させる力が加えられなくなった場合、ねじりコイルバネ35の弾性力により、接触子41、第1部材61、及び第2部材62が相互に連結されて、部材相互の前記所定の角度を一定に戻すことが可能になる。
【0048】
第1部材61、第2部材62、及びねじりコイルバネ35によって、接触子41及び回動軸42の回動力を遮光片51に伝達する伝達機構60が構成される。伝達機構60は、回動軸42と遮光片51との間に設けられ、回動軸42の回動力を遮光片51に伝達して、遮光片51を回動軸42と連動させるものである。具体的には、伝達機構60は、連結機構33が回動軸42と円筒部52とを一体に回動可能にするときに、回動軸42の回動に伴って第1アーム61Aを回動する。さらに、第1アーム61Aの回動により湾曲部63が第2アーム65の延出端である湾曲当接部64を前記第1回動向きへ移動させるとともに連結軸部66を中心に第2アーム65を回動させる。これにより、第2アーム65と一体に連結された遮光片51の延出端51Aは、前記停止位置側へ移動される。
【0049】
[アクチュエータ30Aの動作]
図7図8(A)乃至図8(D)を参照しながら、アクチュエータ30Aの動作と連結機構33について説明する。なお、図8(C)及び図8(D)は、シートトレイ18が前記開姿勢にされた場合のアクチュエータ30の動作と連結機構33の状態を示している。図7に示されるように、自重による接触子41の前記第2回動向き(矢印Y22)の第2力が、自重による第1アーム61Aの前記第1回動向き(矢印Y21)の第1力よりも強い。また、当接部53が突出部43に当接したときの回動軸42及び円筒部52のなす角度は、前記所定の角度である。ねじりコイルバネ35は、前記所定の角度を保つように回動軸42及び円筒部52を支持する。遮光片51がストッパー部24に当接しない場合には、第2部材62から第1アーム61Aにかかる力よりもねじりコイルバネ35の弾性力の方が強い。そのため、連結機構33は、当接部53が突出部43に当接した状態を保ち、回動軸42及び円筒部52を一体に回動可能に連結する。この場合、当接部53と突出部43とは、相互に異なる方向から力が加えられる。突出部43に連結された当接部53は、突出部43と同じ回動方向へ回動される。
【0050】
図8(A)に示されるように、第2実施形態のアクチュエータ30Aでは、接触子41の前記第1回動向き(矢印Y21)の回動力により突出部43が前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動される。ねじりコイルバネ35は、前記所定の角度を保つように当接部53に弾性力を及ぼして、移動された突出部43に当接するまで当接部53を前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動させる。当接部53の回動力により第1アーム61Aが前記第1回動向き(矢印Y23)へ回動される。第1アーム61Aの回動により、湾曲部63が湾曲当接部64を前記第1回動向き(矢印Y23)へ移動させる。湾曲当接部64は、湾曲部63に沿って上下方向8の上方向(矢印Y24)へ移動する。湾曲当接部64が移動される力により、連結軸部66を中心として、第2部材62が回動する。第2部材62の第2アーム65が左右方向9の左方向(矢印Y25)へ移動し、遮光片51の延出端51Aが検出位置32のある上下方向8の上方向(矢印Y26)へ移動する。このように、接触子41がシート載置面18Aから離反する前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動すると、第1アーム61Aを有する第1部材61は同じ方向(矢印Y23)へ回動する。一方、第2部材62は、第2アーム65の延出端である湾曲当接部64が湾曲部63から前記第1回動向きとは反対向きの回動力を受けるため、連結軸部66を中心に前記第2回動向きへ回動する。これにより、連結軸部66から第2アーム65と異なる方向へ延出した遮光片51の延出端51Aが上下方向8の上方向(矢印Y26)へ押し上げられる。
【0051】
なお、接触子41がシート載置面18Aに接触する前記第2回動向き(矢印Y22)へ回動すると、第1アーム61Aを有する第1部材61は同じ方向へ回動する。一方、第2部材62は、第2アーム65の延出端である湾曲当接部64が、第1アーム61Aの湾曲部63から受ける前記第1回動向きの力が弱まる。一方、第2部材62は、遮光片51の自重により前記第1回動向きへ回動する力がかかるため、湾曲当接部64が湾曲部63に当接したまま前記第2回動向きへ移動する。これにより、遮光片51の延出端51Aが上下方向8の下方向へ押し下げられる。
【0052】
また、図8(B)に示されるように、積載されたシートSの積載量が満杯になると、接触子41はこれに応じて満杯時の位置まで回動する。第1アーム61Aを有する第1部材61も満杯時の位置まで移動する。第1アーム61Aの湾曲部63から力を受ける湾曲当接部64は、湾曲部63に沿って、第1アーム61Aの端部から中心方向へ移動する(矢印Y24)。湾曲部63及び湾曲当接部64の移動によって、第1部材61から第2部材62への力の向きが変えられる。遮光片51の延出端51Aが上方向(矢印Y26)へ押し上げられ、予め定められた満杯時の検出位置32に到達して、検出部31の前記受光部を遮光する。このように、伝達機構60は、接触子41の回動に伴い回動する円筒部52の回動力を遮光片51に伝達する。また、連結機構33は、接触子41及び遮光片51の前記所定の角度を維持した状態で回動軸42と円筒部52とを一体にして前記回動方向へ回動させる。
【0053】
次に、図8(C)に示されるように、シートトレイ18が前記開姿勢にされると、接触子41は、シート載置面18Aに当接して同方向(矢印Y21)へ回動する。接触子41に一体に形成された突出部43及び突出部43に連結される当接部53は、前記所定の角度を維持したまま前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動する。突出部43及び当接部53の回動に伴って、第1部材61も同方向(矢印Y23)へ回動する。湾曲当接部64は、第1アーム61Aの湾曲部63に沿って上下方向8の上方向(矢印Y24)へ移動する。遮光片51の延出端51Aは、湾曲当接部64の回動に伴って、上方向(矢印Y26)へ押し上げられる。
【0054】
仮に、シートトレイ18に予め定められた積載量以上のシートSが積載された状態でシートトレイ18が限界まで回動されると、遮光片51の延出端51Aは、ストッパー部24に到達するまで回動される。遮光片51の延出端51Aがストッパー部24に当接することによって、当接部53は、第1アーム61Aから前記第2回動向き(矢印Y22)の新たな力が加わる。この新たな力によって、第1部材61及び第2部材62の回動が停止される(以下、停止力と称する)。前記停止力が伝達されてねじりコイルバネ35の第2バネアーム35B側の位置が停止され、シートトレイ18の回動に伴いねじりコイルバネ35の第1バネアーム35A側が回動される。そのため、第1バネアーム35Aと第2バネアーム35Bとのなす角度が前記所定の角度から広がり、ねじりコイルバネ35には復元力が蓄積される。また、延出端51Aが前記停止位置に到達すると、当接部53が突出部43から離間するため、前記停止位置で延出端51Aを停止させた状態で回動軸42のみを前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動させて、接触子41と第1アーム61Aとの前記所定の角度を変化させることが可能になる。このように、連結機構33は、遮光片51の延出端51Aが前記停止位置に到達するまで、回動軸42と円筒部52とを一体にして前記第1回動向き(矢印Y21)及び前記第2回動向き(矢印Y22)とを連結する。また、連結機構33は、遮光片51の延出端51Aが前記停止位置に到達すると前記停止位置で延出端51Aを停止させた状態で回動軸42のみを前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動させるように、回動軸42と円筒部52とを連結する。
【0055】
図8(D)に示されるように、遮光片51の延出端51Aがストッパー部24に当接して、それ以上の前記第1回動向き(矢印Y21)への回動が停止される。これによって、第1部材61及び第2部材62がそれ以上回動されることが防止される。一方、接触子41は、シートトレイ18の回動に伴って、シートトレイ18の許容限界位置まで前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動される。仮に、シートトレイ18に積載されたシートSの積載量が予め定められた積載量以上の場合、接触子41は、前記許容限界位置まで前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動される。この場合、連結機構33は、回動軸42のみを前記第1回動向き(矢印Y21)へ回動させて接触子41と第1アーム61Aとの前記所定の角度を変化させる。そのため、シートトレイ18に予め定められた積載量以上のシートSが積載されたとしても、アクチュエータ30Aを構成する接触子41、連結機構33、第1部材61、及び第2部材62等に想定外の力が加わらない。
【0056】
シートトレイ18が前記閉姿勢へ回動される際に、接触子41は、シートトレイ18を介して外部から力を受けなくなる。ねじりコイルバネ35の復元力及び接触子41の自重により、接触子41は、前記第2回動向き(矢印Y22)へ回動される。接触子41の前記第2回動向き(矢印Y22)への回動に伴い、当接部53が突出部43に当接すると、ねじりコイルバネ35の復元力及び接触子41の自重が遮光片51に伝達される。これにより遮光片51の延出端51Aとストッパー部24との当接が解除される。第1部材61及び第2部材62は、回動を停止させる前記停止力がかからなくなる。連結機構33には、接触子41の自重による突出部43から当接部53にかかる前記第2回動向き(矢印Y22)の前記第2力と、遮光片51の自重による当接部53から突出部43にかかる前記第1回動向き(矢印Y21)の前記第1力、及びねじりコイルバネ35による前記所定の角度を保持する力のみがかかる状態になる。接触子41の自重による前記第2力が、第1アーム61Aなどの自重による前記第1力よりも大きい。そのため、突出部43と当接部53とが前記所定の角度を維持した状態で一体に回動可能になる。接触子41と第1部材及び第2部材とが連結されて同じ回動方向へ回動される。そのため、ストッパー部24が設けられた前記停止位置から遮光片51の延出端51Aが上下方向8の下方向へ移動させられる。
【0057】
シートトレイ18が再び前記閉姿勢にされると、アクチュエータ30Aを構成する接触子41、第1部材61、及び第2部材62は、連結して動作することによって、シートトレイ18にシートSが満杯まで積載されたか否かを検出可能になる。
【0058】
[第2実施形態の効果]
以上説明したように、本発明の第2実施形態のアクチュエータ30Aは、前述した第1実施形態のアクチュエータ30と同様に、許容範囲を超えて回動されても破損を防止することができる。また、第2実施形態のアクチュエータ30Aは、伝達機構60を設けることによって、接触子41と遮光片51とを離れた位置に設けることができるため、検出部31の配置位置の制限が緩和される。
【0059】
[第1実施形態の第1変形例]
前述した第1実施形態の説明では、第1回転子40の自重及び第2回転子50の自重の力のバランスにより、連結機構33が前記所定の角度を維持し又は前記所定の角度を変化可能にする構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、図9に示されるように、連結機構33は、自重に加えて、バネ34の付勢力によってバランスを調整されたものでもよい。具体的には、第2回転子50による前記第1回動向き(矢印Y11)の第1力と第1回転子40による前記第2回動向き(矢印Y12)の第2力とを合成した前記第2回動向きの力を第3力(矢印Y13)とする。この場合、前記第2回動向きの力を第3力(矢印Y13)よりも弱い前記第1回動向きの第4力(矢印Y14)を付与するバネ34を備えた構成の連結機構33にする。付勢部材であるバネ34によって、接触子41が自重のみによって回動して、シートSに接触する際の衝撃力を弱めることができる。バネ34の配置位置は、前述した第2実施形態のねじりコイルバネ35のように、回動軸42及び円筒部52と同一の軸上になくてもよい。図9に示されるように、第1回転子40を前記第1回動向きへ付勢するものであれば、形状及び装着位置は任意のものでもかまわない。また、第1回転子40及び第2回転子50の力のバランスをバネ34の付勢する力によって調整することが可能になる。なお、バネ34の代わりに、ゴムなどの付勢部材であれば材質は問わない。
【0060】
[第1実施形態の第2変形例]
前述した第1実施形態の説明では、連結機構33の構成が1つの突出部43及び当接部53が1つの場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、図10(A)に示されるように、突出部43Bと当接部53Bとが当接し、突出部43Cと当接部53Cとが当接するものでもよい。このように、当接箇所が2箇所以上にすることによって、突出部43と当接部53とにかかる力を分散して大きな力がかかることによる破損を防止することが可能になる。また、図10(B)に示されるように、アクチュエータ30の連結機構33は、第1回転子40の回動軸42Dが中心に位置し、第2回転子50の基端部52Dが回動軸42Dを覆って連結されたものでもよい。この場合、回動軸42Dの径方向へ突出部43B,43Cが形成され、基端部52Dの内径から中心方向へ当接部53B,53Cが形成されたものでもよい。もちろん、基端部52Dが回動軸42Dの内部に挿通されるものでもよい。なお、本第2変形例は、前述した第1実施形態の変形例に限らず、前述した第2実施形態の変形例としても適用してもよい。
【0061】
[第1実施形態の第3変形例]
前述した第1実施形態の説明では、第1回転子40がシート排出口27からシートトレイ18にシートSが排出される側に配置されて、第2回転子50はシートSが排出される方向とは反対側に配置された場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、図11(A),図11(B)に示されるように、アクチュエータ30Bは、第1回転子40と第2回転子50とがともにシートSが排出される側に配置されて、回動軸42に回動可能に支持されていてもよい。この場合、遮光片51を鉛直方向8の上方向(矢印14)へ引っ張るバネ34Bを設ける。バネ34Bの前記第1回動向き(矢印Y1)へ付勢する力は、遮光片51の自重により前記第2回動向き(矢印Y2)へ回動する力よりも強く、接触子41及び遮光片51の自重により前記第2回動向き(矢印Y2)へ回動する力よりも弱い。突出部43が当接部53よりも前記第1回動向きの下流側に設けられている。そのため、シートSが積載されたシートトレイ18が前記第1回動向きへ回動されると、シートトレイ18が第1回転子40に当接して前記第1回動向きへ回動する。突出部43と当接部53が当接により連結されているため、第2回転子50も同じ回動方向へ回動される。遮光片51がストッパー部24に当接した場合に、当接部53と突出部43との当接が解除される。逆に、シートトレイ18が前記第2回動向きへ回動されて突出部43と当接部53とが当接すると、遮光片51は接触子41の回動に伴って同じ方向へ回動する。このように、アクチュエータ30Bは、前記第2回動向きの自重の力と前記第1回動向きのバネによる付勢する力のバランスにより前記所定の角度を維持し又は前記所定の角度を変化可能にすることが可能な連結機構33が設けられたものとして構成される。
【符号の説明】
【0062】
10:画像形成装置
3:トナーコンテナ
10A:筐体
18:シートトレイ
18A:シート載置面
24:ストッパー部
27:シート排出口
30,30A:アクチュエータ
31:検出部
32:検出位置
33:連結機構
34:バネ
35:ねじりコイルバネ
40:第1回転子
41:接触子
42:回動軸
43:突出部
50:第2回転子
51:遮光片
52:円筒部
53:当接部
60:伝達機構
61:第1部材
61A:第1アーム
62:第2部材
63:湾曲部
64:湾曲当接部
65:第2アーム
66:連結軸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11